JP5178215B2 - 浮上用構造体、スライド部材およびステージ装置 - Google Patents

浮上用構造体、スライド部材およびステージ装置 Download PDF

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Description

本発明は、案内支持体の上で浮上させるための浮上用構造体に関する。また、案内支持体と、浮上用構造体を備えた可動体とを有するスライド部材に関する。さらに、このスライド部材を備えてなるステージ装置に関する。
近年、液晶テレビなどの大型化に伴って、液晶パネルを製造する際に用いられるガラスプレートまたはその原盤であるマスクを載置して、それらの加工または測定をするための大型のステージ装置が必要不可欠になっている。
このようなステージ装置は、通常、下面側を固定された案内支持体と、この案内支持体上を浮上しながら移動する可動体とを備えている。また、可動体側から案内支持体側に気体を噴出して可動体を案内支持体上で浮上させる。この際、例えば案内支持体と可動体の間に数μmの間隔を空けたまま、可動体を案内支持体上で移動させることが可能である。
案内支持体と可動体の間隔(可動体の浮上量)を高い寸法精度に保ったまま可動体を移動させる要求が高まっているので、この間隔を測定・制御する方法が特許文献1に提案されている。
特開2004−258379号公報
しかし、案内支持体上を可動体が浮上しながら移動する際に、可動体が案内支持体に接触しないように確実な制御を行うこと、および、可動体と案内支持体の間隔を高い精度で検知し、この間隔を確実に維持することが求められている。
なぜなら、案内支持体と可動体とが互いに接触することがあると、案内支持体と可動体が摺接して双方に傷がつく、あるいは可動体が移動不能になることがあるからである。また、可動体と案内支持体の間隔を高い精度で検知し、この間隔を確実に維持できないと、案内面(可動体が対向する案内支持体の面)に対して可動体の下面が平行になりにくく、その結果、可動体が案内面に対して傾いたまま移動することになるからである。
そこで本発明は、浮上用構造体またはこれを備えた可動体が案内支持体と接触しないように確実に制御することができ、可動体と案内支持体の間隔を高い精度で検知し、この間隔を確実に維持できる浮上用構造体、スライド部材およびステージ装置を提供することを目的とする。
本発明の浮上用構造体は、案内支持体の上で浮上させるためのものであり、浮上用構造体を浮上させるための気体の噴出口と、浮上用構造体の前記案内支持体からの浮上高さを測定するための気体の排出口とを有することを特徴とする。また、この浮上用構造体において、前記排出口を同一面に3個以上有していてもよい。また、排出口の複数が噴出口を取り囲んでいてもよい。また、前記排出口を複数有し、これら排出口のうち1個の排出口は前記本体の中央に位置するとともに他の排出口は前記噴出口を取り囲んでいてもよい。また、前記噴出口を複数有し、これら噴出口から噴出される気体の圧力が個別に制御されてもよい。また、前記噴出口と前記排出口との間に、前記本体と前記案内支持体との間を負圧にして該本体を前記案内支持体に対して吸引させるための吸引溝を有していてもよい。また、前記噴出口と前記排出口との間に、前記噴出口から噴出された気体を回収するための回収溝を有していてもよい。また、前記排出口の幅が前記噴出口の幅よりも小さくてもよい。また、前記排出口から排出される気体の圧力が前記噴出口から噴出される気体の圧力よりも小さくてもよい。また、前記排出口の近傍に排気溝を備えていてもよい。
本発明のスライド部材は、案内支持体と、該案内支持体上を移動する可動体とを有するスライド部材であって、前記可動体の前記案内支持体に対向する側に、上記浮上用構造体を備えてなることを特徴とする。また、このスライド部材において、前記案内支持体、前記可動体および前記浮上用構造体がセラミックスで構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明のステージ装置は、上記スライド部材と、気体を供給する気体供給手段と、前記排出口からの排気流量を測定する流量測定手段と、該流量測定手段で測定した排気流量に基づいて前記噴出口から前記案内支持体への気体噴出量を制御できるように構成した制御手段とを備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、噴出口によって案内支持体の上を浮上させながら、噴出口とは別に設けた排出口によって案内支持体からの浮上高さを測定することができる。これにより、案内支持体上を浮上する浮上用構造体または浮上用構造体を設けた可動体の浮上高さを高精度に測定し、制御することができる。
また、排出口を3個以上備えていることにより、案内支持体上で浮上用構造体または浮上用構造体を設けた可動体を安定に浮上させることができ、案内支持体との接触を極力避けることができ、さらに浮上用構造体の浮上高さを一定に保つことができる。
また、排出口の複数が噴出口を取り囲んでいることにより、浮上高さをより一定に安定的に保つことができる。
また、排出口の近傍に排気溝を備えていることにより、測定用気体を抵抗なく排出することができるので、測定用気体によって測定される浮上高さをより高精度に測定することができる。
また、案内支持体、可動体および浮上用構造体がセラミックスで構成されていることにより、可動体をより高精度に案内できる。
本発明のステージ装置によれば、可動体を案内支持体上で高精度の浮上高さで浮上させて、案内支持体と可動体または浮上用構造体との摺接を抑制しつつ、浮上高さを一定に保持できる。
以下、本発明に係る浮上用構造体である浮上用パッド、スライド部材およびステージ装置の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1にブロック構成図にて概略の全体構成を示すステージ装置100について説明する。ステージ装置100は、浮上用パッド3を含むスライド部材と、浮上用パッド3へ気体を供給する気体供給手段(コンプレッサ105、第1の調圧弁104および第2の調圧弁102を含む)と、浮上用パッド3に設けられた気体の排出口6からの排気流量を測定する流量測定手段(体積流量計101、アンプ106、A/D変換器107およびコンピュータ108を含む)と、この流量測定手段で測定した排気流量に基づいて浮上用パッド3に設けられた噴出領域4(噴出口を有する)から後記する図2における案内支持体1への気体噴出量を制御できるように構成した制御手段(コンピュータ108およびD/A変換器109を含む)とを備えてなる。
ここで、案内支持体1の上で浮上させるための浮上用パッド3は、その本体に供給した気体を案内支持体1へ噴出させて本体を浮上させるための噴出領域4(噴出口を有する)と、本体の浮上高さを本体に供給した気体の排気流量に基づいて測定するための排出口6とを有する。
また、コンプレッサ105で発生させた圧縮気体(例えば空気)は、例えば第1の調圧弁104および第2の調圧弁102を通過して、浮上用パッド3に供給される。このように多段に調圧弁を設けることにより、気体圧力の制御を精度よく行なわせることができる。
浮上用パッド3において、上記のようにして供給された圧縮気体は、オリフィス絞り、自成絞り、表面絞りまたは多孔質絞り等の絞り構造を備えた噴出領域4(噴出口を有する)から噴出される。この噴出された気体は、例えば幅2mm以上,深さ2mm以上の回収溝(図4における8(8a〜8d))により回収される。さらに、回収された気体は、例えば径2mm以上の回収孔9から浮上用パッド3の側面または上面から大気に開放される。
浮上用パッド3の浮上高さ(後記する案内支持体1との間隔)を調整するための一要素である真空コンプレッサ110による負圧は、これに接続された真空調圧弁103で調整しながら、例えば径2mm以上の吸引孔11にて伝達される。そして、吸引孔11に導通している、例えば幅2mm以上,深さ2mm以上の吸引溝10により、噴出領域4と、計測用の供給孔15が位置している角部の計測部領域とを除く浮上用パッド3全体を負圧にする。その負圧によって、浮上用パッド3は案内支持体1に対する吸引力を得ている。
上記の計測部領域には、コンプレッサ105で発生させた圧縮気体が、第1の調圧弁104を通過して、図7に具体的に示すように、気体の供給孔15から気体の導入孔13と、さらに導入孔13より細い絞り孔14を通って、案内支持体1の軸受け面に排出される。その気体の流量はデジタル式の体積流量計(マスフローメーター)101で測定する。浮上高さと体積流量値は相関関係にあるので、その比例関数の数式を設計形状毎にあらかじめ求めておけば、体積流量値を検知することで浮上用パッド3の個々の位置の浮上高さが瞬時に演算で把握されることになる。
本実施形態のスライド部材は、図2および図3に部分図にて示すように、案内支持体1と、案内支持体1へ気体を噴出・吸引することにより、例えば案内支持体1上を浮上しながら往復移動できる加減圧型の浮上用パッド3を備えている。この浮上用パッド3は可動体2によって移動方向以外の垂直方向変位と水平方向変位を拘束される構造になっている。
このように、本実施形態のスライド部材は、案内支持体1と、案内支持体1上を浮上して移動する可動体2とを有し、可動体2の案内支持体1に対向する側に浮上用パッド3を備えてなる。なお、浮上用パッド3を用いずに可動体2そのものを浮上用構造体としてもよい。すなわち、可動体2と浮上用パッド3とを一体に構成した浮上用構造体そのものである可動体としてもよい。
図4および図5に浮上用パッド3の下面を平面図にて示すように、浮上用パッド3の下面は気体の噴出口(多孔質体の孔)のある噴出領域4(4a〜4d)と、これらとは別に気体の排出口6(6a〜6d)を備えており、供給された気体の流量を検出しながら可動体2の浮上高さ12(図5に示す、案内支持体1上を浮上したときの可動体2と案内支持体1との間隔)を検知できるように構成している。なお、排出口6(6a〜6d)を3個以上備えていることにより、案内支持体1上で浮上用パッド3または浮上用パッド3を設けた可動体2を安定に浮上させることができ、案内支持体1との接触を極力避けることができ、さらに浮上用構造体の浮上高さを一定に保つことができる。また、排出口6(6a〜6d)の複数が噴出口4(4a〜4d)を取り囲んでいることにより、浮上用構造体の浮上高さをより一定に安定的に保つことができる。
浮上用パッド3の下面には緻密質体で構成された吸引領域5(5a〜5e)が形成されている。この吸引領域5(5a〜5e)は、図1の真空コンプレッサ110による負圧を図1の真空調圧弁103で調整して吸引力201を発生させ、噴出領域4(4a〜4d)の静圧によって発生する浮上力200とのバランスを保つ。これにより、浮上用パッド3と案内支持体1との浮上高さ12を数μmの間隔に調整している。このように、浮上高さを数μmの間隔にすることによって、噴出領域4(4a〜4d)の絞り効果による剛性を生かすことができる。さらに、気体軸受けの平均化効果によって、振動の少ない、高精度なステージ装置を得ている。
次に、図1、図4および図5を参照しつつ浮上用パッド3の表面の圧縮気体の主な流れについて説明する。コンプレッサ105で発生させた圧縮気体は、気体を清浄化し乾燥させるための第1の調圧弁104および第2の調圧弁102を通過して、浮上用パッド3に供給される。その後、この気体は、浮上用パッド3において、絞り構造を備えた噴出領域4(4a〜4d)から噴出される。この噴出された気体は四角状に形成された回収溝8(8a〜8d)に回収され、回収孔9(9a〜9d)から浮上用パッド3の側面または上面から大気に開放される。
一方、真空コンプレッサ110による負圧は、これに接続された真空調圧弁103で調整しながら吸引口11に伝達される。そして、吸引口11に導通している格子状に形成された吸引溝10で噴出領域4(4a〜4d)と供給孔15が位置している計測部領域とを除く浮上用パッド3全体を負圧にする。その負圧によって、浮上用パッド3は案内支持体1に対する吸引力201を得ている。
計測部領域にはコンプレッサ105で発生させた圧縮気体が、第1の調圧弁104を通過して、さらに気体の供給孔15(15a〜15d)から導入孔13と絞り孔14を通過して、案内支持体1の軸受け面に排出される。
ここで、案内支持体1、可動体2および浮上用パッド3のそれぞれは、セラミックスにて構成するとよい。これにより変形に強く、表面に傷のつきにくい耐摩耗性に優れたスライド部材とすることが可能となるからである。このようなセラミックスとしては、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニアまたはコージライトであればよく、またガラスを用いてもよい。例えば、アルミナの場合はヤング率が高く、硬度も高く、しかも耐摩耗性にも優れているので優れた構成にすることができ、可動体2を案内支持体1上で高い精度で案内が可能となる。
また、本実施形態の好ましい形態としては、流量計測用の排出口6(6a〜6d)が、案内支持体1に対向する面の隅部に配置したものが好ましい。排出口6(6a〜6d)はこれらの重心位置と、浮上用パッド3の下面における重心位置とがほぼ一致することが望ましい。このように構成することで、可動体2が案内支持体1上を浮上している際に、可動体2の駆動力によるピッチング方向またはヨーイング方向のモーメント力、あるいは偏芯位置に荷重がかかって、同様のモーメント力またはローリング方向のモーメント力を受けた場合でも、可動体2を安定に浮上させることが可能となる。つまり、隅部に配置した排出口6(6a〜6d)の4個のうちの2個ずつの流量変化を、アンプ106とA/D変換器107を介してコンピュータ108に伝達して浮上高さに演算することで、案内支持体1に対する可動体2の対向面の傾き角を正確に求めることができる。案内支持体1に対してこの対向面を平行にするための、それぞれの浮上用パッド3の位置の圧力を演算で求めたものをD/A変換器109を介して気体調圧弁102にフィードバック信号として指令値を出し、常に姿勢制御ができた状態に維持することができる。
ここで2個ずつの組み合わせとは、例えば排出口6aと排出口6b、あるいは排出口6aと排出口6cとする。なお、ステージ装置のシステムを改造して、圧力制御を負圧側の吸引圧力の制御とするようにしてもよく、この場合は噴出領域4(4a〜4d)への圧力制御と逆の制御、つまり浮上高さが低くなった箇所に近い箇所の負圧を少なく抑えてバランスをとることが可能である。
次に、浮上用パッド3の変形例について説明する。図6に示すように、浮上用パッド3の下面中央にも計測用の排出口6eを設けた場合は、さらに中央部を基準として調整をすることができ、浮上用パッド3のサイズが大きく、その隅部に近い部分だけがたわみながら浮上高さの変位を発生しているかどうかの確認ができる。なお、案内支持体1に対向する可動体2の面が案内支持体1に対して平行であるか、あるいは浮上高さをより一定にすることも可能であり、浮上高さを監視しながら、噴出部に供給する気体の圧力を徐々に上昇又は下降させ正常値になるところまでその圧力調整するとよい。なお、図中7eは排気溝であり、9eは排気孔である。
図7は計測用の排出口6(6a〜6d)のそれぞれにおける部分拡大断面図である。排出孔14の孔径については0.5mmから1mm程度のものが好適であり、その場合はサブμm単位の分解能で浮上高さを検知することが可能である。
ステージ装置は、排出口6(6a〜6d)の近傍に、直線状に形成された排気溝7(7a〜7d)を備えていることが好ましい。排気溝7(7a〜7d)の溝幅は2mm以上、その深さは2mm以上が好ましく、排気溝7(7a〜7d)の断面積は4mm以上が好ましい。このような排気溝7(7a〜7d)の存在により、排気孔14から排気された気体は周囲のどの方向へも均一に大気に開放されることになり、体積流量値が吸引領域の気体吸引に影響を受けることなく浮上高さを安定して測定することができる。
排出孔14から排出される気体の圧力は0.05〜0.5MPaの間で適宜設定可能であり、そのそれぞれの圧力設定時の流量と浮上量の比例関数の数式を把握していればよい。なお、その排出気体が案内支持体1を押す排出力202は、排出孔14の直径が0.5mmから1mm程度と小さい径であるので、絞り構造によって高負荷容量となっている静圧パッドが広い領域で案内支持体1を押している浮上力200に比較すれば非常に小さく、浮上高さへの影響は少ない。これにより、排出口6(6a〜6d)は浮上高さを監視するモニターとしての役割を果たすことができる。実質的には排出孔14から排出される気体の圧力は0.05〜0.1MPaで充分であるので、排出孔14から気体が排出されても浮上高さへの影響は無視できる程小さい。
以下に、実施例を説明する。図4に示す浮上用パッド3を用いたスライダ装置を次の条件で作製した。さらに、偏芯荷重を以下の条件で与えた時の可動体3が案内支持体1に対してどの程度傾いたかを測定した。
<条件>
案内支持体1と可動体2の材質:純度99質量%のアルミナ質焼結体
浮上用パッド3への供給気体:圧縮空気
浮上用パッド3の外形寸法:幅150mm×長さ250mm×厚み20mm
噴出領域4a〜4dへの供給圧力:0.4MPa
排出口6a〜6dの直径:0.5mm
排出口6a〜6dの圧力:0.05MPa
浮上用パッド3を浮上させた際の案内支持体1との初期間隔:5μm設定
浮上用パッド3の噴出部4a〜dの絞りの種類:自成絞り+表面絞り
偏芯荷重の位置:図4における位置P
偏芯荷重量:100N
隅部における排出口6aと排出口6c(または排出口6bと排出口6d)のY方向距離:220mm
初期の浮上高さは案内支持体1からの距離を電気マイクロメータ(接触式)で確認しながら圧縮空気(0.4MPa)を供給し、吸引領域5(5a〜5e)の圧力を増減してそれぞれが5.0μm設定になるように調整した。排出口6a部で5.1μm、排出口6b部で5.0μm、排出口6c部で5.2μm、排出口6d部で4.9μmとなり、これらの平均値は5.05μm、傾き角は0秒であった。
次に、供給空気の圧力を0.1MPaから0.05MPaずつ順次0.5MPaまで変化させて、その時の流量値をマスフローメーターで読み取り、浮上高さを電気マイクロメータで測定し、その数値をグラフにプロットして、浮上高さと供給空気の圧力との相関関係を数式にして求めた。この相関関係によって、体積流量値を測定すれば、電気マイクロメータを使わなくても、浮上用パッドにおける測定ポイントの浮上高さが数式への代入によって演算で求められるようにした。次に、偏芯荷重100Nを位置Pに印加したところ、それぞれの位置の案内支持体1からの浮上高さは電気マイクロメータの読み取り値で排出口6a部が6.5μm、排出口6b部が6.5μm、排出口6c部が3.9μm、6d部が4.0μmであり、体積流量値から求めた浮上高さはそれぞれ、排出口6a部が6.45μm、排出口6b部が6.53μm、排出口6c部が3.96μm、排出口6d部が4.01μmとなり、実用上全く問題にならないレベルであった。
この時の傾き角θは測定スパンをA、浮上量差をBとすると、θ=tan−1(B/A)であるから、傾き角はθ=tan−1((排出口6aと排出口6bの平均浮上値−排出口6cと排出口6dの平均浮上値)/220)=2.35秒となり、容易に傾き角が求められた。
さらにこの浮上用パッド3を定盤上で移動させてみたが、どの位置でもこの傾き角を求めることは容易にできた。さらに、この演算をパーソナルコンピュータで行なった場合は、瞬時にその結果が得られ、傾き角の異常値を設定することで移動中に異常値を超えた時にはシステムを即時停止することができた。また、傾き角を0秒に戻すことは、噴出圧力または負圧側の吸引圧力に適宜、別途演算によって求めたフィードバック信号を送って制御すればできたことはいうまでもない。
次に、図4に示す形状に対して、四隅の測定用気体排出構造が無い構造のものを製作し、上記とほぼ同じ初期浮上状態としたところ、排出口6a部で5.0μm、排出口6b部で5.1μm、排出口6c部で5.1μm、排出口6d部で5.0μmとなり、これらの平均値は5.05μm、傾き角は0秒であった。
さらに偏芯荷重100Nを図4における位置Pに印加したところ、排出口6a〜6d部の位置の案内支持体1からの浮上高さは電気マイクロメータの読み取り値で6a部が6.5μm、6b部が6.5μm、6c部が4,1μm、6d部が4.0μmであった。
次に、電気マイクロメータを除去すると、測定用気体排出構造が無いので、それぞれの位置のタイムリーな浮上高さを確認することができなかった。つまり、移動中に偏芯荷重の位置及び値が変動してもその傾き状態の変化を知ることはできないので、同位置に約250Nの偏芯荷重が加えた場合動きが鈍くなり、約300Nの偏芯荷重を加えた時には、案内支持体1に浮上用パッド3が接触した。この場合、接触したことを検知してもどのような傾き角度でどこで接触しているかを即時に確認することはできない。
本発明に係るステージ装置の一実施形態を説明する図であり、ステージ装置の概略全体構成図である。 本発明に係るスライド部材の一実施形態を説明する図であり、スライド部材の一部を示す斜視図である。 本発明に係るスライド部材の一実施形態を説明する図であり、案内支持体における可動体および浮上用パッドが位置する箇所での断面図である。 本発明に係る浮上用構造体(浮上用パッド)の一実施形態を説明する図であり、浮上用構造体の下面を示す平面図である。 本発明に係る浮上用構造体(浮上用パッド)の一実施形態を説明する図であり、浮上用構造体が案内支持体上で浮上している様子を示す側面図である。 本発明に係る浮上用構造体(浮上用パッド)の他の実施形態を説明する図であり、浮上用構造体の下面を示す平面図である。 本発明に係る浮上用構造体(浮上用パッド)の一実施形態を説明する図であり、浮上用構造体の部分拡大断面図である。
符号の説明
1:案内支持体
2:可動体
3:浮上用パッド
4(4a〜4d):噴出領域(噴出口)
5(5a〜5e):吸引領域
6(6a〜6e):排出口
7(7a〜7e):排気溝
8(8a〜8d):回収溝
9(9a〜9e):回収孔
10:吸引溝
11:吸引孔
12:浮上高さ(間隔)
13:導入孔
14:絞り孔
15(15a〜15d):供給孔
101:体積流量計
102:第2の調圧弁
103:真空調圧弁
104:第1の調圧弁
105:コンプレッサ
106:アンプ
107:A/D変換器
108:コンピュータ
109:D/A変換器
110:真空コンプレッサ
200:浮上力
201:吸引力
202:排出力

Claims (13)

  1. 案内支持体の上で浮上させるための浮上用構造体であって、本体に供給した気体を前記案内支持体へ噴出させて該本体を浮上させるための噴出口と、前記本体の浮上高さを前記本体に供給した気体の排気流量に基づいて測定するための排出口とを有することを特徴とする浮上用構造体。
  2. 前記排出口を同一面に3個以上有することを特徴とする請求項1に記載の浮上用構造体。
  3. 前記排出口を複数有し、これら排出口が前記噴出口を取り囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の浮上用構造体。
  4. 前記排出口を複数有し、これら排出口のうち1個の排出口は前記本体の中央に位置するとともに他の排出口は前記噴出口を取り囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の浮上用構造体。
  5. 前記噴出口を複数有し、これら噴出口から噴出される気体の圧力が個別に制御されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浮上用構造体。
  6. 前記噴出口と前記排出口との間に、前記本体と前記案内支持体との間を負圧にして該本体を前記案内支持体に対して吸引させるための吸引溝を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の浮上用構造体。
  7. 前記噴出口と前記排出口との間に、前記噴出口から噴出された気体を回収するための回収溝を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浮上用構造体。
  8. 前記排出口の幅が前記噴出口の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浮上用構造体。
  9. 前記排出口から排出される気体の圧力が前記噴出口から噴出される気体の圧力よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の浮上用構造体。
  10. 前記排出口の近傍に排気溝を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の浮上用構造体。
  11. 案内支持体と、該案内支持体上を移動する可動体とを有するスライド部材であって、前記可動体の前記案内支持体に対向する側に、請求項1乃至10のいずれかに記載の浮上用構造体を備えてなることを特徴とするスライド部材。
  12. 前記案内支持体、前記可動体および前記浮上用構造体がセラミックスで構成されていることを特徴とする請求項11に記載のスライド部材。
  13. 請求項11または12に記載のスライド部材と、前記浮上用構造体へ気体を供給する気体供給手段と、前記排出口からの排気流量を測定する流量測定手段と、該流量測定手段で測定した排気流量に基づいて前記噴出口から前記案内支持体への気体噴出量を制御できるように構成した制御手段とを備えてなることを特徴とするステージ装置。
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