JP5242272B2 - 洗浄用樹脂及び洗浄用樹脂組成物 - Google Patents

洗浄用樹脂及び洗浄用樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂成形機内を洗浄するための洗浄用樹脂及びこれを用いた洗浄用樹脂組成物に関する。
従来から、熱可塑性透明性樹脂は、射出成形品、押出成形品、フィルム等に幅広く利用されている。特に、透明プラスチック成形品は、傾向的に多品種かつ少量生産であり、品種の切替頻度が多く、品種切替時には、成形機内の洗浄を行うことが品質管理上極めて重要となる。
例えば、先行樹脂の影響を排除するために、次に使用する樹脂で成形機内を洗浄する方法があるが、この方法は多量の樹脂を必要とし、ロス分が多いという問題がある。
また、成形機等を分解して洗浄する方法もあるが、押出機を停止した上で、スクリュー及びシリンダー内部の洗浄等を行わなければならないので、長時間を要し、生産性が低下するという問題がある。
従来から、成形機内の先行樹脂を洗浄する洗浄用樹脂組成物については各種提案がなされている。例えば、透明性樹脂の成形加工における樹脂換え、色換え時に成形機の機内に残留する先行樹脂の洗浄に効果を発揮する洗浄用樹脂組成物として、スチレン・メチルメタアクリレート共重合体樹脂と界面活性剤とからなる洗浄用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、押出機、射出成形機用に有用であり、汎用樹脂、変性PPO及び熱変形温度の高い樹脂も洗浄可能な特定の耐熱スチレン系樹脂組成物からなる成形機用洗浄剤が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、成形機の洗浄時間を短縮し、洗浄のために使用する樹脂量の削減を目的として、アクリロニトリル−スチレン樹脂等の組成物からなる洗浄組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
更には、プラスチックやゴム等の成形加工工程における色替え、樹脂替え等の材料品種替えにおいて、成形機加熱シリンダー内等に残留する先行材料の排除を行うスチレン系洗浄用樹脂組成物(例えば、特許文献4参照。)や、熱可塑性樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合体を含有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献5参照。)が開示されている。
特開平5−98298号公報 特開平6−134770号公報 特開平6−330091号公報 特開平9−208992号公報 特開平10−120917号公報
しかしながら、今後、一層設計上高い品質が要求されつつある透明性樹脂成形技術分野においては、上記従来公知の洗浄用樹脂組成物は、いずれも成形機内洗浄を確実に行うには未だ不十分であり、より一層の洗浄効果の向上が望まれている。
そこで本発明においては、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル等の透明性樹脂の成形加工を行う際における樹脂換えや色換えの際に、成形機内に残留する先行樹脂の洗浄に有効な洗浄用樹脂及びそれを用いた洗浄用樹脂組成物を提供することとした。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体からなる洗浄用樹脂が、成形機内の洗浄に顕著な効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1の発明においては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体からなる
洗浄用樹脂であって、前記共重合体におけるビニル芳香族炭化水素含有量が80〜97質
量%、共役ジエン含有量が20〜3質量%であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜50万であって、20万以上の分子量比
率が15〜70質量%であり、当該共重合体に組み込まれている共役ジエンが、イソプレンと1,3−ブタジエンであり、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する質量比が、10/90〜90/10の範囲であり、当該共重合体が線状共重合体とラジアル共重合体の混合物である洗浄用樹脂を提供する。
請求項2の発明においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による30万〜60万の分子量範囲に、前記共重合体のピーク分子量を有する請求項1に記載の洗浄用樹脂を提供する。
請求項3の発明においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による20万以上の分子量比率が20〜65質量%である請求項1又は請求項2に記載の洗浄用樹脂を提供する。
請求項の発明においては、前記共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率が20〜100質量%である請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄用樹脂を提供する。
請求項の発明においては、請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄用樹脂100質量部に対して、下記(a)〜(d)の添加剤の少なくとも1種以上を合計で0.1〜50質量部含有している洗浄用樹脂組成物を提供する。
(a)界面活性剤、(b)多価アルコール、(c)アルキレングリコール脂肪酸エステル、(d)脂肪酸の金属塩
本発明によれば、透明性樹脂の成形加工における樹脂換え、色換え等の際、成形機内に残留する先行樹脂の洗浄を効率よく短時間で行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔洗浄用樹脂〕
本実施の形態における洗浄用樹脂は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体からなる。
ビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられる。一般的にスチレンが入手しやすく好適である。これらは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンとイソプレンとを混合して使用することがより好ましい。
前記共重合体におけるビニル芳香族炭化水素含有量は80〜97質量%であり、好ましくは85〜95質量%、さらに好ましくは88〜93質量%である。
また、前記共重合体における共役ジエンの含有量は20〜3質量%であり、好ましくは15〜5質量%、さらに好ましくは11〜7質量%である。
ビニル芳香族炭化水素含有量と共役ジエンの含有量を上記範囲とすることにより、透明性樹脂の樹脂換えや色換えの際の成形機内の洗浄において優れた効果を発揮し、後行の樹脂への影響を防止できる。
前記共重合体の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定)は3万〜50万であり、好ましくは5万〜40万、更に好ましくは8万〜30万の範囲である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による特定については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)用の単分散ポリスチレンを、GPCにより、そのピークカウント数と単分散ポリスチレンの数平均分子量との検量線を作成し、常法(例えば「ゲルクロマトグラフィー<基礎編>」講談社発行)に従って算出する。20万以上の分子量比率については、ゲルパーミエーションクロマトグラムの面積比から求められる。
前記共重合体の数平均分子量が3万〜50万の範囲であると、溶融時の流動性が良好になるため、成形機内の洗浄を効果的に行うことができる。
また、20万以上の分子量比率が、15〜70質量%であることが好ましく、20〜65質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましい。
20万以上の分子量比率が、15〜70質量%の範囲であると、成形機内の洗浄を効果的に行うことができる。
20万以上の分子量比率が上記範囲であると、溶融時における粘度上昇度合いが良好なものとなり、成形機の洗浄効果の向上が図られる。
前記共重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したピーク分子量は、30万〜60万の範囲が好ましく、35万〜55万の範囲がより好ましい。この範囲にピーク分子量を有しているものは、透明性樹脂の樹脂換え、色換え時において優れた洗浄力を発揮できる。
なお、ピーク分子量とは、分子量分布曲線における分子量に対する変化量の第1次微分値が0となる分子量を意味する。前記共重合体のピーク分子量は30万〜60万の範囲とそれ以外の数値範囲にあってもよいものとする。
ピーク分子量が上記範囲であると、溶融時の高シェア(せん断速度)下においても高い粘度が得られるので、高い洗浄力を発揮できる。
前記共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素は、ブロック率が20〜100質量%であることが好ましく、30〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましい。
ビニル芳香族炭化水素のブロック率が上記範囲であると、溶融時の高シェア(せん断速度)下においても高い粘度が得られるので、透明性樹脂の樹脂換え、色換え時において優れた洗浄力を発揮できる。
前記共重合体は、ビニル芳香族炭化水素からなる重合体ブロックを少なくとも1つ含有する。
共重合体の構造については特に限定されるものではないが、例えば下記一般式で表される線状共重合体、ラジアル共重合体、あるいはこれらの共重合体構造の任意の混合物が使用できる。
(A−B)n、A−(B−A)n、B−(A−B)n+1、(C−A−B)n、A−(B−C−A)n、B−(C−A−B)n+1、[(A−B)km+1−X、[(A−B)k−A]m+1−X、[(B−A)km+1−X、[(B−A)k−B]m+1−X、[(C−A−B)km+1−X、[(A−B−C)k−A]m+1−X
Aは、ビニル芳香族炭化水素からなる重合体ブロックである。
Bは、ビニル芳香族炭化水素と1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック、ビニル芳香族炭化水素とイソプレンからなる共重合体ブロック、ビニル芳香族炭化水素と1,3−ブタジエンとイソプレンからなる共重合体ブロックのいずれかを表す。
Cは、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンからなる単独重合体ブロックである。
Xは、例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ化大豆油等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。
n、k及びmは、1以上の整数、一般的には1〜5の整数である。
Xに複数結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていてもよい。
また、上記一般式で表されるラジアル共重合体において、更にA及び/又はBが、少なくとも一つのXに結合していてもよい。例えば、[(A−B)km+1−X−B のような構造が挙げられる。
前記共重合体を構成する共役ジエンとして1,3−ブタジエンとイソプレンとの混合物を用いる場合、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する質量比は、10/90〜90/10が好ましく、15/85〜85/15がより好ましく、20/80〜80/20がさらに好ましい。
イソプレンの1,3−ブタジエンに対する質量比が10/90〜90/10の範囲であると、イソプレンが含有していることにより、共重合体の熱安定性が向上し、共重合体のゲル化が抑制されるため、透明性樹脂の樹脂換え、色換えの際、成形機内の洗浄を効果的に行うことができる。
ビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられる。一般的にスチレンが入手しやすく好適である。これらは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本実施の形態における洗浄用樹脂を構成する共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率は20〜100質量%であることが好ましい。
共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率は、共重合体を四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)で測定できる。この方法に従って得られるビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を用いて、下記の式により求められる。
ブロック率(質量%)=(共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの質量/共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の質量)×100
本実施の形態における洗浄用樹脂を構成する共重合体は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とを重合することにより得られる。
〔洗浄用樹脂組成物〕
本実施の形態における洗浄用樹脂に、下記(a)〜(d)に示す添加剤の少なくとも1種を含有させた洗浄用樹脂組成物は、透明性樹脂の樹脂換え、色換え時における成形機の洗浄をより効果的に行うことができる。
(a)界面活性剤、(b)多価アルコール、(c)アルキレングリコール脂肪酸エステル、(d)脂肪酸の金属塩
上記(a)〜(d)に示す添加剤の少なくとも1種の含有量は、洗浄用樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜45質量部がより好ましく、1〜40質量部がさらに好ましい。
前記(a)界面活性剤としては、耐熱性の高い材料が好ましい。例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸の中性塩、炭素数8〜20のα−オレフィンスルホン酸の中性塩、炭素数10〜16のアルキル硫酸エステルの中性塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
前記(b)多価アルコールとしては、複数個のヒドロキシル基が結合している非環式、あるいは環式化合物が用いられる。例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ペンチトール類(アドニトール、アラビトール等)、ヘキジトール類(ズルシトール、イノシトール等)、サッカリド類(アミロース、キシラン等)、及びこれらの誘導体(N−メチルグルカミン等)等が挙げられる。
前記(c)アルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のアルキレングリコールと炭素数12〜22の脂肪酸とのエステル化合物が用いられる。例えば、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールジラウレート、テトラメチレングリコールモノラウレート、テトラメチレングリコールジラウレート、ヘキサメチレングリコールモノラウレート、ヘキサメチレングリコールジラウレート、エチレングリコールモノミリステート、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールモノミリステート、プロピレングリコールジミリステート、テトラチメチレングリコールモノミリステート、テトラメチレングリコールジミリステート、ヘキサメチレングリコールモノミリステート、ヘキサメチレングリコールジミリステート、エチレングリコールモノパルミテート、エチレングリコールジパルミテート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールジパルミテート、テトラミチレングリコールモノパルミテート、テトラメチレングリコールジパルミテート、ヘキサメチレングリコールモノパルミテート、ヘキサメチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、テトラメチレングリコールモノステアレート、テトラメチレングリコールジステアレート、ヘキサメチレングリコールモノステアレート、ヘキサメチレングリコールジステアレート、エチレングリコールモノオレート、エチレングリコールジオレート、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールジオレート、テトラメチレングリコールモノオレート、テトラメチレングリコールジオレート、ヘキサメチレングリコールモノオレート、ヘキサメチレングリコールジオレート、エチレングリコールモノベヘネート、エチレングリコ−ルジベヘネート、プロピレングリコールモノベヘネート、プロピレングリコールジベヘネート、テトラメチレングリコールモノベヘネート、テトラメチレングリコールジベヘネート、ヘキサメチレングリコールモノベヘネート、ヘキサメチレングリコ−ルジベヘネート等が挙げられる。
前記(d)脂肪酸の金属塩としては、炭素数6〜22の脂肪酸と金属塩(Mg,Li,Zn,Ca,Al,Sn等)の塩が用いられる。例えば、カプロン酸マグネシウム、カプロン酸リチウム、カプロン酸亜鉛、カプロン酸カルシウム、カプロン酸アルミニウム、カプロン酸錫、カプリル酸マグネシウム、カプリル酸リチウム、カプリル酸亜鉛、カプリル酸カルシウム、カプリル酸アルミニウム、カプリル酸錫、カプリン酸マグネシウム、カプリン酸リチウム、カプリン酸亜鉛、カプリン酸カルシウム、カプリン酸アルミニウム、カプリン酸錫、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸錫、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸アルミニウム、ミリスチン酸錫、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルチミン酸錫、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸錫、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸リチウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸錫、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸リチウム、ベヘニン酸亜鉛、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸アルミニウム、ベヘニン酸錫等が挙げられる。
本実施の形態における洗浄用樹脂組成物は、従来公知の方法により作製できる。
例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー、ニーダー等の混合機を用いて、上述した共重合体に(a)〜(d)を予備混合した後、得られた混合物を溶融混練温度160〜250℃で溶融混練押出し、ペレット化したり、あるいは加熱ロール、バンバリーミキサーにより溶融混練したりすることによって得られる。
以下、実施例と、これとの比較例を挙げて具体的に説明する。
なお、本発明は以下の実施例によって限定を受けるものではない。
〔共重合体A−1〜A−5の作製〕
後述する実施例及び比較例において用いる共重合体A−1〜A−5を、下記方法により調製した。
シクロヘキサン溶媒中で、n−ブチルリチウムを触媒とし、テトラメチルエチレンジアミンをランダム化剤として共重合体を作製した。
表1に、作製した共重合体のスチレン含有量(質量%)、数平均分子量、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する質量比、ブロック率(質量%)、及び20万以上の分子量比率を示した。
なお、共重合体の作製において、モノマーはシクロヘキサンで濃度25質量%に希釈したものを使用した。
(1)共重合体A−1
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.052質量部、テトラメチルエチレンジアミンを0.03質量部添加し、65℃で10分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン70質量部と、1,3−ブタジエン5質量部と、イソプレン5質量部とを含むシクロヘキサン溶液を、65℃で70分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で10分間連続供給した。
その後、10分間保持した後、オートクレーブにメタノールをn−ブチルリチウムに対して1.0倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを共重合体100質量部に対して0.6質量部を加えた。その後、脱溶媒して数平均分子量が124000の共重合体A−1(a)を得た。
前記共重合体A−1(a)を異なるオートクレーブを用いて同様の方法により重合した後、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを、n−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加した後、メタノールを添加した。その他の条件は、上記共重合体A−1(a)の場合と同様の方法により、数平均分子量424000の共重合体A−1(b)を得た。
この数平均分子量が異なる2種類の共重合体A−1(a)、A−1(b)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による、20万以上の分子量比率が42質量%となるようにブレンドして共重合体A−1を得た。
(2)共重合体A−2〜A−5
共重合体A−2〜A−5は、共重合体A−1と同様の方法で作製した。
但し、共重合体中のスチレン含量は、スチレンと1,3−ブタジエンとイソプレンの添加量により調整した。
ブロック率は、ポリスチレン重合体ブロックとスチレンと1,3−ブタジエンとイソプレンの共重合体ブロックのスチレン含有量により調整した。
数平均分子量は、触媒量とカップリング剤量により調整した。
20万以上の分子量比率及びピーク分子量は、高分子量共重合体の数平均分子量と混合比率により調整した。
共重合体A−1〜A−5の、スチレン含量(質量%)、共重合体の構造、数平均分子量、ピーク分子量、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する質量比(I/B比)、ブロック率(質量%)、及び20万以上の分子量比率を下記表1に示す。
Figure 0005242272
〔実施例1〜5〕、〔比較例1〜3〕
(先行樹脂による樹脂シートの押出)
スチレン含有量が40質量%のブロック共重合体(SBS)20質量%と、汎用ポリスチレン(PSジャパン(株)社製、PSJポリスチレン685)80質量%とのブレンド樹脂を用いて、L/D=30、スクリュー径25mm、樹脂温度220℃の条件で、単軸シート押出機を用いて、幅100mm、厚さ0.1mmの樹脂シートの押出を60分間行った。
(成形機の洗浄)
その後、下記表2に示す洗浄用樹脂又は洗浄用樹脂組成物を1kg用いて、溶融混練押出しを行い、上記単軸シート押出機の洗浄を行った。
なお、洗浄用樹脂組成物は、下記表2に示す洗浄用樹脂と所定の添加剤とを、L/D(有効長/外径)32、スクリュー径30mmの2軸押出機を用い、シリンダー温度200℃、ダイス温度210℃の条件で溶融混練押出しすることにより作製した。
(後行樹脂による樹脂シートの押出)
続いて、スチレン含有量が70質量%のブロック共重合体(SBS)50質量%と、汎用ポリスチレン(PSジャパン(株)社製、PSJポリスチレン685)50質量%とのブレンド樹脂を用いて、樹脂温度220℃の条件で、幅100mm、厚さ0.2mmのシート押出を10分間行った。その後、長さ30mのシートをサンプルとした。
サンプル樹脂シートの品質評価としてフィッシュアイ個数を測定した。
なおフィッシュアイは、長径0.2mm以上のものを対象とし、目視により個数をカウントした。
フィッシュアイ個数が少ないほど、上記洗浄用樹脂による洗浄効果が優れていると判定した。
Figure 0005242272
上記表2に示すように、実施例1〜5においては、いずれも実用上十分な洗浄効果を発揮しており後行の樹脂により作製した樹脂シートは、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)を用いた比較例3に比して、飛躍的にフィッシュアイの個数の低減化が図られており、高品質であった。
特に、洗浄用樹脂に添加剤を加えた洗浄用樹脂組成物を使用した実施例4、5においては高い洗浄効果を発揮しており、後行の樹脂により作製した樹脂シートはフィッシュアイの個数が一層少なくなっており極めて高品質であった。
比較例1においては、洗浄用樹脂A−4のスチレン含量が少なすぎるため、十分な洗浄効果の向上が図られず、後行の樹脂により作製したシートは、先行樹脂の影響により品質が劣ったものとなった。
比較例2においては、洗浄用樹脂A−5は、20万以上の分子量比率が低く、ピーク分子量が小さく、共役ジエンにイソプレンが含まれていないため、上記実施例1〜5に比較すると洗浄効果が低く、後行の樹脂により作製したシートは先行樹脂の影響により品質が劣ったものとなった。
比較例3においては、洗浄用樹脂として汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)を用いており、実施例1〜5に比較して洗浄効果が著しく劣り、後行の樹脂により作製したシートは先行樹脂の影響により品質が悪かった。
本発明の洗浄用樹脂は、特に透明性樹脂のような先行樹脂の影響を受けやすい樹脂を用いた成形加工を行う技術分野において産業上の利用可能性がある。

Claims (5)

  1. ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体からなる洗浄用樹脂であって、
    前記共重合体におけるビニル芳香族炭化水素含有量が80〜97質量%、共役ジエン含
    有量が20〜3質量%であり、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜
    50万であって、20万以上の分子量比率が15〜70質量%であり、
    当該共重合体に組み込まれている共役ジエンが、イソプレンと1,3−ブタジエンであり、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する質量比が、10/90〜90/10の範囲であり、
    当該共重合体が線状共重合体とラジアル共重合体の混合物である洗浄用樹脂。
  2. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による30万〜60万の分子
    量範囲に、前記共重合体のピーク分子量を有する請求項1に記載の洗浄用樹脂。
  3. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による20万以上の分子量比率が20〜65質量%である請求項1又は請求項2に記載の洗浄用樹脂。
  4. 前記共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率が20〜100質
    量%である請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄用樹脂。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の洗浄用樹脂100質量部に対して、下記(a)
    〜(d)の添加剤の少なくとも1種以上を合計で0.1〜50質量部含有している洗浄用樹脂組成物。
    (a)界面活性剤、(b)多価アルコール、(c)アルキレングリコール脂肪酸エステル
    、(d)脂肪酸の金属塩
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