JP5200983B2 - 車両の駆動力制御装置及び駆動力制御方法 - Google Patents

車両の駆動力制御装置及び駆動力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、駆動輪を駆動可能なモータと、駆動輪とモータとの間の駆動力伝達経路に介装するクラッチとを備える、車両の駆動力制御装置及び駆動力制御方法に関する。
従来から、駆動輪を駆動可能なモータと、駆動輪とモータとの間の駆動力伝達経路に介装するクラッチとを備える車両の駆動力制御装置として、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
この駆動力制御装置では、発進時や走行中において、クラッチをスリップ締結させて、モータの回転数と駆動輪の回転数に偏差を生じさせながら、モータの発生する駆動力を駆動輪へ伝達する。これにより、モータからクラッチを介して車軸に伝達する車軸トルクの変動を抑制している。
特開2001−233088号公報
しかしながら、特許文献1に記載の駆動力制御装置では、クラッチをスリップ締結させている状態において、車両の状態により、モータの回転数が制限されると、モータの回転数と駆動輪の回転数との偏差が減少する場合がある。なお、上記「車両の状態」とは、例えば、発進時に運転者が要求する駆動力や、走行時の車速等に関する状態である。
モータの回転数と駆動輪の回転数との偏差が減少すると、モータの回転数と駆動輪の回転数が近似して、クラッチの締結状態が、スリップ締結から完全締結へ移行することとなる。この状態で、モータの回転数やトルクに変動が生じると、その大部分が、完全締結したクラッチを介して車軸へ伝達され、車軸トルクの変動が増加するという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、モータの回転数と駆動輪の回転数との偏差が減少する場合であっても、クラッチをスリップ締結させることが可能な、車両の駆動力制御装置及び駆動力制御方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、モータと変速機との間で、クラッチをスリップ締結させた状態において、クラッチのスリップ締結を維持するように、変速機の変速比を制御する。この制御は、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が、所定の回転数未満となる場合に行う。
本発明によれば、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が減少し、この偏差が所定の回転数未満となると、変速機の変速比を制御する。これにより、変速機の入力軸の回転数を、モータの回転数に対して増加または減少させる。
これにより、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が減少することを抑制して、クラッチのスリップ締結を維持することが可能となるため、車軸トルクの変動を減少させることが可能となる。
第一実施形態の駆動力制御装置を備える車両の概略構成図である。 ハイブリッドコントローラの詳細な構成を示すブロック図である。 目標変速比演算手段及び変速比指令出力手段が行う処理を示すフローチャートである。 力行における車両の動作を示すタイムチャートである。 回生における車両の動作を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態の駆動力制御装置を備える車両HEVの概略構成図である。
図1中に示すように、駆動力制御装置を備える車両HEVは、エンジン1と、モータ2と、第一クラッチ4と、第二クラッチ6と、変速機8と、駆動輪10と、ハイブリッドコントローラ12を備えている。すなわち、駆動力制御装置を備える車両HEVは、エンジン1及びモータ2を備えるハイブリッド車両である。
エンジン1は、内燃機関であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを用いて形成する。
また、エンジン1は、ハイブリッドコントローラ12との間で相互に情報信号の入出力を行い、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて、スロットルバルブ(図示せず)のバルブ開度等を制御する。なお、エンジン1からハイブリッドコントローラ12へ出力する情報信号には、エンジン1の回転数や、エンジン1のトルク等を含む。
モータ2は、例えば、ロータ2aに永久磁石を埋設し、ステータ2bにステータコイルを巻き付けた、同期型モータジェネレータで形成する。
また、モータ2には、インバータ14を介してバッテリ16を接続している。
インバータ14は、ハイブリッドコントローラ12との間で相互に情報信号の入出力を行う。そして、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて三相交流を形成し、この形成した三相交流をモータ2に印加することにより、モータ2を制御する。なお、モータ2からハイブリッドコントローラ12へ出力する情報信号には、モータ2のトルク等を含む。
また、モータ2は、バッテリ16から、インバータ14を介して電力の供給を受けることにより、回転駆動する電動機として動作可能である(以下、この状態を「力行」と記載する)。すなわち、力行の状態では、モータ2は、駆動輪10を回転可能な駆動力を出力する。
さらに、モータ2は、ロータ2aが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ16を充電することが可能である(以下、この動作状態を「回生」と記載する)。ここで、上記の「ロータ2aが外力により回転している場合」とは、車両HEVの減速時等である。
第一クラッチ4は、エンジン1とモータ2との間の駆動力伝達経路に介装する。なお、第一クラッチ4は、例えば、ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御可能な、湿式多板クラッチにより形成する。具体的には、第一クラッチ4は、面対向する二枚の第一回転板4a,4bを備えている。そして、第一回転板4aの片面を、エンジン1の駆動軸に取り付け、第一回転板4bの第一回転板4aと対向しない面を、モータ2の駆動軸に取り付ける。
また、第一クラッチ4は、ハイブリッドコントローラ12との間で相互に情報信号の入出力を行う。これにより、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて締結容量が変化し、スリップ締結を含む締結状態または解放状態に切り換わる。ここで、第一クラッチ4の状態は、オイルポンプ18が生成した油圧を元圧として切り換える。なお、オイルポンプ18に関する説明は、後述する。
第一クラッチ4を締結状態に切り換えると、エンジン1とモータ2との間で駆動力を伝達する状態となる。一方、第一クラッチ4を解放状態に切り換えると、エンジン1とモータ2との間で駆動力を遮断する状態となる。第一クラッチ4の締結状態及び解放状態に関する詳細な説明は、省略する。
第二クラッチ6は、モータ2と変速機8との間の駆動力伝達経路に介装する。なお、第二クラッチ6は、第一クラッチ4と同様、例えば、ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御可能な、湿式多板クラッチにより形成する。具体的には、第二クラッチ6は、面対向する二枚の第二回転板6a,6bを備えている。そして、第二回転板6aの片面を、モータ2の駆動軸に取り付け、第二回転板6bの第二回転板6aと対向しない面を、変速機8の入力軸に取り付ける。
また、第二クラッチ6は、ハイブリッドコントローラ12との間で相互に情報信号の入出力を行う。これにより、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて締結容量が変化し、スリップ締結を含む締結状態または解放状態に切り換わる。ここで、第二クラッチ6の状態は、オイルポンプ18が生成した油圧を元圧として切り換える。
第二回転板6aと第二回転板6bとを面接触させて互いに噛合させ、第二クラッチ6を締結状態に切り換えると、エンジン1の駆動軸と変速機8の入力軸が第二クラッチ6を介して連結する。このため、第二クラッチ6を締結状態に切り換えると、モータ2と変速機8との間で駆動力を伝達する状態となる。
一方、第二回転板6aと第二回転板6bとを離間させ、第二クラッチ6を解放状態に切り換えると、エンジン1の駆動軸と変速機8の入力軸との連結が解除される。このため、第二クラッチ6を解放状態に切り換えると、モータ2と変速機8との間で駆動力を遮断する状態となる。
オイルポンプ18は、モータ2の駆動軸に接続している。そして、モータ2の駆動軸を回転させると、第一クラッチ4、第二クラッチ6及び変速機8の状態を切り換える際の動力源となる油圧を生成する。ここで、生成する油圧の圧力は、モータ2の回転数と連動しており、モータ2の回転数を増加させるにつれて大きくなる。
変速機8は、駆動輪10とモータ2との間の駆動力伝達経路に介装し、駆動軸10とモータ2との間で、回転速度を任意の変速比で変速する。
本実施形態では、変速機8を、無段階の変速比を連続的に変化可能な無段変速機(CVT)で形成する。無段階の変速比は、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて切り換える。ここで、変速比を切り換える制御は、車速やアクセル開度等に加え、後述するように、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差を参照して行う。
以下、変速機8の具体的な構成を説明する。
図1中に示すように、変速機8は、入力側プーリ20と、出力側プーリ22と、CVTベルト24を備えている。
入力側プーリ20は、変速機8の入力軸を形成する回転軸を備えており、第二クラッチ6を締結状態に切り換えると、モータ2の駆動軸と共に回転する。
また、入力側プーリ20は、入力側プーリ20の軸方向で対向する二つの斜面からなる、径方向から見て略V字型の溝を有している。この溝の幅は、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて変化可能である。ここで、略V字型の溝の幅を変化させる際は、二つの斜面間の距離を変化させる。二つの斜面間の距離を変化させる際には、オイルポンプ18が生成する油圧を動力源として、二つの斜面のうち一方を、入力側プーリ20の軸方向へ移動させる。
出力側プーリ22は、変速機8の出力軸を形成するとともに、駆動輪10に連結する回転軸を備えている。そして、第二クラッチ6を締結状態に切り換えると、CVTベルト24を介して入力側プーリ20と共に回転し、駆動輪10を回転させる。
また、出力側プーリ22は、出力側プーリ22の軸方向で対向する二つの斜面からなる、径方向から見て略V字型の溝を有している。この溝の幅は、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて変化可能である。ここで、略V字型の溝の幅を変化させる際は、二つの斜面間の距離を変化させる。二つの斜面間の距離を変化させる際には、オイルポンプ18が生成する油圧を動力源として、二つの斜面のうち一方を、出力側プーリ22の軸方向へ移動させる。
CVTベルト24は、例えば、複数のスチールブロックとスチールバンドを備えている。そして、入力側プーリ20が有する略V字型の溝と、出力側プーリ22が有する略V字型の溝に対し、それぞれの斜面に各スチールブロックを接触させる。これにより、入力側プーリ20と出力側プーリ22との間の駆動力伝達経路を形成する。
ここで、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づく、変速比の変化について説明する。
変速比を減少(シフトアップ)させる場合は、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて、入力側プーリ20が有する略V字型の溝の幅を狭くする。これに加え、出力側プーリ22が有する略V字型の溝の幅を広くする。
これにより、入力側プーリ20のうち、CVTベルト24が接触している部分の回転半径(以下、「有効回転半径」と記載する)を、出力側プーリ22の有効回転半径よりも大きくする。このため、モータ2が第二クラッチ6を介して変速機8へ入力した回転速度を、増速して駆動輪10へ伝達することが可能となる。なお、変速比を減少させる際には、入力側プーリ20が有する略V字型の溝の幅を狭くするとともに、出力側プーリ22が有する略V字型の溝の幅を変化させなくともよい。同様に、入力側プーリ20が有する略V字型の溝の幅を変化させずに、出力側プーリ22が有する略V字型の溝の幅を広くしてもよい。要は、変速比を減少させる際には、入力側プーリ20の有効回転半径を、出力側プーリ22の有効回転半径よりも大きくすればよい。
一方、変速比を増加(シフトダウン)させる場合は、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に基づいて、入力側プーリ20が有する略V字型の溝の幅を広くする。これに加え、出力側プーリ22が有する略V字型の溝の幅を狭くする。
これにより、入力側プーリ20の有効回転半径を、出力側プーリ22の有効回転半径よりも小さくする。このため、モータ2が第二クラッチ6を介して変速機8へ入力した回転速度を、減速して駆動輪10へ伝達することとなる。なお、変速比を増加させる際には、入力側プーリ20が有する略V字型の溝の幅を広くするとともに、出力側プーリ22が有する略V字型の溝の幅を変化させなくともよい。同様に、入力側プーリ20が有する略V字型の溝の幅を変化させずに、出力側プーリ22が有する略V字型の溝の幅を狭くしてもよい。要は、変速比を増加させる際には、入力側プーリ20の有効回転半径を、出力側プーリ22の有効回転半径よりも小さくすればよい。
駆動輪10は、図示しないディファレンシャル、プロペラシャフト26及びドライブシャフト28等を介して、変速機8の出力軸と連結している。なお、本実施形態では、一例として、駆動輪10を、左前輪10L及び右前輪10Rとする。
ハイブリッドコントローラ12は、エンジン1、インバータ14、バッテリ16、第一クラッチ4、第二クラッチ6及び変速機8との間で、相互に情報信号の入出力を行う。また、ハイブリッドコントローラ12は、入力軸回転数センサ30、出力軸回転数センサ32、車速センサ34、モータ回転数検出センサ36及びアクセル開度センサ38が出力する情報信号の入力を受ける。なお、ハイブリッドコントローラ12の詳細な構成は、後述する。
入力軸回転数センサ30は、入力側プーリ20の回転数を検出し、この回転数を含む情報信号(実CVT入力軸回転数)を、ハイブリッドコントローラ12へ出力する。
出力軸回転数センサ32は、出力側プーリ22の回転数を検出し、この回転数を含む情報信号(実CVT出力軸回転数)を、ハイブリッドコントローラ12へ出力する。
車速センサ34は、車両HEVの走行時における実際の車速を検出し、この検出した車速を含む情報信号(実車速)を、ハイブリッドコントローラ12へ出力する。
モータ回転数検出センサ36は、例えば、モータ2のロータ回転位置を検出するレゾルバ(図示せず)を備え、このレゾルバが検出するロータ回転位置に基づいて、実際のモータ2の回転数を検出する。そして、この回転数を含む情報信号(実モータ回転数)を、ハイブリッドコントローラ12へ出力する。
アクセル開度センサ38は、運転者によるアクセルペダル(図示せず)の操作量(踏量)を検出し、この検出した操作量を含む情報信号(アクセル開度)を、ハイブリッドコントローラ12へ出力する。
次に、図1を参照しつつ、図2を用いて、ハイブリッドコントローラ12の詳細な構成を説明する。
図2は、ハイブリッドコントローラ12の詳細な構成を示すブロック図である。
ハイブリッドコントローラ12は、目標加速度演算手段40と、実加速度検出手段42と、実変速比検出手段44と、実第二クラッチ回転偏差演算手段46と、目標モータ回転数演算手段48と、モータ回転数指令出力手段50を備えている。これに加え、ハイブリッドコントローラ12は、目標変速比演算手段52と、変速比指令出力手段54と、目標第二クラッチ回転偏差演算手段56と、第二クラッチ油圧指令制御手段58を備えている。
目標加速度演算手段40は、車速センサ34及びアクセル開度センサ38が出力した情報信号に基づき、加速度の目標値(以下、「目標加速度」と記載する)を演算する。ここで、目標加速度は、車両HEVの速度を、運転者が要求する駆動力に応じた速度とするための、加速度の目標値である。具体的には、車両HEVの実際の車速(以下、「実車速」と記載する)と、運転者が要求する駆動力に応じた目標の車速とを参照して、目標加速度を演算する。そして、目標加速度演算手段40は、演算した目標加速度を含む情報信号を、目標モータ回転数演算手段48と目標変速比演算手段52へ出力する。
実加速度検出手段42は、車速センサ34が出力した情報信号に基づき、車両HEVの実際の加速度(以下、「実加速度」と記載する)を演算する。そして、実加速度検出手段42は、演算した実加速度を含む情報信号を、目標モータ回転数演算手段48と目標変速比演算手段52へ出力する。
実変速比検出手段44は、入力軸回転数センサ30及び出力軸回転数センサ32が出力した情報信号に基づき、変速機8における実際の変速比(以下、「実変速比」と記載する)を検出する。具体的には、入力側プーリ20の回転数と、出力側プーリ22の回転数に基づき、実変速比を検出する。そして、実変速比検出手段44は、検出した実変速比を含む情報信号を、目標変速比演算手段52へ出力する。
実第二クラッチ回転偏差演算手段46は、モータ回転数検出センサ36及び入力軸回転数センサ30が出力した情報信号に基づき、実際の第二回転板6aの回転数と第二回転板6bの回転数との偏差(以下、「実回転偏差」と記載する)を演算する。具体的には、実際のモータ2の回転数を、第二回転板6aの回転数として用い、入力側プーリ20の回転数を、第二回転板6bの回転数として用いる。そして、実際のモータ2の回転数と入力側プーリ20の回転数との偏差に基づき、実回転偏差を演算する。実回転偏差を演算した実第二クラッチ回転偏差演算手段46は、演算した実回転偏差を含む情報信号を、目標変速比演算手段52及び第二クラッチ油圧指令制御手段58へ出力する。ここで、入力側プーリ20の回転数は、変速機8の入力軸の回転数と同意である。
目標モータ回転数演算手段48は、モータ回転数検出センサ36、目標加速度演算手段40及び実加速度検出手段42が出力した情報信号に基づき、モータ2の回転数の目標値(以下、「目標モータ回転数」と記載する)を演算する。ここで、目標モータ回転数は、車両HEVの速度を、運転者が要求する駆動力に応じた速度とするための、モータ2の回転数の目標値である。具体的には、実際のモータ2の回転数と、実加速度及び目標加速度を参照して、実加速度を目標加速度とするために必要なモータ2の回転数を演算する。そして、実加速度を目標加速度とするために必要なモータ2の回転数と、実際のモータ2の回転数との偏差から、目標モータ回転数を演算する。目標モータ回転数を演算した目標モータ回転数演算手段48は、演算した目標モータ回転数を含む情報信号を、モータ回転数指令出力手段50へ出力する。
モータ回転数指令出力手段50は、目標モータ回転数演算手段48が出力した情報信号に基づき、モータ2の回転数を目標モータ回転数とするための三相交流を形成する制御指令を、インバータ14へ出力する。
目標変速比演算手段52は、実第二クラッチ回転偏差演算手段46、入力軸回転数センサ30及びモータ回転数検出センサ36、実変速比検出手段44、目標加速度演算手段40及び実加速度検出手段42が出力した情報信号の入力を受ける。
また、目標変速比演算手段52は、第二クラッチ6のスリップ締結を維持するような、目標とする変速機8の変速比(以下、「目標変速比」と記載する)を演算する。これに加え、目標変速比演算手段52は、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるような、目標変速比を演算する。これらの演算は、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、モータ2と変速機8との間で駆動力を伝達する状態で、実回転偏差が所定の回転数未満となる場合に行う。
目標変速比を演算した目標変速比演算手段52は、この演算した目標変速比を含む情報信号を、変速比指令出力手段54及び目標第二クラッチ回転偏差演算手段56へ出力する。
変速比指令出力手段54は、目標変速比演算手段52が出力した情報信号に基づき、変速機8の変速比を目標変速比とするための制御指令を、変速機8へ出力する。
ここで、図1及び図2を参照しつつ、図3を用いて、目標変速比演算手段52及び変速比指令出力手段54が行う処理について説明する。
図3は、目標変速比演算手段52及び変速比指令出力手段54が行う処理を示すフローチャートである。
図3中に示すフローチャートは、車両HEVが走行している状態からスタートする(START)。
目標変速比演算手段52は、車両HEVの走行時において、例えば、所定のサンプリング時間毎に、実第二クラッチ回転偏差演算手段46が出力した情報信号を取得する。そして、この取得した情報信号に基づいて、第二クラッチ6(CL2)をスリップ締結させているか否か(ステップS10に示す「CL2スリップ締結中?」)を判定する(ステップS10)。
具体的には、実回転偏差が発生している、すなわち、実回転偏差が「0」を超えている場合に、第二クラッチ6をスリップ締結させていると判定する。
ステップS10において、第二クラッチ6をスリップ締結させている(図中に示す「Yes」)と判定すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS12の処理へ移行する。
一方、ステップS10において、第二クラッチ6をスリップ締結させていない(図中に示す「No」)と判定すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS10の処理へ復帰(RETURN)する。なお、第二クラッチ6をスリップ締結させていない状態では、第二クラッチ6は、完全締結または解放状態である。
ステップS12において、目標変速比演算手段52は、モータ回転数検出センサ36が出力した情報信号に基づき、モータ2の回転数が制限されて、モータ2の回転数が上限値の回転数または下限値の回転数となっているかを判定する。すなわち、ステップS12では、モータ2の回転数が上限か下限であるか(ステップS12に示す「モータ回転数が上限あるいは下限であるか?」)否かを判定する。
ここで、モータ2の回転数が上限値の回転数となる場合とは、例えば、アクセル開度の大きい加速走行中等において、モータ2の回転数が、モータ2の温度や出力等により制限される最高値の回転数に達する場合である。この場合、モータ2と変速機8との間で駆動力を伝達する状態は、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、モータ2から変速機8へ駆動力を伝達する状態である。この状態は、モータ2の回転数が入力側プーリ20の回転数を超えている状態である。
このように、モータ2の回転数が制限され、モータ2の回転数が上限値の回転数に達すると、モータ2の回転数を、上限値の回転数から増加させることができない。このため、第二クラッチ6のスリップ締結を維持すると、モータ2の回転数を維持した状態で、入力側プーリ20の回転数が増加して、モータ2の回転数に近似する。なお、上限値の回転数は、例えば、モータ2及び第二クラッチ6の構成により設定する値である。
一方、モータ2の回転数が下限値の回転数となる場合とは、例えば、回生走行等、アクセル開度の小さい低速走行中等において、モータ2の回転数が、オイルポンプ18による油圧の生成に必要な最低値の回転数に達する場合である。この場合、モータ2と変速機8との間で駆動力を伝達する状態は、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、駆動輪10から変速機8を介してモータ2へ駆動力を伝達する状態である。この状態は、入力側プーリ20の回転数がモータ2の回転数を超えている状態である。
このように、モータ2の回転数が制限され、モータ2の回転数が下限値の回転数に達すると、モータ2の回転数を、下限値の回転数から減少させることができない。このため、第二クラッチ6のスリップ締結を維持すると、モータ2の回転数を維持した状態で、入力側プーリ20の回転数が減少して、モータ2の回転数に近似する。なお、下限値の回転数は、例えば、モータ2、オイルポンプ18及び第二クラッチ6の構成により設定する値である。
上記のように、モータ2の回転数が上限値の回転数または下限値の回転数であり、モータ2の回転数を維持した状態で、第二クラッチ6のスリップ締結を維持すると、入力側プーリ20の回転数が変化する。これにより、モータ2の回転数と入力側プーリ20の回転数が近似して、モータ2の回転数と入力側プーリ20の回転数との偏差が、所定の回転数未満となる。なお、所定の回転数は、ハイブリッドコントローラ12が出力する制御指令に因らず、第二クラッチ6の状態がスリップ締結から完全締結へ移行する、モータ2の回転数と入力側プーリ20の回転数との偏差の閾値である。また、所定の回転数は、モータ2、第二クラッチ6及び変速機8の性能等により決定する値であり、予め、目標変速比演算手段52に記憶する。
ステップS12において、モータ2の回転数が、上限値の回転数または下限値の回転数である(図中に示す「Yes」)と判定すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS14の処理へ移行する。
一方、ステップS12において、モータ2の回転数が、上限値の回転数及び下限値の回転数ではない(図中に示す「No」)と判定すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS12の処理へ復帰(RETURN)する。なお、モータ2の回転数が、上限値の回転数及び下限値の回転数ではない状態では、第二クラッチ6は、スリップ締結を維持可能である。
ステップS14において、目標変速比演算手段52は、第二クラッチ6がスリップ締結を維持するために必要な、入力側プーリ20の回転数を演算(ステップS14に示す「モータ回転数との必要な差をとった入力軸回転数を演算する」)する。すなわち、ステップS14では、上限値の回転数または下限値の回転数であるモータ2の回転数に対し、第二クラッチ6がスリップ締結とするための、入力側プーリ20の回転数の変化分を演算する。
ステップS14において、第二クラッチ6がスリップ締結を維持するために必要な、モータ2の回転数に対する入力側プーリ20の回転数を演算すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS16へ移行する。
ステップS16では、まず、目標変速比演算手段52が、目標加速度と、ステップS12で判定したモータ2の回転数と、ステップS14で演算した入力側プーリ20の回転数に基づき、目標変速比を演算する。この演算は、ステップS12の処理と、ステップS14の処理と、実変速比検出手段44及び目標加速度演算手段40が出力した情報信号に基づいて行う。
具体的には、モータ2の回転数が上限値の回転数である場合、モータ2の回転数に対し、入力側プーリ20の回転数が減少して、第二クラッチ6がスリップ締結を維持するような変速比を演算する。そして、この演算した変速比と実変速比との差に基づき、変速機8の実変速比が、入力側プーリ20の回転数が減少して、第二クラッチ6がスリップ締結を維持するような変速比となるように、変速機8へ出力する制御指令を演算する。
すなわち、モータ2の回転数が上限値の回転数となり、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、モータ2から変速機8へ駆動力を伝達している場合、目標変速比演算手段52は、変速機8の変速比を減少させる制御指令を演算する。
ここで、変速機8の変速比を減少させる制御指令を演算する際には、目標加速度に基づき、変速機8の変速比を減少させる変化度合いが、実車速が目標加速度に応じた速度となるように演算する。これは、変速機8の変速比を減少させることにより、駆動輪10の回転数が増加して、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数から変化し、実車速が目標加速度に応じた速度から変化することを抑制するためである。
一方、モータ2の回転数が下限値の回転数となる場合、モータ2の回転数に対し、入力側プーリ20の回転数が増加して、第二クラッチ6がスリップ締結を維持するような変速比を演算する。そして、この演算した変速比と実変速比との差に基づき、変速機8の実変速比が、入力側プーリ20の回転数が増加して、第二クラッチ6がスリップ締結を維持するような変速比となるように、変速機8へ出力する制御指令を演算する。
すなわち、モータ2の回転数が下限値の回転数となり、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、駆動輪10から変速機8を介してモータ2へ駆動力を伝達している場合、目標変速比演算手段52は、変速機8の変速比を増加させる制御指令を演算する。
ここで、変速機8の変速比を増加させる制御指令を演算する際には、目標加速度に基づき、変速機8の変速比を増加させる変化度合いが、実車速が目標加速度に応じた速度となるように演算する。これは、変速機8の変速比を増加させることにより、駆動輪10の回転数が減少して、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数から変化し、実車速が目標加速度に応じた速度から変化することを抑制するためである。
したがって、目標変速比演算手段52は、第二クラッチ6のスリップ締結を維持するように、変速機8の変速比を減少させる制御指令を演算する。これに加え、目標変速比演算手段52は、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、変速機8の変速比を減少させる制御指令を演算する。この演算は、上述したように、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、モータ2から変速機8へ駆動力を伝達する状態で行う。また、上記の演算は、上述したように、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、駆動輪10から変速機8を介してモータ2へ駆動力を伝達する状態でも行う。
上記の処理によって、目標変速比演算手段52が、目標変速比を演算すると、変速比指令出力手段54が、目標変速比演算手段52が演算した目標変速比に基づき、変速機8の変速比を目標変速比とするための制御指令を、変速機8へ出力する。
すなわち、ステップS16では、目標変速比演算手段52が演算した目標変速比に基づく制御指令を、変速比指令出力手段54が変速機8へ出力(ステップS16に示す「目標加速度と入力軸回転数から演算した変速比を出力する」)する。
ステップS16において、目標変速比に基づく制御指令を変速機8へ出力すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS18へ移行する。
ステップS18において、目標変速比演算手段52は、実車速が、目標加速度に応じた速度となっているか否か(ステップS18に示す「目標加速度どおりに実車速が変化しているか?」)を判定する。この判定は、実変速比検出手段44及び目標加速度演算手段40が出力した情報信号に基づいて行う。
ステップS18において、目標加速度どおりに実車速が変化している(図中に示す「Yes」)と判定すると、目標変速比演算手段52及び変速比指令出力手段54が行う処理は終了する(END)。この状態では、モータ2の回転数が、上限値の回転数または下限値の回転数となっても、第二クラッチ6のスリップ締結が維持される。
一方、ステップS18において、目標加速度どおりに実車速が変化していない(図中に示す「No」)と判定すると、目標変速比演算手段52が行う処理は、ステップS16の処理へ復帰(RETURN)する。これにより、ステップS16とステップS18の処理によって、目標加速度に対する実加速度をフィードバック制御し、目標変速比を補正することが可能となる。
以下、図2を用いた説明に復帰する。
目標第二クラッチ回転偏差演算手段56は、目標変速比に応じて、第二クラッチ6のスリップ締結を維持するための、第二回転板6aの回転数と第二回転板6bの回転数との偏差の目標値(以下、「目標回転偏差」と記載する)を演算する。この演算は、目標変速比演算手段52が出力した情報信号に基づいて行う。そして、目標第二クラッチ回転偏差演算手段56は、演算した目標回転偏差を含む情報信号を、第二クラッチ油圧指令制御手段58へ出力する。
第二クラッチ油圧指令制御手段58は、実回転偏差が目標回転偏差となるように、第二クラッチ6の状態を切り換えるための油圧の大きさを演算する。そして、この演算した油圧を第二クラッチ6で用いる油圧とする制御指令を演算して、第二クラッチ6へ出力する。この制御指令は、第二クラッチ6、実第二クラッチ回転偏差演算手段46及び目標第二クラッチ回転偏差演算手段56出力した情報信号に基づいて演算する。
なお、上記第二クラッチ6は、「クラッチ」に対応する。
また、上記ハイブリッドコントローラ12は、「駆動力制御装置」に対応する。
また、上記目標変速比演算手段52及び変速比指令出力手段54は、「変速比制御手段」に対応する。
(動作)
次に、図1から図3を参照しつつ、図4及び図5を用いて、本実施形態の駆動力制御装置を備えた車両HEVの動作について説明する。
まず、図4を用いて、力行における車両HEVの動作について説明する。
図4は、力行における車両HEVの動作を示すタイムチャートである。なお、図4中では、モータ2の回転数と、変速機8の入力軸の回転数を、「回転数」の欄に示している。また、変速機8の変速比を、「CVT変速比」と示し、車両HEVの速度を、「車速」と示している。
図4のタイムチャートは、車両HEVの走行時において、第二クラッチ6をスリップ締結させている状態からスタート(図中に示す「t0」)する。
図4中に示すように、t0の時点から、加速走行等、運転者の要求する駆動力が増加すると、モータ2及び変速機8の入力軸の回転数が増加して、車両HEVの速度が増加する。なお、図4中に示す「回転数」の欄では、モータ2の回転数を、「モータ回転数」と記載し、変速機8の入力軸の回転数を、「CVTプライマリプーリ回転数」と記載している。
この状態では、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、モータ2から変速機8へ駆動力を伝達する。そして、変速機8は、一定の変速比により、モータ2の回転速度を変速して、駆動輪10に出力する。
運転者の要求する駆動力が更に増加すると、この増加に伴い、モータ2の回転数が更に増加する。そして、モータ2の回転数が、モータ2の温度や出力等により制限される最高値の回転数に達する(図中に示す「t1」)と、変速比制御手段は、第二クラッチ6のスリップ締結を維持するように、変速機8の変速比を減少させる。これに加え、変速比制御手段は、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、変速機8の変速比を減少させる。なお、図4中に示す「回転数」の欄では、最高値の回転数を、「モータ最高回転数」と記載している。
なお、図4中に示すように、時点t0から時点t1までの間では、変速機8が一定の変速比を維持しているため、モータ2の回転数が増加する変化度合いと、変速機8の入力軸の回転数が増加する変化度合いは等しい。したがって、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差は一定であり、第二クラッチ6はスリップ締結を維持する。なお、図4中に示す「回転数」の欄では、スリップ締結している第二クラッチ6の回転数、すなわち、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差を、「CL2スリップ回転数」と記載している。
時点t1において、変速比制御手段が変速機8の変速比を減少させると、モータ2の回転数と共に増加していた変速機8の入力軸の回転数が減少する。これにより、最高値を維持しているモータ2の回転数に対し、変速機8の入力軸の回転数が近似することを抑制して、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差を維持する。
そして、時点t1から、運転者の要求する駆動力が更に増加すると、変速比制御手段は、駆動力の増加に応じて変速機8の変速比を減少させる。これにより、車両HEVの速度を運転者の要求する駆動力に応じて増加させるとともに、第二クラッチ6のスリップ締結を維持して、車軸トルクの変動を減少させるとともに、車速の変化を抑制する。
次に、図5を用いて、回生における車両HEVの動作について説明する。
図5は、回生における車両HEVの動作を示すタイムチャートである。
なお、図5中では、モータ2の回転数等を、図4中と同様に示している。
図5のタイムチャートは、車両HEVの走行時において、第二クラッチ6をスリップ締結させている状態からスタート(図中に示す「t0」)する。
図5中に示すように、t0の時点から、車両HEVの走行状態が力行から回生へと移行し、運転者の要求する駆動力が減少すると、モータ2及び変速機8の入力軸の回転数が減少して、車両HEVの速度が減少する。
この状態では、第二クラッチ6をスリップ締結させながら、駆動輪10から変速機8を介してモータ2へ駆動力を伝達する。そして、変速機8は、一定の変速比により、駆動輪10の回転速度を変速して、モータ2に出力する。
運転者の要求する駆動力が更に減少すると、この減少に伴い、モータ2の回転数が更に減少する。そして、モータ2の回転数が、モータ2の温度や出力等により制限される最低値の回転数に達する(図中に示す「t1」)と、変速比制御手段は、第二クラッチ6のスリップ締結を維持するように、変速機8の変速比を増加させる。これに加え、変速比制御手段は、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、変速機8の変速比を増加させる。なお、図5中に示す「回転数」の欄では、最低値の回転数を、「モータ最低回転数」と記載している。
なお、図5中に示すように、時点t0から時点t1までの間では、変速機8が一定の変速比を維持しているため、モータ2の回転数が減少する変化度合いと、変速機8の入力軸の回転数が減少する変化度合いは等しい。したがって、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差は一定であり、第二クラッチ6はスリップ締結を維持する。
時点t1において、変速比制御手段が変速機8の変速比を増加させると、モータ2の回転数と共に増加していた変速機8の入力軸の回転数が増加する。これにより、最低値を維持しているモータ2の回転数に対し、変速機8の入力軸の回転数が近似することを抑制して、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差を維持する。
そして、時点t1から、運転者の要求する駆動力が更に減少すると、変速比制御手段は、駆動力の増加に応じて変速機8の変速比を増加させる。これにより、車両HEVの速度を運転者の要求する駆動力に応じて減少させるとともに、第二クラッチ6のスリップ締結を維持して、車軸トルクの変動を増加させるとともに、車速の変化を抑制する。
なお、上述したように、本実施形態の駆動力制御装置の動作で実施する駆動力制御方法は、第二クラッチ6をスリップ締結させた状態で、第二クラッチ6のスリップ締結を維持するように、変速機8の変速比を制御する方法である。この方法は、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差が、所定の回転数未満となる場合に実施する。
これに加え、上述した駆動力制御方法は、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差に応じて、駆動輪10の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、変速機8の変速比を制御する方法である。この方法も、第二クラッチ6をスリップ締結させた状態で、モータ2の回転数と変速機8の入力軸の回転数との偏差が、所定の回転数未満となる場合に実施する。
(第一実施形態の効果)
(1)本実施形態の駆動力制御装置では、変速比制御手段が、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、クラッチのスリップ締結を維持するように、変速機の変速比を制御する。この制御は、クラッチをスリップ締結させた状態で行う。
このため、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となり、クラッチのスリップ締結の維持が困難な場合であっても、変速機の入力軸の回転数を、モータの回転数に対して、増加または減少させることが可能となる。
その結果、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が減少することを抑制して、クラッチのスリップ締結を維持することが可能となる。これにより、モータの回転数やトルクに変動が生じても、その大部分が、スリップ締結したクラッチを介して車軸へ伝達されるため、車軸トルクの変動を減少させることが可能となり、運転性の向上及び車軸等のハードウェア保護が可能となる。
(2)本実施形態の駆動力制御装置では、変速比制御手段が、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、駆動輪の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、変速機の変速比を制御する。この制御は、クラッチをスリップ締結させた状態で行う。
このため、クラッチのスリップ締結を維持するために変速機の変速比を制御して、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差を増加させても、運転者が要求する加速度に対して、駆動輪の回転数が変化することを抑制することが可能となる。
その結果、クラッチのスリップ締結を維持するとともに、運転者が要求する加速度に対して発生する違和感を低減させることが可能となるため、運転性の低下を抑制することが可能となる。
(3)本実施形態の駆動力制御装置では、変速比制御手段が、クラッチをスリップ締結させながら、モータから変速機へ駆動力を伝達する状態で、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、変速比を減少させる。
このため、モータの回転数が制限されて上限値の回転数に達し、モータの回転数を上限値の回転数から増加させることができない場合であっても、変速比を減少させることにより、変速機の入力軸の回転数を減少させることが可能となる。
その結果、モータの回転数を上限値の回転数に維持した状態で、回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が減少することを抑制して、クラッチのスリップ締結を維持することが可能となり、運転性の向上及びハードウェア保護が可能となる。
(4)本実施形態の駆動力制御装置では、変速比制御手段が、クラッチをスリップ締結させながら、駆動輪から変速機を介してモータへ駆動力を伝達する状態で、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、変速比を増加させる。
このため、モータの回転数が制限されて下限値の回転数に達し、モータの回転数を下限値の回転数から減少させることができない場合であっても、変速比を増加させることにより、変速機の入力軸の回転数を増加させることが可能となる。
その結果、モータの回転数を下限値の回転数に維持した状態で、回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が減少することを抑制して、クラッチのスリップ締結を維持することが可能となり、運転性の向上及びハードウェア保護が可能となる。
(5)本実施形態の駆動力制御装置では、変速機を、変速比を連続的に変化可能な無段変速機で形成している。
このため、車両HEVの実際の加速度である実加速度を、車両の速度を運転者が要求する駆動力に応じた速度とするための、加速度の目標値である目標加速度とすることが容易となる。
その結果、変速機を、変速比を段階的に変化させる有段変速機で形成した場合と比較して、運転者が要求する加速度に対して発生する違和感を低減させることが可能となるため、運転性の低下を抑制することが可能となる。
(6)本実施形態の駆動力制御方法では、クラッチをスリップ締結させた状態で、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、クラッチのスリップ締結を維持するように、変速比を制御する。
このため、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となり、クラッチのスリップ締結の維持が困難な場合であっても、変速機の入力軸の回転数を、モータの回転数に対して、増加または減少させることが可能となる。
その結果、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が減少することを抑制して、クラッチのスリップ締結を維持することが可能となるため、車軸トルクの変動を減少させることが可能となり、運転性の向上及び車軸等のハードウェア保護が可能となる。
(応用例)
(1)本実施形態の駆動力制御装置では、変速比制御手段が、モータの回転数と変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、クラッチのスリップ締結を維持するように、変速機の変速比を制御する。これに加え、駆動輪の回転数が、運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、変速機の変速比を制御する。しかしながら、変速比制御手段が行う制御は、これに限定するものではない。すなわち、変速比制御手段が、クラッチのスリップ締結を維持することのみを目的として、変速機の変速比を制御してもよい。
(2)本実施形態の駆動力制御装置では、変速比制御手段が、モータから変速機へ駆動力を伝達する状態では、変速機の変速比を減少させ、駆動輪から変速機を介してモータへ駆動力を伝達する状態では、変速機の変速比を増加させる。しかしながら、変速比制御手段が行う制御は、これに限定するものではない。すなわち、モータから変速機へ駆動力を伝達する状態と、駆動輪から変速機を介してモータへ駆動力を伝達する状態のうち、一方の状態のみに対して、変速機の変速比を制御してもよい。
(3)本実施形態の駆動力制御装置では、変速機を、変速比を連続的に変化可能な無段変速機で形成したが、これに限定するものではなく、変速機を、変速比を段階的に変化させる有段変速機で形成してもよい。
(4)本実施形態の駆動力制御装置では、駆動力制御装置を備える車両を、エンジン及びモータを備えるハイブリッド車両としたが、これに限定するものではない。すなわち、駆動力制御装置を備える車両を、モータのみを備える車両としてもよい。
1 エンジン
2 モータ(ロータ2a、ステータ2b)
4 第一クラッチ
6 第二クラッチ(クラッチ)
6a,6b 第二回転板
8 変速機
10 駆動輪
12 ハイブリッドコントローラ(駆動力制御装置)
18 オイルポンプ
20 入力側プーリ
22 出力側プーリ
24 CVTベルト
30 入力軸回転数センサ
32 出力軸回転数センサ
34 車速センサ
36 モータ回転数検出センサ
38 アクセル開度センサ
40 目標加速度演算手段
42 実加速度検出手段
44 実変速比検出手段
46 実第二クラッチ回転偏差演算手段
48 目標モータ回転数演算手段
50 モータ回転数指令出力手段
52 目標変速比演算手段(変速比制御手段)
54 変速比指令出力手段(変速比制御手段)
56 目標第二クラッチ回転偏差演算手段
58 第二クラッチ油圧指令制御手段
HEV 車両

Claims (6)

  1. 駆動輪を回転可能なモータと、前記駆動輪と前記モータとの間の駆動力伝達経路に介装し、且つ前記駆動輪と前記モータとの間で回転速度を変速する変速機と、前記モータと前記変速機との間の駆動力伝達経路に介装し、且つ前記モータと前記変速機との間で駆動力を伝達または遮断するクラッチと、を備える車両の駆動力制御装置であって、
    前記クラッチをスリップ締結させた状態で、前記モータの回転数と前記変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、前記クラッチのスリップ締結を維持するように、前記変速機の変速比を制御する変速比制御手段を備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 前記変速比制御手段は、前記クラッチをスリップ締結させた状態で、前記モータの回転数と前記変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、前記駆動輪の回転数が運転者の要求する駆動力に応じた回転数となるように、前記変速機の変速比を制御することを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  3. 前記変速比制御手段は、前記クラッチをスリップ締結させながら前記モータから前記変速機へ駆動力を伝達する状態で、前記モータの回転数と前記変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、前記変速比を減少させることを特徴とする請求項1または2に記載した車両の駆動力制御装置。
  4. 前記変速比制御手段は、前記クラッチをスリップ締結させながら前記駆動輪から前記変速機を介して前記モータへ駆動力を伝達する状態で、前記モータの回転数と前記変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、前記変速比を増加させることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  5. 前記変速機を、前記変速比を連続的に変化可能な無段変速機としたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  6. 駆動輪を回転可能なモータと、前記駆動輪と前記モータとの間で回転速度を変速する変速機と、前記モータと前記変速機との間で駆動力を伝達または遮断するクラッチと、を備える車両に対し、前記変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御方法であって、
    前記クラッチをスリップ締結させた状態で、前記モータの回転数と前記変速機の入力軸の回転数との偏差が所定の回転数未満となると、前記クラッチのスリップ締結を維持するように、前記変速比を制御することを特徴とする車両の駆動力制御方法。
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