JP5240594B1 - ガスケット - Google Patents

Abstract

【課題】成形が容易で、低反力で高圧縮が可能な、信頼性の高いガスケットを提供できることを目的とするものである。
【解決手段】
互いに対向する２部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材との間で圧接挟持されるゴム状弾性材製のガスケットであって、前記ガスケットが、前記装着溝に挿入される本体部と、前記本体部の前記装着溝の底部側であって、前記本体部の幅方向一端側に設けられ、前記底部の一部に設けた深溝部に装着されている一方の支持突起と、前記本体部の幅方向他端側から前記底部に向かって前記一方の支持突起から離れる方向に傾斜して伸びる他方の支持突起と、前記本体部の前記他方の部材に面する側に設けられるものであって、その先端部が前記本体部の前記一方の支持突起と重ならない様に位置するリップ条突起とより構成されたことを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、ガスケットに関するものである。
更に詳しくは、合成樹脂やアルミ等の剛性が低い材質からなる、電子機器等に使用されているケース用ガスケットに関するものである。

従来、合成樹脂など剛性の低い材質で形成された電子機器等のケースカバーなどでは、締め付けの際のカバーの変形抑制や寸法精度のバラツキに対するシール性確保（圧縮量の部分的なバラツキに対し追随）の観点から、低反力性でかつ圧縮量に対して反力の変化率が小さいガスケットが採用されるケースが多い。

この種ガスケットとしては、図５に示す様に、図示しない装着溝に挿入される本体部３１０と、この本体部３１０の装着溝の底部側に設けられ、本体部３１０と平行にのびる２条の支持突起３２０、３３０と、本体部３１０の他方の側に設けたリップ条突起３４０とより構成されるものが知られている。
そして、リップ条突起３４０の反対面の装着溝の底部側に空隙３５０を設け、ゴム状弾性部材の圧縮を緩衝させる形状としている。（特許文献１）
しかし、この様な形状のガスケット３００であっても、合成樹脂やアルミ等の剛性が低い材質からなる、電子機器等に使用されているケースに対しては、満足できる低反力のガスケットでは無かった。

そこで、図６に示す形状のガスケット３００が提案された。（特許文献２）
すなわち、ガスケット３００は、ケース（一方の部材）１００の装着溝１００に挿入される本体部３１０と、この本体部３１０の他方の側に設けたリップ条突起３４０とより構成され、このリップ条突起３４０は、本体部３１０に対し傾斜して伸びる形状としている。
この事により、図７に示す様に、他方の部材２００との間で圧接挟持された際の、リップ条突起３４０の低反力の実現、および追随性能の向上が期待できる。

しかしながら、このような傾斜構造のリップ条突起３４０は、ガスケット３００を成形し離型する際に、リップ条突起３４０が無理抜きとなるため、傾斜を強くした形状では、リップ条突起３４０が破損し易く、作業性が悪いなどの問題が惹起した。
一方、リップ条突起３４０の傾斜角度を小さくすると、リップ条突起３４０が倒れても低反力になり難く、圧縮量に対する反力の変化も大きくなるばかりでなく、狙い通りに一定方向に倒れ難く、部分的に逆方向に倒れる可能性も出てくる為、シール性の低下を招来した。

実開昭６２−１０８６６１号公報 特開２００４−３９３４１号公報

本発明は、成形が容易で、低反力で高圧縮が可能な、信頼性の高いガスケットを提供できることを目的とするものである。

上記目的を達成するために本発明のガスケットにあっては、互いに対向する２部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材との間で圧接挟持されるゴム状弾性材製のガスケットであって、前記ガスケットが、前記装着溝に挿入される本体部と、前記本体部の前記装着溝の底部側であって、前記本体部の幅方向一端側に設けられ、前記底部の一部に設けた深溝部に装着されている一方の支持突起と、前記本体部の幅方向他端側から前記底部に向かって前記一方の支持突起から離れる方向に傾斜して伸びる他方の支持突起と、前記本体部の前記他方の部材に面する側に設けられるものであって、その先端部が前記本体部の前記一方の支持突起と重ならない様に位置するリップ条突起とより構成され、前記ガスケットが組み込まれる段階においては、前記本体部が、前記一方の支持突起を支点として前記他方の支持突起側に傾斜する様に変位すると共に、前記他方の支持突起が前記底部に接して変形することを特徴とする。

本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項１記載の発明のガスケットによれば、成形が容易で、低反力で高圧縮が可能な、信頼性の高いガスケットとする事が出来る。
また、請求項２記載の発明のガスケットによれば、低反力で高圧縮が可能であると共に、
組み込まれ後のガスケットの姿勢安定性が良好である。

また、請求項３記載の発明のガスケットによれば、ガスケットを装着溝に装着する事が容易で、かつ確実に行うことが出来る。
更に、請求項４記載の発明のガスケットによれば、リップ条突起が、常に狙い通りに一定方向に倒れるため、シール性能の信頼性をより高める事が出来る。

更に、請求項５記載の発明のガスケットによれば、ガスケットの装着溝への挿入が容易であると共に、装着溝の内周側へのガスケットの倒れをより確実に防止出来る。
更に、請求項６記載の発明のガスケットによれば、より低反力で高圧縮が可能な、信頼性の高いガスケットとする事が出来る。

本発明の第１の態様のガスケットの断面図。 図１のガスケットを装着溝に挿入した状態の断面図。 図２に他方の部材を組み付けて、ガスケットを圧接挟持した断面図。 本発明の第２の態様を図１と同様に示した図。 従来技術に係るガスケットの断面図。 従来技術に係る他のガスケットの断面図。 図６に他方の部材を組み付けて、ガスケットを圧接挟持した状態の断面図。

以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係る第１の形態のガスケットは、図１、図２、及び図３に示す様に、互いに対向する２部材１、２のうちの一方の部材１に設けた装着溝１１に装着されて他方の部材２との間で圧接挟持されるゴム状弾性材製のガスケット３である。

そして、このガスケット３が、装着溝１１に挿入される本体部３１と、この本体部３１の装着溝１１の底部１１１側であって、本体部３１の幅方向一端側３１２に設けられ、底部１１１の一部に設けた深溝部１１２に装着されている一方の支持突起３３と、本体部３１の幅方向他端側３１３から底部１１１に向かって一方の支持突起３３から離れる方向に傾斜して伸びる他方の支持突起３２と、本体部３１の他方の部材２に面する側に設けられるものであって、その先端部３４３が本体部３１の一方の支持突起３３と重ならない様に位置するリップ条突起３４とより構成されている。
この他方の支持突起３２の底部１１１に対する傾斜角度は１５〜４５度の範囲にあり、傾斜角度が１５度より小さくなると、良好なシール面圧が得られなくなり、傾斜角度が４５度より大きくなると成形し離型する際に、他方の支持突起３２が無理抜きとなるため、傾斜を強くした形状では、他方の支持突起３２が破損し易く、作業性が悪いなどの問題が惹起した。
また、リップ条突起３４は、底部１１１に対して直立する形で形成されている。

そして、このガスケット３が組み込まれる段階においては、図３に示す様に、本体部３１が、一方の支持突起３３を支点として他方の支持突起３２側に傾斜する様に変位する。
この様に、他方の支持突起３２が、本体部３１の幅方向他端側３１３から底部１１１に向かって一方の支持突起３３から離れる方向に傾斜して伸びる形状を呈しているため、他方の部材２によりリップ条突起３４が押圧されると、図３に示す様に、容易に変形する為、成形が容易で、低反力で高圧縮が可能な、信頼性の高いガスケットとする事が出来る。
また、図３に示す様に、一方の支持突起３３がガスケット３を一方の部材１側に安定して保持すると共に、他方の支持突起３２が装着溝１１の底部１１１と広い面積で接する為、良好なシール性能が発揮できる。

更に、図２に示す様に、ガスケット３が組み込まれる前の段階において、他方の支持突起３２と底部１１１との間に間隙Ｘが存在し、ガスケット３が組み込まれる段階において、他方の支持突起３２が、底部１１１と接する様に構成することにより、低反力で高圧縮が可能であると共に、組み込まれ後のガスケットの姿勢安定性が良好である。
更にまた、本体部３１が、一方の支持突起３３が設けられている他方の部材２に面する側に平坦な押圧面３１１を備えている為、ガスケット３を装着溝１１に装着する際、冶具で押圧面３１１を押圧する事により、装着を容易に行えると共に、ガスケット３の装着を確実に行うことが出来る。

また、図１に示す様に、ガスケット３のリップ状突起３４を形成している両斜面３４１、３４２の傾斜は、他方の支持突起３２側の斜面３４１の方が、他方の斜面３４２に比べ急傾斜としている。
この為、リップ条突起３４が、常に狙い通りに一定方向（図上左側）に倒れるため、シール性能の信頼性をより高める事が出来る。

更に、図３に示す様に、ガスケット３は、ガスケット３が組み込まれた段階において、他方の支持突起３２の先端部が、装着溝１１の側面１１３に接しない長さに設計されている。この結果、他方の支持突起３２の変位が、装着溝１１の側面１１３により阻害されることが無い為、より低反力で高圧縮が可能な、信頼性の高いガスケット３とする事が出来る。

ガスケット１に使用される材料は、ゴム状弾性を備えたゴム材である。
ゴム材としては、ニトリルゴム、アクリルゴム、ＥＰＤＭ、ＣＲ、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等が挙げられ、各種用途に応じて適宜選択して用いられる。
ゴム硬度は、好ましくはＨｓ４０〜Ｈｓ６０で、低反力とする為に、Ｈｓ７０以下とする事が重要である。

ついで、本発明の第２の態様を図４に基づき説明する。
第１の態様と相違する点は、一方の支持突起３３の周面に、保持突起３３１を設けたことである。
この保持突起３３１は、一方の支持突起３３の内周面側（図上左側）に等間隔で複数本設ける態様としている。

そして、ガスケット３を装着溝１１の深溝部１１２内へ挿入すると、保持突起３３１が深溝部１１２の周面と接して、ガスケット３が圧接挟持される状態に組み込まれる。
この様に、この態様によると、ガスケット３の装着溝１１への挿入抵抗が低減出来る為、深溝部１１２内への挿入が容易であると共に、装着溝１１の内周側へのガスケット３の倒れをより確実に防止出来る。

本発明に係るガスケットは、合成樹脂やアルミ等の剛性が低い材質からなる、電子機器等に使用されているケース用ガスケットに使用できる。

１ 一方の部材
２ 他方の部材
３ ガスケット
１１ 装着溝
３１ 本体部
３２ 他方の支持突起
３３ 一方の支持突起
３４ リップ条突起
１１１底部
１１２深溝部
１１３側面
３１２一端側
３１３他端側
３３１保持突起
３４１斜面
３４２斜面

Claims (6)

1. 互いに対向する２部材（１）、（２）のうちの一方の部材（１）に設けた装着溝（１１）に装着されて他方の部材（２）との間で圧接挟持されるゴム状弾性材製のガスケット（３）であって、前記ガスケット（３）が、前記装着溝（１１）に挿入される本体部（３１）と、前記本体部（３１）の前記装着溝（１１）の底部（１１１）側であって、前記本体部（３１）の幅方向一端側（３１２）に設けられ、前記底部（１１１）の一部に設けた深溝部（１１２）に装着されている一方の支持突起（３３）と、前記本体部（３１）の幅方向他端側（３１３）から前記底部（１１１）に向かって前記一方の支持突起（３３）から離れる方向に傾斜して伸びる他方の支持突起（３２）と、前記本体部（３１）の前記他方の部材（２）に面する側に設けられるものであって、その先端部（３４３）が前記本体部（３１）の前記一方の支持突起（３３）と重ならない様に位置するリップ条突起（３４）とより構成され、前記ガスケット（３）が組み込まれる段階においては、前記本体部（３１）が、前記一方の支持突起（３３）を支点として前記他方の支持突起（３２）側に傾斜する様に変位すると共に、前記他方の支持突起（３２）が前記底部（１１１）に接して変形することを特徴とするガスケット。
2. 前記ガスケット（３）が組み込まれる前の段階において、前記他方の支持突起（３２）と前記底部（１１１）との間に間隙（Ｘ）が存在し、前記ガスケット（３）が組み込まれる段階において、前記他方の支持突起（３２）が、前記底部（１１１）と接する様になしたことを特徴とする請求項１記載のガスケット。
3. 前記本体部（３１）が、前記一方の支持突起（３３）が設けられている前記他方の部材（２）に面する側に平坦な押圧面（３１１）を備えていることを特徴とする請求項１または２記載のガスケット。
4. 前記リップ状突起（３４）を形成している両斜面（３４１）、（３４２）の傾斜は、前記他方の支持突起（３２）側の斜面（３４１）の方が、他方の斜面（３４２）に比べ急傾斜としたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のガスケット。
5. 前記一方の支持突起（３３）の周面に、保持突起（３３１）を設けたことを特徴とする請求項１〜４いずれか一項に記載のガスケット。
6. 前記ガスケット（３）が組み込まれた段階において、前記他方の支持突起（３２）が、前記装着溝（１１）の側面（１１３）に接しない長さであることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のガスケット。

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