JP5153568B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents
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Description
本発明は、標本を載置するステージと、該ステージ上の標本からの光を集光する乾燥系対物レンズおよび液浸対物レンズと、前記乾燥系対物レンズと前記液浸対物レンズのいずれか一方を標本に対向する位置に択一的に配置するレンズ切り替え手段と、前記ステージと前記液浸対物レンズとの相対位置を変更する相対位置変更手段と、前記液浸対物レンズを用いた観察から前記乾燥系対物レンズを用いた観察に切り替える際に、対物レンズの切り替えに先立って、前記液浸対物レンズを前記乾燥系対物レンズの非観察領域に配されるまで、光軸に直交する方向の相対位置を変化させるように、前記レンズ切り替え手段および前記相対位置変更手段を制御する制御部とを備える顕微鏡装置を採用する。
このようにすることで、標本を載せたカバーガラスと液体との接触面積を小さくした状態で、液体を乾燥系対物レンズの観察領域から除去することができる。これにより、ステージおよび/または液浸対物レンズの移動量を小さくすることができると共に、液体の除去効果を向上することができる。
このようにすることで、相対位置変更手段により乾燥系対物レンズの非観察領域まで移動された液体を除去手段により除去することができる。
本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡装置100について、図1から図4を参照して以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る顕微鏡装置100の概略構成を示している。図1に示すように、顕微鏡装置100は、標本を載置する標本XYステージ1と、標本からの光を集光する液浸対物レンズ4および乾燥系対物レンズ5と、液浸対物レンズ4と乾燥系対物レンズ5を切り替える可動式レボルバー(レンズ切り替え手段)6と、標本XYステージ1および可動式レボルバー6を制御する制御部(図示略)とを備えている。
ここで、液浸対物レンズ4の先端と標本容器底面のカバーガラス7の間には液体8が満たされている。液体8として、例えば、超純水を採用した場合の屈折率は1.33、オイルを採用した場合の屈折率は1.52である。
まず、液浸対物レンズ4による観察を行っているところから(S1)、乾燥系対物レンズ5への切り換えが選択されると(S2)、標本XYステージ1を動作させて液浸対物レンズ4が乾燥系対物レンズ5の非観察領域に配されるまで、XY方向の標本XYステージ1と液浸対物レンズ4との相対位置が変更される(S3)。これにより、液体8は、液浸対物レンズ4からの表面張力により乾燥系対物レンズ5の非観察領域にされる。
次に、可動式レボルバー6を回転させて、観察に用いる対物レンズを液浸対物レンズ4から乾燥系対物レンズ5に切り替える(S5)。
次に、可動式レボルバー6をZ方向上方へ上昇させ(S7)、乾燥系対物レンズ5による観察が行われる(S8)。
なお、上述のフローにおいてS6とS7との順番を逆にすることとしてもよい。
なお、相対位置変更手段は上記の構成に限られず、標本XYステージ1と液浸対物レンズ4との相対位置をXYZ方向に変更可能であればよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る顕微鏡装置について図5から図7を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡装置101が第1の実施形態と異なる点は、液浸対物レンズ4とカバーガラス7との間に充填された液体8が分離しない距離まで、Z方向の標本XYステージ1と液浸対物レンズ4との相対位置を変化させた後に、XY方向の相対位置を変更する点である。以下、本実施形態の顕微鏡装置101について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。なお、装置構成は図1に示す第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と同一の符号を用いて説明する。
図5(a)および図5(b)に示すように、液体8は、液浸対物レンズ4の先端と標本容器2の底面に配置されたカバーガラス7の間に満たされている。この液体8は、カバーガラス7と液浸対物レンズ4の双方からの表面張力によって一定の形状を保ちながら安定している。
σsν=σsl+σlνCOSθ・・・(1)
ここで、σsνは固体−液体の間の界面エネルギー、σslは固体−気体の間の界面エネルギー、σlνは気体−液体の間の界面エネルギーを表している。
上記の(1)式により、界面における接触角(COSθ)を導き出すことができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る顕微鏡装置について図8から図10を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡装置102が前述の各実施形態と異なる点は、乾燥系対物レンズ5の非観察領域まで移動された液体8を除去する点である。以下、本実施形態の顕微鏡装置102について、前述の各実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
また、吸引装置11と標本XYステージ1の位置が相対的に動くことができる。例えば、図8の場合、吸引装置11が固定され、標本XYステージ1はXY移動が可能である。
あるいは、標本XYステージ1の下面(対物レンズと対向している面)の観察視野外の位置に吸引部11aを取り付けることとしてもよい。これにより、標本XYステージ1をXY方向に移動して液体8を吸引部11aの位置に誘導し、吸引させる。
また、除去手段をヒーターとして、標本XYステージ1の移動に伴って引っ張られてきた液体8をヒーターの熱によって蒸発することとしても良い。
2 標本容器
3 容器保持部
4 液浸対物レンズ
5 乾燥系対物レンズ
6 可動式レボルバー
7 カバーガラス
8,8a,8b 液体
9 高倍観察領域
10 低倍観察領域
11 吸引装置
100,101,102 顕微鏡装置
Claims (6)
- 液浸対物レンズから乾燥系対物レンズへ切り替える方法であって、
前記液浸対物レンズによって標本を観察するステップと、
前記液浸対物レンズから前記乾燥系対物レンズへの切り替えを選択するステップと、
前記液浸対物レンズと前記標本との間の液体をこれらの間に保持したまま、前記液浸対物レンズが前記乾燥系対物レンズの非観察領域に配されるまで、前記標本と前記液浸対物レンズとの光軸に直交する方向の相対位置を変更するステップと、
該光軸に直交する方向の相対位置を変更するステップの後に、前記液浸対物レンズから前記乾燥系対物レンズへ切り替えるステップと、
前記乾燥系対物レンズを観察領域に対向する位置まで移動するステップとを含む方法。 - 前記切り替えを選択するステップと前記光軸に直交する方向の相対位置を変更するステップとの間に、前記液浸対物レンズと前記標本との間の液体が分離しない距離の範囲で前記液浸対物レンズと前記標本との光軸方向の相対位置を変更するステップを含む請求項1に記載の方法。
- 前記光軸に直交する方向の相対位置を変更するステップの後に、前記乾燥系対物レンズの非観察領域において液体を除去するステップを含む請求項1または請求項2に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法を実行する顕微鏡装置であって、
標本を載置するステージと、
該ステージ上の標本からの光を集光する乾燥系対物レンズおよび液浸対物レンズと、
前記乾燥系対物レンズと前記液浸対物レンズのいずれか一方を標本に対向する位置に択一的に配置するレンズ切り替え手段と、
前記ステージと前記液浸対物レンズとの相対位置を変更する相対位置変更手段と、
前記液浸対物レンズを用いた観察から前記乾燥系対物レンズを用いた観察に切り替える際に、対物レンズの切り替えに先立って、前記液浸対物レンズと前記標本との間の液体をこれらの間に保持したまま前記液浸対物レンズを前記乾燥系対物レンズの非観察領域に配されるまで光軸に直交する方向の相対位置を変化させるように、前記レンズ切り替え手段および前記相対位置変更手段を制御する制御部とを備える顕微鏡装置。 - 前記相対位置変更手段が、前記液浸対物レンズと前記ステージとの間の液体が分離しない距離の範囲で光軸方向の相対位置を変化させた後に、光軸に直交する方向の相対位置を変更する請求項4に記載の顕微鏡装置。
- 前記乾燥系対物レンズの非観察領域に設けられ、前記液体を除去する除去手段を備える請求項4または請求項5に記載の顕微鏡装置。
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