本発明の第1実施形態に係る撮像装置ISについて、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置ISの構成を示す図である。
撮像装置ISは、第1のモードと第2のモードとを有する。第1のモードは、被写体を撮影するためのモードである。第2のモードは、後述の光学ファインダーで被写体を観察するためのモードである。撮像装置ISは、例えば、デジタル一眼レフカメラである。
撮像装置ISは、カメラ本体100とレンズユニット200とを備える。レンズユニット200は、カメラ本体100に対して着脱可能である。
次に、カメラ本体100の構成を説明する。カメラ本体100は、次の構成要素を備える。
主ミラー(切り替え部)1は、レンズユニット200における撮影レンズ201、第1の撮像センサ14、及び第2の撮像センサ7の間に配されている。主ミラー1は、ファインダー観察状態(第2のモード)において撮影光路内に斜設され、撮影状態(第1のモード)において撮影光路外に退避する。主ミラー1は、ハーフミラーとなっており、撮影光路内に斜設されているとき、後述する焦点検出光学系へ被写体からの光線の一部を透過させる。ここで、撮影光路は、撮影レンズ201を通り第1の撮像センサ14へ至る光の経路である。すなわち、主ミラー(切り替え部)1は、撮影レンズ201を通過した光を第1の撮像センサ14へ導く第1のモードと、撮影レンズ201を通過した光を第2の撮像センサ7へ導く第2のモードとを切り替える。
ピント板2には、撮影レンズ201により形成された被写体の像が投影される。
サブミラー3は、主ミラー1と同様に、ファインダー観察状態(第2のモード)において撮影光路内に斜設され、撮影状態(第1のモード)において撮影光路外に退避する。このサブミラー3は、斜設された主ミラー1を透過した光線を下方に折り曲げて、焦点検出ユニット8へ導く。
ペンタプリズム4は、主ミラー1から光を受けて、受けた光をピント板2、アイピース5及び第2の結像レンズ6へ導く。
アイピース5は、ペンタプリズム4から受けた光を外部へ導く。これにより、ユーザは、アイピース5を介してピント板2に投影された被写体の像を観察することができる。
結像レンズ6は、ペンタプリズム4から受けた光を第2の撮像センサ7へ導く。
第2の撮像センサ7は、被写体の輝度を測定するために用いられる。第2の撮像センサ7は、撮影レンズ201を通過した光を受けて、第2の画像信号を生成する。第2の撮像センサ7は、例えば、CMOSイメージセンサである。第2の撮像センサ7は、第2の画像信号をA/D変換器16へ供給する。
焦点検出ユニット8は、サブミラー3から光を受けて、受けた光に基づいて位相差方式により合焦状態を検出する。
フォーカルプレンシャッター9は、撮影レンズ201と第1の撮像センサ14との間に設けられ、第1の撮像センサ14の露光状態を調節する。
光路分割プリズム10は、分割面10a及び反射面10bを有する。反射面10bは、アルミニウムなどの金属が薄くコーティングされている。この反射面10bは、フォーカシングスクリーン側からの光、すなわちペンタプリズム4から受けた光の70%程度を透過する。反射面10bを透過した光の経路は、分割面10aにおいて2つに分割される。
表示装置DDは、装置本体11、バックライト12、及びドライバ回路13を含む。装置本体11は、例えば、TFT−LCDなどの表示パネルである。バックライト12は、装置本体11をその背面から照明する。ドライバ回路13は、装置本体11を駆動する。ドライバ回路13は、表示用の画像信号をシステムコントローラ50から受けて、表示用の画像信号に応じた画像を表示すように装置本体11を駆動する。バックライト12の照明光は、装置本体11により表示された画像を光路分割プリズム10へ導く。これにより、光路分割プリズム10は、その画像に応じた光を分割面10aで全反射させ、その全反射した光を反射面10bで反射させ、その反射した光をアイピース5へ導く。これにより、ピント板2に光学的に形成された被写体の像に、表示装置DDに電子的に形成された被写体の像をオーバーラップして見ることができる。
第1の撮像センサ14は、被写体の画像を取得するために用いられるものであり、撮影レンズ201を通過した光を受けて、第1の画像信号を生成する。この第1の撮像センサ14は、例えば、CMOSイメージセンサであり、第1の画像信号をA/D変換器16へ供給する。
A/D変換器16は、第2の画像信号(アナログ信号)を第2の撮像センサ7から受け、第2の画像信号をA/D変換することにより、第2の画像データ(デジタル信号)を生成する。A/D変換器16は、第2の画像データを画像処理回路20又はメモリ制御回路22へ供給する。
また、A/D変換器16は、第1の画像信号(アナログ信号)を第1の撮像センサ14から受け、第1の画像信号をA/D変換することにより、第1の画像データ(デジタル信号)を生成する。A/D変換器16は、第1の画像データを画像処理回路20又はメモリ制御回路22へ供給する。
タイミング発生回路18は、第2の撮像センサ7、第1の撮像センサ14、A/D変換器16、及びD/A変換器26へクロック信号や制御信号を供給する。タイミング発生回路18は、メモリ制御回路22及びシステムコントローラ50により制御される。
画像処理回路20は、A/D変換器16から、或いはメモリ制御回路22から画像データ(第1の画像データ、第2の画像データ)を受ける。画像処理回路20は、受けた画像データに対して、所定の処理を行う。所定の処理は、画素補間処理、色変換処理、動きベクトル検出処理、及び属性検出処理を含む。画像処理回路20は、処理後の画像データを出力する。
例えば、画像処理回路(検出部)20は、主ミラー1により第1のモードと第2のモードとの間で切り替えが行われる際に、第1の画像信号と第2の画像信号とを選択的に用いて被写体の属性を検出する属性検出処理を行う。すなわち、画像処理回路20は、第1の画像信号に応じた第1の画像データと第2の画像信号に応じた第2の画像データとを選択的に用いて被写体の属性を検出する属性検出処理を行う。被写体の属性は、被写体の顔の位置、被写体の顔の表情、被写体の画像内での位置、及び被写体の色のいずれか少なくとも1つを含む。
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、及び圧縮・伸長部32を制御する。
A/D変換器16から出力された画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接的にメモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
画像表示メモリ24は、メモリ制御回路22から画像データを受ける。画像表示メモリ24は、受けた画像データを記憶する。
D/A変換器26は、メモリ制御回路22から画像データを受ける。D/A変換器26は、受けた画像データを表示用の画像信号(アナログ信号)に変換する。D/A変換器26は、表示用の画像信号を画像表示部28へ供給する。
画像表示部28は、D/A変換器26から表示用の画像信号を受ける。画像表示部28は、受けた表示用の画像信号に応じた画像を表示する。画像表示部28は、例えば、TFT−LCDを含む表示デバイスである。
メモリ30は、撮影した静止画像や動画像を格納する。メモリ30は、所定枚数の静止画像データや所定時間の動画像データを格納するのに十分な記憶容量を有している。また、メモリ30は、システムコントローラ50の作業領域としても使用され得る。
圧縮・伸長部32は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮又は伸長する。例えば、圧縮・伸長部32は、画像処理回路20又はメモリ制御回路22から受けた画像データを圧縮してメモリ30に書き込んだり、メモリ30から読み出された画像データを伸長してシステムコントローラ50へ供給したりする。
シャッター制御部40は、フォーカルプレンシャッター9を制御することにより、第1の撮像センサ14の露光を制御する。
ミラー制御部41は、モータ(図示せず)と駆動回路(図示せず)とを含む。モータは、主ミラー1を回動して、撮影光路に対してアップ(退避)又はダウン(挿入)させる。
システムコントローラ50は、カメラ本体100における各部を全体的に制御する。
例えば、システムコントローラ(制御部)50は、画像処理回路20により検出された被写体の属性に応じて、撮影条件を決定し、決定した撮影条件になるように、撮影処理のための制御動作を行う。撮影条件は、焦点位置、測光位置、撮影タイミング、及び露出値の少なくとも1つを含む。
具体的には、システムコントローラ50は、第1の画像データと第2の画像データとのいずれかにおける被写体の顔領域からAE制御用の評価値を取得する。システムコントローラ50は、取得したAE制御用の評価値に応じて、適正な露出値が得られるように、AE制御処理を行う。すなわち、システムコントローラ50は、適正な露出値が得られるように、レンズユニット200における絞り制御部205を介して絞り204の開度を調節したり、シャッター制御部40を介してフォーカルプレンシャッター9を開閉状態を制御する。あるいは、システムコントローラ50は、適正な露出値が得られるように、第1の撮像センサ14における信号の蓄積時間を制御する。
あるいは、具体的には、システムコントローラ50は、第1の画像データと第2の画像データとのいずれかにおける被写体の顔領域からAF制御用の評価値を取得する。システムコントローラ50は、取得したAF制御用の評価値に応じて、合焦状態になるように、AF制御処理を行う。すなわち、システムコントローラ50は、合焦状態になるように、レンズ制御マイコン206及びフォーカス制御部211を介して撮影レンズ201の位置(焦点位置)を調節する。
メモリ52は、システムコントローラ50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
報知部54は、システムコントローラ50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等をユーザへ報知する。報知部54は、例えば、動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置、及び/又は、動作状態やメッセージ等を音声出力するスピーカー等である。報知部54は、カメラ本体100における入力部IU近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置される。報知部54は、例えば、LCD、LED、及び発音素子等の組み合わせにより構成されている。また、報知部54は、その一部の機能が光学ファインダー内のピント板2の下部に表示されていてもよい。
報知部54の報知内容のうち、LCD等に表示するものは、例えば、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示である。LCD等に表示するものは、例えば、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、及び記録媒体120の着脱状態表示である。LCD等に表示するものは、例えば、通信I/F動作表示、日付・時刻表示である。
また、報知部54の報知内容のうち、ピント板2の下部に表示するものは、例えば、合焦表示、手振れ警告報知、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示である。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリである。不揮発性メモリ56には、例えばEEPROM等が用いられる。
入力部IUは、ユーザから各種の指示を受け付ける。入力部IUは、モードダイアル60、シャッタースイッチ62、クイックレビューON/OFFスイッチ68及び操作部70を含む。
モードダイアル60は、電源オフ、撮影モード(絞り優先モード、シャッター優先モードなどの露出設定モード)等の各機能モードを切り替え設定するための指示を受け付ける。モードダイアル60は、受け付けた指示をシステムコントローラ50へ供給する。
シャッタースイッチ62は、撮影処理のための制御動作を行うための第1の指示と、撮影処理を行うための第2の指示とを受け付ける。
具体的には、シャッタースイッチ62は、シャッターボタン(図示せず)が第1の状態(例えば、半押し状態)において第1の指示を受け付けたと判断して、SW1をオンしてシステムコントローラ50へ供給する。これにより、システムコントローラ50は、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理等の制御動作を開始する。
あるいは、具体的には、シャッタースイッチ62は、シャッターボタンが第2の状態(例えば、全押し状態)において第2の指示を受け付けたと判断し、SW2をオンしてシステムコントローラ50へ供給する。これにより、システムコントローラ50は、撮影処理を開始する。撮影処理は、露光処理、現像処理、及び記録処理を含む。露光処理では、第1の撮像センサ14において信号の蓄積動作を行い、第1の撮像センサ14から蓄積された信号すなわち第1の画像信号をA/D変換器16へ出力する。露光処理では、さらに、A/D変換器16において第1の画像信号から第1の画像データを生成し、生成した第1の画像データをメモリ制御回路22経由でメモリ30に書き込む。現像処理では、メモリ30に書き込まれた画像データに対して、画像処理回路20やメモリ制御回路22により所定の演算処理が行われ、処理後の画像データがメモリ30へ再度書き込まれる。記録処理では、メモリ30から圧縮・伸長部32へ画像データを読み出し、圧縮・伸長部32が画像データの圧縮を行い、圧縮後の画像データを記録媒体120に書き込む。
操作部70は、各種ボタンやタッチパネル等を含む。操作部70は、メニューボタン、セットボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、及び再生画像−(マイナス)ボタンを含む。操作部70は、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、AFモード設定ボタン(顔検出AF、表情検出AF、被写体追従AF、ノーマル)等を含む。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等を含む。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステムコントローラ50の指示に基づいて、DC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
コネクタ82には、コネクタ84を介して電源部86が接続される。電源部86は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等を含む。
インターフェース90は、コネクタ92に接続された記録媒体120と通信を行うためのインターフェースである。記録媒体120は、コネクタ126、インターフェース124、及び記録部122を備えている。コネクタ92には、コネクタ126及びインターフェース124を介して記録部122が接続される。記録部122は、圧縮・伸長部32から、インターフェース90、コネクタ92、コネクタ126及びインターフェース124を介して、画像データを受けて記録する。
なお、インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成している。
記録媒体着脱検知部98は、コネクタ92に記録媒体120が装着されているか否かを検知する。記録媒体120は、例えば、メモリカードや外付けハードディスク等である。
通信線399は、後述のレンズユニット200とシステムコントローラ50との通信を媒介する。
通信線499は、外付けストロボ400とシステムコントローラ50との通信を媒介する。
次に、レンズユニット200の構成を説明する。レンズユニット200は、次の構成を備える。
撮影レンズ201は、入射した光を屈折させて、第1の撮像センサ14又は第2の撮像センサ7の撮像面に被写体の像を形成する。
フォーカス駆動アクチュエータ202は、撮影レンズ201を光軸方向に駆動して、ピントを合わせる。
フォーカス制御部211は、レンズ制御マイコン206からの指令に基づき、フォーカス駆動アクチュエータ202を制御する。
被写体距離検出部203は、撮影レンズ201の位置から被写体までの距離を検出する為のエンコーダを含む。
絞り204は、撮影光路上において撮影レンズ201と第1の撮像センサ14との間に設けられた虹彩絞りである。撮影時に、その開口径を変化させることで、撮影レンズ201を通過後に第1の撮像センサ14へ導かれる光の量を調節する。
絞り駆動アクチュエータ250は、絞り204を駆動して、絞り204の開度を調節する。
絞り制御部205は、レンズ制御マイコン206からの指令に基づき、絞り駆動アクチュエータ250を制御する。
ズーミングレンズ207は、変倍を行うためのレンズである。
ズーム駆動アクチュエータ208は、ズーミングレンズ207を光軸方向に駆動して、変倍を行う。
ズーム制御部212は、ズーム駆動アクチュエータ208を制御する。
レンズ制御マイコン206は、前述のフォーカス駆動や絞り駆動などを制御するとともに、カメラ本体100側のシステムコントローラ50との通信を制御する。
レンズマウント209は、レンズユニット200のハウジングを着脱可能にカメラ本体100に装着する。
コネクタ210は、通信線(例えば、シリアル通信線)399を介して、レンズ制御マイコン206とカメラ本体100側のシステムコントローラ50とを接続するための接続端子である。
このように、本実施形態に係る撮像装置ISでは、主ミラー1により第1のモードと第2のモードとの間で切り替えが行われる際に、画像処理回路20が第1の画像信号と第2の画像信号とを選択的に用いて被写体の属性を検出する。これにより、連続撮影を行う場合に、主ミラー1が上がった状態において主ミラー1が下がった状態になるまで待たずに被写体の顔を検出することができるので、被写体の顔を検出する処理が次の撮影処理に間に合うようにできる。
また、連続撮影を行う場合に、主ミラー1が下がった状態になる時間が短くなっても、主ミラー1が上がった状態において画像取得用の撮像センサにより十分な時間をかけて信号の蓄積を行うことができるので、それにより得られる画像の画質を向上できる。この結果、被写体の属性を検出するための精度を向上できる。
すなわち、複数の撮像センサへ選択的に光を導く撮像装置において、光を導くべき撮像センサを切り替える際に、被写体の属性を検出する処理が次の撮影処理に間に合うようにできるとともに、被写体の属性を検出するための精度を向上することができる。
次に、焦点検出ユニット8の詳細構成及び詳細動作を、図2〜図7を用いて説明する。
図2は、焦点検出ユニット8の構成を示す図である。
焦点検出ユニット8は、ミラー800、視野レンズ801、視野マスク802、2次結像レンズ803、赤外カットフィルター804、及びAFセンサーパッケージ805を含む。AFセンサーパッケージ805は、AFセンサー806を含む。
主ミラー1を透過しサブミラー3で折り曲げられた光は、ミラー800に入射する。その光は、ミラー800で反射して視野レンズ801へ入射する。
視野レンズ801は、入射した光を屈折させた後に視野マスク802を介して複数の光束として2次結像レンズ803へ導く。視野マスク802は、図3に示すように、視野レンズ801から入射される光束を制限して複数の光束にするための複数の視野マスク開口部802a〜802dを有する。なお、図3は、視野マスク802を光軸方向から見た図である。
2次結像レンズ803は、入射した複数の光束から複数の2次光源を生成し、その複数の2次光源から射出した複数の光束を赤外カットフィルター804へ導く。2次結像レンズ803では、図4に示すように、4個の微小な結像レンズ803a〜803dが配置されている。各結像レンズ803a〜803dが2次光源を生成する。なお、図4は、2次結像レンズ803を光軸方向から見た図である。
赤外カットフィルター804は、入射した複数の光束から赤外波長域の成分をカットした後に、カット後の複数の光束をAFセンサーパッケージ805へ導く。
AFセンサーパッケージ805に入射した複数の光束は、AFセンサー806の撮像面上に複数の被写体像を形成する。AFセンサー806は、この複数の被写体像の間隔を検知することにより、合焦状態を検知する。AFセンサー806では、図5に示すように、4つのグループのAFセンサー806a〜806dが配置されている。図5は、AFセンサー806を光軸方向から見た図である。
各AFセンサー806a〜806dは、図5に示すように、複数のラインで構成されている。おのおののライン内は、図6に示すように、さらにラインの構成方向と垂直方向に分割されている。例えば、AFセンサー806aの最上部ライン806a1は、図6に示す様に構成されている。なお、図6は、図5におけるAFセンサー806aの最上部ライン806a1の拡大図である。
次に、撮影レンズ201の射出瞳について、図7を用いて説明する。図7は、撮影レンズ201の射出瞳を示す図である。
2000は、射出瞳の外径である。200Wは、Fナンバー2.8の光束に相当する射出瞳径である。200Nは、Fナンバー5.6の光束に相当する射出瞳径である。
200aは、視野マスク802a(図3参照)の開口が射出瞳上に投影されたものである。同様に200b、200c、200dは、それぞれ、視野マスク802b、802c、802d(図3参照)の開口が射出瞳上に投影されたものである。従って、射出瞳上のFナンバー5.6の内側の光束200c、200dにて、図7に示す基線長d1だけ離れた位置より被写体像を観察することになる。同様に、射出瞳上のFナンバー2.8の内側の光束200a、200bにて、基線長d2だけ離れた位置より被写体像を観察することになる。これにより、三角測量の原理で、AFセンサー806aおよび806bに投影された被写体像の間隔、AFセンサー806cおよび806dに投影された被写体像の間隔で、撮影レンズ201から被写体までの距離を検出できる。
このAFセンサー806は、図6に示したように、1ラインを複数の領域にに分割することで、被写界における広い領域の焦点調節を行うことができる。
次に、位相差焦点調節の原理を、図8を用いて説明する。図8は、位相差焦点調節の原理を説明するための図である。図8(B)は、合焦状態を示し、図8(A)は、合焦状態よりも撮影レンズ201が繰り出し方向にある状態を示し、図8(C)は、合焦状態よりも撮影レンズ201が繰り込み方向にある状態を示している。
図8(A)〜(C)のそれぞれの状態における、AFセンサー806内の焦点調節ライン806a及び806b(図5参照)に形成される被写体像の間隔は、次のようになる。合焦状態(図8(B))における被写体像の間隔がd2であるとすると、図8(A)の状態における被写体像の間隔はd1(>d2)であり、図8(C)の状態における被写体像の間隔はd2(>d3)である。従って、合焦状態における像の間隔d2と比較する事により、合焦状態からずれ量、すなわちデフォーカス量を算出できる。
次に、光学ファインダーから観察される視野について、図9を用いて説明する。図9は、図1に示したアイピース5を介して観察される光学ファインダー視野上のAF焦点調節領域を示した図である。
ファインダー領域810の周囲は、図1のピント板2の外周に相当する。
811は、AF焦点調節領域を示している。AF焦点調節領域811の中の四角いマークは、焦点調節点に相当する。例えば左上の811aは、図5に示したAFセンサー806上の焦点調節領域806a1、806b1および、806c1、806d1で示した微小領域に対応した焦点調節位置である。すなわち、焦点調節領域806a1と焦点調節領域806b1とのペアに対応した焦点調節位置で垂直方向における撮影レンズ201から被写体までの距離を検出できる。焦点調節領域806c1と焦点調節領域806d1とのペアに対応した焦点調節位置で水平方向における撮影レンズ201から被写体までの距離を検出することができる。
この焦点調節点のマークは、前述した様に、図1の表示装置DD上に表示されたマークがプリズム10の反射面10aおよび10bで反射されて見える。このため、アイピース5側からみると、丁度ピント板2上に撮影レンズ201により形成された被写体像と重なって見ることができる。
次に、図10〜図12を参照して、第1実施形態に係る撮像装置の動作を説明する。
図10〜図12は、第1実施形態に係る撮像装置の動作における主ルーチンのフローチャートを示す。
システムコントローラ50は、電池交換等に応じた電源投入指示を検知すると、フラグや制御変数等を初期化する(S101)。
次に、システムコントローラ50は、モードダイアル60の設定位置を判断し(S102)、モードダイアル60が電源OFFに設定されていたならば(電源OFF)、各表示部の表示を終了状態に変更する。システムコントローラ50は、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。システムコントローラ50は、電源制御部80により画像表示部28を含むカメラ本体100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(S103)、処理をステップS102に戻す。
システムコントローラ50は、モードダイアル60が撮影モードに設定されていたならば(撮影モード)、処理をステップS104に進める。
次に、システムコントローラ50は、電源制御部80により電池等により構成される電源部86の残容量や動作状態に問題があるか否かを判断する(S104)。システムコントローラ50は、問題があるならば(N)、報知部54を用いて画像や音声により所定の警告報知を行った後に(S106)、処理をステップS102に戻す。
システムコントローラ50は、電源部86に問題が無いならば(Y)、記録媒体120の空き容量などを判断する(S105)。システムコントローラ50は、電源部86に問題があるならば(N)、報知部54を用いて画像や音声により所定の警告報知を行った後に(S106)、処理をステップS102に戻す。
システムコントローラ50は、記録媒体120の動作状態に問題が無いならば(Y)、報知部54にカメラ本体100の各種設定状態の表示を行わせる(S107)。
次に、システムコントローラ50は、第2の撮像センサ7を用いて測光撮像処理を行う(S108)。この測光撮像処理(S108)の詳細を、図15を用いて説明する。図15は、測光撮像処理(S108)を示すフローチャートである。
システムコントローラ50は、ステップS1000〜S1005のルーチンの初回において、デフォルトに設定された蓄積時間で、第2の撮像センサ7に信号の蓄積動作を行わせ第2の画像信号を生成させる(S1000)。システムコントローラ50は、ステップS1000〜S1005のルーチンの2回目以降において、ステップS1005で設定された蓄積時間で、第2の撮像センサ7に信号の蓄積動作を行わせ第2の画像信号を生成させる(S1000)。
システムコントローラ50は、第2の撮像センサ7が蓄積動作を終了した後に第2の画像信号をA/D変換器16へ出力し、A/D変換器16が第2の画像信号を第2の画像データに変換するように制御する(S1001)。
システムコントローラ50は、第2の画像データをメモリ30に保存する(S1002)。それと並行して、システムコントローラ50は、画像処理回路20が、第2の画像データ全体を所定の分割数に分割し、それぞれのブロックの蓄積レベルを算出するように制御する(S1003)。
システムコントローラ50は、その蓄積レベルが適正でない場合(N)、その蓄積レベルに応じて蓄積時間を変更して設定し(S1005)、処理をステップS1000に戻す。
一方、システムコントローラ50は、その蓄積レベルが適正レベルである場合(Y)、第2の撮像センサ7の蓄積時間とレンズユニット200の絞り値とより、被写体の輝度BVを算出する(S1006)。
システムコントローラ50は、第1の撮像センサ14の設定ISO感度(SV)を加味し、所望の露出設定プログラムに従い、絞り値(AV)、シャッター速度(TV)を以下の式より決定する。
EV=BV+SV=TV+AV・・・数式1
すなわち、システムコントローラ50は、露出値EVが得られるように、絞り優先AEであればAVが設定されるので、それに応じたTVを数式1により決定する。あるいは、システムコントローラ50は、露出値EVが得られるように、シャッター速度優先AEであれば、TVが設定されるので、それに応じたAVを数式1により決定する。あるいは、システムコントローラ50は、露出値EVが得られるように、プログラムAEであれば、所望のTVとAVとの組み合わせを数式1により決定する(S1007)。
次に、図10に示すステップS110では、システムコントローラ50が、その動作モードが顔検出モードであるか否かを判断する。システムコントローラ50は、動作モードが顔検出モードでない場合(N)、設定されている焦点調節点位置820(図13参照、例えばデフォルトで画面中央の位置)を表示装置DDで表示する(S111)。
一方、システムコントローラ50は、動作モードが顔検出モードの場合(Y)、測光撮像処理処理(S108)でメモリ30に取り込まれた被写体像をもとに、画像全体における被写体の顔の位置の検出(顔検出処理)を行う(S112)。
例えば、特開平10−162118号公報に示すように、画像全体における被写体の顔の位置を検出する。すなわち、画像データから、水平方向の高周波成分と垂直方向の低周波成分を含むfHLと、垂直方向の高周波成分と水平方向の低周波成分を含むfLH、低周波成分からなるfLLとを抽出する。そして、fLH及びfHLを用いて、画像におけるエッジがT字型に存在する部分を検出する。更に、そのように検出された部分について対象性の度合を算出し、所定の度合以上の対象性を有する部分が抽出される。そして、以上のようにして限定された部分について顔の標準パターンとのマッチングを取り、画像全体における被写体の顔の位置を検出する。
システムコントローラ50は、被写体の顔の位置の検出に成功したか否かを判断する(S113)。システムコントローラ50は、顔検出処理が成功した場合(Y)、表示装置DD上に図14に示す顔表示枠821を表示する(S114)。この顔表示枠821は、画像全体における被写体の顔の位置を示す。また、図9に示すAF焦点調節領域811のうち、顔の位置と重畳する位置にある焦点調節点を選択する。
一方、システムコントローラ50は、顔検出処理が成功しなかった場合(N)、設定されている焦点調節点位置820(図13参照、例えばデフォルトで画面中央の位置)を表示装置DDで表示する(S111)。
次に、システムコントローラ50は、シャッタースイッチの状態を調べ(S115)SW1がオンされていないならば(OFF)、処理をステップS102に戻す。システムコントローラ50は、SW1がオンされているならば(ON)、処理をステップS120に進める(B)。
図11に示すステップS120では、システムコントローラ50が、AFセンサー806(図2参照)の蓄積制御を行う。システムコントローラ50は、AFセンサー806による信号の蓄積が終了すると、A/D入力端子を介してAFセンサー806から出力された像信号を読み込む(S121)。システムコントローラ50は、読み込まれた評価値を用いてデフォーカス量の算出を行う(S122)。すなわち、図8で説明した様に、撮影レンズの異なる部分を通る光束によって出来る像の間隔を、合焦状態での像の間隔と比較する事により、デフォーカス量を算出する訳である。もし、顔検出モードに設定され、かつ、先のステップS112にて顔の位置が検出できているのであれば、顔の位置と重畳する位置にある焦点調節点におけるデフォーカス量を算出する。
ステップS123では、システムコントローラ50が、ステップS122で算出したデフォーカス量に応じて、合焦状態であるか否かを判断する。システムコントローラ50は、合焦状態である場合(Y)、処理をステップ127に進める。システムコントローラ50は、合焦状態ではない場合(N)、デフォーカス量から、レンズの駆動量を算出し、通信線399を介してレンズ制御マイコン208に指令する。これにより、レンズ制御マイコン208は、撮影レンズ201に対して指定された量の駆動を行う(S124)。
次に、システムコントローラ50は、撮影レンズの合焦駆動の終了後、前述のステップS120からS122で説明した焦点調節処理をもう一度行う(S125)。システムコントローラ50は、ステップS122で算出したデフォーカス量に応じて、合焦状態であるか否かを判断する(S126)。システムコントローラ50は、合焦状態である場合(Y)、合焦表示および合焦音を発生するように報知部54を制御する(S127)。システムコントローラ50は、合焦状態でない場合(N)、処理をステップS140へ進める。
システムコントローラ50は、測光撮像処理(S108、図15参照)をもう一度行い、撮影処理の為の露出値を決定する(S128)。
システムコントローラ50は、シャッタースイッチ62の状態を調べ(S129)、SW2がオンされていれば(Y)、処理をステップS155に進め(C)、SW2がオンされていない場合(N)、処理をステップS130へ進める。
システムコントローラ50は、AFモードが被写体追従モードであるか否かを判断する。システムコントローラ50は、AFモードが被写体追従モードである場合(Y)、処理をステップ140に進め、AFモードが被写体追従モードでない場合(N)、処理をステップS131へ進める。
システムコントローラ50は、シャッタースイッチ62の状態を調べ(S131)、合焦状態でフォーカスロックをするために、SW1がオンの場合(N)、処理をステップS129に戻す。システムコントローラ50は、SW1がオフされれば(Y)、処理をステップS102に戻す(S131)。
ステップ140では、測光撮像処理(S108、図15参照)をもう一度行い、撮影処理の為の焦点位置を決定する(S140)。
システムコントローラ50は、AFモードがどのモードであるか判断する。システムコントローラ50は、AFモードが被写体追従モードの場合、処理をステップS142へ進め、AFモードが顔検出モードの場合、処理をステップS150へ進める。システムコントローラ50は、AFモードがノーマルモードである場合(被写体追従モードでも、顔検出モードでもない場合)、処理をステップS120に戻す。
システムコントローラ50は、AFモードが被写体追従モードの場合、測光撮像処理の中のステップS1002でメモリ30に保存された被写体画像と同様にして、メモリ30に前回記憶された被写体画像を基に、被写体の動き方向の検出を行う(S142)。これは、メモリ30に新たに保存された被写体画像と、メモリ30に前回記憶された被写体画像の相関をとることで、被写体の動いた方向を検出するものである。システムコントローラ50は、動き方向の検出に成功したか否かを判断する(S143)。システムコントローラ50は、動き方向の検出が出来た場合(Y)、今回の測光撮像処理で動いた位置に焦点調節点を更新する(S144)。システムコントローラ50は、動き方向の検出が出来なかった場合(N)、焦点調節点の更新を行わず、処理をステップS120に戻しAF焦点調節処理を繰り返す。
一方、システムコントローラ50は、AFモードが顔検出モードの場合、測光撮像処理(図15参照)の中のステップS1002でメモリ30に保存された被写体画像から、ステップS112で説明したのと同様に顔検出処理を行う(S150)。システムコントローラ50は、被写体の顔の位置の検出に成功したか否かを判断する(S151)。システムコントローラ50は、顔検出処理に成功した場合(Y)、今回の測光撮像処理で動いた位置に焦点調節点を更新する(S152)。システムコントローラ50は、顔検出処理に失敗した場合(N)、顔位置の更新を行わず、処理をステップS120に戻しAF焦点調節処理を繰り返す。
このステップS142または、ステップS150の処理によって、被写体追従または、顔位置の追従が繰り返し行われる。
図12に示すステップS155では、システムコントローラ50が、AFモードが表情検出モードであるか否かを判断する。システムコントローラ50は、AFモードが表情検出モードである場合(Y)、被写体の表情を検出し、検出した表情が設定された表情(例えば笑顔、怒り顔、泣き顔など)と合致したか否かを判断する(S156)。システムコントローラ50は、検出した表情が設定された表情と合致すれば(Y)、処理をステップS160へ進め、合致しなければ(N)、処理をステップS155へ進める。
例えば、特開2007−067559号公報に示すように、画像における被写体の顔の表情を検出する。すなわち、画角内に存在する人物を検出し、検出した人物の中から、主被写体人物を選択して、その主被写体人物が無表情状態であるときの特徴点位置情報を予め取得する。その後、その主被写体人物の特徴点位置情報を取得し、取得した特徴点位置情報を無表情状態の特徴点位置情報と比較することにより、主被写体人物の表情(例えば、笑顔)を検出する。
次に、システムコントローラ50は、撮影条件が整ったと判断すると、撮影処理を行う(S160)。
この撮影処理を図16を用いて説明する。図16は、撮影処理(S160)を示すフローチャートである。
システムコントローラ50は、撮影シーケンスの開始に伴い、撮影準備のために主ミラー1をアップし撮影光軸上から退避させる(S200)。
次に、システムコントローラ50は、通信線399を介して、レンズ制御マイコン208に対してステップS1006で演算された絞り値AVに対応した、絞り駆動命令を送る。これにより、レンズ制御マイコン208は、絞り制御部205を介して駆動アクチュエータ250を駆動し、絞り204を指示された絞り値に駆動する(S201)。
次に、システムコントローラ50は、シャッター9を開き第1の撮像センサ14の露光を開始するとともに、第1の撮像センサ14が信号の蓄積動作を開始するように制御する(S202)。
システムコントローラ50は、所定のシャッター秒時(信号の蓄積期間)が終了すると、シャッター9を閉じるとともに、第1の撮像センサ14が信号の蓄積動作を終了するように制御する(S203)。
システムコントローラ50は、退避(アップ)していた主ミラー1を復帰(ダウン)し(S204)、ステップS200と同様まで、撮影レンズの絞り204を開放し(S205)。システムコントローラ50は、第1の撮像センサ14からA/D変換器16を介して画像データを読み出し、メモリ30に保存する(S206)。システムコントローラ50は、メモリ30に格納された画像に対して圧縮・伸長部32によりJEG圧縮処理などの現像処理を行う(S207)。システムコントローラ50は、処理を終えた画像データを、インターフェース90を介して記録媒体120に書き込む記録処理を行い(S208)、撮影処理を終了する。
図12に示すステップS161では、システムコントローラ50が、シャッタースイッチ62の状態を調べる。システムコントローラ50は、SW2がオフであれば(OFF)、処理をステップS180へ進める。システムコントローラ50は、撮影処理(S160)により取得された画像を画像表示部28に表示しながら(S180)、所望の時間(ミニマムレビュー時間)経過したか否か判断する(S181)。システムコントローラ50は、ミニマムレビュー時間が経過していなければ(N)、画像を画像表示部28に表示し続け(S180)、ミニマムレビュー時間が経過すれば(Y)、処理をステップS102に戻す。
一方、システムコントローラ50は、SW2がオンの場合(ON)、動作モードが連写モードであるかを判断し(S162)、連写モードでない場合(N)、処理をステップ161に戻し、SW2がオフされるのを待つ。
システムコントローラ50は、動作モードが連写モードの場合(Y)、撮影処理(S160)により得られた画像を、顔検出・表情または被写体追従処理を高速に行う為に、リサイズする(S163)。
システムコントローラ50は、AFモードがどのモードであるかを判断する(S164)。システムコントローラ50は、AFモードが被写体追従モードの場合、ステップS163でリサイズされた被写体画像と、同様にして、メモリ30に前回記憶された第2の撮像センサ7による被写体画像とを基に、被写体の動き方向の検出を行う(S165)。システムコントローラ50は、動き方向の検出に成功したか否かを判断する(S166)。システムコントローラ50は、動き方向の検出が出来た場合(Y)、今回の測光撮像処理で動いた位置に焦点調節点を更新する(S167)。システムコントローラ50は、動き方向の検出が出来なかった場合(N)、焦点調節点の更新を行わず、処理をステップS120に戻しAF焦点調節処理を繰り返す(B)。
一方、システムコントローラ50は、AFモードが顔検出モードの場合、ステップS163でリサイズされた被写体画像から、ステップS112で説明したのと同様に顔検出処理を行う(S170)。システムコントローラ50は、被写体の顔の位置の検出に成功したか否かを判断する(S171)。システムコントローラ50は、顔検出処理に成功した場合(Y)、今回の測光撮像処理で動いた位置に焦点調節点を更新する(S172)。システムコントローラ50は、顔検出処理に成功した場合(N)、顔位置の更新を行わず、処理をステップS120に戻しAF焦点調節処理を繰り返す(B)。
一方、システムコントローラ50は、AFモードがノーマルモードである場合(被写体追従モードでも、顔検出モードでもない場合)、処理をステップS120に戻す(B)。
次に、図17のタイミングチャートを用いて、ステップS163〜S172(図12参照)で述べた本画像(撮影処理により得られた画像)を用いて被写体追従または、顔検出を行う事のメリットを説明する。図17は、撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
図17において、A)はSW1の動作を示しており、ローでオン、ハイでオフを示しており、同様にB)はSW2の動作を示しており、ローでオン、ハイでオフを示している。
C)は、AFセンサー806(図2参照)による信号の蓄積動作を示しており、斜め線で示したタイミングでAF蓄積(AF制御用の評価値とすべき信号の蓄積動作)を行っている。
D)は、測光用の第2の撮像センサ7による信号の蓄積動作を示しており、斜め線で示したタイミングで測光蓄積(AE制御用の評価値とすべき信号の蓄積動作)を行っている。
E)は、主ミラー1の動作を示しており、ローでダウン(斜設位置)、ハイでアップ位置(退避位置)を示す。
F)は、レンズユニット200における絞り204の状態を示しており、ハイで開放、ローで絞り込み状態である事を示す。
G)は、画像取得用の第1の撮像センサ14による信号の蓄積動作を示しており、斜め線で示したタイミングで撮影蓄積(撮影処理の対象となる信号の蓄積動作)を行っている。
続いて、図17を用いて撮像装置ISの動作を説明する。
時刻t0において、システムコントローラ50は、SW1がオンしたことを検知すると、第1回目のAF蓄積(AF1)と測光蓄積(AE1)とを行う。システムコントローラ50は、時刻t0以降、50msec周期のタイミングで、AF蓄積(AF2〜AF5)と測光蓄積(AE2〜AE5)とを行う。
そして、システムコントローラ50は、図17に実線の矢印で示すように、今回の測光蓄積の結果検出された、被写体の顔の位置、顔の表情、被写体の移動に関する情報を、次回のAF蓄積と測光蓄積との制御にフィードバックする。
例えば、システムコントローラ50は、1回目の測光蓄積(AE1)の結果を2回目のAF蓄積(AF2)又は2回目の測光蓄積(AE2)にフィードバックする。これにより、システムコントローラ50は、検出された顔位置に対するAF焦点調節点の設定、検出された顔位置を中心にしたAE制御、検出された被写体の動きに対するAF焦点調節点の設定などを行う。
時刻t1において、システムコントローラ50は、SW2がオンしたことを検知すると、撮影処理のために、E)に示すように主ミラー1をアップするとともに、F)に示すように絞り204を絞り込まれた状態にする。また、システムコントローラ50は、第1回目のAF蓄積(AF1)と測光蓄積(AE1)とを行う。すなわち、システムコントローラ50は、AFセンサー806及び第2の撮像センサ7がそれぞれ信号の蓄積動作を行うように制御する。第2の撮像センサ7は、信号の蓄積動作を行うことにより、第2の画像信号を生成する。
時刻t2において、システムコントローラ50は、撮影処理のための制御動作を完了させ、G)で示す本画像の撮影蓄積CAP1(撮影処理における露光処理)を行う。すなわち、システムコントローラ50は、第1の撮像センサ14が信号の蓄積動作を行うように制御する。第1の撮像センサ14は、信号の蓄積動作を行うことにより、第1の画像信号を生成する。
そして、システムコントローラ50は、撮影蓄積が終了すると、主ミラー1がダウンすると共に、絞り204が開放されるように制御を行う。
時刻t3において、システムコントローラ50は、主ミラー1が完全に復帰してバウンドが収まったと判断して、再びAF蓄積(AF6)と測光蓄積(AE6)とを行う。
このとき、仮に、常に、第2の撮像センサ7により生成された第2の画像信号のみを用いて、被写体の顔の位置、顔の表情、被写体の移動に関する情報(動きベクトル)を得るとする。この場合、図17に点線で示すように、第6回目のAF蓄積(AF6)と測光蓄積(AE6)とに対して、約100msec前の測光蓄積(AE5)の情報しかフィードバックすることができない。
それに対して、本実施形態では、図17に実線で示すように、第6回目のAF蓄積(AF6)と測光蓄積(AE6)とに対して、本画像の結果、すなわち、第1の撮像センサ14により生成された第1の画像信号の情報をフィードバックすることもできる。すなわち、約50msec程度前に取得された第1の画像信号を用いて検出された被写体の顔の位置、顔の表情、被写体の移動に関する情報を、次回のAF蓄積(AF6)または測光蓄積(AE6)にフィードバックさせることができる。これにより、動きの速い被写体でも、その被写体の顔の位置、顔の表情、被写体の移動に関する情報がより正確に検出できる。 本実施形態によれば、排他的に被写体像が入射される複数の撮像センサを使い分けることにより、高速な連写中でも、被写体の顔の位置や表情の検出および、被写体の移動に関する情報などの被写体の属性を高速に検出できる。これにより、正確な自動焦点動作や測光動作を行え、適正な記録画像を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る撮像装置について説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本発明の第2実施形態に係る撮像装置は、そのハードウェアの構成は第1実施形態と同様であるが、その動作が図18〜図20に示されるように第1実施形態と異なる。図18〜図20は、第2実施形態に係る撮像装置の動作における主ルーチンのフローチャートを示す。図18〜図20では、第2の撮像センサ7により得られる画像の解像度が、被写体の顔や表情や、被写体の移動を追尾できるほどの分解能がない場合における撮像装置の動作を想定している。
図18に示すステップS2110では、システムコントローラ50が、測光撮像処理(S108)が完了したことに応じて、設定されている焦点調節点位置820(図13参照、例えばデフォルトで画面中央の位置)を表示装置DDで表示する(S2110)。
図19に示すステップS2126では、システムコントローラ50が、合焦状態ではない場合(N)、処理をステップS120へ進める。
ステップS2129では、システムコントローラ50が、シャッタースイッチ62の状態を調べる(S2129)。システムコントローラ50は、SW2がオンされていれば(Y)、処理をステップS2160に進め(C’)、SW2がオンされていない場合(N)、処理をステップS131へ進める。
図20に示すS2160では、システムコントローラ50は、SW2がオンされたことに応じて、撮影処理を行う(S2160)。
また、図21のタイミングチャートに示されるように、第2実施形態に係る撮像装置の動作は、次の点で第1実施形態と異なる。図21は、撮像装置の動作を示すフローチャートである。
第2実施形態では、測光用の第2の撮像センサ7により生成される第2の画像信号の解像度が不足しているので、第2の画像信号からは、被写体の顔の位置・表情や被写体の移動に関する情報の検出を十分な精度で行う事ができない。このため、システムコントローラ50は、図21に示すように、今回の測光蓄積の結果から次回のAF蓄積と測光蓄積との制御にフィードバックしない。
このとき、仮に、第6回目のAF蓄積(AF6)と測光蓄積(AE6)とに対して、測光蓄積(AE5)による画像から被写体の属性を検出し、それにより得られた情報をフィードバックするとする。この場合、測光蓄積(AE5)による画像の解像度が低いので、その画像から検出された被写体の属性の精度が低いので、フィードバックされた情報により例えば被写体を追従しきれなくなり、被写体の属性を検出できなくなる可能性がある。
それに対して、本実施形態では、図21に実線で示すように、第6回目のAF蓄積(AF6)と測光蓄積(AE6)とに対して、本画像の結果、すなわち、第1の撮像センサ14により生成された第1の画像信号の情報をフィードバックすることができる。すなわち、約50msec程度前に取得された第1の画像信号を用いて検出された被写体の顔の位置、顔の表情、被写体の移動に関する情報を、次回のAF蓄積(AF6)または測光蓄積(AE6)にフィードバックさせることができる。これにより、動きの速い被写体でも、その被写体の顔の位置、顔の表情、被写体の移動に関する情報がより正確に検出できる。 このように、撮影開始前に、前述の被写体の属性を検出することができない場合でも、連写中に撮像した本画像から、被写体の顔の位置や表情の検出および、被写体の移動に関する情報などの被写体の属性を検出することができる。これにより、撮影開始前に、前述の被写体の属性を検出することができない場合でも、正確な自動焦点動作や測光動作を行えい、適正な記録画像を得ることができる。