JP5188914B2 - ステッピングモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ステッピングモータに関し、更に詳しくは、モータの回転動力を出力するモータ出力軸の軸端が軸受部材により回転自在に支承されたステッピングモータにおけるその軸受構造に関するものである。
一般的なステッピングモータでは、駆動コイルに通電することで発生した磁界によってロータ(永久磁石)が回転するように構成され、このロータに固定されたモータ出力軸の軸端が軸受部材により回転自在に支承されている。
このようなステッピングモータの一例として、例えば特許文献1には、モータ出力軸のステータから突出した部分にねじ溝(リードスクリュー部)が形成され、そのモータ出力軸の出力側軸端を鋼球を介して支承する軸受部材を備えたものが記載されている。この種の軸受部材は、ピポット軸受などと称され、軸受中央に形成されたテーパ形状の凹部で保持される鋼球を介して、出力側軸端が同様のテーパ形状の凹部に形成されたモータ出力軸を回転自在に支承するものであり、特徴として、モータ出力軸の軸ぶれが抑えられるため振動やトルクロスが少なく、安定した回転特性が得られるという利点がある。
実開平6−17383号公報
しかしながら、このような軸受部材を備えたステッピングモータでは、衝撃や振動に対する信頼性に欠けるという問題がある。すなわち、何らかの外力がモータ出力軸に加わった際に、軸受部材を乗り上げてモータ出力軸が外れてしまうといった異常が発生する。
特に、上記特許文献1に記載されるステッピングモータのように、モータ出力軸が軸受部材側に付勢されているような構成では、この付勢力を上回る外力がモータ出力軸に対して加わった場合、モータ出力軸が軸受部材から簡単に外れてしまうため問題となる。
上記実情に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、ステータから突出されるモータ出力軸の軸面にねじ溝が形成されたステッピングモータにおいて、振動や衝撃によってモータ出力軸の軸端が軸受部材から不用意に抜脱することのない、耐衝撃性、耐振動性に優れた安定性の高いステッピングモータを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、駆動コイルが装着されたステータと、該ステータから突出した軸面にねじ溝が形成されたリードスクリュー部を有するモータ出力軸と、該モータ出力軸出力側の軸端を回転自在に支承する軸受部材とを備えたステッピングモータにおいて、前記モータ出力軸のリードスクリュー部側の軸端には、先端側に向かって先細りとなるテーパ形状のテーパ軸部と、該テーパ軸部の先端からさらに突出した部分とが形成され、前記軸受部材は、前記モータ出力軸のリードスクリュー部側の軸端を支持する軸端受部と、該軸端受部の周縁に前記テーパ軸部の先端からさらに突出した部分に対向して形成される対向筒部と、該対向筒部の開口縁に沿って端面から環状に突出し、内周面が前記テーパ軸部に対向して形成された薄肉の突出部とを備えることを要旨とするものである。
本発明に係るステッピングモータによれば、モータ出力軸の軸端を支承する軸受部材に薄肉の突出部が軸受部材の端面からさらに突出して設けられているため、モータ出力軸に何らかの外力が加わってもモータ出力軸の軸端が軸受部材の対向筒部を乗り越え、さらに上記突出部を乗り越えて外れてしまうというような不具合が生じるおそれは低く、従来型のステッピングモータと比較し、耐衝撃性、耐振動性に優れる。
この場合、前記軸端受部は、円錐形または角錐形の錐形状の窪み面であれば好適である。
このように構成すれば、モータ出力軸に何らかの外力が加わったとしても、モータ出力軸を軸受部材の中央に戻そうとする力が働く(いわゆる調芯機能が働く)ため、上記モータ出力軸の抜脱防止性能がさらに向上する。
さらに、前記モータ出力軸のリードスクリュー部側の軸端が前記軸受部材に保持された鋼球を介して前記軸受部材に回転可能に支承されるものであって、前記テーパ軸部の先端からさらに突出した部分には、前記鋼球を受止する鋼球受部が形成され、前記軸受部材の前記対向筒部は、前記鋼球の周面に対向する相対的に小径の第一筒部と、前記鋼球受部に対向する相対的に大径の第二筒部とから形成さているようにすればよい。
このような構成とすれば、モータ出力軸の軸受部材からの抜脱が上記突出部により防止された場合、モータ出力軸のテーパ軸部および突出部の内周面に形成されたテーパ面により、モータ出力軸は即座に軸受中央に戻る。したがって、モータ出力軸が軸受部材に乗り上げた状態で回転し続けるといった不具合が防止される。
また、前記軸受部材の前記突出部の外周に前記モータ出力軸のリードスクリュー部に係合される被係合部材の前進動を妨げない移動許容スペースが設けられていればよい。
これにより、モータ出力軸のリードスクリュー部に係合され、その軸線方向に進退移動させる被係合部材(キャリッジ)の駆動範囲が突出部により小さくなってしまうこと(キャリッジと突出部とが当接してしまうこと)が防止される。すなわち、突出部を設けても、モータ出力軸のリードスクリュー部の有効長さが減少してしまうことはない。
そしてこの場合、前記被係合部材は、その前進端位置で前記軸受部材の反出力側端面と当接するように構成されていればよい。ここで、「軸受部材の反出力側端面」とは、突出部が突出形成された面(突出部を除いて最も反出力側に位置する面)をいう。
このような構成とすることにより、軸受部材が被係合部材のストッパとして働くため、被係合部材が前進し過ぎて軸受部材のリードスクリュー部から外れてしまうことが防止される。
さらに、前記対向筒部が形成された円筒部の外周面は、前記モータ出力軸のリードスクリュー部側軸端から反出力側方向へ向けて漸次太径となるテーパ状に形成されていれば、成形時における樹脂の流動性が向上すると共に、特に薄肉の突出部の内周面における樹脂のヒケ量も小さくなるため、精度良く薄肉状の突出部を対向筒部の開口部に沿って環状に突出形成することが可能となる。
本発明によれば、モータ出力軸の軸端を支承する軸受部材に薄肉の突出部が軸受部材の端面からさらに突出して設けられているため、モータ出力軸の軸受部材からの抜脱は、その軸端周面に対向して形成される軸受部材の対向筒部を乗り越え、さらにその周縁に形成された突出部を乗り越えた場合でなければ生じることはなく、従来型のステッピングモータと比較し、耐衝撃性、耐振動性に優れたステッピングモータとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1(a)は、本発明に係るステッピングモータ1の側面図(一部断面図)であり、図1(b)はステッピングモータ1の上面図である。図2は、図1(a)に示したステッピングモータ1のステータ20を拡大して示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係るステッピングモータ1は、モータの駆動力を出力するモータ出力軸12を有するロータ10と、ロータ10を回転させるための磁界を発生させるステータ20と、ステータ20の出力側端面に固定されるモータフレーム30と、モータフレーム30の出力側に取り付けられた第一の軸受部材40およびステータ20の反出力側に取り付けられた第二の軸受部材50とを備える。
ロータ10は、モータ出力軸12の反出力側の外周にN極とS極とが周方向で交互に着磁された永久磁石14が接着剤等を用いて固定されることで構成されている。モータ出力軸12は、出力側(ステータ20から突出した部分)の軸面にねじ溝が形成されたリードスクリュー部12aを有し、その両端が第一の軸受部材40および第二の軸受部材50により回転自在に支承されている。このモータ出力軸12の支持構造の詳細については後述する。
ステータ20は、永久磁石14の外周面に対向し、かつモータ出力軸12の軸線方向に重ねて配置された第一ステータ組201および第二ステータ組202とによる二層構造を有している。
図2に示すように、第一ステータ組201および第二ステータ組202は、各々、駆動コイル221,222が巻き回されたコイルボビン221a,222aと、内ステータコア241,242および外ステータコア251,252を備える。この内ステータコア241,242と外ステータコア251,252のそれぞれには、その内周縁に等間隔で軸線方向に起立形成された極歯26が複数本形成されている。
駆動コイル221,222が巻き回されたコイルボビン221a,222aの内周側には、内ステータコア241と外ステータコア251、内ステータコア242と外ステータコア252のそれぞれに形成された複数の極歯26が交互に入り組むように形成されている。具体的には、第一ステータ組201の内ステータコア241と外ステータコア251における各極歯26の外周側に、コイルボビン221aを介して駆動コイル221が円環状に巻き回され、第二ステータ組202の内ステータコア242と外ステータコア252における各極歯26の外周側に、コイルボビン222aを介して駆動コイル222が円環状に巻き回されている。また、各極歯26の内周側には、所定の間隔をおいて上述の永久磁石14が対向して位置している。
また、外ステータコア251,252の外周縁は、折り曲げられて駆動コイル221,222の外周を覆うように起立形成されており、それぞれがモータケースとしても機能している。以下、この外ステータコア251,252のうち、駆動コイル221,222の外周を覆う部分をそれぞれ第一モータケース281、第二モータケース282とする。
これら第一モータケース281および第二モータケース282は、絞り加工により円筒形状に形成されている。そして、この第一モータケース281および第二モータケース282の図1および図2における下側の壁面には、所定の大きさに切り欠かれた開口部23が形成されている。この開口部23からは、端子台29に立設された端子ピン29a〜29dが突出している。端子台29は、内ステータコア241,242の外周縁にインサート成形や圧入等により固定されており、端子ピン29a〜29dには、駆動コイル221,222の巻線端末が絡げられている。そして、端子ピン29a〜29dは、端子台29上に載置される回路基板60に半田付けなどにより固定されている。
モータフレーム30は、金属板の両端が略直角に折り曲げられてコの字型に形成された部材であり、モータ出力軸12と平行に延びる平板状の底板部32、底板部32の一方側の端部から折り曲げられたステータ20の出力側端面に固定されるステータ支持部34、および底板部32の他方側の端部から折り曲げられた第一の軸受部材40を支持する軸受保持部36とから構成される。
底板部32は、モータフレーム30の基礎となる部分であり、モータ出力軸12に対して平行になるように位置する。その長手方向の長さは、モータ出力軸12に形成されたリードスクリュー部12aの長さと略同一である。ステータ支持部34は、底板部32の反出力側端縁から垂直に起立形成された部分であり、軸受保持部36と対向して位置する。その略中央には、モータ出力軸12の径よりも一回り大きな貫通穴341が形成されている。モータフレーム30は、貫通孔341にモータ出力軸12を挿通させて、ステータ支持部34が第一モータケース281(外ステータコア251)にレーザ溶接等により固定されることで取り付けられている。
モータフレーム30の軸受保持部36には、所定の大きさの軸受保持穴361が形成されており、この軸受保持穴361にモータ出力軸12の出力側軸端121(リードスクリュー部12a側の軸端)を支承する合成樹脂材料で成形されたカップ状の第一の軸受部材40(本発明における軸受部材に相当する。)が取り付けられている。この第一の軸受部材40を拡大して示した外観斜視図を図3(a)に、断面図を図3(b)に示す。また、図4にモータ出力軸12の出力側軸端121部分を拡大して示した断面図を示す。
これらの図に図示されるように、第一の軸受部材40は、モータフレーム30の軸受保持部36に形成された軸受保持穴361に嵌合される第一円筒部41、この第一円筒部41よりも大径の第二円筒部42(本発明における円筒部に相当する。)を備える。そして、第二円筒部42の内底面には、モータ出力軸12の出力側軸端121を支持する軸端受部421が形成され、第二円筒部42の内周面には、軸端受部421の周縁にモータ出力軸12の出力側軸端121の外周面に対向して形成される対向筒部422が形成されている。さらに、第一の軸受部材40は、この対向筒部422の開口縁に沿って環状に突出形成された突出部43を備え、鋼球44を介してモータ出力軸12の出力側軸端121を回転自在に支承する。この第一の軸受部材40は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂材料により一体的に成形される。
本実施形態では、第一の軸受部材40に形成された軸端受部421および対向筒部422からなる凹みは、第一円筒部41に到るまでの深さではない。すなわち、第一円筒部41は、空洞部分を有さない円柱状に形成されている。そのため、軸受保持穴361に第一円筒部41を嵌合した場合であっても、第二円筒部42の軸端受部421や対向筒部422の形状が変化してしまうなど、出力側軸端121を支持する部分の寸法精度に影響を及ぼすことがない。
ここで、図4に示すように、モータ出力軸12の出力側軸端121には、リードスクリュー部12aから先端にかけて漸次小径となるテーパ形状に形成されたテーパ軸部121aが形成されると共に、このテーパ軸部121aの先端には、鋼球44を受止するための凹部である鋼球受部121bが形成されている。
軸端受部421は、その中心部に向けて円錐形(角錐形でもよい)をなす窪み面となるように形成されており、上記鋼球44は軸端受部421の中央に保持される。軸端受部421をこのような錐形とするのは、ステッピングモータ1に、モータ出力軸12を第一の軸受部材40の中央に戻そうとする、いわゆる調芯機能を持たせるためである。
対向筒部422は、図3(b)および図4に示されるように二段形状に形成されている。具体的には、鋼球44の周面に対向する相対的に小径の第一筒部422a、およびモータ出力軸12の鋼球受部121bに対向する相対的に大径の第二筒部422bとからなる。第一筒部422aの内径寸法は、鋼球44の径より若干大きく形成されており、鋼球44とは当接していない。すなわち、鋼球44は、錐形をなす軸端受部421とのみ当接しており、鋼球44と第一の軸受部材40との摺動によるエネルギーロスを極力抑えた構成となっている。さらに、第一筒部422aの高さ、すなわち、モータ出力軸12の軸線方向における軸端受部421の外縁部分から第二筒部422bとの境界までの長さは、鋼球44の半径と略同一に形成されている。そのため、この第一筒部422aは、何らかの外力が加わった際、鋼球44の第一の軸受部材40からの脱落を防止する脱落防止部として働く。
同様に、第二筒部422bとモータ出力軸12の鋼球受部121bとも所定のクリアランスを隔てて対向しており、両者の摺動によるエネルギーロスが生じないように構成されている。また、第二筒部422bの高さ、すなわち、モータ出力軸12の軸線方向における第一筒部422aとの境界から突出部43の内縁部分までの長さは、鋼球受部121bの長さと略同一に形成されている。つまり、この第二筒部422bは、何らかの外力が加わった際、モータ出力軸12が第一の軸受部材40から外れてしまうのを防止する役割を果たしている。
ここで、第一円筒部41の外周面は、出力側から反出力側、すなわち、第二円筒部42側に向けてほぼ同一の径となる直線状に形成されているが、第二円筒部42の外周面は、モータ出力軸121のリードスクリュー部12a側軸端から反出力側方向に向けて漸次太径となるテーパ状に形成されている。
そして、この対向筒部422の第二筒部422bの周縁(第一の軸受部材40の反出力側端面40a(突出部43が形成されていないとした場合に最も反出力側に位置する面をいう。))からは、反出力側に所定長さ突出した薄肉の突出部43が形成されている。この突出部43は、その内周面がモータ出力軸12の出力側軸端121におけるテーパ軸部121aの外周面の一部と対向し、反出力側に向けて漸次拡径となるテーパ形状に形成されている(テーパ面43a)。また、反出力側端面40aは、突出部43が形成されているところを除き平坦に形成されており、突出部43の外周面は、その先端部分から反出力側端面40aに掛けて直線状に形成されている。
このような第一の軸受部材40に対し、モータ出力軸12の反出力側軸端122を支持する第二の軸受部材50は、図2に示すように、第二の軸受部材50が、ステータ20の反出力側端面40aに固定された軸受保持部材56内において付勢部材54によって出力側に付勢された状態で保持され、その中央に形成された凹部501に保持された鋼球52を介してモータ出力軸12の反出力側軸端122を支持する構成が採用されている。
さらに、凹部501の底面、すなわち、鋼球52と当接する部分は、第一の軸受部材40と同様に、その中心部に向けて円錐形(角錐形でもよい)をなす窪み面となるように形成されており、鋼球52は凹部501の中央に保持される。このような錐形とするのは、ステッピングモータ1に、モータ出力軸12を第二の軸受部材45の中央に戻そうとする、いわゆる調芯機能を持たせるためであって、本実施の形態では、モータ出力軸12はそれぞれ調芯機能を有する第一の軸受部材40、第二の軸受部材50によって調芯された状態で回転可能に支持されている。
本実施形態に係るステッピングモータ1が上記構成の第一の軸受部材40を備えることにより、次のような作用効果が奏される。すなわち、第一の軸受部材40に薄肉の突出部43が第一の軸受部材40の反出力側端面40aからさらに突出して設けられているため、モータ出力軸12の第一の軸受部材40からの抜脱は、その出力側軸端121周面に対向して形成される第一の軸受部材40の対向筒部422(第二筒部422b)を乗り越えたとしても、さらに上記突出部43を乗り越えた場合でなければ生じることはない。つまり、本実施形態では、第二筒部422bと突出部43による二重の抜け止め構造を有しているため、衝撃や振動など、何らかの外力がモータ出力軸12に加わることによるモータ出力軸12の不用意な抜脱が効果的に防止される。そのため、耐衝撃性、耐振動性に優れたステッピングモータとすることができる。
一方、突出部43の外周側には、図5(a)に示すように反出力側端面40aと突出部43の外周面によって区画された、所定の大きさの空間である移動許容スペース404が設けられている。この移動許容スペース404は、モータ出力軸12のリードスクリュー部12aに係合され、ステッピングモータ1の回転動力が伝達されてモータ出力軸12の軸線方向に進退移動する被係合部材5(キャリッジ)の移動を妨げないようにするために設けられている。
この点について図5を参照して具体的に説明する。被係合部材5は、モータ出力軸12のリードスクリュー部12aに螺合される係合部5aと外部機器と接続される本体部5bとからなる。この被係合部材5は、その回転が規制されているため、モータ出力軸12が回転すると、モータ出力軸12の軸線方向(図中の矢印の方向)に進退動作する。本実施形態では、被係合部材5が出力側に移動した際、被係合部材5の本体部5bが第一の軸受部材40に当接することで被係合部材5の駆動範囲が小さくなってしまうことを防止するため、第一の軸受部材40の突出部43における外周側に移動許容スペース404を設けている。換言すると、第一の軸受部材40(モータ出力軸12)の中心軸線Cから突出部43の外周面までの距離D1は、中心軸線Cから被係合部材5の本体部5bの下端面までの距離D2より小さくなるように構成されている。さらに、第一の軸受部材40(モータ出力軸12)の中心軸線Cから突出部43の外周面までの距離D1は、中軸軸線Cからモータ出力軸12の外周面までの距離とほぼ同じに形成されている。
例えば仮に、図5(b)に示すように、このようなスペースが設けられていないとすれば、被係合部材5が前進端まで移動する手前で第一の軸受部材40と当接してしまい、第一の軸受部材40によってその駆動範囲が小さくなってしまうことになる。言い換えれば、係合部材5の係合部5aは、リードスクリュー部12aが形成された部分を有効に利用できなくなってしまうため、結果として被係合部材5の移動距離が短くなってしまう。
これに対し、図5(a)から分かるように、移動許容スペース404が設けられていれば、ステッピングモータ全体の大きさが同じであっても、移動許容スペース404が設けられていない場合と比較して被係合部材5の駆動範囲を大きくすることができる。すなわち、被係合部材5の係合部5aは、リードスクリュー部12aが形成された部分を出力側まで有効に利用できるため、被係合部材5の移動距離を長くすることができる。
以上の作用効果を言い換えると次のようなことが言える。例えば、背景技術で説明した従来の軸受部材80から、図5(a)に示す本実施形態に係るステッピングモータ1が備える第一の軸受部材40に変更すれば、移動許容スペース404を設けたことにより被係合部材5の駆動範囲を今まで通りの大きさに維持しつつ、突出部43によりモータ出力軸12の抜脱防止性能を高めることができる。一方、仮に図5(b)に示すような形状の軸受部材40から、図5(a)に示す本実施形態に係る第一の軸受部材40に変更すれば、突出部43によりモータ出力軸12の抜脱防止性能を維持しつつ、移動許容スペース404により被係合部材5の駆動範囲を今まで以上に大きくすることが可能となる。
すなわち、本発明は、突出部43を設けることでモータ出力軸12の抜脱防止性能を高める(例えば、従来の軸受部材を図5(a)の形状に変えた場合に比べて)という効果を備えるとともに、突出部43を設けることで現状の抜脱防止性能を維持しつつ、被係合部材5の駆動範囲を大きくする(例えば、軸受部材を図5(b)の形状から図5(a)の形状に変えた場合に比べて)という効果を兼ね備えるものである。つまり、ステッピングモータ1の使用用途などに応じて、第一の軸受部材40の突出部43の突出長さや反出力側端面40aの幅寸法、すなわち、突出部43と反出力側端面40aとによって区画される移動許容スペース404の大きさなど、第一の軸受部材40の形状を決定すれば、本発明を有効に活用することができる。
また、被係合部材5が移動許容スペース404まで移動した際における被係合部材5の本体部5bと、突出部43の外周面との距離ができるだけ小さくなるように設定すれば、移動許容スペース404における被係合部材5の傾きは突出部43によって規制される。すなわち、突出部43の外周面は被係合部材5の傾き規制部としても働くこととなる。
さらに、本実施形態では、図5(a)に示すように、被係合部材5が前進端まで移動した場合、被係合部材5の出力側端面が、第一の軸受部材40の反出力側端面40aと当接するように構成されている。このように構成することで、被係合部材5が前進し過ぎてしまうことにより係合部5aがリードスクリュー部12aから外れてしまうことが防止される。つまり、第一の軸受部材40の反出力側端面40aを被係合部材5の位置規制部としているため、被係合部材5の本体部5bは、この反出力側端面40aに当接することで出力側への移動が制限される。このため、リードスクリュー部12aから係合部5aが外れてしまうことが防止することができるとともに、許容移動スペース404の大きさ(長さ)を適切に設定することで、リードスクリュー部12aに対する被係合部材5aの有効利用長さを適切な長さに確保することができる。
さらに、上述したように、第一の軸受部材40の軸端受部421は、その中心部に向けて円錐形(角錐形)をなす窪み面に形成されているので、モータ出力軸12に対し、第一の軸受部材40から抜脱させようとする方向の力が働いたとしても、モータ出力軸12を第一の軸受部材40の中央に戻そうとする、いわゆる調芯機能が働く。そのため、突出部43によるモータ出力軸12の抜脱防止性能がさらに向上すると共に、モータ出力軸12の駆動をさらに安定したものとすることができる。
さらに、モータ出力軸12の出力側軸端121には、先細テーパ形状のテーパ軸部121aが形成され、第一の軸受部材40の突出部43の内周面には、モータ出力軸12のテーパ軸部121aに対向して漸次拡径となるテーパ面43aに形成されているため、モータ出力軸12が第一の軸受部材40の対向筒部422を乗り越え、その抜脱が突出部43により防止された場合、モータ出力軸12のテーパ軸部121aおよび突出部43のテーパ面43aにより、モータ出力軸12は即座に軸受中央に戻る。つまり、モータ出力軸12が第一の軸受部材40から抜脱しそうになっても、モータ出力軸12が第一の軸受部材40に乗り上げた状態で回転し続けるといった不具合が防止される。
さらに、内周面に対向筒部422が形成された第二円筒部42の外周面は、モータ出力軸12の出力側軸端121から反出力側方向へ向けて漸次太径となるテーパ状に形成されているので、成形時における樹脂の流動性が向上すると共に、特に薄肉の突出部の内周面における樹脂のヒケ量も小さくなるため、精度良く薄肉状の突出部43を対向筒部422の開口部に沿って環状に突出形成することが可能となる。
なお、上述したように、本実施形態に係るステッピングモータ1が備える第二の軸受部材50は、付勢部材54によって出力側に付勢された状態で保持されているが、付勢部材54の付勢力を上回る外力がモータ出力軸12に対して加わった場合に、モータ出力軸12が抜脱しやすいという問題があるが、上述のように第一の軸受部材40に突出部43を設けた構成としているため、そのおそれは低い。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、モータ出力軸12の出力側軸端121を支持する第一の軸受部材40に突出部43を設け、モータ出力軸12の不用意な抜脱を防止したことを説明したが、モータ出力軸12の反出力側軸端122を支持する第二の軸受部材50も第一の軸受部材40と同様の構成としてもよい。このようにすれば、モータ出力軸12の両端の抜脱防止性能が高まるため、さらにステッピングモータの安定性を高めることができる。
さらに、上記実施形態に係るモータ1は、いわゆるステッピングモータであることを説明したが、その他のモータ、例えばDCモータ等にも本発明の技術的思想は適用可能である。また、回転する軸を支持する軸受部材を備えた装置であれば、モータ以外の装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、モータ出力軸12の出力側軸端121および反出力側軸端122は、それぞれ鋼球44、45を介して第一の軸受部材40および第二の軸受部材50に支持されていることを説明したが、モータ出力軸の軸端を球面にすることで直接第一の軸受部材40および第二の軸受部材50に支持される構成であってもよい。
(a)は本発明の一実施形態に係るステッピングモータの側面図(一部断面図)であり、(b)はその上面図である。 図1に示したステッピングモータのステータを拡大して示した側面図(一部断面図)である。 (a)は図1に示したステッピングモータが備える第一の軸受部材を拡大して示した外観斜視図であり、(b)はその断面図である。 図3に示した軸受によるモータ出力軸の支持構造を説明するため、モータ出力軸の出力側軸端部分を拡大して示した断面図である。 (a)は図1に示したステッピングモータによって被係合部材が前進端位置まで移動した状態を示した概略図であり、(b)は軸受部材に移動許容スペースが設けられていない場合に被係合部材が前進端位置まで移動した状態を示した概略図である。
符号の説明
1 ステッピングモータ
12 モータ出力軸
121 出力側軸端
121b 鋼球受部
12a リードスクリュー部
20 ステータ
221,222 駆動コイル
40 (第一の)軸受部材
421 軸端受部
422 対向筒部
422a 第一筒部
422b 第二筒部
43 突出部
43a テーパ面
404 移動許容スペース
44 鋼球

Claims (6)

  1. 駆動コイルが装着されたステータと、該ステータから突出した軸面にねじ溝が形成されたリードスクリュー部を有するモータ出力軸と、該モータ出力軸出力側の軸端を回転自在に支承する軸受部材とを備えたステッピングモータにおいて、
    前記モータ出力軸のリードスクリュー部側の軸端には、
    先端側に向かって先細りとなるテーパ形状のテーパ軸部と、
    該テーパ軸部の先端からさらに突出した部分と
    が形成され、
    前記軸受部材は、
    前記モータ出力軸のリードスクリュー部側の軸端を支持する軸端受部と、
    該軸端受部の周縁に前記テーパ軸部の先端からさらに突出した部分に対向して形成される対向筒部と、
    該対向筒部の開口縁に沿って端面から環状に突出し、内周面が前記テーパ軸部に対向して形成された薄肉の突出部と
    を備えることを特徴とするステッピングモータ。
  2. 前記軸端受部は、円錐形または角錐形の錐形状の窪み面であることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。
  3. 前記モータ出力軸のリードスクリュー部側の軸端が前記軸受部材に保持された鋼球を介して前記軸受部材に回転可能に支承されるものであって、
    前記テーパ軸部の先端からさらに突出した部分には、前記鋼球を受止する鋼球受部が形成され、
    前記軸受部材の前記対向筒部は、前記鋼球の周面に対向する相対的に小径の第一筒部と、前記鋼球受部に対向する相対的に大径の第二筒部とから形成さていることを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータ。
  4. 前記軸受部材の前記突出部の外周には、前記モータ出力軸のリードスクリュー部に係合される被係合部材の前進動を妨げない移動許容スペースが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のステッピングモータ。
  5. 前記被係合部材は、その前進端位置で前記軸受部材の反出力側端面と当接するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のステッピングモータ。
  6. 前記対向筒部が形成された円筒部の外周面は、前記モータ出力軸のリードスクリュー部側軸端から反出力側方向へ向けて漸次太径となるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のステッピングモータ。
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