JP5121293B2 - ジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法 - Google Patents

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本発明は、地中構造物をジオテキスタイルを用いて地中に埋設するジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法に関するものである。
一般に、地中に埋設されるパイプラインや水路、マンホールなどの地中構造物を地盤の浅い位置に設置する場合、地中構造物に作用する浮力に抵抗するための対策としてジオテキスタイルを用いた地盤補強技術や施工方法が知られている。地盤に埋設される構造物は、地下水や豪雨による浮力を受けるので、浮上に対する安全性を確保するため所定の土被りを設ける必要がある。このため、埋設施工に必要な溝の掘削も大規模になり、工期の長期化や経費の増大の原因となっている。地中構造物の浮上を防止するためには、地中構造物に対し、浮力に見合った鉛直下向きの力を作用させる必要がある。方法としては、土被りを大きくする他に、構造物の重量の増大化をはかったり、構造物上部にコンクリートブロックなどの浮力防止パネルを設置する等の技術が知られている。しかしながら、土被りを大きくするためには、掘削溝の深度を深く取らなければならず、構造物重量の増大化をはかったり浮上抵抗に応じて大量のパネルを設置すると、コストアップを招くという問題がある。このため、本発明者は、掘削溝の両側壁に矢板を打ち込み、この両側を土留め用の矢板で保護した上で、掘削溝に地中構造物を配置し、ジオテキスタイルを敷設して埋め戻し材を投入し、埋め戻し材を包み込んだジオテキスタイルにより地中構造物の浮上抵抗力を抑制する地中構造物の埋設工法を提案した(特許文献1参照)。
特許第3314191号公報(第3−5頁、図3)
しかしながら、地中構造物の埋設では、必ずしも埋設するための溝を掘削できる条件を整えた場所ばかりとはいえず、現実には、農地すなわち地盤の上に盛り土をして堤体や造成地を築造したり、傾斜面に排水管などの地中構造物を設置しなければならない場合がある。また、地形の凹凸などの制約により、埋設経路に溝の掘削が必要な部分と溝の掘削が不要な地盤部分とが混在する場合もある。このため、上記従来の埋設工法が適用しにくいという問題がある。さらに、地震などで、生活環境がダメージを受けた場合、応急的に給排水用のパイプを敷設する場合、地盤を掘削する手間はかけられず、勢い地盤上に設置しなければならない。このため、地盤上に形成した堤体や造成地などの土質構造体では、その内部にパイプなどの地中構造物を埋設した場合、降雨による土中水位の上昇で浮力による地中構造物の浮き上がりや外的条件による震動を考慮し、地中構造物の変形抑制と安定性向上のため、土質構造体に対し、地中深く埋設しなければならないという問題がある。このため、土質構造体の嵩が小さい場合、浮力に見合った鉛直方向下向きの力を作用させるため、地盤を掘削しなければならず、コストアップを招くという問題がある。また、地中構造物が大型化するとその浮力に応じて堤体や造成地の構造を大型化させなければならないという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、埋設用の掘削溝を掘削する必要がなく、地盤上に盛り土をした土質構造体に埋設される地中構造物の浮上抵抗力を増大させ、施工性が良好で、かつ、コストダウンを図ることのできるジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法を得ることを目的とする。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、地盤上に地中構造物を配置する第1の工程と、地中構造物の長手方向左右両側のうち少なくともいずれか一方に抜き板を立設する第2の工程と、ジオテキスタイルの左右方向両端を余らせるように地中構造物と地盤と抜き板の内側面とに沿ってジオテキスタイルを被せる第3の工程と、盛り土材を抜き板の左右方向両側に投入し、ジオテキスタイル両端余り部を盛り土材の投入に応じて伸ばし、抜き板を上方に引き上げる第4の工程と、抜き板を引き抜く第5の工程と、ジオテキスタイルの両端を埋め込むように盛り土材を投入し、土質構造体を形成する第6の工程とを備えたものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、地盤上に地中構造物を配置する第1の工程と、地中構造物の長手方向左右両側のうち少なくともいずれか一方に抜き板を立設する第2の工程と、ジオテキスタイルの左右方向両端を余らせるように地中構造物と地盤と抜き板の内側面とに沿ってジオテキスタイルを被せる第3の工程と、盛り土材を抜き板の左右方向両側に投入し、ジオテキスタイル両端余り部を盛り土材の投入に応じて伸ばし、抜き板を上方に引き上げる第4の工程と、抜き板を引き抜く第5の工程と、ジオテキスタイルの両端を埋め込むように盛り土材を投入し、土質構造体を形成する第6の工程とを備えたことにより、ジオテキスタイルで盛り土材を囲むことにより盛り土材の剛性が高まり、盛り土材が地中構造物に対してアンカー機能を果たすので、ジオテキスタイル上側に投入される土被りとしての盛り土材層の厚みを薄くすることができる。このため、土質構造体に地中構造物を浅く埋設しても確実に地中構造物の浮上を抑制することができる。また、抜き板を引き上げながら盛り土材を投入することができるので、確実にジオテキスタイルにより盛り土材を囲むことができる。さらに、埋設されたジオテキスタイルの左右方向側面には抜き板が配置され、盛り土材の投入量の増大に応じて抜き板が引き抜かれるので、ジオテキスタイルの左右方向側面が変形されることなく平面状に保持され、ジオテキスタイルに囲まれた盛り土材の剛性が確実に確保され、設計通りのアンカー機能を得ることができる。また、抜き板を引き抜いて盛り土するようにしているので、盛り土された土質構造体には、抜き板や他の部材を埋め殺しする必要がなくなる。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、第1の工程後、地中構造物の一部を盛り土材上に露出させるように地中構造物が配置された地盤に盛り土材を投入して、抜き板を立設するようにしたものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、第1の工程後、地中構造物の一部を盛り土材上に露出させるように地中構造物が配置された地盤に盛り土材を投入して、抜き板を立設するようにしたことにより、地中構造物は配置後最初に盛り土材が投入され、一部が盛り土材に埋められるので、作業中に変位することがなく、確実に施工を行うことができる。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、地中構造物の配置後、盛り土材を投入しては、抜き板を徐々に引き上げ、盛り土材の投入と抜き板の引き上げとを繰り返すことを特徴とするものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、抜き板を立設する際、盛り土材が所定の嵩を確保するように地中構造物と抜き板との間に間隙を設けたことを特徴とするものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、抜き板は、地中構造物の長手方向左右両側に設けられることを特徴とするものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、ジオテキスタイルを被せ、このジオテキスタイルの左右方向両端を余らせて盛り土材を投入した後、盛り土材が所定の高さに達すると、上記ジオテキスタイルの余り部を投入された盛り土材上に被せて接続し盛り土材を包むようにしたものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイルを被せ、このジオテキスタイルの左右方向両端を余らせて盛り土材を投入した後、盛り土材が所定の高さに達すると、上記ジオテキスタイルの余り部を投入された盛り土材上に被せて接続し盛り土材を包むようにしたことにより、ジオテキスタイルで盛り土材を包み込むことにより盛り土材の剛性がより高まり、盛り土が地中構造物に対して果たすアンカー機能が向上する。このため、包み込む盛り土の量を少なくすることができ、ジオテキスタイルも減らすことができる。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、第1の工程前に、地盤上に地盤材料を投入して支持地盤を形成し、この支持地盤上に地中構造物を配置したことを特徴とするものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、第1の工程前に、地盤上に地盤材料を投入して支持地盤を形成し、この支持地盤上に地中構造物を配置したことにより、地中構造物の変形を抑制することができ、安定性が向上する。また、ジオテキスタイルで囲まれた盛り土も変形しにくくなる。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、土質構造体が堤体または造成地であることを特徴とするものである。
請求項に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、地盤上に地中構造物を配置する第1の工程と、地中構造物の長手方向左右両側のうち少なくともいずれか一方に抜き板を立設する第2の工程と、ジオテキスタイルの左右方向両端を余らせるように地中構造物と地盤と抜き板の内側面とに沿ってジオテキスタイルを被せる第3の工程と、盛り土材を抜き板の左右方向両側に投入し、ジオテキスタイル両端余り部を盛り土材の投入に応じて伸ばし、抜き板を上方に引き上げる第4の工程と、抜き板を引き抜く第5の工程と、ジオテキスタイルの両端を埋め込むように盛り土材を投入し、土質構造体を形成する第6の工程とを備えているので、地中構造物を埋設するにあたり、溝を掘削する必要がなく、地盤に直接地中構造物を配置することができる、工期が短縮化され、コストダウンを図ることができる。地中構造物への盛り土の投入とこの地中構造物の長手方向左右両側への盛り土の投入とを同時に行うことができるので、地中構造物の変形を抑制することができ、地中構造物を安全に埋設することができる。浮上抵抗を確実に得ることができるので、地中構造物を浅い位置に埋設することができ、すでに築造された土質構造体上あるいは、築造途中の土質構造体にも埋設することができる。確実に浮上抵抗を得られることにより、盛り土により築造される土質構造体の増大化を抑え、施工効率を向上させることができるとともに、施工コストを低減することができる。また、ジオテキスタイルで囲む盛り土材の嵩を浮上抵抗に応じて必要最小限とすることができるので、ジオテキスタイルの使用量を抑え、コストダウンを図ることができる。さらに、抜き板を引き抜いて盛り土するようにしているので、盛り土された土質構造体には、抜き板や他の部材を埋め殺しする必要がなくなりコストダウンを図ることができる。
地中構造物を、地盤上に盛り土により築造される土質構造体に埋設する際、確実に地中構造物の浮上抵抗を抑えるという目的を、地盤に配置した地中構造物の長手方向に対して左右方向の両側に支持壁材または抜き板を配置してジオテキスタイルを敷設し、盛り土材を投入し、投入された盛り土材が所定の高さに達するまで支持壁材を積み上げるか、抜き板を徐々に引き上げた後引き抜き、地中構造物の回りを、ジオテキスタイルで包まれた盛り土材により囲むことにより実現した。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設した状態を示す断面図、図2の(A)ないし(E)、図3の(F)ないし(I)および図4の(J)および(K)はそれぞれ、この実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設する工程を順を追って示す説明図である。本実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法について説明する。まず初めに、埋設予定現場の地盤4に砂や砕石などの支持力の高い地盤材料を投入して所定の厚さの支持地盤Cを形成する(図2の(A)、(B)参照)。
次に、図2の(C)に示すように、形成された支持地盤C上にパイプライン(地中構造物)2を配置する(第1の工程)。パイプライン2が支持地盤C上に配置されると、パイプライン2の長手方向に対して左右両側に土嚢(支持壁材)3を配置する(第2の工程)。これら土嚢3とパイプライン2との間には、所定の間隙S1が設けられるようになっており、この間隙S1とパイプライン2上方とに投入される後述する盛り土材が浮上抵抗力を確保するのに必要な嵩(容量)を得られるようになっている。
次に、図2の(D)に示すように、ジオテキスタイル10の幅方向両端、すなわち、パイプライン2の長手方向に対して左右方向両端10B、10Cを余らせるようにパイプライン2と支持地盤Cと土嚢3の内側面とに沿ってジオテキスタイル10を被せる(第3の工程)。ジオテキスタイル10は、いくつかの長片からなり、非透水性のシート材等、あるいは透水性の編物、麻布等で構成される。本実施例では、麻布を用いている。ジオテキスタイル10は、中央部10Aがパイプライン2の管頂部を覆うようにして被せられ、そのまま管底部側に向かって降ろされ、さらに、支持地盤C上面を通り、続いて土嚢3の内側面に沿って立ち上げられ、巻き回された両端の余り部10B、10Cが土嚢3の上面に載せられるか、上方で図示しない保持手段により保持されるようになっている。このように、ジオテキスタイル10は、パイプライン2の露出部をほぼ覆い、パイプライン2と土嚢3との間の支持地盤C上面に敷かれるとともに、土嚢3のパイプライン2側に向く面に沿って立ち上げられ、両端余り部10B、10Cは、上方で保持されるようになっている。
次に、図2の(E)に示すように、パイプライン2と土嚢3との間の、支持地盤C上面に敷かれたジオテキスタイル10上と、土嚢3外側の支持地盤C上に、盛り土材5を投入する。盛り土材5は、土嚢3の上面に達するまで投入される(第4の工程)。このとき、ジオテキスタイル10の両端余り部10B、10Cは盛り土材5に埋もれることがないよう上方で保持されるようになっている。盛り土材5は外部から搬入した掘削土でもよいし、改良土でもよい。盛り土材5は、ジオテキスタイル10により包み込まれた際、アンカー機能を果たす剛性を発揮する材料であれば良く、土砂だけでなく、砂、礫、砂利あるいはこれらの混合材であってもよい。
次に、図3の(F)に示すように、盛り土材5に左右方向両側が埋められた各土嚢3A、3Aの上に別の土嚢3B、3Bを積み上げ、ジオテキスタイルの両端余り部10B、10Cを積み上げられた土嚢3B、3B上で保持する。そして、図3の(G)に示すように、再び、パイプライン2と積み重ねられた土嚢3B、3Bとの間の、向き合うジオテキスタイル10間と、積み重ねられた土嚢3B、3Bの外側とに、盛り土材5を新たに積み上げられた各土嚢3B、3Bの上面に達するまで投入する。このようにして、土嚢3A、3B・・・3Nの積み重ねと、盛り土材5の投入を繰り返し、図3の(H)に示すように、土嚢3A、3B・・・3Nの積み重ねと盛り土材5の投入を、盛り土材5がパイプライン2のアンカー機能を発揮する高さL1に達するまで行う。本実施例では、土嚢を5個積み上げ、高さL1はパイプライン2の上方に達している。こうして、ジオテキスタイル10の左右方向外側には、土嚢3A、3B・・・3Nの積み重ねにより支持壁3A−3Nが形成される。次に、図3の(I)に示すように、ジオテキスタイル10の両端余り部10B、10Cを回し開いて伸ばした後、両者10B、10Cを接続し、ジオテキスタイル10で囲まれた盛り土材5を包み込む。このジオテキスタイル10の接続により、盛り土材5はアンカー機能を果たすことになる。また、ジオテキスタイル10は、土嚢3A、3B・・・3Nが積み上げられるごとに、土嚢3A、3B・・・3Nの内側面に沿って余り部10B、10Cが上方に引き上げられるので、パイプライン10の長手方向に沿った面が崩れることなく、確実に保持される。なお、土嚢3A、3B・・・3Nの積み重ねと、盛り土材5の投入は、土嚢を1つ積み重ねるごとに行ってもよいし、複数の土嚢を積み重ねて、複数の土嚢分の高さに盛り土材5を投入してもよい。
次に、図4の(J)に示すように、ジオテキスタイル10の上面に達する位置まで土嚢3N、3Nの積み上げが完了し、これら土嚢3N、3Nと両端が接続されたジオテキスタイル10との上に、盛り土材5が投入されて、ジオテキスタイル10の接続された両端10B、10Cは盛り土に埋め込まれ、図4の(K)に示すように、土質構造体6が所定の設計高さLGで築造される(第5の工程)。
上記実施例では、ジオテキスタイルを麻布で構成しているがこれに限られるものではなく、この工法に用いられるジオテキスタイルは、織布、不織布および編物、あるいはジオグリッド、ジオネットおよびメンブレンなどジオテキスタイル関連製品を含むものと定義される。例えば、種類として、ジオウォーブン(織物、織布、geowoven, woven geotextile)、ジオノンウォーブン(不織布、geononwoven, nonwoven geotextile)、ジオニット(緬物、geoknitted, knitted geotextile)、ジオグリッド(geogrid)、ジオネット(geonet)、ジオテキスタイル関連製品(geotextile-related product)、ジオコンポジット(複合製品、geocomposite)等がある。ジオウォーブンとは、縦糸と横糸を用いて織った織物で、土木などの用途に使用される製品である。ジオノンウォーブンとは、規則的または不規則的に配列した繊維を製織せずに機械的、化学的または熱的方法によって結合した不織布で、土木などの用途に使用される製品である。繊維の長さにより長い繊維と短繊維のものに大別できる。ジオユニットとは、連続した糸、繊維などによって緬目で構成した編物で、土木などの用途に使用される製品である。ジオグリッドとは、引張抵抗性のある構成要素が連結した規則的な格子構造からなるシート状のもので、主に高分子材料からなる製品である。ジオネットとは、開国部が構成要素の占める面積より大きい網目構造を持つシート状のもので、土木などの用途に使用される高分子材料の製品である。交点部は結節あるいは一体となっており、一般のジオウォーブン、ジオニットとは区別されている。ジオテキスタイル関連製品とは、狭義のジオテキスタイル、ジオグリッドおよびジオネット以外で、シート状または帯状の高分子材料からなる土木用途に使用される製品である。ジオコンポジットとは、狭義のジオテキスタイル、ジオグリッド、ジオネットなどを任意に組み合わせて一体とした複合製品である。単一製品の長所をお互い組み合わせて必要な機能を発揮させるため複合されている。
次に、上記第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法の作用について説明する。まず、地盤4上に地盤材料を投入して支持地盤Cを形成する。次に、第1の工程で、この支持地盤C上にパイプライン2を配置し(図2の(C)参照)、この第1の工程後、第2の工程で、パイプライン2の長手方向左右両側に土嚢3A、3Aを配置する(図2の(C)参照)。これら土嚢3A、3Aとパイプライン2との間には、盛り土材5が浮上抵抗力を確保するのに必要な嵩を得られるように、所定の間隙S1が設けられる。次に、第2の工程後、第3の工程で、ジオテキスタイル10の左右方向両端10B、10Cを余らせるようにしてパイプライン2と支持地盤Cと土嚢3の内側面とに沿ってジオテキスタイル10を被せ(図2の(D)参照)、この第3の工程後、第4の工程で、パイプライン2と土嚢3との間の、支持地盤C上面に敷かれたジオテキスタイル10上と、土嚢3A、3A外側の支持地盤C上に、盛り土材5を土嚢3Aの上面に達するまで投入し、上面に達すると、各土嚢3A、3Aの上に別の土嚢3B、3Bを積み上げ、ジオテキスタイル10の両端余り部10B、10Cが盛り土材5に埋もれることがないよう再び盛り土材5を投入し、土嚢3C・・・3Nの積み上げと盛り土材5の投入を繰り返し、盛り土材5がパイプライン2のアンカー機能を発揮する高さL1に達するまで行う(図3の(H)参照)。この第4の工程後、第5の工程で、ジオテキスタイル10の両端余り部10B、10Cを接続してジオテキスタイル10で囲まれた盛り土材5を包み込み、その上に盛り土材5をさらに投入してジオテキスタイル10を埋め込み、所定の設計高さLGに達すると、土質構造体6の築造が完了する(図4の(K)参照)。
このように、第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイル10で盛り土材5を包み込むことにより盛り土材5の剛性が高まり、盛り土材5がパイプライン10に対してアンカー機能を果たすので、ジオテキスタイル10上側に投入される土被りとしての盛り土材5層の厚み(厚み=LG−L1)を薄くすることができる。このため、地盤からの設計高さLGを高くとれない土質構造体6でも確実にパイプライン10等の地中構造物の浮上を抑制することができる。また、埋設されたジオテキスタイル10の左右方向両側面には、積み重ねられた支持壁材3A−3Nが支持壁としての機能を果たすべく配置されているので、ジオテキスタイル10の左右方向側面が変形されることなく保持され、ジオテキスタイル10に包まれた盛り土材5の剛性が確実に確保され、設計通りのアンカー機能を得ることができる。ジオテキスタイル10に包み込まれる盛り土材5は砂より砕石が好ましく、より浮上抵抗力を増大させる。さらに、盛り土材5にソイルセメントや流動化処理土を用いると、ジオテキスタイル10と一体化しより浮上抵抗力を増大させる。
次に、本発明の第2の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法について説明する。図5は、上記第2の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設した状態を示す断面図である。この第2の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、上記第1の実施例が、パイプライン2を配置する前に、地盤4に砂や砕石などの支持力の高い地盤材料を投入して支持地盤Cを形成するようにしているのに対し、地盤4上に直接、パイプライン2を配置するようにした点を除き、上記第1の実施例とほぼ同一の構成を備えている。第2の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、係る構成とすることにより、地盤4が強固な場合、支持地盤を形成しなくても地中構造物が確実に支持され変形等の虞がないので、コストダウンを図ることができる。
次に、本発明の第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法について説明する。図6は、上記第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設した状態を示す断面図、図7の(A)ないし(D)、図8の(E)ないし(H)および図9の(I)および(J)はそれぞれ、この第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設する工程を順を追って示す説明図である。この第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、上記第1および第2の実施例が、ジオテキスタイル10に包み込まれる盛り土材5をアンカー機能を果たす高さL1まで投入する際、土嚢3の積み重ねと盛り土材5の投入とを繰り返すようにしているのに対し、土嚢3に代えて抜き板9を用いる点が異なる他はほぼ同じ構成を有している。すなわち、まず初めに、埋設予定現場の地盤4に砂や砕石などの支持力の高い地盤材料を投入して所定の厚さの支持地盤Cを形成する(図7の(A)参照)。
次に、図7の(B)に示すように、支持地盤C上にパイプライン2を配置する(第1の工程)。パイプライン2が支持地盤C上に配置されると、パイプライン2の長手方向左右両側に抜き板9を立設する(第2の工程)。抜き板9は長方形状に形成された一枚板でパイプライン2に沿って支持地盤C上に引き抜き可能に立てられる。これら抜き板9とパイプライン2との間には、上記第1の実施例と同様に、所定の間隙S1が設けられる。この間隙S1には盛り土材5が投入され、パイプライン2に対する浮上抵抗力を確保するようになっている。
次に、図7の(C)に示すように、ジオテキスタイル10の幅方向両端、すなわち、パイプライン2の長手方向に対して左右両端10B、10Cを余らせるようにパイプライン2と支持地盤Cと抜き板9の内側面とに沿ってジオテキスタイル10を被せる(第3の工程)。ジオテキスタイル10は、中央部10Aがパイプライン2の管頂部を覆うようにして被せられ、そのまま管底部側に向かって降ろされ、さらに、支持地盤C上面を通り、続いて抜き板9の内側面に沿って立ち上げられ、巻き回された両端の余り部10B、10Cが上方で図示しない保持手段により保持されるようになっている。このように、ジオテキスタイル10は、パイプライン2の露出部をほぼ覆い、パイプライン2と抜き板9との間の支持地盤C上面に敷かれるとともに、抜き板9のパイプライン2側に向く面に沿って立ち上げられ、両端余り部10B、10Cは、上方で保持されるようになっている。
次に、図7の(D)に示すように、パイプライン2と抜き板9との間の、支持地盤C上面に敷かれたジオテキスタイル10上と抜き板9の外側とに、盛り土材5を投入する。盛り土材5は、抜き板9の上部が露出する位置まで投入される。次に、図8の(E)に示すように、抜き板9の一方をL2分の高さ引き上げ、立ったまま下部が盛り土材5に埋まった状態となるようにする。次に、他方の抜き板9も同様にL2分引き上げ、立った状態に保持する。抜き板9の引き抜きは、抜き板9の引き抜き抵抗に応じてマンパワーで行ってもよいし器具を用いて行ってもよい。両方の抜き板9、9が引き上げられると(図8の(F)参照)、再び、盛り土材5を投入する。盛り土材5は、抜き板9の上部が露出する位置まで投入される(図8の(G)参照)。こうして、抜き板9、9の引き上げと、盛り土材5の投入を繰り返し、図8の(H)に示すように、盛り土材5がパイプライン2のアンカー機能を発揮する高さL1に達するまで行われる(第4の工程)。そして、盛り土材5が高さL1に達すると、図9の(I)に示すように、ジオテキスタイル10の左右方向両面に接した抜き板9を上方に引き抜く(第5の工程)。抜き板9を引き抜いた後、ジオテキスタイル10の両端余り部10B、10Cを回し開いて接続し、ジオテキスタイル10で囲まれた盛り土材5を包み込む。
次に、抜き板9が引き抜かれ、両端が接続されたジオテキスタイル10の上に、盛り土材5が投入されて、ジオテキスタイル10の接続された両端10B、10Cは盛り土に埋め込まれ、図9の(J)に示すように、土質構造体6が所定の設計高さLGで築造される(第6の工程)。
次に、上記第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法の作用について説明する。第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、支持地盤Cを形成した後、第1の工程で支持地盤C上にパイプライン2を配置する。第1の工程後、第2の工程で、パイプライン2の長手方向左右両側に所定の間隙S1を設けて抜き板9を立設する。この第2の工程後、第3の工程で、パイプライン2と支持地盤Cと抜き板9の内側面とに沿ってジオテキスタイル10を被せ、このジオテキスタイル10の両端を余らせる。第3の工程後、第4の工程で、ジオテキスタイル10の両端10B、10Cを上方に保持して、盛り土材5を投入して抜き板9を上方に引き上げる。投入された盛り土材5が所定の高さL1に達すると、第5の工程で、抜き板9を引き抜き、第6の工程で、両端が接続されたジオテキスタイル10の上とその外側に盛り土材5が投入されて、ジオテキスタイル10の接続された両端10B、10Cは盛り土に埋め込まれ、盛り土材5が所定の設計高さLGに達すると、土質構造体6の築造が完了する。
このため、第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイル10で盛り土材5を包み込むことにより盛り土材5の剛性が高まり、盛り土材5が地中構造物としてのパイプライン2に対してアンカー機能を果たすので、ジオテキスタイル10の上側に投入される土被りとしての盛り土材層の厚みを薄くすることができる。従って、地盤からの設計高さLGを高くとれない土質構造体6でも確実にパイプライン10等の地中構造物の浮上を抑制することができる。また、抜き板9を引き上げながら盛り土材5を投入することができるので、左右方向の幅の短い堤体でも確実にジオテキスタイル10により盛り土材5を包み込むことができる。さらに、埋設されたジオテキスタイル10の左右方向側面には抜き板9が配置され、盛り土材5の投入量の増大に応じて抜き板9が引き抜かれるので、ジオテキスタイル10の溝幅方向側面が変形されることなく平面状に保持され、ジオテキスタイル10に包まれた盛り土材5の剛性が確実に確保され、設計通りのアンカー機能を得ることができる。また、抜き板9を引き抜いて盛り土するようにしているので、盛り土された土質構造体6には、抜き板9や土嚢3など他の部材を埋め殺しする必要がなくなる。
図10および図11の(A)ないし(F)は、上記第3の実施例の変形例を示すもので、上記第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、支持地盤Cに1本のパイプライン2を配置しているのに対し、支持地盤C上に複数のパイプライン2A、2Bを所定の間隙を隔てて横に並べて配置し、盛り土材5Aを所定の高さL3(この変形例の場合、パイプライン2A、2Bのほぼ半分の高さ)まで投入して抜き板9を用いる点が異なる他はほぼ同じ構成を備えている。
次に、本発明の第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法について説明する。図12の(A)ないし(E)は、第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設する工程を順を追って示す説明図である。この第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、上記第1ないし第3の実施例および変形例が、パイプライン2の左右方向両側に、土嚢3や抜き板9を配して、ジオテキスタイル10に盛り土材5を包み込むようにしているのに対し、土嚢3や抜き板9等の介在物を介在させず、盛り土材5を包み込むようにした点が異なる他はほぼ同じ構成を有している。
すなわち、まず初めに、支持地盤Cを形成した後、支持地盤C上に複数のパイプライン2A、2Bを所定の間隙を隔てて配置し(第1の工程)、次に、盛り土材5Aを所定の高さL4(この実施例の場合、パイプライン2A、2Bのほぼ半分の高さ)まで投入し、パイプライン2A、2Bの上部を盛り土材5A上に露出させる。次に、パイプライン2A、2Bの左右方向両側に所定の間隙S3を隔てた場所に盛り土材5を投入して一部が盛り上がる盛り上げ部7を形成する(図12の(A)参照)。そして、パイプライン2A、2Bと盛り土材5A上面とにジオテキスタイル10を被せ、このジオテキスタイル10の両端の余り部10A、10Bを盛り上げ部7に配置するか、図示しない保持手段で上方に保持する(第2の工程、図12の(A)参照)。次に、ジオテキスタイル10上に盛り土材5を投入し、投入量の増大に応じてジオテキスタイル10の両端の余り部10A、10Bを盛り上げ部7に沿って敷き延ばすか、図示しない保持手段により上方に回し伸ばす(第3の工程)。必要に応じて盛り上げ部7にさらに盛り土材5を投入し、高く盛り上げる(図12の(B)ないし(D)参照)。そして、盛り土材5の投入により盛り土材5が所定の高さL1に達すると、ジオテキスタイル10の余り部10B、10Cを投入された盛り土材5上に被せて接続し盛り土材5を包み込む。次に、両端が接続されたジオテキスタイル10の上とその外側に盛り土材5が投入されて、ジオテキスタイル10の接続された両端10B、10Cは盛り土に埋め込まれ、盛り土材5が所定の設計高さLGに達すると、土質構造体6の築造が完了する(第4の工程)。間隙S3とパイプライン2上方とに投入された盛り土材の嵩(容量)が浮上抵抗力を確保するようになっている。
このように、第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイル10で盛り土材5を包み込むことにより盛り土材5の剛性が高まり、盛り土材5が地中構造物としてのパイプライン2A、2Bに対してアンカー機能を果たすので、ジオテキスタイル10上側に投入される土被りとしての盛り土材層の厚みを薄くすることができ、地盤からの設計高さLGを高くとれない土質構造体6でも確実にパイプライン10等の地中構造物の浮上を抑制することができることに加え、介在物を用いることなく、盛り土材5が所定の高さL1に達すると、ジオテキスタイル10を接続しさえすれば埋め戻すことができるので施工効率が向上する。このため、設計高さLGに制限のある土質構造体6に複数の地中構造物を埋設する場合に有効である。なお、この第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、パイプライン2A、2Bの配置前に、支持地盤Cを形成するようにしているがこれに限られるものではなく、地盤4に直接パイプライン2A、2Bを配置するようにしてもよい。また、第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、パイプライン2A、2Bの配置後、第2の工程で盛り土材5Aを所定の高さL4まで投入して、パイプライン2A、2Bの上部を盛り土材5A上に露出させるようにしているが、これに限られるものではなく、パイプライン2A、2Bの配置後、盛り土材5Aを投入することなく、ジオテキスタイル10を被せるようにしてもよい。なお、この第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、盛り上げ部7を形成するようにしているがこれに限られるものではなく、ジオテキスタイル10の両端の余り部10A、10Bを図示しない保持手段により上方に保持できれば、盛り上げ部7を形成しなくともよい。
次に、本発明の第5の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法について説明する。図13の(A)、(B)はそれぞれ、第5の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を土質構造体に埋設した状態を示す断面図および要部を拡大して示す断面図である。この第5の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法は、上記第1ないし第4の各実施例および変形例が、ジオテキスタイル10の両端10B、10Cを接続した上で、接続されたジオテキスタイル上に盛り土材5を投入して埋め込むようにしているのに対し、ジオテキスタイル11の両端余り部11B、11Cを接続することなく、盛り土材5に埋め込んでいる点が異なる他は、ほぼ同じ構成を有している。ジオテキスタイル11は、パイプライン2の両側で盛り土材5を囲むことにより盛り土材の剛性が高まり、盛り土材5がパイプライン2に対してアンカー機能を果たすようになっている。しかも、ジオテキスタイル11の、土嚢3のパイプライン2側の面に沿って上方に立ち上がる立ち上がり部11D、11Eは複数の土嚢3を積み上げて形成された支持壁に接しているので、盛り土材5の剛性がより高まる。
このように、第5の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイル11の両端11B、11Cを例え接続しなくとも、ジオテキスタイル11で盛り土材5を囲むことにより、盛り土材5の剛性が高まり、盛り土材5がパイプライン2に対してアンカー機能を果たすので、ジオテキスタイル11上側に投入される土被りとしての盛り土材層の厚みを薄くすることができ、設計高さの低い土質構造体でも確実に地中構造物の浮上を抑制することができる。
図14の(A)、(B)はそれぞれ、第5の実施例の第1の変形例を示すもので、上記第5の実施例では、ジオテキスタイル11の立ち上がり部11D、11Eが、土嚢3の支持壁内面に沿ってほぼ垂直に立ち上がるよう構成されているのに対し、この第5の実施例の第1の変形例に係るジオテキスタイル12は、土嚢3を積み上げて形成された支持壁に沿って立ち上がり部12D、12Eが立ち上がるとともに、両端12B、12Cがパイプライン2側に折れて、盛り土材5の上面に載せられる点が異なる他は、第5の実施例とほぼ同様の構成を備えている。このように、第5の実施例の第1の変形例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイル12の両端12B、12Cを例え接続しなくとも、ジオテキスタイル12で盛り土材5を囲むことにより、盛り土材5の剛性が高まり、盛り土材5がパイプライン2に対してアンカー機能を果たすようになっている。
図15は、第5の実施例の第2の変形例を示すもので、上記第5の実施例では、ジオテキスタイル11の立ち上がり部11D、11Eが、土嚢3の支持壁内面に沿ってほぼ垂直に立ち上がるよう構成されているのに対し、この第5の実施例の第2の変形例に係るジオテキスタイル13は、土嚢3を積み上げて形成された支持壁に沿って立ち上がり部13D、13Eが立ち上がるとともに、両端13B、13Cが積み上げられた土嚢3のうち上側の土嚢3U、3Uの下面に挟み込まれるようにしている点が異なる他は、第5の実施例とほぼ同様の構成を備えている。このように、第5の実施例の第5の変形例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法では、ジオテキスタイル13の両端13B、13Cを例え接続しなくとも、ジオテキスタイル13で盛り土材5を囲むことにより、盛り土材5の剛性が高まり、盛り土材5がパイプライン2に対してアンカー機能を果たすようになっている。
なお、第2の実施例を除く上記各実施例では、支持地盤上にパイプラインを配置しているが、これに限られるものではなく、支持地盤上に盛り土材を投入し、盛り土材上にパイプラインを配置するようにしてもよいし、その上にパイプラインを配置した後、盛り土材または掘削土を投入し、パイプラインの上部または一部を露出させてジオテキスタイルを被せるようにしてもよい。また、上記第1第2の各実施例では、地中構造物の左右方向両側に、地中構造物の長手方向に沿って土嚢を配置しているがこれに限られるものではなく、片側のみに配置するようにしてもよい。さらに、上記各実施例では、地中構造物の例としてパイプライン2について述べているが、これに限られものではなく、水路、マンホールなどの土質構造体に埋設される構造物であればよいことはいうまでもない。また、上記第1の実施例では、土嚢3の積み上げと盛り土材5の投入を繰り返し、複数の土嚢3を積み上げて支持壁を形成し、盛り土材がアンカー機能を発揮する所定の高さに達するまで投入されるようになっているがこれに限られるものではなく、地中構造物の高さ寸法が短く、1個の土嚢(支持壁材)の高さまで盛り土材を投入してアンカー機能を発揮するのであれば、複数の土嚢3を積み上げる必要がないことはいうまでもない。さらに、上記第1の実施例では、支持壁材として土嚢3を用いているがこれに限られるものではなく、積み上げて支持壁を形成するものであれば良く、ブロックや板材であってもよいことはいうまでもない。また、盛り土材は、掘削により発生した掘削土や改良土に限られるものではなく、セメント等による流動化処理土、高分子材料などによる人工材料を用いてもよいし、これらを組み合わせて盛り土材としてもよい。さらに、土嚢3の内部またはジオテキスタイル10〜13で囲まれる空間には、掘削により発生する発生土を入れてよいし、改良土や砂利などを入れるようにしてもよいことはいうまでもない。また、支持壁は、地中構造物の長手方向左右両側にそれぞれ一列形成するようにしているがこれに限られるものではなく、複列形成するようにしてもよい。
さらに、上記第1の実施例および第5の実施例とその第1第2の変形例では、土嚢3とパイプライン2との間に所定の間隙S1を設けるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、図16の(A)に示すように、パイプライン2の長手方向に対して左右両側のうち、一方の側の土嚢3に対してのみ所定の間隙S1を設けて、まず、ジオテキスタイル10を敷設し、その後、パイプライン2の他方の側のジオテキスタイル10上に、パイプライン2と間隙を設けることなく、土嚢3Xを載せるようにしてもよい。また、上記第1第2の各実施例では、支持壁3A−3Nを形成するか、抜き板9を引き抜くようにしているが、これに限られるものではなく、図16の(B)に示すように、支持地盤C上にパイプライン2を配置した後、パイプライン2に被さったジオテキスタイル10上でパイプライン2の左右両側に土嚢3、3を載せ、これら土嚢3から所定の間隙を隔てた支持地盤C上に抜き板9を立設するようにしてもよい。この場合、盛り土材5の投入に応じてジオテキスタイル10の両端10B、10Cを上方に伸ばしつつ抜き板9を盛り土材5に下部が埋め込まれた状態を維持しつつ徐々に上方に引き上げ、盛り土材5が所定高さL1に達すると、ジオテキスタイル10の両端10B、10Cを接続し、その後、盛り土材5を設計高さLGに達するまで投入するようにしてもよい。この場合には、土嚢3は盛り土材5とともにジオテキスタイル10に包み込まれる。さらに、第3の実施例では、パイプライン2の左右両側に抜き板9、9を立設し、盛り土材5の投入によりこれら抜き板9、9を徐々に引き抜くようにしているがこれに限られるものではなく、図16の(C)に示すように、パイプライン2が支持地盤C上に配置されると、パイプライン2の長手方向左右両側に所定の間隙S1を確保して埋設板19を立設して盛り土材5を投入し、埋設板19を埋め殺しにしてもよい。これにより引き抜き作業が省略される。また、上記第1ないし第4の実施例では、ジオテキスタイル10の両端10B、10Cを接続するようにしているがこれに限られるものではなく、単に重ね合わせるようにしてもよい。さらに、パイプライン2を地盤4上に設置し、パイプライン2の両側に土嚢3A、3Aを配置した後、ジオテキスタイル10を敷設し、すでに配置された土嚢3A、3A上のジオテキスタイル10の上にさらに別の土嚢3B、3Bを積み重ねてジオテキスタイル10の両端10B、10Cを上方に保持しつつ盛り土材5を投入し、ジオテキスタイル10を上下の土嚢3A、3B間に挟み込むようにしてもよい。
本発明の第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態を示す断面図である。(実施例1) (A)ないし(E)はそれぞれ、第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 (F)ないし(I)はそれぞれ、第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 (J)および(K)はそれぞれ、第1の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 本発明の第2の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態を示す断面図である。(実施例2) 本発明の第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態を示す断面図である。(実施例3) (A)ないし(D)はそれぞれ、第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 (E)ないし(H)はそれぞれ、第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 (I)および(J)はそれぞれ、第3の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 第3の実施例の変形例を示すジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態を示す断面図である。(実施例4) (A)ないし(F)はそれぞれ、図10の第3の実施例の変形例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。 (A)ないし(E)はそれぞれ、第4の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設する工程を順を追って示す説明図である。(実施例5) (A)、(B)はそれぞれ、第5の実施例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態を示す断面図および要部を拡大して示す断面図である。(実施例6) (A)、(B)はそれぞれ、第5の実施例の第1の変形例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態を示す断面図および要部を拡大して示す断面図である。(実施例7) 第5の実施例の第2の変形例に係るジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法により地中構造物を埋設した状態の要部を拡大して示す断面図である。(実施例8) (A)ないし(C)はそれぞれ、本発明の他の変形例を示す説明図である。
符号の説明
2 パイプライン(地中構造物)
3 土嚢(支持壁材)
4 地盤
5 盛り土材
6 土質構造体
10 ジオテキスタイル
10B、10C ジオテキスタイル両端余り部

Claims (8)

  1. 地盤上に地中構造物を配置する第1の工程と、地中構造物の長手方向左右両側のうち少なくともいずれか一方に抜き板を立設する第2の工程と、ジオテキスタイルの左右方向両端を余らせるように地中構造物と地盤と抜き板の内側面とに沿ってジオテキスタイルを被せる第3の工程と、盛り土材を抜き板の左右方向両側に投入し、ジオテキスタイル両端余り部を盛り土材の投入に応じて伸ばし、抜き板を上方に引き上げる第4の工程と、抜き板を引き抜く第5の工程と、ジオテキスタイルの両端を埋め込むように盛り土材を投入し、土質構造体を形成する第6の工程とを備えたことを特徴とするジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  2. 第1の工程後、地中構造物の一部を盛り土材上に露出させるように地中構造物が配置された地盤に盛り土材を投入して、抜き板を立設することを特徴とする請求項に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  3. 地中構造物の配置後、盛り土材を投入しては、抜き板を徐々に引き上げ、盛り土材の投入と抜き板の引き上げとを繰り返すことを特徴とする請求項1または2に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  4. 抜き板を立設する際、盛り土材が所定の嵩を確保するように地中構造物と抜き板との間に間隙を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  5. 抜き板は、地中構造物の長手方向左右両側に設けられることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  6. ジオテキスタイルを被せ、このジオテキスタイルの左右方向両端を余らせて盛り土材を投入した後、盛り土材が所定の高さに達すると、上記ジオテキスタイルの余り部を投入された盛り土材上に被せて接続し盛り土材を包むことを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  7. 第1の工程前に、地盤上に地盤材料を投入して支持地盤を形成し、この支持地盤上に地中構造物を配置したことを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
  8. 土質構造体が堤体または造成地であることを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1に記載のジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法。
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