本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付した図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし本発明は以下で開示する実施形態に限られるものではなく相異なる多様な形態で具体化することができる。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指称する。
素子(elements)または層が他の素子または層の「上」と指称される場合において、層の真上だけでなく中間に他の層または他の素子を介在した場合をすべて含む。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指称する。「及び/または」は言及されたアイテムのそれぞれ及び一つ以上のすべての組み合わせを含む。
以下、添付した図面を参照して本発明の一実施形態による配線構造及び配線形成方法を説明する。図1は本発明の一実施形態による配線構造の断面図である。図2は本発明の一実施形態による配線構造の下部構造物との界面接触を示す模式図である。
図1を参照すると、下部構造物(lower structure)1上に銅窒化物を含むバリヤ膜(barrier layer)2aを介在して銅導電膜2bが形成されている。銅導電膜2bの上部にはキャッピング膜(capping layer)2cが位置する。
下部構造物1は配線2等が形成される面を提供し、配線等を支持する。下部構造物1は上部に形成される配線2とは他の構成を有しており、複数の構成要素、素子、層等が組み合わされている複合物(complex)だけでなく、一つの構成要素、素子、層等で構成された単一構造物であってもよい。例えばガラス等で構成された絶縁基板、アモルファスケイ素等で構成された半導体層、絶縁膜であってもよく、これらに制限されない。
下部構造物1上には銅または銅合金を含む銅導電膜2bが位置する。ここで銅は薄膜(thin flim)状態で抵抗率が2.1μΩcmに低く、価格が比較的低廉であって低抵抗配線に望ましく使われる。
下部構造物1と銅導電膜2b間には銅窒化物を含むバリヤ膜2aが位置する。バリヤ膜2aは銅導電膜2bと下部構造物1の接着力を増進させて、銅イオンが下部構造物1に拡散されることを防止する役割をする。銅は下部構造物1との接着力がよくなくて、銅導電膜2bを積層してパターニングする過程では浮き上がったり、むけたりする現象が発生することがあるので、バリヤ膜2aには銅窒化物が存在し、このような銅窒化物が接着力を増進させて前記したような現象を防止する。
ここで銅窒化物は銅と同じ系列の物質であるため銅に対する接着力が他の異種物質に比べて相対的に良好であり、蒸着及びエッチング等の製造工程が単純化されるという利点を有する。また、上部膜を構成する銅とエッチング選択比が小さくてエッチング速度が同様であるため一括エッチングに有利であり、良好なプロファイルを得ることができる。銅窒化物の例としてはCu3Nを挙げることができ、これに制限されない。
図2を参照すると、バリヤ膜2aに存在する銅窒化物は下部構造物との界面において銅より接着力が良いため銅窒化物がバリヤ膜2aと下部構造物1の界面に形成されることによって銅導電膜2bの接着力を促進することができる。このとき銅窒化物が界面に必ず連続的に位置しなければならないものではなく、非連続的に位置しても銅窒化物と銅間の接着力がある程度認められるため、結果的に銅の離脱を防止することができる。
また、バリヤ膜2aは銅導電膜2bから銅イオンが例えば半導体層と同じ下部構造物1に拡散することを防止して下部構造物1の特性を維持し、同時に下部構造物1の物質が銅導電膜2bに拡散することを防止して銅導電膜2bの抵抗率が増加されることを防止する。したがってバリヤ膜2aは望ましくはこのような拡散防止機能を担当するのに十分な量の銅窒化物を含むことがのぞましい。バリヤ膜2aにおける銅窒化物の含有量を全体の元素に対する窒素の原子百分率(atomic percent)で示せば、0.001atom%ないし50atom%の範囲であることがのぞましい。
再び図1を参照すると、バリヤ膜2aの厚さはバリヤ膜2a内の銅窒化物の含有量、すなわち窒素の原子百分率によって適切に調節することができる。例えば窒素の原子百分率が高ければバリヤ膜2aの厚さが薄くても構わないが、窒素の原子百分率が低い場合には十分な厚さを有する必要がある。また、下部構造物1との界面に位置する銅窒化物の量が多いほど薄く形成されることができる。理論的に前記界面に銅窒化物が連続的に位置する場合バリヤ膜2aの厚さは原子または分子水準の厚さでも接着力を確保することができる。しかし銅窒化物だけで連続的な界面を形成することが実際工程上難しいだけでなく、下部構造物1の特性によって導電性を有しなければならない場合にはむしろ非連続的に形成することが有利である。また、十分な拡散防止機能を担うためにはある程度の厚さが要求される。このようなことを考慮してバリヤ膜2aの厚さは例えば5nm以上100nm以下の範囲で調節されることができる。
一方バリヤ膜2aにはその形成工程によって銅または銅合金が含まれてもよいが、バリヤ膜2aと上部の銅導電膜2bが連続的に形成される場合にはその境界が不明なことがある。この場合バリヤ膜2aと銅導電膜2bを分ける基準として銅窒化物の含有量を考慮することができる。すなわち、少量の銅窒化物を含むとしても十分な導電性を示す範囲では銅導電膜2bに含ませることができる。反面、同じ高さ(level)の他の区間では銅窒化物を多量含んでいるが、特定の狭い区間では銅窒化物がほとんど存在しないとしても、全体でバリヤ膜2aの機能を有するならばバリヤ膜2aに含まれるといえる。したがってバリヤ膜2aの厚さは全体で平均的に示した厚さであり、区間によって微細に変わってもよい。
銅導電膜2bの上部には銅導電膜2bが化学物質と反応して腐蝕することを防止するためのキャッピング膜2cが形成されている。銅導電膜2bのパターニング工程に使われるエッチング液は銅を酸化及び腐蝕させて抵抗率を増加させる。したがって銅導電膜2bが直接エッチング液等に露出しないように上部にキャッピング膜2cを配置する。このときキャッピング膜は銅導電膜2bパターニング用エッチング液等に腐蝕されない、または耐化学性が強い物質を用いるが、銅導電膜2bと一括エッチングされる物質を用いることが工程単純化の側面で有利である。このような条件を満足させる物質としてはモリブデンまたはモリブデン合金があり、このような例としてMo、MoW、MoTi、MoNb、MoZr、MoTaまたはMoIn等を挙げることができる。一方後続工程がなかったり、後続工程で腐蝕等の問題が発生しない場合にはキャッピング膜2cは省略することができる。
続けて図1、図3及び図4を参照して前記したような配線構造を有する配線の形成方法の一実施形態に対して説明する。図3及び図4は本発明の一実施形態による配線形成方法の工程段階別断面図である。
図3を参照すると、先にガラス等の絶縁基板、半導体層、絶縁膜等の下部構造物1を準備する。続いて、下部構造物1上に例えば、窒素を含む雰囲気下で銅または銅合金をターゲットにしてスパッタリング(sputtering)を行う。このときスパッタリングに利用される気体で窒素以外にもアルゴン(Ar)を含んでもよい。非活性気体であるアルゴン気体がプラズマ状態でターゲットである銅等に衝突すれば、銅等は前記ターゲットから分離されてそのまま下部構造物1上に蒸着される。反面、窒素気体は反応性を有するためこれと衝突した銅等は窒素と反応して銅窒化物を形成する。このような銅窒化物が下部構造物1に蒸着されて接着促進及び拡散防止のバリヤ膜2aの機能を遂行することができるようになる。このとき、すべてのターゲット元素が窒素気体と反応するのではなく、アルゴン気体と衝突した銅原子、窒素気体と衝突したが反応しない銅原子などが蒸着されて銅窒化物と共にバリヤ膜2aを構成するようになる。
スパッタリングチャンバー内に存在するアルゴン気体と窒素気体は90:10ないし40:60の比率を有することができ、望ましくはスパッタリング初期には窒素の含量を高く維持してから、徐々に窒素の量を減らしてアルゴン気体の供給を増加させてもよい。そうすれば銅窒化物が下部構造物1との界面近所に多く蒸着されて、界面から遠くなるほど濃度が減少するようになる。バリヤ膜2aの窒素の含有量は0.001atom%以上50atom%以下の範囲を有することがのぞましく、バリヤ膜2aの厚さは例えば5nm以上100nm以下の範囲で調節されることがのぞましい。
続いて、バリヤ膜2a上に銅または銅合金をスパッタリング等で蒸着して銅導電膜2bを形成する。この段階はその以前の段階であるバリヤ膜2a形成段階から続いてin−situで行われることがのぞましい。具体的に同じチャンバー内で窒素の供給を中断して、アルゴン気体の量を増加させながら行う。またバリヤ膜2aと銅導電膜2bの境界を明確にするために窒素供給を中断した後、若干の換気タイムを置いて窒素気体をすべて取り出した次に銅導電膜2bスパッタリング工程を行うことができる。銅導電膜2bの厚さは100nm以上300nm以下、望ましくは150nm以上250nm以下で形成する。
続いて、銅導電膜2bの上部にアルゴン気体を利用したスパッタリングでキャッピング膜2cを形成する。ここでキャッピング膜2cを構成する物質である前記スパッタリングのターゲットとしては下部の銅導電膜2b及びバリヤ膜2aを構成する銅系物質と一括ウエットエッチングが可能な物質、すなわちエッチング選択比が小さな物質を用いることができ、モリブデンまたはモリブデン合金を用いることができる。モリブデン合金の例としてはMoW、MoTi、MoNb、MoZr、MoTaまたはMoIn等を挙げることができる。これによってバリヤ膜2a、銅導電膜2b及びキャッピング膜2cで構成される3層多重膜が形成される。
図4を参照すると、多重膜2上部にフォトレジストを塗布して、露光及び現像して配線を定義するフォトレジストパターン3を形成する。
続いて、図1に示したようにフォトレジストパターン3をエッチングマスクにしてキャッピング膜2c、銅導電膜2b及びバリヤ膜2aを順次的にエッチングする。ここでのエッチングはウエットエッチングで行なわれることができ、キャッピング膜2c、銅導電膜2b及びバリヤ膜2aのエッチング選択比が低いため同じエッチング液を用いて一括的にエッチングすることができる。エッチング液としては過酸化水素または硝酸をベースにするエッチング液を用いることができ、燐酸、酢酸などをさらに含むことができる。続いてフォトレジストパターン3を除去する。これによって図1に示したような配線2が形成される。
このように形成された配線2の接着程度、側面プロファイル等を確認するために前記したような製造方法で形成された配線構造の平面及び断面を微細撮影した。図5Aは本発明の一実施形態による方法で形成された配線構造の平面写真である。図5Bは本発明の一実施形態による方法で形成された配線構造の断面写真である。図5A及び図5Bにおいてそれぞれ相対的に明るく見える領域が配線領域である。ここで配線構造はCuNで構成されたバリヤ膜、Cuで構成された銅導電膜及びMoで構成されたキャッピング膜の三層膜構造を有するようにし、バリヤ膜、銅導電膜及びキャッピング膜の厚さがそれぞれ20nm、200nm及び50nmになるようにした。
図5A及び図5Bを参照すると、ウエットエッチング及びフォトレジスト膜除去等のパターニング工程後にも腐蝕等が発生しなくてきれいな配線パターンが形成され、銅導電膜を含む配線が下部構造物とよく接着していることが分かる。また、側面プロファイルをよく見れば、オーバーハング等が現われないで、良好なテーパー角を有することが分かる。したがって前記配線は低抵抗配線としての信号特性が良好であり、接着力及び側面プロファイルが良くて配線信頼度が高い。
以上説明した本発明の一実施形態による配線構造及び配線の形成方法は液晶表示装置、有機EL表示装置等に使われる薄膜トランジスタ基板、半導体素子、半導体装置等に適用されることができ、その他にも精密な配線パターンが要求されるいかなる分野にも適用可能である。以下薄膜トランジスタ基板に適用された例を説明するがこれに制限されるのではないことは明白である。
本明細書で使われる用語である「薄膜トランジスタ基板」は薄膜トランジスタを少なくとも一つ含む基板を言い、薄膜トランジスタと基板間に異なる構造物が介在されていたり、その上に異なる構造物が形成されていてもよい。
まず図6A及び図6Bを参照して前記したような配線構造を含む本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板に対して説明する。本発明の一実施形態による配線構造が同じく適用される部分に対しては本実施形態が当業者に明確に類推または理解することができる範囲内で説明を省略したり簡略化することがある。図6Aは本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の配置図であって、図6Bは図6AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
図6A及び図6Bに示したように絶縁基板10上にゲート信号を伝達する複数のゲート配線が形成されている。ゲート配線22、24、26、27、28は横方向にのびているゲート線22、ゲート線22の端に接続されていて外部からのゲート信号を印加を受けてゲート線に伝達するゲート終端24、ゲート線22に接続されて突起状に形成された薄膜トランジスタのゲート電極26、ゲート線22と平行に形成されている蓄積電極27及び蓄積電極線28を含む。蓄積電極線28は画素領域を横切って横方向にのびており、蓄積電極線28に比べて幅が広く形成されている蓄積電極27が接続される。蓄積電極27は後述する画素電極82と接続されたドレイン電極拡張部67と重なって画素の電荷保存能力を向上させる維持キャパシタを形成する。このような蓄積電極27及び蓄積電極線28の形態及び配置等は多様な形態に変形されることができ、画素電極82とゲート線22の重なりにより発生する蓄積キャパシタが十分な場合は形成しなくてもよい。
図6Bに示したようにゲート配線22、24、26、27は銅窒化物を含むバリヤ膜221、241、261、271、銅(Cu)または銅合金を含む銅導電膜222、242、262、272及びキャッピング膜223、243、263、273の3層多重膜で形成されている。また図面に直接的には図示されなかったが、蓄積電極線28も他のゲート配線22、24、26、27と同じ多重膜の構造を有する。以下で説明する多重膜構造のゲート配線には蓄積電極線28も含まれ、他のゲート配線22、24、26、27の多層構造上特徴が同じく適用される。
このような多重膜構造のゲート配線22、24、26、27、28には前記したような本発明の一実施形態による配線構造が適用される。ここでバリヤ膜221、241、261、271は上部の銅導電膜222、242、262、272の絶縁基板10に対する接着を補助して、絶縁基板10を構成する物質と銅導電膜222、242、262、272を構成する物質が相互拡散しないようにする。
基板10、ゲート配線22、24、26、27、28の上には窒化ケイ素(SiNx)等で構成されたゲート絶縁膜30が形成されている。
ゲート電極26のゲート絶縁膜30上部には水素化アモルファスケイ素等の半導体で構成された半導体層40が島状に形成されており、半導体層40の上部にはシリサイドまたはn型不純物が高農度でドーピングされたn+水素化アモルファスシリコン等の物質からなったオーミックコンタクト層55、56がそれぞれ形成されている。
オーミックコンタクト層55、56及びゲート絶縁膜30上にはデータ配線62、65、66、67、68が形成されている。データ配線62、65、66、67、68は縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62の分枝でありオーミックコンタクト層55の上部まで延長されているソース電極65、データ線62の一側端に接続されて外部からの画像信号を印加を受けるデータ終端68、ソース電極65と分離されていてゲート電極26または薄膜トランジスタのチャネル部に対してソース電極65の反対側オーミックコンタクト層56上部に形成されているドレイン電極66及びドレイン電極66から延長されて蓄積電極27と重なる広い面積のドレイン電極拡張部67を含む。
このようなデータ配線62、65、66、67、68はゲート配線22、24、26、27でのように銅窒化物を含むバリヤ膜621、651、661、671、681、銅(Cu)または銅合金を含む銅導電膜622、652、662、672、682及びキャッピング膜623、653、663、673、683の3層多重膜構造を有する。このような多重膜構造のデータ配線62、65、66、67、68には前記したような本発明の一実施形態による配線構造が適用される。ここでバリヤ膜621、651、661、671、681は下部構造物、すなわちここではオーミックコンタクト層55、56とゲート絶縁膜30に対する銅導電膜622、652、662、672、682の接着力を補完して、オーミックコンタクト層55、56とゲート絶縁膜30を形成する物質と銅導電膜622、652、662、672、682を構成する物質が相互拡散しないようにする。
ソース電極65は半導体層40と少なくとも一部分が重なって、ドレイン電極66はゲート電極26を中心にしてソース電極65と対向して半導体層40と少なくとも一部分が重なる。ここで、オーミックコンタクト層55、56はその下部の半導体層40と、その上部のソース電極65及びドレイン電極66間に存在してコンタクト抵抗を低める役割をする。
ドレイン電極拡張部67は蓄積電極27と重なるように形成されて、蓄積電極27とゲート絶縁膜30を間に置いて蓄積キャパシタが形成される。蓄積電極27を形成しない場合ドレイン電極拡張部(67)も形成しない。
ここでゲート電極26、その上に形成された半導体層40、オーミックコンタクト層55、56及びソース電極65とドレイン電極66が薄膜トランジスタを構成して、このとき半導体層40は薄膜トランジスタのチャネル部を形成する。本実施形態ではゲート電極26がチャネル部を含む半導体層40の下部に存在するいわゆる「ボトムゲート(bottom gate)」方式の薄膜トランジスタが採用されている。
データ配線62、65、66、67、68及びこれらが遮らない半導体層40上部には保護膜70が形成されている。保護膜70は例えば平坦化特性が良好であって感光性(photosensitivity)を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:F等の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化シリコン(SiNx)等で形成されてもよい。また、保護膜70を有機物質で形成する場合にはソース電極65とドレイン電極66間の半導体層40が露出された部分に保護膜70の有機物質が接触することを防止するために、有機膜の下部に窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiO2)で構成された絶縁膜(図示せず)がさらに形成されてもよい。
保護膜70にはドレイン電極拡張部67及びデータ線終端68をそれぞれ露出するコンタクトホール77、78が形成されており、保護膜70とゲート絶縁膜30にはゲート線終端24を露出するコンタクトホール74が形成されている。保護膜70上にはコンタクトホール77を介してドレイン電極66と電気的に接続されて画素に位置する画素電極82が形成されている。データ電圧が印加された画素電極82は上部表示板の共通電極と共に電界を生成することによって画素電極82と共通電極間の液晶層の液晶分子の配列を決定する。
また、保護膜70上にはコンタクトホール74、78を介してそれぞれゲート終端24及びデータ終端68と接続されている補助ゲート終端84及び補助データ終端88が形成されている。画素電極82と補助ゲート及びデータ終端86、88はITOで構成されている。
前記したような本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板は液晶表示装置等に適用されることができる。
続いて、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法に対して図6A及び図6Bと、図7Aないし図10Bを参照しながら詳細に説明する。本発明の一実施形態による配線形成方法が同じく適用される部分に対しては本実施形態が当業者に明確に類推または理解することができる範囲内で説明を省略したり簡略化することがある。
まず図7A及び図7Bに示したように、絶縁基板10上に銅窒化物を含むバリヤ膜221、241、261、271、銅または銅合金を含む銅導電膜222、242、262、272及びキャッピング膜223、243、263、273を例えばスパッタリング等の方法で順次的に積層したゲート多重膜を形成する。続いて、前記ゲート多重膜の上部にゲート配線22、24、26、27、28を定義するフォトレジストパターンを形成して、これをエッチングマスクにしてキャッピング膜223、243、263、273、銅導電膜222、242、262、272及びバリヤ膜221、241、261、271を順次的にまたは一括的にエッチングする。続いて前記フォトレジストパターンを除去する。これによってゲート線22、ゲート電極26、ゲート終端24、蓄積電極27及び蓄積電極線28を含むゲート配線22、24、26、27、28が完成する。このようなゲート配線22、24、26、27、28形成方法では本発明の一実施形態による配線形成方法が同じく適用される。したがって完成したゲート配線22、24、26、27、28は図5A及び図5Bで説明したようにウエットエッチング及びフォトレジスト膜除去工程後にも銅導電膜222、242、262、272を含むゲート配線22、24、26、27、28が下部構造物との接着が良好であり、側面プロファイルがオーバーハング等を示さず良好なテーパー角を有する。
続いて、図8A及び図8Bに示したように、窒化シリコン等で構成されたゲート絶縁膜30、真性アモルファスシリコン層及びドーピングされたアモルファスシリコン層を例えば、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)を利用してそれぞれ1500Åないし5000Å、500Åないし2000Å、300Åないし600Åの厚さに連続蒸着して、真性アモルファスシリコン層とドーピングされたアモルファスシリコン層をフォトエッチングしてゲート電極24上部のゲート絶縁膜30上に一部が島状の半導体層40とドーピングされた半導体層50を形成する。
続いて、図9A及び図9Bを参照すると、ゲート絶縁膜30及びオーミックコンタクト層50上にスパッタリング等の方法で銅窒化物を含むバリヤ膜621、651、661、671、681、銅または銅合金を含む銅導電膜622、652、662、672、682及びキャッピング膜623、653、663、673、683を順次的に積層したデータ多重膜を形成する。続いて、前記データ多重膜の上部にデータ配線62、65、66、67、68を定義するフォトレジストパターンを形成して、これをエッチングマスクにしてキャッピング膜623、653、663、673、683、銅導電膜622、652、662、672、682及びバリヤ膜621、651、661、671、681を順次的または一括的にエッチングしてチャネル部下部のドーピングされた半導体層50を露出する。続いて、前記フォトレジストパターンを除去する。これによってゲート線22と交差するデータ線62、データ線62と接続されてゲート電極26上部まで延長されているソース電極65、データ線62の一側端に接続されているデータ終端68、ソース電極65と分離されていてゲート電極26を中心にしてソース電極65と向き合うドレイン電極66及びドレイン電極66から延長されて蓄積電極27と重なる広い面積のドレイン電極拡張部67を含むデータ配線62、65、66、67、68が完成する。以上説明したデータ配線62、65、66、67、68形成方法では本発明の一実施形態による配線形成方法が同じく適用される。したがって完成したデータ配線62、65、66、67、68は図5A及び図5Bで説明したようにウエットエッチング及びフォトレジスト膜除去工程後にも銅導電膜622、652、662、672、682を含むデータ配線62、65、66、67、68が下部構造物との接着が良好であるとともに、側面プロファイルがオーバーハング等を示さずに良好なテーパー角を有する。
続いて、データ配線62、65、66、67、68に遮らないドーピングされた半導体層50をドライエッチングしてデータ配線62、65、66、67、68をゲート電極26を中心にして両側にオーミックコンタクト層55、56を形成して、その間の半導体層40を露出させる。このとき、ソース電極及びドレイン電極65、66をエッチングマスクにしてエッチングすることができ、前述した工程でデータ配線62、65、66、67、68を定義するフォトレジストパターンを除去しないでこれをそのままエッチングマスクとして用いてドーピングされた半導体層40をドライエッチングした次にフォトレジストパターンを除去することができる。これによってゲート電極26、その上に形成された半導体層40、オーミックコンタクト層55、56及びソース電極65とドレイン電極66で構成されており、ゲート電極26が半導体層40のチャネル部の下部に存在するボトムゲート方式の薄膜トランジスタが完成される。
続いて、図10A及び図10Bに示したように平坦化特性が良好であって感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:F等の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化シリコン(SiNx)等を単一層または複数層で形成して保護膜(passivation layer)70を形成する。
続いて、フォトエッチング工程でゲート絶縁膜30と共に保護膜70をパターニングして、ゲート終端24、ドレイン電極拡張部67及びデータ終端68を露出するコンタクトホール74、77、78を形成する。このとき感光性を有する有機膜である場合には写真工程だけでコンタクトホールを形成することができ、ゲート絶縁膜30と保護膜70に対して実質的に同じエッチング比を有するエッチング条件で実施することが望ましい。
続いて、最後に図5A及び図5Bに示したように、ITO膜を蒸着してフォトエッチングしてコンタクトホール77を介してドレイン電極66と接続される画素電極82とコンタクトホール74、78を介してゲート終端24及びデータ終端68とそれぞれ接続する補助ゲート終端84及び補助データ終端88を形成する。
本実施形態では半導体層が島状に形成されており、データ配線と相異なるパターンを有する薄膜トランジスタ基板及びその製造方法に対して説明したが、半導体層とデータ配線が実質的に同じパターンを有する薄膜トランジスタ基板及びその製造方法に対しても同じく適用することができる。これに対して図11A及び図11Bを参照しながら説明する。図11Aは本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の変形例の配置図である。図11Bは図11AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
図11A及び図11Bに示したように本変形例では半導体層42、44、48とオーミックコンタクト層52、55、56、58がデータ配線62、65、66、67、68と大体に同じパターンの線形に形成されていることを除いては図6A及び図6Bと大体に同一構造を有する。ただし、オーミックコンタクト層52、55、56、58はデータ配線62、65、66、67、68と実質的に同じパターンだが半導体層44はチャネル部で分離されないで接続している点が異なる。このような薄膜トランジスタ基板の製造方法は相異なるマスクを用いて半導体層とデータ配線を形成した本発明の一実施形態とは違ってスリットまたは半透過膜を含む一つのマスクを用いてデータ配線とオーミックコンタクト層及びデータ配線をパターニングする。その他の工程は本発明の一実施形態による製造方法と実質的に同じであり、当業者の立場で容易に実施することができるためそれに対する具体的な説明は省略する。
次に、図12Aないし図12Cを参照して本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板に対して説明する。本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板は有機EL表示装置等に使われることであって本発明の一実施形態による配線構造を含む。本実施形態では本発明の一実施形態による配線構造が同じく適用される部分に対しては当業者に明確に類推または理解することができる範囲内で説明を省略したり簡略化する。図12Aは本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の配置図であって、図12B及び図12Cはそれぞれ図12AのB−B’線及びC−C’線に沿って切断した断面図である。
絶縁基板10上に酸化シリコンまたは窒化シリコン等で構成された遮断層11が形成されていて、遮断層11上に多結晶シリコン等で構成された第1及び第2半導体層40a、40bが形成されている。第2半導体層40bには多結晶シリコン等で構成されたキャパシタ用半導体層40cが接続されている。第1半導体層40aは第1薄膜トランジスタ部405a、406a、402aを含んでおり、第2半導体層40bは第2薄膜トランジスタ部405b、406b、402bを含む。第1薄膜トランジスタ部405a、406a、402aのソース領域(405a、以下「第1ソース領域」と称する)とドレイン領域(406a、以下「第1ドレイン領域」と称する)はn型不純物でドーピングされていて、第2薄膜トランジスタ部405b、406b、402bのソース領域(405b、以下「第2ソース領域」と称する)とドレイン領域(406b、以下「第2ドレイン領域」と称する)はp型不純物でドーピングされている。駆動条件によっては第1ソース領域405a及びドレイン領域406aがp型不純物でドーピングされて第2ソース領域405b及びドレイン領域406bがn型不純物でドーピングされることができる。
半導体層40a、40b、40c上には酸化シリコンまたは窒化シリコン等で構成されたゲート絶縁膜30が形成されている。
ゲート絶縁膜30上には横方向にのびているゲート線22、ゲート線22に接続されて突起状に形成されて第1薄膜トランジスタのチャネル部402aと重なる第1ゲート電極26a、ゲート線22とは分離されて形成されて第2薄膜トランジスタのチャネル部402bと重なる第2ゲート電極26b及び第2ゲート電極に接続され、下部のキャパシタ用半導体層40cと重なっている蓄積電極27を含むゲート配線22、26a、26b、27が形成されている。
ゲート配線22、26a、26b、27は銅窒化物を含むバリヤ膜261a、261b、271、銅(Cu)または銅合金を含む銅導電膜262a、262b、272及びキャッピング膜263a、263b、273の3層多重膜に形成されている。また図面に直接図示されなかったが、ゲート線22も他のゲート配線26a、26b、27と同じ多重膜の構造を有する。以下で説明する多重膜構造のゲート配線にはゲート線22も含まれ、他のゲート配線26a、26b、27の多層構造上、同様の特徴を奏する。
このような多重膜構造のゲート配線22、26a、26b、27には本発明の一実施形態による配線構造が適用される。ここでバリヤ膜261a、261b、271は上部の銅導電膜262a、262b、272のゲート絶縁膜30に対する接着を補助して、絶縁基板10を構成する物質と銅導電膜262a、262b、272を構成する物質が相互拡散しないようにする。
ゲート配線22、26a、26b、27が形成されているゲート絶縁膜30上には第1層間絶縁膜71が形成されている。
第1層間絶縁膜71上にはデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bが形成されている。データ配線62、63、65a、65b、66a、66bは縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、駆動電圧を供給する駆動電圧線63、データ線62の分枝でコンタクトホール75aを介して第1ソース領域405aと接続されている第1ソース電極65a、第1ソース電極65aと離隔されて位置して第1ドレイン領域406aに接続されている第1ドレイン電極66a、駆動電圧線63の分枝でありコンタクトホール75bを介して第2ソース領域406aと接続されている第2ソース電極65b、第2ソース電極65bと離隔されて位置して第2ドレイン領域406bと接続されている第2ドレイン電極66bを含む。第1ドレイン電極66aは第1層間絶縁膜71とゲート絶縁膜30を貫通しているコンタクトホール76a、73を介して第1ドレイン領域406a及び第2ゲート電極26bと接触してこれらを相互に電気的に接続している。第2ドレイン電極66bは第1層間絶縁膜71とゲート絶縁膜30を貫通しているコンタクトホール76bを介して第2ドレイン領域406bと接続されている。
このようなデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bはゲート配線22、26a、26b、27でのように銅窒化物を含むバリヤ膜621、631、651a、651b、661a、661b、銅(Cu)または銅合金を含む銅導電膜622、632、652a、652b、662a、662b及びキャッピング膜623、633、653a、653b、663a、663bの3層多重膜構造を有する。
このような多重膜構造のデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bには前記したような本発明の一実施形態による配線構造が適用される。ここでバリヤ膜621、631、651a、651b、661a、661bは下部構造物、すなわちここでは半導体層405a、405b、406a、406bと第1層間絶縁膜71に対する銅導電膜621、632、652a、652b、662a、662bの接着力を補完して、半導体層405a、405b、406a、406bと第1層間絶縁膜71を形成する物質と銅導電膜622、632、652a、652b、662a、662bを構成する物質が相互拡散しないようにする。
ここで半導体層40a、40b、第1及び第2ゲート電極26a、26b、第1及び第2ソース電極65a、65b及び第1及び第2ドレイン電極66a、66bがそれぞれ第1及び第2薄膜トランジスタを構成する。第1薄膜トランジスタはスイッチング薄膜トランジスタであって第2薄膜トランジスタは駆動薄膜トランジスタである。本実施形態ではゲート電極26a、26bがチャネル部402a、402bを含む半導体層40a、40bの上部に存在するいわゆる「トップゲート(top gate)」方式の薄膜トランジスタが採用されている。
データ配線62、63、65a、65b、66a、66b上には窒化シリコン、酸化シリコンまたは有機絶縁物質等で構成された第2層間絶縁膜72が形成されており、第2層間絶縁膜72は第2ドレイン電極66bを露出するコンタクトホール72bを具備する。
第2層間絶縁膜72上部にはコンタクトホール72bを介して第2ドレイン電極66bと接続されている画素電極82が形成されている。画素電極82はアルミニウム(またはその合金)または銀(またはその合金)等の反射性が良好な物質で形成することができる。また、必要によっては画素電極82をITOまたはIZO等の透明な導電性物質で形成することができる。前記のような画素電極82を構成する物質は表示装置が薄膜トランジスタ基板の下方向に画像を表示するボトム放出(bottom emission)方式であるのかまたは上部方向に画像を表示するトップ放出(top emission)方式であるのか否かによって適切に選択されることができる。
第2層間絶縁膜72上部は有機絶縁物質からなっており、有機発光セルを分離させるための隔壁91が形成されている。隔壁91は黒色顔料を含む感光剤を露光、現像して形成することによって遮光幕の役割をするようにして、同時に形成工程も単純化することができる。隔壁91に囲まれた画素電極82上の領域には有機発光層92が形成されている。有機発光層92は赤色、緑色、青色のうちいずれか一つの光を放出する有機物質からなっており、赤色、緑色及び青色有機発光層92が順序通り反復して配置されている。
有機発光層92と隔壁91上にはバッファー層95が形成されている。バッファー層95は必要によって省略することができる。
バッファー層95上には共通電極100が形成されている。共通電極100はITOまたはIZO等の透明な導電性物質からなっている。もしも画素電極82がITOまたはIZO等の透明な導電性物質からなる場合には共通電極100はアルミニウム(またはその合金)または銀(またはその合金)等の反射性が良い金属で構成されることができる。
前記したような本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板は有機EL表示装置等に適用されることができる。
続いて、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法に対して図12Aないし図12C及び図13Aないし図18Cを参照しながら詳細に説明する。本実施形態で本発明の一実施形態による配線形成方法が同じく適用される部分に対しては明確に類推または理解することができる範囲内で説明を省略したり簡略化することがある。
図13Aないし図13Cを参照すると、基板10の上部に酸化シリコンなどを蒸着して遮断層11を形成して、遮断層11上にLPCVD(low temperature Chemical Vapor Deposition)、PECVE(plasma enhanced Chemical Vapor Deposition)等の方法でアモルファスシリコンを蒸着してパターニングする。続いて、例えばレーザーを照射したり熱を加えて多結晶シリコンに結晶化する。これによって多結晶シリコンで構成された半導体層40a、40b、40cが形成される。
図14Aないし図14Cを参照すると、半導体層40a、40b、40cが形成された遮断層11上に窒化シリコン等を例えば、CVDを利用して蒸着してゲート絶縁膜30を形成する。
続いてゲート絶縁膜30上に銅窒化物を含むバリヤ膜261a、261b、271、銅または銅合金を含む銅導電膜262a、262b、272及びキャッピング膜263a、263b、273を例えばスパッタリング等の方法で順次的に積層したゲート多重膜を形成する。
続いて、前記ゲート多重膜の上部に続いて、前記ゲート多重膜の上部に第1ゲート電極26a及びゲート線22を定義する第1フォトレジストパターンを形成する。このとき第2薄膜トランジスタのチャネル部402b領域を含んで第2ゲート電極26b及び蓄積電極27が形成される領域は前記第1フォトレジスト膜に覆われて保護される。続いて前記第1フォトレジストパターンをエッチングマスクにしてキャッピング膜263a、銅導電膜262a及びバリヤ膜261aを順次的にまたは一括的にエッチングする。
続いて第1薄膜トランジスタ部の半導体層40aにn型不純物イオンを注入して第1ゲート電極26a下部のチャネル部402aを定義して第1ソース領域405a及び第1ドレイン領域406aを形成する。続いて前記第1フォトレジストパターンを除去する。これによってゲート線22、第1ゲート電極26a及びチャネル部402a、第1ソース領域405aと第1ドレイン領域406aを具備する半導体層40aが完成する。
続いて、第2ゲート電極26b及び蓄積電極27を定義する第2フォトレジストパターンを形成する。このとき第1薄膜トランジスタチャネル部402a領域を含んで第1ゲート電極26a及びゲート線22領域が前記第2フォトレジスト膜に覆われて保護される。続いて前記第2フォトレジストパターンをエッチングマスクにしてキャッピング膜263b、273、銅導電膜262b、272及びバリヤ膜261b、271を順次的にまたは一括的にエッチングする。
続いて第2薄膜トランジスタ部の半導体層40bにp型不純物を注入して第2ゲート電極26b下部のチャネル部402bを定義して第2ソース領域405b及び第2ドレイン領域406bを形成する。続いて前記第2フォトレジストパターンを除去する。これによって第2ゲート電極26b、蓄積電極27及びチャネル部402b、第2ソース領域405bと第2ドレイン領域406bを具備する半導体層40bが完成する。
前記したようなゲート配線22、26a、26b、27形成方法には本発明の一実施形態による配線形成方法が同じく適用されることができる。したがって完成したゲート配線22、26a、26b、27は図5A及び図5Bで説明したようにウエットエッチング及びフォトレジスト膜除去工程後にも銅導電膜262a、262b、272を含むゲート配線22、26a、26b、27が下部構造物との接着性が良好で、側面プロファイルがオーバーハング等を示さない良好なテーパー角を有する。
図15Aないし図15Cを参照すると、ゲート配線22、26a、26b、27が形成されているゲート絶縁膜30上に第1層間絶縁膜71を積層して、ゲート絶縁膜30と共にフォトエッチングして第1ソース領域405a、第1ドレイン領域406a、第2ソース領域405b及び第2ドレイン領域406bをそれぞれ露出させるコンタクトホール75a、76a、75b、76bと第2ゲート電極26bの一部を露出させるコンタクトホール73を形成する。
図16Aないし図16Cを参照すると、続いて、第1層間絶縁膜71及びコンタクトホール75a、76a、75b、76bにより露出した半導体層40a、40b上にスパッタリング等の方法で銅窒化物を含むバリヤ膜621、631、651a、651b、661a、661b、銅または銅合金を含む銅導電膜622、632、652a、652b、662a、662b及びキャッピング膜623、633、653a、653b、663a、663bを順次的に積層したデータ多重膜を形成する。続いて、前記データ多重膜の上部にデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bを定義するフォトレジストパターンを形成して、これをエッチングマスクにしてキャッピング膜623、633、653a、653b、663a、663b、銅導電膜622、632、652a、652b、662a、662b及びバリヤ膜621、631、651a、651b、661a、661bを順次的にまたは一括的にエッチングする。これによって縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、駆動電圧を供給する駆動電圧線63、データ線62の分枝でコンタクトホール75aを介して第1ソース領域405aと接続されている第1ソース電極65a、第1ソース電極65aと離隔されて位置してコンタクトホール76aを介して第1ドレイン領域406aに接続されている第1ドレイン電極66a、駆動電圧線63の分枝でありコンタクトホール75bを介して第2ソース領域406aと接続されている第2ソース電極65b、第2ソース電極65bと離隔されて位置してコンタクトホール76bを介して第2ドレイン領域406bと接続されている第2ドレイン電極66bを含むデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bが完成する。以上説明したデータ配線62、63、65a、65b、66a、66b形成方法では本発明の一実施形態による配線形成方法が同じく適用される。したがって完成したデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bは図5A及び図5Bで説明したようにウエットエッチング及びフォトレジスト膜除去工程後にも銅導電膜622、632、652a、652b、662a、662bを含むデータ配線62、63、65a、65b、66a、66bが下部構造物とよく接着し、側面プロファイルがオーバーハング等を示さないで良好なテーパー角を有する。これによって半導体層40a、40b、その上に形成されたゲート電極26a、26b及びソース電極65a、65bとドレイン電極66a、66bで構成されており、ゲート電極26a、26bが半導体層40a、40bの上部に存在するトップゲート方式の第1及び第2薄膜トランジスタが完成される。
続いて、図17Aないし図17Cに示したように第2層間絶縁膜72を積層してパターニングして第2ドレイン電極66bを露出するコンタクトホール72bを形成する。
続いて、図18Aないし図18Cに示したようにアルミニウム(またはその合金)または銀(またはその合金)のような反射性が良好な金属を積層してパターニングして画素電極82を形成する。
続いて、図12Aないし図12Cに示したように画素電極82が形成されている第2層間絶縁膜72上に黒色顔料を含む有機膜を塗布して露光及び現像して有機発光空間を除いた領域に充填されている隔壁91を形成する。続いて有機発光空間には蒸着またはインクジェットプリンティング等の方法で有機発光層92を形成する。
続いて、隔壁91及び有機発光層92上に伝導性有機物質を塗布してバッファー層95を形成して、バッファー層95上にITOまたはIZOを蒸着して共通電極100を形成する。ここで画素電極82はITO、IZO等の透明なまたは導電物質で形成することができ、この場合共通電極100はアルミニウム(またはその合金)または銀(またはその合金)のような反射性が良好な金属で形成する。
以上説明した本発明の実施形態による薄膜トランジスタ基板及びその製造方法ではゲート配線とデータ配線が銅窒化物を含むバリヤ膜、銅または銅合金を含む銅導電膜及びキャッピング膜の3層多重膜構造で形成された例を挙げたが、ゲート配線及びデータ配線のうちいずれか一つだけ前記3層多重膜に形成されて、残りは当業者に公知された配線構造または他の特別な配線構造で形成されることができ、これも本発明の範囲に含まれることである。
また、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板及びその製造方法はボトムゲート方式を採用して液晶表示装置に使われる例を挙げたが、これに制限されないし、有機EL発光装置にも適用されることができる。この場合ボトムゲート方式の薄膜トランジスタが画素当たりスイッチ用と駆動用の2個ずつ具備されることができる。また本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板及びその製造方法ではトップゲート方式の薄膜トランジスタを採用して、有機EL発光装置に適用した例を挙げたが、画素当たり一つの薄膜トランジスタを具備する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板にも同じく適用することができる。このようなトップゲート方式の液晶表示装置は望ましくは反射型液晶表示装置に使われることができる。また、本発明による薄膜トランジスタ基板及び製造方法は上述した実施形態以外にもカラーフィルター上に薄膜トランジスタアレイを形成するAOC(Array On Color filter)構造にも容易に適用することができる。その他にも多様な他の薄膜トランジスタ基板に適用されることができるが省略する。
以上添付した図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限られることでなく相異なる多様な形態で製造されることができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須な特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できる。それゆえ以上で記述した実施形態はすべての面で例示的であり限定的でない。