JP5191564B2 - 吸収体の製造方法 - Google Patents
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このような吸収体の製造工程においては、連続搬送される繊維集合体上に吸水性ポリマーを間欠的に散布し、該繊維集合体を、コアラップシートで被覆した後、ポリマーが散布されていない部分で切断することが広く行われている(特許文献1、2参照)。
また、吸水性ポリマーを間欠的に散布するに当たり、吸水性ポリマーを不均一に散布することも行われている(特許文献3,4参照)。
また、本発明の第2の目的は、第1吸収層と第2吸収層との積層状態の良否を簡便に判定でき、第1吸収層と第2吸収層とが積層された構造の吸収体を高精度に製造することができる、吸収体の製造方法を提供することにある。
第2発明の吸収体の製造方法によれば、第1吸収層と第2吸収層との積層状態の良否を簡便に判定でき、第1吸収層と第2吸収層とが積層された構造の吸収体を高精度に製造することができる。
第1発明の吸収体の製造方法の一実施態様においては、図1に示すように、搬送される帯状の繊維集合体2上に間欠散布装置3により吸水性ポリマー30を間欠的に散布し、該吸水性ポリマー30を散布した後の繊維集合体2(具体的には吸収体連続体10A)を切断装置6で間欠的に切断して吸収体10を得る。
本製造方法においては、図1に示すように、吸水性ポリマー30を、該ポリマー30の散布により繊維集合体2に形成されるポリマー散布領域3a,3a・・それぞれの流れ方向に該ポリマー30が不均一に分布するように散布する。また、ポリマー散布後の繊維集合体の搬送路に配置した静電容量式のセンサー74の出力値を記録し、前記各ポリマー散布領域3aが該センサー74の配置位置を通過している間の該センサーの出力値を記録及び積算して各ポリマー散布領域3aに存する吸水性ポリマー30の量を求める。尚、ポリマー散布領域の流れ方向は、繊維集合体の長手方向と同方向である。
吸収体の製造装置1は、吸水性ポリマーの散布対象である帯状の繊維集合体を連続的に搬送する繊維集合体2の搬送機構(図示せず)と、吸水性ポリマー30を、連続搬送される繊維集合体2上に間欠的に散布するポリマー間欠散布装置3と、ポリマー30を散布する前の繊維集合体2の下面側に第1のコアラップシート21を供給する第1のコアラップシート供給機構(図示せず)と、ポリマー30を散布した後の繊維集合体2における吸水性ポリマー30を散布した側の面(以下、ポリマー散布面ともいう)上に第2のコアラップシート51を供給する、第2のコアラップシートの供給機構5と、第1のコアラップシート21と第2のコアラップシート51との間に、ポリマー30が散布された繊維集合体2が介在した構成の吸収体連続体10A(図3参照)を、幅方向に亘って間欠的に切断する切断装置6と、これらの動作を制御する制御装置7とを備えている。
ローター35は、サーボモータ39によって回転駆動されるため、一回転する間にその回転速度を増減変化させることができる。それにより、ポリマーを一回散布する間にポリマー散布量を増減変化させることができる。ポリマー保持用の凹部34内には、ローター35の長手方向に延びる断面三角形状の突条(突起)34aが多数形成されており、凹部34内における吸水性ポリマーの移動が制限されている。
ポリマー間欠散布装置3は、図1及び図4に示すように、ポリマーの供給口31及びポリマーの散布口32を周壁部に有し且つ略水平に配設された円筒状のケーシング33と、外周面に平面視して矩形形状の凹部34を有し、ケーシング33内に、該ケーシング33と軸を等しくし且つ該軸回りに回転自在に配設された円筒状のローター35と、供給口31を下端部に備えたポリマー導入部36と、ホッパ37内に収容された吸水性ポリマー30を、内部のスクリュー(図示せず)の回転により開口部38aまで移動させ、ポリマー導入部36に投入するスクリューフィーダ38とを具備した構成とされている。
ローター25及びスクリューフィーダ38内の前記スクリューは、それぞれサーボモータ39,40によって回転駆動され、制御装置7から出力される制御信号S1,S2によりその回転を制御されている。即ち、入力される制御信号S1,S2の内容に応じて、サーボモータ39,40は、回転を開始したり、回転速度を増減させたり、回転速度を一定に維持したり、回転を停止したりする。
そして、ローター35の外周面上に供給されたポリマー30は、該ローター35の回転により散布口32にまで搬送され、該散布口32から、該散布口32の下方を連続的に搬送される繊維集合体2上に、所定の散布パターン(矩形状の間欠散布)にて散布される。尚、本実施形態で用いたポリマーの間欠散布装置3の詳細については、特開平8−215629号公報に記載されている。
本実施形態において、カッターロール61は、サーボモータ63によって回転駆動されるようになされている。アンビルロール62は、カッターロール61と軸同士がギアで連結され、カッターロール61の回転に連動して回転するようになされている。アンビルロール62は、その周速度が、帯状の繊維集合体2や吸収体連続体10Aの搬送速度と同速度、または増減変化も可能であり、本実施態様においては、このアンビルロールが、繊維集合体の搬送速度に応じた速度で回転する回転体である。
吸収体連続体10Aの切断により、吸収体10が得られる。
本実施態様における静電容量式のセンサー74は、帯状の繊維集合体21の流れ方向(図中X方向)における、吸水性ポリマーの散布位置3Sと吸収体連続体10Aの切断位置との間、より具体的には、第2コアラップシート51の合流位置と吸収体連続体10Aの切断位置との間に配置されている。静電容量式のセンサー74としては、各種公知のものを用いることができ、例えばHossbach社の「QMS70−O−540」等が好ましく用いられる。静電容量は、例えば、誘電率と真空の誘電率と面積との積を、測定距離(センサーと物体との離間距離)で除して求められる。
この間に、検知手段73からパルス信号が出力されると、割り込み処理がかけられてその割り込み時刻を切断装置6による切断時刻として内部時計80から読み取り、当該割り込み時刻とともに当該割り込み時刻におけるカウンター72のカウント数が記憶装置79の記録域に記録される。
また、センサー74からの出力値は、カウンター72がカウントする個々のパルス毎に、その強度(例えば0〜10Vの間で変動する電圧)が、内部時計80から読み取られた各カウント時のカウント数と関連づけられて、記憶装置79の記録域に記録される。
コントローラー76は、記憶装置79の記録域に記録されたこれらの測定データを、コンピュータ77からの指示に基づいてコンピュータ77に送信する。
また、コンピュータ77はグラフィックパネルに組み込まれたものでも良い。
先ず、制御装置7を起動し、変速カムパターンを選択する。変速カムパターンは、ポリマー間欠散布装置3のローター35を予め設定された所定のパターンで非等速回転させるものである。変速カムパターンは、幾つかの変速カムパターンのデータとそれを選択させるためのソフトウェアを上述した制御用ソフトウェアに組み込んでおき、該ソフトウェアにより提示された選択肢のなかから選択する形で入力するようにする。
図6は、変速カムパターンのいくつかの例を示す図であり、各分図中、aは変速カムパターンに対応するサーボモータ39の回転数の変動パターン、bは変速カムパターンに対応するポリマー散布量の変動パターンである。各分図中には、吸収体一枚分の回転数及びポリマー散布量の経時的変化が示されている。
尚、図6(a)に示す変速カムパターンは、図2に示すように、各ポリマー散布領域3aの流れ方向の中央部に吸水性ポリマーを多く偏在させるパターンであり、図6(b)及び図6(c)に示すパターンは、各ポリマー散布領域3aの流れ方向の前端又は後端寄りの部位に吸水性ポリマーを多く偏在させるパターンである。
具体的には、繊維集合体2の搬送機構(図示せず)、ポリマー間欠散布装置3、第1及び第2のコアラップシート供給機構、切断装置6等を作動させる。
ポリマー間欠散布装置3の作動により、吸水性ポリマー30が、選択した変速カムパターンに対応するパターンで、連続的に搬送される繊維集合体2上に散布される。ポリマーが散布された繊維集合体2は、第1及び第2のコアラップシート21,51間に挟まれて吸収体連続体10Aとされた状態で、静電容量式のセンサーの配置位置74Sを通り、次いで、切断装置6により切断される。
先ず、制御装置7は、ポリマー散布領域の位置と繊維集合体の切断位置とを検出し、両者のずれを求める。
コントローラー76は、図7に示すように、静電容量式のセンサーからの出力値を、個々のパルス(各カウント)毎に記録しており、各ポリマー散布領域の所定の基準位置が該センサーの配置位置の通過する通過時刻を求める。
例えば、静電容量式のセンサーからの出力値が所定値を上回った時刻を、ポリマー散布領域の先端がセンサーの配置部位を通過した時刻として求めたり、静電容量式のセンサーからの出力値が所定値を下回った時点を、ポリマー散布領域の後端がセンサーの配置部位を通過した時刻として求める。センサーからの出力値と比較する前記所定値は、ポリマーが散布されていない領域がセンサーの配置部位を通っている間の出力値よりやや高めに設定する。あるいは、ポリマーが散布されていない領域がセンサーの配置部位を通っている間の出力値を、静電容量式のセンサーからの出力値として記録させても良い。
また、コントローラ76は、前記測定データを用いて、切断装置に取り付けた検知手段からのパルス信号が入力された時刻を繊維集合体の切断時刻T3として求める。
そして、コントローラ76は、通過時刻T1及び/又はT2に対応するパルス信号P1と前記切断時刻T3に対応するパルス信号P3のカウント数の差eから、各ポリマー散布領域の位置と繊維集合体の切断位置との間のずれを求める。具体的には、通過時刻として記録されたカウント数と、切断時刻として記録されたカウント数の差を、エンコーダ71の分解能から長さに変換し、これを各ポリマー散布領域の位置と繊維集合体の切断位置との間のずれとする。
本実施形態によれば、このようにして、各ポリマー散布領域の位置と繊維集合体の切断位置との間のずれを、繊維集合体や吸収体連続体の表面の凹凸の影響を受けずに、高精度且つ簡便に確認できる。
このようにして求めたポリマー量が予め設定した所定の範囲から外れる場合には、対応するポリマー散布領域を含む吸収体を、他の正常な吸収体を搬送する搬送路から公知の仕分け手段により排除し、正常な吸収体のみを吸収性物品の製造ライン等に送ることが好ましい。
このような制御を行うことで、ポリマーの量が予め設定した所定の範囲Hから外れることを未然に防止することができる。
第2発明の実施態様においては、図10に示すように、第1の積繊ドラム18によって成形され、所定の間隔を開けて搬送される非連続の第1吸収層181上に、第2の積繊ドラム9によって成形された非連続の第2吸収層91を重ねている。第1及び第2の積繊ドラム18,9は、何れも一方向に連続的に回転し、飛散状態にて供給された吸水性ポリマー及びパルプ繊維を、それぞれの周面に形成された凹部182,92内に吸引堆積させ、その堆積物を、第1吸収層181又は第2吸収層91として排出するものである。
図10に示す吸収体の製造装置1’においては、図示しない搬送機構によって図中X方向に連続的に搬送されるコアラップシート180上に、第1の積繊ドラム18によって成形された第1吸収層181が順次載置され、それらの第1吸収層181上に、第2の積繊ドラム9によって成形された第2吸収層91が順次載置される。そして、互いに積層された第1及び第2吸収層は、コアラップシート180に上下面を被覆された後、切断装置(図示せず)によって切断されて吸収体(図示せず)となる。
より具体的には、第1の積繊ドラム18は、コアラップシート180と同一の周速度で回転しており、第1の積繊ドラム18に、所定回転量に応じたパルス信号を発生するエンコーダ71が取り付けられている。そして、センサーの配置位置74Sからの出力値が、パルス信号のカウント時刻と関連付けられて制御装置7に記録される。また、静電容量式のセンサー74の出力値が所定値を上回った時点及びその後に所定値を下回った時点を、第1及び第2吸収層の積層体10Bの前端と後端がセンサー74の配置位置の通過する通過時刻として検出し、それぞれの時刻に対応するパルス信号のカウント数の差を検出する。
従って、第1及び第2吸収層の積層体10Bの前端と後端がセンサー74の配置位置の通過する時刻に対応するパルス信号のカウント数の差を監視することで、ずれの発生や発生したずれの大きさを検査することができる。
本実施態様においては、ずれが発生を検出したときには、制御手段7から、第2の積繊ドラムを駆動するサーボモータ93の回転を増加又は減少させる制御信号S3を出力させ、それにより、その後の積層体10Bにずれが生じないように補正している。
尚、図10中符合184で示すものは、近接スイッチであり、積繊ドラム18の各凹部に対応して設けられた所定の検出部を検出し、制御装置7に対して間欠的にパルス信号を出力するようになされている。制御装置7は、近接スイッチ184からのパルス信号P5を利用することで、出力値の変動パターンの対比が容易となり、より高精度にずれの有無や大きさの検査が可能である。
例えば、切断装置としては、帯状の繊維集合体2を一定の間隔で順次切断し得る各種公知のものを用いることができる。
第1発明における繊維集合体としては、従来、吸収体の製造に用いられている各種の材料を用いることができ、不織布化されていないウエブや、各種製法による不織布、織物、これらの積層体等を用いることができる。吸水性ポリマーとしては、従来、吸収体に用いられている各種のものを用いることができる。コアラップシートも同様であるが、例えば、液透過性の紙や不織布等を用いることができる。また、吸収性ポリマーを、各ポリマー散布領域それぞれの流れ方向に該ポリマーが不均一に分布するように散布するのに代えて、各ポリマー散布領域それぞれの流れ方向に該ポリマーが均一に分布するように散布しても良い。
また、第2発明において、出力値の変動パターンから、第1吸収層と第2吸収層との間のずれの有無及び程度を検査する方法は、図11(a)に示すような両側に肩のある変動パターン及び図11(b)に示すような両側に型のない変動パターンの何れであるかを制御装置により判別させ、肩のある変動パターンの場合にはずれがあり、肩のない変動パターンの場合にはずれがないと判定させることもできる。また、第2発明における第1及び第2吸収層として、吸水性ポリマーを含む吸収層と吸水性ポリマーを含まない吸収層との組み合わせても良い。
また、第1及び第2発明における吸収体は、コアラップシートを含まないものであっても良い。
また、画像処理によりポリマーの密度に比例した信号を出力するようにしたもの等を用いることもできる。
2 帯状の繊維集合体
3 ポリマー間欠散布装置
30 吸水性ポリマー
6 切断装置
7 制御装置
74 静電容量式のセンサー
81 第1吸収層
91 第2吸収層
Claims (2)
- 所定の間隔を開けて搬送される非連続の第1吸収層上に、非連続の第2吸収層を重ねる積層工程を具備する吸収体の製造方法であって、
前記第1吸収層及び第2吸収層は吸水性ポリマーを含んでおり、
第1吸収層と第2吸収層との積層状態を、ポリマーの密度に比例した信号を出力するセンサーを用いて検査する検査工程を具備し、該検査工程においては、前記センサーの配置位置を、第1及び第2吸収層の積層体が通過している間の該センサーの出力値を記録し、該出力値の変動パターンから、第1吸収層と第2吸収層との間のずれの有無及び程度を検査する、吸収体の製造方法。 - 前記センサーが、静電容量式のセンサーである請求項1記載の吸収体の製造方法。
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