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本発明は、住宅や建築物の内装材として使用される発泡壁紙に関するものであり、とくに耐汚染性を付与した発泡壁紙に関するものである。
従来、耐汚性を持つ発泡壁紙は、発泡樹脂層とは別に耐汚染性を有する層を設けることで機能性を付与している。このような発泡壁紙は、例えば特許文献1では、基材上に発泡剤、水性エマルジョン系樹脂とその他添加剤等からなるコーティング層を形成後、耐汚染性を有する樹脂フィルムを貼着させ、発泡させることで作製される。
一方、特許文献2では、耐汚染性を有するパラフィンワックスをあらかじめ発泡樹脂層に配合しておき、発泡工程の際、ワックスのブリード現象を利用して耐汚染層を形成することができる。この技術を用いると、耐汚染層のコーティング工程を省略化し、経済性、生産性に優れた化粧材を提供することができる。
特開平7−121791号公報 特開2007−210228号公報
しかし、特許文献2のパラフィンワックスから成る表面保護皮膜は、発泡後の冷却工程において、き裂が生じ、発泡壁紙の耐汚染性が低下する恐れがある。一般に、パラフィンワックスは、融点以下の温度で結晶構造が変化することが知られており、これがき裂の生じる原因となる。そこで本発明では、耐汚染性低下を引き起こす表面保護皮膜のき裂を抑制することで、長期に渡り耐汚染性を持続できる発泡壁紙を提供することを目的としている。
請求項に記載の発明は、少なくとも基材と発泡樹脂層、表面保護皮膜から構成される発泡壁紙の製造方法において、基材上に平均炭素原子数が20〜40の範囲であるパラフィンワックス、および平均炭素原子数が40〜60の範囲であるマイクロクリスタリンワックスを含む下部発泡性樹脂組成物層を形成する工程、該下部発泡性樹脂組成物層上に上部発泡性樹脂組成物層を形成する工程、該下部発泡性樹脂組成物層および該上部発泡性樹脂組成物層を発泡させ発泡樹脂層を形成させると同時に前記パラフィンワックスおよび前記マイクロクリスタリンワックスをブリードさせ表面保護皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする発泡壁紙の製造方法である。
請求項に記載の発明は、前記パラフィンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスの比率が、パラフィンワックス/マイクロクリスタリンワックス=1重量部/3重量部〜3重量部/1重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙の製造方法である。
請求項に記載の発明は、少なくとも基材と発泡樹脂層、表面保護皮膜から構成される発泡壁紙の製造方法において、基材上に平均炭素原子数が20〜40の範囲であるパラフィンワックス、および平均炭素原子数が40〜60の範囲であるマイクロクリスタリンワックスを含む下部発泡性樹脂組成物層を形成する工程、該下部発泡性樹脂組成物層上に上部発泡性樹脂組成物層を形成する工程、該下部発泡性樹脂組成物層および該上部発泡性樹脂組成物層を発泡させ発泡樹脂層を形成させると同時に前記パラフィンワックスおよび前記マイクロクリスタリンワックスをブリードさせ表面保護皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする発泡壁紙の製造方法である。本発明の製造方法における発泡樹脂組成物層は、少なくとも2層以上の層構成から成り、ワックスを含む下部発泡樹脂組成物層上にワックスを含まない上部発泡樹脂組成物層を設けることで、ワックスによる印刷適性の低下を防ぐことができる。そのため、発泡樹脂組成物層を形成する工程と発泡する工程との間に、必要に応じて絵柄等を印刷することができる。
請求項に記載の発明は、前記パラフィンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスの比率が、パラフィンワックス/マイクロクリスタリンワックス=1重量部/3重量部〜3重量部/1重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙の製造方法である。パラフィンワックス/マイクロクリスタリンワックス=1重量部/3重量部〜3重量部/1重量部の範囲であることにより、表面保護皮膜にき裂が生じることなく、十分な耐汚染性を得ることが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における発泡壁紙は、少なくとも基材と発泡樹脂層、表面保護皮膜から構成され、発泡樹脂層が少なくとも2種以上のワックスから成る表面保護皮膜で覆われている。この表面保護皮膜は、発泡樹脂組成物層形成後に各種塗工装置を用いた塗工により形成しても良いが、例えば、基材上に2種以上のワックス、発泡剤、水性エマルジョン系樹脂、その他添加剤等を含む樹脂組成物から構成される発泡樹脂組成物層を形成した後、該発泡樹脂組成物層を発泡させる工程において、ワックスを最表面にブリードさせることで形成することもできる。
この場合、ワックスのブリードは発泡時の熱を用いて進行するので、塗工工程を必要とすることなく、耐汚染性に優れた表面保護皮膜を形成することができる。
また、本発明における発泡樹脂組成物層は、少なくとも2層以上の層構成から成り、ワックスを含む下部発泡樹脂組成物層上にワックスを含まない上部発泡樹脂組成物層を設けることで、ワックスによる印刷適性の低下を防ぐことができる。そのため、発泡樹脂組成物層を形成する工程と発泡する工程との間に、必要に応じて絵柄等を印刷することができる。
本発明におけるワックスとしては、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスが使用できる。とくに、パラフィンワックスとマイクロクリスタンワックスを組み合わせて用いると良い。また、本発明に用いるワックスは、平均炭素原子数が20〜40の範囲であるワックス1、および平均炭素原子数が40〜60の範囲であるワックス2を含み、ワックス1およびワックス2の平均炭素原子数の差が10以上40以下の範囲とする。また、ワックスの平均炭素原子数は、ガスクロマトグラフ法により得た分子量分布の重量平均値における炭素原子の数とする。
上記範囲における2種以上のワックスを用いて形成した表面保護皮膜は、発泡後の冷却工程における結晶構造変化が穏やかであるため、表面保護皮膜のき裂を抑制することができる。
例えば、パラフィンワックスを単独で使用した場合、融点以下の温度でき裂の原因となる結晶構造変化が起こる。この現象を固層−固層間の層転移といい、その温度を転移点という。一般に、固層−固層間の層転移は炭素原子数20〜40のパラフィンワックスを或る量以上含有した場合におこる。さらに、融点範囲の狭いパラフィンワックスは融点範囲の広いものと比較して明確な転移点を示し、この点を境に大きな体積変化を起こすため、き裂が生じやすくなる。き裂の原因となる転移点を消失させるには、転移点を持つワックスに転移点を持たないワックスを25%以上混合すると良い。これにより、体積変化は減少し、急激な温度変化に対する抵抗性が増す。
また、従来技術に使用されるパラフィンワックスは、炭素原子数20〜40を含み、かつ融点範囲の狭いパラフィンワックスであるため、発泡後の冷却工程においてき裂が生じてしまう。上記記載のとおり、このような問題は転移点を持たないワックスを用いることで解決できるが、転移点を持たない炭素原子数40以上のマイクロクリスタリンワックスを用いると、発泡時の温度条件では、ワックスがブリードしない。他の解決策として、転移点を持つワックスに転移点を持たないワックスを混合する方法が考えられる。転移点を持つ炭素原子数20〜40のパラフィンワックスと、転移点を持たない炭素原子数40以上のマイクロクリスタリンワックスを混合すると転移点は消失するが、加熱発泡と同時に、この混合した2種のワックスを同時にブリードさせる条件の検討が必要となる。
本発明では、2種以上のワックスを混合して用いた場合のブリード現象に関する種々の実験をおこない、平均炭素原子数、混合するワックス間の平均炭素原子数の差、さらにワックスの混合比をコントロールすることで2種以上のワックスを同時にブリードさせることを可能にした。ワックスを樹脂組成物に混合する際の重量部の比率は、ワックス1/ワックス2=1重量部/3重量部〜3重量部/1重量部の範囲とする。ワックス1/ワックス2=1重量部/3重量部以下になると、ワックスのブリード量が少なく十分な耐汚染性を得ることができない点で好ましくない。また、ワックス1/ワックス2=3重量部/1重量部以上になると、表面保護皮膜にき裂が生じやすくなる点で好ましくない。
また、ワックスの形態としては、固形状、または固形状のワックスを乳化分散したエマルジョン状があり、いずれの形態も使用できるが、水性エマルジョン系樹脂との分散安定性の点でエマルジョン状のものが良い。
また、発泡樹脂組成物に含まれるワックスの合計配合量は、下部発泡樹脂組成物を構成する(水性エマルジョン系樹脂の固形分100重量部に対して、固形分3〜15重量部の範囲とする。3質量部未満であると十分な性能を得られず、15質量部を越えると、発泡性、経時安定性、経済性の点で好ましくない。
ワックスは、樹脂組成物に配合されると、時間の経過と共に樹脂組成物内部から表面へ移動し膜状にブリードする。この現象は、樹脂組成物中におけるワックスの移動性(易動度)と溶解度に左右される。ワックスの易動度は温度上昇と共に増加し、それに従いブリード量も増える。しかし、高温領域ではワックスの溶解度が増加するためブリード量は激減する。そのため低融点・低分子量のワックスは、高融点・高分子量のワックスと比較して、明らかにワックスがブリードする温度範囲が低温部に存在する。
しかし、平均炭素原子数がある程度離れた2種以上のワックスを含む樹脂組成物を加熱発泡した場合、ワックスのブリードは、各ワックスを単独で含んだ場合の温度領域とは異なる温度領域で生じる。例えば、平均炭素原子数の小さいワックスがブリードする温度領域は高温側に移動し、平均炭素原子数の大きいワックスがブリードする温度領域は低温側に移動する。これは、低温領域でのブリードを平均炭素原子数の大きいワックスが抑制し、逆に高温領域でのブリードを平均炭素原子数の小さなワックスが促進する働きを持つためであると考えられる。
本発明では、異なる平均炭素原子数を持つワックスを混合して用いることで、本来ならば、異なる温度領域でブリードするワックスを、同じ温度領域でブリードさせることを可能にした。また、このようにして形成した表面保護皮膜は、主に2種以上のワックスから構成されるため、主にワックス1種から構成される表面保護皮膜と比べ、冷却時にき裂が生じにくく、長期に渡り耐汚染性を持続することができる。
本発明の発泡壁紙の一例について図を用いて説明する。
図1(a)に発泡形成前の層構成について示す。基材10上に、2種以上のワックスを含む下部発泡樹脂組成物層21、ワックスを含まない上部発泡樹脂組成物層22から成る発泡樹脂組成物層23が設けられている。また、下部発泡樹脂組成物層21は、必要に応じて2層以上の多層構成でも良い。発泡樹脂組成物層23の表面は必要に応じて、絵柄模様30の印刷が施されても良い。
図1(b)に発泡形成後の層構成について示す。発泡形成後は下部発泡樹脂組成物層21の中に含有されていた2種以上のワックスが、発泡樹脂層20の最表面にブリードして表面保護皮膜40を形成する。また、発泡樹脂層20の表面には必要に応じて、エンボスによる凹凸模様(図示せず)が施されても良い。
基材10は、透湿性および可撓性のあるシート状のものなら良く、材質は限定されない。例えば、紙、織布、不織布等が挙げられるが、とくになければ、壁紙用裏打紙を使用すると良い。
また、本発明の発泡壁紙における発泡樹脂組成物は、上記ワックスの他に水性エマルジョン系樹脂、発泡剤、充填剤、その他添加剤等から構成される。添加剤としては、分散剤、消泡剤、ブロッキング防止剤、増粘剤等を必要に応じ加えることができる。また、層により樹脂組成物の配合を変更しても良い。
水性エマルジョン系樹脂としては、熱可塑性合成樹脂であれば限定せずに使用することができる。具体的には、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体、アクリル系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合体等があり、2種以上の共重合体又は混合物を有効成分として含有していても良い。中でも、エチレン−ビニルエステル共重合体、アクリル系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリウレタン系樹脂を使用することが好ましく、また、エチレン−ビニルエステル共重合体とアクリル系樹脂との共重合体を使用するとさらに良い。
発泡剤としては、無機系発泡剤、有機系発泡剤、マイクロカプセル発泡剤を単独または組み合わせて使用することができるが、とくに、発泡効果の高いマイクロカプセル発泡剤を用いると良い。
充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウム等といった様々なものが挙げられるが、中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを使用すると良い。
次に、本発明の発泡壁紙製造方法の一例について説明する。
まず、下部発泡樹脂組成物層21を構成する発泡樹脂組成物を配合する。このとき、発泡樹脂組成物に含まれる水性エマルジョン系樹脂100重量部に対して、該発泡樹脂組成物に、2種以上のワックスの合計部数が3〜15重量部の割合になるように含有させることが望ましい。
次に、上部発泡樹脂組成物層22を構成する発泡樹脂組成物を配合する。このとき、後の工程で印刷を行うのであれば上部発泡樹脂組成物層22にはワックスは含有しない。
次に、配合した発泡樹脂組成物を基材10に塗工し、発泡樹脂組成物層23を形成する。樹脂組成物の塗工方法としては、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法等の塗工方法が挙げられる。
発泡樹脂組成物層23を構成する各層は、下層から上層へ向かって1層ずつ順次塗工形成しても良いし、多層塗工装置を用いて全層を同時に塗工形成しても良い。前者の場合には、より下側の層を乾燥固化した後により上側の層を塗工形成しても良いが、より下側の層を乾燥させずに湿潤状態においてより上側の層を塗工形成すると、各層間が相溶して層間密着性に優れる。
発泡樹脂層20を構成する各層の厚さは特に限定されず、目的とする用途や要求特性に応じて適宜決定すれば良い。例えば、図1(a)に示した2層構成の発泡樹脂組成物層23においては、上部発泡樹脂層22を下部発泡樹脂組成物層21よりも低発泡および低充填とし、下部発泡樹脂組成物層21の乾燥後の塗布量は50〜300g/m、さらに好ましくは100〜250g/m程度、上部発泡樹脂組成物層22の乾燥後の塗布量は20〜120g/m、更に好ましくは30〜100g/m程度とすることが好ましい。
次に、基材10に塗工した発泡樹脂組成物層23の乾燥を行う。発泡剤を含む樹脂組成物の塗布後の乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥法、赤外線照射乾燥法、真空乾燥法等の、従来公知の各種乾燥方法を単独又は2種以上を組み合わせた方法を用いることができる。
乾燥温度は、発泡剤を含む樹脂組成物の発泡開始温度を越えない範囲であることが必要である。特に、発泡剤を含む樹脂組成物が水性エマルジョン系樹脂を主成分とする場合には、水の沸点を越えない90〜95℃の範囲が最も好ましい。
次に、必要に応じて発泡樹脂組成物層23上に絵柄模様30を印刷する。発泡樹脂組成物層23の表面に水性インキを使用して、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等にて適宜の絵柄模様30を印刷形成してもよい。
次に、発泡樹脂組成物層23を加熱発泡させ発泡樹脂層20を形成すると同時に、表面保護皮膜40を形成し本発明の発泡壁紙を得る。
また、発泡時の加熱方法としては、上記記載の乾燥方法と同様に、熱風加熱法または赤外線加熱法等の単独もしくは併用して用いられる。加熱温度や加熱時間は、発泡剤を含む樹脂組成物の主成分である熱可塑性樹脂の溶融粘度特性と、発泡性樹脂組成物に添加された発泡剤の発泡温度特性とによって決定される。水性エマルジョン系樹脂に熱膨張型マイクロカプセル発泡剤を添加した場合の一般的な条件は、加熱温度140〜200℃、加熱時間20〜80秒程度である。この発泡工程を経ることにより、発泡樹脂組成物層23は発泡して発泡樹脂層20となる。
発泡工程の際、下部発泡樹脂組成物層21の樹脂組成物に含まれる2種以上のワックスが最表面にブリードし、発泡成形と同時に表面保護皮膜40の形成をおこなうことができる。
また、発泡樹脂層20の表面に凹凸模様(図示せず)を形成してもよい。形成法としては、加熱発泡後、発泡した発泡樹脂層20の表面にエンボス版を押圧するメカニカルエンボス法が挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
一般紙基材上に、下記表1に示す樹脂組成物1を140g/mで塗工し、さらにその上に、下記表2に示す樹脂組成物2を50g/mで塗工した後、乾燥炉にて、80℃、3分間加熱乾燥した。
次に、樹脂層表面に水性インキを用いてグラビア印刷にて絵柄模様を印刷した。最後に、発泡炉にて、180℃で40秒間加熱し、樹脂層を発泡後、メカニカルエンボス加工をおこない、発泡壁紙を得た。
樹脂組成物1に含まれるワックス1は平均炭素原子数が31のパラフィンワックス(日本精鑞株式会社製)、ワックス2は平均炭素原子数が55のマイクロクリスタンワックス(日本精鑞株式会社製)である。
<比較例1>
表1および表2に基づき、実施例と同様の操作にて発泡壁紙を得た。ただし、樹脂組成物1はワックスを含まない配合である。
<比較例2>
表1および表2に基づき、実施例と同様の操作にて発泡壁紙を得た。ただし、樹脂組成物1に含まれるワックス3は平均炭素原子数が38のパラフィンワックス(日本精鑞株式会社製)を用いた。
(評価)
実施例および比較例より得られた発泡壁紙について、作製直後、および作製から3ヶ月後の耐汚染性を評価した。評価結果を表3に示す。
耐汚染性の評価には、ビニル工業会規定の試験方法を用いた。評価方法としては、コーヒー、クレヨン、醤油、水性ペンを用いて発泡壁紙表面を汚染し、24時間経過した後に、コーヒーと醤油は水で拭き取り、また、水性ペンとクレヨンは中性洗剤および水で拭き取り、下記に示す基準で目視評価をおこなった。
1級:汚れが濃く残る、2級:かなり汚れが残る、3級:やや汚れが残る、4級:ほとんど汚れが残らない、5級:汚れが残らない
表3から、作製直後の評価では、実施例および比較例2は、優れた耐汚染性を示した。一方、ワックスを含まない比較例2は、耐汚染性が不十分であった。また、作製から3ヵ月後の評価では、実施例で得た発泡壁紙が、耐汚染性を保持していたのに対し、比較例2で得た発泡壁紙では、直後と比較して、劣る結果となった。
比較例2より得られた発泡壁紙は、主にパラフィンワックス単独から成る表面保護皮膜を有しているため、発泡後の冷却工程において、き裂が生じる。このき裂は、作製直後においては、耐汚染性に影響を及ぼさない程度のごく微小なき裂であると考えられる。しかし、時間の経過と共に、き裂は拡大し、耐汚染性の低下がみられた。
それに対し、本発明の2種以上のワックスから成る表面保護皮膜は、発泡後の冷却工程におけるき裂もなく、優れた耐汚染性を持続した。
本発明における発泡壁紙の一実施形態を示す模式断面図であり、(a)発泡形成前の構成であり、(b)発泡形成後の構成である。
符号の説明
10 基材
20 発泡樹脂層
21 下部発泡樹脂組成物層
22 上部発泡樹脂組成物層
23 発泡樹脂組成物層
30 絵柄模様
40 表面保護皮膜

Claims (2)

  1. 少なくとも基材と発泡樹脂層、表面保護皮膜から構成される発泡壁紙の製造方法において、基材上に平均炭素原子数が20〜40の範囲であるパラフィンワックス、および平均炭素原子数が40〜60の範囲であるマイクロクリスタリンワックスを含む下部発泡性樹脂組成物層を形成する工程、該下部発泡性樹脂組成物層上に上部発泡性樹脂組成物層を形成する工程、該下部発泡性樹脂組成物層および該上部発泡性樹脂組成物層を発泡させ発泡樹脂層を形成させると同時に前記パラフィンワックスおよび前記マイクロクリスタリンワックスをブリードさせ表面保護皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする発泡壁紙の製造方法。
  2. 前記パラフィンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスの比率が、パラフィンワックス/マイクロクリスタリンワックス=1重量部/3重量部〜3重量部/1重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙の製造方法。
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