JP5282623B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents
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Description
光配線としては光ファイバの他に、光導波路が用いられる場合もある。光導波路は光ファイバと同様、光を伝搬するコアと、コアに比べ屈折率が低い材料でコア周辺を覆っているクラッドの要素から形成されている。
しかし、この方法においては、カバー層を形成した後にRIEなどのドライエッチングにより型の溝形状を形成するため、真空プロセスを用いる必要があり、量産には適さない。また、ドライエッチングにより溝形状を形成するため、溝の底面・側面が荒れる懸念がある。
また、この方法では、溶剤や水によりカバー層を除去する必要がある。このため、溶剤によりコア表面が荒れる恐れがある。さらに、溶剤に浸すことでコアやクラッドが溶剤分や水分を吸収し、伝搬損失が低下する懸念がある。加えて、カバー層を剥離可能で、且つ、コア・クラッドを溶解しない溶剤が必要となり、使用できる材料はかなり限定されるという欠点がある。
但し、このプロセスには制限がある。まず、カバー層の除去を行うためにはアルカリ溶液に浸漬する必要がある。この場合、型として使用する材料はアルカリ溶液耐性を有する材料に制限される。また、高温にて平坦化を行う必要があり、導波路材料として樹脂を用いる場合には適さない。
さらに、型として金属材料等を用いる場合には、アモルファスシリコン、クロム、金との密着性が高すぎて、カバー層の剥離がうまくいかない場合が考えられる。
加えて、アモルファスシリコン、クロム、金のカバー層を形成するためには真空プロセスが必要であり、量産には適さないという欠点が挙げられる。
カバー層の形成は、コア材料の余剰分によるコア形状崩れの防止を目的として行う。
カバー層を形成し、コア充填後に剥離する場合、コア材料の充填量・充填方法を調整すれば、コア材料は型の溝内部と溝外部とに分離する。このような場合には本発明の方法により溝外部のコア余剰分を除去することで、矩形コアを形成できる。
また、上記の方法においては、第1カバー層と第2カバー層を接着させると同時に、コア余剰分をこれらカバー層で包み込んで除去できる。加えて、第2カバー層を面全体でつなげることにより、第1・第2カバー層の剥離を一度に行うことができる。
この方法は、コアを型に対し充填した際にコア形状に窪みが生じるケースに対処するためのプロセスであり、矩形で窪み形状のないコアを形成することができる。
より詳細には、本発明によれば次の効果が奏される。
第1に、カバー層の形成やマスク板の使用により、溝外部のコア余剰分を除去し、形状の整ったコアを形成できる。
この場合、カバー層3を紫外線照射あるいは加熱により剥離性を発現する材料で形成すると、物理的な剥離を容易に行う上で有利となる。
第2カバー層6´の塗工方法は、第1カバー層6と同じでも、異なっても構わない。
塗工した第1・第2カバー層6、6´を剥離する方法としては、溶剤や水による化学的な剥離手段の他に、手作業・装置による物理的な剥離方法を選択することもできる。
この場合、第1・第2カバー層6、6´を紫外線照射あるいは加熱により剥離性を発現する材料で形成すると、物理的な剥離を容易に行う上で有利となる。
より詳細に説明すると、図3−(1)に示すように、型1の型面を覆うマスク板7を型面に重ね合わせる。
次に、図3−(2)に示すように、マスク板7の上からコア材料4を溝部2に充填する。
次に、図3−(3)に示すように、コア材料4が硬化することで溝部2にコアが形成された後、マスク板7を型1から除去することで溝部2にコアを残存させる。
これ以降は、図1−(5)、(6)、(7)と同様の工程により、コアをクラッド層に埋め込むことで光導波路を形成する。
すなわち、請求項3に示す方法は、図4−(1)に示すように、溝部2に充填されたコア材料4が硬化に伴い該コア材料4の表面に窪みが形成された場合に、図4−(2)に示すように、この窪みにさらにコア材料4を充填し、窪みに充填されたコア材料4が硬化することで溝部2に残存するコアの表面形状が平坦面となるようにしたものである。
すなわち、請求項2に示す方法は、溝部2に充填されたコア材料4の表面形状が平坦面となるように溝部2の表面の撥液性を調節したものである。
溝部2の表面の撥液性を調節は、溝部2の表面、および、型面に型表面処理層8を形成することでなされる。
また、請求項5に示す方法では、型1としてクラッド材料を用いているため、コアの上部からオーバークラッド(クラッド材料5)を塗工・硬化することで光導波路を形成できる(図6−(8)〜図6−(9)に示す)。
工程の概略図を図1−(1)〜図1−(7)に示す。50μm角の溝形状パターンを有する金属型(表面クロムめっき処理)に対し、フィルムレジストを110℃でラミネートし張り合わせる。次に、露光を行ってレジストの一部硬化させた後、アルカリ溶液によりパターニングを行う。続いて、光硬化性のコア材料を金属型に充填する。充填はスクリーン印刷機のスキージを用いて行い、塗工したコア材料は露光により硬化する。次に、フォトレジスト材料を剥離する。最後に、クラッド材料を塗工・硬化して金属型を剥離し、反対側の面にもクラッドを塗工・硬化して形成する。これにより、光導波路が形成される。
図1−(1)、(2)に示すように、コアを形成するための溝部4が型面に開口している型1を用意し、型1の型面にカバー層3を形成する。
次に、図1−(3)に示すように、カバー層3の上から溝部2にコア材料4を充填する。
次に、図1−(4)に示すように、コア材料4が硬化することで溝部2にコアが形成された後、カバー層4を型1から除去することで溝部2にコアを残存させる。この際、コア余剰分はカバー層3と共に除去されることになる。
次に、図1−(5)に示すように、型面およびコア上部を覆うように未硬化のクラッド材料5を塗布しこのクラッド材料5を硬化させ、図1−(6)に示すように、型1からコアおよび硬化したクラッド材料5を剥離し逆さ向きにする。
次に、図1−(7)に示すように、クラッド材料5の反対面、すなわち、コアがクラッド材料5から露出している面にもクラッド材料5を塗布・硬化することでクラッド層を形成する。
これにより、コアがクラッド層に埋め込まれ、光導波路が形成される。
言い換えると、コアのクラッド層への埋め込みは、溝部2から取り外したコアをクラッド層に埋め込むことでなされる。
図6−(1)、(2)に示すように、コアを形成するための溝部4が型面に開口しているクラッド材料で形成された型10を用意し、型10の溝部を覆いかつ型面を露出させるカバー層形成用のメタルマスク9を前記型面に重ね合わせる。
次に、図6−(3)、(4)に示すように、メタルマスク9の上から第1カバー層11を形成するカバー材料を型面に塗工して硬化させ、メタルマスク9を剥離する。これにより型面に第1カバー層11を形成する。
次に、図6−(5)に示すように、第1カバー層11の上から溝部にコア材料13を充填し、コア材料13が硬化することで溝部にコアが形成される。
次に、図6−(6)に示すように、第2カバー層11´を第1カバー層11およびコアを覆うように塗工して第1カバー層11の上面に付着したコア余剰分を第2カバー層11´の内部に取り込む。
次に、図6−(7)、(8)に示すように、第1カバー層11および第2カバー層11´の双方を型10から除去することで溝部にコアを残存させる。
次に、図6−(9)に示すように、型10の型面およびコア上部を覆うように未硬化のクラッド材料14を塗布しこのクラッド材料14を硬化させることでクラッド層を形成する。
これにより、コアがクラッド層に埋め込まれ、光導波路が形成される。
言い換えると、コアのクラッド層への埋め込みは、コアと、型10の型面とをクラッド材料14で覆うことでなされる。
Claims (5)
- コアを形成するための溝部が型面に開口している型を用いてクラッド層の内部にコアが形成された光導波路の製造方法であって、
前記型面にカバー層を形成し、
前記カバー層の上から前記溝部にコア材料を充填し、
前記コア材料が硬化することで前記溝部にコアが形成された後、前記カバー層を前記型から除去することで前記溝部に前記コアを残存させ、
前記コアをクラッド層に埋め込むことで光導波路を形成し、
前記カバー層は、紫外線照射あるいは加熱により剥離性を発現する材料で形成されるとともに、第1カバー層および第2カバー層からなり、
前記型面に第1カバー層を形成し、前記第1カバー層の上から前記溝部にコア材料を充填し、前記コア材料が硬化することで前記溝部にコアが形成された後、第2カバー層を前記第1カバー層および前記コアを覆うように塗工して前記第1カバー層の上面に付着したコア余剰分を前記第2カバー層の内部に取り込み、前記第1カバー層および第2カバー層の双方を前記型から除去することで前記溝部に前記コアを残存させ、前記コアをクラッド層に埋め込むことで光導波路を形成する、
ことを特徴とする光導波路の製造方法。 - 前記溝部に充填された前記コア材料の表面形状が平坦面となるように前記溝部の表面の撥液性を調節した、
ことを特徴とする請求項1項記載の光導波路の製造方法。 - 前記溝部に充填された前記コア材料が硬化に伴い該コア材料の表面に窪みが形成された場合に該窪みにさらにコア材料を充填し、該窪みに充填されたコア材料が硬化することで前記溝部に残存する前記コアの表面形状が平坦面となるようにした、
ことを特徴とする請求項1乃至2記載の光導波路の製造方法。 - 前記コアのクラッド層への埋め込みは、
前記型面および前記溝部に充填された前記コアの表面をクラッド材料で覆ったのち、前記溝部から取り外した前記コアのうち前記クラッド材料から露出している面も前記クラッド材料で覆うことによって前記コアをクラッド層に埋め込むことでなされる、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の光導波路の製造方法。 - 前記型がクラッド材料で形成され、
前記コアのクラッド層への埋め込みは、
前記コアと、前記型面とをクラッド材料で覆うことでなされる、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の光導波路の製造方法。
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