JP5160363B2 - モーターグレーダ - Google Patents

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

本発明は、モーターグレーダ、特に、クラッチに滑りを生じさせて車速を低減させるインチング機能を備えるモーターグレーダに関する。
モーターグレーダにおいては、クラッチに滑りを生じさせて車速を低減させるインチング機能を備えるものがある。このインチング機能を用いれば、エンジンの回転数をある程度以上の回転数に維持したまま車速を低減させることができる。例えば、モーターグレーダでは、ブレードにより整地作業を行いながら走行する場合がある。この場合、オペレータは、インチング操作部材を操作してクラッチに滑りを生じさせることにより、ブレードの駆動力の低下を抑えながら車速を調整することができる。
特開2000−337489号公報
しかし、上記のようなモーターグレーダでは、インチング操作時間が長くなると、クラッチ発熱量が増大するとともに、クラッチの損耗が増大してしまう。インチング操作中にはエンジンの出力の大部分は走行装置に伝達されずに熱として放散されるため、エンジン出力に無駄が生じて、燃費が低下してしまう。
本発明の課題は、インチングによるクラッチの損耗を抑えることができ、燃費を向上することのできるモーターグレーダを提供することにある。
第1発明に係るモーターグレーダは、エンジンと、走行機構と、クラッチと、インチング操作部材と、制御部とを備える。走行機構は、車両を走行させるための機構である。クラッチは、エンジンからの駆動力を走行機構に伝達する。インチング操作部材は、クラッチに滑りを生じさせて車速を低減させるために操作される部材である。制御部は、インチング中のクラッチの負荷を算出し、クラッチの負荷が所定の閾値を越えた場合には、インチングによるクラッチの滑りを維持したままエンジンの回転数を低減させ、クラッチの負荷に応じてエンジンの回転数の低減量を変化させる。
このモーターグレーダでは、オペレータがインチング部材を操作することによって、クラッチに滑りを生じさせ、これにより、車速を調整することができる。また、制御部がクラッチの負荷を算出し、この負荷が所定の閾値を越えた場合には、エンジンの回転数が低減されるため、上記のようなインチング中のクラッチの過剰な滑りを抑えることができる。これにより、クラッチの損耗を抑えてクラッチを保護することができる。また、クラッチの無駄な滑りを抑えることができるため、燃費を向上させることができる。
第2発明に係るモーターグレーダは、第1発明のモーターグレーダであって、制御部は、クラッチの面圧とクラッチの滑り速度とに基づいてクラッチの負荷を算出する。
このモーターグレーダでは、クラッチの面圧とクラッチの滑り速度とから、クラッチの負荷を容易に算出することができる。
第3発明に係るモーターグレーダは、エンジンと、走行機構と、クラッチと、インチング操作部材と、制御部とを備える。走行機構は、車両を走行させるための機構である。クラッチは、エンジンからの駆動力を走行機構に伝達する。インチング操作部材は、クラッチに滑りを生じさせて車速を低減させるために操作される部材である。制御部は、インチング中のクラッチの温度を算出し、クラッチの温度が所定の閾値を越えた場合には、インチングによるクラッチの滑りを維持したままエンジンの回転数を低減させ、クラッチの負荷に応じてエンジンの回転数の低減量を変化させる。
このモーターグレーダでは、オペレータがインチング部材を操作することによって、クラッチに滑りを生じさせ、これにより、車速を調整することができる。また、制御部がクラッチの温度を算出し、このクラッチの温度が所定の閾値を越えた場合には、エンジンの回転数が低減されるため、上記のようなインチング中のクラッチの過剰な滑りを抑えることができる。これにより、クラッチの損耗を抑えてクラッチを保護することができる。また、クラッチの無駄な滑りを抑えることができるため、燃費を向上させることができる。
本発明に係るモーターグレーダでは、インチング中のクラッチの過剰な滑りを抑えることができる。これにより、クラッチの損耗を抑えてクラッチを保護することができる。また、クラッチの無駄な滑りを抑えることができるため、燃費を向上させることができる。
<構成>
〔全体構成〕
本発明の一実施形態にかかるモーターグレーダ1の外観斜視図および側面図を図1および図2に示す。このモーターグレーダ1は、左右一対の前輪11と、片側2輪ずつの後輪12とからなる6つの走行輪を備えている。このモーターグレーダ1は、前輪11および後輪12間に設けられたブレード42で整地作業、除雪作業、軽切削、材料混合等を行うことができる。なお、図1および図2では、4つの後輪12のうち左側に位置するもののみを図示している。
図1および図2に示すように、このモーターグレーダ1は、フレーム2、運転室3、作業機4を備えている。また、図3に示すように、モーターグレーダ1は、エンジン5、動力伝達機構6、走行機構9、油圧駆動機構7、操作部10、制御部8などを備えている。
〔フレーム2および運転室3〕
フレーム2は、図1および図2に示すように後部フレーム21および前部フレーム22によって構成されている。
後部フレーム21は、図3に示すエンジン5、動力伝達機構6、油圧駆動機構7などを収容している。また、後部フレーム21には、上述した4つの後輪12が設けられており、これらの後輪12がエンジン5からの駆動力によって回転駆動されることにより、車両が走行することができる。
前部フレーム22は、後部フレーム21の前方に取り付けられており、その前端部には上述した前輪11が取り付けられている。
運転室3は、後部フレーム21に載置されており、その内部には、ハンドル、変速レバー、作業機4の操作レバー、ブレーキ、アクセルペダル14、インチングベダル13などの操作部(図3参照)が設けられている。なお、運転室3は、前部フレーム22に載置されてもよい。
〔作業機4〕
作業機4は、ドローバ40、サークル41、ブレード42、油圧モータ49、各種の油圧シリンダ44〜48などを有している。
ドローバ40の前端部は、前部フレーム22の前端部に揺動可能に取付けられており、一対のリフトシリンダ44,45の同期した伸縮によって、ドローバ40の後端部が上下に昇降する。また、ドローバ40は、リフトシリンダ44,45の異なった伸縮によって上下方向に傾動する。さらに、ドローバ40は、ドローバシフトシリンダ46の伸縮によって車両進行方向に沿った軸を中心に上下に揺動する。
サークル41は、ドローバ40の後端部に回転可能に取付けられている。サークル41は、油圧モータ49(図1参照)によって駆動され、ドローバ40に対し車両上方から見て時計方向または反時計方向に回転する。
ブレード42は、サークル41に対して横方向に滑動可能、且つ、横方向に平行な軸を中心に上下に揺動可能に支持されている。ここで、横方向とは、車両の進行方向に対する左右方向を意味する。ブレード42は、サークル41に支持されたブレードシフトシリンダ47によりサークル41に対して横方向に移動することができる。また、ブレード42は、サークル41に支持されたチルトシリンダ48(図2参照)によって、サークル41に対して横方向に平行な軸を中心に揺動して上下方向に向きを変更することができる。以上のように、ブレード42は、ドローバ40、サークル41を介して、車両に対する上下の昇降、進行方向に対する傾きの変更、横方向に対する傾きの変更、回転、左右方向のシフトを行なうことが出来る。
油圧モータ49は、後述する第1油圧ポンプ71から供給される圧油によって駆動されることにより、サークル41を回転させることができる。
各種の油圧シリンダ44〜48は、第1油圧ポンプ71から供給される油圧によって駆動されるシリンダであり、上述したように、一対のリフトシリンダ44,45、ドローバシフトシリンダ46、ブレードシフトシリンダ47、チルトシリンダ48などがある。一対のリフトシリンダ44,45は、前部フレーム22を間に挟んで左右に離間して設けられている。リフトシリンダ44,45は、概ね上下方向に沿って配置されており、前部フレーム22およびドローバ40に取り付けられている。リフトシリンダ44,45は、伸縮することによって、ドローバ40の後端部を上下に移動させ、これにより、ブレード42を上下方向に移動させることができる。ドローバシフトシリンダ46は、上下方向に対して傾斜して配置されており、前部フレーム22およびドローバ40の側端部に取り付けられている。ドローバシフトシリンダ46は、伸縮することによって、横方向に対するドローバ40の傾斜角度を変更することができ、これにより、ブレード42の傾斜角度を変更することができる。ブレードシフトシリンダ47は、ブレード42の長手方向に沿って配置されており、サークル41およびブレード42に取り付けられている。ブレードシフトシリンダ47は、伸縮することによって、ブレード42の長手方向の位置を変更することができる。チルトシリンダ48は、サークル41およびブレード42に取り付けられており、伸縮することによって、ブレード42を横方向に沿った軸を中心に上下に揺動させることができ、これにより、ブレード42の進行方向に対する傾斜角度を変更することができる。
〔エンジン5〕
図3に示すように、エンジン5には、燃料噴射ポンプ15が付設されており、燃料噴射ポンプ15からエンジン5に燃料が供給される。その供給量は、後述する制御部8から電子ガバナ16に出力される指令信号によって制御される。なお、エンジン5の回転数は、エンジン回転数センサ81によって検知され、検知信号として制御部8へ送られる。制御部8は、電子ガバナ16へ指令信号を送ることにより、エンジン5への燃料の供給量を制御して、エンジン5の回転数を制御することができる。
〔動力伝達機構6〕
動力伝達機構6は、エンジン5からの駆動力を後輪12に伝達するための機構であり、トルクコンバータ62およびトランスミッション60を有している。
トルクコンバータ62はエンジン5の出力側に接続されている。トルクコンバータ62には、トルクコンバータ62の入力軸と出力軸とを直結するロックアップクラッチ70が設けられている。ロックアップクラッチ70は、後述する第2油圧ポンプ72から供給される油圧により駆動される油圧式クラッチである。ロックアップクラッチ70は、上述した操作部10に含まれる切換スイッチが操作されることによって、係合状態と開放状態とに切り替わる。オペレータにより切換スイッチがロックアップ入りの状態に操作されると、制御部8は、ロックアップクラッチ制御弁58へ指令信号を送信して、ロックアップクラッチ70へ油圧を供給してロックアップクラッチ70が係合状態とされる。ロックアップクラッチ70が係合状態になると、エンジン5からの駆動力がトルクコンバータ62を介さずに伝達される。ロックアップクラッチ70が開放状態となると、エンジン5からの駆動力が、トルクコンバータ62を介して伝達される。
トランスミッション60は、各種のクラッチ63〜69および図示しない複数の変速ギアなどを有している。
各種のクラッチ63〜69は、後述する第2油圧ポンプ72から供給される油圧により駆動される油圧式クラッチであり、FLクラッチ63、FHクラッチ64、Rクラッチ65
、1stクラッチ66、2ndクラッチ67、3rdクラッチ68、4thクラッチ69がある。FLクラッチ63およびFHクラッチ64は、車両が前進する場合に係合状態とな
る。Rクラッチ65は、車両が後進する場合に係合状態となる。1stクラッチ66、2ndクラッチ67、3rdクラッチ68、4thクラッチ69は、それぞれ対応する変速ギアに駆動力を伝達する場合に係合状態となる。このトランスミッション60では、前進時には、FLクラッチ63およびFHクラッチ64のいずれかと、1stクラッチ66〜4
thクラッチ69のいずれかとの組合せによって、1〜8速の速度段の選択が可能となっている。また、後進時には、Rクラッチ65と、1stクラッチ66〜4thクラッチ69のいずれかとの組合せによって、1〜4速の速度段の選択が可能となっている。
なお、FLクラッチ63およびFHクラッチ64への入力回転数は、入力回転数センサ8
2によって検知され、検知信号として制御部8へ送られる。また、FLクラッチ63および
FHクラッチ64からの出力回転数は、出力回転数センサ83によって検知され、検知信号として制御部8へ送られる。
〔走行機構9〕
走行機構9は、エンジン5からの駆動力を用いて車両を走行させるための機構である。走行機構9は、動力伝達機構6を介してエンジン5からの駆動力を伝達される。走行機構9は、図示しない最終減速機、タンデム装置61、後輪12を有している。トランスミッション60から出力された駆動力は、最終減速機およびタンデム装置61を介して後輪12に伝達され、後輪12が回転駆動されることにより車両が走行する。
〔油圧駆動機構7〕
油圧駆動機構7は、エンジン5からの駆動力によって油圧を発生させ、油圧によって上述した各種のクラッチ63〜69、油圧モータ49,各種のシリンダ44〜48を駆動するための機構である。油圧駆動機構7は、第1油圧ポンプ71、第2油圧ポンプ72、各種の油圧制御弁73〜78,51〜57を有する。
第1油圧ポンプ71は、エンジン5からの駆動力によって駆動され、各種シリンダ44〜48および油圧モータ49に供給される油圧を発生させる。第1油圧ポンプ71は、ポンプ容量制御シリンダ71aによって、斜板の傾転角度を変更されることによって吐出する圧油の容量を変更可能な可変容量型の油圧ポンプである。
第2油圧ポンプ72は、エンジン5からの駆動力によって駆動され、各種クラッチ63〜69に供給される油圧を発生させる。
各種の油圧制御弁73〜78,51〜57は、制御部8によって電気的に制御されることにより、油圧を調整することができる電磁比例制御弁であり、第1〜第5シリンダ制御弁73〜77、油圧モータ制御弁78、第1〜第7クラッチ制御弁51〜57などがある。
第1〜第5シリンダ制御弁73〜77は、上述した各種のシリンダ44〜48へ供給される油圧を調整する。また、各種シリンダ44〜48へ供給される油圧は、図示しない油圧センサによって検知され、検知信号として制御部8へ送られる。
油圧モータ制御弁78は、上述した油圧モータ49に供給される油圧を調整する。
第1〜第7クラッチ制御弁51〜57は、上述した各種のクラッチ63〜69へ供給される油圧を調整する。具体的には、第1クラッチ制御弁51は、FLクラッチ63へ供給される油圧を調整する。第2クラッチ制御弁52は、FHクラッチ64へ供給される油圧を調整する。第3クラッチ制御弁53は、Rクラッチ65へ供給される油圧を調整する。第4クラッチ制御弁54は、1stクラッチ66へ供給される油圧を調整する。第5クラッチ制御弁55は、2ndクラッチ67へ供給される油圧を調整する。第6クラッチ制御弁56は、3rdクラッチ68へ供給される油圧を調整する。第7クラッチ制御弁57は、4thクラッチ69へ供給される油圧を調整する。
また、各種のクラッチ63〜69へ供給される油圧は、油圧センサによって検知され、検知信号として制御部8へ送られる。なお、図3では、FLクラッチ63へ供給される油圧を検知する油圧センサ84と、FHクラッチ64へ供給される油圧を検知する油圧センサ85のみ図示しており、他の油圧センサは省略している。
〔操作部10〕
操作部10は、モーターグレーダ1の走行や作業機4を制御するためにオペレータによって作業される部分である。操作部10は、アクセルペダル14、インチングペダル13などの操作部材を有している。アクセルペダル14は、エンジン回転数を所望の回転数に設定するための操作部材である。インチングペダル13は、FLクラッチ63又はFHクラッチ64に滑りを生じさせて車速を低減させるために操作される操作部材である。操作部10の各操作部材が操作されると、その操作量に対応した操作信号が制御部8へ送られる。
〔制御部8〕
制御部8は、操作部10からの操作信号や、各種センサからの検知信号などに基づいて、第1〜第5シリンダ制御弁73〜77や油圧モータ制御弁78を制御することによって、作業機4を制御することができる。例えば、制御部8は、第1シリンダ制御弁73および第2シリンダ制御弁74へ指令信号を送信して、リフトシリンダ44,45へ供給される油圧を制御することにより、ブレード42を上下方向に移動させることができる。
また、制御部8は、操作部10からの操作信号や、各種センサからの検知信号などに基づいて、第1〜第7クラッチ制御弁51〜57を制御することにより、車両の状態に適した変速制御を行うことができる。例えば、制御部8は、第1クラッチ制御弁51へ指令信号を送信して、FLクラッチ63へ油圧を供給し、且つ、第7クラッチ制御弁57へ指令信号を送信して、4thクラッチ69へ油圧を供給する。これにより、FLクラッチ63および4thクラッチ69が係合状態となり、7速の速度段を選択することができる。また、第2クラッチ制御弁52へ指令信号を送信して、FHクラッチ64へ油圧を供給し、且つ、第4クラッチ制御弁54へ指令信号を送信して、1stクラッチ66へ油圧を供給する。これにより、FHクラッチ64および1stクラッチ66が係合状態となり、2速の速度段を選択することができる。
制御部8は、アクセルペダル14からの操作信号とエンジン回転数センサ81が検知したエンジン回転数とに基づいて、エンジン5への燃料の供給量を決定する。そして、制御部8は、決定された供給量に対応した指令信号を電子ガバナに送信する。これにより、燃料噴射ポンプからの燃料噴射量が、アクセルペダル14の操作量(以下、「アクセル操作量」と呼ぶ)に見合った量に調整され、エンジン回転数が制御される。これにより、オペレータは、作業機4の出力や車両の速度を制御することができる。
また、制御部8は、インチングペダル13が操作されている場合には、インチングペダル13からの操作信号に基づいて、第1クラッチ制御弁51又は第2クラッチ制御弁52への指令信号を調整することにより、FLクラッチ63又はFHクラッチ64へ供給される油圧を低減させる。すなわち、FLクラッチ63又はFHクラッチ64のうち係合状態にあるクラッチの面圧を低下させることにより、クラッチに滑りを生じさせる。これにより、動力伝達機構6から走行機構9へと伝達される駆動力が低減され、車速が低減する。従って、オペレータは、インチングペダル13を操作することにより、エンジン回転数の低下を抑えて作業機4の出力を維持しながら、車速を調整することができる。ここで、このモーターグレーダ1では、過剰なクラッチの滑りを防止するために、図4に示すクラッチ保護制御が行われる。以下、クラッチ保護制御について図4に示すフローに基づいて説明する。
まず、第1ステップS1において、インチングによる滑りがクラッチに発生しているか否かが判断される。ここでは、インチングペダル13からの操作信号および入力回転数センサ82と出力回転数センサ83とによる検知結果から、滑りがクラッチに発生しているか否かが判断される。
第1ステップS1においてインチングによる滑りがクラッチに発生している場合には、第2ステップS2に進む。第2ステップS2では、クラッチの負荷(q)が算出される。ここで、クラッチの負荷は、係合状態にあるクラッチの面圧とクラッチの滑り速度との積に比例するため、クラッチの面圧とクラッチの滑り速度とから算出される。クラッチの面圧は、FLクラッチ63又はFHクラッチ64へ供給される油圧やクラッチディスクの面積などから算出することができる。より具体的には、クラッチを作動させるピストン部分の面積に油圧を乗じることによりクラッチ押付力を算出することができ、このクラッチ押付力をクラッチディスクの接触部の面積で除することによりクラッチの面圧を算出することができる。なお、FLクラッチ63又はFHクラッチ64へ供給される油圧は、上述した油圧センサ84,85による検出結果から求められる。クラッチの滑り速度は、FLクラッチ63又はFHクラッチ64へ入力回転数とFLクラッチ63又はFHクラッチ64からの出力回転数との差であり、上述した入力回転数センサ82と出力回転数センサ83とによる検出結果から算出することができる。
そして、第3ステップS3において、クラッチの負荷(q)が所定の閾値(α)を越えているか否かが判断される。
第3ステップS3において、クラッチの負荷が所定の閾値を越えていると判断された場合には、第4ステップS4に進む。第4ステップS4では、エンジン4への燃料供給量が低減されることにより、エンジンの回転数が低減される。ここでの燃料供給量の低減量(以下、単に「燃料低減量」と呼ぶ)は、図5に示すように、クラッチの負荷の増大に応じて増大するように変化する。これにより、図6に示すように、クラッチの負荷が過剰に増大することが抑えられる。なお、図6においては、クラッチ保護制御が行われない場合のクラッチ負荷の変化を2点鎖線で示している。また、図5に示す燃料低減量の変化は、クラッチを保護するために必要な値として予め算出されグラフやマップとして制御部8に記憶されている。
第1ステップS1において、インチングによる滑りがクラッチに発生していないと判断された場合、及び、第3ステップS3において、クラッチの負荷が所定の閾値を越えていないと判断された場合には、第5ステップS5に進む。第5ステップS5では、燃料供給量がアクセル操作量に見合った量であるか否かが判断される。
第5ステップS5において、燃料供給量がアクセル操作量に見合った量ではないと判断された場合には、第6ステップS6に進む。第6ステップS6では、燃料供給量がアクセル操作量に見合った量に増大される。このため、クラッチの負荷が閾値より小さくなった場合には、燃料供給量の低減が停止され、燃料供給量がアクセル操作量に応じた量に設定される。これにより、クラッチ保護のために低下していたエンジン回転数を元の回転数に戻すことができる。
また、第5ステップS5において、燃料供給量がアクセル操作量に見合った量であると判断された場合には、第1ステップS1に戻る。
<特徴>
このモーターグレーダ1では、インチング時にクラッチの滑りが過剰に大きくなることが抑えられる。これにより、クラッチの負荷の増大を抑え、クラッチを保護することができる。
また、このモーターグレーダ1では、クラッチの滑りが過剰に大きくなることが抑えられるため、燃費を向上させることができる。すなわち、インチング時には、エンジンの出力のうちの一部がクラッチの滑りによって熱として捨てられており、従来のモーターグレーダでは、インチング時にエンジン出力が過剰となることにより、熱として捨てられる部分が多くなっている。そこで、このモーターグレーダ1では、この無駄に捨てられているエンジン出力の分だけエンジン回転数を低減させることにより、車速を過剰に低下させずに、燃費を向上させることができる。
<他の実施形態>
(a)
上記の実施形態では、制御部8は、クラッチの負荷が所定の閾値を超えた場合にエンジンの回転数を低減させているが、クラッチの温度が所定の閾値を超えた場合にエンジンの回転数を低減させてもよい。クラッチの温度は、直接計測することは困難なため、例えば以下の数式により算出することができる。
Figure 0005160363
ここで、T:クラッチの温度、T0:クラッチの初期温度、μ:クラッチディスクの動摩擦係数、P:クラッチディスクのみかけ面圧、V:クラッチディスクの平均径周速、αm:平均熱伝達率、c:クラッチディスクの比熱、γ:クラッチディスクの比重、V0:クラッチディスクの体積、t:時間、である。なお、「クラッチディスクのみかけ面圧」とは、クラッチディスクの表面に形成された溝を含めたクラッチディスクの面積を考慮した面圧を意味する。「クラッチディスクの平均径周速」とは、クラッチディスクの外径と内径との平均径における周速を意味する。また、「平均熱伝達率」とは、クラッチディスクから圧油への平均熱伝達率を意味する。
(b)
上記の実施形態では、クラッチの面圧は、油圧センサ84,85が検知した油圧から求められているが、制御部8から第1クラッチ制御弁51又は第2クラッチ制御弁52へ送られる指令信号から求められてもよい。また、インチングペダル13からの操作信号から求められてもよい

上記の実施形態では、インチングペダル13によってインチング操作が行われているが、ペダルに限らずレバーなどの他の操作部材がインチング操作部材として用いられてもよい。

上記の実施形態では、FLクラッチ63又はFHクラッチ64に供給される油圧が低減されることによってインチングが行われているが、他のクラッチに供給される油圧が低減されることによってインチングが行われてもよい。
本発明は、インチングによるクラッチの損耗を抑えることができる効果を有し、モーターグレーダとして有用である。
モーターグレーダの外観斜視図。 モーターグレーダの側面図。 モーターグレーダの構成を示すブロック図。 クラッチ保護制御のフローチャート。 燃料低減量とクラッチ負荷との関係を示すグラフ。 クラッチ保護制御が行われた場合のクラッチ負荷の変化を示すグラフ。
モーターグレーダ
5 エンジン
8 制御部
9 走行機構
13 インチングペダル(インチング操作部材)
16 電子ガバナ
51 第1クラッチ制御弁
52 第2クラッチ制御弁
63 FLクラッチ(クラッチ)
64 FHクラッチ(クラッチ)
82 入力回転数センサ
83 出力回転数センサ
84,85 油圧センサ

Claims (3)

  1. エンジンと、
    車両を走行させるための走行機構と、
    前記エンジンからの駆動力を前記走行機構に伝達するクラッチと、
    前記クラッチに滑りを生じさせて車速を低減させるために操作されるインチング操作部材と、
    インチング中の前記クラッチの負荷を算出し、前記クラッチの負荷が所定の閾値を越えた場合には、前記インチングによる前記クラッチの滑りを維持したまま前記エンジンの回転数を低減させ、前記クラッチの負荷に応じて前記エンジンの回転数の低減量を変化させる制御部と、
    を備えるモーターグレーダ
  2. 前記制御部は、前記クラッチの面圧と前記クラッチの滑り速度とに基づいて前記クラッチの負荷を算出する、
    請求項1に記載のモーターグレーダ
  3. エンジンと、
    車両を走行させるための走行機構と、
    前記エンジンからの駆動力を前記走行機構に伝達するクラッチと、
    前記クラッチに滑りを生じさせて車速を低減させるために操作されるインチング操作部材と、
    インチング中の前記クラッチの温度を算出し、前記クラッチの温度が所定の閾値を越えた場合には、前記インチングによる前記クラッチの滑りを維持したまま前記エンジンの回転数を低減させ、前記クラッチの負荷に応じて前記エンジンの回転数の低減量を変化させる制御部と、
    を備えるモーターグレーダ
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