以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明を行う。図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示した図であり、特に、1店舗に複数のコマンダ、いわゆるカラオケ演奏装置を設置して営業を行うカラオケボックスとしての一実施形態を示した図である。
図1において、50は通信網、60はルータ、70は無線アクセスポイント、100はホスト装置、200はリモコン装置、300はコマンダ、400は録画装置をそれぞれ示している。本実施形態において、カラオケ演奏装置としての各コマンダ300はroom1〜room3毎に1台ずつ設置され、リモコン装置200からリクエストされた楽曲の演奏を行う。
例えば、コマンダ1が設置されるroom1には1台のリモコン装置1と、1台の録画装置1が配置される。コマンダ1は、リモコン装置1と対応付けられており、LANを介してリモコン装置1からの楽曲リクエストを受け付けることができる。コマンダ2が設置されるroom2は、room1と同様の配置であって、コマンダ2、リモコン装置2、録画装置2が設置されている。また、コマンダ3が設置されたroom3は2台のリモコン装置3−1、3−2が配置され、コマンダ3はリモコン装置3−1、3−2の両方に対応付けられており、どちらからも楽曲リクエストを受け付けることができる。なお、各コマンダ300のフロントパネルなどに設けられた入力手段からも楽曲のリクエストを行うことができる。
各コマンダ300は、LANによってルータ60と接続されており、インターネット回線などの通信網50を介してホスト装置100と通信接続される。このように通信接続されることで各コマンダ300は、ホスト装置100から楽曲配信や、プログラム配信を受けることができると共に、ホスト装置100に対して利用履歴など各種の情報を送信することができる。
ホスト装置100は、楽曲配信、プログラム配信や、各種情報を受信するといったコマンダ300に対する遠隔管理を行うと共に、録画装置400から受信した録画映像を保管し、利用者の携帯情報端末に配信する機能を有する。この他、受信した録画映像を、動画投稿サイト101、102や、携帯サイト103などに通信網50を介して広く一般に公開する機能も備えている。
無線アクセスポイント70は、各コマンダ300が接続されるLAN上に接続されており、各リモコン装置200と無線通信を行うことを可能としている。このように各リモコン装置200がLANに接続されることで、コマンダ300と同様、通信回線を介してホスト装置100と通信を行うことができると共に、予め対応付けられているコマンダ300に対して楽曲をリクエストすることができる。
room1、room2には、本願発明のカラオケ録画装置の実施形態である録画装置400が設置される。録画装置400はコマンダ300、そして、LANに接続される。このように接続することでコマンダ300が出力するカラオケ映像、カラオケ音声を録画することができる。また、LANに接続されることでコマンダ300との各種制御信号の送受信、並びに、通信網50を介したホスト装置100、各種サーバ装置などとの通信を可能としている。
本実施形態では、LANを介して複数のコマンダ300が接続された、いわゆるカラオケボックスでの営業形態を説明したが、スナックなどのナイト店においては、例えば、room1のようなコマンダ300、録画装置400、リモコン装置200が設置された構成が採用され、場合によっては、room3のように複数のリモコン装置200を設置されることとなる。
次に、カラオケ演奏装置としてのコマンダ300についてより詳しく説明する。図2はコマンダ300及びそれに付属する各種周辺機器を示す図である。301はコマンダ制御手段、302はコマンダ通信手段、303はフロントパネル表示手段、304は表示制御手段、305はコマンダ記憶手段、306はコマンダ入力手段、307はコマンダインタフェース、308は音源、309はミキシング手段、501はアンプ、502はスピーカー、503はマイクロフォン、504はディスプレイをそれぞれ示している。
コマンダ制御手段301は、CPU、ROM、RAMなどを含んで構成され、コマンダ300全体の制御を行う。コマンダ記憶手段305にはハードディスク、フラッシュメモリドライブなどの大容量記憶手段が用いられ、ホスト装置100から受信した楽曲データ、映像データやカラオケ演奏以外の機能を実行させるプログラムなどのデータが記憶される。
コマンダ通信手段302は、周知規格の有線LANが採用され、リモコン装置200との間での各種制御命令の送受信や、楽曲データ、映像データ、各種プログラムをホスト装置100から受信するために用いられる。また、同じLAN上に配置された録画装置400など、その他の機器に接続することも可能であって、他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。コマンダ入力手段306は、コマンダ300のフロントパネルなどに設けられた各種スイッチ機能であり、予約選曲、キーコントロール、音量調整など各種機能を手動設定が可能となっている。
表示制御手段304は、カラオケを行う際、背景映像と歌詞映像を合成したカラオケ映像や、その他各種映像をディスプレイ504に表示するための表示制御を行う。また、録画装置400に対してカラオケ映像を外部出力する。本実施形態では、この外部出力としてのカラオケ映像として背景映像と歌詞映像が重畳されたものを用いることとしたが、この実施形態に限ることなく、例えば、適宜制御にてカラオケ映像の内容を、背景映像のみ、歌詞映像のみ、背景映像と歌詞映像を合成したものといったように録画装置400に選択出力可能としてもよい。また、背景映像と歌詞映像を別々の外部出力として録画装置400に提供してもよい。この場合、録画装置400にて録画する映像が選択できるように構成される。
音源308は、MIDI、PCM、MPEGといった形式の楽曲データに基づいて楽音信号を形成する。ミキシング手段309は、音源308が形成した複数の楽音とマイクロフォン503、503’から入力される歌唱者の歌唱音声を適宜なバランスで混合する。このミキシング手段309で混合されたカラオケ音声はアンプ501に出力されてスピーカ502から放音出力されることとなる。また、本実施形態では、スピーカ501への出
力以外に、別途アンプ501のRECOUT端子からカラオケ音声を取り出して録画装置400において録音の対象としている。この実施形態に限ることなく、録画装置400への出力をミキシング手段309から取り出し、適宜制御にて楽音のみ、または、楽音と歌唱音声がミキシングされたものに切り換え出力可能なようにしてもよい。または、録画装置400に対して、楽音と歌唱音声を別々に提供し、録画装置側で録音の対象を選択できるように構成することでも構わない。
コマンダインタフェース307は、演奏の開始、終了に伴ったプレイ信号を出力する。このプレイ信号は、本来、コマンダが接続されるコインボックスを制御するための信号であり、コマンダが楽曲を演奏している最中は5Vの電圧を出力し、演奏していないときは0Vの電圧を出力する。接続されたコインボックスは、このプレイ信号を監視して課金制御を行うこととなるが、本実施形態では、このプレイ信号を利用して録画装置400の録画開始、終了の制御が行われる。
以上、コマンダ300の主要構成について説明したが、この他、従来のリモコン装置で使用されるIR信号を送受信可能とするIR通信手段を設け、IR信号を利用するリモコン装置からの楽曲リクエストにも対応できる構成としてもよい。
次に、カラオケ録画装置としての録画装置400についてより詳しく説明する。図3は録画装置400及びそれに付属する各種周辺機器を示す図である。401は制御手段、402は通信手段、403は表示制御手段、404は記憶手段、405はDVDドライブ、406はUSBインタフェース、407は取込手段、507は表示手段505、タッチ式センサ507にて構成されるタッチパネル、508はカメラをそれぞれ示している。
制御手段401は、CPU、ROM、RAMなどを含んで構成され、録画装置400全体の制御を行う。記憶手段404にはハードディスク、フラッシュメモリドライブなどの大容量記憶手段が用いられ、各種制御プログラム、合成用映像、記録禁止楽曲の楽曲IDを記載した禁止リスト等を記憶している。また、録画処理で得られた録画ファイルについてもこの記憶手段404に記憶される。
通信手段402は、周知規格の有線LANなどが採用され、コマンダ300と同様、通信網を介してホスト装置100との各種情報の送受信を可能としている。また、対応付けられたコマンダ300とも互いに通信可能であって、コマンダ300で演奏している楽曲情報や、コマンダ300に予約されている楽曲を示す予約リストなど、コマンダ300で管理している各種情報を取得することを可能としている。
表示制御手段403は、制御手段401からの制御に基づいて表示手段505に各種の表示を行う。本実施形態では、主として録画処理や出力処理の利用者に対する案内表示が行われる。
入力手段としてのタッチ式センサ506は、利用者の指やスタイラスなどでタッチすることによる入力操作が可能である。このタッチ式センサ506による入力を可能とするため、表示手段505にはタッチ式センサ506に対する制御と連動した表示画像が表示されるようにプログラムされる。このタッチ式センサ506と表示手段505により、いわゆるタッチパネル507が構成される。なお、本実施形態では、入力手段としてタッチ式センサ506を用いた構成を示したが、入力手段はこれに限定されるものではなく、例えば、キーボード、カーソルキーなどの機械的なものに代えてもよい。また、これらをタッチ式センサ206と併せて用いても構わない。
取込手段407は、コマンダ300からの各種信号を受信するインタフェースであって
、本実施形態では、コマンダ300からカラオケ映像と、カラオケ音声を受信して録画装置400に取り込む。また、コマンダ300からプレイ信号を受信し、録画装置400は、このプレイ信号を監視することで、楽曲の開始、終了が判断できるようになっている。このプレイ信号を利用することで、従来からのコマンダ300が利用でき、新たなハードを追加することなく楽曲の開始、終了のタイミングが判断できる。このように、本実施形態では、楽曲の開始、終了のタイミング判断に、コマンダ300からのプレイ信号を利用することとしたが、これに限定されるものではなく、録画装置400はコマンダ300とを接続するLANを介した制御信号に基づいて楽曲の開始、終了、更にはどの楽曲が演奏されるのかを判断するようにしてもよい。
USBインタフェース406は、各種外部機器を複数接続可能とするインタフェースである。本実施形態では、このUSBインタフェース406を介して動画撮影可能なカメラ508が接続される。カメラ508以外にも携帯型AVプレーヤや、携帯型ゲーム装置など、それ自体で映像、音声を再生可能な携帯情報端末を接続できる。
DVDドライブ405は、録画されたファイルを記録媒体としてのDVDに書き込むために用いられる書込手段である。本実施形態では、DVDの所定記録領域に識別子を入れた専用DVDのみ扱うことを可能としている。利用者は、DVDに録画する際は、店舗にて予め専用DVDを購入し、DVDドライブ405にセットして録画ファイルを書き込ませる。また、識別子を複数種類設とし、この識別子の種類毎に録画ファイルの書き込み数、録画ファイルの種類などを制限してもよい。
なお、本実施形態では、録画装置400は、カラオケ演奏装置としてのコマンダ300と別体構成としたが、これらを一体構成することで、カラオケ録画装置をカラオケ演奏装置の一機能として実現しても構わない。その際、録画装置400における各種構成はコマンダ300と兼用されることとなる。例えば、録画装置400における制御手段401、通信手段402、記憶手段404などは、コマンダ300におけるコマンダ制御手段301、コマンダ通信手段302、コマンダ記憶手段305などと兼用される。また、録画装置400における表示手段505、タッチ式センサ506といった入力インタフェースは、リモコン装置200にて実現してもよい。
以上、本発明が利用するカラオケシステム、コマンダ、録画装置の構成について説明を行ったが、次に、録画装置での各種処理について詳しく説明を行う。図4、図5は、本実施形態における録画装置において利用可能とする各種録画モードを説明する図である。図4は、録画装置の利用開始時に利用者に対しタッチパネル507により提示する録画モード選択画面であり、図5は、本実施形態における各録画モードにおいて、録音、録画の対象内容を示した図である。
図4に示すように、本実施形態においては、自分撮、カラオケ撮、芸能コンテンツの3つの録画モードが選択可能となっている。録画装置の利用開始時には、タッチパネル507上にこの画面を利用者に提示して各モードの指定を受け付ける。各録画モードの録音、録画内容は、本実施形態においては、図5(A)に示したものとなる。
まず、自分撮モードにおいては、カメラ映像を録画の対象とし、カラオケ音声を録音の対象とする。このような録音、録画の内容によれば、カメラにて撮影した歌唱者の動画と楽音に伴った歌唱者の歌声を記録することができる。
次に、カラオケ撮モードにおいては、カラオケ映像を録画の対象とし、カラオケ音声を録音の対象とする。このような録音、録画によれば、通常、カラオケにおいて利用する楽音と歌詞映像と背景映像で構成されたカラオケ映像を記録することができ、これを持ち帰
った利用者は自宅などで歌唱の練習を行うことができる。図2、図3で説明した実施形態では、利用者が歌唱を行った場合、歌唱音声がカラオケ音声に含まれてしまい歌唱の練習においては不都合となってしまうが、後に説明するようにカラオケ音声を楽音と歌唱音声で分けておくことで楽音のみを記録する形態も可能である。
次に、芸能コンテンツにおいては、カメラ映像と合成用映像を録画の対象とし、カラオケ音声を録音の対象とする。カメラ映像と合成用映像は合成された上で録画されることとなるが、合成用映像を背景にカメラ映像を前景として合成してもよいし、カメラ映像を背景に合成用映像を前景として合成してもよい。どちらの場合においても前景となる映像に対しては、例えば、ブルーバックを利用したクロマキー処理などで合成する部分を切り抜く処理が必要となる。このような芸能コンテンツでは、合成用映像として、歌手やお笑い芸人などといった芸能人を用意することで、利用者は芸能人と一緒に撮影された映像を楽しむことが可能となる。特に、歌手を合成用映像とする場合には映像とカラオケ楽曲を対応付けておくことで、カラオケ楽曲にマッチした合成用映像を付与することができる。対応付けは、歌手対応であってもよいし、楽曲対応としてもよい。
以上、図2のコマンダ、図3の録画装置において、カラオケ映像、カラオケ音声それぞれ1出力とした場合について説明したが、カラオケ映像、カラオケ音声の内容を図5(B)に示すように細分化しても構わない。この実施形態は、図2、図3において補足説明をしたようにコマンダ300からの映像、音声出力、あるいは、録画装置400における映像、音声入力を適宜制御することで実現可能となる。
図5(B)に示すようにカラオケ映像は、背景映像と歌詞映像に分けられ、カラオケ音声は楽音と歌唱音声に分けられる。このように構成することで、映像については、各モードにおいて歌詞映像を付与するか、しないかの設定を行うことが可能となると共に、音声については、特に、カラオケ撮モードにおいて歌唱音声を含めるか否かの設定が可能となる。これらの設定はあらかじめ決められたものとしてもよいし、図4の録画モード選択などにおいて利用者が設定できるようにしてもよい。
次に本発明の実施形態となる録画処理、変換処理について図6、図7を用いて詳しく説明を行う。図6は、本発明の実施形態である自分撮モードにおける録画待機中画面を示した図であり、図7は、1楽曲を録画する際の録画装置とコマンダの処理を示した図である。
図6は、録画装置400の利用開始後、図4において自分撮モードを選択した場合の録画待機中画面を示した例である。画面中央にはカメラ508で撮影しているカメラ映像が動画像としてリアルタイムに表示され、利用者はこの映像により画角を確認することができ、画角内で所望の位置に収まるように自分の位置を決める。
また、画面下方には「試聴」、「投稿」、「携帯にダウンロード」、「DVDを作る」、「終了」といった各種ボタンが配置され、これらを利用者が操作することでボタンに応じた処理がなされる。録画ファイルが作成された後「試聴」ボタンにタッチすると、それまでに録画したカラオケ楽曲の一覧が表示され、選択された録画ファイルの試聴を同画面で行うことができる。また、録画ファイルが作成された後、「投稿」、「携帯にダウンロード」、「DVDを作る」といった各ボタンにタッチすることで、それぞれに応じた出力処理を開始する。この出力処理については後述する。
図6の画面でカメラの画角に収まるように自分の位置を決めた後、コマンダ300側でカラオケ楽曲の再生が開始されると、図7に示すコマンダ300と録画装置400間の処理にて1楽曲の録画が行われる。まず、コマンダ300側にてカラオケ楽曲の演奏が開始
されるとプレイ信号が0Vから5Vに立ち上がる。これを検知した録画装置400側は、演奏される楽曲情報をコマンダ300に通信手段402を介して要求する。この要求に応えコマンダ300は、録画装置400に楽曲情報をコマンダ通信手段302を介して返信する。この楽曲情報は、録画したファイルのインデックスとして一緒に記録されると共に、録画禁止楽曲か否かの判断にも用いられる情報であり、楽曲ID、曲名、歌手名などを含んで構成されている。
楽曲情報を受信した録画装置400は、記憶手段404に記憶している禁止リストを参照して録音、録画が禁止されている楽曲か否かを判断する。この禁止リストは録画装置400の記憶手段404に記憶されているものであり、録音、禁止されている楽曲IDを記述したものである。また、禁止リストは通信手段402により更新することが可能であって、著作権などの契約内容の変更にともなって、ホスト装置100側から変更することができる。
禁止楽曲であると判断された場合には、当該楽曲の録音、録画を禁止すると共に、その旨を表示手段505に表示する。このように表示することで利用者は、当該楽曲が録音、録画できない楽曲であることを認知できる。一方、禁止楽曲でない場合には、録画モードに応じた内容にて録音、録画を開始する。このように、コマンダ300側でカラオケ楽曲の再生が開始されてから、録画装置400にて録画開始されるまでいくつかの処理が行われるが、これらの処理はごく短時間で終了するため、録画開始遅延による録画ファイルの頭切れの心配はない。カラオケ楽曲の再生が完了すると、プレイ信号は5Vから0Vとなり、このプレイ信号の変化を検知した録画装置400は録画を停止する。
以上、説明した処理により1楽曲単位での録画処理について説明したが、次に、図8を用いて、本実施形態における録画装置の録画開始から出力するまでの一連の処理を説明する。
図8は、録画処理、変換処理、出力処理の一連の流れとなるタイムチャートを示した図であり、上からプレイ信号、録画処理、変換処理、利用者の操作を時系列で示している。プレイ信号は、コマンダ300におけるカラオケ楽曲の演奏状況に対応するものであって、信号の立ち上がっている部分(5V)は、カラオケ楽曲が演奏されていることを、信号が立ち下がる部分(0V)は、カラオケ楽曲の曲間を示したものとなっている。
図8では、利用者が録画装置400を利用開始して、10曲のカラオケ楽曲を演奏した後、出力処理を行うこととしているが、この例に限らず、出力処理は1曲以上の録画処理が完了した後は、いつでも実行することが可能である。まず、利用者の操作により録画装置400の利用が開始されると、図4に示した録画モード選択画面においてどの録画モードで録画を行うかが利用者に問われる。図8では、利用開始時に自分撮が指定された状況を示している。なお、本実施形態においては、録画モードは、利用者による変更が行われるまでは、次のカラオケ楽曲となっても維持されるように構成されている。また、利用者による録画モードの変更は、タッチパネル507からいつでも受け付けできるように構成されており、受け付けた録画モードの変更は次のカラオケ楽曲から反映されることとなる。このような構成により、利用者はいつでも録画モードの変更が可能となると共に、演奏途中で録画モードが変更されて録画されることがないため違和感のない録画が可能となる。
このように、録画モードとして自分撮が指定された上で、コマンダ300による1曲目のカラオケ楽曲Aの演奏が開始されると、図7にて説明した処理に従って録画処理が開始され、楽曲Aに対応する録画ファイルAが適宜フォーマットにて作成されて記憶手段404に記憶される。録画ファイルの作成はハードウェア、ソフトウェアのどちらで行っても
構わない。本実施形態では、この録画ファイルAのフォーマットをMPEG2形式とし、後の出力処理において、DVDへの出力にそのまま利用できるものとなっている。この形態に限ることなく、録画処理での録画ファイル作成フォーマットは必要に応じて適宜変更可能である。また、作成した録画ファイルには、コマンダ300から取得した各種楽曲情報、録画モードを示す情報、録画日時などがインデックスとして付与される。
1曲目のカラオケ楽曲Aの演奏が終了すると共に、同楽曲の録画処理が終了して録画ファイルAが完成すると、その直後、録画ファイルAに対する変換処理が開始される。この処理は、後の出力処理において指定可能となる出力先に対応した各種フォーマットへの変換であり、本実施例では、各種携帯電話や、各種投稿サイトに適したフォーマットに順次変換されて記憶手段404に格納される。本実施形態においてはa〜fの添字が付された6種類のファイルに変換され、楽曲Aについては録画ファイルAa〜Afに順次変換される。添字a〜dは携帯電話用の動画フォーマットであることを示し、各携帯キャリア会社、あるいは、携帯電話の機種で使用される動画フォーマットとなる。また、添字e、fは投稿サイト用に変換された動画フォーマットとなる。
以上の1曲目のカラオケ楽曲Aに対する録画処理、変換処理にて、出力先としてDVD、各種携帯電話、各種投稿サイト用の動画ファイルA、Aa〜Afが記憶手段404に格納される。このように、録画処理の直後に変換処理を行うため、後の出力処理やホスト装置100側にて更なる変換を行う必要はなく、出力先に応じたフォーマットの動画ファイルを選択出力するのみでよい。なお、出力先としては、これらに限られるものではなく、例えば、録画装置400のUSBインタフェースを介して接続される携帯型AV再生器などの各種外部機器を設けてもよい。
2曲目のカラオケ楽曲Bは禁止楽曲であるため、図7に示した処理にしたがって録画処理は禁止される。3曲目のカラオケ楽曲Cは、1曲目に引き続き自分撮モードにて録画処理が行われることとなるが、図に示すように楽曲Cの演奏中に利用者操作によるカラオケ撮モードへの変更があったとしても、カラオケ楽曲Cについては演奏が終了するまで自分撮モードが維持される。カラオケ撮モードへの変更は次曲のカラオケ楽曲Dから反映される。このように構成することで、利用者はいつでも録画モードを変更することができると共に、楽曲単位で録画モードが変更されるため違和感のない録画ファイル作成が可能となる。4曲目のカラオケ楽曲Dは、3曲目途中で変更された録画モードの変更が反映され、カラオケ撮モードに変更されて録画処理が実行される。
10曲目のカラオケ楽曲Jの演奏終了後、図6の画面下方に表示される「投稿」、「携帯にダウンロード」、「DVDを作る」といったボタンを操作することで出力先が選択されると、各出力先に応じた出力処理が開始される。本実施形態においてこの出力処理は、楽曲演奏終了後としているが、録画処理において少なくとも1つ録画ファイル作成されている状態であるならばそのタイミングを問うものではなく、録画処理、変換処理などと並行して実行しても構わない。
出力処理の詳細については後ほど説明を行うこととするが、DVDを作る場合には記録媒体としてのDVDへの書き込み処理を、投稿サイトへの投稿や携帯情報端末へのダウンロードを行う場合には、各種ホスト装置への送信を行いその処理が完了する。
出力処理のための操作を終えた利用者は、終了操作を行い録画装置400の利用を終了させる。この時点で、変換処理、出力処理が完了している場合には、記憶手段404に記憶した各種録画ファイルを消去し、完了していない場合には、処理を完了してから記憶手段404に記憶した各種録画ファイルを消去する。
以上、録画装置400における録画処理、変換処理、出力処理の一連の流れについて説明を行ったが、本実施形態では、録画処理にて作成した録画ファイルを出力処理での出力先に応じたフォーマットの録画ファイルに予め変換しておくことにより、出力処理では利用者が選択した出力先に応じた録画ファイルを即時に提供することが可能となる。
では、次に、出力処理について図9−図17を用いて説明を行う。図9は出力処理のフローを示した図であり、図10−図17は出力処理における各種画面を示した図である。図6の画面下方に表示される「投稿」、「携帯にダウンロード」、「DVDを作る」といったボタンを操作することで出力先が選択されると、それぞれに応じた出力処理を開始する。但し、「投稿」、すなわち、動画投稿サイトへの投稿については、携帯にダウンロードする処理が完了していないと行うことができないようになっている(S101)。このように構成することで、動画投稿サイトへの投稿受け付けは、携帯情報端末にダウンロードを受け付けたことをもって可能となる。
S119にて「DVDを作る」が選択された場合、S120にて利用者によりDVDがセットされるのを待つ。このDVDは録画装置400に専用のものであって、予めDVD製造業者のみが書き込み可能な領域に識別子が書き込まれている。利用者は、この専用のDVDを店舗にて予め購入し、DVDドライブ405にセットする。録画装置400では、識別子に基づいて専用のDVDか否かを判断し、専用のものであれば次の処理に進み、専用のものでなければDVDを排出すると共に、利用者に対して使用できない旨を表示する。
DVDがセットされた録画装置400は、図10に示す動画選択画面にて、利用者からDVDに記録する録画映像の選択を受け付ける(S121)。図10には、録画された5つの録画映像に関する情報が表示されており、それぞれ、曲名、歌手名、録画日時、録画モードが表示されている。画面右に表示されている「自」、「カ」、「芸」は、それぞれ、自分撮、カラオケ撮、芸能コンテンツといった録画モードにて録画されたことを示している。また、この画面において各録画映像にタッチすることで対応する録画ファイルを試聴、あるいは、プレビューすることが可能となっている。
S121では、利用者により図10の画面にて出力する録画映像が選択される。画面左に示される丸印は、記録のために選択された録画映像であることを示している。図10では1、3、5番目の録画映像が選択された状態を示している。選択後、画面下方に表示される「OK」ボタンがタッチされると、選択された録画映像に対応する録画ファイルについて、次のS123にてDVDへの書き込みが開始される。
S122では、S121で選択された録画映像について、DVDに対応したフォーマットの録画ファイルの書き込みが行われる。図8で説明したように本実施形態では、録画処理にて作成した添字なしのものがDVD用フォーマットの録画ファイルとして既に作成されているため、S122で選択された録画映像について、このフォーマットの録画ファイルを記録手段404から読み出して書き込みを行う。書き込みが終了するとDVDを排出すると共に、表示手段505にDVDへの出力が完了したことを表示する。
次に、S111にて「携帯にダウンロード」が選択された場合には、S112、S113にて携帯にダウンロードする録画映像の選択を受け付ける。ここでの処理は、DVD作成と同様、図10に示す動画選択画面により行われる。S113にて選択が行われると、ダウンロードを行う際、必要となる送信先としてのメールアドレスの入力処理に移行する(S114)。図11、図12は、このメールアドレス入力画面を示した図であり、図11はドメイン選択を、図12ではドメイン以外の入力を行う画面となっている。図11では、各携帯キャリア会社のドメイン名が表示され、利用者はこの中の1つを選択して、図
12のメールアドレス入力画面に進む。図11にて選択したドメイン名が入力されており、利用者はドメイン名以外の部分を表示されているソフトキーボードを利用して入力する。
S115では、利用者が携帯サイトに公開することを希望する場合、必要となる各種利用者情報の入力を受け付ける。この利用者情報には、氏名、ニックネーム、生年月日、年齢などがあり、予め登録してあれば利用者IDでもよい。
入力が完了すると図13の画面にて、メールアドレス、携帯情報端末にダウンロードする録画映像を確認させる。入力情報に間違いなければ、利用者は「OK」ボタンにタッチして入力を確定する(S116)。
S117では、確定した情報に基づいて、録画映像に送信先としてのメールアドレスを付してホスト装置100にアップロードする。本実施形態では、携帯情報端末用にフォーマット変換した添字a〜dの録画ファイルと、動画投稿サイト用にフォーマット変換した添字e、fの録画ファイルを録画映像としてアップロードする。このようにすることで、携帯サイトで公開する場合には、各携帯キャリア会社、あるいは各機種毎に異なる携帯情報端末や、動画投稿サイトへの投稿にもフォーマット変換することなく対応できる。なお、DVD用に作成したフォーマットの録画ファイルについても一緒にアップロードしておき、通信網を利用した各種サービスに利用できるようにしてもよい。
録画ファイルのアップロードが完了した録画装置400は、図14に示す画面にて受付完了の表示を行い出力処理を完了する。画面にはホスト装置にて割り振られた受付番号が記載されており、ダウンロードなどに支障があった場合、利用者はこの受付番号にて問い合わせを行うことができる。以上、録画装置400側での、携帯情報端末への出力処理について説明したが、携帯にダウンロードさせる処理については後で説明を行う。
次に、S102にて「投稿」が選択された場合には、まず、S103にて利用者は複数の動画投稿サイトの中から投稿するサイトを選択する。S104、S105では投稿するドする録画映像の選択を受け付ける。ここでの処理は、DVD作成、携帯ダウンロードと異なり、図15に示す動画選択画面により行われる。この投稿処理を行う時点では、既に携帯ダウンロードに関する受付が完了している状態となっており、図15に示されるように、携帯ダウンロードにて既に選択した録画映像のみが選択可能となっており、他の録画映像はグレーアウトで表示され選択できないようになっている。このように動画投稿サイトに投稿を希望する録画映像は、必ず携帯情報端末にダウンロードのための受付を経ることとなる。
S105にて録画映像の選択が行われると、動画投稿を行うにあたって、必要となる各種情報の入力処理に移行する。入力される各種情報としてはメールアドレス、ニックネーム、生年月など投稿した人のプロフィールや、イベント参加のための情報などがある。入力が完了すると図17の確認画面にて、メールアドレスを含む各種情報や、動画投稿サイトに投稿する録画映像を確認させる。入力情報に間違いなければ、利用者は「OK」ボタンにタッチして入力を確定する。
S109では、確定した情報に基づいて、指定された録画映像をホスト装置100へ一旦アップロードする。アップロードする録画映像としては、S105にて指定した動画投稿サイトに対応するフォーマットの録画ファイルを送信すればよいが、S117にて既に送信している場合にはここでの処理は省略できる。
S109での送信処理が完了すると、図17に示す受付完了画面にて投稿予約完了の旨
を利用者に知らせる。ここでは録画映像投稿の予約であって、実際の録画映像の投稿は、携帯情報端末にダウンロードされた後、あるいは、ダウンロード後、録画映像の再生後にホスト装置にて実行される。
以上、録画装置400側での出力処理について説明したが、ホスト装置100にアップロードされた録画ファイルを携帯情報端末としての携帯電話600にダウンロードする処理、並びに、ダウンロード完了後の公開処理について図18を用いて説明する。
図18は、ホスト装置100から携帯電話600へダウンロードする処理を示したものである。図9のS117でのホスト装置100への録画映像の送信が完了すると、当該ホスト装置100からS114にて入力した送信先としてのメールアドレスに対して、録画ファイルの所在を知らせる、あるいは、録画ファイルの所在にリンクしたメールを通知して利用者に録画映像配信の意を問う。利用者は、このメールに基づいて携帯電話600から配信要求を送信する。この配信要求では、アップロードした録画映像が複数ある場合には、一括配信を要求するようにしてもよいし、複数の中から選択して配信を要求するようにしてもよい。
配信要求を受けたホスト装置100は、携帯会社の課金システムに通知して課金の了解を取った後、配信要求された録画映像を当該携帯電話600に対して送信する。本実施形態では、当該録画映像のフォーマットは、図11にて指定したドメイン名に対応する携帯キャリア会社に対応したものとしているが、録画フォーマットが携帯機種毎に対応する場合には、携帯電話600からの配信要求において携帯機種を通知し、当該携帯機種に応じたフォーマットのものを配信すればよい。このような処理にて、利用者は、録画装置400からホスト装置100に予め送信した録画ファイルを取得し、携帯電話600上で再生したり、着信音に登録して楽しむことができる。
配信が完了すると、ホスト装置は配信した録画映像を動画投稿サイトや携帯サイトへ公開可能となる。動画投稿サイトへの公開は、予め録画装置400にて予約された動画投稿サイトへの公開であってもよいし、配信の完了後、利用者による携帯電話600からの公開指定によるものであってもよい。
携帯サイトへの公開についても、配信完了後、自動的に公開するようにしてもよいし、利用者による公開指定に基づいて公開してもよい。公開された録画映像は、ニックネーム、配信件数などによる人気度、曲名、歌手名、録画モードなどによる録画映像の検索や試聴、プレビューすることで、当該携帯サイトへアクセスした一般の利用者への配信が可能となる。本実施形態では、録画装置400側にて予め携帯情報端末に応じたフォーマットの録画ファイルを作成しているため、一般の利用者へ配信の際、ホスト装置100側でフォーマット変換を行う必要が無く、ホスト装置100での負荷を低減することができる。
このように、本実施形態では、録画映像を作成した利用者に配信した上で動画投稿サイトや携帯サイトへ公開することができるため、一般への公開に先立って利用者に録画映像の内容を確認してもらうことが可能となる。
上記実施形態では配信のみの確認により公開を行うこととしたが、さらに、図18に破線で示すように、配信した録画映像の再生を確認した上で公開する構成を付加してもよい。このようにすれば、利用者が録画映像の内容を確認したことがより確実となる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
50…通信網、60…ルータ、70…無線アクセスポイント、100…ホスト装置、101…動画投稿サイト、102…携帯サイト、200…リモコン装置、300…コマンダ(カラオケ演奏装置)、301…コマンダ制御手段、302…コマンダ通信手段、303…フロントパネル表示手段、304…表示制御手段、305…コマンダ記憶手段、306…コマンダ入力手段、307…コマンダインタフェース、308…音源、309…ミキシング手段、400…録画装置、401…制御手段、402…通信手段、403…表示制御手段、404…記憶手段、405…DVDドライブ、406…USBインタフェース、407…取込手段、501…アンプ、502…スピーカ、503…マイクロフォン、504…ディスプレイ、505…表示手段、506…タッチ式センサ、507…タッチパネル、508…カメラ