JP5221176B2 - 流体の流れ方向変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体の流れ方向変換装置に係り、特に下向きに吸込口を有するポンプにおいて該ポンプに流入する旋回流や偏流などによって生じるポンプ性能低下と有害な渦の発生を防止することができ、さらには従来よりも低い水位でもポンプ運転が可能となる流体の流れ方向変換装置に関するものである。
一般に、ポンプの吸込水槽には導水路が備えられ、ポンプ吸込口までに十分な直線距離をとり、流体の旋回成分などを極力なくし、整流された流れを作るようにし、またポンプの吸込水槽内もよどみ部などをなくした理想的な形状とし、ポンプ性能低下と渦の発生を防ぐ必要がある。また、一般にポンプに近づく流速が速い方が空気吸込渦は発生しやすいため、十分な没水深さを確保することによって、ポンプに近づく流れの流速を遅くし空気吸込渦を防止する必要がある。例えば、開水路型の吸込水槽において、導水路の形状やポンプ吸込水槽の形状が不適当な場合、流れの偏りや剥離が生じ、旋回流によるポンプ性能の低下および水面からポンプ吸込口に達する空気吸込渦や水槽底面あるいは側面とポンプ吸込口につながる水中渦が発生しやすくなる。
図52は、従来の吸込水槽の一例を示す図であり、図52(a)は吸込水槽の平面図、図52(b)は吸込水槽の断面図である。図52(a)および図52(b)に示すように、吸込水槽100にはポンプ101が設置されている。吸込水槽100の入口側には、吸込水槽100内の流体の流れと同一方向に、比較的広い水路幅を有した真っ直ぐな導水路102が設置されている。流体の流れは導水路102によって整流され、整流された流れは吸込水槽100に流入する。吸込水槽100によって、ポンプ101の下端のポンプ吸込口101aまでに十分な直線距離がとられている。また、十分な没水深さ(ポンプ吸込口101a下端と水面までの鉛直距離)が確保されている。図52に示すように、導水路102を吸込水槽100内の流体の流れ方向に延設するとともにポンプ吸込口101aまでに十分な直線距離をとることにより、ポンプ吸込口101aの上流側に整流された流れを形成することができ、旋回流の発生を防ぎ、よどみ部をなくすことができる。
図53は、旋回流の影響によるポンプ性能の変化を示すグラフである。図53において、横軸は流量を示し、縦軸は揚程、効率および軸動力を示す。図53の上の部分において、(A)旋回流のない流れの場合、(B)羽根車(ポンプ)の回転方向と逆方向の旋回流の場合、(C)羽根車(ポンプ)の回転方向と同方向の旋回流の場合を模式的に図示している。そして、図53のグラフにおいて、実線で示す曲線は旋回流のない流れの場合を示し、一点鎖線で示す曲線は羽根車(ポンプ)の回転方向と逆方向の旋回流の場合を示し、破線で示す曲線は羽根車(ポンプ)の回転方向と同方向の旋回流の場合を表している。
旋回流によるポンプ性能低下は、羽根車入口に旋回成分をもった流れが流入すると羽根車に対する相対速度が設計上の流れと異りポンプ性能へ大きく影響するために起こる。図53に示すように、羽根車の回転方向と逆方向の旋回を伴った流れが入り込むと、羽根車に対する相対速度は速くなり軸動力オーバーが問題となる。反対に羽根車の回転方向と同じ方向の旋回を伴った流れが入り込むと、羽根車に対する相対速度は遅くなり揚程低下が問題となる。
図54は、設置条件がきびしく、偏流して流入してくる水槽の例を示す図であり、図54(a)は吸込水槽の平面図、図54(b)は吸込水槽の断面図である。図54(a)および図54(b)に示すように、吸込水槽100にはポンプ101が設置されている。吸込水槽100の入口側には、吸込水槽100内の流体の流れの方向と直交する方向に、導水路102が設置されている。導水路102からポンプ吸込口101aまでの距離は比較的短い。図54に示すように、導水路102から吸込水槽100に流体が流れ込むとともに、偏流が生ずる。このため、吸込水槽100内で旋回を伴った流れが生ずる。図54は、この旋回を伴った流れがポンプ101の羽根車の回転方向と同方向の場合である。この場合には、図53に示すように、揚程および軸動力が減少する。逆方向の場合には揚程および軸動力が増加する。また旋回を伴った流れにより、図54(b)に示すように、水面からポンプ吸込口101aに達する空気吸込渦が発生しやすくなり、また水槽底面や側面とポンプ吸込口101aにつながる水中渦が発生しやすくなる。
そして、水中渦や空気吸込渦が発生した場合には、ポンプの羽根車が水中渦や空気吸込渦を切るときに有害な騒音や振動が発生し、最悪の場合には排水不能やポンプ破損に至る場合がある。また前記理由より、ポンプ吸込口と水面との間に所定の没水深さが必要となり、従来設定していた最低運転水位よりも低い水位で運転することができない。
図55は、従来の立軸バレルポンプを示す概略断面図である。図55に示すように、バレルポンプは、ポンプ110の全周をバレル111で囲い、図示されていないが水位はバレル111の上部よりも高い位置にあり、バレル111内の水は満管で自由表面を無くしたポンプである。バレル111の上部には、原動機113が固定され、ポンプ110と接続している。立軸バレルポンプは、取扱液が飽和蒸気圧の低い各種液化ガス等の場合のキャビテーションの厳しい条件で使うポンプであり、ポンプ運転の障害となるキャビテーションを回避することを目的としたポンプである。本ポンプは一般的に多段ポンプが多く用いられており、その第一段目のポンプ羽根車の設置レベルを深くすることによってポンプの押込圧力を高くし、キャビテーションの発生を防止するものである。バレル111内には流入ノズル114を通じて流体が満管で流入するようになっている。なお、取扱液が外部に漏れないようにバレルの上部は密閉構造となっており、また、これは吸込流体を大気開放させないことで、吸込側の残圧を確保することも目的としている。
本バレルポンプは、前述の通り、液化ガス等の化学液プラントや火力発電所の復水ポンプなどに用いられており、吸込圧力条件(排水ポンプの吸込水位に相当)がほぼ一定であるという特徴がある。
図60は、本来の目的とは異なるが、仮に雨水排水ポンプ場に、本バレルポンプを用い、水路83に接続した場合の概略断面図である。雨水排水ポンプ場は水路の水位変動が大きく、それに伴いポンプの吸込水位の変動も大きくなる。本バレルポンプを雨水排水ポンプ用として吸込水位の変動が大きい水路に接続し、吸込水位条件の最低水位までポンプを運転させようとすると、バレルポンプの流入ノズル114の上端レベルを水路の最低水位以下に設け、水路とは別の箇所に設置することになる。つまり、流入ノズル114を通じて流体が満管でバレル111内に流入するためには、バレルポンプを深く設置する必要があり、設備費、工事費共に高価になってしまう。また、バレル111への流入は、バレル111の全周からではなく一方向からの流入のため、バレル入口部の流れは均等でないが、段落〔0008〕で述べた目的からバレル長さが十分長い場合は、バレルの上下方向の長い直線部で整流されることになる。しかしながら、仮にバレル底部レベルを浅く設置しようとすると、流入ノズルからポンプ吸込口までの上下方向の直線部を短くすることになり、一方向から流入することによる不均一な流れの問題が顕在化し、局所的な旋回流が生じて水中渦が発生しやすくなり、ポンプ性能も低下する等の問題が生じる。バレルポンプの本来の使用方法とは異なるが、流入ノズル114からバレル111には満管で流入させず、バレル111内の水が自由表面をもつ運転を行い、バレル底部の設置レベルを浅くしようとすると、一方向からの流入による偏流によって生じた自由表面からの空気吸込渦がバレル111内で発生し、ポンプ吸込口110aとつながる可能性がある。
さらに、水路の水位が低くなると流入ノズル114からの水がついてこなくなり、流入水量が減少し、流入水量よりポンプ吐出量が大きくなり、バレル111内の水面が低下する。水面が低下すると、バレル111内の水面に滝の様に流入水が落ち、その滝によってバレル111内の水は気泡を多量に巻き込み、ポンプ吐出量が減少し、ついにはエアロック(ポンプ羽根車部に空気の塊が存在し送水不能)になる。ポンプが送水不能になると、流入水によってバレル111内の水面の水位が上がり、エアロックが解除され、ポンプは水を吐出し始める。この様に、バレル111内水面低下→滝落し流→エアロック→バレル111内水面復帰→ポンプ吐出し、を繰り返す状態となり、その際に有害な大きな振動が生じる。
また、バレル111は、細長い筒で上部が密閉構造のため、塵芥がバレル111内の何れかの箇所に閉塞した場合、ポンプを引き上げるのが面倒な作業である。さらに、バレル内の塵芥を取り出すためにポンプを引き上げた後も、バレルは細長い筒であるため作業員が内部に入って除去作業をするのが難しく、維持管理性が悪いという問題もある。
特開平6−330882号公報(特許文献1)は、既設水路に新たな吸込水槽を横付けしたものであり、吸込水槽への取水は吸込水槽の上部に形成した取水部(主水路の側壁の上端部を切り欠いて形成したもの)から主水路の表流水を取水することによって行っている。この技術によれば、別に設けられた吸込水槽に上下方向の隔壁を設け、吸込水槽自体を枠とした流路を形成し、さらに上下方向の仕切板または横方向の金網なども用いて、取水した水を整流して、吸込水槽内の流れの剥離・逆流現象などを抑え、吸込水槽内での渦の発生を抑えるものである。また、取水する最低水位より下方に整流装置を設けるため長い通路が必要となるため、吸込水槽は深くなる。
また、特開平6−330882号公報に記載された方法では、主水路の側壁の上端部を切り欠いて形成した堰からの取水のため、表流水のみを取水する場合には問題とならないが、主水路の水位が低い場合も運転することを考えた場合、このままでは低い水位の場合の取水はできない。そこで、側壁の上端部を大きく低い位置まで切り欠いた堰にする必要があるが、吸込水槽の底盤レベルが主水路の底盤レベルより上に設ける場合には、整流装置の上下方向寸法を十分確保できないため、整流効果がないという問題がある。そのため、整流効果を高めるために上下方向寸法を確保すると、吸込水槽を主水路より深い位置に取り付けなければならず工事費が高くなる。
また、特開平6−330882号公報に記載された技術は、1台のポンプを構成する場合の技術であり、2台以上の複数台のポンプの運転は考慮されていない。つまり複数台のポンプの場合は、前記技術に記載されている仕切板だけでは、隣接されているポンプが運転している場合のポンプどうしの水流の相互干渉(渦、偏流など)を防止できないため、土木としての隔壁や囲いを別途設け、ポンプ1台毎の分割構成として設置する必要があり、さらに工事費、設備費とも高価になるという問題があった。
特開平8−93654号公報(特許文献2)は、ポンプ吸込ベルマウスの周囲に掘り下げ部を形成し、掘り下げ部の縁から掘り下げ部内の水面に滝の様に流れ落ちる滝落し流により、掘り下げ部内の水面に生じる有害な空気吸込渦の発生を防止している。この場合、掘り下げ部内の水位は、当然に吸込水槽の水位よりも低いレベルである。つまり掘り下げ部の水位が低く滝落し流になっている場合のみの工夫である。しかし、水位がより高く、掘り下げ部の水位が吸込水槽の水位と同じになる場合には、滝落し流にはならないため、空気吸込渦が発生し、吸込ベルマウスとつながる可能性がある。つまり、掘り下げ部の水位が高く、滝落し流にならない場合の有害な空気吸込渦を防止する工夫をしていない。また、単に掘り下げ部を設置するのみでは、掘り下げ部内の流れによどみなどが生じ、水中渦が生じる可能性があるが、水中渦を防止する工夫をしていない。
特開平6−330882号公報 特開平8−93654号公報
上述した問題を回避するために、均一な流れを確保することが重要であり、従来は、十分な直線距離を有する導水路で整流し、十分な没水深さと水路幅を有し、よどみ部のない吸込水槽が必要とされ、そのための大きなスペースや深い底盤レベルが必要となり、広い用地確保や多大な土木建設費用が必要であった。
しかしながら、近年のポンプ設備の立地条件の制約や土木建設費節減の観点からは、推奨されている大きな導水路や吸込水槽を採用できない場合があり、その都度、水槽モデル試験や流れ解析を行って問題発生の有無を検討することが必要になるため、多大な検討時間と対策費用がかかっていた。その結果、当初の計画より大きな敷地が必要になったり、別の候補地を探すことになる場合もあった。
また、ポンプ場を新しく建設する場合、ポンプは渦の問題があるため所定のポンプ没水深さをとる必要があり、その結果深く掘削する必要があることから、土木費が高くなる場合があった。一方、既設ポンプ場の場合、従来より低い水位まで運転できることが求められた場合や増量計画を行う場合には、その都度、水槽モデル試験や流れ解析を行って問題発生の有無を検討することが必要になるため、多大な検討時間と対策費用がかかっていた。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、ポンプを設置した吸込水槽内に旋回流が生じてもポンプ性能への影響を抑え、ポンプに有害な渦を発生させることがなく、更に従来より低い水位まで運転できる流体の流れ方向変換装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、下向きにポンプ吸込口を有するポンプに用いられる流体の流れ方向変換装置であって、前記ポンプ吸込口の周囲を囲むように設置され、該ポンプ吸込口の周囲に流路を形成して流体の水平方向流れを下向き流れに変換する流れ方向変換器と、前記流れ方向変換器内に設けられ、前記ポンプ吸込口につながる水中渦を防止するための水中渦防止装置を備え、前記流れ方向変換器内の流路面積は、該流れ方向変換器の流入口から前記ポンプ吸込口に向かって徐々に小さくなるように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、流れ方向変換器を吸込水槽内に設け、旋回成分を含む水平方向流れを該流れ方向変換器の略全周から流入させ、流入水の流れ方向を下向きの流れに変換することによって、ポンプ吸込口に流入する流れを吸込水槽等によって決まるポンプへの近寄り流れ状態に依存することなく、一様な下向き流れを形成することが可能となり、ポンプ性能への影響を抑制することができる。また、前記流れ方向変換器内に設けられた水中渦防止装置によって、前記流れ方向変換器の底面とポンプ吸込口につながる水中渦と、前記流れ方向変換器の壁面とポンプ吸込口につながる水中渦を防止することができる。更に、前記流れ方向変換器を設けることによって、従来のポンプの設置方法よりも、前記流れ方向変換器全周から流入する部分の水面のFr数(フルード数)を大きくすることと流れ方向を水平から下向きに変えることで、前記流れ方向変換器直上の水面を乱し、ポンプに有害な空気吸込渦の発生を防止することができる。これらによって、従来、空気吸込渦が発生するため運転できないとされる低い水位でも運転が可能となる。
一般に、ポンプに近づく流速が遅い場合よりも流速が速い方が空気吸込渦は発生しやすい。しかし、さらに流速を速くすると、自由表面の流れの乱れが著しくなり(Fr数が大きい)、空気吸込渦が発生し難くなる。流れ方向変換器は、この現象を利用して、流れ方向変換器直上付近の水面を乱して(Fr数を大きくして)、空気吸込渦を防止するものである。つまり、流れ方向変換器を吸込水槽内に設置することによって、流れ方向変換器上端から水面までの鉛直距離(Fr数を求める場合の“代表長さ”に相当)を吸込水槽底板から水面までの鉛直距離(Fr数を求める場合の“代表長さ”に相当)より小さくすることにより、流れ方向変換器直上付近のFr数を大きくできる。さらに、流れ方向変換器は、流れ方向を水平から下向きに変えるため、より一層、流れ方向変換器直上付近の水面を乱すことができ、空気吸込渦をより防止することができるものである。
従来より低い水位までの運転が求められた場合、その都度、水槽モデル試験などを実施し、問題があれば対策をしていたが、流れ方向変換器を用いることによって、個別対策の検討を要することなく、従来より低い水位まで運転することができる。
本発明によれば、流れ方向変換器内は、該変換器の流入口からポンプ吸込口に近寄るにつれて、流路面積を徐々に小さくすることにより、流路内の平均流速を徐々に増加させることによって、流れの剥離やそれに伴う渦の発生を抑制するとともに、損失水頭を低減したことにより、ポンプ性能のさらなる安定化も可能となる。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器内に設けられ、前記流れ方向変換器内の流体の旋回流を防止する旋回防止装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、流入した流体の旋回流が強い場合等、流れ方向変換器に流入した流体の旋回流を確実に抑制することができ、流れの安定性をさらに向上させ、ポンプ性能への影響を抑制する効果をさらに大きくすることができる。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器は、筒状の壁、又は筒状の壁と底部とを有した容器であることを特徴とする。
本発明において、前記流れ方向変換器は、筒状の壁のみで構成され底部を吸込水槽と兼ねた構成としてもよいし、前記流れ方向変換器をポンプケーシングなどに取り付けた構成としてもよい。また、筒状の壁、または筒状の壁と底部とを有した容器で構成される前記流れ方向変換器は、円筒状だけでなく、概略四角筒状など箱状のものや、壺状のものでもよい。
本発明の好ましい態様は、前記旋回防止装置は、前記流れ方向変換器の内面に突出し、旋回を防止する板部材からなることを特徴とする。
本発明においては、前記旋回を防止する板部材は、ポンプの中心に向かって半径方向内方に延びてもよいし、ポンプ吸込口の接線方向に向かって内方に延びてもよい。また前記旋回を防止する板部材は、垂直方向に延びていてもよいし、垂直方向に対して斜めに傾いていてもよい。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器の上方に、流体の旋回流を防止する旋回防止装置を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、流入した流体の旋回流が強い場合等、流れ方向変換器の上方に旋回防止装置を取り付ける方法も有効である。
この流れ方向変換器の上方の旋回防止装置は、吐出しケーシング外壁面に取付けてもよいし、吸込水槽から支持して取付けてもよい。
本発明の好ましい態様は、前記水中渦防止装置は、前記流れ方向変換器の底面に設けられる前記ポンプ吸込口に向かって山形状に盛り上がった部材であり、水中渦を防止すると共に、前記流れ方向変換器により形成された下向き流れをポンプ吸込口に導く上向き流れを形成するための流路として構成したことを特徴とする。
本発明によれば、水中渦防止装置は、流れ方向変換器の底面及び壁面とポンプ吸込口につながる水中渦を防止する機能を有する。また、本構成のように流れ方向変換器を設けたことにより、確実に水中渦を防止することが可能となる。また、前記流れ方向変換器の底面に設けられ前記ポンプ吸込口に向かって山形状に盛り上がった部材は、前記流れ方向変換器により形成された下向き流れを円滑にポンプ吸込口に導く上向き流れを形成するための流路として構成でき、損失水頭も低減できるため、損失水頭低減装置としての効果を合わせもつ。
本発明の好ましい態様は、前記水中渦防止装置は、前記流れ方向変換器の底面に設けられる板状に延びた部材であり、水中渦を防止すると共に、流れ方向変換器内の流体の旋回流を防止することを特徴とする。
本発明によれば、水中渦防止装置は、流れ方向変換器の底面及び壁面とポンプ吸込口につながる水中渦を防止する機能を有する。そして、板状に延びた部材は旋回防止の機能もあるため、旋回防止装置として兼ねてもよい。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器の内部に、前記ポンプ吸込口の周囲に形成された前記流路を複数の流路に分割するための筒状の仕切部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、流れ方向変換器の内部に、ポンプ吸込口につながる流路を2つ以上に分ける筒状の仕切部材を設けることで以下の効果がある。
1)流体の水平方向流れを下向き流れに変換することと前記流れ方向変換器全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすることで流れ方向変換器直上の水面を乱し、ポンプに有害な空気吸込渦の発生を防止する効果があるが、流入する流体の旋回流が強い場合等、前記流れ方向変換器内における流れは偏り、ポンプ吸込口近傍(流れ方向変換器の内側ポンプ寄り)が速い下向き流れとなるため、空気吸込渦を下に引っ張り込みやすい一面がある。そこで、前記流れ方向変換器内の流れを複数に分流することによって、下向き流れを流路断面全体で略平均化し、空気吸込渦を下に引っ張り込む力を抑制する効果がある。
2)さらに前記流れ方向変換器内に流れる下向き流れを複数に分流することによって、空気吸込渦が前記流れ方向変換器内に流入しても、筒状の仕切部材の下端において下向き流れを合流させ水流を乱すことによって、空気吸込渦を分散・崩壊させ、空気吸込渦が連続的にポンプ吸込口よりポンプ内部に侵入することを防止することができる。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器に、該流れ方向変換器の上端より低い位置に少なくとも1つの開口部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、流れ方向変換器の側面に少なくとも1つの開口部を設けることによって、流れ方向変換器の流入口と、該流入口より低いレベルにある1つまたは複数の開口部とからなる、流路を形成することにより、以下の効果がある。
1)前記流れ方向変換器の側面に少なくとも1つの開口部を設けることによって、前記流れ方向変換器流入口からの流入量を減らし、下向き流れを遅くし、空気吸込渦を下に引っ張り込む力を抑制する。
2)空気吸込渦が前記流れ方向変換器流入口から流入したとしても、該開口部から前記流れ方向変換器に流入する流れによって前記流れ方向変換器内の水流を乱し、空気吸込渦を分散・崩壊させ、空気吸込渦が連続的にポンプ吸込口よりポンプ内部に侵入することを確実に防止する。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器の上方に、更に前記ポンプの周囲を囲むように流れ方向変換器を設けたことを特徴とする。
流体の水平方向流れを下向き流れに変換することと前記流れ方向変換器全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすることで前記流れ方向変換器直上付近の水面を乱し、ポンプに有害な空気吸込渦の発生を防止する効果があるが、水位が変動し流れ方向変換器上端から水面までの没水深さがある程度深い場合は水面の流速が遅くなり、水面を乱し渦の発生を防止する効果が小さくなる。
本発明によれば、流れ方向変換器の上方に、更に第二の流れ方向変換器を設ける構成によって、水位が変動し、比較的高い水位と低い水位での運転がある場合でも、低い水位では下方に設けた流れ方向変換器で水面を乱し、高い水位においては前記流れ方向変換器の上方に、更に第二の流れ方向変換器を設けることによって水面のFr数を大きくし水面を乱し、空気吸込渦の発生を防止することができる。
本発明の好ましい態様は、前記流れ方向変換器の上方に、該流れ方向変換器の上部を覆うように覆い部材を設けたことを特徴とする。流体の水平方向流れを下向き流れに変換することと該流れ方向変換器全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすることで流れ方向変換器直上の水面を乱し、ポンプに有害な空気吸込渦の発生を防止する効果があるが、水位が変動し流れ方向変換器上端の水面からの没水深さがある程度深い場合は、水面の流速が遅くなり、水面を乱し渦の発生を防止する効果が小さくなる。
本発明によれば、この場合に発生する空気吸込渦は、空気吸込渦がポンプ吸込口とつながる経路である前記流れ方向変換器の上方に覆い部材からなる障害物を設置することによって、水面と流れ方向変換器の間に障害物(覆い部材)があるために、ポンプ吸込口とつながらないようにすることができる。さらに、該覆い部材上方の水面の流速を遅くすることができるため空気吸込渦の発生そのものを抑制する効果もある。
該覆い部材は該流れ方向変換器の上端レベルより上方の位置に設けることで、覆い部材より低い水位の場合には流れ方向変換器直上の水面の乱れによって渦の発生を防止し、覆い部材より高い水位の場合には前記障害物によって空気吸込渦を防止できるようにする。
なお、該覆い部材の代わりに、別置の渦流防止装置を流れ方向変換器と組み合わせてもよい。
本発明の好ましい態様は、前記覆い部材には、少なくとも1つの開口部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、覆い部材に開口部を適宜に設けることにより、前記覆い部材の外側に発生する空気吸込渦が仮に前記流れ方向変換器に流入しても、該開口部から前記流れ方向変換器に流入する流れによって水流を乱し、空気吸込渦を分散・崩壊させ、空気吸込渦が連続的にポンプ吸込口よりポンプ内部に侵入することを防止し、渦防止機能を向上させることが可能となる。
覆い部材は、金網やパンチングメタル、パイプ等で構成し、重量を軽くすることも可能である。
また、本発明の他の態様は、下向きにポンプ吸込口を有するポンプと、上記流体の流れ方向変換装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置において、ポンプの締切運転又は小流量運転を行わせる制御装置を設け、羽根車部からの逆流を前記流れ方向変換器内に導き、該逆流により流れ方向変換器内に堆積した塵芥を攪拌して排除することを特徴とする。
本発明によれば、ポンプの締切運転(又は小流量運転)を行い、羽根車部(インペラ部)に逆流を発生させ、流れ方向変換器内に堆積した塵芥を排除する。本方法によれば、該流れ方向変換器内に塵芥が堆積することを防ぐことができるため、該流れ方向変換器内の清掃及び塵芥除去のために吸込水槽内に作業員が入ることなく除去作業が行え、維持管理が容易な設備が構成できる。
また、本発明の他の態様は、流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置において、ポンプの吐出部に設けたバイパス管から吐出する水流により前記流れ方向変換器の内側又は外側に堆積した塵芥を攪拌して排除することを特徴とする。
本発明によれば、ポンプ吐出側に設けたポンプ吐出弁を全閉または絞ることによりバイパス管より吐出する水流により、流れ方向変換器の内側または外側に堆積した塵芥を攪拌し、流れ方向変換器から塵芥を排除し、吸込水槽内に作業員が入ることなく除去作業が行え、維持管理を容易にすることができる。
なお、バイパス管はポンプ吐出管に設けても、ポンプ吐出ケーシングに設けてもよい。
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
1)従来のポンプの設置方法では、ポンプは導水路の形状や吸込水槽の形状、または複数台のポンプが設置されているポンプ場などでは運転するポンプパターンによって、流入側の旋回流や偏流の影響を受ける場合があるが、本発明の流れ方向変換器を吸込水槽内に設け、旋回成分を含む水平方向流れを該流れ方向変換器の略全周から流入させ、流入水の流れ方向を下向きの流れに変換することによって、ポンプに流入する流れを安定した下向き流れとし、ポンプ性能への影響を抑制することができる。
2)流れ方向変換器内に設けた水中渦防止装置により、流れ方向変換器内の流れによどみ部分が発生することを回避することができ、水中渦の発生を抑えつつ下向き流れをスムーズに上向き流れにし、流体をポンプ吸込口に導くことができる。
3)本発明の流れ方向変換器によって、従来のポンプの設置方法よりも流れ方向変換器全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすることと流れ方向を水平から下向きに変えることで、流れ方向変換器直上付近の水面を乱し、ポンプに有害な空気吸込渦の発生を防止することができる。そのため、従来、空気吸込渦が発生するため運転できないとされる低い水位でも運転が可能となる。
4)流れ方向変換器内に設けた旋回防止装置により、流れ方向変換器に入り込んだ流体の旋回流を防止することができ、流れをより安定させ、ポンプ性能への影響を抑制する効果を増すことができる。その結果、設置条件が厳しく、偏流して流入してくる水槽にも設置が可能となる。
5)流れ方向変換器の流入口からポンプ吸込口に近寄るにつれて、該流れ方向変換器内の平均流速を徐々に増加させるにことによって、流れの剥離や水中渦の発生を抑制するとともに、損失水頭を最小限にすることができる。
6)覆い部材を、前記流れ方向変換器の上部に設けることによって、前記流れ方向変換器上部の没水深さが比較的高く空気吸込渦が発生しやすい水位で運転しても、空気吸込渦を防止することができる。
7)流れ方向変換器を用いることによって渦の問題をなくすことができるため、吸込水槽の形状や水位に依存せずポンプを運転することができる。
8)流れ方向変換器の内部又は外部に堆積する塵芥を攪拌、排除することによって、維持管理性の優れたポンプ設備を提供することができる。
以下、本発明に係る流体の流れ方向変換装置の実施の形態を図1乃至図60を参照して説明する。なお、図1から図60において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置の一実施形態を示す概略縦断面図である。図1に示すように、ポンプ装置は吸込水槽1に設置される。ポンプ装置は、吸込水槽1の上部開口部にある床板2に固定された水中モータポンプ(コラム形着脱式水中モータポンプ)50と、水中モータポンプ50の吸込側に設けられたポンプ吸込口51aの下部を囲むように設置された流体の流れ方向変換装置3とを備えている。水中モータポンプ50は、吸込水槽1を覆う床板2に固定されている。流体の流れ方向変換装置3は、通常、水中モータポンプ50の運転最低水位より下方に設置されている。流体の流れ方向変換装置3は、ポンプ吸込口51aの周囲を囲むように設けられ筒状容器の流れ方向変換器4を備えている。流れ方向変換器4は、円形断面を有し、下端に底部を有した円筒状容器に形成されている。流れ方向変換器4により、ポンプ吸込口51aの周囲の流れを水平方向流れから下向き流れに変換するようにしている。
流れ方向変換器4の上端4aは、円形の流入口になっており、流れ方向変換器4の上端4aとポンプ吸込口51aの外面との間に環状の流入流路が形成されている。流れ方向変換器4は、垂直方向に延びる円筒状の壁面からなる側面4bを有しており、側面4bとポンプ吸込口51aとの間の流路によって、ポンプ吸込口51aの周囲の流体の流れを水平方向流れから下向き流れに変換するようにしている。この円筒状の側面4bには、流体の旋回流を防止するための旋回防止装置5が設けられている。旋回防止装置5はポンプの中心Oに向かって半径方向内方に延びる複数の板状の旋回防止部材6からなり、旋回防止部材6の先端6aはポンプ吸込口51aの外周縁の近傍まで延びている。旋回防止部材6の上端は流れ方向変換器4の上端と同一レベルに位置し、旋回防止部材6の下端6bはポンプ吸込口51aと同一レベルに位置している。また、流れ方向変換器4の円形状の底面4cには、ポンプ吸込口51aに向かって山形状に盛り上がって形成された水中渦の発生を防止するための水中渦防止装置7が設けられている。水中渦防止装置7は、流れ方向変換器4の底面とポンプ吸込口51aにつながる水中渦と流れ方向変換器4の壁面とポンプ吸込口51aにつながる水中渦を防止する機能を有する。なお、水中渦防止装置7は、円錐状でもよいし、円錐台状でもよい。
図2は図1のII−II線矢視図である。図2に示すように、流れ方向変換器4は、円筒状壁面からなる側面4bと円形状の底面4cとを有し、側面4bには複数の旋回防止部材6からなる旋回防止装置5が設けられ、底面4cには円形の外周縁7aを有し山形状に盛り上がった水中渦防止装置7が設けられている。
図1および図2に示す流体の流れ方向変換装置3によれば、旋回成分を含む水平方向流れを流れ方向変換器4の略全周から流入させ、流入水の流れ方向を下向きの流れに変換することによって、ポンプに流入する流れを安定した下向き流れとし、ポンプ性能への影響を抑制することができる。さらに、流れ方向変換器4の側面4bに設けた旋回防止装置5により流体の旋回流を防止することによって、流れを安定させる効果を増すようにしている。
また、流れ方向変換器4の底面4cに設けた水中渦防止装置7によって、流れ方向変換器4を用いることによって生じる流れのよどみ部分の発生を回避することができ、下向き流れをスムーズに上向き流れにし、水中渦の発生を抑え、流体を安定した流れでポンプ吸込口51aに導くことができる。
図1および図2に示す流体の流れ方向変換装置3の別の効果として、従来のポンプ設置方法では、空気吸込渦が発生するため運転できないとされる通常運転最低水位よりも低い水位で運転することができる。図3は、流体の流れ方向変換装置を設けることにより、通常運転最低水位より低い水位で渦が発生しないことを示した図であり、図3(a)は従来の水槽を示し、図3(b)は流体の流れ方向変換装置3を設置した場合を示す図である。図3(a)に示すように、従来の水槽においては、通常運転最低水位より低い水位において空気吸込渦が発生する。図3(b)に示すように、流体の流れ方向変換装置3を設けることにより、流体の流れ方向変換器4の全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすることと、流れ方向を水平から下向きに変えることができる。これによって、図3(b)に示すように、流れ方向変換器4直上付近の水面を乱し、空気吸込渦の発生を防止し、従来より低い水位で運転が可能となる。なお流れ方向変換器4の上端レベルはポンプの通常最低運転水位よりも低い位置に設置され、滝落とし流にならない水位で運転することが好ましい。
以下にその理由を説明する。
図4(a)および図4(b)は従来のポンプ設置方法の場合の流速と流れ方向変換器4(円筒状の場合)を設置した場合の流速の関係を示した図である。従来のポンプ設置方法の場合、水槽底盤から水面までの鉛直長さをB、水槽幅をW、ポンプ流量をQとすれば、流路断面はBWとなるため、ポンプ近くの水面の接近流速Vは、V=Q/(BW)となる。一方、流れ方向変換器4を設置した場合は、流れ方向変換器4の縁から流体が全周流入する断面を考えると、流れ方向変換器4の上端から水面までの没水深さをB’、円筒状の流水方向変換器4の上部の外径をA、円周率をπとすると、全周流入部の長さはπAとなり、ポンプ流量をQとすると、流れ方向変換器4の縁の全周部の流速V’は、V’=Q/(πAB’)となる。なお流れ方向変換器4が四角筒状の場合等、上部の流速を求めるには、πAの代わりに四角辺等の全周長さを用いて計算すればよい。
水面の乱れはFr数によって表すことができ、Fr数が大きい程水面が乱れていると考え、以下のように考えることができる。
[Fr数を求める一般式]
Fr=V/(g・H)1/2・・・(1)
V:流速
H:代表長さ
g:重力加速度
従来のポンプ設置方法の場合のFr数をFr1、流れ方向変換器4を設置した場合のFr数をFr2とすれば、図4(a)および図4(b)により、それぞれ以下のように計算される。
「従来のポンプを設置した場合のFr数」
Fr1=V/(g・B)1/2=Q/{B・W・(g・B)1/2}=Q/{W・B3/2・g1/2}・・・(2)
「流水方向変換器4を設置した場合のFr数」
Fr2=V’/(g・B’)1/2=Q/{π・A・(g・B’)1/2}=Q/{π・A・B’3/2・g1/2}・・・(3)
ここで、従来のポンプの設置方法より、流れ方向変換器4を用いることによって、従来のポンプの設置方法より水面が乱れるためには、Fr1<Fr2
となることが必要である。よって(2)式と(3)式より、
Q/{W・B3/2・g1/2} < Q/{π・A・B’3/2・g1/2
となり、整理すると、
(B’/B)3/2 <W/(π・A)・・・(4)
となる。例えば、流体の流れ方向変換器4は水槽内に設置するため、少なくともW(水槽幅)≧A(流れ方向変換器上部の外径)の関係があり、Aを最大値のW(A=W)とすると、(4)式は、
(B’/B)3/2 <1/π・・・(5)
となる。
また、水面の乱れによって空気吸込渦を抑制する効果は、Fr2が概ね0.2〜0.25程度以上が好ましい。流れ方向変換器4を設置した場合のFr2を0.2以上とすると、(3)式より、
0.2≦Q/{π・A・B’3/2・g1/2
となり、整理すると
B’≦[Q/{(0.04)・g・π・A}]1/3・・・(6)
となる。よって、(6)式を満たすよう流れ方向変換器4を設置することが効果的である。さらに、流れ方向変換器4は、水平流れを下向き流れに変換するため、水面を乱す効果を一層増すことができ、空気吸込渦をより防止することができる。
図5は、水中モータポンプ50の詳細構造を示す縦断面図である。図5に示すように、水中モータポンプ50は、コラム形着脱式水中モータポンプからなり、下端部にポンプ吸込口51aを備え、ポンプ吸込口51aには吐出しボウル52が連結されている。羽根車53は水中モータ54の主軸55に固定されている。そして、水中モータ54を収容する吐出しケーシング56が設けられており、吐出しケーシング56と水中モータ54との間に、羽根車53により昇圧された流体を流すための吐出流路が形成されている。水中モータ54の上部には、吊具58が設けられており、吊具58によって、ポンプ吸込口51a、吐出しボウル52、羽根車53および水中モータ54等からなるポンプユニットを、吐出しケーシング56から分離して一体に吊り上げできるようになっている。なお、ポンプユニットを吊り上げる際には、吐出しケーシング56の上端に固定されたケーシングカバー59(図1参照)を取り外せばよい。
図6は、図1に示す水中モータポンプ50に代えて立軸斜流ポンプ60を設けた例を示す縦断面図であり、図1に対応した図である。流体の流れ方向変換装置3の構成は、図1および図2に示す流体の流れ方向変換装置3と同様である。図6に示すように、立軸斜流ポンプ60は、吸込水槽1を覆う床板2に固定されている。立軸斜流ポンプ60は、下端部にポンプ吸込口61aを備え、ポンプ吸込口61aには吐出しボウル62が連結され、吐出しボウル62には吊り下げ管63が連結されている。吐出しボウル62には羽根車64が収容されており、羽根車64は主軸65に固定されている。吐出しエルボ67を主軸65が貫通してモータ66に連結されている。
本発明が適用されるポンプは、図1に示すコラム形水中モータポンプや図6に示す立軸斜流ポンプに限らず、下向きにポンプ吸込口を有するポンプであればよく、例えば、立軸軸流ポンプ、渦巻斜流ポンプなどや、図7に示すように、横軸軸流ポンプ、横軸斜流ポンプでもよい。また、それらの先行待機運転仕様ポンプも含まれるものである。なお、横軸ポンプ90は、図7に示すように、羽根車91を支持する主軸92が水平方向(横方向)に延びた構成のものである。流体の流れ方向変換装置3は、ポンプ吸込口91aの周囲を囲むように設けられ筒状容器の流れ方向変換器4を備えている。符号93は原動機を示し、符号94はポンプ吐出弁を示す。ここで、先行待機運転とは、降雨時に、多量の雨水の流入が予想される場合、吸込水槽に雨水の流入が始まる前にポンプを始動(空運転)しておき、雨水、汚水等の急激な流入に対して遅滞なく排水を行う運転であり、ポンプの排水により、一旦吸込水槽の水位が低下しても、同様にポンプを空運転して、次の流入に備えておく運転を云う。
図8は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の他の実施形態を示す概略断面図であり、図9は図8のIX−IX線矢視図である。図8および図9に示すように、流体の流れ方向変換装置3は、ポンプ吸込口51aの周囲を囲むように設けられた概略四角筒状の流れ方向変換器4を備えている。すなわち、流れ方向変換器4は矩形断面を有し、下端に底部を有した容器に形成されている。流れ方向変換器4は、垂直方向に延びる矩形の筒状の壁面からなる側面4bと、矩形の底面4cとを有している。そして、側面4bには、流体の旋回流を防止するための旋回防止装置5が設けられている。旋回防止装置5はポンプの中心Oに向かって半径方向内方に延びる複数の板状の旋回防止部材6からなり、旋回防止部材6の先端6aはポンプ吸込口51aの外周縁の近傍まで延びており、旋回防止部材6の下端6bはポンプ吸込口51aと同一レベルに位置している。また、流れ方向変換器4の四角状の底面4cには、ポンプ吸込口51aに向かって山形状に盛り上がって形成された水中渦の発生を防止するための水中渦防止装置7が設けられている。
図8および図9に示す流体の流れ方向変換装置3は、流れ方向変換器4の断面が矩形である点が図1および図2に示す流体の流れ方向変換装置3と異なるが、その作用効果は図1乃および図2に示す流体の流れ方向変換装置3と同様であるため説明を省略する。
図10は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の他の実施形態を示す概略断面図である。図10に示すように、旋回防止装置5の旋回防止部材6は、ポンプに取付けてもよい。旋回防止部材6の鉛直方向長さは、ごみが巻き付くことを防止するため、約250mm程度以上あることが好ましい。
図11(a)および図11(b)は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の更に他の実施形態を示す概略断面図である。図11(a)に示す実施形態の旋回防止装置5においては、旋回防止部材6の下端6bはポンプ吸込口51aのレベルより下方に位置している。
旋回防止装置5の旋回防止部材6を、ポンプ吸込口51aの下端レベルより下げることによって、旋回防止効果はさらに大きくなる。しかしながら、締切運転または小流量運転時の軸動力が大きくなる。
一方、軸動力を大きくしたくない場合は、図11(b)に示すように、旋回防止装置5の旋回防止部材6をポンプ吸込口51aの下端レベルと同一レベルあるいはポンプ吸込口51aの下端レベルより上方であることが好ましい。流体の流れ方向変換装置3のその他の構成は、図1および図2に示す流体の流れ方向変換装置3と同様である。
本発明の好ましい態様は、前記旋回防止部材の下端は、前記ポンプ吸込口と同一レベル又は前記ポンプ吸込口より上方にあることを特徴とする。
本発明において、旋回を防止する板部材をポンプ吸込口の下端レベルより下げることによって、流入水の旋回防止効果はさらに大きくなるが、締切運転または小流量運転時の軸動力が大きくなるため、旋回を防止する板部材は、ポンプ吸込口の下端レベルと同一レベルあるいはポンプ吸込口の下端レベルより上方であることが好ましい。
図12は、本発明の流体の流れ方向変換装置3における旋回防止装置の他の実施形態を示す平面図である。図12に示す実施形態においては、旋回防止装置5における板状の旋回防止部材6は、流れ方向変換器4の側面4bから、ポンプの中心Oに向かってではなくポンプ吸込口51aの接線方向に向かって内方に延びている。なお、板状の旋回防止部材6が垂直方向に設けられていることは、他の実施形態と同様である。このように、旋回防止部材6をポンプ吸込口51aの接線方向に向けて配置した旋回防止装置5も、図1および図2に示す旋回防止装置5と同様の作用効果を奏する。
図13は、本発明の流体の流れ方向変換装置3における旋回防止装置の更に他の実施形態を示す平面図である。図14は、図13のXIV−XIV線矢視図である。図13および図14に示すように、旋回防止装置5における板状の旋回防止部材6は、垂直方向に設けられているのではなく、垂直方向に対してθの角度で斜めに傾いて設置されている。なお、旋回防止部材6が流れ方向変換器4の側面4bから、ポンプの中心Oに向かって半径方向内方に延びていることは、図1および図2に示す旋回防止部材6と同様である。これらの旋回防止部材6は、あらかじめ流入水の旋回流を想定した角度や湾曲で取り付け、旋回成分を相殺しポンプ性能への影響を抑制することもできる。なお旋回防止部材6は、現地の吸込水槽の旋回流の強さに応じて取付・取外しや取付角度の調整が可能とし、現地で現合できる構造にすることが好ましい。また旋回防止装置5における旋回防止部材6の枚数を多くすることも有効である。旋回流の影響がない吸込水槽であれば、流れ方向変換器4の内部または外部の旋回防止装置はなくてもよい。
図15は、本発明の流体の流れ方向変換器4の上方に流体の旋回流を防止する旋回防止装置15を設けた実施形態を示す概略縦断図である。図16は、図15のXVI−XVI線矢視図である。図15および図16に示す実施形態においては、流れ方向変換器4に設けた旋回防止装置5に加えて、旋回防止装置5の上方に旋回防止装置15を設置している。旋回防止装置15は、ポンプの吐出しケーシング56の外面に取り付けられた複数の板状の旋回防止部材16からなり、各旋回防止部材16は吐出しケーシングの外面から放射状に延びている。そして、旋回防止部材16の外周縁16aは、旋回防止部材6の外周縁、すなわち、流れ方向変換器4の内径と略同一のサイズに設定されている。この様に、流入した流体の旋回流が強い場合等、流体の流れ方向変換器4の上方にも旋回防止装置15を取り付け、旋回防止効果を更に上げることもできる。
図17は、本発明の流体の流れ方向変換装置3を水平分割構造とした実施形態を示す概略縦断面図である。図17に示すように、本実施形態の流体の流れ方向変換装置3においては、流れ方向変換器4および旋回防止装置5は水平方向に分割可能な構造になっている。すなわち、流れ方向変換器4は、略円筒状容器の下部ユニット4Aと、略円筒状の中間ユニット4Bと、略円筒状の上部ユニット4Cとから構成されている。下部ユニット4Aと中間ユニット4Bはフランジ4fを介して互いに結合されており、中間ユニット4Bと上部ユニット4Cはフランジ4fを介して互いに結合されている。下部ユニット4A、中間ユニット4Bおよび上部ユニット4Cを結合することにより構成された流れ方向変換器4は、一体型の流れ方向変換器4と同様の機能を果たすものである。また、旋回防止装置5は上部ユニット5Aと下部ユニット5Bとから構成されており、上部ユニット5Aは上部ユニット4Cに固定されており、下部ユニット5Bは中間ユニット4Bに固定されている。上部ユニット5Aおよび下部ユニット5Bを結合することにより構成された旋回防止装置5は、一体型の旋回防止装置5と同様の機能を果たすものである。水中渦防止装置7は下部ユニット4Aの底部に設置されている。
図18は、本発明の流体の流れ方向変換装置3を鉛直分割構造とした実施形態を示す概略縦断面図である。図18に示すように、流れ方向変換器4は底部のない筒状の壁で構成され、流れ方向変換器4の底部は吸込水槽1の底面が兼ね、水中渦防止装置7が設置されている。
図19は、図18のXIX−XIX線矢視図である。流れ方向変換器4は、概略半円筒状の第1ユニット4DLと概略半円筒状の第2ユニット4DRとから構成されている。突出片4DL−1と4DR−1及び突出片4DL−2と4DR−2は、流れ方向変換器4の旋回防止部材も兼ねている。なお、流れ方向変換器4の構成部材間が完全に密閉されていなくてもよい。
旋回防止部材6は、それぞれポンプの中心Oに向かって半径方向の内方に延びる部材であって、取外し可能であり、それぞれ第1ユニット4DLと第2ユニット4DRにボルト等の締結具で結合している。これにより、吸込水槽の旋回流の強さに応じて取付・取外しが可能なものとし、現地で現合できる構造としてもよい。
なお、本発明の流れ方向変換装置3は、図17で示した水平分割構造と、図18および図19で示した鉛直分割構造とを組み合わせて構成してもよい。
図17乃至図19に示す流体の流れ方向変換装置3によれば、ポンプを設置したまま流体の流れ方向変換装置3を取り付けすることができる。したがって、既にポンプを設置した後に流体の流れ方向変換装置3を後付けすることが可能である。また流れ方向変換装置3内に塵芥が堆積したり付着した場合は、分割構造になっているので、流れ方向変換装置3を分解することによって、堆積または付着した塵芥を取り除くことができる。このように、図17乃至図19に示す実施形態によれば、流体の流れ方向変換装置3の据付や、ポンプ50と流体の流れ方向変換装置3の維持管理を容易に行うことができる。また、流れ方向変換装置3にハンドホール、マンホール、水抜き穴等を設けることによって、作業員が流れ方向変換装置3内部に手が届くようになるため、さらに維持管理、死水防止が容易にできる。
図1乃至図19に示す各実施形態においては、流れ方向変換器の底面とポンプ吸込口を結ぶ水中渦と流れ方向変換器内の壁面とポンプ吸込口を結ぶ水中渦の発生を防ぐために、山形状の水中渦防止装置7を流れ方向変換器4の底部に設けている。図20は、本発明の流体の流れ方向変換装置3における水中渦防止装置7の他の実施形態を示す概略断面図である。図21は、図20のXXI−XXI線矢視図である。図20および図21に示す実施形態においては、水中渦防止装置7は、流れ方向変換器4の底面4cから立設された十字状整流板17から構成されて、ポンプ吸込口近傍の旋回流も減少させる役割をしている。
図22(a)および図22(b)は、本発明の流体の流れ方向変換装置3における水中渦防止装置7の更に他の実施形態を示す平面図である。これらの水中渦防止装置7は、流れ方向変換器4の底面4cから立設され一方向に延びる一文字状整流板18から構成されている。図22(a)においては、一文字状整流板18は縦方向に延び、図22(b)においては、一文字状整流板18は横方向に延びている。なお、旋回防止装置5および流れ方向変換装置3の構成は、図1および図2に示すものと同様である。十文字または一文字等の形状の整流板17,18は旋回防止の機能もあるため、図20乃至図22に示す水中渦防止装置7を旋回防止装置として兼ねてもよい。
図23は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の他の実施形態を示す概略断面図である。図23に示す流体の流れ方向変換装置3においては、流れ方向変換器4をコンクリート等で形成し、吸込水槽1の底部にあらかじめ埋め込むようにしている。また流れ方向変換器4をコンクリートで形成し、コンクリート製の流れ方向変換器4を吸込水槽1に設けた凹部に嵌め込んでもよい。この場合、流れ方向変換器4の上端4aを吸込水槽1の底板と同一レベルにするか、またはhだけ高くし、石などの大きな異物が流れ方向変換器4内に流入させないようにしてもよい。
図24は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の更に他の実施形態を示す概略断面図である。図25は、図24のXXV−XXV線矢視図である。図24および図25に示す流体の流れ方向変換装置3においては、流れ方向変換器4の内部に筒状の仕切部材20を設けている。筒状の仕切部材20の上端は流れ方向変換器4および旋回防止装置5の上端と略同一レベルに設定されており、筒状の仕切部材20の下端は旋回防止装置5の下端と略同一レベルに設定されている。旋回防止装置5の各旋回防止部材6は、流れ方向変換器4の内周面と筒状の仕切部材20の外周面との間に配置されている。また、旋回防止部材6は、ポンプ吸込口51aの外周面と筒状の仕切部材20の内周面との間に配置してもよい。
図24および図25に示すように、流れ方向変換器4の内部に筒状の仕切部材20を設けることにより、筒状の仕切部材20の内周面とポンプ吸込口51aの外周面との間の流路1と、流れ方向変換器4の内周面と筒状の仕切部材20の外周面との間の流路2とが形成される。図24に示すように、たとえ、流路2(または流路1)に空気吸込渦が流入しても、その空気吸込渦は流路1(または流路2)による流れによって流路1と流路2の合流部で分散され崩壊させられる。このように、流れ方向変換器4の内部に、ポンプ吸込口につながる流路を2つ以上に分ける筒状の仕切部材20を設けることによって、空気吸込渦が流れ方向変換器4内に流入しても、筒状の仕切部材20の下端において合流する水流によって、空気吸込渦を分散・崩壊させ、空気吸込渦が連続的にポンプ吸込口よりポンプ内部に侵入することを防止することができる。筒状の仕切部材20の鉛直方向長さは、ひも状のごみが巻き付くことを防止するため、約250mm程度以上あることが好ましい。
図26は、本実施形態のように筒状の仕切部材20を設けた場合(図26(a))と筒状の仕切部材20を設けない場合(図26(b))を示す図である。
図26(b)に示すように、流入する流体の旋回流が強い場合等、流れ方向変換器4内は、ポンプ吸込口近傍(流れ方向変換器の内側ポンプ寄り)の流速がポンプ吸込口から離れた流速に比べて速くなる偏った流れを生じ、空気吸込渦を引っ張り込みやすくなる可能性がある。これに対して、図26(a)に示すように、筒状の仕切部材20を設け、流れ方向変換器4内における流れを複数に分流することによって、偏った流れを流路断面全体で略平均化し、空気吸込渦を下に引っ張り込む力を抑制する。
図27は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の更に他の実施形態を示す概略断面図である。図27に示す流体の流れ方向変換装置3においては、流れ方向変換器4の上端4aの流入口に加えて、該流入口より低いレベルにおいて流れ方向変換器4の側面4bに少なくとも1つの開口部4eを設けている。
図27(a)に示すように、流れ方向変換器4の側面4bに少なくとも1つの開口部4eを設けることによって、空気吸込渦が発生しても、流れ方向変換器4の流入口と、該流入口より低いレベルにある1つまたは複数の開口部4eとから、互いにポンプ吸込口51aにつながる流路を形成することにより、空気吸込渦が流れ方向変換器4の流入口から流入しても、開口部4eから流れ方向変換器4に流入する流れによって水流を乱し、空気吸込渦を分散させて崩壊させ、空気吸込渦が連続的にポンプ吸込口よりポンプ内部に浸入することを防止することができる。また、流れ方向変換器4の側面に少なくとも1つの開口部を設けることによって、流れ方向変換器4の流入口からの流入量を減らし、下向き流れを遅くし、空気吸込渦を下に引っ張り込む力を小さくすることによって、空気吸込渦の発生を抑制する。
図27(a)に示す例においては、各開口部4eは鉛直方向に所定の長さを有した細長状の開口部になっているが、図27(b)に示す例においては、開口部4eは概略円形の孔になっていて、多数の開口部4eが形成されている。開口部4eは、長穴、概略矩形等の形状でもよい。
なお、図27に示す例においては、流れ方向変換器4は円筒状に形成されており、流れ方向変換器4の底部は吸込水槽1の底面が兼ねており、水中渦防止装置7が設置されている。
図28および図29は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の更に他の実施形態を示す図である。図28(a)は流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置の概略断面図であり、図28(b)は図28(a)のXXVIII−XXVIII線矢視図である。図28(a)および図28(b)に示す流体の流れ方向変換装置3においては、図1に示す流れ方向変換器4の上端4aの上方に、流れ方向変換器4の上部を覆うように、円板状の覆い部材21を設けている。覆い部材21は水中モータポンプ50の吐出しケーシング56の外周部に固定されている。図29に示す流体の流れ方向変換装置3においては、図6に示す流れ方向変換器4の上端4aの上方に、流れ方向変換器4の上部を覆うように、円板状の覆い部材21を設けている。覆い部材21は立軸斜流ポンプ60の吊り下げ管63の外周部に固定されている。
覆い部材21よりも高い水位(例えばWL)においては、覆い部材21によって水面と流れ方向変換器4との間に障害物を構成し、空気吸込渦を防止するようにしている。
1)吸込水槽1の水位が低い場合の運転(覆い部材21より低い水位の場合)
図30(a)は、覆い部材21より低い水位で運転した場合を示す図である。図30(a)に示すように、覆い部材21よりも低い水位においては、流れ方向変換器4と覆い部材21の間に水面がある運転となるが、流れ方向変換器4があることによって、流れ方向変換器4の全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすることと流れ方向を水平から下向きに変えることで流れ方向変換器4の直上付近の水面を乱し、ポンプに有害な空気吸込渦を発生させないようにしている。
2)吸込水槽1の水位が比較的高い場合の運転(覆い部材21より高い水位の場合)
本発明でポンプを設置する場所は変則的な水槽に設置することも想定しているため、流入水は旋回流を伴っていることも想定され、その結果、比較的高い水位における渦についても対策する必要がある。
図30(b)および図30(c)は、覆い部材21より高い水位の場合において、覆い部材21を設置しない場合(図30(b))と設置した場合(図30(c))の比較例を示す概略図である。図30(b)に示すように、吸込側の水位が変動して、水位が比較的高くなると流れ方向変換器4の上部の流速が遅くなり、Fr数が概ね0.2〜0.25未満となると水面の乱れによる渦の抑制が期待できなくなるため、流れ方向変換器4の直上付近に発生した空気吸込渦がポンプ吸込口とつながる可能性がある。また、図30(b)に示すように、流れ方向変換器4から比較的遠くに発生する空気吸込渦は、流れ方向変換器4が障害物となってブロックされ、ポンプ吸込口とつながらない。
以上から、吸込水槽1の水位が比較的高い場合の運転では、流れ方向変換器4の直上付近の空気吸込渦についてさらに対策が必要な場合がある。
そこで、図30(c)に示すように、流れ方向変換器4の上端レベルより上方の位置で、かつ流入水量との関係でFr数0.2〜0.25程度以上を満たす位置に、流れ方向変換器4の上部を略覆うように覆い部材21をポンプに設ける。覆い部材21の上方の水面の流速は充分遅くすることができるため空気吸込渦の発生そのものを抑制する効果もある。覆い部材21より高い水位の場合(覆い部材21がない場合に水面のFr数が0.2〜0.25程度未満となる)には、流れ方向変換器4の直上付近に発生する空気吸込渦は覆い部材21によって防止され、流れ方向変換器4から比較的遠くに発生する空気吸込渦は流れ方向変換器4によって防止される。一方、覆い部材21より低い水位の場合(水面のFr数が0.2〜0.25程度以上となる)には、流れ方向変換器4によって流れ方向変換器4の全周から流入する部分の水面のFr数が大きくなり、かつ流れ方向を水平から下向きに変えることで流れ方向変換器4の直上付近の水面を乱し、空気吸込渦を防止することができる。
もし、流れ方向変換器4を設置せず、覆い部材21のみ設けた場合には、覆い部材21より高い水位で比較的遠くに発生する空気吸込渦はポンプ吸込口につながるのを妨げる障害物がないため、空気吸込渦を防止するためには覆い部材21を非常に大きくする必要があり、その大きさを決定するためには水槽実験等を行う必要も生じ、経済性におとる。また、覆い部材21より低い水位で発生する空気吸込渦は防止することができない。
なお、円筒状の流れ変換器4の場合における、流れ方向変換器4の上部端から覆い部材21までの鉛直距離B’の計算例を以下に示す。ここで、流れ方向変換器4の全周から流入する部分の水面のFr数が0.2以上として計算すると(段落〔0043〕参照)
Q/{π・A・B’3/2・g1/2}≧0.2
B’≦{Q/(0.04)・g・π・A1/3
覆い部材21は、ポンプの吐出しケーシング外周部に取り付ける以外に、吸込水槽の壁面などに取り付けてもよい。また、覆い部材21の代わりに、別置の渦流防止装置を流れ方向変換器4と組み合わせてもよい。
図31は、コラム形着脱式水中ポンプにおいて、空気吸込渦を防止する渦流防止装置を吸込水槽に設置した例を示す図であり、図31(a)はポンプ装置の概略断面図であり、図31(b)は図31(a)のXXXI−XXXI線矢視図である。空気吸込渦が発生する可能性のある流れ方向変換器4の上部を該渦流防止装置25で覆い、前記覆い部材21と同じレベルに天井を設けることにより、空気吸込渦を防止することができる。渦流防止装置25は吐出しケーシング(コラムパイプ)56の略半周を囲むように設けられている。
図32は、コラム形着脱式水中ポンプにおいて、ポンプ上流側の水面近くの流れを遮断することによって、空気吸込渦を防止する渦流防止装置を吸込水槽に設置した別の例を示す図であり、図32(a)はポンプ装置の概略断面図であり、図32(b)は図32(a)のXXXII−XXXII線矢視図である。図32(a)および図32(b)に示すように、空気吸込渦が発生する可能性のある流れ方向変換器4の上流に板状の渦流防止装置25を設けている。
図33は、図30に示す覆い部材21の変形例を示す概略断面図である。図33に示すように、本実施形態においては、覆い部材21に複数の開口部21eを設けている。図34(a)および図34(b)は、図33のXXXIV−XXXIV線矢視図である。図34(a)に示す例においては、覆い部材21は円環状に形成され、覆い部材21の外周部は、空気吸込渦がポンプ吸込口に通じる通路を塞ぐよう、流れ方向変換器4の外周部と概略同一寸法またはそれ以上に設定され、内周部には吐出しケーシング56が嵌合されている。そして、覆い部材21の開口部21eは細長い円弧状の開口部になっている。また、図34(b)に示す例においては、鋼製等のパイプ等を折曲することにより、覆い部材21を形成している。すなわち、覆い部材21は、鋼製等のパイプを折曲して矩形状に形成した本体部21aと、本体部21aと吐出しケーシング56とを連結するリブ状の連結部材21bとによって形成され、本体部21a、連結部材21bおよび吐出しケーシング56の外周部との間に4個の開口部21eが形成されている。
図33、図34(a)および図34(b)に示すように、覆い部材21に開口部21eを設けることにより、ポンプ吸込口につながる流路を複数に分散させて、空気吸込渦を防止することができる。すなわち、覆い部材21に開口部21eを適宜に設けることにより、覆い部材21の外側に発生する空気吸込渦が流れ方向変換器4に流入しても、該開口部から流れ方向変換器4に流入する流れによって水流を乱し、空気吸込渦を分散・崩壊させ、空気吸込渦の発生を抑制することができる。覆い部材21は、金網やパンチングメタル、パイプ等で構成し、重量を軽くすることも可能である。
図35は、図28に示す覆い部材21の更に他の変形例を示す概略断面図である。図36(a)、図36(b)および図36(c)は、図35のXXXVI−XXXVI線矢視図である。図35および図36に示す実施形態においては、覆い部材21は流れ方向変換器4の上部の一部を覆うように設けられている。すなわち、図36(a)に示す例においては、覆い部材21は、半円環状に形成されており、流れ方向変換器4の上部の半分を覆うように配置されている。図36(b)に示す例においては、図36(a)に示す覆い部材21を90°回転させた位置に配置したものである。図36(c)に示す例においては、覆い部材21は、概略矩形状に形成されており、流れ方向変換器4の上部の半分を覆うように配置されている。このように、空気吸込渦が発生しやすい箇所のみに覆い部材21を設けてもよい。
図37は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の更に他の実施形態を示す概略断面図である。本実施形態においては、ボックスカルバートを吸込水槽として用い、流れ方向変換器4の上部を覆う部材としてボックスカルバートの天井を利用している例である。すなわち、水路83には、箱状のボックスカルバート30が配設されている。ここで、ボックスカルバートとは、あらかじめ工場で成形され、四角い箱型のトンネルのような鉄筋コンクリート構造物を云い、プレキャストコンクリート製品の一種である。ボックスカルバート30の入口側には、スクリーン31が設置されており、このスクリーン31によりボックスカルバート30内にゴミが流入しないようになっている。また、ボックスカルバート30の上面30aには、ポンプ固定用のベースプレート32が固定されている。そして、ベースプレート32に水中モータポンプ50が固定されている。ボックスカルバート30の上面30aおよびベースプレート32には、水中モータポンプ50のポンプ部を挿入するための開口が形成されている。
ボックスカルバート30の底面30bには、図1に示す流体の流れ方向変換装置3が設置されている。図37に示すように、ボックスカルバート30の上面30aによって、流れ方向変換器4の上部を覆い、前記覆い部材21と同じレベルに天井を設けることにより、空気吸込渦を防止することができる。なお、ボックスカルバート30の代わりに、コンクリートの現場打ち、鋼材等によって形成してもよい。
図38は、本発明の流体の流れ方向変換装置3の更に他の実施形態を示す概略断面図である。図38に示す流体の流れ方向変換装置3においては、流れ方向変換器4の流入口1の上方に第2の流れ方向変換器4’を設けている。流れ方向変換器4’の上端4’aには流入口2が形成されている。
第一の流れ方向変換器4のみを設置した場合、吸込水槽の水位が変動し第一の流れ方向変換器4の上端から水面までの没水深さがある程度大きくなると水面の流速が遅くなりFr数が小さくなるため、第一の流れ方向変換器4の上部の水面の乱れによる空気吸込渦の抑制が期待できない場合がある。そこで、図38に示すように、第一の流れ方向変換器4の上方に、更に第二の流れ方向変換器4’を設け、第二の流れ方向変換器4’の全周から流入する部分の水面の流速を速くしFr数を大きくすることと流れ方向を水平から下向きに変えることで水面を乱し、空気吸込渦の発生を防止することができる。よって、第二の流れ方向変換器4’を設けることにより、第一の流れ方向変換器4のみで空気吸込渦が発生した比較的高い水位でも、ポンプを運転することができる。
一方、図38に示すように、第二の流れ方向変換器4’の流入口2より低い水位でポンプを運転するときには、流入口1からの流入のみとなる。この場合、第一の流れ方向変換器4によって、第一の流れ方向変換器4の全周から流入する部分の水面のFr数を大きくすること(Fr数が約0.2〜0.25程度以上)と、流れ方向を水平から下向きに変えることで第一の流れ方向変換器4の直上付近の水面を乱し、有害な空気吸込渦を防止することができる。このように、2つ以上の流れ方向変換器4を用いて、空気吸込渦を防止することも可能である。
次に、流れ方向変換器4の好ましい態様について説明する。
流れ方向変換器4内は、該変換器4の流入口からポンプ吸込口に近寄るにつれて、流路面積を徐々に小さくすることにより、平均流速を徐々に増加させて増速流にし、流れの剥離やそれに伴う水中渦の発生を抑制するとともに、損失水頭を低減し、結果としてポンプ性能の安定化が可能となる。図39(a)は、ポンプ吸込口の形状が円筒の場合に流れ方向変換器4内の流路面積を徐々に小さくし、それに応じて流れ方向変換器4内の流速を徐々に増加させる例を示す概略断面図である。図39(a)に示すように、流路面積は徐々に小さく設定されているため、流れ方向変換器4内の流速も徐々に増加する。したがって、流入口流速をVO,流路流速1をV1,流路流速2をV2,ポンプ吸込口流速をV3とすると、VO≦V1≦V2≦V3となる。さらに、流れ方向変換器4の流入口の面積を該変換器4内の下部の面積より大きくし、流入口の損失水頭を低減するとより効果的である。このような増速流によって、流れは、剥離しにくい安定した流れとなり、損失水頭を最小限にできる。
図39(b)は、ポンプ吸込口がラッパ口状に開いた流れ方向変換器4内の流路面積を徐々に小さくする例を示す概略断面図である。図39(b)に示すように、ポンプ吸込口をラッパ口状に開いても流れ方向変換器4の形状を変えることにより、流路面積は徐々に小さく設定されているため、流れ方向変換器4内の平均流速も徐々に増加する。したがって、流入口流速をVO,流路流速1をV1,流路流速2をV2,ポンプ吸込口流速をV3とすると、VO≦V1≦V2≦V3となる。しかし、流れ方向変換器4内の流れを増速流にしても、ポンプ吸込口がラッパ口の場合は、流れ方向変換器4内の流れが下向きから上向きに変換する部分の損失係数が大きく、流れが剥離しやすいため、損失水頭が大きくなる可能性がある。また、複雑な形状の流れ方向変換器になるため、製造上高価なものになってしまう。
図40は、下端に曲面を有する部材を用いて、流れ方向変換器4内を増速流にした例を示す概略縦面図である。図40に示すように、下端に曲面を有する部材を旋回防止装置5を介して流れ方向変換器4に設置することによって、ポンプ吸込口がラッパ口でも単純な形状の流れ方向変換器4を用いて、該下端部の曲面によって流れ方向変換器4内の流れが下向きから上向きに変換する部分の損失係数が小さく流れが剥離しないため、損失水頭を小さくできる。また、流れ方向変換器4を製造上安価なものにできる。
次に、流れ方向変換器4内の下向き流れが上向き流れに変換するポンプ吸込口部の下端に曲面をもたせることによって損失係数を小さく流れを剥離させないようにし、かつ単純な形状の流れ方向変換器4を用いて、該流れ方向変換器4内を増速流にし、該流れ方向変換器4の損失水頭を低減した別の例を示す。
1)図41に示すように、コラム形着脱式水中ポンプにおいては、ポンプユニット(ポンプ吸込口51a、羽根車53、吐出しボウル52、水中モータ54)を吐出しケーシング(コラムパイプ)56のケーシングカバー(上蓋)59をはずして引き上げる構造のため、ポンプ吸込口51aの外径(d1)が吐出しケーシング(コラムパイプ)56内のポンプ固定部の外径d2より小さく(d1<d2)、他のタイプの立軸ポンプの吸込口外径に比べて小さい。そのため、ポンプ吸込口51aの流入口の流速が速くなるので、該流入口の損失水頭が大きくなる。よって、流体の損失水頭をより低減するために、ポンプ吸込口51aの外径(d1)を大きくしたいが、前述のとおり、ポンプユニットを引き上げる構造にするためには大きくできない。そこで、図42(a)および図42(b)に示すように、ポンプ吸込口51aの下方にポンプ吸込口35aを形成した吸込管35を設け、吸込管35は下向きに滑らかに延長し、ポンプ吸込口51aより外径が大きいポンプ吸込口35a(外径d3)を備えることによって(d1<d3)、ポンプ吸込口51aの流速を遅くし、損失水頭を低減することができる。
さらに、図42(a)および図42(b)に示すように、吸込管35は、下向き流れが上向き流れに変換する部分、つまり吸込管35の下端は曲面を有するが、吐出しケーシング(コラムパイプ)56に固定されており、吸込管35とポンプ吸込口51aとの間にわずかな隙間が設けられている。この構成により、ポンプ性能に影響を与えず、吸込管35の製造・組立上容易になり、かつコラム形着脱式水中ポンプの場合にはポンプユニットの引き上げが可能となる。吸込管35と単純な形状の流れ方向変換器4とを組み合わせた本実施形態によれば、吸込管35と流れ方向変換器4内の増速流により流体の流れ方向変換装置3の損失水頭をより低減できる。
2)図43(a)は、立軸斜流ポンプ60のラッパ口状に開いたポンプ吸込口36aの下端に、流れが下向きから上向きに変換する部分に曲面をもたせるポンプ吸込口部材36を設けた例を示す概略図である。図43(a)に示すように、ポンプ吸込口部材36と単純な形状の流れ方向変換器4とを組み合わせることにより、ポンプ吸込口部材36と流れ方向変換器4内の増速流により流体の流れ方向変換器4の損失水頭をより低減できる。
また、図43(b)は、ポンプ吸込口36aの下端に曲面をもたせず、単純な形状の流れ方向変換器4を用いて、該流れ方向変換器4内を増速流にし、該流れ方向変換器4の損失水頭を低減した例を示す。図43(b)に示すように、ポンプ吸込口36aを鉛直方向に真っ直ぐ伸びる円筒形状にすることにより安価に製造でき、かつ流れ方向変換器4も簡単な構造で内部の流れを増速流にできるために安価に製造することができる。この組み合わせを、例えば、図7に示す横軸ポンプに適用してもよい。なお、ポンプ吸込口36aの下端に、流れが下向きから上向きに変換する部分に曲面をもたせ、さらに流れ方向変換器4内の損失水頭を低減してもよい。
次に、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置の制御方法を説明する。
流体の流れ方向変換装置3の流れ方向変換器4は、吸込水槽1の底部に設置されており、また容器状をしているため、流れ方向変換器4内には塵芥が堆積しやすい。流れ方向変換器4内に塵芥が堆積すると、ポンプ性能に悪影響を及ぼす。また、塵芥の堆積がひどくなって、ポンプ吸込口を閉塞すると揚水ができなくなる場合もある。そのため、流れ方向変換器4内に堆積した塵芥を排除する必要があるが、流れ方向変換器4は、サイズが小さいため、作業員が塵芥の排除作業をしにくいという問題がある。
図44乃至図46は、流れ方向変換器4内および流れ方向変換器4の外側に堆積した塵芥を排除する方法及び装置を示す図である。
図44に示すように、ポンプ吐出側に設けたポンプ吐出弁70を閉じてポンプの締切運転を行わせる制御装置を有し、羽根車部(インペラ部)71からの逆流を流れ方向変換器4内に導き、該逆流により流れ方向変換器4内に堆積した塵芥を排除する。なお、軸流ポンプでは、締切軸動力が大きいため締切運転ではなく、ポンプ吐出弁70を中間開度に絞る制御装置を設け、小流量運転を行い逆流を発生させてもよい。本方法によれば、吸込水槽1内に作業員が入る必要もなく、かつ特別な作業も必要なく、塵芥の排除が可能となり、簡素で信頼性の高い設備が構成できる。
なお、流れ方向変換器4内に堆積した塵芥を羽根車の回転によって攪拌した後、ポンプ吐出弁70を開き、攪拌されている塵芥を水とともに立軸斜流ポンプ60に吸い込ませ、吐出先に放出するようにしてもよい。
図44は、流れ方向変換器4内に堆積した塵芥を排除する装置の一例を示す概略図である。図44に示すように、吊り下げ管63に接続されたポンプ吐出管72にバイパス管73を設け、バイパス管73の先端を流れ方向変換器4内に開口する。これにより、ポンプ吐出側に設けたポンプ吐出弁を全閉または絞ることによりバイパス管73より吐出する水流により、流れ方向変換器4内に堆積した塵芥を攪拌し、流れ方向変換器4から塵芥を排除することができる。
図45は、流れ方向変換器4の外側に堆積した塵芥を排除する装置を示す概略図である。図45に示すように、ポンプ吐出管72にバイパス管74を接続し、バイパス管74を分岐させた複数の管の先端を流れ方向変換器4の外周部に略等間隔に配置する。このように、ポンプの吐出部に流れ方向変換器4の周囲を吐出先とするバイパス管74を設け、ポンプ吐出側に設けたポンプ吐出弁を全閉または絞ることによりバイパス管74より吐出する水流により、流れ方向変換器4の外側に堆積した塵芥を攪拌して、流れ方向変換器4が塵芥で埋まらないように排除することができる。
図46は、図44に示すバイパス管73と図45に示すバイパス管74の両方を設置した装置を示す概略図である。図46に示す装置によれば、バイパス管73およびバイパス管74より吐出する水流により、流れ方向変換器4の内外に堆積した塵芥を排除することができる。
次に、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置をポンプ機場に設置する場合のレイアウト(配置)について図47乃至図51を参照して説明する。
図47は、複数台のポンプを仕切壁76なしで設置した場合を示す概略図であり、図47(a)は流体の流れ方向変換装置3を用いない場合の設置例を示し、図47(b)は本発明の設置例を示す。
図47(a)に示すように、2台のポンプ50,50を隣接させて設置した場合に、運転条件によって相互のポンプ吸込口付近の流れが干渉し、2台のポンプ50,50のポンプ吸込口51a,51a間で有害な水中渦が発生する。この場合、破線で示すように、仕切壁76を設置していれば、問題はないが、ポンプ機場によっては、仕切壁76が設置できない場合がある。そのため、ポンプ間の水中渦の発生が問題となる。
図47(b)に示すように、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置によれば、各ポンプ50のポンプ吸込口35は、流れ方向変換器4により覆われているため、2台のポンプ50,50のポンプ吸込口35,35間で水中渦が発生することはない。すなわち、本発明によれば、ポンプ50のポンプ吸込口の周囲における偏流を抑制するばかりでなく、ポンプ同士の干渉も抑制することができる。
図48は、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置を並列に設置した場合を示す概略図であり、図48(a)は概略平面図であり、図48(b)は概略縦断面図である。図48(a)に示すように、吸込水槽1内に2台のポンプ50,50が並列して設置されている。図48(b)に示すように、各ポンプ50のポンプ吸込口35の周囲には、流体の流れ方向変換装置3が配置されている。したがって、2台のポンプ50,50のポンプ吸込口間で水中渦が発生することはない。そのため、2台のポンプ50,50間で仕切壁を無くしたシンプルな土木構造の吸込水槽1の構築が可能となる。
図49は、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置を直列に設置した場合を示す概略図であり、図49(a)は概略平面図であり、図49(b)は概略縦断面図である。図49(a)に示すように、吸込水槽1内に2台のポンプ50,50が直列に設置されている。図49(b)に示すように、各ポンプ50のポンプ吸込口の周囲には、流体の流れ方向変換装置3が配置されている。したがって、2台のポンプ50,50のポンプ吸込口間で水中渦が発生することはない。この直列のレイアウトは、従来のポンプ機場においては、ポンプ同士の干渉等から実現できなかったレイアウトである。
図50は、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置を河川に隣接した場所(リバーサイド)に設置した例を示す概略平面図である。図50に示すように、河川82につながる水路83に面した吸込水槽1に2台のポンプ50,50が設置されている。吸込水槽1内のポンプ50は、水路83から十分な直線距離がとられていない位置に設置されている。吸込水槽1の入口部にはスクリーン31が設置されている。図50に示すように、ポンプ50が水路83から十分な直線距離がとられていない位置に設置されていても、ポンプ50のポンプ吸込口の周囲には流体の流れ方向変換装置3が配置され偏流をともなう流入があっても、ポンプ性能への影響を小さくし安定した運転ができ、渦の問題もなく従来よりも低い水位まで運転できる。
図51は、本発明の流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ装置を水路底盤上に直接設置した他の例を示す概略平面図である。図51に示す例においては、水路83内に流体の流れ方向変換装置3を備えたポンプ50,50が設置されている。流体の流れ方向変換装置3を用いることによって、特別な土木構造での対策をしなくても渦の問題やポンプ性能への影響を小さくし安定した運転ができる。
図56乃至図59は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図である。
図56は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、吸込管35には旋回防止装置5と覆い部材を設置した例を示している。図56に示すように、旋回防止装置5は、流れ方向変換器4内に設ける代わりに、吸込管35に設置してもよい。なお、覆い部材21は、吸込管35に設置しているが、吐出しケーシング56(コラムパイプ)に設ける場合もある。
図57は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、覆い部材21を旋回防止装置5を介して流れ方向変換器4に設置した例を示している。図57に示すように、覆い部材21は、ポンプまたは吸込水槽に設ける代わりに、流れ方向変換器4に設置してもよい。
図58は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、覆い部材21を設置した吸込管35を旋回防止装置5を介して流れ方向変換器4に設けた例を示している。図58に示すように、吸込管35は、吐出しケーシング56に取り付ける代わりに、流れ方向変換器4に設置してもよい。
図59は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、吐出しケーシング56、吸込管35、流れ方向変換器4、旋回防止装置5、覆い部材21を一体化した例を示している。図59に示すように、吐出しケーシング56、吸込管35、流れ方向変換器4、旋回防止装置5、覆い部材21を一体化することにより、流れ方向変換器4は、吸込水槽1にアンカー等で設置する必要がなく、据付工事の施工期間を短くすることができる。なお、吸込水槽1内に水がある場合、流れ方向変換器4の底部または底部付近の側面に、小さな開口部4gを設けてもよい。ポンプ据付作業の際に、該開口部4gを通じて流れ方向変換器4内に水が流入するため、ポンプの据付作業が行いやすい効果がある。
図1は、本発明の流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ設備の一実施形態を示す概略縦断面図である。 図2は、図1のII−II線矢視図である。 図3は、流体の流れ方向変換装置を設けることにより、通常運転最低水位より低い水位で渦が発生しないことを示した図であり、図3(a)は従来の水槽を示し、図3(b)は流体の流れ方向変換装置を設置した場合を示す図である。 図4(a)および図4(b)は、従来のポンプ設置方法の場合の流速と流れ方向変換器(円筒状の場合)を設置した場合の流速の関係を示した図である。 図5は、水中モータポンプの詳細構造を示す縦断面図である。 図6は、図1に示す水中モータポンプに代えて立軸斜流ポンプを設けた例を示す縦断面図であり、図1に対応した図である。 図7は、横軸ポンプを示す図である。 図8は、本発明の流体の流れ方向変換装置の他の実施形態を示す概略断面図である。 図9は図8のIX−IX線矢視図である。 図10は、本発明の流体の流れ方向変換装置の他の実施形態を示す概略断面図である。 図11(a)および図11(b)は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す概略断面図である。 図12は、本発明の流体の流れ方向変換装置における旋回防止装置の他の実施形態を示す平面図である。 図13は、本発明の流体の流れ方向変換装置における旋回防止装置の更に他の実施形態を示す平面図である。 図14は、図13のXIV−XIV線矢視図である。 図15は、本発明の流体の流れ方向変換装置の上方に流体の旋回流を防止する旋回防止装置を設けた実施形態を示す概略縦断図である。 図16は、図15のXVI−XVI線矢視図である。 図17は、本発明の流体の流れ方向変換装置を水平分割構造とした実施形態を示す概略縦断面図である。 図18は、本発明の流体の流れ方向変換装置を鉛直分割構造とした実施形態を示す概略縦断面図である。 図19は、図18のXIX−XIX線矢視図である。 図20は、本発明の流体の流れ方向変換装置における水中渦防止装置の他の実施形態を示す概略断面図である。 図21は、図20のXXI−XXI線矢視図である。 図22(a)および図22(b)は、本発明の流体の流れ方向変換装置における水中渦防止装置の更に他の実施形態を示す平面図である。 図23は、本発明の流体の流れ方向変換装置の他の実施形態を示す概略断面図である。 図24は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す概略断面図である。 図25は、図24のXXV−XXV線矢視図である。 図26は、本発明の流体の流れ方向変換装置内に筒状の仕切部材を設けた場合(図26(a))と筒状の仕切部材を設けない場合(図26(b))を示す図である。 図27は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す概略断面図である。 図28は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す図である。図28(a)は流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置の概略断面図であり、図28(b)は図28(a)のXXVIII−XXVIII線矢視図である。 図29は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す図である。 図30(a)は、覆い部材より低い水位で運転した場合を示す図である。図30(b)および図30(c)は、覆い部材より高い水位の場合において、覆い部材を設置しない場合(図30(b))と設置した場合(図30(c))の比較例を示す概略図である。 図31は、コラム形着脱式水中ポンプにおいて、空気吸込渦を防止する渦流防止装置を吸込水槽に設置した例を示す図であり、図31(a)はポンプ装置の概略断面図であり、図31(b)は図31(a)のXXXI−XXXI線矢視図である。 図32は、コラム形着脱式水中ポンプにおいて、ポンプ上流側の水面近くの流れを遮断することによって、空気吸込渦を防止する渦流防止装置を吸込水槽に設置した別の例を示す図であり、図32(a)はポンプ装置の概略断面図であり、図32(b)は図32(a)のXXXII−XXXII線矢視図である。 図33は、図30に示す覆い部材の変形例を示す概略断面図である。 図34(a)および図34(b)は、図33のXXXIV−XXXIV線矢視図である。 図35は、図28に示す覆い部材の更に他の変形例を示す概略断面図である。 図36(a)、図36(b)および図36(c)は、図35のXXXVI−XXXVI線矢視図である。 図37は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す概略断面図である。 図38は、本発明の流体の流れ方向変換装置の更に他の実施形態を示す概略断面図である。 図39(a)は、ポンプ吸込口流れ方向変換器内の流路面積を徐々に小さくする例を示す概略断面図である。図39(b)は、ポンプ吸込口がラッパ状に開いた流れ方向変換器内の流路面積を徐々に小さくする例を示す概略断面図である。 図40は、下端に曲面を有する分離型ポンプ吸込口部材を用いて、流れ方向変換器内を増速流にした例を示す概略縦面図である。 図41は、コラム形着脱式水中ポンプを示す図である。 図42(a)および図42(b)は、吸込ベルマウスが下向きに滑らかに延長する部材を設けた例を示す概略断面図である。 図43は、立軸ポンプの下端に、曲面を有するポンプ吸込口を形成したポンプ吸込口部材を設けた例を示す概略図である。 図44は、流れ方向変換器内および流れ方向変換器の外側に堆積した塵芥を排除する方法及び装置を示す図である。 図45は、流れ方向変換器内および流れ方向変換器の外側に堆積した塵芥を排除する方法及び装置を示す図である。 図46は、流れ方向変換器内および流れ方向変換器の外側に堆積した塵芥を排除する方法及び装置を示す図である。 図47は、複数台のポンプを仕切壁なしで設置した場合を示す概略図であり、図47(a)は流れ方向変換器を用いない場合の設置例を示し、図47(b)は本発明の設置例を示す図である。 図48は、本発明の流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置を並列に設置した場合を示す概略図であり、図48(a)は概略平面図であり、図48(b)は概略縦断面図である。 図49は、本発明の流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置を直列に設置した場合を示す概略図であり、図49(a)は概略平面図であり、図49(b)は概略縦断面図である。 図50は、本発明の流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置を河川に隣接した場所(リバーサイド)に設置した例を示す概略平面図である。 図51は、本発明の流体の流れ方向変換装置を備えたポンプ装置を河川に隣接した場所(リバーサイド)に設置した他の例を示す概略平面図である。 図52は、従来の吸込水槽の一例を示す図であり、図52(a)は吸込水槽の平面図、図52(b)は吸込水槽の断面図である。 図53は、旋回流の影響によるポンプ性能の変化を示すグラフである。 図54は、設置条件がきびしく、偏流して流入してくる水槽の例を示す図であり、図54(a)は吸込水槽の平面図、図54(b)は吸込水槽の断面図である。 図55は、従来の立軸バレルポンプを示す概略断面図である。 図56は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、吸込管には旋回防止装置と覆い部材を設置した例を示した図である。 図57は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、覆い部材を旋回防止装置を介して流れ方向変換器に設置した例を示した図である。 図58は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、覆い部材を設置した吸込管を旋回防止装置を介して流れ方向変換器に設けた例を示した図である。 図59は、コラム形着脱式水中モータポンプにおいて、ポンプを分解する場合のユニットを示した図であり、吐出しケーシング、吸込管、流れ方向変換器、旋回防止装置、覆い部材を一体化した例を示した図である。 図60は、従来の立軸バレルポンプを水路に接続した場合の概略断面図である。
符号の説明
1,100 吸込水槽
2 床板
3 流れ方向変換装置
4,4’ 流れ方向変換器
4A 下部ユニット
4B 中間ユニット
4C 上部ユニット
4f フランジ
5A 上部ユニット
5B 下部ユニット
4DL 上側ユニット
4DR 下側ユニット
4DL−1,4DL−2,4DR−1,4DR−2 突出片
5,15 旋回防止装置
6,16 旋回防止部材
7 水中渦防止装置
17 十字状整流板
18 一文字状整流板
20 筒状の仕切部材
21 覆い部材
21a 本体部
21b 連結部材
21e 開口部
30 ボックスカルバート
31 スクリーン
32 ベースプレート
35 吸込管
35a,36a,51a,61a,91a,101a ポンプ吸込口
36 ポンプ吸込口部材
50 水中モータポンプ(コラム形着脱式水中モータポンプ)
52 吐出しボウル
53 羽根車
54 水中モータ
55 主軸
56 吐出しケーシング(コラムパイプ)
58 吊具
59 ケーシングカバー
60 立軸斜流ポンプ
62 吐出しボウル
63 吊り下げ管
64 羽根車
65 主軸
66 モータ
67 吐出しエルボ
70 ポンプ吐出弁
71 羽根車部(インペラ部)
72 ポンプ吐出管
73,74 バイパス管
76 仕切壁
77 フレーム
80 ポンプ装置ユニット
81 貯水池(又は遊水池)
82 河川
83 水路
90 横軸ポンプ
91 羽根車
92 主軸
93 原動機
94 ポンプ吐出弁
101,110 ポンプ
102 導水路
111 バレル
113 原動機
114 流入ノズル
流入口流速
流路流速1
流路流速2
ポンプ吸込口流速

Claims (15)

  1. 下向きにポンプ吸込口を有するポンプに用いられる流体の流れ方向変換装置であって、
    前記ポンプ吸込口の周囲を囲むように設置され、該ポンプ吸込口の周囲に流路を形成して流体の水平方向流れを下向き流れに変換する流れ方向変換器と、
    前記流れ方向変換器内に設けられ、前記ポンプ吸込口につながる水中渦を防止するための水中渦防止装置を備え
    前記流れ方向変換器内の流路面積は、該流れ方向変換器の流入口から前記ポンプ吸込口に向かって徐々に小さくなるように設定されていることを特徴とする流体の流れ方向変換装置。
  2. 前記流れ方向変換器内に設けられ、前記流れ方向変換器内の流体の旋回流を防止する旋回防止装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  3. 前記流れ方向変換器は、筒状の壁、又は筒状の壁と底部とを有した容器であることを特徴とする請求項1又は2記載の流体の流れ方向変換装置。
  4. 前記旋回防止装置は、前記流れ方向変換器の内面に突出し、旋回を防止する板部材からなることを特徴とする請求項2記載の流体の流れ方向変換装置。
  5. 前記流れ方向変換器の上方に、流体の旋回流を防止する旋回防止装置を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の流体の流れ方向変換装置。
  6. 前記水中渦防止装置は、前記流れ方向変換器の底面に設けられる前記ポンプ吸込口に向かって山形状に盛り上がった部材であり、
    水中渦を防止すると共に、前記流れ方向変換器により形成された下向き流れをポンプ吸込口に導く上向き流れを形成するための流路として構成したことを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  7. 前記水中渦防止装置は、前記流れ方向変換器の底面に設けられる板状に延びた部材であり、
    水中渦を防止すると共に、流れ方向変換器内の流体の旋回流を防止することを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  8. 前記流れ方向変換器の内部に、前記ポンプ吸込口の周囲に形成された前記流路を複数の流路に分割するための筒状の仕切部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  9. 前記流れ方向変換器に、該流れ方向変換器の上端より低い位置に少なくとも1つの開口部を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  10. 前記流れ方向変換器の上方に、更に前記ポンプの周囲を囲むように流れ方向変換器を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  11. 前記流れ方向変換器の上方に、該流れ方向変換器の上部を覆うように覆い部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体の流れ方向変換装置。
  12. 前記覆い部材には、少なくとも1つの開口部を設けたことを特徴とする請求項11記載の流体の流れ方向変換装置。
  13. 下向きにポンプ吸込口を有するポンプと、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の流体の流れ方向変換装置とを備えたことを特徴とするポンプ装置。
  14. ポンプの締切運転又は小流量運転を行わせる制御装置を設け、羽根車部からの逆流を前記流れ方向変換器内に導き、該逆流により流れ方向変換器内に堆積した塵芥を攪拌して排除することを特徴とする請求項13記載のポンプ装置。
  15. ポンプの吐出部に設けたバイパス管から吐出する水流により前記流れ方向変換器の内側又は外側に堆積した塵芥を攪拌して排除することを特徴とする請求項13記載のポンプ装置。
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