JP5146938B2 - 光パラメトリック発振器 - Google Patents

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Description

本発明は,光パラメトリック発振器などに関する。
光パラメトリック発振器は,ポンプ光と呼ばれるコヒーレント光(角周波数ωp)を励起光として用いる。そして,その周波数ωpを位相整合条件に応じて任意の割合に分割する。これにより,光パラメトリック発振器は,角周波数ωsのシグナル光と,角周波数ωiのアイドラ光と呼ばれるコヒーレント光を出力できる。光パラメトリック発振器には,シグナル光とアイドラ光の双方に共振を取る双共振型(DRO:Doubly Resonant Optical Parametric Oscillator)構造と,いずれか一方の光についてのみ共振させる単共振型(SRO: Singly Resonant Oscillator)の光パラメトリック発振器がある。DROはシグナル光とアイドラ光の共振器が同一である。そして,DROは,SROに比べて発振のしきい値が低くなるという利点を持っている。しかしながら,DROは,発振の動作が不安定である。このため,従来のDRO光パラメトリック発振器は,周波数を連続して変化させ光パラメトリック発振することができない。
特開2001−133823号公報(特許文献1)には,励起光,シグナル光PS,及びアイドラ光PIをそれぞれ独立に調整できる光パラメトリック発振器が開示されている。図1は,特開2001−133823号公報の図1に示される光パラメトリック発振器の構成図である。図1中,符号1はレーザダイオードを示し,符号2は集光レンズを示し,符号3は波長選択性ミラーM1を示し,符号4はレーザ媒質を示し,符号5はQスイッチを示し,符号6は共振器分離ミラーを示し,符号7は共振器分離ミラーを示し,符号8は波長選択性ミラーM3を示し,符号9は波長選択性ミラーM2を示し,符号10は非線形光学結晶を示す。各ミラー3,8,9,共振器分離ミラー6,7,及び非線形光学結晶10の端面には,図示しない波長選択性光学膜が設けられている。そして,符号11は励起光を示し,符号12はシグナル光を示し,符号13はアイドラ光を示す。
そして,波長選択性ミラー3から非線形光学結晶10の端面に設けられる波長選択性光学膜へと至る光学系が励起光の共振器を構成する。そして,この光パラメトリック発振器は,波長選択性ミラー3の位置を制御することで,励起光の共振器長さを調整できる。
波長選択性ミラー9から非線形光学結晶10の端面に設けられる波長選択性光学膜へと至る光学系がシグナル光の共振器を構成する。そして,この光パラメトリック発振器は,波長選択性ミラー9の位置を制御することで,シグナル光の共振器長さを調整できる。
波長選択性ミラー8から非線形光学結晶10の端面に設けられる波長選択性光学膜へと至る光学系がアイドラ光の共振器を構成する。そして,この光パラメトリック発振器は,波長選択性ミラー8の位置を制御することで,アイドラ光の共振器長さを調整できる。
効率の良い光パラメトリック発振器を得るためにはポンプ光を有効に利用することが望ましい。特許文献1では,励起光(ポンプ光)の共振部分と,シグナル光やアイドラ光が共振する部分に共通の光学系が用いられている。このため,励起光の共振部分に複数の光学素子が含まれる。具体的には,特許文献1では,励起光の共振経路に共振器分離ミラー6,7が含まれるので,効率よく光パラメトリック発振を得ることができない。また,励起光の共振経路にシグナル光やアイドラ光の共振経路も含まれる。これらにより,共振器内損失が増えるため,特許文献1では,励起光の強度を高めることができない。また,特許文献1に記載の光パラメトリック発振器は,LD光源やQスイッチが用いられており,パルス光を光パラメトリック発振することを前提に設計されている。したがって,特許文献1に記載の光パラメトリック発振器では,連続光を光パラメトリック発振することができない。
特開2001−133823号公報
本発明は,高効率な光パラメトリック発振器を提供することを目的とする。
本発明は,連続光をチューナブルに発振できる光パラメトリック発振器を提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)が,それぞれ共振する,光パラメトリック発振器に関する。そして,励起光の共振経路に含まれる光学素子を少なくすることで,高効率な光パラメトリック発振を得ることができるという知見に基づく。
本発明の第1の側面に係る光パラメトリック発振器は,第1の波長選択性ミラー(21),第2の波長選択性ミラー(22),第3の波長選択性ミラー(23),非線形光学結晶(24),光分離手段(25),制御装置(26),第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28),第3の駆動機構(29)及び光反射・透過選択手段(30)を含む。そして,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)が,それぞれ共振する。第1の波長選択性ミラー(21)は,励起光(31)が入射するミラーである。光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31)を反射し,アイドラ光(33)及びシグナル光(32)を透過する。光分離手段(25)は,入射する光の偏光状態に応じて光を分離する。
励起光(31)は,第1の波長選択性ミラー(21),非線形光学結晶(24)及び光反射・透過選択手段(30)を含む励起光の共振部において共振する。
シグナル光(32)は,第1の波長選択性ミラー(21),非線形光学結晶(24),光反射・透過選択手段(30),及び第2の波長選択性ミラー(22)を含むシグナル光の共振部において共振する。
アイドラ光(33)は,第1の波長選択性ミラー(21),非線形光学結晶(24),光反射・透過選択手段(30),及び第3の波長選択性ミラー(23)を含むアイドラ光の共振部において共振する。
制御装置(26)は,第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28)及び第3の駆動機構(29)に対し,波長選択性ミラーの位置を制御させるための指令を出す。
第1の駆動機構(27)は,第1の波長選択性ミラー(21)の位置を制御する。第2の駆動機構(28)は,第2の波長選択性ミラー(22)の位置を制御する。第3の駆動機構(29)は,第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御する。
そして,本発明の光パラメトリック発振器は,駆動機構がミラー(21,22,23)の位置を制御することにより,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)の共振器長を制御する。
本発明の光パラメトリック発振器の好ましい態様は,連続光を光パラメトリック発振する光パラメトリック発振器に関する。すなわち,従来,連続光を光パラメトリック発振することは不可能と考えられていた。しかしながら,本発明の光パラメトリック発振器は,連続光を光パラメトリック発振することができる。さらに,本発明の光パラメトリック発振器は,フィードバック制御を行うことで,出力光の周波数を変化させつつ,安定して本発明の光パラメトリック発振を行うことができる。
本発明の光パラメトリック発振器の好ましい態様は,光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点に設置される。これにより,共振の効率化が図られる。すなわち,本発明の光パラメトリック発振器の好ましい態様は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストが重なる。そのうえで,光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点に設置される。特に光反射・透過選択手段(30)が平面鏡である場合に,光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点に好ましく設置される。一方,光反射・透過選択手段(30)が,緩やかな曲面を有する曲面鏡である場合は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点からずれて設置される。この場合,光反射・透過選択手段(30)の近傍であって,非線形光学結晶側の位置においてビームウェストが重なるものがあげられる。
本発明の光パラメトリック発振器の制御方法は,先に説明した本発明の光パラメトリック発振器を用いるものである。そして,第1の駆動機構(27)及び第2の駆動機構(28)は圧電素子である。第2の駆動機構(28)に第1の周波数の電圧を印加して,前記第2の波長選択性ミラー(22)の位置を制御し,前記シグナル光(32)の共振状態を確立する工程を含む。そして,その後,前記第1の駆動機構(27)に第2の周波数の電圧を印加して,前記第1の波長選択性ミラー(21)の位置を制御し,前記励起光(31)の共振状態を確立する工程を含む。そして,前記第1の周波数と前記第2の周波数とは異なる周波数である。
上記のような2周波ディザリング法により,光パラメトリック発振が安定化する。これにより,光パラメトリック発振の周波数が変化しても安定して出力を維持できる。
本発明の光パラメトリック発振器の制御方法の好ましい態様は,シグナル光(32)の出力を検出し,第1の周波数の電圧の位相と前記検出されたシグナル光の位相との差が,正に最大となる箇所と負に最大となる箇所の中間の位置となるように第2の駆動機構(28)に印加される電圧の値を調整し,かつ,当該中間の位置となるようにフィードバックループを行う工程である。第2の波長選択性ミラー(22)の位置を決めるのは第2の駆動機構(28)へ印加される電圧である。一方,本発明の好ましい態様では,この印加電圧のほかに,微小電圧を印加する。この微小電圧が,正弦波などの第1の周波数を有する電圧である。この第1の周波数を有する電圧を印加することで,第2のミラーを微小振動させる。そして,第2の駆動機構(28)に印加される電圧値を共振状態を確立できる値とする。その後,シグナル光(32)を検出し続け,フィードバックを続けて印加電圧を制御し続ける。これにより,シグナル光の共振状態を維持し続けることができる。
また,励起光(31)の共振状態を確立する工程は,シグナル光(32)の出力を検出し,第2の周波数の電圧の位相と検出されたシグナル光(32)の位相との差が正に最大となる箇所と負に最大となる箇所の中間の位置となるように第1の駆動機構(27)に印加される電圧の値を調整する。これにより励起光(31)の共振を確立できる。この際,フィードバック制御により制御されるため,シグナル光の共振状態が維持され続ける。また,アイドラ光の共振状態も同時に確立される。その後,アイドラ光の共振器長を制御することで,発振周波数を変化させることができる。なお,この工程でもシグナル光の出力を検出しつつ,励起光の共振状態を確立できるのは,第1の周波数と第2の周波数とが異なるためである。
本発明の光パラメトリック発振器の制御方法の好ましい態様は,前記第1の周波数と前記第2の周波数との最小公倍数が前記フィードバックループの周波数帯域外の値である。「フィードバックループの周波数帯域」とは,シグナル光の共振状態を維持するためのフィードバック制御可能な周波数帯域である。この周波数帯域は一般に1kHz以上1MHz以下である。
本発明の光パラメトリック発振器の制御方法の好ましい態様は,第3の駆動機構(29)により,第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御することで,光パラメトリック発振光であるシグナル光(32)及びアイドラ光(33)光の周波数を変化させるものである。
本発明の上記とは別の側面は、(A)励起光(31)を共振させ、少なくとも一つの凹面鏡と該凹面鏡に対向する光反射・透過選択手段(30)を有する第1の共振光学系と、(B)シグナル光(32)を共振させ、少なくとも一つの凹面鏡を有する第2の共振光学系と、(C)アイドラ光(33)を共振させ、少なくとも一つの凹面鏡を有する第3の共振光学系から構成される。そして、(D)前記第1の共振光学系、第2の共振光学系及び第3の共振光学系は、(a)励起光(31)でシグナル光(32)とアイドラ光(33)を発生させる非線形光学結晶(24)を内部に共有し、(b)前記第1の共振光学系、第2の共振光学系及び第3の共振光学系における少なくとも一つの凹面鏡は、共有されるものであり、(c)前記光反射・透過選択手段(30)の近傍であって、前記非線形光学結晶(24)側にて励起光(31)のビームウェスト、シグナル光(32)のビームウェスト、及びアイドラ光(33)のビームウェストを一致させることを特徴とする光パラメトリック発振器に関する。
本発明の上記とは別の側面の好ましい態様は、前記非線形光学結晶(24)を、共振器内の光軸に対して結晶の向きを変えることにより、発振波長を変化させることを特徴とする上記の光パラメトリック発振器に関する。
本発明の上記とは別の側面の好ましい態様は、前記非線形光学結晶(24)の温度を変化させることにより、発振波長を変化させることを特徴とする上記いずれかの光パラメトリック発振器に関する。
本発明の上記とは別の側面の好ましい態様は、前記光反射・透過選択手段(30)は、前記第1の共振光学系の凹面鏡、前記第2の共振光学系の凹面鏡及び第3の共振光学系の凹面鏡のいずれの曲率よりも大きい曲率の凹面鏡であることを特徴とする上記いずれかの光パラメトリック発振器に関する。
本発明によれば,励起光の共振経路に光学素子が多く含まれないので,高効率な光パラメトリック発振器を提供できる。
本発明によれば,励起光の共振器内での強度を強くすることができるので,連続光をチューナブルに発振できる光パラメトリック発振器を提供できる。
以下,図面を用いて本発明の光パラメトリック発振器を具体的に説明する。図2は,本発明の光パラメトリック発振器のブロック図である。図2に示されるように,本発明の第1の側面に係る光パラメトリック発振器は,第1の波長選択性ミラー(21),第2の波長選択性ミラー(22),第3の波長選択性ミラー(23),非線形光学結晶(24),光分離手段(25),制御装置(26),第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28),第3の駆動機構(29)及び光反射・透過選択手段(30)を含む。なお,光パラメトリック発振器に用いられる各要素は,たとえば,米国特許6433918号明細書に開示されている。本明細書は,引用することによりこの文献の開示内容を取り込む。
図2において符号20は光源を示す。本発明の光パラメトリック共振器は,励起光の強度を効率的に増幅できる。よって,光源の強度が弱いものであっても構わない。ただし,連続光を光パラメトリック発振するためには,YAGレーザや強度の強い半導体レーザなど光源の強度が強いものを用いることが好ましい。
そして,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)が,それぞれ共振する。本発明の光パラメトリック発振器は,シグナル光とアイドラ光を独立の共振器で共振させる。本発明の光パラメトリック発振器は,ポンプ光も独立した共振器で共振させる。すなわち,本発明の光パラメトリック発振器は,複合共振器型構造を有している。これにより,本発明の光パラメトリック発振器は,低発振しきい値で連続して周波数を変化させつつ光パラメトリック発振を行うことができる。
波長選択性ミラーは,ある波長の光を透過し,ある波長の光を反射する性質を有するミラーである。波長選択性ミラーは公知であり,波長選択性ミラーの波長特性を制御する方法も公知である。第1の波長選択性ミラー(21)は,光源(20)からの光の一部を透過する。たとえば,第1の波長選択性ミラー(21)は,励起光を1%以上透過するものがあげられる。また,第1の波長選択性ミラー(21)は,励起光を1%以上50%以下透過するものがあげられる。具体的な波長選択性ミラーとして凹面鏡を有するものが上げられる。一方,第1の波長選択性ミラー(21)は,シグナル光(32)及びアイドラ光(33)を反射する。第2の波長選択性ミラー(22)は,シグナル光(32)を反射する。一方,第2の波長選択性ミラー(22)から,シグナル光(32)が出力される。第3の波長選択性ミラー(23)は,アイドラ光(33)を反射する。一方,第3の波長選択性ミラー(23)から,アイドラ光(33)が出力される。
本発明の第1の側面における非線形光学結晶は,例えばタイプIIの非線形結晶である。タイプIIの非線形結晶を用いることにより,シグナル光(32)の偏光面とアイドラ光(33)の偏光面を直交させることができる。これにより,光分離手段(25)でシグナル光(32)とアイドラ光(33)を分離できる。光分離手段(25)は,偏光面又は波長により光を分離する光学素子である。非線形光学結晶がタイプIIの非線形光学結晶の場合,光分離手段として偏光ビームスプリッタなどの偏光面によって光を分離する光学素子があげられる。一方,本発明の第2の側面に係る非線形光学素子は,タイプIの非線形光学結晶である。この場合は,グレーティング,ダイクロイックミラー又はプリズムなどを設置することで入力した光を波長分離することができる。なお,可視又は近赤外領域の光パラメトリック発振を行う場合,非線形光学結晶として,KTP,KDP,ADP,CDA,LiIO,LiNbO,BaNaNb15などを用いてもよい。また,近赤外領域又は中赤外領域の光パラメトリック発振を行う場合,非線形光学結晶として,AgAsS,AgGaS,AgGaSe,CdSe,ZnGePなどを用いればよい。
制御装置(26)は,第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28),第3の駆動機構(29)と接続されており,これらの駆動機構に対し制御指令を出力できる。制御装置の例は,フィードバックループ又はコンピュータである。本発明では,制御装置が所定のアルゴリズムに基づいて制御指令を出力する。これにより,本発明の光パラメトリック発振器は,波長を連続的に変化させつつ光パラメトリック発振を行うことができる。また,低い発振閾値にてパラメトリック発振を行うことができる。
本発明の光パラメトリック発振器は,シグナル光を,第1のミラー(21)と第2のミラー(22)間の光学系で共振させる。一方,本発明の光パラメトリック発振器は,アイドラ光を第1のミラー(21)と第3のミラー(23)との間の光学系で共振させる。この場合,光反射・透過選択手段(30)が平面状のものである場合,共振器内の光学的センター(励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストが重なった位置)に設置したときに,各モード間のカップリングが最適になり,変換効率が最も高くなる。よって,光反射・透過選択手段(30)は,実質的に,共振器内の光学的センターとなるような位置に制御することが望ましい。そして,この位置から微調整を行うことで,各ミラーの最適な位置を達成できる。励起光,シグナル光,アイドラ光の角周波数をそれぞれωp,ωs,及びωiとする。するとこれらの角速度にはパラメトリック発振の条件によりωpsiという関係がある。シグナル光の共振器長をLs,アイドラ光の共振器長をLiとする。そして、シグナル光の共振器長Lsの変位とアイドラ光の共振器長Liの変位をそれぞれδLs、δLiとする。この場合δLs及びδLiが式(1)を満たすように制御することにより,パラメトリック発振を持続させたまま周波数を連続的に変化させることができる。
Figure 0005146938
(1)
本発明の制御装置は,ある状態のシグナル光の共振器長Ls、及びアイドラ光モードの共振器長Liを記憶する記憶手段を有する。ここで「ある状態」とは,最適状態であっても良いし,共振器長を変化させる前の状態であっても良い。また,本発明の制御装置は,励起光の角周波数ωpを記憶する。また,制御装置は,角周波数ωpに関する情報と,ωpsiに関する情報を用いて所定のパラメトリック周波数を求める手段を有する。なお,シグナル光の縦モードが増加するときにアイドラ光の縦モードが減少するように共振器長を制御するものが好ましい。また,制御装置は,上記式(1)に基づいて,δLs及びδLiを演算する手段を有する。さらに,制御装置は,求めたδLs及びδLiに基づいて,第1のミラー(21)の変位,第2のミラー(22)の変位及び第3のミラー(23)の変位を求める。そして,制御装置は,求めた第1のミラー(21)の変位,第2のミラー(22)の変位及び第3のミラー(23)の変位を,それぞれ第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28),及び第3の駆動機構(29)へ出力する。このようにして共振器長を制御するので,周波数を連続的に変化させつつ光パラメトリック発振を維持することができる。すなわち,制御装置(26)は,第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28)及び第3の駆動機構(29)に対し,波長選択性ミラーの位置を制御させるための指令を出す。
本発明の光パラメトリック発振器は,駆動機構がミラー(21,22,23)の位置を制御することにより,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)の共振器長を制御する。第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28),第3の駆動機構(29)を以下,本発明の駆動機構とよぶ。本発明の駆動機構の例は,ミラーに接続された圧電素子を含むものがあげられる。そして,制御装置から制御指令を受けて,圧電素子に所定の電圧を印加することで,所定量ミラーを変位させる。第1の駆動機構(27)は,第1の波長選択性ミラー(21)の位置を制御する。第2の駆動機構(28)は,第2の波長選択性ミラー(22)の位置を制御する。第3の駆動機構(29)は,第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御する。
光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31)を反射し,アイドラ光(33)及びシグナル光(32)を透過する。光反射・透過選択手段(30)の例は,非線形光学素子の端面に設けられた反射膜又は波長選択性透過膜である。また光反射・透過選択手段(30)の別の例は,共振器分離ミラーである。これらは公知であるので,公知の技術を用いて光反射・透過選択手段(30)を得ることができる。光分離手段(25)は,入射する光の偏光状態や波長に応じて光を分離する光学素子である。本発明の第1の側面においては,アイドラ光(33)の偏光面とシグナル光(32)の偏光面とが異なるので,偏光ビームスプリッタ(25)を用いることでこれらのモードを分離できる。光反射・透過選択手段(30)は反射鏡であってもよい。反射鏡として,平面鏡面を有するものであってもよいし,凹面を有する凹面鏡であってもよい。
光反射・透過選択手段(30)は,非線形光学結晶(24)と分離しているものが好ましい。この場合,非線形光学結晶(24)は,無反射(AR)とすることが好ましい。非線形光学結晶(24)に膜を形成することで,光反射・透過選択手段(30)とすることもできる。しかしながら,非線形光学結晶(24)に形成した膜により光反射・透過選択手段(30)を達成すると,非線形光学結晶(24)と,光反射・透過選択手段(30)との位相整合角が固定されてしまう。このため,光パラメトリック発振の周波数(波長)が固定される。本発明の好ましい態様では,非線形光学結晶(24)と,光反射・透過選択手段(30)とが物理的に離れて設置される。このため,たとえば,非線形光学結晶(24)の位相整合角を変えることで,光パラメトリック発振周波数を変化させることができる。例えば,KTP結晶において位相整合角を変えるためには共振器内の光軸に対して結晶の向きを変えればよい。このようにすることで,たとえば,可視光から中赤外領域の光をも光パラメトリック発振することができる。温度により位相整合角を変えることができる非線形光学結晶(LiNiO:ニオブ酸リチウム結晶など)の場合は,結晶温度により位相整合角を変えることができる。
光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)の3つの光のビームウェストとなる位置となるように設置されることが好ましい。これにより,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)を効率的に共振させることができる。本発明の光パラメトリック発振器の好ましい態様は,光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点に設置される。これにより,共振の効率化が図られる。すなわち,本発明の光パラメトリック発振器の好ましい態様は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストが重なる。そのうえで,光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点に設置される。特に光反射・透過選択手段(30)が平面鏡である場合に,光反射・透過選択手段(30)は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点に好ましく設置される。一方,光反射・透過選択手段(30)が,緩やかな曲面を有する曲面鏡である場合は,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)のビームウェストとなる地点からずれて設置される。この場合,光反射・透過選択手段(30)の近傍であって,非線形光学結晶側の位置においてビームウェストが重なるものがあげられる。具体的には,第1の波長選択性ミラー(21),第2の波長選択性ミラー(22),及び第3の波長選択性ミラー(23)が同じ曲率半径を有するミラーである場合は,以下のようにすればよい。すなわち,第1の波長選択性ミラー(21),及び第2の波長選択性ミラー(22)の間の光学的距離の中心となるように,光反射・透過選択手段(30)を設置する。さらに,第1の波長選択性ミラー(21),及び第3の波長選択性ミラー(23)の間の光学的距離の中心となるように,光反射・透過選択手段(30)を設置する。このようにすることで,ビーム径が最小の所の地点に光反射・透過選択手段(30)を設置できる。一方,第1の波長選択性ミラー(21),第2の波長選択性ミラー(22),及び第3の波長選択性ミラー(23)がすべて同じでない場合は,ビームウェストとなる位置を計算により求めて,求めたビームウェストとなる地点に光反射・透過選択手段(30)を設置すればよい。このように,ビーム径が最小の所の地点に光反射・透過選択手段(30)を設置することで,励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)の空間的な重なりが大きくなり,効率的に光パラメトリック発振できることとなる。
特に図示しないが,光分離手段(25)と第2の波長選択性ミラー(22)の間,及び光分離手段(25)と第3の波長選択性ミラー(23)の間のいずれか又は両方に1/4波長板を設けてもよい。このように1/4波長板を設けることで,偏光面を制御でき,偏光ビームスプリッタ(25)の空きポートに最適な出力カップリングで出力させることができる。
励起光(31)は,第1の波長選択性ミラー(21),非線形光学結晶(24)及び光反射・透過選択手段(30)を含む励起光の共振部において共振する。この励起光の共振経路に,共振器分離ミラーなどが含まれない。このため,本発明の第1の側面に係る光パラメトリック発振器は,励起光の強度を効果的に増幅できる。
シグナル光(32)は,第1の波長選択性ミラー(21),非線形光学結晶(24),光反射・透過選択手段(30),光反射・透過選択手段(30),及び第2の波長選択性ミラー(22)を含むシグナル光の共振部において共振する。
アイドラ光(33)は,第1の波長選択性ミラー(21),非線形光学結晶(24),光反射・透過選択手段(30),光反射・透過選択手段(30),及び第3の波長選択性ミラー(23)を含むアイドラ光の共振部において共振する。
本発明の光パラメトリック発振器は,上記の構成を採用することで,効率的に発振状態を得ることができるので,連続光を光パラメトリック発振することもできる。また,本発明は,従来の光パラメトリック発振器と同様,パルス光を光パラメトリック発振することもできる。この場合であっても,効率的に光パラメトリック発振を行うことができる。
次に,本発明に基づく光パラメトリック発振の取得方法について説明する。この方法では,まず第1の波長選択性ミラー(21),及び第2の波長選択性ミラー(22)の間でシグナル光の共振を確立する。具体的には,第2の駆動機構(28)を用いて第2の波長選択性ミラー(22)を微小変位させる。所定の周波数の電圧を圧電素子に印加することで第2の波長選択性ミラー(22)を振動させる。この際,圧電素子に印加される電圧の周波数として35kHzがあげられる。第1の波長選択性ミラー(21),及び第2の波長選択性ミラー(22)の間の光学的距離が,共振状態からずれた場合,検出された光信号の位相が,駆動電圧の位相を基準として,正又は負に変位する。この中間地点が共振状態である。すなわち,圧電素子に印加される電圧を変化させつつ,第2の波長選択性ミラー(22)から出力されるシグナル光を検出し,フィードバック制御することで,共振状態を得る。そして,共振状態を得た後は,第1の波長選択性ミラー(21),及び第2の波長選択性ミラー(22)をフィードバックロックする。これにより連続光発振が保たれることとなる。
次に,第1の波長選択性ミラー(21)と光反射・透過選択手段(30)との間における励起光(31)の共振状態を確立する。この場合,光反射・透過選択手段(30)の位置を制御してもよいし,第1の波長選択性ミラー(21)の位置を制御してもよい。具体的には,第1の駆動機構(27)を用いて第1の波長選択性ミラー(21)を微小変位させる。この際,第1の駆動機構(27)である圧電素子に印加される電圧の周波数として38kHzがあげられる。すなわち,第2の駆動機構(28)に印加される電圧の周波数と,第1の駆動機構(27)に印加される電圧の周波数を異なる周波数とすることが好ましい。このように駆動機構に印加される電圧の周波数を異ならせることで,それぞれの共振器を独立に光学距離を制御できる。第1の波長選択性ミラー(21)と光反射・透過選択手段(30)との間における共振状態は,第2の波長選択性ミラー(22)から出力される光を検出しつつ,共振状態を確立する。なお,先に第1の波長選択性ミラー(21),及び第2の波長選択性ミラー(22)の間でシグナル光の共振が確立されている。そこで,第1の波長選択性ミラー(21),及び第2の波長選択性ミラー(22)の間の共振により得られる光を観測しておいて,第1の波長選択性ミラー(21)と光反射・透過選択手段(30)との間における共振を調整する際に,第2の波長選択性ミラー(22)から出力される光から先に観測したシグナル光の情報を引けるようにしておくことが好ましい。このような演算は,光検出器と接続されたコンピュータなどの制御装置を用いることで達成できる。
第1の波長選択性ミラー(21)と第3の波長選択性ミラー(23)との間における共振状態(アイドラ光の共振状態)は,励起光及びシグナル光の共振状態と同時に確立される。発振周波数を変化させる場合は,自動的に式(1)を満たしつつ,第3の駆動機構(29)により第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御することにより達成できる。すなわち,第3の駆動機構(29)により第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御することによって,光パラメトリック発振周波数を制御できる。そして,第3の波長選択性ミラー(23)の位置を変化させた場合,励起光及びシグナル光はフィードバック制御され続けるため,共振状態を維持できる。
本発明の光パラメトリック発振器の制御方法の好ましい態様は,シグナル光(32)の出力を検出し,第1の周波数の電圧の位相と前記検出されたシグナル光の位相との差が,正に最大となる箇所と負に最大となる箇所の中間の位置となるように第2の駆動機構(28)に印加される電圧の値を調整し,かつ,当該中間の位置となるようにフィードバックループを行う工程である。第2の波長選択性ミラー(22)の位置を決めるのは第2の駆動機構(28)へ印加される電圧である。一方,本発明の好ましい態様では,この印加電圧のほかに,微小電圧を印加する。この微小電圧が正弦波などの第1の周波数を有する電圧である。この第1の周波数を有する電圧を印加することで,第2のミラーを微小振動させる。そして,第2の駆動機構(28)に印加される電圧値を共振状態を確立できる値とする。その後,シグナル光(32)を検出し続け,フィードバックを続けて印加電圧を制御し続ける。これにより,シグナル光の共振状態を維持し続けることができる。
また,励起光(31)の共振状態を確立する工程は,シグナル光(32)の出力を検出し,第2の周波数の電圧の位相と検出されたシグナル光(32)の位相との差が正に最大となる箇所と負に最大となる箇所の中間の位置となるように第1の駆動機構(27)に印加される電圧の値を調整する。これにより励起光(31)の共振を確立できる。この際,フィードバック制御により制御されるため,シグナル光の共振状態が維持され続ける。また,アイドラ光の共振状態も同時に確立される。その後,アイドラ光の共振器長を制御することで,発振周波数を変化させることができる。なお,この工程でもシグナル光の出力を検出しつつ,励起光の共振状態を確立できるのは,第1の周波数と第2の周波数とが異なるためである。
本発明の光パラメトリック発振器の制御方法の好ましい態様は,前記第1の周波数と前記第2の周波数との最小公倍数が前記フィードバックループの周波数帯域外の値である。「フィードバックループの周波数帯域」とは,シグナル光の共振状態を維持するためのフィードバック制御可能な周波数帯域である。この周波数帯域は一般に1kHz以上1MHz以下である。
本発明の光パラメトリック発振器の特性を調査するために実験を行った。実験には,図2に示される構成要素を有する光パラメトリック発振器を用いた。非線形光学結晶としてタイプIIのKTP結晶を用いた。光源として,YAGレーザの第2高調波(波長532nm)を用いた。第1のミラーとして,1064nmの光を全反射し,532nmの光を96%反射するものを用いた。第1のミラーの曲率半径(r)は100mmであった。第2及び第3のミラーとして,1064nmの光を99.5%反射するものを用いた。第2のミラー及び第3のミラーのrは100mmであった。光反射・透過選択手段として,1064nmの光を全透過し,532nmの光を95%反射するものを用いた。励起光の共振器フィネスは65であり,発振閾値は30mWであった。
図3は,第1のミラーのみを変位させた場合の共振した励起光の透過光の強度及び光パラメトリック発振の光強度を示す図である。図3Aは,ミラーを移動させた場合における透過光の強度を示し,図3Bは光パラメトリック発振の強度を示す。X軸は圧電素子に印加した電圧値(したがって,第1のミラーの変位)であり,Y軸は光の強度を示す。
図4は,第1のミラー及び第3のミラーを変位させた場合の共振した励起光の透過光の強度及び光パラメトリック発振の光強度を示す図である。図4Aは,透過光の強度を示し,図4Bは光パラメトリック発振の光強度を示す。X軸は圧電素子に印加した電圧値(したがって,第1のミラー及び第3のミラーの変位)であり,Y軸は光の強度を示す。図4では,第1のミラー及び第3のミラーを,式(1)が成立するように変位させた。
図5は,本発明の光パラメトリック発振器により得られたシグナル光とアイドラ光の出力強度を比較した図である。X軸は共振器の長さを示し,Y軸は光強度を示す。この際,励起光の強度は,250mWであった。図5は,この様にして得られたシグナル光の強度が約20mWであり,アイドラ光の強度が約30mWであったことを示す。
光パラメトリック発振の安定化 2周波ディザリング
第2の駆動機構に35kHzの電圧を印加し,第1の駆動機構に38kHzの電圧を印加してミラー間の距離を制御し,光パラメトリック発振の安定化を図った。
図6は,光パラメトリック発振の安定化による効果を示す図である。図6Aは,光パラメトリック発振の安定化を図って連続光を光パラメトリック発振した場合の出力変動を示すグラフである。図6Bは,図6Aの縦軸のスケールを拡大させたものである。なお,ポンプ光の出力は320mWであり,出力光は47mWであった。
図7は,観測されたシグナル光とアイドラ光を示すスペクトルである。
図8は,連続掃引ビート周波数の測定結果を示すグラフである。図8A〜図8Dは,第3のミラー位置を制御した差異のシグナル光とアイドラ光のビートを示す。図8Aでは,80MHzのビート信号が出力され,図8Dでは220MHzのビート信号が出力されている。図8A〜図8Dから,本発明によれば,連続的に発振周波数を掃引しても安定した光パラメトリック発振を維持できることがわかる。
本発明の光パラメトリック発振器は、連続周波数可変のコヒーレント光源として機能する。よって,本発明の光パラメトリック発振器は、光学機器の分野で利用されうる。具体的に,本発明の光パラメトリック発振器は、分光学、光化学、物性研究をはじめ、光情報処理、制御、通信などの分野、生体情報計測における光CT(Optical Computed Tomography)の光源に利用されうる。
図1は,特開2001−133823号公報の図1に示される光パラメトリック発振器の構成図である。 図2は,本発明の光パラメトリック発振器のブロック図である。 図3は,第1のミラーのみを変位させた場合の励起光の透過光の強度及び光パラメトリック発振の光強度を示す図である。図3Aは,透過光の強度を示し,図3Bは光パラメトリック発振の強度を示す。 図4は,第1のミラー及び第3のミラーを変位させた場合の励起光の透過光の強度及び光パラメトリック発振の光強度を示す図である。図4Aは,透過光の強度を示し,図4Bは光パラメトリック発振の光強度を示す。 図5は,共振器長を変化させた際の本発明の光パラメトリック発振器により得られたシグナル光とアイドラ光の出力強度を比較した図である。 図6は,光パラメトリック発振の安定化による効果を示す図である。図6Aは,光パラメトリック発振の安定化を図って連続光を光パラメトリック発振した場合の出力変動を示すグラフである。図6Bは,図6Aの縦軸のスケールを拡大させたものである。 図7は,観測されたシグナル光とアイドラ光を示すスペクトルである。 図8は,連続掃引ビート周波数の測定結果を示すグラフである。図8A〜図8Dは,第3のミラー位置を制御した差異のシグナル光とアイドラ光のビートを示す。
符号の説明
21 第1の波長選択性ミラー
22 第2の波長選択性ミラー
23 第3の波長選択性ミラー
24 非線形光学結晶
25 偏光ビームスプリッタ
26 制御装置
27 第1の駆動機構
28 第2の駆動機構
29 第3の駆動機構
30 光反射・透過選択手段
31 励起光
32 シグナル光
33 アイドラ光

Claims (3)

  1. 第1の波長選択性ミラー(21),第2の波長選択性ミラー(22),第3の波長選択性ミラー(23),非線形光学結晶(24),光分離手段(25),制御装置(26),第1の駆動機構(27),第2の駆動機構(28),第3の駆動機構(29)及び光反射・透過選択手段(30)を含み,
    励起光(31),シグナル光(32)及びアイドラ光(33)が,それぞれ共振する,光パラメトリック発振器の制御方法であって,

    前記光パラメトリック発振器は,
    前記第1の波長選択性ミラー(21)は,励起光(31)が入射するミラーであり,
    前記光反射・透過選択手段(30)は,前記励起光(31)を反射し,前記アイドラ光(33)及び前記シグナル光(32)を透過し,
    前記光分離手段(25)は,入射する光の偏光状態又は光の波長に応じて光を分離し,
    前記励起光(31)は,前記第1の波長選択性ミラー(21),前記非線形光学結晶(24)及び前記光反射・透過選択手段(30)を含む励起光の共振部において共振し,
    前記シグナル光(32)は,前記第1の波長選択性ミラー(21),前記非線形光学結晶(24),前記光反射・透過選択手段(30),及び前記第2の波長選択性ミラー(22)を含むシグナル光の共振部において共振し,
    前記アイドラ光(33)は,前記第1の波長選択性ミラー(21),前記非線形光学結晶(24),前記光反射・透過選択手段(30),及び前記第3の波長選択性ミラー(23)を含むアイドラ光の共振部において共振し,
    前記制御装置(26)は,前記第1の駆動機構(27),前記第2の駆動機構(28)及び前記第3の駆動機構(29)に対し,波長選択性ミラーの位置を制御させるための指令を出し,
    前記第1の駆動機構(27)は,前記第1の波長選択性ミラー(21)の位置を制御し,
    前記第2の駆動機構(28)は,前記第2の波長選択性ミラー(22)の位置を制御し,
    前記第3の駆動機構(29)は,前記第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御し,
    これにより,前記励起光(31),前記シグナル光(32)及び前記アイドラ光(33)の共振器長を制御する,
    光パラメトリック発振器であり,

    前記第2の駆動機構(28)は圧電素子であり,前記第2の駆動機構(28)に第1の周波数の電圧を印加して,前記第2の波長選択性ミラー(22)の位置を制御し,前記シグナル光(32)の共振状態を確立する工程であって,
    前記シグナル光(32)の出力を検出し,前記第1の周波数の電圧の位相と前記検出されたシグナル光の位相との差が,正に最大となる箇所と負に最大となる箇所の中間の位置となるように前記第2の駆動機構(28)に印加される電圧の値を調整し,かつ,当該中間の位置となるようにフィードバックループを行う工程と,

    前記第1の駆動機構(27)は圧電素子であり,前記第1の駆動機構(27)に第2の周波数の電圧を印加して,前記第1の波長選択性ミラー(21)の位置を制御し,前記励起光(31)の共振状態を確立する工程であって,
    前記シグナル光(32)の出力を検出し,前記第2の周波数の電圧の位相と前記検出されたシグナル光(32)の位相との差が正に最大となる箇所と負に最大となる箇所の中間の位置となるように前記第1の駆動機構(27)に印加される電圧の値を調整する工程と,

    を含み,前記第1の周波数と前記第2の周波数とは異なる周波数である,

    光パラメトリック発振器の制御方法。
  2. 前記第1の周波数と前記第2の周波数との最小公倍数が前記フィードバックループの周波数帯域外の値である,
    請求項1に記載の光パラメトリック発振器の制御方法。
  3. 前記第3の駆動機構(29)により,前記第3の波長選択性ミラー(23)の位置を制御することで,光パラメトリック発振光である前記シグナル光(32)及び前記アイドラ光(33)の周波数を変化させる,
    請求項1に記載の光パラメトリック発振器の制御方法。
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