JP5177073B2 - 弁装置 - Google Patents
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Description
すなわち、弁軸104には、弁体(図示せず)を取り付けるために窪み108やスリット(図示せず)が設けられ、窪み108やスリットの端は不可避的にエッジ109を形成してしまう。このため、軸アセンブリ106を弁ハウジング105に組み付ける際に、エッジ109がシール部材102を通過することによりシール部材102の内周部分を傷付ける虞がある。
請求項1に記載の弁装置は、流体流路の開度を可変する弁体と、弁体を保持して回動する弁軸と、弁軸を軸受けするボールベアリングと、ボールベアリングを保持するとともに流体流路の一部を形成する弁ハウジングと、弁ハウジングに保持されて流体流路をボールベアリングによる軸受け領域からシールするシール部材とを備える。
そして、弁装置は、軸方向に関してシール部材とボールベアリングとの間に配されるカラーを備え、カラーは、内輪との当接を回避しながら外輪およびシール部材に当接できる形状に設けられ、内輪とシール部材との当接を防止する。
これにより、カラーの内周部は、弁軸の外周面との間に径方向のクリアランスを形成できる。このため、カラーと弁軸との摺動を回避することができる。
さらに、弁ハウジングは、カラーの外周面により径方向に圧接される第1被圧接面、およびシール部材の外周面により径方向に圧接される第2被圧接面を有し、第1被圧接面は第2被圧接面よりも外周側に設けられ、第1被圧接面と第2被圧接面との間には、カラーと軸方向に対向する段面が形成されている。そして、カラーは、シール部材に当接する突起を有し、突起により段面との間に軸方向のクリアランスを形成している。
これにより、各部材の軸方向に関する寸法公差を、カラーと段面との間の軸方向のクリアランスにより吸収することができる。このため、軸方向に関する寸法公差を吸収できずに、例えば、カラーの内周部が弁軸の外周面に摺接してしまう事態を回避できる。また、突起によりシール部材を押圧することができるので、シール部材がカラーの方に向かって飛び出すのを阻止することができる。このため、シール部材の外周面と第2被圧接面との圧接面積の低下を防止してシール能力の低減を回避できる。
請求項2に記載の弁装置によれば、カラーの外周面は、弁ハウジングに対する圧入方向の先端部分においてテーパ状に形成されている。
これにより、カラーの弁ハウジングに対する圧入が容易になる。
請求項5に記載の弁装置の製造方法は、ボールベアリングの内輪を弁軸に対して圧入するとともに、シール部材およびカラーを弁軸に装着して、弁軸、ボールベアリング、シール部材およびカラーを含んでなる軸アセンブリを組み立てる第1工程と、ボールベアリングの外輪を弁ハウジングに対して圧入することで、軸アセンブリを弁ハウジングに組み付ける第2工程とを備える。
これにより、弁軸のエッジによりシール部材を傷つけることなく、また、ボールベアリングの内輪および外輪を同時圧入することなく弁装置を製造して、シール部材と内輪との摺動を回避することができる。
そして、弁装置は、軸方向に関してシール部材とボールベアリングとの間に配されるカラーを備え、カラーは、内輪との当接を回避しながら外輪およびシール部材に当接できる形状に設けられ、内輪とシール部材との当接を防止する。
さらに、カラーの外周面は、弁ハウジングに対する圧入方向の先端部分においてテーパ状に形成されている。
実施例の弁装置1の構成を、図面に基づいて説明する。
弁装置1は、流体流路の開度を弁体2の回動により可変するものであり、例えば、エンジン(図示せず)のシリンダ内でタンブルを発生させるためのタンブル・ジェネレータ・バルブ(TGV)に適用され、エンジンへの吸気流路に組み込まれてタンブル発生用の流路(以下、「タンブル流路3」と呼ぶ)の開度操作に利用されている。
なお、シール部材8は、ボールベアリング5よりも径小である。
実施例の弁装置1の特徴を、図1〜図3を用いて説明する。
弁装置は、軸方向に関してシール部材8とボールベアリング5との間に、ボールベアリング5と略同一径のカラー26を備える。
ここで、空洞38を形成する本体39の内周面43は、弁軸4の外周面24との間に径方向のクリアランスaを形成するように設けられている。また。空洞38の後端部は拡径して本体39の後端面44に開口しており、後端面44は、空洞38の拡径開口構造により、内輪18との当接を回避しながら外輪17に当接することができる。
以上により、カラー26は、内輪18との当接を回避しながら外輪17およびシール部材8に当接できる形状に設けられ、内輪18とシール部材8との当接を防止する。
なお、シール部材8は、第2被圧接面35の先端側にある第2段面46との間に、軸方向のクリアランスcを形成するように圧入される。また、先端面45では、空洞38が拡径することなく開口している。
実施例の弁装置1の製造方法を、図3を用いて説明する。
弁装置1の製造方法は、弁軸4、ボールベアリング5、シール部材8およびカラー26を含んでなる軸アセンブリ50を組み立てる第1工程と、軸アセンブリ50を弁ハウジング6に組み付ける第2工程とを備える。
実施例の弁装置1は、軸方向に関してシール部材8とボールベアリング5との間に配されるカラー26を備え、カラー26は、内輪18との当接を回避しながら外輪17およびシール部材8に当接できる形状に設けられ、内輪18とシール部材8との当接を防止する。
以上により、弁軸4のエッジ14によりシール部材8を傷つけることなく、また、ボールベアリング5の内輪18および外輪17を同時圧入することなく弁装置1を製造して、シール部材8と内輪18との摺動を回避することができる。
これにより、カラー26の内周部は、弁軸4の外周面24との間に径方向のクリアランスaを形成できる。このため、カラー26と弁軸4との摺動を回避することができる。
これにより、カラー26の弁ハウジング6に対する圧入が容易になる。
実施例の弁装置1は、TGVに適用されていたが、スロットルバルブ等のエンジンの吸排気流路に配される他の弁に適用してもよく、エンジンの吸排気流路に配される弁以外の弁に適用してもよい。
また、カラー26の形状および寸法、シール部材8の形状および寸法、ならびに、ボールベアリング5の形状および寸法等は、実施例の態様に限定されるものではない。
2 弁体
3 タンブル流路
4 弁軸
5 ボールベアリング
6 弁ハウジング
7 軸受け領域
8 シール部材
17 外輪
18 内輪
24 外周面(弁軸の外周面)
26 カラー
33 第1被圧接面
34 外周面(シール部材の外周面)
35 第2被圧接面
36 第1段面
40 突起
41 圧接面(カラーの外周面)
42 テーパ面(カラーの外周面)
50 軸アセンブリ
Claims (3)
- 流体流路の開度を可変する弁体と、この弁体を保持して回動する弁軸と、この弁軸を軸受けするボールベアリングと、このボールベアリングを保持するとともに前記流体流路の一部を形成する弁ハウジングと、前記弁ハウジングに保持されて前記流体流路を前記ボールベアリングによる軸受け領域からシールするシール部材とを備え、
前記ボールベアリングは、外輪が前記弁ハウジングに対して圧入されるとともに内輪が前記弁軸に対して圧入され、
前記シール部材は、軸方向に関して前記流体流路と前記ボールベアリングとの間に配され、前記弁ハウジングに対して圧入されて前記弁軸の外周面に摺接することで前記流体流路をシールする弁装置において、
軸方向に関して前記シール部材と前記ボールベアリングとの間に配されるカラーを備え、
このカラーは、前記内輪との当接を回避しながら前記外輪および前記シール部材に当接できる形状に設けられ、前記内輪と前記シール部材との当接を防止し、
また、前記カラーは、前記弁ハウジングに対して圧入され、自身の外周面が前記弁ハウジングに径方向に圧接し、
前記弁ハウジングは、前記カラーの外周面により径方向に圧接される第1被圧接面、および前記シール部材の外周面により径方向に圧接される第2被圧接面を有し、
前記第1被圧接面は前記第2被圧接面よりも外周側に設けられ、前記第1被圧接面と前記第2被圧接面との間には、前記カラーと軸方向に対向する段面が形成され、
さらに、前記カラーは、前記シール部材に当接する突起を有し、この突起により前記段面との間に軸方向のクリアランスを形成していることを特徴とする弁装置。 - 請求項1に記載の弁装置において、
前記カラーの外周面は、前記弁ハウジングに対する圧入方向の先端部分においてテーパ状に形成されていることを特徴とする弁装置。 - 請求項1または請求項2に記載の弁装置の製造方法において、
前記ボールベアリングの前記内輪を前記弁軸に対して圧入するとともに、前記シール部材および前記カラーを前記弁軸に装着して、前記弁軸、前記ボールベアリング、前記シール部材および前記カラーを含んでなる軸アセンブリを組み立てる第1工程と、
前記ボールベアリングの前記外輪を前記弁ハウジングに対して圧入することで、前記軸アセンブリを前記弁ハウジングに組み付ける第2工程とを備えることを特徴とする弁装置の製造方法。
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