JP5272928B2 - 医療事務支援プログラム、医療事務支援システム及び医療事務支援方法 - Google Patents

医療事務支援プログラム、医療事務支援システム及び医療事務支援方法 Download PDF

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Description

本件は、医療事務支援プログラム、医療事務支援システム及び医療事務支援方法に関する。
従来、社会福祉や公衆衛生の観点から、国又は地方公共団体が特定の対象者に対して公費によって医療に関する給付を行う制度(公費負担制度)が存在している。
医療会計業務において、公費負担制度に対応するためには、公費負担制度の適用条件を記憶したデータテーブルを予め用意しておき、当該データテーブルを参照して会計処理を行うことが考えられる。
特許文献1には、このような医療会計業務において、患者が公費などの公的サービスの適用対象年齢に属するか否かを判断し、患者に、公的サービスを適切に利用させる方法が開示されている。
特開2001−222617号公報
しかしながら、上記のような医療会計業務を行う場合、公費負担制度の適用条件は、例えば病名や受診時の診療行為により定義する必要がある。この場合、例えば病名だけでも、約22000種の病名本体コードと、約2000種の修飾語コードとを組み合わせた膨大な数があり、病名や診療行為などの全ての条件に対して、公費の適用があるか否かを正確に定義するのは困難である。
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡易に公費対象候補者であるか否かを出力することが可能な医療事務支援プログラム、医療事務支援システム及び医療事務支援方法を提供することを目的とする。
本明細書に記載の医療事務支援プログラムは、コンピュータを、医療事務支援システムとして機能させる医療事務支援プログラムであって、前記コンピュータを、病名情報と、公費情報と、該公費情報で特定される公費を受給した人のうち前記病名情報と同一の病名情報が設定されている人の割合を示す病名一致割合と、を対応付けて記憶する記憶手段を参照し、処理対象受診者に設定されている病名情報に対応する前記病名一致割合を取得する取得手段、前記取得手段において取得された前記病名一致割合を利用して、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する出力手段、として、機能させる医療事務支援プログラムである。
本明細書に記載の医療事務支援システムは、病名情報と、公費情報と、該公費情報で特定される公費を受給した人のうち前記病名情報と同一の病名情報が設定されている人の割合を示す病名一致割合と、を対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段を参照し、処理対象受診者に設定されている病名情報に対応する前記病名一致割合を取得する取得手段と、前記取得手段において取得された前記病名一致割合を利用して、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する出力手段と、を備えている。
本明細書に記載の医療事務支援方法は、コンピュータによって実行される医療事務支援方法であって、前記コンピュータが、病名情報と、公費情報と、該公費情報で特定される公費を受給した人のうち前記病名情報と同一の病名情報が設定されている人の割合を示す病名一致割合と、を対応付けて記憶する記憶手段を参照し、処理対象受診者に設定されている病名情報に対応する前記病名一致割合を取得する取得工程と、前記取得工程において取得された前記病名一致割合を利用して、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する出力工程と、を実行するものである。
本明細書に記載の医療事務支援プログラム、医療事務支援システム及び医療事務支援方法は、簡易に公費対象候補者であるか否かを出力することができるという効果を奏する。
一実施形態に係る医療事務支援システムの構成を概略的に示す図である。 図2(a)〜図2(f)は、記憶装置に格納されているデータベースの内容を示す図である。 図3(a)〜図3(d)は、記憶装置に格納されているマスタの内容を示す図である。 患者が病院に来院してからの受診の流れについて示すフローチャートである。 図5(a)〜図5(d)は、図4のステップS12で用いるデータやマスタの具体例を示す図である。 図4のステップS12における処理を示すフローチャートである。 図7(a)〜図7(c)は、公費を受給していない患者の、保険データ、病名データ、診療行為データの具体例を示す図であり、図7(d)は、公費申請候補データの具体例を示す図である。 図8(a)〜図8(c)は、公費を受給している患者の、保険データ、病名データ、診療行為データの具体例を示す図である。 図4のステップS14における処理を示すフローチャートである。 図10(a)は、患者が公費を受給していない場合において、図9のステップS40で取得されるデータの一例を示す図であり、図10(b)は、図9のステップS46で出力されるメッセージの一例を示す図であり、図10(c)は、患者が公費を受給している場合において、図9のステップS40で取得されるデータの一例を示す図である。 図11(a)、図11(b)は、ステップS12、S14の処理の具体例1,2を示す図である。 図12(a)、図12(b)は、ステップS12、S14の処理の具体例3,4を示す図である。 図4のステップS18における処理を示すフローチャートである。 図14(a)〜図14(h)は、図13の処理において使用されるデータ及びマスタを示す図である。
以下、医療事務支援システムの一実施形態について、図1〜図14に基づいて詳細に説明する。この医療事務支援システムは、例えば病院に設置されるシステムである。
図1には、医療事務支援システム100の構成がブロック図にて示されている。この図1に示すように、医療事務支援システム100は、端末10、10,10…と、サーバ30と、記憶手段としての記憶装置40と、を備える。各装置は、病院内に敷設されたLAN(Local Area Network)20により接続されている。
各端末10は、モニタ及び入力部を有する。モニタとしては、液晶ディスプレイやCRT等が用いられ、入力部としては、キーボードやマウス等が用いられる。各端末10は、ユーザ(診療を行う医師や、医療事務に従事する者)が、患者に関する種々のデータを入力したり、閲覧したりするために用いられる。
サーバ30は、取得手段としての取得部32と、出力手段としての出力部34と、更新手段としての更新部36とを有する。なお、これら各部の機能は、計算機システムに内蔵されたプログラムによって実現されている。ただし、これに限らず、各部を、実際の装置にて構成しても良い。
取得部32は、記憶装置40から情報を取得するとともに、各端末10を介してユーザから入力された情報を取得する。出力部34は、取得部32が取得した情報を端末10に出力したり、ユーザに対して伝達すべき事項(メッセージ)を端末10に出力したりする。更新部36は、端末10を介してユーザから入力された情報を用いて、記憶装置40に記憶されている情報を更新する。
記憶装置40は、データベース群410と、マスタ群420と、を有する。データベース群410は、保険データベース(DB)411と、病名DB412と、診療行為DB413と、公費申請候補DB414と、公費請求実績DB415と、会計DB416と、を有する。マスタ群420は、病名マスタ421、診療行為マスタ422、公費対象病名マスタ423と、公費対象診療行為マスタ424と、を有する。
保険DB411は、図2(a)に示すように、患者IDと法別番号とが蓄積されるデータベースである。患者IDのデータとしては、患者ごとに割り振られたID、例えば「A」、「B」…などが記述される。法別番号のデータとしては、患者が公費を使用している場合にはその法別番号、公費を使用していない場合には、「なし」が記述される。
病名DB412は、図2(b)に示すように、患者IDと法別番号と病名コードとが蓄積されるデータベースである。病名コードは、患者が罹患している疾病の情報をコード化したものであり、例えば、7桁の数字で表される。
診療行為DB413は、図2(c)に示すように、患者IDと法別番号と診療行為コードとが蓄積されるデータベースである。診療行為コードは、患者別に実施した診療行為の情報をコード化したものであり、例えば、9桁の数字で表される。
公費申請候補DB414は、図2(d)に示すように、患者IDと法別番号と受理予想値とが蓄積されるデータベースである。受理予想値は、患者別に公費ごとの申請が受理されると予想される程度について、数値化したものである。ここでは、受理予想値を百分率にて表すものとする。
公費請求実績DB415は、図2(e)に示すように、3つの使用実績レコードを有している。3つの使用実績レコードは、(1)全体使用実績レコード、(2)病名使用実績レコード、(3)診療行為使用実績レコードである。(1)全体使用実績レコードには、法別番号と累積患者数とが蓄積される。累積患者数は、法別番号が一致する患者の合計人数である。すなわち、当該レコードには、毎月の保険請求において、公費の受給を受けた患者のうち法別が一致する患者の人数を累積して蓄積する。なお、全体使用実績レコードには、全体の人数(公費を使用していない患者の人数と全ての公費を使用している患者の人数を合算した人数)も、法別番号「00」として格納される。(2)病名使用実績レコードには、法別番号と病名コードと累積患者数とが蓄積される。すなわち、当該レコードには、毎月の保険請求において、公費の受給を受けた患者のうち、法別及び病名が一致する患者の人数を累積して蓄積する。なお、病名使用実績レコードには、病名コードを使用した全患者の人数が、法別番号「00」として格納される。(3)診療行為使用実績レコードには、法別番号と病名コードと診療行為コードと累積患者数とが蓄積される。すなわち、当該レコードには、毎月の保険請求において、公費の受給を受けた患者のうち、法別、病名及び診療行為の全てが一致する患者の人数を累積して蓄積する。なお、診療行為使用実績レコードには、診療行為コードを使用した患者の人数が、法別番号「00」、病名コード「0000000」として格納され、また、病名コードごとに診療行為コードを使用した患者の人数が、法別番号「00」として格納される。
会計DB416は、患者への請求情報を格納するデータベースあり、図2(f)に示すように、患者IDと請求金額とが蓄積される。この会計DB416は、医療費の会計時に、患者請求をするために用いられる。
病名マスタ421は、図3(a)に示すように、傷病名と病名コードとを対応付けたマスタデータである。診療行為マスタ422は、図3(b)に示すように、診療行為名称と診療行為コードとを対応付けたマスタデータである。公費対象病名マスタ423は、図3(c)に示すように、病名コードと法別番号と公費の使用比率とを対応付けたマスタデータである。使用比率は、公費制度(法律)を利用して公費を受給した人のうち、病名情報が一致する人の割合(病名一致割合)である。すなわち、使用比率としては、対象病名使用患者数/対象公費使用全患者数×100から導き出される値が用いられる。公費対象診療行為マスタ424は、図3(d)に示すように、病名コード、法別番号、診療行為コード、及び公費の使用比率を対応付けたマスタデータである。使用比率は、公費を受給し、かつ病名情報が一致する人のうち、診療行為が一致する人の割合(診療行為一致割合)である。すなわち、使用比率としては、対象診療行為受診患者数/対象公費病名使用全患者数×100から導き出される値を用いている。
次に、上記のように構成される医療事務支援システム100による処理について、図4〜図14に基づき、かつその他の図面を適宜参照しつつ説明する。
まず、図4のフローチャートに沿って、ある患者が病院に来院してからの受診の流れについて説明する。まず、患者は、受付窓口において新患受付又は再来受付のいずれかを行う(ステップS10)。次いで、患者は、診察室において、担当医師により診察又は診療を受ける(ステップS12)。次いで、診療等を受けた患者は、会計窓口において、医療費の請求を受ける(医療費を支払う)(ステップS14)。なお、患者は、医療費を支払った後に帰宅等するが、会計窓口では、例えば月末に、社会保険診療報酬支払基金等に対して保険請求を行う(ステップS16)。また、サーバ30では、例えば月末に、記憶装置40のマスタ群420の更新処理を行う(ステップS18)。
次に、上記ステップS12、S14、S18の各場面における、医療事務支援システム100の具体的な処理について説明する。なお、この処理の前提として、図5(a)に示すように、法別番号「21」は、障害者自立支援法による精神通院医療を意味しており、病名マスタの傷病名「てんかん」には病名コード「3459001」が割り振られているものとする。また、診療行為マスタの診療行為名称「てんかん指導」には、診療行為コード「113002850」が割り振られているものとする。なお、病名マスタ及び診療行為マスタでは、傷病名ごと及び診療行為名称ごとにコードが割り振られているが、図5(a)では、「てんかん」、「てんかん指導」のコードのみを表記している。
また、処理の前提として、図5(b)の(1)全体使用実績レコードに示すように、法別番号「21」を使用して、99人の患者が公費を既に受給しているものとする。また、(2)病名使用実績レコードに示すように、法別番号「21」を使用して、病名コード「3459001」の患者49人が、公費を既に受給しているものとする。更に、(3)診療行為使用実績レコードに示すように、法別番号「21」を使用して、病名コード「3459001」及び診療行為コード「113002850」の患者49人が、公費を既に受給しているものとする。
また、図5(c)の公費対象病名マスタに示すように、法別番号「21」、病名コード「3459001」の使用比率(病名一致割合)は、49/99×100=49.5(%)となっている。また、図5(d)の公費対象診療行為マスタ424のように、法別番号「21」、病名コード「3459001」、診療行為コード「113002850」の使用比率(診療行為一致割合)は、49/49×100=100(%)となっている。
(ステップS12の処理)
図6は、図2のステップS12の場面における医療事務支援システム100の具体的な処理を示すフローチャートである。なお、この処理の前に、図4のステップS10において、図7(a)(又は図8(a))に示す保険データが受付窓口の端末10から入力されているものとする。なお、図7(a)の患者は、公費の使用をしていない患者であり、図8(a)の患者は、公費を実際に使用している患者である。また、診察室の医師は、患者の診療終了後、診療を行った患者(対象患者A(病名:てんかん、診療行為:てんかん指導))の保険データをサーバ30から端末10に読み出したものとする。この場合、サーバ30では、端末10を介した医師からの指示に基づいて、取得部32が、保険DB411から患者Aの保険データを取得し、出力部34が、当該保険データを端末10に対して出力する。そして、医師は、端末10に出力された保険データを利用して、図7(b)、図7(c)(又は図8(b),図8(c))の各データを入力したものとする。
このような状態から、図6の処理がサーバ30にて実行される。まず、図6のステップS20では、サーバ30の取得部32が、病名データ(図7(b))を病名DB412から取得する(読み込む)。次いで、ステップS21では、出力部34が、病名データを参照して、法別番号の項目が「なし」であるか否かを判断する。ここでの判断が肯定される場合、すなわち図7(b)のような場合には、ステップS22に移行する。一方、図8(a)〜図8(c)のように、法別番号の項目に番号が入力されている場合には、患者は、既に公費の受給者証を病院に提示して診療を受けていることを意味する。このような場合には、図6の処理を終了する。
次いで、ステップS22では、出力部34が、病名データ上の病名コード「3459001」が公費対象病名マスタに登録されているか否かを判断する。この場合、公費対象病名マスタ(図5(c))に病名コード「3459001」が登録されているので、ここでの判断は肯定され、ステップS24に移行する。なお、病名コードが公費対象病名マスタに登録されていない場合には、図6の処理を終了する。
ステップS24では、出力部34が、病名コードに対応する公費対象病名マスタの使用比率(病名一致割合)が100(%)であるか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS30に移行し、否定された場合には、ステップS26に移行する。本実施形態では、図5(c)に示すように、使用比率(病名一致割合)は、49.5(%)となっているので、ここでの判断は否定されて、ステップS26に移行する。
ステップS26では、取得部32が診療行為DB413から診療行為データ(図7(c))を取得する(読み込む)。次いで、ステップS28では、出力部34が、診療行為データのうち、診療行為コードが公費対象診療行為マスタのうち、公費対傷病名マスタと病名コードおよび法別番号が一致するレコードに存在するか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS30に移行し、否定された場合には、図6の処理を終了する。なお、本実施形態では、図7(c)の診療行為コード「113002850」が、図5(d)の通り、図5(c)の公費対象病名マスタの病名コード「3459001」と法別番号「21」に一致する公費対象診療行為マスタに存在しているので、ステップS28の判断は肯定される。
ステップS30では、更新部36が、図7(d)に示すような公費申請候補データを作成し、そのデータにて、公費申請候補DB414を更新する。ここで、公費申請候補データにおける患者IDは、図7(b)の病名データと同一の患者IDが用いられ、法別番号は、図5(c)の公費対象病名マスタと同一の法別番号が用いられる。また、受理予想値は、ステップS24から直接ステップS30に移行した場合には、公費対象病名マスタの使用比率(診療行為一致割合)と同値の100とする。一方、本実施形態のようにステップS28を経た場合には、図5(c)の使用比率(病名一致割合)49.5と、図5(d)の使用比率(診療行為一致割合)100のうち、大きい方(100)を受理予想値とする。このように、ステップS30の処理が終了した後は、図6の全処理が終了する。
(ステップS14の処理)
図9は、図4のステップS14の場面における医療事務支援システム100の具体的な処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS40では、会計窓口の端末10から入力される、医療事務に従事する者からの指示に基づいて、取得部32が、会計窓口に来た対象患者に対応する会計データなどのデータを各DBから取得する(読み込む)。すなわち、例えば、会計窓口に来た対象患者の患者IDが「A」であれば、取得部32は、ID「A」に関連するデータを各DBから取得する。次いで、ステップS42では、出力部34が、ステップS40において読み込まれたデータの中に、対象患者の公費申請候補データが存在しているか否かを判断する。ここで、例えば、図7(d)のように、公費申請候補データが作成されていた場合には、ステップS42において、図10(a)に示すような会計データと公費申請候補データが取得されることになる。したがって、このような場合には、ステップS42の判断は肯定されて、ステップS44に移行する。一方、公費申請候補データが作成されなかった場合(例えば、図8のような場合)には、図10(c)に示すように、会計データのみが取得されるので、図9のステップS42の判断は否定されて、図9の全処理が終了する。
ステップS44に移行した場合、出力部34は、公費申請候補データの受理予想値が一定値以上か否かを判断する。ここで、一定値は、システム開発者が予め設定しておいても良いし、あるいはユーザが設定することとしても良い。なお、本実施形態では、一定値が60(%)に設定されているものとして説明する。図7(d)の場合、受理予想値は100(%)となっていることから、ステップS44の判断は肯定され、ステップS46に移行する。ステップS46では、出力部34が、図10(b)のように、対象患者が公費対象である可能性が高い旨のメッセージ、例えば、「精神通院医療の対象になる可能性があります」というメッセージを会計窓口の端末10のモニタに出力する。会計窓口では、当該メッセージを確認したときには、対象患者に対して、公費の受給を受けられる可能性がある旨を説明することができる。
なお、ステップS44の判断が否定された場合には、ステップS46を経ずに(メッセージを表示せずに)、図9の全処理を終了する。
これまでの説明から分かるように、本実施形態では、公費を未だ使用しておらず、かつ公費を使用できる可能性が高い患者に対して、会計窓口において、その旨を適切に通知することが可能となっている。
ここで、より簡単な例を挙げて、ステップS12及びステップS14の処理を説明する。なお、以下の具体例1〜4のいずれにおいても、対象患者は、病名コード3459001の病気(てんかん)であり、診療行為コード113002850の診療(てんかん指導)を受けたものとする。
図11(a)には、具体例1が示されている。この図11(a)に示すように、過去において法別番号「21」の公費を受給した人が10人いて、その10人全員が、病名コード3459001の病気であったものとする。この場合、病名一致割合は100であるので、図6のステップS24における判断が肯定されて、ステップS30において、図11(a)のような公費申請候補データが作成されることになる。この場合、受理予想値は100であるので、図9のステップS44の判断が肯定(一定値=60のため)されて、ステップS46において、メッセージが表示されることになる。
図11(b)には、具体例2が示されている。この図11(b)に示すように、過去において法別番号「21」の公費を受給した人が10人いて、その10人のうち8人が、病名コード3459001の病気であったものとする。また、この8人のうちの4人が診療行為コード113002850であったものとする。この場合、病名一致割合は80であるので、図6のステップS24における判断は否定される。しかしながら、対象患者の診療行為コードと一致する診療コードの患者が存在する(4人)ので、ステップS28の判断が肯定されて、ステップS30において、図11(b)のような公費申請候補データが作成されることになる。この場合、受理予想値は割合80と50のうちの大きい方である80となるので、図9のステップS44の判断は肯定(一定値=60のため)されて、ステップS46において、メッセージが表示されることになる。
図12(a)には、具体例3が示されている。この図12(a)に示すように、過去において法別番号「21」の公費を受給した人が10人いて、その10人のうち5人が、病名コード3459001の病気であったものとする。また、この5人のうちの4人が診療行為コード113002850であったものとする。この場合、病名一致割合は50であるので、図6のステップS24における判断は否定される。しかしながら、対象患者の診療行為コードと一致する診療コードの患者が存在する(4人)ので、ステップS28の判断が肯定されて、ステップS30において、図12(a)のような公費申請候補データが作成されることになる。この場合、受理予想値は割合50と80のうちの大きい方である80となるので、図9のステップS44の判断が肯定(一定値=60のため)されて、ステップS46において、メッセージが表示されることになる。
図12(b)には、具体例4が示されている。この図12(b)に示すように、過去において法別番号「21」の公費を受給した人が10人いて、その10人のうち5人が、病名コード3459001の病気であったものとする。また、この5人のうちの2人が診療行為コード113002850であったものとする。この場合、病名一致割合は50であるので、図6のステップS24における判断は否定される。しかしながら、対象患者の診療行為コードと一致する診療コードの患者が存在する(2人)ので、ステップS28の判断が肯定されて、ステップS30において、図12(b)のような公費申請候補データが作成されることになる。この場合、受理予想値は割合50と40のうちの大きい方である50となるので、図9のステップS44の判断が否定(一定値=60のため)される。したがって、本具体例4では、メッセージは表示されない。
なお、図12(b)の具体例4において、対象患者の診療行為コードと一致する人が0人である場合には、図6のステップS28の判断が否定されるので、公費申請候補データは作成されない。したがって、このような場合には、図9のステップS42の判断が否定されるので、メッセージは表示されないことになる。
(ステップS18の処理)
図13は、図2のステップS18の場面における医療事務支援システム100の具体的な処理を示すフローチャートである。この図13の処理は、例えば、月末において実行される処理である。なお、前提として、月末までに、図2のステップS16において、公費を使用した患者のデータ(図8(a)〜図8(c)のデータ)が少なくとも1つ入力されているものとする。
まず、図13のステップS60では、取得部32が、保険データの1つを読み込む。ここでは、図14(a)に示す保険データ(患者ID「A」の患者が、法別番号「21」の公費を受給したというデータ)が読み込まれたものとする。
次いで、ステップS62では、出力部34が、保険データの中に公費が存在するか否か、すなわち、保険データの法別番号の項目に番号が入力されているか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、図13の全処理を終了する。一方、図14(a)のように、法別番号が入力されている場合には、ここでの判断が肯定され、ステップS64に移行する。
ステップS64では、取得部32が、保険データの法別番号に基づいて、公費請求実績DB415から全体使用実績レコードの取得(読み込み)を行う。この場合、図5(b)の(1)全体使用実績レコードが読み込まれる。次いで、ステップS66では、更新部36が、全体使用実績レコードの累積患者数を更新する。ここでは、図14(b)に示すように、図5(b)(1)のレコードの累積患者数99(人)を+1して、100(人)とする。
次いで、ステップS68では、取得部32が、病名データの読み込みを行う。ここでは、患者ID「A」の患者の病名データとして、図14(c)に示すような病名データが読み込まれる。次いで、ステップS70では、取得部32が、図14(c)の病名データの法別番号「21」及び病名コード「3459001」に基づいて、公費請求実績DB415から病名使用実績レコードを取得する。ここでは、図5(b)の(2)病名使用実績レコードが取得されることになる。更新部36は、次のステップS72において、病名使用実績レコードの累積患者数を図5(b)(2)の49(人)から+1して、図14(d)に示すように50(人)とする。また、更新部36は、次のステップS74において、図5(c)に示す公費対象病名マスタの使用比率(病名一致割合)を更新する。ここでは、図14(b)の累積患者数(100)に対する、図14(d)の累積患者数(50)の割合(百分率)50(%)で、公費対象病名マスタの使用比率(病名一致割合)が更新される(図14(e)参照)。
次いで、ステップS76では、取得部32が、診療行為データの読み込みを行う。ここでは、患者ID「A」の患者の診療行為データとして、図14(f)に示すような診療行為データが読み込まれたものとする。次いで、ステップS78では、取得部32が、診療行為データの法別番号「21」及び診療行為コード「113002850」に基づいて、公費請求実績DB415から診療行為使用実績レコードの読み込みを行う。ここでは、図5(b)の(3)診療行為使用実績レコードが読み込まれることになる。
次いで、ステップS80では、更新部36が、診療行為使用実績レコードの累積患者数を更新する。ここでは、図5(b)の(3)診療行為使用実績レコードの累積患者数49(人)を+1して、図14(g)に示すように、50(人)とする。
そして、ステップS82では、更新部36が、図5(d)に示す公費対象診療行為マスタの使用比率(診療行為一致割合)を更新する。ここでは、図14(h)に示すように、図14(d)の累積患者数(50)に対する図14(g)の累積患者数(50)の割合(百分率)100(%)で、公費対象診療行為マスタの使用比率が更新される。以上の処理を経ることにより、図13の全処理が終了する。
なお、保険DB411、病名DB412、診療行為DB413に、別の患者のデータがある場合には、そのデータ分だけ、図13の処理が繰り返される。各データが、公費を受給した患者のデータであった場合には、各レコード及びマスタの更新が行われる(ステップS66、S72,S74,S80,S82)。また、上記のように更新されたデータは、次の患者(対象患者)から適用される。
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、取得部32が、病名コードと、その病名コードに対応する公費制度(法律)を利用して公費を受給した人のうち、病名コードが一致する人の割合(病名一致割合)と、を対応付けて記憶する記憶装置40を参照し、対象患者の病名コードに対応する病名一致割合を取得する。また、出力部34は、取得部32において取得された病名一致割合を利用して、対象患者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する。このように公費を実際に使用した(受給した)患者のデータを利用して、対象患者が公費申請対象者であるか否かを出力するので、あらかじめ各病気、各診療行為が公費受給対象であるか否かのデータベースを作成する場合のように手間をかけることなく、簡易に、対象患者が公費申請対象者か否かをユーザは認識することができる。仮に対象患者が公費申請対象者であった場合には、対象患者に対して適切に公費の使用を促すことができる。
また、本実施形態によると、記憶装置40には、病名コード及び診療行為コードと、公費を受給し、かつ病名コードが一致する人のうち、診療行為が一致する人の割合(診療行為一致割合)とを対応付けて記憶されており、取得部32は、記憶装置40から、対象患者が受けた診療行為情報に対応する診療行為一致割合を取得する。また、出力部34は、病名一致割合とともに診療行為一致割合にも基づいて、対象患者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する。したがって、対象患者が実際に受けた診療行為と同一の診療行為を受けた患者の公費受給状況を考慮して、対象患者が公費対象者であるか否かの情報を出力するので、ユーザは、対象患者が公費申請対象者か否かをより適切に認識することができる。
また、本実施形態では、更新部36が、記憶装置40に記憶されている使用比率(病名一致割合及び診療行為一致割合)を、新たに公費を受給した人のデータを利用して更新する。したがって、対象患者が公費申請対象者であるか否かの情報を、更新されたデータを利用して出力することができる。
なお、上記実施形態では、図6のステップS24において、公費対象病名マスタの使用比率が100(%)の場合に、公費申請候補データを作成する(S30)場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、使用比率(病名一致割合)が予め定められた閾値以上の場合に、公費申請候補データを作成することとしても良い。
また、上記実施形態では、図6のステップS28において、診療行為コードが公費対象診療行為マスタに存在する場合に、公費申請候補データを作成する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、公費申請候補データの使用比率(診療行為一致割合)が予め定められた閾値以上の場合にのみ、公費申請候補データを作成することとしても良い。また、公費申請候補データの作成は、公費対象病名マスタの使用比率にのみ基づいて、作成されても良い。
なお、上記実施形態では、医療事務支援システム100が、図1に示すように、複数の端末10とサーバ30を備える場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、1台の端末(パーソナルコンピュータ等)に、サーバ30の機能を持たせ、当該1台の端末で上述した全処理が行われるようにしても良い。
なお、上記実施形態では、本件の医療事務支援プログラムが、医療事務支援システム100のサーバ30内に組み込まれ、図1の各部の各機能を実現する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、インターネット等の通信網に接続されたサーバコンピュータを本件の処理装置とし、これに接続されたパーソナルコンピュータ等の通信装置に対し、医療事務を支援するサービスをサーバコンピュータから提供するようにしても良い(ASP(Application Service Provider))。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上述した実施形態は本件における好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
32 取得部(取得手段)
34 出力部(出力手段)
36 更新部(更新手段)
40 記憶装置(記憶手段)
100 医療事務支援システム

Claims (5)

  1. コンピュータを、医療事務支援システムとして機能させる医療事務支援プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    病名情報と、公費情報と、該公費情報で特定される公費を受給した人のうち前記病名情報と同一の病名情報が設定されている人の割合を示す病名一致割合と、を対応付けて記憶する記憶手段を参照し、処理対象受診者に設定されている病名情報に対応する前記病名一致割合を取得する取得手段、
    前記取得手段において取得された前記病名一致割合を利用して、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する出力手段、
    として、機能させることを特徴とする医療事務支援プログラム。
  2. 前記記憶手段には、前記病名情報及びその病名に対する診療行為情報と、前記公費を受給し、かつ病名情報が一致する人のうち、前記診療行為が一致する人の割合を示す診療行為一致割合と、が対応付けて記憶され、
    前記取得手段は、処理対象受診者の病名に対する診療行為情報に対応する前記診療行為一致割合を取得し、
    前記出力手段は、前記診療行為一致割合にも基づいて、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の医療事務支援プログラム。
  3. 前記コンピュータを、
    前記記憶手段に記憶されている前記割合を、新たに公費を受給した人の情報に基づいて更新する更新手段として、更に機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療事務支援プログラム。
  4. 病名情報と、公費情報と、該公費情報で特定される公費を受給した人のうち前記病名情報と同一の病名情報が設定されている人の割合を示す病名一致割合と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段を参照し、処理対象受診者に設定されている病名情報に対応する前記病名一致割合を取得する取得手段と、
    前記取得手段において取得された前記病名一致割合を利用して、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する出力手段と、を備える医療事務支援システム。
  5. コンピュータによって実行される医療事務支援方法であって、
    前記コンピュータが、
    病名情報と、公費情報と、該公費情報で特定される公費を受給した人のうち前記病名情報と同一の病名情報が設定されている人の割合を示す病名一致割合と、を対応付けて記憶する記憶手段を参照し、処理対象受診者に設定されている病名情報に対応する前記病名一致割合を取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された前記病名一致割合を利用して、前記処理対象受診者が公費申請候補者であるか否かの情報を出力する出力工程と、を実行することを特徴とする医療事務支援方法。
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