JP5232488B2 - 燃料品質判定装置 - Google Patents
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Description
本発明は、燃料タンクに給油される燃料の品質を判定する燃料品質判定装置に関する。
従来より、建設機械などの移動体の燃料においては、燃料に適さない不純物（例えば灯油）を混合した粗悪燃料が使用される場合がある。粗悪燃料を使用すると、駆動源であるエンジンの出力が低下し、エンジンの故障を招いてしまう恐れがある。このような問題を解決するため、粗悪燃料の使用によってエンジンの出力が低下した場合に、エンジンの負荷率が目標値に保たれるように油圧ポンプの最大吸収トルクを制御する技術が開示されている（例えば、特許文献１を参照）。
しかしながら、上記従来技術は、あくまでも粗悪燃料の使用等に起因するエンジン出力の低下に対応する技術であるため、燃料タンク内の燃料が粗悪燃料であるか否かを判定することはできなかった。このため、上記従来技術では、粗悪燃料の使用を未然に防止することができなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、燃料タンク内の燃料が粗悪燃料であるか否かを適確に判定することができ、粗悪燃料の使用を未然に防止することができる燃料品質判定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る燃料品質判定装置は、燃料タンクに給油される燃料の品質を判定する燃料品質判定装置であって、前記燃料タンクの内部に設けられ、前記燃料の液面を検知するレベルセンサと、前記燃料タンクの内部の底面に設けられ、該底面における前記燃料の圧力を検知する圧力センサと、前記レベルセンサおよび前記圧力センサのセンサ出力を用いることによって前記燃料の密度を算出する密度算出手段と、前記密度算出手段で算出した前記燃料の密度が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る燃料品質判定装置は、上記発明において、前記レベルセンサは、前記燃料が前記燃料タンク内の規定量に達した状態の液面を検知することを特徴とする。
また、本発明に係る燃料品質判定装置は、上記発明において、前記判定手段の判定結果に応じた情報を表示または出力する出力手段をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る燃料品質判定装置によれば、燃料タンクの内部における燃料の液面を検知するレベルセンサと、燃料タンクの内部の底面における燃料の圧力を検知する圧力センサと、レベルセンサおよび圧力センサのセンサ出力を用いて燃料の密度を算出する密度算出手段と、密度算出手段が算出した燃料の密度が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、を備えているため、燃料の密度に基づいて燃料タンクに給油された燃料の品質を判定することができる。したがって、燃料タンク内の燃料が粗悪燃料であるか否かを適確に判定することができ、粗悪燃料の使用を未然に防止することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態（以後、「実施の形態」と称する）を説明する。図１は、本発明の一実施の形態に係る燃料品質判定装置の要部の機能構成を模式的に示す図である。同図に示す燃料品質判定装置１は、燃料タンク２に給油される燃料Ｆの品質を判定する装置であり、燃料タンク２の内部に設けられ、燃料タンク２に給油される燃料Ｆが規定量である満タンの位置に達したときの燃料Ｆの液面を検知するレベルセンサ３と、燃料タンク２の内部の底面に設けられ、燃料タンク２の底面における燃料の圧力を検知する圧力センサ４と、レベルセンサ３および圧力センサ４のセンサ出力を用いた燃料タンク２内の燃料Ｆの品質判定を含む各種処理を行うモニタ装置５と、を備える。
モニタ装置５は、燃料タンク２の機種情報の入力等を受ける入力部６と、レベルセンサ３および圧力センサ４のセンサ出力に基づいて燃料タンク２が貯留する燃料Ｆの密度（単位体積当たりの質量）を算出する燃料密度算出部７と、燃料密度算出部７の演算結果を用いて燃料タンク２内の燃料Ｆの品質を判定する判定部８と、燃料タンク２内の燃料Ｆの燃料量や判定部８の判定結果を含む各種情報を表示または出力する出力部９と、モニタ装置５の動作を制御する制御部１０と、燃料タンク２の機種情報や燃料Ｆの品質判定処理に関する情報を含む各種情報を記憶する記憶部１１と、を有する。
レベルセンサ３は、フロート式または光学式の検出器である。
出力部９は、燃料タンク２内の燃料量を表示する燃料ゲージ９１と、判定部８が燃料Ｆを粗悪燃料であると判定した場合に警報を出力するブザー９２とを有する。
記憶部１１は、燃料タンク２の機種情報１１１、正規燃料の密度情報１１２などを記憶している。
以上の構成を有する燃料品質判定装置１および燃料タンク２は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載される。
図２は、燃料品質判定装置１が行う燃料品質判定処理の概要を示すフローチャートである。燃料品質判定装置１は、燃料タンク２への燃料Ｆの給油が行われる際に、給油された燃料Ｆの品質判定をあわせて行う。このため、以下の説明においては、燃料タンク２への給油が満タンになるまで行われることを前提として説明する。なお、燃料Ｆが満タンで有るか否かについては、レベルセンサ３を用いて検知してもよいし、燃料Ｆを給油する給油装置側で検知してもよい。
燃料品質判定装置１では、レベルセンサ３がオンになった場合（ステップＳ１，Ｙｅｓ）、燃料密度算出部７が圧力センサ４のセンサ出力（のＡ／Ｄ変換値）Ｐを読み込む（ステップＳ２）。これに対して、レベルセンサ３がオンになっていない場合（ステップＳ１，Ｎｏ）、すなわち燃料Ｆの給油中である場合、燃料品質判定装置１は待機状態にある。
続いて、燃料密度算出部７は、給油された燃料Ｆの密度ρを算出する（ステップＳ３）。具体的には、燃料密度算出部７は、読み込んだ圧力センサ４の出力Ｐを用いるとともに、記憶部１１がそれぞれ記憶する満タン位置での燃料Ｆの深さｈmaxおよび重力加速度ｇを用いることにより、燃料Ｆの密度ρ＝Ｐ／（ｇ・ｈmax）を算出する。
次に、判定部８は、燃料密度算出部７が算出した密度ρの値が所定の正常範囲（ρmin＜ρ＜ρmax）に含まれるか否かを判定する（ステップＳ４）。ここで参照する密度の上限値ρmaxおよび下限値ρminは、記憶部１１が密度情報１１２の一部として記憶しているものであり、正規燃料が満たすべき密度の範囲を与える。判定部８が判定した結果、密度ρの値が上述した正常範囲に含まれている場合（ステップＳ４，Ｙｅｓ）、燃料品質判定装置１は、燃料品質判定処理を終了する。一方、判定部８が判定した結果、密度ρの値が正常な範囲を逸脱している場合（ステップＳ４，Ｎｏ）、燃料品質判定装置１は、出力部９のブザー９２から警報を出力し（ステップＳ５）、燃料品質判定処理を終了する。
なお、ステップＳ５において判定部８が判定した結果、燃料Ｆが正規燃料であることが判明した場合（ステップＳ４，Ｙｅｓ）にも、出力部９が判定結果を報知する情報を出力するようにしてもよい。
以上説明した本発明の一実施の形態に係る燃料品質判定装置によれば、燃料タンクの内部における燃料の液面を検知するレベルセンサと、燃料タンクの内部の底面における燃料の圧力を検知する圧力センサと、レベルセンサおよび圧力センサのセンサ出力を用いて燃料の密度を算出する密度算出手段と、密度算出手段が算出した燃料の密度が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、を備えているため、燃料の密度に基づいて燃料タンクに給油された燃料の品質を判定することができる。したがって、燃料タンク内の燃料が粗悪燃料であるか否かを適確に判定することができ、粗悪燃料の使用を未然に防止することができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を説明してきたが、本発明は、上述した一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、判定部による判定結果が正常である場合であっても、燃料の密度ρが正常範囲の下限値ρmin付近または上限値ρmax付近の値を有する場合には、微量の混合物が含まれている可能性もある。そこで、正規燃料と判定された燃料のうち、下限値ρminまたは上限値ρmaxとの差が所定値よりも小さい密度を有する燃料に関しては、燃料の使用量をモニタ装置側で記憶し、その使用量の積算値が所定値を超えた時に出力部から警報を出力するようにしてもよい。これにより、建設機械が大きなダメージを受ける前にメインテナンスを実施することが可能となる。
また、レベルセンサが検知する燃料タンク内の規定量は満タン以外でもかまわない。すなわち、燃料タンクに設けるレベルセンサの設置位置は、燃料の満タン位置以外でもかまわない。
なお、本発明は、建設機械以外の移動体にも適用可能である。また、本発明は、移動体以外の製品に使用される燃料の品質判定用として適用することも可能である。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
１ 燃料品質判定装置
２ 燃料タンク
３ レベルセンサ
４ 圧力センサ
５ モニタ装置
６ 入力部
７ 燃料密度算出部
８ 判定部
９ 出力部
１０ 制御部
１１ 記憶部
９１ 燃料ゲージ
９２ 警報ブザー
１１１ 機種情報
１１２ 密度情報
Ｆ 燃料
２ 燃料タンク
３ レベルセンサ
４ 圧力センサ
５ モニタ装置
６ 入力部
７ 燃料密度算出部
８ 判定部
９ 出力部
１０ 制御部
１１ 記憶部
９１ 燃料ゲージ
９２ 警報ブザー
１１１ 機種情報
１１２ 密度情報
Ｆ 燃料
Claims (5)
- 燃料タンクに給油される燃料の品質を判定する燃料品質判定装置であって、
前記燃料タンクの内部に設けられ、前記燃料の液面を検知するレベルセンサと、
前記燃料タンクの内部の底面に設けられ、該底面における前記燃料の圧力を検知する圧力センサと、
前記レベルセンサおよび前記圧力センサのセンサ出力を用いることによって前記燃料の密度を算出する燃料密度算出手段と、
前記燃料密度算出手段で算出した前記燃料の密度が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする燃料品質判定装置。 - 前記レベルセンサは、
前記燃料が前記燃料タンク内の規定量に達した状態の液面を検知することを特徴とする請求項１記載の燃料品質判定装置。 - 前記判定手段の判定結果に応じた情報を表示または出力する出力手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項１または２記載の燃料品質判定装置。 - 前記判定手段によって、前記燃料の密度が前記所定の範囲に含まれると判定され、かつ、前記燃料の密度と前記所定の範囲の下限値または上限値との差が所定値より小さい密度の燃料である場合、前記燃料の使用量の積算値を記憶する記憶手段と、
前記積算値が所定量を超えた場合、警報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項１または２に記載の燃料品質判定装置。 - 前記規定量は、前記燃料が前記燃料タンク内に給油され、満タンになった状態であることを特徴とする請求項２に記載の燃料品質判定装置。
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