JP5216262B2 - 人工毛髪用繊維の梱包方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人工毛髪用繊維の梱包方法及び梱包体等に関する。
かつら(ウィッグ)、ヘアピース、ブレード、エクステンション、ウイービングなどの人工毛髪製品に、人髪に近い自然な質感や優れた美容特性を付与するため、従来、人工毛髪用繊維の断面や繊度、素材等に関し、様々な工夫がなされてきている。
例えば、特許文献1には、適度に艶が消え、嵩高性も良好で、人毛に近い繊維を提供することを目的として、断面が、2個以上の円又は扁平円が部分的に重ね合わさるか、又は2個以上の円又は扁平円が互いに接した形状であって、かつ前記円又は扁平円の周縁に少なくとも1つの凸部及び/又は凹部を有する形状である異形断面繊維が開示されている。
また、特許文献2には、人工毛髪として使用した場合に広範なスタイルをカバーできる人工毛髪用繊維を提供することを目的として、所定の組成からなる単繊維の繊度が30〜85dtexであるアクリル系繊維と、単繊維の繊度が30〜85dtexの塩化ビニル系繊維を所定割合で混合した人工毛髪用繊維が開示されている。
特許文献3には、嵩高性とソフト感をバランスよく備えた人工毛髪用繊維束を提供することを目的として、塩化ビニル系樹脂の中空繊維と非中空繊維とを混合した人工毛髪用繊維束が開示されている。
特開平10−168647号公報 特開2002−227020号公報 特開2007−9336号公報
従来、人工毛髪用繊維は、繊維束(トウ)を箱詰したかたちで梱包されるのが一般的である。しかし、本願発明者らは、このような梱包方法では人工毛髪用繊維の輸送や保存の際に毛束に折りぐせがつくことがあり、この折ぐせによって、人工毛髪用繊維の加工性や得られる人工毛髪製品の美容特性に大きな支障が生じることを認識するにいたった。
そこで、本発明者らは、折ぐせの発生をなくすため、種々の検討を行った。この中で、本発明者らは、上述のような繊維そのものの断面や繊度、素材の工夫によっては折りぐせの発生を完全になくすことは難しいと判断し、新たな人工毛髪用繊維の梱包方法の開発によってこれを解決するため、検討を開始した。
本発明は、上記検討の結果得られた成果であって、梱包・輸送・保存時における折りぐせの発生を最低限に抑え、加工性や美容特性を損なわない人工毛髪用繊維の梱包方法を提供することを主な目的とするものである。
上記課題解決のため、本発明は、梱包容器に、人工毛髪用繊維を充填密度0.1kg/l以上0.8kg/l以下で充填することを特徴とする人工毛髪用繊維の梱包方法を提供する。
この梱包方法においては、さらに、梱包された前記人工毛髪用繊維から前記梱包容器の天面に付与される圧力を、0.1kPa以上8.0kPa以下とする。
また、梱包の際使用する容器は、底面積(S)を、高さ(H)で除した値(S/H)を30以上300以下とする。
本発明は、併せて、上記の梱包方法により得られる人工毛髪用繊維、これを用いてなる頭髪装飾品及び人工毛髪用繊維の梱包体をも提供する。
ここで、本発明において、梱包された人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力は、以下のようにして測定した。
(1)梱包容器の容積(V)と天面の面積(T)、空重量(a)を測定する。
(2)空容器の重量を計測しながら、蓋の所定の部位を保持して容器本体を閉蓋し、蓋が 完全に閉じた状態とされるまでの間の最大重量(b)を測定する。
(3)「b−a」により、空容器の閉蓋に必要な蓋への押圧力(c)を求める。
(4)次に、容器への人工毛髪用繊維の充填密度(D)と容積(V)の積と、空重量 (a)との和から(「D×V+a」)、充填後の容器重量(d)を求める。
(5)充填後の容器の重量を計測しながら、蓋の上記所定の部位を保持して容器本体を閉 蓋し、蓋が完全に閉じた状態とされるまでの間の最大重量(e)を測定する。
(6)「e−d−c」により、充填後の容器の閉蓋に必要な蓋への押圧力(f)を求める
(7)押圧力(f)を、天面の面積(T)で除して(「f/T」)、梱包された人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力(g)を求める。
なお、「蓋の所定の部位」とは、紙段ボールのように、蓋の一辺が容器本体に連続する構成であって、蓋を容器本体との境界部で折り込んで閉蓋する容器にあっては、折り込まれた蓋が成す天面の中央部にあたる部位を指す。また、容器本体に蓋を嵌合させて閉蓋する容器にあっては、蓋の任意の部位であってよいが、この場合、蓋全面を均一に押圧可能な部位である必要がある。
また、本発明において「頭髪装飾品」とは、かつら(ウィッグ)、ヘアピース、ブレード、エクステンション、ウイービングなどの人工毛髪製品をいい、さらには、人形の頭髪に使用される人工毛髪も含むものとする。
本発明に係る人工毛髪用繊維の梱包方法によれば、梱包・輸送・保存時における折りぐせの発生を最低限に抑え、加工性や美容特性を損なわずに人工毛髪用繊維を梱包することができる。
本発明に係る人工毛髪用繊維の梱包方法では、人工毛髪用繊維を梱包容器に充填する際、充填密度を0.1kg/l以上0.8kg/l以下とする。
折りぐせは、梱包容器内で人工毛髪用繊維束同士が重なり合った部位や、容器隅で繊維束が折れ曲がった部位で生じることが多い。梱包容器へ人工毛髪用繊維を過度に密に充填すると、繊維束のうち繊維束同士が重なり合った部位や容器隅にあたる部位が大きな加重を受けて折れ曲がり、折りぐせの原因となる。また、梱包容器内での繊維束の位置にあそびがなくなって繊維束の位置が固定されてしまい、繊維束の同じ部分が定常的に重なり合ったり、容器隅に位置することとなり、折りぐせが生じやすくなる。
逆に、梱包容器への人工毛髪用繊維の充填があまりに疎であると、輸送や保存の効率が低下する。また、梱包容器の積み上げ時に、容器が不安定となったり、強度が不十分となって潰れてしまう可能性がある。
従って、梱包容器への人工毛髪用繊維の充填密度は、0.1〜0.8kg/lが適当であり、望ましくは0.3〜0.6kg/lがよい。この充填密度範囲とすることにより、輸送や保存の効率を維持しつつ、折りぐせの発生を抑制することが可能となる。
梱包容器への人工毛髪用繊維の充填工程は、従来公知の方法により行うことができる。一般には、溶融紡工程、延伸工程、熱弛緩工程等を経て得られた単繊維を一定の総繊度にまで束ねて繊維束とし、この繊維束をシュートから容器内へ振り落として充填する方法(「振り込み」と呼ばれる方法)が採用されている。この際、容器内に予め内袋を入れておき、内袋内に繊維束を振り込んでもよい。
一般に、振り込みは、容器内へ繊維束を均一に充填するため、シュートと容器をともに回転させながら行なわれる。具体的には、例えば、シュートを、繊維束の落下位置が容器の中心からやや外れた位置を中心とした小円を描くように回転させる。さらに、容器を回転させることで、この落下位置を容器と中心を一にする大円を描くように移動させる。これにより、繊維束を容器内に均一に堆積させることができる。本発明においても、このような方法を好適に採用できる。
振り込み時には、繊維束の総繊度とシュートへの導入速度を調整することにより、単位時間当たりの繊維束の振り込み重量(m)(以下、吐出速度ともいう)の制御を行なう。
繊維束の総繊度は、後述する熱弛緩工程後の単繊維の繊度、及び、単繊維の収束量によって決定される。また、繊維束のシュートへの導入は、熱弛緩処理工程と連動しているため、繊維束のシュートへの導入速度は、熱弛緩処理の温度(熱量)によって決定される。すなわち、処理温度を高くするほど速やかに熱弛緩が行なわれ、繊維束のシュートへの導入速度は大きくなる。
振り込みは、繊維束の充填密度が上述の範囲となるまで行なう。このときの振り込み時間をtとすると、吐出速度(m)と振り込み時間(t)の積(梱包重量:「m×t」)は、梱包容器の容積(V)と充填密度(D)の積(「V×D」)に等しくなる。
充填完了後、シュート及び容器の回転を停止し、繊維束を切断する。このとき、充填された人工毛髪用繊維はその嵩高性のために、一部が容器開口部から容器外へ膨出した状態となっている場合がある。このような場合、容器を梱包するにあたっては、蓋で人工毛髪用繊維を押し込むようにして閉蓋することが必要となる。本発明に係る人工毛髪用繊維の梱包方法では、この際に人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力が、0.1kPa以上8.0kPa以下となるようにする。
梱包容器天面への人工毛髪用繊維からの圧力が過度に大きい場合(換言すると、容器天面からの人工毛髪用繊維への圧力が過度に大きい場合)、やはり繊維束のうち繊維束同士が重なり合った部位や容器隅にあたる部位に大きな加重がかかり、折りぐせの原因となる。また、梱包容器内での繊維束の位置にあそびがなくなって繊維束の同じ部分が定常的に重なり合ったり、容器隅に位置することとなり、折りぐせが生じやすくなる。
逆に、梱包容器内壁から人工毛髪用繊維へ加えられる圧力があまりに小さい場合、輸送の際に容器内で繊維束がほどけ、ばらけた繊維束どうしが絡み合うおそれが生じる。人工毛髪製品の加工時には、梱包容器から繊維束を繰り出す必要があるが、このとき繊維束に絡みが生じていると、繊維束の繰り出し性が悪く、加工作業の効率が著しく低下することとなる。
従って、梱包容器閉蓋時の人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力は、0.1〜8.0kPaが適当であり、望ましくは1.0〜6.0kPaがよい。この圧力範囲とすることにより、折りぐせの発生を抑制し、さらに繊維束の良好な繰り出し性を得ることが可能となる。
梱包工程は、通常用いられる梱包装置を使用すればよく、また手作業でおこなってもよい。梱包された人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力は、下記の方法により測定することができる。測定は梱包の都度行ってもよいが、予め使用する梱包容器について上記圧力範囲を与え得る梱包重量(「m×t」)を下記方法に従って求めておけば、梱包の都度の測定を行う必要はない。
梱包された人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力の測定方法を具体的に説明すると、予め使用する梱包容器について、天面の面積(T)と空重量(a)及び空容器の閉蓋に必要な蓋への押圧力(c)を求めておく。
次に、上記充填工程において所定の梱包重量(上記「m×t」)の人工毛髪用繊維を充填した梱包容器(重量(d)=「m×t+a」)について、重量を計測しながら、蓋の所定の部位を保持して容器本体を閉蓋し、蓋が完全に閉じた状態とされるまでの間の最大重量(e)を測定する。
そして、充填後の容器の閉蓋に必要な蓋への押圧力(f)=「e−d−c」を、天面の面積(T)で除すことで(「f/T」)、梱包された人工毛髪用繊維から梱包容器天面に付与される圧力(g)を求めることができる。
梱包装置にて梱包を行なう場合には、重量計測手段及び圧力(g)を求めるための演算手段を備えた装置を用い、圧力(g)をモニターしながら梱包作業を行ってもよい。重量計測手段としては、通常用いられる重量計であって、梱包容器を載置して重量を計測するものを用いることができる。また、演算手段としては、汎用のコンピューター及びプログラムを使用すればよい。梱包装置には、圧力(g)が上述の0.1kPa〜8.0kPaの範囲外となった場合には、作業を停止したり、アラームを発生させる機能を付与することが望ましい。
本発明に係る人工毛髪用繊維の梱包方法に用いる梱包容器は、容器の底面積(S)(cm)を、高さ(H)(cm)で除した値(S/H)(cm)が、30以上300以下とする。
S/Hが300より大きい(高さに対して底面積が広い)場合、梱包容器から繊維束を繰り出す際に、繊維束が他の繊維束に接触する機会が多くなり、繊維束がより絡み合いやすくなる。
また、S/Hが30未満では、底面積に対して容器の高さが高くなるため、梱包容器の積み上げ時に、容器が不安定となったり、強度が不十分となって潰れてしまう可能性がある。
従って、梱包容器のS/Hは、30〜300が適当であり、望ましくは50〜250がよい。この比率範囲とすることにより、好適な繊維束の繰り出し性と梱包容器の段積み強度を得ることが可能となる。
梱包容器は、一般的には紙製の段ボールが用いられているが、プラスチック製等であってもよく、その材質は特に限定されない。また、梱包容器の大きさや形状についても特に限定はない。
一般に、梱包された人工毛髪用繊維は、加工時に取り出され、必要な所定の長さ(十数センチから数十センチ)にカットされ、必要な色や長さの毛を混合(ハックリング)した後、ミシンでミノ毛に加工され、さらにカールセット工程、縫製、仕上げ工程を経て製品となる。このとき、従来の梱包方法では、人工毛髪用繊維に折りぐせがつくことがあり、これを修正するために手間がかかって作業効率が著しく低下してしまうという問題があった。また、得られるミノ毛及び頭髪装飾品(製品)も、毛の流れや厚みの均一性を欠き、美容特性に問題を生じていた。
これに対して、本発明に係る人工毛髪用繊維の梱包方法によれば、折りぐせいのない人工毛髪用繊維を得ることができるため、高い作業効率を実現できる。また、得られるミノ毛及び製品も、毛の流れや厚みの均一性が良好で、優れた美容特性を発揮する。
本発明で用いる人工毛髪用繊維の平均繊度は30〜100dtex、より好ましくは40〜90dtex、さらに好ましくは50〜80dtexである。人工毛髪用繊維の平均繊度が30dtex未満だと、櫛掛け性が悪くなる場合がある。一方、繊度が100dtexを超えると、繊維が剛直になって見栄えが悪くなる場合がある。なお、平均繊度は、繊維束から単繊維を無作為に100本選び、該単繊維1mの重さ「M」を測定し1万mに換算して「M×10/100」により算出した。
また、人工毛髪用繊維としては、種々の合成繊維を採用可能である。特に、塩化ビニル系、アクリル系、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ナイロン系、ポリ乳酸系が実用的に使用され、特に塩化ビニル系、アクリル系が好適である。さらに好ましくは、強度、光沢、色相、難燃性、感触、熱収縮性などの特性から塩化ビニル系繊維がよい。以下に塩化ビニル系繊維の具体例について説明する。
塩化ビニル系繊維に使用される塩化ビニル系樹脂は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等によって得られたものを使用できるが、単繊維の初期着色性等を勘案して、懸濁重合によって製造したものを使用するのが好ましい。
塩化ビニル系樹脂とは、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、又は従来公知の各種のコポリマー樹脂であり、特に限定されるものではない。該コポリマー樹脂としては、従来公知のコポリマー樹脂を使用できる。例えば、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂;塩化ビニル−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂;塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピレンコポリマー樹脂などの塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂;塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー樹脂などが代表的に例示される。特に好ましくは、塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂などを使用することが好ましい。該コポリマー樹脂において、コモノマーの含有量は、成形加工性、繊維特性などの要求品質に応じて決めることができる。コモノマーの含有量は、好ましくは2〜30質量%であり、特に好ましくは2〜20質量%である。
塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度は、600〜2500が好ましく、600〜1800がより好ましい。塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度が600未満だと、溶融粘度が低下して得られる単繊維が熱収縮しやすくなる恐れが有る。一方、粘度平均重合度が2500を超えると、溶融粘度が高くなるためノズル圧力が高くなり安全な製造が困難になる恐れが有る。なお、粘度平均重合度は、樹脂200mgをニトロベンゼン50mlに溶解させ、このポリマー溶液の比粘度を30℃恒温槽中において、ウベローデ型粘度計を用いて測定し、JIS−K6720−2により算出した。
熱安定剤は、従来公知のものが使用できる。中でも、Ca−Zn系熱安定剤、ハイドロタルサイト系熱安定剤、錫系熱安定剤、ゼオライト系熱安定剤から選択される1種又は2種以上を使用するのが望ましい。熱安定剤は、成形時の熱分解、ロングラン性、フィラメントの色調を改良するために使用するもので、特に好ましくは、成形加工性、糸特性のバランスが優れている、Ca−Zn系熱安定剤とハイドロタルサイト系熱安定剤の併用が好ましい。これらの熱安定剤は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部であり、さらに好ましくは0.3〜3.0質量部使用する。ハイドロタルサイト系熱安定剤は、具体的にはハイドロタルサイト化合物であり、さらに具体的には、マグネシウム及び/又はアルカリ金属とアルミニウムあるいは亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる複合塩化合物であり、結晶水を脱水したものがある。又、ハイドロタルサイト化合物は、天然物であっても合成品であってもよく、合成品の合成方法は、従来公知の方法でよい。
本発明の繊維束形成用の樹脂組成物には塩化ビニル系樹脂以外に、目的に応じて塩化ビニル樹脂に使用される従来公知の添加剤が混合される。例えば、滑剤、相溶化剤、加工助剤、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、香料等がある。
次に、本発明の人工毛髪用繊維束の製造方法について簡単に説明する。使用する樹脂組成物は、従来公知の混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等を使用して混合してなるパウダーコンパウンド、又は、これを溶融混合してなるペレットコンパウンドとして使用することができる。パウダーコンパウンドの製造は、従来公知の通常の条件で製造でき、ホットブレンドでもコールドブレンドでも良いが、特に好ましくは、樹脂組成物中の揮発分を減少する為に、ブレンド時のカット温度を105〜155℃迄上げてなるホットブレンドを使用するのが好ましい。ペレットコンパウンドは、通常の塩化ビニル系ペレットコンパウンドの製造と同様にして製造できる。例えば、単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機、同方向2軸押出機、コニーダー、プラネタリーギアー押出機、ロール混練り機等の混練り機を使用して、ペレットコンパウンドとすることができる。ペレットコンパウンドを製造する際の条件は、特に限定はされないが、樹脂温度を185℃以下になる様に設定することが望ましい。
樹脂組成物を繊維状の未延伸糸にするのは、従来公知の紡糸法によって行われる。紡糸法は特に限定されないが、溶融紡糸法が好ましい。溶融紡糸を行う際には従来公知の押出機を使用できる。例えば単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機等を使用できるが、特に好ましくは、口径が35〜85mmφ程度の単軸押出機、又は口径が35〜50mmφ程度のコニカル押出機を使用するのが良い。口径が過大になると、押出量が多くなり、ノズル圧力が過大になり、未延伸糸の流出速度が早過ぎて、巻取りが困難になる場合がある。
溶融紡糸においては、従来公知のノズルを用いることが可能である。所望の単繊維の横断面形状と同様の形状をしたノズルをダイ(紡糸金型)の先端部に取り付けて溶融紡糸を行う。頭髪装飾用としてのカール特性などの品質面を勘案すれば、塩化ビニル系樹脂組成物は、ノズル孔の断面積が0.5mm以下の複数のノズル孔をダイに配列してなるマルチタイプのノズル孔(ノズル孔数は、50〜300。ノズル配列数は1〜5。)からストランドを溶融・流出せしめて、単繊度が300dtex以下の未延伸糸を製造することが好ましい。
具体的には樹脂組成物のペレットコンパウンド等を、例えば、単軸押出機を使用して金型温度160〜190℃、より好ましくは165〜185℃で溶融紡糸することによって未延伸糸が得られる。該未延伸糸の繊度が300dtexを超えると、細繊度の単繊維を得るためには、延伸処理の際に延伸倍率を大きくする必要があるので、延伸処理を施した後の細繊度の単繊維に光沢が出て、半艶〜七部艶状態を維持することが困難となる場合がある。また、溶融紡糸の際、ノズル圧力は50MPa以下で紡糸するのが好ましい。ノズル圧力が50MPaを超えると、押出機のスラスト部にかかる負荷が過大になり、押出機に不具合を発生し易くなる、又、ターンヘッド、ダイ等の接続部から「樹脂漏れ」を発生する場合がある。
溶融紡糸で得られた未延伸糸に公知の方法で延伸処理・熱処理を施すことにより、100dtex以下の細繊度の単繊維(延伸糸)を得ることができる。延伸処理条件としては、延伸処理温度90〜120℃の雰囲気下で、延伸倍率は、200〜400%程度延伸することが特に好ましい。延伸処理温度が90℃未満であると単繊維の強度が低くなると共に、糸切れを発生し易く、逆に120℃を超えると単繊維の触感がプラスチック的な滑り触感が悪くなる場合がある。また、延伸倍率が200%未満であると単繊維の強度発現が不十分となり、400%を超えると延伸処理時に、糸切れが発生しやすくなる場合がある。
さらに、延伸した単繊維を110〜140℃の温度に保持した空気雰囲気下で熱弛緩処理前の60〜95%の長さになるまで熱弛緩処理することにより、熱収縮率を低下させることができる。該熱弛緩処理は、延伸処理と連動して実施することもできるし、切り離して実施することもできる。又、本発明においては、従来公知の溶融紡糸に関わる技術、例えば、各種ノズル横断面形状に関わる技術、加熱筒に関わる技術、延伸処理に関わる技術、熱処理に関わる技術等は、自在に組み合わせて使用することが可能である。
以上、塩化ビニル系繊維を例に、人工毛髪用繊維の製造方法について詳しく説明した。なお、人工毛髪用繊維は、種々の合成繊維を採用可能であることは先に述べた通りであり、使用する熱安定剤や添加剤、紡糸法や延伸/熱弛緩処理の条件等も、合成繊維に応じて適宜最適なものが採用される。例えば、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー樹脂繊維を使用する場合の紡糸法としては、共重合体樹脂をアセトンに溶解して紡糸原液を調製し、この原液を紡糸ノズルからアセトン水溶液中に紡出する溶液紡糸法が採用される。
本発明に係る人工毛髪用繊維の梱包方法は、このような種々の合成繊維からなる人工毛髪用繊維に広く適用することが可能である。
<実施例1>
(A)人工毛髪用繊維の製造
塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ社製、TH−1000:粘度平均重合度1000)100質量部、ハイドロタルサイト系複合安定剤(日産化学工業社製、CP−410A)3質量部、エポキシ化大豆油(旭電化工業社製、O−130P)0.5質量部、及びエステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.8質量部を含有する混合物をヘンシェルミキサ−を使用し、100℃まで攪拌昇温させて樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、高密度断面形状(図1(A)参照)のノズル断面を有する紡糸金型(ノズル断面積0.06mm、孔数120)を用いて、175〜185℃で制御した40mm単軸押出機により、金型温度180℃及び押出し量10kg/hで溶融紡糸して、平均繊度160dtexの未延伸糸を得た。
続いて、溶融紡糸した繊維を100℃の空気雰囲気下で300%に延伸し、140℃の空気雰囲気下で、繊維の全長が処理前の75%の長さに収縮するまで熱弛緩処理を行って平均繊度65dtexの人工毛髪用繊維を得た。
(B)容器への充填・梱包
上記の人工毛髪用繊維を総繊度1,707,000dtexとした繊維束とし、振り込みによって紙製段ボール(縦45cm、横45cm、高さ20cm、底面積(S)/高さ(H)=101)に充填した。
シュートには、繊維束が導入される上方部を垂直に、繊維束が排出される下方部を「く」の字状に折り曲げて形成したものを用いた。シュートの回転は、回転軸を段ボール底面の中心に一致させ、40rpmで行なった。この際、「く」の字状に形成したシュート下方部の繊維束排出口は、段ボール底面の中心から15cm外れた位置を円周上に移動する。
さらに、段ボールを、底面の中心を中心軸として、回転数を10〜30rpmに変化させながら回転させた。
このように、シュートと段ボールを回転させることで、振り込まれる繊維束が段ボール内で描く円周の径を変化させながら充填を行ない、繊維束を段ボール内に均一に充填した。
吐出速度は3kg/minとし、充填密度が0.5kg/lとなるまで充填を行なった。
充填後、段ボールを閉蓋する際に、梱包された人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力を、以下のようにして測定した。
(1)空段ボールの空重量(a)を測定する。本実施例において、重量(a)は1.4k gであった。
(2)空段ボールを重量計に載置し重量を計測しながら、段ボールの天面蓋を順次手で折 り込み、天蓋面の中央を手で押圧して天面蓋を閉じた状態とした際の重量(b)を 測定する。重量(b)は2.4kgであった。
(3)「b−a」により、空段ボールの閉蓋に必要な天面蓋への押圧力(c)を求める。 押圧力(c)は、1.0kgであった。
(4)次に、段ボールへの上記充填密度(0.5kg/l)で繊維束を充填し、重量 (d)を測定する。重量(d)は20.25kgであった。
(5)充填後の段ボールを重量計に載置し重量を計測しながら、段ボールの天面蓋を順次 折り込み、段ボール外へ膨出した繊維束ごと天蓋面の中央を手で押圧して天面蓋を 閉じた状態とした。この際の重量(e)は78.45kgであった。
(6)「e−d−c」により、充填後の段ボールの閉蓋に必要な蓋への押圧力(f)を求 める。押圧力(f)は57.2kgであった。
(7)充填後の梱包重力(f)を、天面の面積(T=45cm×45cm)で除して、梱 包された人工毛髪用繊維から段ボール天面に付与される圧力(g)を求める。圧力 (g)は、2.7kPaであった。
(C)評価
(1)折りぐせのつきやすさ
梱包体を、温度60℃、相対湿度50%の雰囲気下で72時間静置した後、繊維束の中から30cmの単糸を10本採取した。採取した単糸について、「糸が撓んだ状態における両端間の直線距離(L)(cm)/糸の実長(L)(cm)」の平均値を求め、以下の評価基準により折りぐせのつきやすさを評価した。
「良」:L/Lが85以上(折りぐせがつかないもの)
「可」:L/Lが75以上85未満(僅かに折りぐせがつくもの)
「不良」:L/Lが75未満(折りぐせが顕著なもの)
(2)繰り出し性
梱包体を、振とう機(Yamato Shaker MODEL SA-31)を用いて、一定速度条件(207往復/分)で6時間振とうした後、繊維束の一端を掴み、順次容器外へ繰り出した。この際の繰り出しやすさを、以下の基準により評価した。
「1」:繊維束がほとんどほぐれ、絡み合い、繊維束を全く繰り出せない状態。
「2」:繊維束がほぐれ、絡み合い、繊維束は繰り出せるが困難な状態。
「3」:繊維束のほぐれはごくわずかであり、絡み合いも観察されるが、繊維束を最後まで無理なく繰り出せる状態。
「4」:繊維束のほぐれはごくわずかであり、絡み合いもない状態で、繰り出し性が良好な状態。
「5」:繊維束のほぐれがなく、絡み合いもない状態で、繰り出し性が良好な状態。
(3)引きつりにくさ
梱包体を、振とう機(Yamato Shaker MODEL SA-31)を用いて、一定速度条件(207往復/分)で6時間振とうした後、繊維束の一点を容器底面の中心から上方50cmの高さの位置に固定した状態で、繊維束を手で繰り出した。この際の引きつりにくさを、以下の基準により評価した。
「1」:繊維束を繰り出すことができないため、評価自体が不可能な状態。
「2」:他の繊維束を引きずり持ち上げかけ、他の繊維束にほつれを生じさせるため、繰り出し終盤になると、繰り出した繊維束にほつれた部分が多く見受けられる状態。
「3」:他の繊維束を引きずり持ち上げかけるが、繰り出し時には完全にほぐれ、作業上支障がない状態。
「4」:ごくわずかに他の繊維束を引きずる程度であり、繰り出し作業自体は良好な状態。
「5」:他の繊維束を引きずることがなく、繰り出し性が良好な状態。
評価結果を、「表1」に示す。
結果、折りぐせのつきやすさは、L/Lは94であり、「良」と判断された。また、繰り出し性及び引きつりにくさも良好であり、ともに「5」と評価された。
<実施例2−8>
実施例2−8では、充填密度の検討を行った。充填密度以外は、実施例1と同様の条件で梱包を行った。
実施例2では、充填密度を0.3kg/lとした。このとき、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力は、0.2kPaであった。同様に、実施例3では充填密度0.4kg/l(容器天面に対する圧力0.8kPa)、実施例4では充填密度0.6kg/l(同5.3kPa)、実施例5では充填密度0.1kg/l(同0kPa)、実施例6では充填密度0.2kg/l(同0kPa)、実施例7では充填密度0.7kg/l(同7.8kPa)、実施例8では充填密度0.8kg/l(同10.5kPa)とした。
結果、実施例2−8全てで、折りぐせのつきやすさは、L/Lは79以上であり、「可」と判断された。また、繰り出し性及び引きつりにくさも好適であり、全て「3」以上と評価された。特に、実施例2−4では、L/Lが90以上であり、繰り出し性及び引きつりにくさも「4」以上と、良好な評価が得られた。
<実施例9−16>
実施例9−16では、容器形状(底面積(S)/高さ(H))について、検討を行った。段ボールの縦・横をそれぞれ45cm、横45cmとしたまま、高さを変更することにより、S/Hを変化させた。
実施例9−12では、容器形状以外の条件を、実施例1と同条件にして梱包を行った。実施例9では、S/Hを216とした。このとき、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力は2.6kPaであった。同様に、実施例10ではS/Hを300(容器天面に対する圧力2.4kPa)、実施例11ではS/Hを360(同2.3kPa)、実施例12ではS/Hを490(同2.0kPa)とした。
結果、実施例9−12全てで、折りぐせのつきやすさは、L/Lは94であり、「良」と判断された。また、繰り出し性及び引きつりにくさも好適であり、全て「3」以上と評価された。特に、実施例9及び10では、繰り出し性及び引きつりにくさが「4」以上と、良好な評価が得られた。
次に、実施例13−16では、容器形状以外の条件を、実施例8と同条件にして梱包を行った。実施例13では、S/Hを216とした。このとき、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力は10.3kPaであった。同様に、実施例14ではS/Hを300(容器天面に対する圧力10kPa)、実施例15ではS/Hを360(同9.8kPa)、実施例16ではS/Hを490(同9.5kPa)とした。
結果、実施例13−16全てで、折りぐせのつきやすさは、L/Lは79であり、「可」と判断された。また、繰り出し性及び引きつりにくさも好適であり、全て「3」以上と評価された。
<比較例1>
比較例1では、充填密度を低くした場合について検討を行った。充填密度を0.05kg/Lとした以外は、実施例1と同様の条件で梱包を行った。このとき、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力は、0kPaであった。
結果、折りぐせのつきやすさは、L/Lは97であり、「良」と判断された。しかし、繰り出し性及び引きつりにくさはともに評価「1」であり、繊維束を繰り出せない状態であった(「表2」参照)。
<比較例2−5>
比較例2−5では、充填密度を低くした上で、容器形状について検討を行った。比較例2−5は、充填密度を0.05kg/lとした以外は、それぞれ実施例9−12と同様の条件で梱包を行った。このとき、比較例2−5のいずれの場合も、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力は、0kPaであった。
結果、折りぐせのつきやすさでは、L/Lは97であり、「良」と判断された。しかし、繰り出し性及び引きつりにくさはともに評価「1」であり、繊維束を繰り出せない状態であった。
<比較例6−7>
比較例6及び7では、充填密度を高くした場合について検討を行った。充填密度を0.90又は1.00kg/lとした以外は、実施例1と同様の条件で梱包を行った。このとき、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力は、それぞれ12.4,14.3kPaであった。
結果、比較例6では、繰り出し性及び引きつりにくさはともに「5」と、良好な評価であったが、折りぐせのつきやすさは、L/Lは67であり、「不良」と判断された。また、比較例7では、L/Lは55となり、顕著な折ぐせの発生が認められた。
以上の結果より、梱包容器への人工毛髪用繊維の充填密度を0.1〜0.8kg/lの範囲とすることにより、また、さらに好適には0.3〜0.6kg/lの範囲とすることにより、折りぐせの発生を抑え、かつ、良好な繰り出し性及び引きつりにくさを得られることが明らかとなった。
また、この際、梱包された人工毛髪用繊維からの梱包容器天面に対する圧力や、容器形状(S/H)を適切な範囲に設定することにより、さらに折りぐせの発生を抑え、繊維束の繰り出し性や引きつりにくさを向上させることができることが示された。
<実施例17−32、比較例8−14>
実施例17−32及び比較例8−14では、異なる断面形状を有する人工毛髪用繊維を用いて検討を行った。
すなわち、樹脂組成物を、低密度断面形状(図1(B)参照)のノズル断面を有する紡糸金型(ノズル断面積0.06mm、孔数120)を用いて、溶融紡糸して得た人工毛髪用繊維を用いた。この人工毛髪用繊維の平均繊度は160dtex(未延伸糸)であった。続いて、溶融紡糸した繊維を100℃の空気雰囲気下で300%に延伸し、140℃の空気雰囲気下で、繊維の全長が処理前の75%の長さに収縮するまで熱弛緩処理を行って平均繊度65dtexの人工毛髪用繊維を得た。
実施例17は、低密度断面形状人工毛髪用繊維について、実施例1と同様の条件で梱包を行った。また、実施例18−32及び比較例8−14では、対応する上記実施例2−16及び比較例1−7において、人工毛髪用繊維を低密度断面形状のものに変えて検討を行ったものである。
評価結果を、「表3」及び「表4」に示す。
結果、低密度断面形状人工毛髪用繊維においても、充填密度は、0.1〜0.8kg/lが適当であり、特に0.3〜0.6kg/lが好適であることが明らかとなった。なお、低密度断面形状人工毛髪用繊維では、充填密度0.2kg/lにおいても、折りぐせのつきやすさ、繰り出し性及び引きつりにくさにおいて良好な結果が得られた。
また、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力や、容器形状S/Hを適切な範囲とすることにより、さらに折りぐせの発生を抑え、繰り出し性や引きつりにくさを向上させることができることも明らかとなった。
<実施例33−48、比較例15−21>
実施例33−48及び比較例15−21では、アクリル樹脂製人工毛髪用繊維を用いて検討を行った。
アクリル樹脂製人工毛髪用繊維には、市販の製品(カネカ:KL−Sを用いた。断面形状は亜鈴型(図1(A)の低密度断面形状に類似)、平均繊度は55dtexである。
実施例33は、アクリル樹脂製低密度断面形状人工毛髪用繊維について、実施例1と同様の条件で梱包を行った。また、実施例33−48及び比較例15−21では、対応する上記実施例2−16及び比較例1−7において、人工毛髪用繊維をアクリル樹脂製低密度断面形状のものに替えて検討を行ったものである。
評価結果を、「表5」及び「表6」に示す。
結果、アクリル樹脂製低密度断面形状人工毛髪用繊維においても、充填密度は、0.1〜0.8kg/lが適当であり、特に0.3〜0.6kg/lが好適であることが明らかとなった。なお、アクリル樹脂製人工毛髪用繊維では、充填密度0.2kg/lにおいても、折りぐせのつきやすさ、繰り出し性及び引きつりにくさにおいて良好な結果が得られた。
また、人工毛髪用繊維から容器天面に付与される圧力や、容器形状S/Hを適切な範囲とすることにより、さらに折りぐせの発生を抑え、繰り出し性や引きつりにくさを向上させることができることも明らかとなった。
本発明は、かつら(ウィッグ)、ヘアピース、ブレード、エクステンション、ウイービングなどの人工毛髪製品に使用される人工毛髪用繊維の梱包、輸送、保存に利用される。
実施例で用いた人工毛髪用繊維の断面形状を表す模式図である。(A)高密度断面形状、(B)低密度断面形状。

Claims (4)

  1. 底面積(S)を高さ(H)で除した値(S/H)が101〜490である梱包容器に、塩化ビニル単独重合体樹脂製の人工毛髪用繊維を充填密度が0.1〜0.8kg/l、梱包された前記人工毛髪用繊維から前記梱包容器の天面に付与される圧力が0〜11.7kPaとなるように充填することを特徴とする人工毛髪用繊維の梱包方法。
  2. 底面積(S)を高さ(H)で除した値(S/H)が101〜490である梱包容器に、充填密度が0.1〜0.8kg/l、梱包された人工毛髪用繊維から前記梱包容器の天面に付与される圧力が0〜11.7kPaとなるように充填され、梱包された塩化ビニル単独重合体樹脂製の人工毛髪用繊維。
  3. 請求項記載の人工毛髪用繊維を用いてなる頭髪装飾品。
  4. 底面積(S)を高さ(H)で除した値(S/H)が101〜490である梱包容器に、塩化ビニル単独重合体樹脂製の人工毛髪用繊維を充填密度が0.1〜0.8kg/l、梱包された前記人工毛髪用繊維から前記梱包容器の天面に付与される圧力が0〜11.7kPaとなるように充填した人工毛髪用繊維の梱包体。
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