JP5142150B2 - 共重合体組成物、防汚塗料組成物、施工方法及び構造物 - Google Patents
共重合体組成物、防汚塗料組成物、施工方法及び構造物 Download PDFInfo
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Description
[態様1]
次の一般式(a);
単量体(A)が、トリイソプロピルシリルアクリレート及び/又はトリイソプロピルシリルメタクリレートである、態様1記載の共重合体組成物。
[態様3]
上記単量体混合物が、次の一般式(b);
により表される単量体(B)を含む、態様1又は2に記載の共重合体組成物。
上記単量体混合物が、メチルメタクリレートを含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の共重合体組成物。
[態様5]
上記2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含有量が、上記共重合体の質量に対して、5〜1000ppmである、態様1〜4のいずれか一項に記載の共重合体組成物。
態様1〜5のいずれか一項に記載の共重合体組成物及び防汚剤を含有する、海中での耐黄変性に優れる防汚塗料組成物。
[態様7]
態様6に記載の防汚塗料組成物を被塗物に施工する施工方法。
[態様8]
態様6に記載の防汚塗料組成物が施工された構造物。
により表される単量体(B)をさらに含むことが塗膜溶解速度をより長期間一定としうる点から好ましい。
なお本明細書において、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含有量は、ガスクロマトグラフィーにより測定される含有量である。当該ガスクロマトグラフィーは、下記の条件で測定される。
カラム:ZB−5(内径0.25mm/全長30m/膜厚1μm、95%ジメチルシリコン−5%ジメチルフェニルシリコン−ガラスキャピラリーカラム、充填剤なし)
サンプル量:1マイクロリットル
ヘリウム流量:40cm/sec(線速度)
サンプル投入時温度(インジェクション温度):250℃
サンプル投入後、100℃で2分間保持し、昇温速度:5℃/minにて160℃まで昇温し、当該温度で11分間保持することにより測定する
検出器:FID(水素炎イオン化型検出器)
内部標準物質:ジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテルアセテート
しかし、上記(i)及び(iii)の場合には、単量体混合物の重合時に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの少なくとも一部又は全部が、ビニル重合開始剤、単量体又は共重合体等と反応しその化学構造が変化する。
本発明の海中での耐黄変性に優れる防汚塗料組成物は、上記共重合体組成物、並びに所望により防汚剤を含有する。
本発明の防汚塗料組成物における上記共重合体の使用量は、防汚塗料組成物の固形分中に5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が特に好ましい。上記共重合体の使用量が上記範囲の下限値未満では、塗膜が強靭ではなく且つ基材への密着性が不良であり剥離やクラックを起こしやすい。また、上記共重合体の使用量が上記範囲の上限値を超えると、防汚効果や耐侯性が好ましくなくなる。
無機化合物としては、例えば、亜酸化銅、銅粉、チオシアン酸銅、炭酸銅、塩化銅、硫酸銅等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル、銅−ニッケル合金等が挙げられる。
トリアジン系化合物としては、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン等が挙げられる。
上記防汚剤のうち、安定した防汚性能を発揮する観点から亜酸化銅を用いることが好ましく、亜酸化銅を及び銅ピリチオンを併用することがさらに好ましい。
上記顔料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンガラ、タルク、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の施工方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法により行うことができる。被塗物としては、船舶の船底に限らず、海中構築物、発電所導水管、養殖用又は定置用の漁網もしくはこれらに用いられる浮き子、ロープ等の漁網付属具等の海中物品類等が挙げられる。これら被塗物の表面に、常法に従って上記防汚塗料組成物を1回〜複数回塗布すればよい。
攪拌機付きのフラスコに、表1の配合組成に準じて溶剤aとしてキシレンを40質量部仕込み、反応温度である140℃に昇温させた。そこへ、各単量体、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、及び重合触媒aとしてパーブチルIを表1の配合組成に準じて混合した混合液を3時間で滴下した。次いで、滴下終了後同温度で30分間保持した。次いで、重合触媒bとしてパーブチルI 1質量部と溶剤bとしてキシレン10質量部との混合物を20分間で滴下し、さらに同温度で2時間攪拌を続けて重合反応を終了させた。その後、希釈溶剤としてキシレン47質量部を加えて希釈した後、室温に冷却し共重合体を得た。さらに、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを単量体混合物の質量に対して800ppm添加して均一に混合した後、共重合体組成物S1を得た。
表1に示す各実施例、各比較例の配合組成、反応温度とした以外は、実施例1と同様にして、共重合体組成物S2〜S12、T1〜T5を得た。各共重合体組成物の固形分、25℃におけるガードナー粘度、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含有量を表1に示した。
(注2)TISAM:トリイソプロピルシリルイソアミルマレート
(注3)VeoVa9:商品名、Hexion社製、炭素数9のカルボン酸からなるバーサチック酸のビニルエステル
(注4)単位は、単量体混合物の質量に対するppmである
(注6)パーブチルI:商品名、日油社製、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート
(注7)共重合体を室温に冷却した後に添加。単位は単量体混合物の質量に対するppmである
(注8)単位は、共重合体の質量に対するppmである
各共重合体組成物S1〜S12を用いて、表2に示す配合組成(表中の数値は質量部)により、各成分を混合し、2,000rpmのホモミキサーで混合分散して、各種の防汚塗料組成物を調製した。調製した防汚塗料組成物を、耐黄変性試験、防汚性能試験、耐クラック性、耐剥離性、耐水性試験及び塗膜消耗試験に供した。試験結果を表4〜表10に示す。
(注10)ディスパロンA630−20XN:商品名、楠本化成社製、脂肪酸アマイドワックス
(注11)アエロジル200:商品名、日本アエロジル社製、二酸化ケイ素粉末
(注12)ソルベッソ100:商品名、エクソン化学社製、高沸点芳香族石油ナフサ
各共重合体組成物T1〜T5を用いて、表3に示す配合組成(表中の数値は質量部)により、各成分を混合し、2,000rpmのホモミキサーで混合分散して、各種の防汚塗料組成物を調製した。調製した防汚塗料組成物を、耐黄変性試験、防汚性能試験、耐クラック性、耐剥離性、耐水性試験及び塗膜消耗試験に供した。試験結果を表4〜表10に示す。
サンドブラスト処理鋼板に予めノンタールビニル系防錆塗料を塗布して調製した塗装板(直径500mm×高さ240mmの円筒形ドラムに装着可能な様に湾曲性を持たせた120mm×120mm×1mmの塗装板)の片面に、各防汚塗料組成物を、乾燥膜厚が240μmとなるようにスプレー塗装により2回塗装して、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させ、試験片を作製した。その試験片を直径500mm×高さ240mmの円筒形ドラムに装着し、該円筒形ドラムを兵庫県由良湾の海面下500mmにて16ノットで24ヶ月間回転させ試験を行った。一定期間経過後の試験片の塗膜表面の黄変の度合いについて目視評価を行った。目視評価は、塗膜の表層の一部をカッターナイフで削り、削った部分に対する削っていない部分(塗膜表面)の黄変の度合いを下記基準にて目視評価することにより行った。
○:(合格)僅かに黄変が観察された
△:(不合格)明確な黄変が観察された
×:(不合格)激しい黄変が観察された
サンドブラスト処理鋼板に予めタールビニル系防錆塗料を塗布して調製した塗装板(100mm×200mm×1mm)の両面に、各防汚塗料組成物を、乾燥膜厚が片面240μmとなるようにスプレー塗装により2回塗装して、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させ、試験片を作製した。この試験片を三重県尾鷲湾で48ヶ月間海水に浸漬させ、試験塗膜上の付着生物の占有面積(付着面積)の割合を経時的に測定した。
上記耐黄変性試験に供した試験板にて、塗膜表面でのクラックの有無を確認した。
◎:(合格)クラックが観察されなかった
○:(合格)微細なクラックが観察された
△:(不合格)明確なクラックが観察された
×:(不合格)下地に至るクラックが観察された
上記耐黄変性試験に供した試験板にて、塗膜の剥離の有無を確認した。
◎:(合格)剥離が観察されなかった
○:(合格)表面に僅かな剥離が観察された
△:(不合格)明確な剥離が観察された
×:(不合格)下地に至る剥離が観察された
上記耐黄変性試験に供した試験板にて、塗膜のフクレの有無を確認した。
◎:(合格)フクレが観察されなかった
○:(合格)僅かにフクレが観察された
△:(不合格)明確なフクレが部分的に観察された
×:(不合格)明確なフクレが全面に観察された
サンドブラスト処理鋼板に予めタールビニル系防錆塗料を塗布してなる塗装板(100mm×200mm×1mm)の両面に、各防汚塗料組成物を、1回の乾燥膜厚が片面250μmとなるようにスプレーにより2回塗装して、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させ、試験片を作製した。この試験片を直径50cmの円筒形ドラムの外面に固定したのち、兵庫県洲本市由良湾の海面下1mに浸漬して、ドラムの周速が16ノットとなるようにモーターで回転させ、消耗した塗膜厚を3〜6ケ月ごとに24ケ月間測定した。その初期から24ケ月までの塗膜厚消耗平均速度が初期から6ケ月までの塗膜厚消耗平均速度に対して、±1(μm/月)の範囲内であれば、一定速度で塗膜が消耗していることを示している。
Claims (9)
- 単量体(A)が、アクリレート、メタクリレート、マレート及びフマレート、並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の共重合体組成物。
- 単量体(A)が、トリイソプロピルシリルアクリレート、トリイソプロピルシリルメタクリレート、トリイソプロピルシリルメチルマレート、トリイソプロピルシリルアミルマレート、トリイソプロピルシリルメチルフマレート、トリイソプロピルシリルアミルフマレート、ビス(トリイソプロピルシリル)マレート及びビス(トリイソプロピルシリル)フマレート、並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1又は2記載の共重合体組成物。
- 前記単量体混合物が、メチルメタクリレートを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共重合体組成物。
- 前記2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含有量が、前記共重合体の質量に対して、5〜1000ppmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の共重合体組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の共重合体組成物及び防汚剤を含有する、海中での耐黄変性に優れる防汚塗料組成物。
- 請求項7記載の防汚塗料組成物を被塗物に塗装する施工方法。
- 請求項7記載の防汚塗料組成物が施工された構造物。
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