JP5249066B2 - 二相交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電力変換手段により回転駆動する二相交流回転機の制御装置に関するものである。
従来の二相交流回転機の制御装置では、二相交流回転機の二相巻線端の一方を共通に接続し、その共通線と前記二相巻線端の他方をそれぞれ三相インバータに接続し、前記三相インバータにより前記二相交流回転機が必要とする二相交流電流が流れるように制御する手段を備えることによって、三相インバータで二相交流回転機の駆動をしていた(例えば特許文献1を参照)。
また、同様に三相インバータで二相交流回転機を駆動する例として、三相インバータが直流電源に接続された直流電圧部と、還流ダイオードが逆並列に接続された半導体スイッチング素子を有するスイッチ部を二個以上直列接続して構成したインバータアーム三個を前記直流電圧部に並列接続してなる回路とから構成され、前記直流電圧部の電圧を二等分した点をN点、前記二相交流回転機の二相巻線端の一方を共通に接続した端子を端子Z、残りの二端子を端子Aと端子Bとした時、各端子A、B及びZのN点に対する電圧の主要な周波数成分をそれぞれVAN、VBN、VZNとし、端子A、Bの端子Zに対する電圧の主要な周波数成分をそれぞれVAZ、VBZとしたときに、VAN、VBN、VZNをそれぞれ可変とし、VAZ及びVBZが所望の値となるように前記三相インバータを制御するものがある(例えば特許文献2を参照)。
更に同様に、三相インバータで二相交流回転機を駆動する例として、二相交流回転機の固定子巻線を第1巻線と第2巻線とした時、インバータ回路から前記第1巻線に出力される電圧波形Vmを基準に、前記第2巻線に出力される電圧波形Vaの電圧位相と、前記2相の固定子巻線の共通端子に出力される電圧波形Vcの電圧位相を各々自由に調節できる電圧位相設定手段と、前記電圧波形Vm、Va、Vcの波高値を各々自由に調節できる出力電圧設定手段を設けたものがある(例えば特許文献3を参照)。
特公平7−110153号公報(請求項1、図1) 特許第4136786号公報(請求項2、図1、図5) 特開2005−184885号公報(請求項2、図2)
このような二相交流回転機の制御装置にあっては、電力変換手段により二相交流回転機を回転駆動する際、二相交流回転機に流れる基本波成分以外の電流の脈動が大きく、そのため振動が発生し、二相交流回転機を駆動する時の基本波成分以外の電流の脈動成分に起因するエネルギー損失も大きくなるといった問題点があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、電力変換手段により二相交流回転機を回転駆動する際の二相交流回転機に流れる基本波成分以外の電流の脈動を低減できる二相交流回転機の制御装置を提供することを目的としている。
この発明に係る二相交流回転機の制御装置は、直列接続した2つのスイッチング素子から構成されるアームを3つ有し、前記スイッチング素子のオンオフによって直流電圧を交流電圧に変換して出力し、二相交流回転機を駆動する電力変換手段と、
前記二相交流回転機に印加すべき電圧指令に基づいて、前記電力変換手段のスイッチング素子のオンオフ信号を前記電力変換手段に出力するスイッチング信号演算手段と、
周波数信号に基づいて正弦波信号を生成し、前記正弦波信号から生成する位相に基づいて、前記二相交流回転機に印加すべき電圧指令を演算する電圧指令演算手段とを備え、前記電圧指令演算手段は、前記周波数信号に基づいて第1の位相を演算し、前記第1の位相に所定の第1の係数を乗算した値に所定の第2の位相を加算した第3の位相を演算し、前記第3の位相に基づいて生成される正弦波信号に所定の第2の係数を乗算した第4の位相を演算する電圧位相補正手段を備え、前記第1の位相と前記第4の位相の加算により得られる第5の位相に基づいて、前記二相交流回転機に印加すべき電圧指令を演算することを特徴とするものである。
本発明によれば、電力変換手段により二相交流回転機を回転駆動する際の二相交流回転機に流れる基本波成分以外の電流の脈動を抑制できることから、二相交流回転機で発生する振動を低減し、電力変換手段が二相交流回転機を駆動する時に基本波成分以外の電流の脈動成分に起因するエネルギー損失を低減することができるといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
本発明の実施の形態1における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における電圧位相補正手段5の構成図である。 本発明の実施の形態1における電圧指令演算器41の構成図である。 従来の電圧指令演算手段と同じ動作となる条件下で、二相交流回転機の制御装置を用いて二相交流回転機をV/F一定制御で駆動した時のq軸電流iqのタイムチャート(a)と前記q軸電流iqの周波数スペクトル解析結果(b)を示す図である。 本発明の実施の形態1における、二相交流回転機の制御装置を用いて二相交流回転機をV/F一定制御で駆動した時のq軸電流iqのタイムチャート(a)と前記q軸電流iqの周波数スペクトル解析結果(b)を示す図である。 本発明の実施の形態2における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における電圧位相補正手段5aの構成図である。 定格負荷駆動時における電流脈動を適切に低減できる第2の係数K2と周波数との関係の一例を示した図である。 本発明の実施の形態3における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3における電圧位相補正手段5bの構成図である。 無負荷駆動時と定格負荷駆動時とにおける電流脈動を適切に低減できる第2の係数K2と周波数との関係の一例を示した図である。 本発明の実施の形態4における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態4における周波数補正値演算手段10の構成図である。 本発明の実施の形態4における周波数補正値演算手段10の動作を表すフローチャートを示した図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。二相交流回転機の制御装置は、図1に示すように、電力変換装置1とスイッチング信号演算装置3と電圧指令演算装置4とから構成されている。電力変換手段1は、a相、b相、c相の計3つのアーム7a、7b、7cを有しており、a相には2つのスイッチング素子71a、71dが直列接続されている。同様に、b相には2つのスイッチング素子71b、71eが直列接続されており、c相には2つのスイッチング素子71c、71fが直列接続されている。
電力変換手段1はこれらのスイッチング素子71a、71b、71c、71d、71e、71fをオンオフすることによって直流電圧源6の直流電圧を交流電圧に変換して二相交流回転機2へ出力する。なお、直流電圧源6は、直流電圧を出力する電源あるいは電池であり、単相あるいは三相の交流電源から公知のコンバータによって直流電圧を得るものもこれに含まれる。二相交流回転機2は、第1の巻線Aと第2の巻線Bとを有し、第1の巻線Aの一端aと、第2の巻線Bの一端bと、第1の巻線Aの他端と第2の巻線Bの他端とを結んだ結合端cとを、各々電力変換手段1の3つのアーム7a(a相)、7b(b相)、7c(c相)に接続している。
スイッチング信号演算手段3は、所定のスイッチング周期および二相交流回転機2に印加すべき電圧指令vac*、vbc*に基づいて、電力変換手段1のスイッチング素子71a、71b、71c、71d、71e、71fがスイッチングすべきオンオフ信号Sa、Sb、Scを電力変換手段1に出力する。電圧指令演算手段4は、周波数信号f1に基づいて二相交流回転機2に印加すべき電圧指令vac*、vbc*を電圧指令演算器41にて演算し、前記スイッチング信号演算手段3へ出力するものである。
なお、周波数信号f1とは、電圧指令演算手段4の外部から与えられる周波数指令(あるいは何らかの演算によって得られた周波数)、二相交流回転機2の回転速度等を意味する。
従来の電圧指令演算手段は、周波数信号f1を積分器43にて積分することにより第1の位相θ1を演算し、第1の位相θ1に基づいて、二相交流回転機2に印加すべき電圧指令vac*、vbc*を電圧指令演算器41にて演算し、各相(線間)の電圧振幅を可変調整するようにしていた。すなわち、図1の電圧指令演算手段4の構成に電圧位相補正手段5が無く、第1の位相θ1を電圧指令演算器41へ直接入力していたので、前述したごとく二相交流回転機2に流れる電流の脈動を抑制することができなかった。
本発明における電圧指令演算手段4は、従来の電圧指令演算手段とは異なり、二相交流回転機2に流れる電流の脈動を抑制する電圧位相補正手段5を備えることが特徴である。
図2は、本発明の実施の形態1における、電圧位相補正手段5の構成図である。
図2において、電圧位相補正手段5は、第1の位相θ1に所定の第1の係数K1を乗算器52aにて乗算し、得られたK1・θ1に所定の第2の位相θ2を加減算器53にて加算して、第3の位相θ3(θ3=K1・θ1+θ2)を求める。得られた第3の位相θ3に基づいて正弦波信号cos(θ3)=cos(K1・θ1+θ2)を正弦波発生器54にて生成し、得られた正弦波信号に所定の第2の係数K2を乗算器52bにて乗算し、第4の位相θ4(θ4=K2・cos(K1・θ1+θ2))を求める。
本発明における電圧指令演算手段4は、周波数信号f1を積分器43にて積分することにより第1の位相θ1を演算し、第1の位相θ1と電圧位相補正手段5により得られる第4の位相θ4とを加減算器42にて加算して第5の位相θ5(θ5=θ1+K2・cos(K1・θ1+θ2))を求める。得られた第5の位相θ5に基づいて、二相交流回転機に印加すべき電圧指令vac*、vbc*を電圧指令演算器41にて演算し、前記スイッチング信号演算手段3へ電圧指令vac*、vbc*を出力する。
すなわち、従来の電圧指令演算手段は、周波数信号f1を積分器43にて積分することにより第1の位相θ1を演算するため、周波数信号f1が一定値ならば一定の割合で増加(あるいは減少)する第1の位相θ1に基づいて電圧指令vac*、vbc*を生成する。しかし、本発明における電圧指令演算手段4は、周波数信号f1が一定値の場合でも位相の変化(増加あるいは減少)の割合が一定ではなく正弦波状に変動する第5の位相θ5に基づいて電圧指令vac*、vbc*を生成する点が従来の電圧指令演算手段と異なる。
図3は、電圧指令演算器41を示す構成図である。図3は、公知のV/F一定制御における構成であり,電圧指令vac*、vbc*を出力する一例である。公知のベクトル制御等の他の制御方式に基づいて電圧指令vac*、vbc*を出力する別の構成に代わっても良い。
図3において、電圧指令演算器41は、まず、周波数信号f1に基づいて、電圧指令vac*の振幅vacamp、電圧指令vbc*の振幅vbcampを電圧振幅調節手段44にて設定する。
V/F一定制御において、周波数信号f1と、振幅vacamp、vbcampの大きさは比例関係となるように設定するが、振幅vacampの大きさと振幅vbcampの大きさは同じでなくても良く、二相交流回転機2を性能良く駆動できるように振幅vacampと振幅vbcampとの比率を変えても良い。
また、第5の位相θ5(従来の電圧指令演算手段では第1の位相θ1)に基づいて、正弦波発生器47では正弦波信号sin(θ5)、正弦波発生器48では正弦波信号cos(θ5)を生成する(説明を簡単にするためにここでは、図3の位相調節手段45と加減算器46を無視し、正弦波発生器47の入力を第5の位相θ5とした)。
乗算器49aにて振幅−vacampと前記正弦波信号sin(θ5)とを乗算することによって前記スイッチング信号演算手段3へ出力する電圧指令vac*(= −vacamp ・sin(θ5))を求め、同様に、乗算器49bにて振幅vbcampと正弦波信号cos(θ5)とを乗算することによって電圧指令vbc*(= vbcamp ・cos(θ5))を求める。
したがって、電圧指令vac*は(1)式、vbc*は(2)式で表される。なお、電圧位相の変化を明確にするため、第1の位相θ1を、周波数信号f1と時刻tを用いて表している。(θ1=2π・f1・t)
vac*=−vacamp ・sin(θ1+K2・cos(K1・θ1+θ2))
=−vacamp ・sin(2π・f1・t+K2・cos(2π・f1・t・K1+θ2))
・・・・・・・・・(1)
vbc*=vbcamp ・cos(θ1+K2・cos(K1・θ1+θ2))
=vbcamp ・cos(2π・f1・t+K2・cos(2π・f1・t・K1+θ2))
・・・・・・・・(2)
以上の説明において、位相調節手段45と加減算器46を無視したが、以上の説明の場合、電圧指令vac*とvbc*との位相差は90°となる。理想的な二相交流回転機を性能よく駆動する場合、電圧指令vac*とvbc*との位相差を90°設定することが望ましいが、実際の二相交流回転機を性能よく駆動するためには、電圧指令vac*とvbc*との位相差を90°に設定することが望ましいとは限らない。
そこで、図3に示す通り、周波数信号f1に基づいて、位相調節手段45で調節位相δを調節し、加減算器46で調節位相δと前記第5の位相θ5を加算することにより、電圧指令vac*とvbc*との位相差を90°以外の設定にできるような構成にしても良い。
なお、図3では、周波数信号f1に基づいて前記調節位相δの調節を実施する形態となっているが、二相交流回転機に流れる電流に基づいて前記調節位相δの調節を実施する形態でも良い。
次に、二相交流回転機2に流れる電流の脈動と電圧位相補正手段5を備えることによる二相交流回転機2に流れる電流の脈動の抑制効果について説明する。
図2において第2の係数K2を0とすると、第4の位相θ4が0となるため、第1の位相θ1を図1の電圧指令演算器41へ直接入力することと等価となり、従来の電圧指令演算手段と同じ動作となる。このような従来の電圧指令演算手段と同じ動作となる条件下で、二相交流回転機2を駆動すると、二相交流回転機2の出力電流に脈動が発生する。ここで、a相の出力電流をia、b相の出力電流をib、c相の出力電流をicとする。
ただし、二相交流回転機2の出力電流ia、ib、icは交流電流であるため、電流の脈動を見やすくするように、出力電流ia、ib、icを周波数信号f1と同じ周波数で回転する回転二軸座標(d−q軸)上の電流へ座標変換し、回転二軸座標(d−q軸)上の電流id、iqを求める。(以下、idをd軸電流、iqをq軸電流、id、iqを総称して「d−q軸電流」とする。)
出力電流ia、ib、icをd−q軸電流id、iqへ変換することにより、周波数信号f1と同じ周波数の成分(基本波成分)は一定値となり、基本波成分以外の電流の脈動は、d−q軸電流id、iqに脈動成分として残る。
出力電流ia、ib、icをd−q軸電流id、iqへ座標変換する式は(3)式である。
Figure 0005249066
特にq軸電流iqは二相交流回転機2が出力するトルクと相関があり、q軸電流iqの脈動が大きい時に振動が大きいことは知られている。よって、q軸電流iqの脈動を抑制すれば振動も低減できる。
このような従来の電圧指令演算手段と同じ動作となる条件下で、電力変換手段1により二相交流回転機2を回転駆動した際の二相交流回転機2に流れる電流の脈動を測定した例を以下に示す。
図4(a)(b)は、従来の電圧指令演算手段と同じ動作となる条件下で、電力変換手段1により二相交流回転機をV/F一定制御で駆動した時のq軸電流iqのタイムチャートと前記q軸電流iqの周波数スペクトル解析結果を示す図である。測定に使用した二相交流回転機は定格電圧200V、容量0.75kW、極数2の誘導電動機であり、図4は、周波数信号f1を60Hz設定にして定格負荷駆動した時の波形である。
図4(b)の周波数スペクトル解析結果に示すように、60Hzの4倍の周波数240Hzで脈動する成分が0.71A発生していることが判る。この240Hzで脈動する成分が振動やエネルギー損失を発生させる原因となる。図4のケースでは周波数信号f1を60Hz設定に設定した場合であるが、通常、周波数をf1[Hz]に設定し、二相交流回転機2を回転駆動する際、q軸電流iqに周波数信号f1の2倍の周波数と前記周波数信号f1の4倍の周波数の脈動成分が顕著に発生する。
q軸電流iqに重畳する周波数信号f1の2倍の周波数の脈動成分は、電圧指令vac*とvbc*と調節位相δとを適切に調節することによって抑制できる。図4(b)において、iqに重畳する周波数信号f1の2倍の脈動成分が顕著ではないのは、これらの調節によりiqに重畳する脈動成分を抑制しているからである。
ただし、iqに重畳する前記周波数信号f1の4倍の脈動成分は、電圧指令vac*とvbc*と調節位相δの調節だけでは、抑制することは困難である。
そこで、図2の電圧位相補正手段5を電圧指令演算手段4に備え、第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2を適切な値に設定すれば、iqに重畳する前記周波数信号f1の4倍の脈動成分を抑制できる。特に、第1の係数K1を4に設定すれば、iqに重畳する前記周波数信号f1の4倍の脈動成分の顕著な抑制効果が得られる。
このような電圧位相補正手段5を電圧指令演算手段4に備え、第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2を適切な値に設定した条件下で、電力変換手段1により二相交流回転機2を回転駆動した際の二相交流回転機2に流れる電流の脈動を測定した例を以下に示す。
図5(a)(b)は、電圧位相補正手段5を電圧指令演算手段4に備え、電力変換手段1により二相交流回転機をV/F一定制御で駆動した時のq軸電流iqのタイムチャートと前記q軸電流iqの周波数スペクトル解析結果を示す図である。測定に使用した二相交流回転機は図4に示した測定結果を得るために用いたものと同一であり、周波数信号f1を60Hz設定にして定格負荷駆動した時の波形である。測定における電圧位相補正手段5の係数設定は、第1の係数K1:4、第2の係数K2:0.14、第2の位相θ2:−55°である。
図5(b)の周波数スペクトル解析結果に示すように、60Hzの4倍の周波数240Hzで脈動する成分が0.07Aと、図4(b)の時の1/10に低減できており、電圧位相補正手段5を電圧指令演算手段4に備えることの電流脈動抑制効果が得られていることが判る。
以上のように、本実施の形態1を実施することにより、従来の二相交流回転機の制御装置を用いた時と比較して、電力変換手段により二相交流回転機を回転駆動する際の二相交流回転機に流れる基本波成分以外の電流の脈動、特に周波数をf1[Hz]に設定した時の前記周波数信号f1の4倍の周波数の脈動成分を抑制できる効果がある。
この電流脈動抑制効果によって、二相交流回転機で発生する振動も低減し、さらに、電力変換手段が二相交流回転機を駆動する時に基本波成分以外の電流の脈動成分に起因するエネルギー損失を低減できる効果がある。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。
なお、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、ここでは実施の形態1と異なる電圧位相補正手段5aを備える電圧指令演算手段4aについてのみ説明する。本実施の形態2の電圧位相補正手段5aは、第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2を周波数信号f1に基づいて調節できる構成となっている点が、実施の形態1における電圧位相補正手段5と異なる。なお、本実施の形態2の電圧指令演算手段4aは、電圧位相補正手段5a(すなわち、第4の位相θ4の求め方)が実施の形態1における電圧位相補正手段5と異なる点以外、実施の形態1における電圧指令演算手段4と同一の構成である。
以下、本実施の形態2の電圧位相補正手段5aについて説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における電圧位相補正手段5aの構成図である。図7において、電圧位相補正手段5aは、第1の係数調節手段56にて周波数信号f1に基づいて所定の第1の係数K1の値を調節し、調節した第1の係数K1と前記第1の位相θ1とを乗算器52aにて乗算する。
第2の位相調節手段57にて周波数信号f1に基づいて所定の第2の位相θ2の値を調節し、調節した第2の位相θ2と乗算器52aにて得られたK1・θ1とを加減算器53にて加算して、第3の位相θ3(θ3=K1・θ1+θ2)を求める。得られた第3の位相θ3に基づいて正弦波信号cos(θ3)=cos(K1・θ1+θ2)を正弦波発生器54にて生成する。さらに、第2の係数調節手段58にて周波数信号f1に基づいて所定の第2の係数K2の値を調節し、調節した第2の係数K2と前記正弦波信号cos(θ3)とを乗算器52bにて乗算し、第4の位相θ4(θ4=K2・cos(K1・θ1+θ2))を求める。
このように、周波数信号f1に基づいて第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2を、二相交流回転機2を駆動する周波数条件に応じて適切な値に設定されるように調節する点が実施の形態1の電圧位相補正手段5と異なる。
第1の係数調節手段56、第2の位相調節手段57、第2の係数調節手段58において、設定すべき第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2と周波数との関係は、予め理論的に、あるいは実験的に電流脈動が小さくなる適切な駆動状態を実現できるこれらの係数(位相)K1、K2、θ2と周波数との関係を求めておき、これらの係数(位相)K1、K2、θ2が周波数の関数であるとみなし、数式化することによって得る。
第2の係数K2の例について示すと、図8は、実施の形態1に示した定格電圧200V、容量0.75kW、極数2の誘導電動機において定格負荷駆動時に電流脈動(q軸電流iqの前記周波数信号f1の4倍の周波数の脈動成分)を適切に低減できる第2の係数K2と周波数との関係を実験的に求めた図である。
図8において、黒の四角でプロットした点が前記誘導電動機において定格負荷駆動時に電流脈動を最も良好に低減できる点であり、このプロットした点をもとに、定格負荷駆動時に電流脈動を適切に低減できる第2の係数K2と周波数信号f1との関係を数式化する。
数式化の際は、図8の黒の四角でプロットした点を厳密に再現できるようにしても良く、また、図8の「近似パターン1」や「近似パターン2」のように、簡単な数式で表現できるように、定格負荷駆動時に電流脈動を適切に低減できる第2の係数K2と周波数との関係を近似しても良い。さらに、「近似パターン2」のように、電圧位相補正手段5aを備えることによる電流脈動低減効果が顕著ではない周波数帯域(図8の例では50Hz以下)において、K2=0、すなわち電圧位相補正手段5aの出力である前記第4の位相θ4を0に設定にしても良い。
本実施の形態2では、第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2の3つの係数(位相)K1、K2、θ2の全てを周波数信号f1に基づいて調節できる構成を示したが、3つの係数(位相)K1、K2、θ2の内少なくとも1つの係数(位相)K1、K2、θ2を周波数信号f1に基づいて調節できる構成にしても良い。
以上が、本発明の実施の形態2における、二相交流回転機の制御装置の説明である。
本実施の形態2によれば、周波数に応じて前記第1の係数、前記第2の係数、前記第2の位相のうちの少なくとも1つを適切に調節するので、二相交流回転機の周波数が変化しても常に電力変換手段により二相交流回転機を回転駆動する際の二相交流回転機に流れる基本波成分以外の電流の脈動を抑制できることから、二相交流回転機で発生する振動を低減し、電力変換手段が二相交流回転機を駆動する時に基本波成分以外の電流の脈動成分に起因するエネルギー損失を低減できる効果を有する。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3における、二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。なお、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、ここでは実施の形態1と異なる電流検出手段8a、8bを備える電力変換手段1aと、座標変換器9と電圧位相補正手段5bとを備える電圧指令演算手段4bについてのみ説明する。
本実施の形態3の電力変換手段1aは、実施の形態1の電力変換手段1の構成に、前記電流検出手段8a、8bを追加した構成となっているが、それ以外の構成要素に関しては実施の形態1の電力変換手段1と同一である。電流検出手段8a、8bは、二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを電流検出値として検出する。
ここでは、電流検出手段8は、二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを検出する構成を示したが、直流電圧源6の母線電流を検出し、その検出値に基づいて二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを検出する構成としても良い。
また、本実施の形態3の電圧指令演算手段4bは、実施の形態1の電圧指令演算手段4の構成に、前記電流検出手段8a、8bで電流検出値として検出した二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを前記第5の位相θ5に基づいて、前記(3)式の演算式に従い、d−q軸電流id、iqへ変換する座標変換器9を追加した構成となっている。さらに、電圧指令演算手段4bの構成要素である電圧位相補正手段5bは、前記第1の係数K1、前記第2の係数K2、前記第2の位相θ2を座標変換器9で得られるq軸電流iqに基づいて調節できる構成となっている点が、実施の形態1における電圧位相補正手段5と異なる。
q軸電流iqに基づいて前記係数(位相)K1、K2、θ2を調節できる構成にするのは、前記係数(位相)K1、K2、θ2を負荷条件に応じて変動するq軸電流iqに基づいて適切に調節できるようにするためである。
なお、本実施の形態3の電圧指令演算手段4bは、前記電圧位相補正手段5b(すなわち、前記第4の位相θ4の求め方)が実施の形態1における電圧位相補正手段5と異なる点と、座標変換器9を備える点以外、実施の形態1における電圧指令演算手段4と同一の構成である。
以下、本実施の形態3の電圧位相補正手段5bについて説明する。
図10は、本発明の実施の形態3における電圧位相補正手段5bの構成図である。
図10において、電圧位相補正手段5bは、第1の係数調節手段56aにてq軸電流iqに基づいて所定の第1の係数K1の値を調節し、調節した第1の係数K1と前記第1の位相θ1とを乗算器52aにて乗算する。第2の位相調節手段57aにてq軸電流iqに基づいて所定の第2の位相θ2の値を調節し、調節した第2の位相θ2と乗算器52aにて得られたK1・θ1とを加減算器53にて加算して、第3の位相θ3(θ3=K1・θ1+θ2)を求める。得られた第3の位相θ3に基づいて正弦波信号cos(θ3)=cos(K1・θ1+θ2)を正弦波発生器54にて生成する。
さらに、第2の係数調節手段58aにてq軸電流iq に基づいて所定の第2の係数K2の値を調節し、調節した第2の係数K2と正弦波信号cos(θ3)とを乗算器52bにて乗算し、第4の位相θ4(θ4=K2・cos(K1・θ1+θ2))を求める。
このように、q軸電流iqに基づいて第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2を、二相交流回転機2を駆動する負荷条件に応じて適切な値に設定されるように調節する点が実施の形態1の電圧位相補正手段5と異なる。
第1の係数調節手段56a、第2の位相調節手段57a、第2の係数調節手段58aにおいて、設定すべき第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2とq軸電流iqとの関係は、予め理論的に、あるいは実験的に電流脈動が小さくなる適切な駆動状態を実現できるこれらの係数(位相)K1、K2、θ2と周波数との関係を求めておき、これらの係数(位相)K1、K2、θ2がq軸電流iqの関数であるとみなし、数式化することによって得る。
第2の係数K2の例について示すと、図11は、実施の形態1に示した定格電圧200V、容量0.75kW、極数2の誘導電動機において、定格負荷駆動時に電流脈動(前記q軸電流iqの前記周波数信号f1の4倍の周波数の脈動成分)を適切に低減できる第2の係数K2と周波数との関係を「無負荷条件」「定格負荷条件」において実験的に求めた図である。
図11において、黒の菱形でプロットした点が、前記誘導電動機において無負荷駆動時に電流脈動を最も良好に低減できる点であり、黒の四角でプロットした点が、前記誘導電動機において定格負荷駆動時に電流脈動を最も良好に低減できる点である。
図11に示すように、「無負荷条件」と「定格負荷条件」とでは電流脈動を最も良好に低減できる点に差異がある。この負荷条件の差異をq軸電流iqに基づいて検知し、この負荷条件の差異に関係なく常に電流脈動を最も良好に低減できるように、q軸電流iqに基づいて前記係数(位相)K1、K2、θ2を調節する。
本実施の形態3では、第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2の3つの係数(位相)全てをq軸電流iqに基づいて調節できる構成を示したが、前記3つの係数(位相)の内少なくとも1つの係数(位相)K1、K2、θ2をq軸電流iqに基づいて調節できる構成にしても良い。また、これらの係数係数(位相)K1、K2、θ2を周波数信号f1とq軸電流iqとの両者に基づいて調節できる構成にしても良い。
さらに、q軸電流iqの代わりに、座標変換器9でd軸電流idを演算し、d軸電流idとq軸電流iqの二乗の平方根和Idqを次の(4)式から求め、前記Idqに基づいて前記係数(位相)K1、K2、θ2を調節する構成にしても同様の効果が得られる。
Figure 0005249066
以上が、本発明の実施の形態3における、二相交流回転機の制御装置の説明である。
本実施の形態3によれば、電流の大きさに応じて前記第1の係数、第2の係数、第2の位相のうちの少なくとも1つを適切に調節するので、二相交流回転機に流れる電流の大小に関係なく、常に電力変換手段により二相交流回転機を回転駆動する際の二相交流回転機に流れる基本波成分以外の電流の脈動を抑制できることから、二相交流回転機で発生する振動を低減し、電力変換手段が二相交流回転機を駆動する時に基本波成分以外の電流の脈動成分に起因するエネルギー損失を低減できる効果を有する。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4における二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。なお、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、ここでは実施の形態1と異なる電流検出手段8a、8bを備える電力変換手段1aと、座標変換器9と周波数補正値演算手段10とを備える電圧指令演算手段4cについてのみ説明する。
本実施の形態4の電力変換手段1aは、実施の形態3で述べた電力変換手段1aと同一の構成であり、電力変換手段1aの構成要素である電流検出手段8a、8bは、二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを電流検出値として検出する。
また、本実施の形態4の電圧指令演算手段4cは、実施の形態3と同様に、実施の形態1の電圧指令演算手段4の構成に、前記電流検出手段8a、8bで電流検出値として検出した二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを前記第5の位相θ5に基づいて、前記(3)式の演算式に従い、d−q軸電流id、iqへ変換する座標変換器9を追加した構成なっている。さらに、電圧指令演算手段4cの構成要素として後述の周波数補正値演算手段10を備えたことが、実施の形態1における電圧指令演算手段4と異なる。
ここで、本実施の形態4の電圧位相補正手段4cについて説明する。
実施の形態1〜3において、周波数信号をf1としていたが、本実施の形態では周波数補正値演算手段10の出力である周波数補正値Δfに基づいて前記周波数信号を補正することから、以下の説明において、周波数補正値Δfによる補正前の周波数信号をf0、補正後の周波数信号をf1として区別する。
図12において、電圧指令演算手段4cは、座標変換器9において、前記電流検出手段8a、8bで電流検出値として検出した二相交流回転機2のa相出力電流ia、b相出力電流ibを前記第5の位相θ5に基づいて、前記(3)式の演算式に従い、d−q軸電流id、iqへ変換する。座標変換器9で得られたq軸電流iqに基づいて、周波数補正値演算手段10は周波数補正値Δfを出力する。(周波数補正値演算手段10の動作については後述する。)
次に、補正前の周波数信号f0と周波数補正値Δfとを加減算器42aにて加算して、補正後の周波数信号f1を求め、補正後の周波数信号f1を積分器43にて積分することにより第1の位相θ1を演算する。なお、第1の位相θ1に基づいて電圧指令演算器41にて電圧指令vac*、vbc*を演算し、前記スイッチング信号演算手段3へ出力するまでの動作は、実施の形態1の電圧指令演算手段4の動作と同一である。
次に、周波数補正値演算手段10について説明する。
図13は、本発明の実施の形態4における周波数補正値演算手段10の構成図である。
周波数補正値演算手段10は、所定の電流制限値Ilimitと座標変換器9で得られたq軸電流iqとに基づいて周波数補正値Δfを演算する。以下、所定の電流制限値Ilimitと座標変換器9で得られたq軸電流iqとに基づいて周波数補正値Δfを演算する例を示すが、所定の電流制限値Ilimitと前記(4)式により求まる前記Idqとに基づいて周波数補正値Δfを演算する場合でも同様の効果が得られる。
周波数補正値演算手段10は、まず、所定の電流制限値Ilimitと座標変換器9で得られたq軸電流iqとに基づき加減算器104にて電流偏差ΔIxを演算する。ただし、電流制限値Ilimitはq軸電流iqが正の時は正の値を持つ制限値、q軸電流iqが負の時は負の値を持つ制限値とする。増幅器102は、電流偏差ΔIxと所定の適切な増幅器ゲインに基づいて周波数補正量Δfxを演算する。状態信号生成器101は、q軸電流iqと前記増幅器102から出力される周波数補正量Δfxとに基づいて、周波数補正値Δfの出力を制御する状態信号を演算し、後述する出力選択器103へ出力する。
出力選択器103は、状態信号生成器101からの状態信号により、周波数補正値Δfとして、周波数補正量Δfxと零の何れかを選択し、出力する。
ここでは、状態信号生成器101の入力にq軸電流iqと前記周波数補正量Δfxから前記状態信号を演算する構成を記したが、例えば、加減算器104から出力される電流偏差ΔIxと周波数補正量Δfxを状態信号生成器101の入力として、前記状態信号を演算する方式でも同様の効果が得られる。
さらに、図12を参照して、二相交流回転機2に流れる電流(q軸電流iq)を電流制限値Ilimitに制限する周波数補正値演算手段10の動作について説明する。周波数補正値演算手段10は、二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値を超えてしまうような運転状態になった場合に、周波数信号f0を周波数補正値Δfにより補正することで、二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値以上にならないようにするためにある。
二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値を超える運転状態の例として、周波数信号f0が、時間的に急激に変化する急加減速指令である場合や、二相交流回転機2にインパクト負荷などの急激な負荷変動が生じる場合等がある。
前記に示す運転状態の場合、周波数信号f0の絶対値を下げるように、周波数補正値Δfにより補正することで二相交流回転機2に流れる電流を抑制できる。
二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値を超える場合に周波数信号f0を調節する動作を「ストール防止動作」、二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値以下の場合に、補正後の周波数信号f1を補正前の周波数信号f0に一致するように調節する動作を「回復処理動作」という。周波数補正値演算手段10では、二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値を超えるような運転状態の場合に、前記動作を自動的に行う。
具体的には、所定の電流制限値Ilimitと座標変換器9で得られたq軸電流iqに基づき電流偏差ΔIxを加減算器104にて演算する。増幅器102は、前記電流偏差ΔIxと所定の適切な増幅器ゲインに基づいて、二相交流回転機2の電流超過分に応じた周波数補正量Δfxを(5)式の演算によって求める。

Δfx=(G1+G2/s)×ΔIx ・・・(5)

ここで、s:ラプラス演算子、G1、G2:所定の適切な増幅器ゲイン
状態信号生成器101は、q軸電流iqと増幅器102から出力される周波数補正量Δfxとに基づいて、周波数補正値Δfの出力を制御する状態信号を出力し、後述する出力選択器103へ出力する。出力選択器103は、状態信号生成器101からの状態信号により、正常運転時は周波数補正値Δfとして零が、二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値を超えるような運転状態時には周波数補正値Δfとして周波数補正量Δfxが出力される。
なお、状態信号生成器101はq軸電流iqの正負と周波数補正量Δfxの正負とに基づいて、出力選択器103が周波数補正値Δfとして下記の通り選択するような前記状態信号を生成する。
iq:正 かつ Δfx:正 ならば Δf=Δfx
iq:正 かつ Δfx:負 ならば Δf=0
iq:負 かつ Δfx:正 ならば Δf=0
iq:負 かつ Δfx:負 ならば Δf=Δfx
図14は、本発明の実施の形態4における、周波数補正値演算手段10の動作を表すフローチャートを示した図である。このように出力選択器103の出力である周波数補正値Δfを制御することにより、図14に示すような電流制限動作を実現する。図14に示すフローチャートによれば、二相交流回転機2に流れる電流(q軸電流iq)が電流制限値Ilimitを越えた場合(ステップ204)に、増幅器102により演算される周波数補正値Δfxを用いて、前記ストール防止動作(ステップ205)と前記回復処理動作(ステップ206)を繰り返し、二相交流回転機2に流れる電流(q軸電流iq)を電流制限値Ilimitとなるように制御する。
ただし、二相交流回転機2に流れる電流が電流制限値Ilimitを維持したままでは、二相交流回転機2は加速し続けるため、前記補正後の周波数信号|f1|(f1の絶対値)が補正前の周波数信号|f0|(f0の絶対値)以上となった場合(ステップ207)、電流制限動作を停止し(ステップ208)、周波数補正値Δfを零として通常の運転に戻す。
なお、実施の形態4において、実施の形態2あるいは実施の形態3に示したように電圧位相補正手段5における前記第1の係数K1、第2の係数K2、第2の位相θ2を周波数信号f1あるいはq軸電流iq(または両方)に基づいて調節できる構成であっても良い。
この構成により、前記実施の形態1〜3で得られる効果に加え、電流検出値が所定の電流制限値を越えた場合に周波数信号を補正することにより二相交流回転機の電流の振幅を所定の電流制限値以下に制限することができ、それ以外では周波数信号を補正しないことで、所定の周波数信号と一致した周波数で二相交流回転機を駆動することができる。
これまで記した実施の形態1〜4では主に二相交流回転機2として誘導電動機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他、例えば同期電動機であっても同様に適用できる。
1、1a 電力変換手段
2 二相交流回転機
3 スイッチング信号演算手段
4、4a、4b、4c 電圧指令演算手段
5、5a、5b 電圧位相補正手段
6 直流電圧源
7a、7b、7c アーム
8a、8b 電流検出手段
9 座標変換器
10 周波数補正値演算手段
41 電圧指令演算器
42、46加減算器
43 積分器
44 電圧振幅調節手段
45 位相調節手段
47、48 正弦波発生器
49a、49b 乗算器
51a、51b 係数設定器
52a、52b 乗算器
53 加減算器
54 正弦波発生器
55 位相設定器
56、56a 第1の係数調節手段
57、57a 第2の位相調節手段
58、58a 第2の係数調節手段
71a、71b、71c、71d、71e、71f スイッチング素子
101 状態信号生成器
102 増幅器
103 出力選択器
104 加減算器
105 電流制限値設定器
106 係数設定器

Claims (7)

  1. 直列接続した2つのスイッチング素子から構成されるアームを3つ有し、前記スイッチング素子のオンオフによって直流電圧を交流電圧に変換して出力し、二相交流回転機を駆動する電力変換手段と、
    前記二相交流回転機に印加すべき電圧指令に基づいて、前記電力変換手段のスイッチング素子のオンオフ信号を前記電力変換手段に出力するスイッチング信号演算手段と、
    周波数信号に基づいて正弦波信号を生成し、前記正弦波信号から生成する位相に基づいて、前記二相交流回転機に印加すべき電圧指令を演算する電圧指令演算手段とを備え、前記電圧指令演算手段は、前記周波数信号に基づいて第1の位相を演算し、前記第1の位相に所定の第1の係数を乗算した値に所定の第2の位相を加算した第3の位相を演算し、前記第3の位相に基づいて生成される正弦波信号に所定の第2の係数を乗算した第4の位相を演算する電圧位相補正手段を備え、前記第1の位相と前記第4の位相の加算により得られる第5の位相に基づいて、前記二相交流回転機に印加すべき電圧指令を演算することを特徴とする二相交流回転機の制御装置。
  2. 前記第1の係数を4に設定したことを特徴とする請求項1に記載の二相交流回転機の制御装置。
  3. 前記電圧指令演算手段は、前記第1の係数、前記第2の係数、前記第2の位相のうちの少なくとも1つを前記周波数信号に基づいて調節することを特徴とする請求項1に記載の二相交流回転機の制御装置。
  4. 前記電力変換手段は、前記二相交流回転機の出力電流を電流検出値として検出する電流検出手段を備え、
    前記電圧指令演算手段は、前記第1の係数、前記第2の係数、前記第2の位相のうちの少なくとも1つを前記電流検出値に基づいて調節することを特徴とする請求項1に記載の二相交流回転機の制御装置。
  5. 前記電圧指令演算手段は、前記二相交流回転機の出力電流を前記第5の位相に基づいてd−q軸電流へ変換する座標変換器を備え、
    前記第1の係数、前記第2の係数、前記第2の位相をq軸電流に基づいて調節することを特徴とする請求項4に記載の二相交流回転機の制御装置。
  6. 前記第1の係数、前記第2の係数、前記第2の位相をd軸電流idとq軸電流iqの二乗の平方根和Idqに基づいて調節することを特徴とする請求項5に記載の二相交流回転機の制御装置。
  7. 前記電力変換手段は、前記二相交流回転機の出力電流を電流検出値として検出する電流検出手段を備え、
    前記電圧指令演算手段は、前記電流検出値が所定の電流制限値を越えた場合に、前記電流検出値に基づいて周波数補正値を演算し、前記周波数補正値に基づいて前記周波数信号を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二相交流回転機の制御装置。
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