JP5115728B2 - 溶接品質の評価方法、溶接方法、溶接品質評価装置、および溶接品質評価用要素 - Google Patents

溶接品質の評価方法、溶接方法、溶接品質評価装置、および溶接品質評価用要素 Download PDF

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本発明は、溶接品質の評価方法、溶接方法、溶接品質評価装置、および溶接品質評価用要素に関し、特に、互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価する方法、溶接品質を評価しつつ被溶接部材を互いに溶接する方法、互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価する溶接品質評価装置、および互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価するために用いられる溶接品質評価用要素に関するものである。
複数の被溶接部材を溶接により接合した場合において、これらの被溶接部材の溶接強度など溶接品質を評価するための従来の技術としては、一般に、溶接部位近傍において検査ツールを用いて引張検査やせん断検査などの破壊検査が行われている。
また、溶接品質を評価するための別の従来の技術として、特許文献1が知られている。特許文献1には、溶接中において、その品質を評価する方法であって、加熱により金属が溶融した部分の外側の部分であって、所定の温度まで昇温した熱影響部の分布に基づく情報を取得し、その時点での前記熱影響部の現状の情報と、あらかじめ記憶された正常な溶接が行われた場合の参照情報とを比較し、比較の結果、前記二つの情報が不一致の場合、溶接品質を不良と判断する、溶接の品質評価方法が開示されている。そして、特許文献1にはさらに、前記熱影響部の分布に基づく情報は、正常な溶接が行われたときの熱影響部の分布形状に沿って配置された複数の受光部を有する放射温度センサにより検出された温度情報、または、熱影響部を含む領域を撮影するカメラによって取得された映像の、所定範囲の輝度の分布形状であることなどが記載されている。
さらに、特許文献1には、溶接中において、その品質を評価する装置であって、加熱により金属が溶融した部分の外側の部分であって、所定の温度まで昇温した熱影響部の分布に基づく情報を取得する手段と、正常な溶接が行われた場合の熱影響部の分布に基づく参照情報を記憶する手段と、前記取得された情報と前記参照情報を比較し、これらの情報が不一致の場合、溶接品質を不良とする手段と、を有する溶接の品質評価装置が開示されている。そして、特許文献1にはさらに、前記熱影響部の分布に基づく情報を取得する手段は、正常な溶接が行われたときの熱影響部の分布形状に沿って配置された複数の受光部を有する放射温度センサ、または、熱影響部を含む領域を撮影するカメラと、カメラにより取得された映像情報から所定範囲の輝度の領域を抽出する画像処理部とを含むことなどが記載されている。
さらに、特許文献1のように所定の温度まで昇温した熱影響部の分布に基づく情報を取得するために、温度によって感熱体の色調を可逆的に変化させて温度変化を表示するよう構成されたサーモラベルを溶接部位の周囲に取り付けることも考えられる。
特開2003−80394号公報
しかしながら、上記従来の技術のうち、溶接部位近傍において検査ツールを用いて引張検査やせん断検査などの破壊検査を行う場合にあっては、検査ツールを被溶接部材に挿入するためのスペースが必要であり、被溶接部材が小さいものである場合や、他の部品と近接して配置されている場合には検査ツールを被溶接部材に挿入することができず、溶接品質の評価を行うことができないことがあるという問題があった。また、かかる検査ツールを用いる場合にあっては、溶接工程と別に行う必要があるため、溶接とリアルタイムで品質評価を行うことができないという問題や、評価のための時間を要するなどの問題があった。そして、引張検査やせん断検査などでは、抜き出したサンプルを破壊する検査であるため、被溶接部材によって構成される製品の製造に無駄が生じるなどの問題があった。
一方、上記従来の技術のうちの特許文献1において、放射温度センサにより熱影響部を検出するものにあっては、正常な品質で溶接が行われたときであっても熱影響部の分布形状がばらつき、しかも、特に被溶接部材が小さい(したがって溶接部位の周囲の熱影響部も小さい)場合に、正常な品質で溶接が行われたときの熱影響部の分布形状に沿って放射温度センサの複数の受光部を適切に配置することが困難となり、また、熱影響部の分布形状が正常な品質で溶接が行われたときと正常でない品質で溶接が行われたときとで大きく変化しないことなどから、所定の温度まで昇温した熱影響部の分布に基づく情報を正確に取得することができず、したがって溶接品質が不良であるか否かを精度よく判断することができないという問題があった。
また、上記従来の技術のうちの特許文献1において、カメラにより撮影された熱影響部を含む領域の所定範囲の輝度の分布形状を抽出するものにあっても、正常な品質で溶接が行われたときであっても分布形状がばらつき、しかも、特に被溶接部材が小さい(したがって加熱点の周囲の熱影響部も小さい)場合に、熱影響部の分布形状が正常な品質で溶接が行われたときと正常でない品質で溶接が行われたときとで大きく変化しないことから、所定の温度まで昇温した熱影響部の分布に基づく情報を正確に取得することができず、したがって溶接品質が不良であるか否かを精度よく判断することができないという問題があった。
そして、特許文献1にあってはいずれの場合にも、溶接中に品質を評価することはできても、溶接が終了した後には品質を評価することできなくなるという問題もあった。
さらに、上記のようにサーモラベルを用いることにあっては、各溶接部位の周囲に複数のサーモラベルを取り付けなければならず、サーモラベル自体のコストや、サーモラベルを取り付けるためのコストがかかることから、現実的ではない。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、コストをかけることなく、容易に且つ正確に溶接品質を評価することができる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、コストをかけることなく、容易に且つ正確に溶接品質を評価して、その結果を反映させて良好に溶接することができる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、コストをかけることなく、容易に且つ正確に溶接品質を評価することが可能な装置を提供することを目的とする。
さらにまた、安価で容易に且つ正確に溶接品質を評価するために用いることができる溶接品質評価用要素を提供することを目的とする。
請求項1の溶接品質の評価方法に係る発明は、上記目的を達成するため、互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価する方法であって、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形された溶接品質評価用要素を前記被溶接部材の所定位置に設置し、前記溶接品質評価用要素の外観形状の変化を検知手段によって検知し、その検知された外観の変化を解析することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定し、該判定に基づいて溶接品質を評価することを特徴とするものである
請求項2の溶接品質の評価方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記溶接品質評価用要素は、軟化または溶融して変化する外観形状として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであり、
該溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定して溶接品質を評価することを特徴とするものである。
請求項3の溶接品質の評価方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置は、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方であることを特徴とするものである。
請求項4の溶接品質の評価方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明において、前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置が、正常な品質で溶接が行われたときに前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置である場合において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ前記溶接品質評価用要素を設置することを特徴とするものである。
請求項5の溶接方法に係る発明は、上記目的を達成するため、溶接品質を評価しつつ被溶接部材を互いに溶接する方法であって、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形された溶接品質評価用要素を前記被溶接部材の所定位置に設置し、前記溶接品質評価用要素の外観形状の変化を検知手段によって検知し、その検知された外観の変化を解析することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定し、該判定に基づいて溶接品質を評価し、該評価に基づいて溶接出力を制御することを特徴とするものである。
請求項6の溶接方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明において、前記溶接品質評価用要素は、軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであり、該溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定して溶接品質を評価することを特徴とするものである。
請求項7の溶接方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5または6のいずれかに記載の発明において、前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置は、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方であることを特徴とするものである。
請求項8の溶接方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項7に記載の発明において、前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置が、正常な品質の溶接が行われたときに前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置である場合において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ前記溶接品質評価用要素を設置することを特徴とするものである。
請求項9の溶接品質評価装置に係る発明は、上記目的を達成するため、互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価する溶接品質評価装置であって、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形され、前記被溶接部材の所定位置に設置される溶接品質評価用要素と、該溶接品質評価用要素の軟化または溶融を検知する検知手段と、該検知手段によって検知された溶接品質評価用要素の設置された位置における軟化または溶融したか否かに基づいて溶接品質を評価する評価手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項10の溶接品質評価装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9に記載の発明において、前記溶接品質評価用要素は、軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであり、前記評価手段は、前記検知手段によって検知された溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、溶接品質を評価することを特徴とするものである。
請求項11の溶接品質評価装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9または10のいずれかに記載の発明において、前記溶接品質評価用要素は、被溶接部材に対して、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものであり、該位置に設置された溶接品質評価用要素の軟化または溶融に基づいて前記評価手段が溶接品質を評価するものであることを特徴とするものである。
請求項12の溶接品質評価装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項11に記載の発明において、前記溶接品質評価用要素が、被溶接部材に対して、正常な品質で溶接が行われたときに前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置に設置されるものである場合において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ前記溶接品質評価用要素が設置されていることを特徴とするものである。
請求項13の溶接品質評価装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜12のいずれか1項に記載の発明において、前記評価手段は、溶接品質の評価により溶接出力を変更または停止させるための制御信号を出力するものであることを特徴とするものである。
請求項14の溶接品質評価用要素に係る発明は、上記目的を達成するため、互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価するために用いられる溶接品質評価用要素であって、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形され、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに軟化または溶融する温度となる位置と、軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものであることを特徴とするものである。
請求項15の溶接品質評価用要素に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項14に記載の発明において、軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであることを特徴とするものである。
請求項16の溶接品質評価用要素に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項14または15のいずれかに記載の発明において、正常な品質で溶接が行われたときに、前記被溶接部材の、軟化または溶融する温度となる位置に設置されるものである場合において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ設置されるものであることを特徴とするものである。
請求項1の溶接品質の評価方法に係る発明によれば、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、軟化または溶融したときに外観が変化するよう構成された溶接品質評価用要素を被溶接部材の所定位置に設置することにより、正常な品質で溶接が行われた場合において、被溶接部材の溶接時の熱を受ける部分では溶接品質評価用要素が所定の温度で軟化または溶融して外観が変化し、被溶接部材の溶接時の熱を受けない部分では溶接品質評価用要素が軟化または溶融することがなく、外観が変化しない。そのため、溶接品質評価用要素がその設置した位置において溶接の熱により軟化または溶融して外観が変化したか否かにより、正常な品質で溶接されたか否かを容易に且つ正確に判定評価することができる。そして、この溶接品質評価用要素の外観形状の変化は、検知手段によって検知し、その検知された外観の変化を解析することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融し外観が変化したか否かを容易に且つ正確に判定し、その結果、正常な品質で溶接されたか否かを容易に且つ正確に評価することができる。
請求項2の溶接品質の評価方法に係る発明によれば、請求項1に記載の発明において、溶接品質評価用要素の、溶接時の熱により所定の温度に達して軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものとしたため、溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、その変化を定量化させることができることから、溶接品質を容易に且つ正確に評価することができる。
請求項3の溶接品質の評価方法に係る発明によれば、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置に溶接品質評価用要素を設置した場合には、溶接品質評価用要素が軟化または溶融すると、入熱が適切で正常な品質で溶接が行われたと判定することができ、溶接品質評価用要素が軟化または溶融しないと、入熱不足により正常な品質で溶接が行われなかった、または、まだ正常な品質で溶接が行われていないと判定することができる。一方、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置に溶接品質評価用要素を設置した場合には、溶接品質評価用要素が軟化または溶融すると、入熱が過多で正常な品質で溶接が行われなかったと判定することができ、溶接品質評価用要素が軟化または溶融しないと、入熱が過多とならず適切で正常な品質の溶接が行われた、または、まだ正常な品質の溶接が行われている状態であると判定することができる。
請求項4の溶接品質の評価方法に係る発明によれば、請求項3に記載の発明において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置(入熱最少位置)と最長の位置(入熱最大位置)にそれぞれ前記溶接品質評価用要素を設置することにより、正常な品質の溶接に必要な入熱の下限と上限を検知し、入熱が適切で正常な品質で溶接が行われたか否かを容易に且つ確実に判定することができる。
請求項5の溶接方法に係る発明によれば、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形された溶接品質評価用要素を前記被溶接部材の所定位置に設置することにより、正常な品質で溶接が行われた場合において、溶接時の熱を受ける部分では溶接品質評価用要素が所定の温度で軟化または溶融して外観が変化し、被溶接部材の溶接時の熱を受けない部分では溶接品質評価用要素が軟化または溶融することがなく、外観が変化しない。この溶接品質評価用要素の外観形状の変化を検知手段によって検知することにより、溶接品質評価用要素が軟化または溶融し外観が変化したか否かを容易に判定することができる。そして、その検知された外観の変化を解析することにより、手間をかけることなく溶接品質評価用要素が軟化または溶融して外観が変化したか否かを容易に且つ正確に自動で判定することができ、この判定評価に基づいて溶接出力を制御することにより、被溶接部材を互いに良好に溶接することができる。
請求項6の溶接方法に係る発明によれば、請求項5に記載の発明において、溶接品質評価用要素の、溶接時の熱により所定の温度に達したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものとしたため、溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、その変化を定量化させることができることから、溶接品質を容易に且つ正確に評価することができる。
請求項7の溶接方法に係る発明によれば、請求項5または6のいずれかに記載の発明において、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置に溶接品質評価用要素を設置した場合には、溶接品質評価用要素が軟化または溶融すると、入熱が適切で正常な品質で溶接が行われたと判定することができ、溶接品質評価用要素が軟化または溶融しないと、入熱不足により正常な品質で溶接が行われなかった、または、まだ正常な品質で溶接が行われていないと判定することができる。一方、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置に溶接品質評価用要素を設置した場合には、溶接品質評価用要素が軟化または溶融すると、入熱が過多で正常な品質で溶接が行われなかったと判定することができ、溶接品質評価用要素が軟化または溶融しないと、入熱が過多とならず適切で正常な品質で溶接が行われた、または、まだ正常な品質で溶接が行われている状態であると判定することができる。そして、これらの判定に基づいて溶接出力を制御することにより、被溶接部材を互いに良好に溶接することができる。
請求項8の溶接方法に係る発明によれば、請求項7に記載の発明において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置(入熱最少位置)と最長の位置(入熱最大位置)にそれぞれ前記溶接品質評価用要素を設置することにより、正常な品質の溶接に必要な入熱の下限と上限を検知し、入熱が適切で正常な品質で溶接が行われたか否かを容易に且つ確実に判定し、この判定に基づいて溶接出力を制御することにより、被溶接部材を互いに良好に溶接することができる。
請求項9の溶接品質評価装置に係る発明によれば、溶接品質評価用要素を、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形して、前記被溶接部材の所定位置に設置することにより、正常な品質で溶接が行われた場合において、溶接時の熱を受ける部分では溶接品質評価用要素が所定の温度で軟化または溶融して外観が変形し、溶接時の熱を受けない部分では溶接品質評価用要素が軟化または溶融せず、したがって外観が変化することがない。そのため、溶接品質評価用要素の軟化または溶融による外観の変化を検知手段が検知し、評価手段が検知手段によって検知された溶接品質評価用要素の状態を解析して溶接品質評価用要素の設置した位置に応じて溶接の熱により軟化または溶融したか否かを容易に判定して正常な品質で溶接されたか否かについての品質を容易に且つ正確に評価することができる。
請求項10の溶接品質評価装置に係る発明によれば、請求項9に記載の発明において、溶接品質評価用要素として、溶接時の熱により所定の温度に達して軟化または溶融したときに、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものを採用することにより、溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することで、その形状の変化を定量化させることができることから、溶接品質を容易に且つ正確に評価することができる。
請求項11の溶接品質評価装置に係る発明によれば、請求項9または10のいずれかに記載の発明において、溶接品質評価用要素が、被溶接部材に対して、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものであることにより、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置に溶接品質評価用要素を設置した場合には、溶接品質評価用要素が軟化または溶融するときには、評価手段が正常な品質で溶接が行われたと判定し、溶接品質評価用要素が軟化または溶融しないときには、まだ正常な品質で溶接が行われていない、あるいは、正常な品質で溶接が行われなかったと評価手段が判定することができる。一方、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置に溶接品質評価用要素を設置した場合には、溶接品質評価用要素が軟化または溶融しないときには、評価手段がまだ正常な品質で溶接が行われている状態である、あるいは、正常な品質で溶接が行われたと判定し、溶接品質評価用要素が軟化または溶融するときには、評価手段が正常な品質で溶接が行われなかったと判定することができる。
請求項12の溶接品質評価装置に係る発明によれば、請求項11に記載の発明において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置(最少入熱位置)と最長の位置(最大入熱位置)にそれぞれ前記溶接品質評価用要素が設置されていることにより、正常な品質の溶接に必要な入熱の下限と上限を検知し、入熱が適切で正常な品質で溶接が行われたか否かを容易に且つ確実に判定することができる。
請求項13の溶接品質評価装置に係る発明によれば、請求項9〜12のいずれか一項に記載の発明において、評価手段は、溶接品質の評価が正常な品質で溶接を行ったと判定した場合には、溶接出力を低下させるかまたは停止させるための制御信号を溶接装置に出力し、溶接品質の評価が正常な品質で溶接をまだ行っていないと判定した場合には、溶接出力を持続させるための制御信号を溶接装置に出力し、溶接品質の評価が正常な品質で溶接を行わなかった判定した場合には、溶接出力を停止させるための制御信号を溶接装置に出力する機能を有する。これにより、溶接品質の評価に基づいて溶接装置を連動させ制御して、良好な溶接を行うことができる。
請求項14の溶接品質評価用要素に係る発明によれば、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形され、被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに軟化または溶融する温度となる位置と、軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものとすることにより、被溶接部材に対して設置する位置が溶接時の熱を受ける部分と受けない部分とに応じて、溶接品質評価用要素の外観の変化を検知することによって軟化または溶融したか否かを容易に判定して、正常な品質で溶接されたか否かについての品質を容易に且つ正確に判定評価することができる。
請求項15の溶接品質評価用要素に係る発明によれば、請求項14に記載の発明において、溶接品質評価用要素の、溶接時の熱により所定の温度に達して軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものを採用することにより、溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することで、その変化を定量化させることができることから、溶接品質を容易に且つ正確に評価することができる。
請求項16の溶接品質評価用要素に係る発明によれば、請求項14または15のいずれかに記載の発明において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置(最少入熱位置)と最長の位置(最大入熱位置)にそれぞれ設置されるものであることにより、正常な品質の溶接に必要な入熱の下限と上限を検知し、入熱が適切で正常な品質で溶接が行われたか否かを容易に且つ確実に判定することができる。
なお、本発明において、溶接品質評価用要素が所定の温度に達したときに軟化または溶融したか否かを判定するための基準としては、溶接品質評価用要素の面積や長さなどで表される大きさ、外形形状、色調、コントラストなど、目視や、カメラあるいはセンサなどの検知手段によって検知できる溶融に伴う外観の変化を認知することができるものであればよい。
最初に、本発明が適用される溶接装置全体の概略の一実施の形態を、レーザビームLBにより被溶接部材W1,W2を重ね溶接するためのものである場合により、主に図1に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、既述した実施の形態と重複する部分や相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
この実施の形態における溶接装置は、レーザ発振装置から発振されたレーザビームLBを被溶接部材W1,W2の溶接点に対して所定の径に集光させて照射するための光学系Qを有する溶接ヘッドRと、この溶接ヘッドRを支持して所定の位置および所定の姿勢に移動させるロボットと、溶接品質を評価する溶接品質評価装置1とを備えており、溶接品質の評価に基づいて溶接出力を制御しつつ被溶接部材W1,W2を互いに溶接するものである。
この実施の形態における溶接品質評価装置1は、概略、被溶接部材W2の表面の所定位置に設置される溶接品質評価用要素gと、溶接品質評価用要素gを検知する検知手段としてCCDカメラKと、このCCDカメラKによって検知された溶接品質評価用要素gを認識してその軟化または溶融を判定し、この判定結果に基づいて溶接品質を評価する評価手段PCとを備えている。
ここで、本発明の溶接品質評価用要素gについて説明する。本発明の溶接品質評価用要素gは、概略、被溶接部材W1,W2を互いに溶接した際の溶接品質を評価するために用いられるもので、被溶接部材W1,W2の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する低融点材料からなり、この実施の形態においては所定の温度に達したときに外観が変化するよう構成されており、被溶接部材W2の表面の、正常な品質の溶接が行われたときに溶接品質評価用要素gの外観が変化する温度に上昇する部分Mとなる位置と、溶接品質評価用要素gの外観が変化しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものである。
溶接品質評価用要素gは、例えば錫(融点231°C)や鉛(融点327°C)あるいは亜鉛(融点419°C)など、被溶接部材W1,W2の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する単独の金属材料や、錫−鉛系共晶はんだ(融点183°C)、錫−銀系鉛フリーはんだ(融点217°C)、錫−ビスマス系鉛フリーはんだ(融点139°C)などの被溶接部材W1,W2の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する合金材料を採用することができる。
また、本発明の溶接品質評価用要素gは、被溶接部材W1,w2の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融するものであればよく、上記の金属材料だけでなく、ポリエチレン(熱変形温度50〜72°C)やポリプロピレン(熱変形温度69〜77°C)、ABS樹脂(熱変形温度96〜105°C)などの汎用プラスチック、また、ポリアミド(熱変形温度約75°C)、ポリアセタール(熱変形温度約123°C)、ポリカーボネイト(熱変形温度129〜140°C)などの所謂汎用エンジニアリングプラスチック、さらには、ポリフェニレンサルファイトやポリアミドイミドなどの所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを使用することもできる。また、本発明で使用される溶接品質評価用要素gは、所定の温度に達したときに外観が変化するよう構成されたものに限定されることなく、溶接時の熱によって蒸発してその周囲で検知される組成元素が変化するようなものを採用することができる。この場合にあっては、溶接品質評価用要素Gを検知する検知手段として、CCDカメラKに替えて分圧計など、蒸発した溶接品質評価用要素Gの組成元素を検知するセンサが採用される。この場合におけるセンサは、溶接品質評価用要素gの周囲に配設される。以下の説明では、溶接品質評価用要素gに使用される被溶接部材W1,W2の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料を低融点材料と称することとする。これらの低融点材料からなる溶接品質評価用要素gは、被溶接部材W1,W2との融点の温度差が200〜1000°Cに設定される。
このように低融点材料からなる溶接品質評価用要素gは、メッキや、溶射、溶着などにより、所定の高さ(厚さ)で、温度上昇による外観の変化を認識するのに適当な平面視形状および断面形状に成形されたものとすることができる。そして、溶接品質評価用要素gは、温度上昇による軟化または溶融を判定することができればよいため、被溶接部材W2の表面に設置したときの高さ(厚さ)に精度を必要とすることがない。このことは、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融したときに蒸発する材料により構成されている場合も同様である。
溶接品質評価用要素gは、図1〜図6に示した実施の形態の場合、被溶接部材W1に重ね合わされた被溶接部材W2の表面にレーザビームLBが照射されて正常な品質で溶接された場合に、被溶接部材W1,W2が温度上昇することによって軟化または溶融して、図に示した実施の形態では水平な被溶接部材W2の表面において、面積が拡がるように(図6を参照)外観が変化することとなる温度が上昇する部分Mの位置に設置されている。
図3および図4に示すように、被溶接部材W1と重ね合わされた被溶接部材W2の表面にレーザビームLBを照射する過程、あるいは、レーザビームLBの照射時間が不足し、または、レーザビームLBの出力が不足した場合には、被溶接部材W1,W2の温度上昇する部分Mが充分に拡大せず、溶接品質評価用要素gの外観が変化するまでには至っていない。一方、図5および図6に示すように、被溶接部材W1と重ね合わされた被溶接部材W2の表面にレーザビームLBを充分に照射されて正常な品質で溶接された場合には、被溶接部材W1,W2の温度上昇する部分Mが充分に拡大し、溶接品質評価用要素gの面積が拡大するように外観が変化することとなる(溶接品質評価用要素の符号はgからGに変化する)。なお、この実施の形態では、被溶接部材W1,W2が正常な品質で溶接された場合に、溶接品質評価用要素gの外観が変化する位置に、溶接品質評価用要素gを単一で設置した場合を示したが、本発明はこの実施に限定されることなく、例えば、図1および図2におけるレーザビームLBの照射位置を挟んで対称の位置に複数の溶接品質評価用要素gを設置することもできる。
図1に示すように、この実施の形態においては、CCDカメラKは溶接ヘッドRに設けられており、被溶接部材W2の表面の所定の位置に設置された溶接品質評価用要素gの外観の変化を検出するために、反射鏡Jを介して上方から溶接品質評価用要素gを撮影して(すなわち、溶接品質評価用要素gの外観としてその平面視の形状を検知して)、映像データとして取り込むものである。また、評価手段PCは、CCDカメラKから送られた溶接品質評価用要素gの映像データを収集し解析して、この実施の形態の場合、溶接品質評価用要素gの形状により形成される面積または長さを測定してその変化を認識することにより、溶接が正常な品質となるように行われたか否かを判定するものである。なお、本発明は、溶接品質評価用要素gの外観を検知する対象として、水平面に設置された溶接品質評価用要素gの平面視の形状に限定されることはなく、溶接品質評価用要素gの高さを測定したり、溶接品質評価用要素gを設置する場所が傾斜している場合には溶接品質評価用要素gの軟化または溶融することにより流動する長さを測定するよう構成することもできる。また、溶接品質評価用要素gは、CCDカメラKによってその形状を認識し易いように、被溶接部材W2の表面と区別して認識し易いように異なるコントラストとなるように構成することもできる。
次に、本発明の溶接品質の評価方法を、上述したように構成された溶接品質評価装置1および溶接品質評価用要素gを用いて、溶接と同時にその溶接品質を評価する場合によって、溶接品質評価装置1および溶接品質評価用要素gの作動とともに説明する。
本発明の溶接品質の評価方法は、概略、互いに溶接された被溶接部材W1,W2の溶接品質を評価するためのもので、被溶接部材W1,W2の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなる溶接品質評価用要素gを被溶接部材W2の表面の所定位置に設置し、溶接品質評価用要素gがその設置された位置において軟化または溶融したか否かに基づいて溶接品質を評価するものである。この実施の形態では、溶接品質評価用要素gを、軟化または溶融したときに外観が変化する材料により構成し、溶接品質評価用要素gの外観の変化に基づいてその軟化または溶融を判定する。そして、検知手段であるCCDカメラKを使用して溶接品質評価用要素gまたはGの外観を検知し、その検知された外観を解析することにより変化を自動で認識する。さらに、溶接品質評価用要素gを被溶接部材W2の表面に設置する位置は、正常な品質で溶接が行われたときに、溶接品質評価用要素gの外観が変化する温度に上昇する部分Mとなる位置と、溶接品質評価用要素gの外観が変化しない温度を維持する位置との少なくともいずれか一方の位置とする。なお、上述したように、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融したときに蒸発する材料により構成されている場合には、検知手段として分圧計などのセンサにより溶接品質評価用要素gまたはGの周囲の組成元素を検知し、その検知された組成元素の変化に基づいてその軟化または溶融を判定する。
溶接を行いつつ溶接品質の評価を行うに際しては、レーザビームLBが照射される被溶接部材W2の表面の所定の位置に溶接品質評価用要素gを所定の厚さで設け、被溶接部材W1,W2を重ね合わせる。なお、図1〜図6に示した実施の形態の場合、溶接品質評価用要素gは、溶接を正常な品質となるように行ったときに、溶接品質評価用要素gの外観が変化する温度に上昇する部分Mとなる位置に設けられている。この溶接を正常な品質となるように行ったときの溶接品質評価用要素gの外観が変化する温度となる位置は、レーザビームLBを照射する溶接点からの距離と、温度変化との関係を予め調べて、溶接品質評価用要素gの材質による軟化または溶融する温度などに応じて設定することができる。
次いで、レーザビームLBを溶接点に照射し得るようにロボットを駆動して溶接ヘッドRを所定の位置に移動させ、溶接品質評価用要素gが所定距離離れて設置された溶接点にレーザビームLBを照射する。これにより被溶接部材W2のレーザビームLBが照射された溶接点の温度が上昇し、これに伴って被溶接部材W1も温度が上昇し、両被溶接部材W1,W2の双方の温度が上昇した部分Mに溶融池を形成して互いに溶け込む。
図3および図4に示したように、被溶接部材W1と被溶接部材W2の溶接が完了する前、あるいは、レーザビームLBの照射時間が不足したりレーザビームLBの出力が不足した場合には、被溶接部材W1,W2の温度上昇した部分Mが充分に拡大せず、互いの溶け込みが少なく、したがって、溶接品質評価用要素gの外観は変化しない。そして、図5および図6に示したように、被溶接部材W1と被溶接部材W2にレーザビームLBが照射されて正常な品質に溶接された場合には、被溶接部材W1,W2の温度上昇した部分Mが充分に拡大して互いに溶け込み、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融されて、その面積が拡大するように外観が変化したものとなる(溶接品質評価用要素の符号は、外観が変化する前の状態をgとし、変化した後の状態をGとする)。
この実施の形態では、CCDカメラKによって溶接品質評価用要素gの平面視の形状を撮影し、その画像データを評価手段PCが収集・解析して溶接品質評価用要素gの面積または長さを測定し、時間の経過に伴って測定値が変化して溶接品質評価用要素Gとなっていないかを判定する。そして、図5および図6に示したように、溶接品質評価用要素gの面積または長さが所定の値に達して溶接品質評価用要素Gとなったと判断したときに、正常な品質で溶接が行われたものと評価手段PCは評価する。
溶接品質評価装置1の評価手段PCは、正常な品質で溶接が行われたと評価した場合、その信号を溶接装置の制御手段に出力して、後述するように、溶接出力を停止させ、または、溶接出力を低減させるよう制御させる。また、正常な品質で溶接が行われていないと評価した場合、レーザビームLBの照射を継続させるか、または、異常発生の警告を発してレーザビームLBの照射を停止させるための信号を溶接装置の制御手段に出力する。
次に、本発明の他の実施の形態を、図7〜図10に基づいて説明する。図7〜図10に示した実施の形態では、溶接を正常な品質となるように行ったときに、溶接品質評価用要素g1が、その外観が変化するように温度上昇する部分Mに配置され、溶接品質評価用要素g2が、温度上昇する部分Mの近傍であってその外観が変化することがないように温度上昇しない部分に配置されている。
この実施の形態では、CCDカメラKによって両溶接品質評価用要素g1、g2の平面視の形状を撮影し、その画像データを評価手段PCが収集・解析して各溶接品質評価用要素gまたはGの面積または長さを測定し、時間の経過に伴って両溶接品質評価用要素g1、g2の測定値が増大して溶接品質評価用要素G1、G2となっているか否かをそれぞれ判定する。
そして、図7および図8に示したように、溶接品質評価用要素g1の面積または長さが所定の値に達して溶接品質評価用要素G1となり、且つ、溶接品質評価用要素g2の面積または長さが所定の値に達せず溶接品質評価用要素G2(図9および図10を参照)となっていないと判断したときに、正常な品質で溶接が行われたものと評価手段PCは評価する。
一方、レーザビームLBの照射が時間経過しても、溶接品質評価用要素g1の面積または長さが所定の値に達せず溶接品質評価用要素G1とならない場合には、評価手段PCは、レーザビームLBの照射を継続させるか、または、異常発生の警告を発してレーザビームLBの照射を停止させるための信号を溶接装置の制御手段に出力する。また、図9および図10に示したように、レーザビームLBの過大な出力または照射時間により、被溶接部材W1,W2が溶け落ちて孔Hが開くほどレーザビームLBが照射されて温度が上昇した部分Mが拡大し、溶接品質評価用要素g1だけでなく、溶接品質評価用要素g2が軟化または溶融してその面積または長さが所定の値に達して溶接品質評価用要素G2となったと判断した場合には、評価手段PCは、異常発生の警告を発してレーザビームLBの照射を停止させるための信号を溶接装置の制御手段に出力する。
なお、被溶接部材W1,W2が例えば溶け落ち易いような融点の低い材質であったり、きわめて小さく、過大な熱エネルギを受けることによって損傷するような場合などには、正常な品質で溶接を行った場合に、温度上昇する部分Mの近傍であって外観が変化することがないように温度上昇しない位置のみに溶接品質評価用要素g2を設置することもできる。この場合にあっては、溶接品質評価用要素g2が軟化または溶融してG2となっていないことを認識できると、被溶接部材W1,W2が例えば溶け落ちるなど過大な熱エネルギを受けていない(損傷していない)と保証することができる。
次に、本発明のさらに他の実施の形態を、図11および図12に基づいて説明する。図11および図12に示した実施の形態の場合では、溶接を正常な品質となるように行ったときに、外観が変化する温度となる位置に溶接品質評価用要素g1を設置する場合において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置(入熱最少位置)に溶接品質評価用要素g1aを設置するとともに、正常な品質の溶接となる溶接点から最長の位置(入熱最大位置)に溶接品質評価用要素g1bを設置している。
この実施の形態では、CCDカメラKによって両溶接品質評価用要素g1a、g1b、g2の平面視の形状を撮影し、その画像データを評価手段PCが収集・解析して各溶接品質評価用要素g1a、g1b、g2の面積または長さを測定し、時間の経過に伴って各溶接品質評価用要素g1a、g1b、g2の測定値が増大して溶接品質評価用要素G1a、G1b、G2となっているか否かをそれぞれ判定する。
そして、図11および図12に示したように、溶接品質評価用要素g1aの面積または長さが所定の値に達してG1aとなっているものと判定された場合には、レーザビームLBの照射により被溶接部材W1,W2が正常な品質で溶接されるための必要最低限の温度上昇が発生しているものと評価することができる。また、溶接品質評価用要素g1bの面積または長さが所定の値に達してG1bとなっているものと判定された場合には、レーザビームLBの照射により被溶接部材W1,W2が正常な品質で溶接されるための最大限の温度上昇が発生しているものと評価することができる。
次に、本発明のさらに他の実施の形態を、図13〜図16に基づいて説明する。なお、図13〜図16においては、それぞれ、被溶接部材の正面図(a)と、被溶接部材の平面図(b)とを示している。上述した実施の形態においては、レーザビームLBを移動させることなく照射することにより被溶接部材W1,W2を重ねスポット溶接する場合により説明したが、この実施の形態の場合では、レーザビームLBを移動させながら連続して照射し、被溶接部材W1,W2を重ねライン溶接する場合により説明する。
図16に示すように、被溶接部材W1,W2はそれぞれ長方形の板状に成形されてなるもので、レーザビームLBは被溶接部材W1,W2の幅方向の略中央を長手方向に沿って移動しながら照射される。
図13に示すように、被溶接部材W1,W2は、重ねライン溶接するに際して、その両長辺を所定間隔をおいてクランパCによってチャッキングされている。そして、被溶接部材W2の表面の一長辺のクランパC,C間には溶接品質評価用要素g1〜g5が設置されている。
図14に示すように、被溶接部材W1,W2の一端側にレーザビームLBを照射すると、被溶接部材W1,W2のレーザビームLBを照射された位置の温度が上昇し、かかる部分Mが互いに溶け込み、溶接品質評価用要素g1が軟化または溶融して拡大し、溶接品質評価用要素G1となる。そして、図15に示すように、レーザビームLBを被溶接部材に対して相対的に異動させると、その移動に伴って温度上昇した部分Mが延長するように移動し、溶接品質評価用要素g2も軟化または溶融して拡大してG2となる。
このように、レーザビームLBを被溶接部材に対して相対的に異動させながら照射すると、その移動に伴って温度上昇した部分Mが延長するように移動し、図16の(b)に平面図で示すように、被溶接部材W2の表面には温度上昇した部分M(変色などにより識別することができる)が略同じ幅で形成されているように見える。しかしながら、溶接品質評価用要素g1〜g5のうちでg1、g2、g4、g5が軟化または溶融した溶接品質評価用要素G1、G2、G4、G5となっているが、溶接品質評価用要素g3は、軟化または溶融せず溶接品質評価用要素G3となっていない。このことから、g3あたりでレーザビームLBの照射による温度の上昇が不足し、図16の(a)に示すように、かかる部分Mが浅く、したがって、この位置での被溶接部材W1,W2の互いの溶け込みが少なく正常な品質で溶接されていないと評価することができる。
次に、本発明の溶接方法の実施の一形態を、図17および図18に基づいて説明する。
本発明の溶接方法は、概略、溶接品質を評価しつつ被溶接部材を互いに溶接するもので、被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなる溶接品質評価用要素gを被溶接部材W2の表面の所定位置に設置し、溶接品質評価用要素gまたはGの軟化または溶融に基づいて溶接品質を評価し、この評価に基づいて溶接出力を制御するものである。この実施の形態では、溶接品質評価用要素gを、軟化または溶融したときに外観が変化する材料により構成し、溶接品質評価用要素gの外観の変化に基づいてその軟化または溶融を判定してその結果により溶接品質を評価する。
そして、本発明の方法では、溶接品質評価用要素gまたはGの外観をCCDカメラによって撮影し、その映像データを解析することにより、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融することによる外観の変化を自動的に認識する。
そして、被溶接部材W2の表面に対して、正常な品質で溶接が行われたときに、溶接品質評価用要素gの外観が変化してGとなる温度となる位置と、溶接品質評価用要素gの外観が変化しない温度を維持する位置との少なくともいずれか一方の位置に溶接品質評価用要素gを設置する。
この実施の形態においては、溶接に先立って、上述したように溶接品質評価用要素gを被溶接部材W2の所定の位置に設置しておき、被溶接部材W1,W2を重ね合わせる。そして、レーザビームLBを溶接点に照射するとともにCCDカメラKによって溶接品質評価用要素gの形状変化を撮影し得るようにロボットを駆動して溶接ヘッドRを所定の位置に移動させ、図17に示すように、CCDカメラKによって溶接品質評価用要素gの監視(形状変化の撮影)を開始し(S1)、溶接品質評価用要素gが所定距離離れて設置された溶接点にレーザビームLBを照射して(S2)、CCDカメラKによって撮影された画像データを評価手段PCが収集・解析する(S3)。そして、評価手段PCは、溶接品質評価用要素gまたはGの画像データを解析することによりその面積または長さを測定し、当初の面積または長さから変化したか否か、すなわち溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなったか否かを判断する(S4)。
この判断において、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなった場合(S4においてYESの場合)には、図18に一点鎖線で示すように、レーザビームLBの照射を停止させる(S5)。また、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融していない場合(S4においてNOの場合)には、レーザビームLBの照射を継続させ(S2)、CCDカメラKによって撮影された画像データを評価手段PCが収集・解析し(S3)、評価手段PCによって溶接品質評価用要素gの面積または長さを測定することにより、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなったか否かを再び判断する(S4)。
この判断において、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなった場合(2回目のS4においてYESの場合)には、図18に実線で示すように、レーザビームLBの照射を停止させる(S5)。また、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融していない場合(2回目のS4においてNOの場合)には、図18に二点鎖線で示すように、レーザビームLBの照射を継続させ(S2)、CCDカメラKによって撮影された画像データを評価手段PCが収集・解析し(S3)、評価手段PCによって溶接品質評価用要素gまたはGの面積または長さを測定することにより、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなったか否かを再び判断して(3回目のS4)、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなった場合(3回目のS4においてYESの場合)には、図18に二点鎖線で示すように、レーザビームLBの照射を停止させる(S5)。
次に、本発明の溶接方法の別の実施の一形態を、図19および図20に基づいて説明する。なお、この実施の形態においては、上述した実施の形態と異なる部分のみ説明する。
上述した実施の形態では、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなったと判断した場合に(S4)、レーザビームLBの照射を停止させていた(S5)のに対して、この実施の形態においては、溶接品質評価用要素gが軟化または溶融してGとなったと判断した場合に(S4)、レーザビームLBの照射出力を低減させ(S6)、所定時間Tが経過した後にレーザビームLBの照射を停止させる(S7)。
なお、本発明は所定時間Tが経過した後にレーザビームLBの照射を停止させる(S7)ことに限定されることはなく、例えば、図11および図12に参照されるように、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置に溶接品質評価用要素g1aを設置するとともに、正常な品質の溶接となる溶接点から最長の位置に溶接品質評価用要素g1bを設置し、溶接品質評価用要素g1aが溶融してG1aとなったと判断した場合に(S4)、レーザビームLBの照射出力を低減させ(S6)、その後、溶接品質評価用要素g1bが軟化または溶融したか否かを判断して、溶接品質評価用要素G1bとなったと判断された場合にレーザビームLBの照射を停止させるよう構成することもできる。
上述した実施の形態においては、各溶接品質評価用要素gまたはGをCCDカメラKによって撮影して、その外観の変化を自動で認識する場合によって説明したが、本発明の溶接品質の評価方法および溶接方法では、これらの実施の形態に限定されることなく、CCDカメラK以外のセンサによって溶接品質評価用要素gまたはGの外観の変化を自動で認識することもでき、また、作業者の目視によって溶接品質評価用要素gまたはGの外観の変化を認識して、溶接出力を制御するよう構成することもできる。さらに、溶接品質評価用要素gを、軟化または溶融したときに蒸発する材料により構成して、溶接品質評価用要素gの周囲に分圧計などのセンサを配置し、溶接品質評価用要素Gが蒸発することにより組成元素が変化するのを認識して軟化または溶融したか否かを判定し、溶接出力を制御するよう構成することもできる。
さらに、本発明は、上述したようにレーザビームLBの照射によって溶接することに限定されることはなく、電子ビーム溶接や抵抗溶接など、他の溶接手法の場合にも適用させることができる。
本発明が適用される溶接装置の実施の一形態を説明するために示した概念図である。 図1に示した被溶接部材に対する溶接品質評価用要素の配置を説明するために示した平面図である。 図1に示した被溶接部材にレーザビームの照射を開始した状態を説明するために示した断面図である。 図3の平面図である。 図3の状態からさらにレーザビームを照射して被溶接部材が互いに溶け込み正常に品質で溶接された状態を説明するために示した断面図である。 図5の平面図である。 本発明で、被溶接部材の、正常な品質の溶接が行われたときに外観が変化する温度となる位置と、外観が変化しない温度を維持する位置とに溶接品質評価用要素を設置した場合の実施の形態を説明するために示した断面図である。 図7の平面図である。 図7の配置において、レーザビームによる加熱が過度であり、被溶接部材が溶け落ちて孔が形成された状態を説明するために示した断面図である。 図9の平面図である。 本発明で、被溶接部材の、正常な品質の溶接が行われたときに外観が変化する温度となる位置と、外観が変化しない温度を維持する位置とに溶接品質評価用要素を設置し、さらに、正常な品質の溶接が行われたときに外観が変化する温度となる位置において、正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置に溶接品質評価用要素をそれぞれ設置した場合の実施の形態を説明するために示した断面図である。 図11の平面図である。 本発明で、被溶接部材を重ねライン溶接する場合に、溶接品質評価用要素の配置の実施の一形態を説明するために示した正面図と平面図である。 図13の状態からレーザビームの照射を開始した状態を説明するために示した一部断面正面図と平面図である。 図14の状態からレーザビームを移動させながら連続して照射する状態を説明するために示した一部断面正面図と平面図である。 図15の状態からレーザビームをさらに移動させて照射し、部分的に溶接が正常の品質で行われなかった状態を説明するために示した断面図と、その外観の平面図である。 本発明の溶接方法の実施の一形態を示すフローチャートである。 図17に示したフローチャートにより制御されるレーザビームの時間経過に伴う出力の変化を説明するために示したグラフである。 本発明の溶接方法の、別の実施の形態により制御されるレーザビームの時間経過に伴う出力の変化を説明するために示したグラフである。 図19に示した溶接方法を示したフローチャートである。
W1:被溶接部材、 W2:被溶接部材、 LB:レーザビーム、 g:溶接品質評価用要素(軟化または溶融する前の状態)、 G:溶接品質評価用要素(軟化または溶融した後の状態)、 M:温度が上昇する部分、 1:溶接品質評価装置、 K:CCDカメラ、 PC:評価手段

Claims (16)

  1. 互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価する方法であって、
    被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形された溶接品質評価用要素を前記被溶接部材の所定位置に設置し、
    前記溶接品質評価用要素の外観形状の変化を検知手段によって検知し、その検知された外観の変化を解析することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定し、該判定に基づいて溶接品質を評価することを特徴とする溶接品質の評価方法。
  2. 前記溶接品質評価用要素は、軟化または溶融して変化する外観形状として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであり、
    該溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定して溶接品質を評価することを特徴とする請求項1に記載の溶接品質の評価方法。
  3. 前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置は、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の溶接品質の評価方法。
  4. 前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置が、正常な品質で溶接が行われたときに前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置である場合において、
    正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ前記溶接品質評価用要素を設置することを特徴とする請求項に記載の溶接品質の評価方法。
  5. 溶接品質を評価しつつ被溶接部材を互いに溶接する方法であって、
    被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形された溶接品質評価用要素を前記被溶接部材の所定位置に設置し、
    前記溶接品質評価用要素の外観形状の変化を検知手段によって検知し、その検知された外観の変化を解析することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定し、該判定に基づいて溶接品質を評価し、該評価に基づいて溶接出力を制御することを特徴とする溶接方法。
  6. 前記溶接品質評価用要素は、軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであり、
    該溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、該溶接品質評価用要素の設置された位置において軟化または溶融したか否かを判定して溶接品質を評価することを特徴とする請求項に記載の溶接方法。
  7. 前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置は、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方であることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の溶接方法。
  8. 前記溶接品質評価用要素を被溶接部材に対して設置する位置が、正常な品質の溶接が行われたときに前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置である場合において、
    正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ前記溶接品質評価用要素を設置することを特徴とする請求項に記載の溶接方法。
  9. 互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価する溶接品質評価装置であって、
    被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形され、前記被溶接部材の所定位置に設置される溶接品質評価用要素と、
    該溶接品質評価用要素の軟化または溶融を検知する検知手段と、
    該検知手段によって検知された溶接品質評価用要素の設置された位置における軟化または溶融したか否かに基づいて溶接品質を評価する評価手段とを備えたことを特徴とする溶接品質評価装置。
  10. 前記溶接品質評価用要素は、軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであり、
    前記評価手段は、前記検知手段によって検知された溶接品質評価用要素の面積または長さを測定することにより、溶接品質を評価することを特徴とする請求項に記載の溶接品質評価装置。
  11. 前記溶接品質評価用要素は、被溶接部材に対して、正常な品質で溶接が行われたときに、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置と、前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものであり、
    該位置に設置された溶接品質評価用要素の軟化または溶融に基づいて前記評価手段が溶接品質を評価するものであることを特徴とする請求項9または10のいずれかに記載の溶接品質評価装置。
  12. 前記溶接品質評価用要素が、被溶接部材に対して、正常な品質で溶接が行われたときに前記溶接品質評価用要素が軟化または溶融する温度となる位置に設置されるものである場合において、
    正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ前記溶接品質評価用要素が設置されていることを特徴とする請求項11に記載の溶接品質評価装置。
  13. 前記評価手段は、溶接品質の評価により溶接出力を変更または停止させるための制御信号を出力するものであることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の溶接品質評価装置。
  14. 互いに溶接された被溶接部材の溶接品質を評価するために用いられる溶接品質評価用要素であって、
    被溶接部材の融点よりも低い所定の温度で軟化または溶融する材料からなり、その外観の変化から軟化または溶融を判定することができる厚さで、平面視形状および断面形状に成形され、
    被溶接部材の、正常な品質で溶接が行われたときに軟化または溶融する温度となる位置と、軟化または溶融しない温度を維持する位置との少なくとも一方に設置されるものであることを特徴とする溶接品質評価用要素。
  15. 軟化または溶融したときに変化する外観として、面積が拡大するかまたは長さが伸長するように変形するものであることを特徴とする請求項14に記載の溶接品質評価用要素。
  16. 正常な品質で溶接が行われたときに、前記被溶接部材の、軟化または溶融する温度となる位置に設置されるものである場合において、
    正常な品質の溶接となる溶接点から最短の位置と最長の位置にそれぞれ設置されるものであることを特徴とする請求項14または15のいずれかに記載の溶接品質評価用要素。
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