JP5140689B2 - 装軌車両の操向制御装置 - Google Patents

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本発明は、例えばブルドーザのような装軌車両の操向制御装置に関するものである。
従来、ブルドーザのような装軌車両の操向制御装置として、左右の各駆動輪にクラッチおよびブレーキを設けてそれらクラッチおよびブレーキを制御することで車両の左右旋回運動を行なうようにしたものが知られている。この操向制御装置においては、車両の走行中に操向レバーを左右いずれかの旋回方向に操作すると、その操作側のクラッチの結合状態が解除されるとともに同操作側のブレーキが制動方向に作動されて、この操作側の履帯のみが停止し、車両は所望の方向に旋回する。
ところで、前述のような操向制御装置においては、通常、クラッチが解放されてからブレーキが制動されるまでに所定の時間間隔を設け、あるいはブレーキが解放されてからクラッチが結合されるまでに所定の時間間隔を設けるようにされ、これによって操向制御時のショックを和らげて滑らかな旋回が行えるようにされている。
ところが、このクラッチ解放〜ブレーキ制動もしくはブレーキ解放〜クラッチ結合の時間間隔、更にはブレーキの結合開始油圧、クラッチの解放開始油圧等を常に一定にした油圧特性を用いるのでは、例えばブルドーザのドージング作業時、傾斜地走行時、エンジン低回転時等の各種作業状態に適合する最適なクラッチ・ブレーキ制御が行えないという問題点がある。
このような問題点に対処するために、本出願人は、装軌車両の種々の作業状態に応じて最適な操向性能を得ることを目的とし、高負荷運転状態、傾斜地走行状態、エンジン低回転状態、高速走行状態等の各種作業状態に応じて、クラッチ・ブレーキのモジュレーション特性を変更するようにした装軌車両の操向制御装置を先願発明として既に提案している(特許文献1)。
しかしながら、前記先願発明による操向制御装置においては、車両走行時の速度段が低速度段の場合に、ブレーキ油圧の変化によって旋回コントロール性が悪化してしまうという改善すべき点がある。
特開2000−177618号公報
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、車両走行時の速度段が低速度段の場合にスムーズな旋回性能を得ることができるとともに、コントロール性も向上させることのできる装軌車両の操向制御装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による装軌車両の操向制御装置は、
左右の各駆動輪に設けられるクラッチおよびブレーキと、これらクラッチおよびブレーキを制御する電子比例制御弁と、操向レバーと、この操向レバーの操作量に応じて操向指令信号を発生する操向指令信号発生器と、この操向指令信号発生器からの出力に基づいて前記電子比例制御弁に操向制御信号を出力するコントローラを備える装軌車両の操向制御装置において、
トランスミッションの速度段を検出する速度段検出手段を設け、この速度段検出手段によりトランスミッションが低速度段にあることが検出されたときに、前記コントローラは、前記低速度段におけるブレーキ結合時の下限油圧を高速度段におけるブレーキ結合時の下限油圧に比べ高めに設定することにより、前記ブレーキ結合時の上限油圧から下限油圧に変化する際のレバーストロークに対する油圧変化率を小さめに設定した油圧特性を得るための操向制御信号を前記電子比例制御弁に出力することを特徴とするものである(第1発明)。
前記第1発明おいて、各油圧特性毎に段階的に変化する複数種の特性線図が用意され、これら各特性線図のうちから所望の特性線図が選択使用されるのが好ましい(第発明)。
前記第1発明によれば、トランスミッションが低速度段になる程、ブレーキ結合時の上限油圧から下限油圧に変化する際のレバーストロークに対する油圧変化率が小さめになるように制御されるので、この低速度段において有効レバーストローク域を広げることができ、スムーズな旋回性能を得ることができる。
また、第発明によれば、各条件に適合した旋回特性を選択することができて、常に最適の制御性能を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るブルドーザの外観図 本実施形態のシステム構成図 クラッチ・ブレーキのモジュレーション特性図(a)、クラッチ力と油圧との関係を示す図(b)及びブレーキ力と油圧との関係を示す図(c) 操向制御の手順を示すフローチャートの前半部分 操向制御の手順を示すフローチャートの後半部分 登坂用ステアリング静特性油圧線図を示すグラフ ドージング用ステアリング静特性油圧線図を示すグラフ 降坂用ステアリング静特性油圧線図を示すグラフ 降坂+エンジンスロー用ステアリング静特性油圧線図を示すグラフ エンジン低速用ステアリング静特性油圧線図を示すグラフ 1速用ステアリング静特性油圧線図を示すグラフ 重負荷用ステアリング動特性油圧線図を示すグラフ 高速走行用ステアリング動特性油圧線図を示すグラフ
次に、本発明による装軌車両の操向制御装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下に、ブルドーザに適用した実施形態について説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るブルドーザの外観図が示されている。
本実施形態のブルドーザ1においては、車体2上にボンネット3および運転席4が設けられ、車体2の前進方向の左右の各側部に、車体2を前進、後退および旋回させる履帯5が設けられている。これら履帯5は、エンジンから伝達される駆動力によって対応するスプロケット6により各履帯5毎に独立して駆動される。
車体2の左右の側部には、ブレード7を先端側で支持する左および右のストレートフレーム8,9の基端部がトラニオン(右側のトラニオンは図示されていない。)10によってブレード7が上昇・下降可能なように枢支されている。また、ブレード7には、このブレード7を上昇・下降させる左右一対のブレードリフトシリンダ11,11が車体2との間に、またブレード7を左右に傾斜させるブレース12およびブレードチルトシリンダ13がそのブレース12を左ストレートフレーム8との間に、ブレードチルトシリンダ13を右ストレートフレーム9との間に配することにより設けられている。
また、運転席4の左側には、前後進用の変速レバーを兼ねる操向レバー15と燃料コントロールレバー17とが設けられ、右側にはブレード7を上昇、下降、左傾斜および右傾斜させるブレードコントロールレバー18等が設けられている。なお、運転席4の前方には図示されていないデクセルペダルが設けられている。
次に、本実施形態のシステム構成が示されている図2において、エンジン20からの回転駆動力は、ダンパ21およびPTO22を介してトルクコンバータ23に伝達され、このトルクコンバータ23の出力軸から、その出力軸に入力軸が連結されている例えば遊星歯車湿式多板式クラッチ変速機であるトランスミッション24に伝達される。このトランスミッション24は、前進、後進の各クラッチおよび1速乃至3速の各クラッチを有してその出力軸から回転駆動力は、トランスファ25およびステアリング用の左右の各クラッチ26L,26R、ブレーキ27L,27Rを介して左右一対の終減速装置28L,28Rに伝達されて履帯5を走行させる各スプロケット6,6が駆動されるようになっている。
前記クラッチ26L,26Rおよびブレーキ27L,27Rは、ばねの付勢力によって作動し、油圧力によって解放されるように構成され、コントローラ29から出力される制御信号により、左右の各クラッチ用電磁比例制御弁30L,30Rおよび各ブレーキ用電磁比例制御弁31L,31Rを介して制御される。この制御を実行するために、前記コントローラ29には、操向レバー15の操作量に応じて操向指令信号を発生する操向指令信号発生器15aからの信号が入力される。また、前記コントローラ29には、エンジン回転センサー32からのエンジン20の回転数データ、トルクコンバータ出力軸回転センサー33からのトルクコンバータ23の出力軸の回転数データ、ピッチ角センサー(傾斜角検出手段)34からの車両の前後方向の傾斜角データ、トランスミッション出力軸回転センサー35からのトランスミッション24の出力軸の回転数データ、トランスミッション速度段センサー(速度段検出手段)36からの速度段状態に係るデータ、スロットルセンサー(回転検出手段)37からのエンジン20のスロットル量データ等の各データが入力される。
図3(a)には、ブルドーザの通常走行時における操向レバー15のストロークとクラッチまたはブレーキの油圧(維持圧)との関係(モジュレーション特性図)が示され、図3(b)(c)には、クラッチ力と油圧との関係、ブレーキ力と油圧との関係がそれぞれ示されている。これらの図によって、操向レバー15の操作によるクラッチ圧およびブレーキ圧の制御特性について説明する。
図3(a)に示されるように、最初、クラッチには圧油が送られておらず、ばねの付勢力によりクラッチ・オンの状態にあり、一方ブレーキには圧油が送られてブレーキ・オフの状態で車両は直進している。操向レバー15が操作されると、A点においてクラッチに圧油を送って油圧をa点まで上昇させ、このa点からb点の方向に向かって徐々に結合力を減少させ、b点のやや手前でクラッチ力がオフになる(図3(b)参照)。一方、ブレーキにおいてはその圧油を戻して油圧をc点まで低下させ、このc点からd点の方向に向かって徐々に制動力(ブレーキ力)を増加させ、d点でブレーキが結合される(図3(c)参照)。この場合、b〜c間にはディレータイムtがあり、クラッチ・オフ後にブレーキ・オンになるように設定されている。一方、ブレーキ・オフ→クラッチ・オンの場合には、ブレーキ・オフ後にクラッチ・オンになるようにディレータイムが設定されており、これによって作動時のショックを防ぐようにされている。
本実施形態においては、前述のような通常走行時のクラッチ/ブレーキの油圧特性(静特性)に対して、ブルドーザの作業状態に応じてその油圧特性(静特性および動特性)を変化させるように操向制御が実行される。以下に、本実施形態における操向制御の具体的内容について、図4、図5に示されるフローチャートを参照しつつ説明する。
S1〜S2:操向指令信号発生器15aからの操作レバーストローク信号のほか、エンジン回転センサー32からのエンジン20の回転数データ、トルクコンバータ出力軸回転センサー33からのトルクコンバータ23の出力軸の回転数信号、ピッチ角センサー34からの車両の前後方向の傾斜角データ、トランスミッション出力軸回転センサー35からのトランスミッション24の出力軸の回転数データ、トランスミッション速度段センサー36からの速度段データ、スロットルセンサー37からのエンジン20のスロットル量データ等の各センサー信号を入力する。そして、エンジン20の回転数データおよびトルクコンバータ23の出力軸の回転数データから車両の牽引力を算出し、傾斜角データから車両のピッチ角を算出し、トランスミッション24の出力軸の回転数データから車速を算出する。
S3:演算されたピッチ角から、車両が設定角(例えば6°)以上の登坂走行状態であるか否かを判定する。
S4:設定角以上の登坂走行状態である場合には、クラッチ/ブレーキのモジュレーション特性として登坂用ステアリング静特性油圧線図を選択する。この登坂用ステアリング静特性油圧線図は、図6(b)(c)に示されているように、平地走行時の油圧線図(図6(a)参照)に比べて、クラッチ維持域の範囲D,Dを広げる(ブレーキ維持域の範囲E,Eを狭める)とともに、クラッチ解放時の下限油圧(クラッチ解放開始油圧)F,Fを平地走行時の下限油圧Fに比べて低めに設定した油圧特性である。ここで、この登坂用ステアリング静特性油圧線図としては、登坂角の大きさに対応してクラッチ維持域の範囲の異なる複数種の線図が用意されていて、これら複数種の線図のうちから登坂角の大きさに対応する最適の線図が選択される。このような油圧特性線図を選択することで、平地走行時には旋回時の油圧域Rがブレーキ維持域側にあったものが、登坂角が大きくなるにつれて記号R,Rにて示されるようにクラッチ維持域側へシフトされることになる。こうして、旋回時の内側履帯の旋回トルクがプラス値となって半クラッチ状態が長く続くことになり、登坂走行時に内側履帯側のクラッチの結合状態が解除されることによるカウンターローテーション現象の発生を抑えることができる。また、クラッチ解放時の下限油圧の値が登坂時に適合した値になるので、旋回コントロール性を向上させることができる。
S5:ステップS3の判定において、設定角以上の登坂走行でない場合には、次に演算された車両の牽引力から、車両が牽引力大の前進走行状態(ドージング作業状態)であるか否かを判定する。
S6:所定牽引力(例えば0.4W;Wは車両重量)以上の高負荷前進走行状態である場合には、旋回時の内側履帯の旋回必要トルクがプラス値になることを考慮し、クラッチ/ブレーキのモジュレーション特性としてドージング用ステアリング静特性油圧線図を選択する。このドージング用ステアリング静特性油圧線図は、図7(b)に示されるように、通常走行時の特性(図7(a))に対してクラッチの維持域の範囲Dを広げるとともに、ブレーキの維持域の範囲Eを狭めた特性、言い換えれば図3(a)におけるb点およびc点を右方へシフトした特性である。こうして、旋回時の内側履帯の旋回トルクがプラス値となって半クラッチ状態が長く続くことになり、ドージング作業時であってもブレード前面の土砂の押し回しをスムーズに行うことができて、ショックのない最適の旋回特性を得ることができる。なお、このドージング用ステアリング静特性油圧線図においても、牽引力の大きさに対応してクラッチ維持域の範囲の異なる複数種の線図が用意されていて、これら複数種の線図のうちから牽引力の大きさに対応する最適の線図が選択される。
S7:ステップS5の判定において、牽引力大の前進でない場合には、次に演算されたピッチ角から、車両が設定角(例えば6°)以上の降坂走行状態であるか否かを判定する。
S8:設定角以上の降坂走行状態である場合には、スロットル開度からエンジン回転が低速であるか否かを判定する。
S9:設定角以上の降坂走行状態であって、かつエンジン回転が低速でない場合には、旋回時の内側履帯の旋回必要トルクが大きなマイナス値になることを考慮し、クラッチ/ブレーキのモジュレーション特性として降坂用ステアリング静特性油圧線図を選択する。この降坂用ステアリング静特性油圧線図は、図8(b)に示されるように、平地走行時の特性(図8(a))に対してブレーキの制御を早めて、クラッチとブレーキとが同時に解放される領域(遊びの領域)Gをなくすとともに、ブレーキ結合時の上限油圧Hを平地走行時における上限油圧Hよりも低めの設定値(第1設定値)になるように変更した油圧特性である。このような油圧特性を選択することで、クラッチ解放域をなくしてブレーキの制動力を上げるように制御されるので、クラッチの解放による降坂時の逆方向旋回(逆ステアリング現象)の発生を防ぐことが可能となる。また、ブレーキ結合時の上限油圧Hが低めの値に設定されているので、ブレーキの制動力が増加する方向に補正されることになり、平坦地と同様の操向感覚で車両操向を行うことができるという効果を奏するものである。なお、この降坂用ステアリング静特性油圧線図としても、降坂角の大きさに対応してブレーキ結合時の上限油圧値の範囲の異なる複数種の線図が用意されていて、これら複数種の線図のうちから降坂角の大きさに対応する最適の線図(降坂角が大きくなるほど上限油圧Hが小さな値となる線図)が選択される。
S10:設定角以上の降坂走行状態であって、かつエンジン回転が低速の場合には、クラッチ/ブレーキのモジュレーション特性として降坂+エンジンスロー用ステアリング静特性油圧線図を選択する。この降坂+エンジンスロー用ステアリング静特性油圧線図は、図9に示されるように、ブレーキ結合時の上限油圧を、平地走行時の設定値Hよりも低めで、かつ前記第1設定値Hよりも高めの第2設定値Hに設定した油圧特性である。このような油圧特性を選択することで、降坂走行時にエンジンが低速回転状態になっても、ブレーキ結合時の上限油圧が通常の降坂走行時の上限油圧よりも高めに補正されて制動力が弱められるので、旋回時のショックが低減され、旋回コントロール性が向上される。
S11:ステップS7における判定において、設定角以上の降坂走行でない場合に、スロットル開度からエンジン回転が低速であるか否かを判定する。
S12:エンジン回転が低速である場合には、旋回トルクは小さくて良いので、図10(b)に示されるようなエンジン低速用ステアリング静特性油圧線図を選択する。このエンジン低速用ステアリング静特性油圧線図は、ブレーキ結合時の上限油圧Hを通常走行時(図10(a))の上限油圧Hよりも高めに設定して制動力を弱めた油圧特性である。こうして、機敏なブレーキ特性により微操作に適合した細かな操向制御を行うことが可能となる。
S13:一方、ステップS11における判定において、エンジン回転が低速でない場合には、トランスミッション速度段センサー36から得られる速度段状態に係るデータに基づき、速度段が1速であるか否かを判定する。
S14:トランスミッションの速度段が1速である場合には、図11(b)に示されるような1速用ステアリング静特性油圧線図を選択する。この1速用ステアリング静特性油圧線図は、ブレーキ結合時の上限油圧から下限油圧に変化する際のレバーストロークに対する油圧変化率を小さめに設定した油圧特性であり、より具体的には、1速の速度段におけるブレーキ結合時の下限油圧Iを2速・3速の速度段における下限油圧Iに比べて高めに設定した油圧特性である。このような油圧特性を選択することで、1速における信地旋回レバーストロークを2速・3速の信地旋回レバーストロークと同程度にすることができ、スムーズな旋回性能を得ることができる。
なお、本実施形態では、1速用と2速・3速用の各油圧特性線図の2種類を使用するものを説明したが、1速用、2速用、3速用のそれぞれに応じた油圧特性線図を用いることもできる。また、本実施形態では、ブレーキ結合時の上限油圧から下限油圧への油圧変化率を小さめに設定するのに、ブレーキ結合時の下限油圧を上げることにより行ったものを説明したが、ブレーキ結合時の上限油圧を下げることにより行っても良い。
S15:一方、設定角以上の登坂走行状態でなく、所定牽引力以上の高負荷走行状態でもなく、設定角以上の降坂走行状態でもなく、エンジン回転が低速でもなく、速度段が1速でもない場合には、図3(a)に示される基本ステアリング静特性油圧線図が選択される。
S16:前述された各静特性油圧線図のいずれかが選択されると、次いで演算されたピッチ角から、車両が設定角以上の登坂走行状態であるか否かを判定する。
S17:設定角以上の登坂走行状態でない場合には、次に所定牽引力以上の高負荷前進走行状態であるか否かを判定する。
S18:設定角以上の登坂走行状態である場合、もしくは所定牽引力以上の高負荷前進走行状態(ドージング作業状態)である場合には、重負荷用ステアリング動特性パラメータを選択する。すなわち、図12に示されるように、操向レバーをフルストローク位置からニュートラル位置への操作時に、クラッチの結合開始時から結合終了時までのクラッチ油圧の時間的変化率を通常走行時(鎖線で示す。)よりも大きめに設定し、クラッチを短時間で結合する油圧特性が選択される。こうして、高負荷運転状態ではトルクの途切れがなく、また登坂走行状態では逆ステアリング現象を発生することがなく、旋回状態から直進状態へ移行する際のショックが低減されるとともに、旋回流れのないスムーズな旋回特性を得ることが可能となる。
S19:設定角以上の登坂走行状態でなく、所定牽引力以上の高負荷前進走行状態でもない場合には、演算された車速から、車両が高速走行状態にあるか否かを判定する。
S20:車両が高速走行状態にある場合には、高速走行用ステアリング動特性パラメータを選択する。すなわち、図13に示されるように、操向レバーをフルストローク位置からニュートラル位置への操作時に、クラッチの結合開始時から結合終了時までのクラッチ油圧の時間的変化率を通常走行時(鎖線で示す。)よりも小さめに設定し、クラッチをゆっくりと結合する特性が選択される。こうして、旋回状態から直進状態へ移行する際の車両の慣性によるショックが低減されるとともに、旋回流れのないスムーズな旋回特性を得ることが可能となる。
S21:設定角以上の登坂走行状態でもなく、所定牽引力以上の高負荷前進状態でもなく、また高速走行状態でもない場合には、通常走行時の基本ステアリング動特性パラメータ(図12、図13の鎖線で示す。)を選択する。
S22〜S23:前述されたステアリング静特性およびステアリング動特性の選択に応じて、ステアリングレバーストローク指令に対するクラッチ・ブレーキ油圧を演算し、左右の各クラッチ用電磁比例制御弁30L,30Rおよび各ブレーキ用電磁比例制御弁31L,31Rを介して左右の各クラッチ26L,26Rおよび各ブレーキ27L,27Rに油圧指令信号を出力する。この後、ステップS1に戻る。
以上のように、本実施形態によれば、傾斜地走行(登坂走行、降坂走行)、ドージング作業、エンジン低回転走行、高速走行等におけるブルドーザの種々の作業状態に対応して、それら作業状態に最適なステアリング静特性もしくはステアリング動特性が選択されるので、操向ショックのない、しかもオペレータの感覚に合った操向性能のブルドーザを得ることができる。
本実施形態においてはブルドーザに適用したものを説明したが、本発明は、その他の装軌車両に対しても適用できるのは言うまでもない。
1 ブルドーザ
5 履帯
6 スプロケット
15 操向レバー
15a 操向指令信号発生器
20 エンジン
23 トルクコンバータ
26L,26R クラッチ
27L,27R ブレーキ
29 コントローラ
30L,30R クラッチ用電磁比例制御弁
31L,31R ブレーキ用電磁比例制御弁
32 エンジン回転センサー
33 トルクコンバータ出力軸回転センサー
34 ピッチ角センサー
35 トランスミッション出力軸回転センサー
36 トランスミッション速度段センサー
37 スロットルセンサー

Claims (2)

  1. 左右の各駆動輪に設けられるクラッチ(26L,26R)およびブレーキ(27L,27R)と、これらクラッチ(26L,26R)およびブレーキ(27L,27R)を制御する電子比例制御弁(30L,30R;31L,31R)と、操向レバー(15)と、この操向レバー(15)の操作量に応じて操向指令信号を発生する操向指令信号発生器(15a)と、この操向指令信号発生器(15a)からの出力に基づいて前記電子比例制御弁(30L,30R;31L,31R)に操向制御信号を出力するコントローラ(29)を備える装軌車両の操向制御装置において、
    トランスミッションの速度段を検出する速度段検出手段(36)を設け、この速度段検出手段(36)によりトランスミッションが低速度段にあることが検出されたときに、前記コントローラ(29)は、前記低速度段におけるブレーキ結合時の下限油圧を高速度段におけるブレーキ結合時の下限油圧に比べ高めに設定することにより、前記ブレーキ結合時の上限油圧から下限油圧に変化する際のレバーストロークに対する油圧変化率を小さめに設定した油圧特性を得るための操向制御信号を前記電子比例制御弁(30L,30R;31L,31R)に出力することを特徴とする装軌車両の操向制御装置。
  2. 前記各油圧特性毎に段階的に変化する複数種の特性線図が用意され、これら各特性線図のうちから所望の特性線図が選択使用される請求項に記載の装軌車両の操向制御装置。
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