JP5137019B2 - 引張り測定器用試料台 - Google Patents
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Description
いずれも、長尺な材料が必要であり、さらに、材料を測定装置の保治具に直接取り付けるため、脆弱で且つ微小な材料の場合、材料の固定が極めて困難であり、限られた材料の測定が行われている。
また、取り付け場所や取り付け方法の自由度が極めて少なく実体顕微下や電子顕微鏡下で材料を固定したり、測定をおこなうことが出来ず、引っ張り破断方向も垂直方向に限定されるなどの問題がある。
また、ファイバー材料等の特殊な材料は、測定器に固定することが困難となり、測定が不可能となる事態も生じていた。
例えば図1〜図9に示すように、試料の左右を固定する左右の二個のブロック(A、B)からなり、両ブロックの対向面には互いに接触可能な面を有し、その接触面には、相互の接触面に沿った方向での相互移動を阻止し、相互に離れる方向では分離可能な噛み合い構造(2A、2B)が設けられ、かつ、左右の二個のブロックが、引っ張り力印加時に独立分離した構造を有し、当該噛み合い構造による噛み合い状態を解除可能に維持する仮止め構造(3、7A、7B)が設けられていると共に、前記測定器の試料取付部に、前記ブロックがそれぞれ仮止め状態で固定可能な固定構造(11A、11B)が設けてあり、前記ブロックには前記固定構造に対応する固定構造(6A、6B)を設けたことを特徴とする。
これにより、前記試料台に試料を高精度で固定するのに、作業空間や作業用の設備、工具に制約を受けることがなくなり、容易に試料を試料台に固定することができるようになった。
そのうえ、この試料台を測定器に固定した後は、仮止め構造により仮止めを解除することで、測定器の引っ張り力を試料に直接に与えることができ、従前と同様な引っ張り試験を実施することができるようになった。
要するに、試料の試料台の取付が測定器に影響されることなく行えるようになったこと、及び、仮止めの解除により、試料台を従前の一体型と同様に測定器に一体化されることにより、従来では不可能とされていた微小な部材や材料の引っ張り試験を高精度で容易に行えるようになった。
本発明の噛み合い構造は、下記実施例では、台形凹凸、ピンとピン孔の組合せを例示したが、これに限らず、噛み合いにより、平面並びに正面のいずれにおいても、上下に相対移動しないようにするものであれば良い。
また、仮止め構造は、下記実施例では、Uの字のクリップ及び、掛け止めクランプを例示したが、これに限らず、前記噛み合い構造による噛み合いのはずれを一時的に阻止出来るものであればよい。
例えば、左右のプロックの側面に粘着テープを貼り付けて相互の移動を一時的に阻止し、測定器にこの試料台を固定した後、その粘着テープを除去するようにした場合も、仮止め構造に含むものである。
また、ネジ、マグネット、接着材等を用いる構造も以下の実施例からすれば容易に想起しえるものである。
測定器への試料台に固定構造については、下記実施例では、測定器側のピンと、このピンに仮止め状態で嵌め込まれる嵌め込み孔の組合せを例示した。
しかし、このようなものに限らず、ピンをネジ、割ピン、角柱などに変えることもできる。また、チャックによる固定なども可能である。
試料台(1)は、左右のブロック(A)(B)により構成されている。
左右のブロック(A)(B)の互いに接触する面の一方(B)には台形の凸部(2B)が設けてあり、他方(A)にはこの凸部(2B)と同型同台の凹部(2A)が設けてあって、この凹凸部(2A)(2B)によって噛み合い構造を構成してある。
前記左右のブロック(A)(B)には正面から背面に掛けて貫通するピン孔(7A)(7B)が形成してあり、前記噛み合い構造の噛み合い状態(図1、2に示す状態)で、Uの字状のクリップ(3)が前記両ピン孔(7A)(7B)に挿入出来るようにしてある。このようにして、前記クリップ(3)とピン孔(7A)(7B)により仮止め構造が構成してある。
この仮止め状態では、前記クリップ(3)のバネ力により、両ブロック(A)(B)が互いに近づく方向に付勢されて前記噛み合い構造が外れないようにしてある。
試料取付面(4A)(4B)は、両ブロック(A)(B)の上面としてある。
なお、ブロック(A)(B)を構成する材質は、従来周知の接着剤により試料を固定でき、引っ張り試験中に自ら変形しない硬度を有するものであれば、特に限定されるものではない。
図3は、図1のX−X断面と同じ場所の断面を示した縦断正面図であるが、左右ブロック(A)(B)の合わせ部分の上部がVの字状になるように切除された形状に形成され、当該Vの字状の内面を試料取付面(4A1)(4B1)としてある。
その他の点は前記実施例1と同様なので同様な符号を図面に示し、詳しい説明は省略する。
その他の点は前記実施例1と同様なので同様な符号を図面に示し、詳しい説明は省略する。
一方のブロック(B)には、上下に配置したピン(2B1)を固定し、他方のブロック(A)には前記ピン(2B1)と同径のピン孔(2A1)を形成し、このピン(2B1)がピン孔(2A1)に嵌り込むことで、両ブロック(A)(B)の相対的な上下移動を阻止する噛み合い構造を構成してある。 その他の点は前記実施例1と同様なので同様な符号を図面に示し、詳しい説明は省略する。
なお、本実施例において、前記実施例2、3のような試料取付面を設けることに何らの困難性はない。
図8の図中、ブロック(B)の上下の側辺に、フック(31)が中心軸(31P)にて取り付けてあり、このフック(31)の外側面を指で押さえることで、ブロック(A)側の先端が、前記ブロック(A)に形成した横孔(71)の両端に突入、退出するようにしてある。
このようにして、両ブロック(A)(B)を噛み合い構造にて結合したときに、前記フック(31)の横孔(71)へ突入(図中実線で示す)させて仮止めし、測定器への取付が終了した後は、前記フック(31)を横孔(71)から退出(図中一点鎖線で示す)させる仮止め構造を構成してある。
その他の点は、前記実施例4と同様なので、同様な符号を図面に示し、詳しい説明は省略する。
なお、本実施例において、前記実施例2、3のような試料取付面を設けることに何らの困難性はない。
また、噛み合い構造を前記実施例1に示すようにすることにも困難性はない。
一方の試料取付片(10B)は、第一積層圧電素子(12B)を介して基盤(20)に固定してある。
他方の試料取付片(10A)は、前記基盤(20)上にレール(17A)を介して左右に平行移動可能にした稼動子(12A)に固定されている。
この稼動子(12A)は雌ネジ部(13A)にネジ込まれ、ホルダー(21)に回転自在に保持した雄ネジ(15A)の回転により左右に位置調整が可能なようにしてある。
なお、ノブ(16A)は、前記雄ネジ(15A)の一端に固定してあり、これを回転することで、前記稼動子(12A)の左右位置を調整できるようにしてある。
前記稼動子(12A)とホルダー(21)間に配置したコイルスプリング(14A)は、ネジ(13A)(12A)のがたつきを無くして、稼動子(12A)が図中上下にぶれないようにする為のものである。
一般に引っ張り試験を行う場合は前記第二、第三積層圧電素子(30、40)のケーブル(31、41)を介して電流を流すことで、前記素子を延伸して、試料に引っ張り力を当てあるようにする。
その場合の歪みは、前記両片(10A)(10B)の間隔の変化として現れる。 その変化は、各片(10A)(10B)から基盤(20)に形成した伸び量検出窓(22)を通って基盤(20)の下方に特出した反射アーム(18A)(18B)の左右への移動によって検出できる。
前記反射アーム(18A)(18B)の反射アームはレーザ距離測定器(50A)(50B)により測定され、その測定値を基に、両アーム(18A)(18B)の間隔を算定して、その時の第一積層圧電素子(12B)による負荷と共に記録演算するようにしてある。
また、このような構造を利用しない場合は、第一積層圧電素子(12B)の伸びによる電気的変化を検知して、前記第二、第三積層圧電素子(30)(40)による伸長にて生じた試料の引っ張り力を測定するようにしてある。その具体的なデータの例を図13、図16、図17に示した。
従来のこの種導入機の操作と同様な操作により、電子顕微鏡の内部に当該測定器(10)を配置して、その姿勢や位置を制御することが出来る。
図12の写真は、本発明の測定器(10)を取り付けた4軸導入機を示す。
炭化ケイ素ファイバー(S)を用いた実際の測定手順および結果を示す。
クリップ(3)によって両ブロック(A)(B)を一体とした試料台に、長さ1mm、幅2mm、厚さ0.5mmの和紙に接着剤を含浸し、図4の試料取付面(4A2)4B2)の中央に貼り付けた。この和紙の上に、実体顕微鏡を用いて試料(S)を置き、さらに、接着剤を含浸した和紙を載せて試料を固定した。この時、圧力を加えて押しつけることにより、より強固な固定が可能となり、引っ張り測定時に試料が抜けることを防ぐことができる。
試料を固定した試料台(1)のクリップ(3)と直交方向に空けたピン孔(6A)(6B)を測定器(10)のピン(11A)(11B)に挿入する(図10、11参照)。この時、手動距離調整つまみ(16A)によって試料取付部のピン(11A)(11B)の間隔を調整し、試料台(1)に余分なストレスを加えることなく試料台(1)をセットできる。
つぎに、手動距離調整つまみ(16A)を使い試料台(1)を一旦、圧縮方向に操作し、測定台(10A)(10B)上の試料台を測定器によって挟み固定した。その後、試料台のクリップ(3)を外し、試料台(1)が分離独立できるようにした。
さらに、試料の撓みを取るために実体顕微鏡下において手動距離調整つまみ(16A)を引っ張り方向に操作し、試料の撓みをとり、電気配線を接続し、小型SEMに導入し、排気操作を行い、SEM観察を行った。
測定は、PC上に構築した測定プログラムを用い、引っ張り速度などを任意に指定した後、実行した。こうして得られた結果を図13に示す。また、破断後の試料のSEM像を図14に示す。
(A)(B)試料設置ブロック
(2A)(2B)(2A1)(2B1)噛み合い構造
(3)クリップ
(31)フック
(31P)中心軸
(4A)(4B)試料設置面
(6A)(6B)取付孔
(7A)(7B)仮止め孔
(71)横孔
(10)測定器
(10A)(10B)試料台取付部
(11A)(11B)試料台固定ピン
(12A)手動調整部
(13A)雌ネジブロック
(14A)反発バネ
(15A)雄ネジ軸
(16A)手動調整摘み
(17A)案内レール
(18A)(18B)反射アーム
(12B)第一積層圧電素子
(13B)(31)(41)リード線
(20)基盤
(21)ホルダー
(22)伸び量検出窓
(30)第二積層圧電素子
(40)第三積層圧電素子
(50A)(50B)
(S)試料
Claims (1)
- 引っ張り力を微小試料に掛けてその歪み特性を測定する引っ張り測定器(10)に試料(S)を取り付ける試料台(1)であって、
試料の左右を固定する左右の二個のブロック(A、B)からなり、
両ブロックの対向面には互いに接触可能な面を有し、その接触面には、相互の接触面に沿った方向での相互移動を阻止し、相互に離れる方向では分離可能な噛み合い構造(2A、2B)が設けられ、かつ、
左右の二個のブロックが、引っ張り力印加時に独立分離した構造を有し、当該噛み合い構造による噛み合い状態を解除可能に維持する仮止め構造(3、7A、7B)が設けられていると共に、
前記測定器は左右に分離された片(10A、10B)により構成されると共に、前記測定器の試料取付部に、前記ブロックがそれぞれ仮止め状態で固定可能な固定構造(11A、11B)が設けてあり、
前記ブロックには前記固定構造に対応する固定構造(6A、6B)を設けたことを特徴とする引っ張り測定器用試料台。
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