JP5099920B2 - 核酸試験用対照 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、内部対照生体分子を、試験試料、ネガティブ対照試料、ポジティブ対照試料、試薬対照試料に添加して、または内部対照生体分子を、試験試料、ネガティブ対照試料、標的生体分子を含むポジティブ対照試料に添加して標的生体分子を含む試薬対照試料を提供し、各試料中でシグナルを測定してシグナルを証明し、標的生体分子を検出することで試験試料中の標的生体分子を検出する方法に関する。本発明はまた、標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明する方法に関する。本発明はさらに、試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出する方法および標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明する方法に関する。使用およびキットが同様に考慮される。
(発明の背景)
核酸の測定は、分析化学において、特に健康ケアにおいて重要なツールになっている。例えば、感染疾患および遺伝的状態は個体から受けた試料中の疾患または状態を示す核酸の存在または量を基にして容易に測定され得る。この理由のために、核酸、好ましくはオリゴヌクレオチドの疾患または遺伝的状態を示す標的核酸との配列特異的なハイブリダイゼーションを用いる方法が確立された。多くの標的核酸は、生物中に生物由来の試料中の直接検出が可能でないような低濃度で存在する。かかる標的は検出前に増幅されることが必要である。適切な増幅方法は例えば、LCR (U.S. 特許第5,185,243号, 第5,679,524号および第5,573,907号; EP 0 320 308; WO 90/01069; WO 89/12696; および WO 89/09835)、サイクリングプローブ技術(U.S. 特許第5,011,769号, 第5,403,711号, 第5,660,988号, および 第4,876,187号, および 公開PCT出願 WO 95/05480, WO 95/14106, および WO 95/00667)、InvaderTM 技術 (U.S.特許第5,846,717号; 第5,614, 402号; 第5,719,028号; 第5,541, 311号; および 第5,843,669号)、Q-ベータリプリカーゼ技術(U.S. 特許第4,786, 600号)、NASBA (U.S. 特許第5,409,818号; EP-0 329 822)、TMA (U.S. 特許第5,399,491号, 第5,888,779号, 第5,705,365号, 第5,710,029号), SDA (U.S. 特許第5, 455,166号および 第5,130,238号) ならびに PCR (US-A-4,683,202)である。
核酸の測定において偽の結果を最小化するために、いくつかの国の当局が対照核酸の使用を必要としている。特に増幅方法を使用する場合に、かかる対照核酸が非常に重要であるのは、増幅プロセスが反応条件によって非常に影響され得、誤解させる結果をもたらし得るためである。阻害物質は時々試料中に含まれ、偽陰性結果をもたらし得る。対照概念の概説は、Valentine-Thon, E., J. Clinical Virol. 25 (2002) S13-S21によって提供される。
一般に、外部対照および内部対照を区別し得る。古典的なポジティブ対照およびネガティブ対照のような外部対照は、ポジティブ試料およびネガティブ試料を模倣し、アッセイが適切に働いているかどうか、または夾雑物が含まれているかどうかを調べるために通常使用される。内部対照は例えば、試料中におそらく含まれる阻害物質を認識するために利用可能であるか、あるいは定量アッセイにおいて定量標準として使用され得る。別々の反応チャンバーで通常試験される外部対照と比べて、内部対照は試験される分析物と共に同じ反応チャンバー中で好ましくはインキュベートされる。従って、対照または対照の増幅産物は、分析物または分析物の増幅産物から区別することができなければならない。増幅方法を用いる場合、内部対照核酸は標的核酸と同じ反応条件下で実質的に共増幅されている。これらの条件は試薬濃度、温度、インヒビター濃度または酵素活性を含む。対照のために頻度よく使用される配列はハウスキーピング遺伝子に由来する(Chelly, J., et al., Eur. J. Biochem. 187 (1990) 691-698; Mallet, F., et al., J. Clin. Microbiol. 33 (1995) 3201-3208を参照)が、非天然配列も使用されている(例えば、EP 1 236 805を参照)。
内部対照に由来する増幅核酸は、例えば、異なる長さまたは別のプローブへのハイブリダイゼーション能力によって、標的核酸に由来する増幅核酸と区別され得る(概説について: Clementi, M., et al., PCR Methods Applic. 2 (1993) 191-196; Clementi, M., et al., Arch. Virol. 140 (1995) 1523-1539を参照)。全ての場合において、内部対照のヌクレオチド配列が部分的または全体的に標的核酸配列と異なっている(Haentjens-Herwegh, S., et al., Recent Res. Devel. Microbiology 4 (2000) 547-556も参照)。
増幅反応における最も重大な局面の1つは、標的核酸に対するプライマーの結合である。従って、標的核酸と同じプライマー結合部位を有する内部対照が使用されている(例えば、Gilliland, G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 (1990) 2725-2729を参照)。
WO 02/18635およびWO 99/06594は、ウイルス殻に封入された核酸を模倣する封入された内部対照配列の使用を開示している。
EP 1 319 716は、核酸の単離および増幅を試験するためのいくつかの区別可能な内部対照核酸の使用を開示している。
WO 2004/055205 は、試料調製を行う試料に対する内部対照配列の添加を開示している。次にICからのシグナルは、細胞溶解および試料調製の効率性、ならびに核酸の増幅および/または検出の性能を証明するために試料調製を行っていない外部対照と比較される。
US6,277,560は、定量のための外部標準として外部微生物のDNAの使用および核酸増幅の効率を評価するための内部対照の使用を開示している。
Gilliland, G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 (1990) 2725-2729 は、定量のためのネガティブ対照および内部対照の使用を開示している。
Brakenhoff, R., et al., Clin. Cancer Res. 5 (1999) 725-732 は、RNA定性対照のための内部標準、感度対照およびネガティブ対照のための外部標準を用いるPCRアッセイを開示している。WO2005/061737は、内部対照、ポジティブ対照およびネガティブ対照を有するキットを開示している。
Leushner および Kelly, Qiagennews, No. 4, 2000, page 21は、内部対照およびポジティブ対照を用いるマルチプレックスPCRによって糞便中の病原性腸細菌の検出方法を開示している。
Roche ,Mannheim, Germanyによって製造された「LightCycler(登録商標)foodproof E. coli O157 検出キット」は、内部対照および対照鋳型を用いるO157抗原型大腸菌の定性検出のためのPCR方法をマニュアルに開示している。
US2003/077622 は、シグナル増幅反応中の阻害を同定するポジティブ対照を提供する方法および組成物に関する。
Roche Molecular Systems, Branchburg, NJ, USAによって製造された「CT/NG Test for Chlamydia trachomatis」は内部対照およびC. trachomatis 標的DNAを用いるChlamydia trachomatisの検出のためのPCR方法をマニュアルに開示している。
TaKaRa, Japanによって製造されたCycleavePCRTM食用肉種同定キットのための説明書は、対照概念を含む異なる食用肉種の区別のための方法を開示している。
(発明の要約)
生体分子の検出方法を制御するための新しい概念を提供することは本発明の課題であった。
本発明の態様において、
以下の工程:
a) 工程a1)または工程a2)からなる工程、
a1)内部対照生体分子を、
標的生体分子を含むことが疑われる試料、
標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、
標的生体分子を含むポジティブ対照試料、および
標的生体分子を含む試薬対照試料
に添加する工程、
a2)内部対照生体分子を、
標的生体分子を含むことが疑われる試料、
標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、および
標的生体分子を含むポジティブ対照試料、
に添加する工程、ならびに
標的生体分子を含む試薬対照試料を提供する工程、
b)精製された生体分子を含む試料を得るために工程a)の試料から生体分子を任意に精
製する工程、
c)内部対照生体分子および標的生体分子のシグナルの存在または非存在を工程a)また
は工程b)で得られた各試料中で測定する工程、
d)内部対照生体分子のシグナルの存在と独立して標的生体分子のシグナルの存在につい て標的生体分子を含むことが疑われる試料を調べること、または標的生体分子のシグ ナルが非存在である場合に内部対照生体分子のシグナルの存在について調べること、
内部対照生体分子のシグナルの存在および標的生体分子のシグナルの非存在について ネガティブ対照試料を調べること、
標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存在についてポジティブ対照試料 を調べること、ならびに
方法の工程d)において標的生体分子のシグナルの存在について試薬対照試料を調べ ること、または標的生体分子および任意に内部対照生体分子のシグナルの存在につい て試薬対照試料を調べること、
によって標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子のシグナルの存在 または非存在を証明する工程、
e)標的生体分子の存在または非存在を検出する工程であって、工程c)で測定され、か つ工程d)で証明された標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存在また は非存在が試験試料中の標的生体分子の存在または非存在を示す、工程
を含む、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出する方法が提供される。
本発明の別の態様において、標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明する方法は、
a)標的生体分子を含むことが疑われ、内部対照生体分子を含む試料、および
内部対照生体分子を含み、標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、および
標的生体分子および内部対照生体分子を含むポジティブ対照試料、
標的生体分子および任意に内部対照生体分子を含む試薬対照試料
を提供する工程、
b)内部対照生体分子および標的生体分子のシグナルを各試料中で測定する工程、
c)内部対照生体分子のシグナルの存在と独立して標的生体分子のシグナルの存在につい て標的生体分子を含むことが疑われる試料を調べること、または標的生体分子のシグ ナルが非存在である場合に内部対照生体分子のシグナルの存在について調べること、
内部対照生体分子のシグナルの存在および標的生体分子のシグナルの非存在について ネガティブ対照試料を調べること、
標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存在についてポジティブ対照試料 を調べること、および
標的生体分子および任意に内部対照生体分子のシグナルの存在について試薬対照試料 を調べること
によって試験試料中の標的生体分子の存在を示す試験試料中の標的生体分子のシグナ ルの存在を証明する工程
を含む。
本発明のなお別の態様において、標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員(または標的核酸)の存在または非存在を検出する方法は、
a)内部対照核酸を、
標的核酸のグループの一員(または標的核酸)を含むことが疑われる試料、および
標的核酸のグループの一員(または標的核酸)を含まないネガティブ対照試料、およ び
標的核酸のグループの一員(または標的核酸)を含むポジティブ対照試料
に添加する工程、
b)標的核酸のグループおよび任意に内部対照核酸を含む試薬対照試料を提供する工程、
c)精製された核酸を含む試料を得るために工程a)および/または工程b)の試料から 核酸を任意に精製する工程、
d)内部対照核酸および標的核酸のグループの一員(または標的核酸)のシグナルの存在 または非存在を、工程a)および工程b)または工程b)および工程c)で得られた 各試料中で測定する工程、
e)内部対照核酸のシグナルの存在と独立して標的核酸のグループの一員(または標的核 酸)の存在について標的核酸のグループの一員(または標的核酸)を含むことが疑わ れる試料を調べること、または標的核酸のグループの一員(または標的核酸)が非存 在である場合に内部標的核酸のシグナルの存在について調べること、
内部対照核酸のシグナルの存在および標的核酸のシグナルの非存在についてネガティ ブ対照試料を調べること、
標的核酸のグループの各一員(または標的核酸)および任意に内部対照核酸のシグナ ルの存在について試薬対照試料を調べること、ならびに
標的核酸のグループの一員(または標的核酸)および内部対照核酸のシグナルの存在 についてポジティブ対照試料を調べること、
によって標的核酸のグループの一員(または標的核酸)を含むことが疑われる試料中 の標的核酸のグループの一員(または標的核酸)のシグナルの存在または非存在を証 明する工程、または
f)標的核酸のグループの一員(または標的核酸)の存在または非存在を検出する工程で あって、工程d)で測定され、かつ工程e)で証明された標的核酸のグループの一員 (または標的核酸)および内部対照核酸のシグナルの存在および/または非存在が標的 核酸のグループの一員(または標的核酸)を含むことが疑われる試料中の標的核酸の グループの一員(または標的核酸)の存在または非存在を示す、工程、
によるものである。
本出願を通して、用語標的核酸のグループの一員または標的核酸のグループの標的核酸または標的核酸のグループからの選択物は、相互交換可能に使用される。
本発明のなお別の態様において、
a)標的核酸のグループの一員を含むことが疑われ、内部対照核酸を含む試料、
標的核酸のグループおよび任意に内部対照核酸を含む試薬対照試料、
標的核酸のグループの一員を含まず、内部対照核酸を含むネガティブ対照試料、およ び
標的核酸のグループの一員および内部対照核酸を含むポジティブ対照試料
を提供する工程、
b)内部対照核酸および標的核酸のグループの一員のシグナルを各試料中で測定する工 程、
c)内部対照核酸のシグナルの存在と独立して標的核酸の一員のシグナルの存在について 標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料を調べること、または標的核酸 のグループの一員のシグナルが非存在である場合に内部対照核酸のシグナルの存在に ついて試料を調べること、
標的核酸のグループの各一員のシグナルの存在について試薬対照試料を調べること、
標的核酸のグループの一員のシグナルの非存在および内部対照核酸のシグナルの存在 についてネガティブ対照試料を調べること、および
標的生体分子および内部対照核酸のシグナルの存在についてポジティブ対照試料を調 べること、
によって標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグルー プの一員のシグナルの存在を証明する工程、
を含む、標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明する方法が提供される。
本発明の別の態様において、内部対照生体分子を任意に含む試薬対照試料および内部対照生体分子を含むポジティブ対照試料であって、標的生体分子を含む両試料は、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出するためにまたは標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するために使用される。
別の好ましい態様において、
a)標的核酸または標的核酸のグループの一員を含む試薬対照試料、
b)標的核酸または標的核酸のグループの一員を含まないネガティブ対照試料、
c)標的核酸または標的核酸のグループの一員を含むポジティブ対照試料、
d)内部対照核酸、ならびに
e)標的核酸または標的核酸のグループの一員を検出する試薬
を含む標的核酸または標的核酸のグループの一員を検出するキットが提供される。
当該分野で公知のように、「ヌクレオシド」は塩基―糖の組み合わせである。ヌクレオシドの塩基部分は通常複素環塩基である。かかる複素環塩基の最も共通する2つのクラスは、プリンとピリミジン、より詳細にはアデニン(A)、グアニン(G)、チミジン(T)またはシトシン(C)の塩基である。ウラシル塩基は天然でリボ核酸に含まれる。別の天然塩基は、塩基の芳香環の5位でメチル基で置換されるシトシンである、5−メチル−シトシンまたはメチル−シトシンである。
「ヌクレオチド」はヌクレオシドの糖部分に共有結合されたリン酸基を更に含む「ヌクレオシド」である。ペントフラノシル糖を含む「ヌクレオシド」についてリン酸基は糖の2’、3’または5’ヒドロキシ部分のいずれかに連結され得る。「ヌクレオチド」は、より一般的に本明細書で「オリゴマー化合物」として記載される「オリゴヌクレオチド」、またはより一般に「ポリマー化合物」として記載される「ポリヌクレオチド」の「単量体」である。従って別の一般表現はデオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)である。
「核酸」は当業者に公知の「ヌクレオチド」のポリマー化合物である。これは、本明細書中で分析される試料中の「核酸」を記載するために使用され、すなわち、試料中のその存在、非存在または量が測定される。従って、すなわち、「核酸」は標的であり、「標的核酸」としても記載され得る。例えば、血液がヒト免疫不全ウイルスを含むかどうかを決定しなければならない場合、「標的核酸」はヒト免疫不全ウイルスの核酸であるか、またはより具体的に測定される核酸配列、すなわち、塩基アデニン、グアニン、シトシン、またはチミンの順列である。より具体的に本発明の文脈において、「標的核酸」は好ましくは核酸、またはより正確にもしくは好ましくは本明細書で更に特定される微生物、細胞またはウイルスの部分(「標的微生物」、「標的細胞」または「標的ウイルス」)中に含まれる核酸である。より具体的に本発明の文脈において、「標的核酸」は好ましくは核酸またはより正確にはもしくは好ましくは本明細書でさらに特定されるような微生物、細胞またはウイルスに含まれる核酸の部分(「標的微生物」、「標的細胞」または「標的ウイルス」)である「標的核酸」は、微生物、細胞またはウイルスに特異的な核酸配列を有し、微生物、細胞またはウイルスに含まれる(全)核酸の部分である。
本発明によれば、「オリゴマー化合物」は、「ヌクレオチド」のみ、または「非天然化合物」、より具体的には「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチドアナログ」)または「非ヌクレオチド化合物」のみまたはその組み合わせであり得る、「単量体」からなる化合物である。「オリゴヌクレオチド」および「修飾オリゴヌクレオチド」(または「オリゴヌクレオチドアナログ」)は本発明の文脈において「オリゴマー化合物」のサブグループである。
本発明の文脈において、用語「オリゴヌクレオチド」とは「単量体」として複数の「ヌクレオチド」から形成される「ポリヌクレオチド」のことをいい、すなわち「オリゴヌクレオチド」は「単量体」を有するリボ核酸(RNA)またはデオキリボ核酸(DNA)の「オリゴマー化合物」または「ポリマー化合物」の特定のサブグループに属する。リン酸基とは通常、「オリゴヌクレオチド」のヌクレオシド間骨格を形成するものをいう。RNAおよびDNAの通常結合または骨格は3’から5’のホスホジエステル結合である。
本発明による「オリゴヌクレオチド」および「修飾オリゴヌクレオチド」は、当該分野で主に記載され、当業者に公知なように合成され得る。特定の配列のオリゴマー化合物を調製する方法は当該分野で公知であり、例えば、適切な配列のクローニングおよび制限消化ならびに直接化学合成を含む。化学合成法は、例えば、Narang, S.A., et al., Methods Enzymol. 68 (1979) 90-98によって記載されるホスホトリエステル法、Brown, E.L., et al., Methods Enzymol. 68 (1979) 109-151に開示されるホスホジエステル法、Beaucage, S.L., および Caruthers, M.H., Tetrahedron Lett. 22 (1981) 1859-1862に開示されるホスホルアミダイト法、Garegg, P.J., et al., Chem. Scr. 25 (1985) 280-282に開示されるH−ホスホネート法、およびUS 4,458,066に開示される固相支持法を含み得る。
上記のように、「核酸」ならびに「標的核酸」は当業者に公知の「ヌクレオチド」のポリマー化合物である。分析される試料中の「核酸」を記載するために本明細書で使用され、すなわち、試料中のその存在、非存在または量が測定される。
用語「プライマー」は、当業者に公知なように本明細書で使用され、鋳型依存性DNAポリメラーゼによってDNA合成を「プライム」することが可能である、主に「修飾オリゴヌクレオチド」だけでなく「オリゴヌクレオチド」に対する「オリゴマー化合物」のことをいい、すなわち、例えばオリゴヌクレオチドの3’末端は遊離3’-OH基を提供し、更なる「ヌクレオチド」が3’から5’のホスホジエステル結合を確立する鋳型依存性DNAポリメラーゼによって結合され、デオキシヌクレオシド3リン酸が使用され、ピロリン酸が放出される。従って、意図される機能を除いて、本発明による「プライマー」、「オリゴヌクレオチド」または「プローブ」の間に、基本的な違いは無い。
用語「プローブ」は、予め決められたストリンジェンシー下で「標的核酸」に特異的に(すなわち、好ましくは)ハイブリダイズが可能である特定のヌクレオチド配列を設計または選択によって含む、合成的または生物学的に生成される核酸(DNAまたはRNA)のことをいう。「プローブ」は、検出を不明確にし得る所望されない物質から分離され得るために標的核酸を「捕捉」することを意味する「捕捉プローブ」として同定され得る。分離が一度行われると、捕捉された「標的核酸」の検出は適切な手順を用いて行われ得る。「捕捉プローブ」はしばしば既に固相に結合されている。従って、具体的な例は多くの「捕捉プローブ」が標識cRNAまたはcDNAを「捕捉」する「固相」に結合されているマイクロアレイである。
しばしば「レポーター基」のことを指す「標識」は一般に、核酸、特に本発明による「オリゴマー化合物」または「修飾オリゴヌクレオチド」、ならびに液体の残渣から区別され得る結合した任意の核酸、すなわち、試料(結合した「標識」を有する核酸は標識核酸結合化合物、標識プローブまたはプローブと命名され得る)を構成する基である。「ハプテン」(ビオチンまたはジゴギシゲニン等)、酵素(アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼ等)または蛍光色素(フルオレセインまたはローダミン等)は、なかでも、非放射活性指示分子またはすなわち非放射活性「標識」として適切であることが主に証明されている。これらの「シグナル基」または「標識」は、様々な方法によって核酸に結合され得るか、あるいは取り込まれ得る。本発明による好ましい「標識」は、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素およびクマリン色素のような色素またはビオチンのようなハプテンである。一般記載として、「ハプテン」は低分子であり、それ自体(免疫応答を生じ得る)免疫原ではないが、抗原の少なくとも1つの要素を有し、抗体または別の大きな担体分子と組み合わせて免疫原性となり得る。
本明細書で使用される場合、「蛍光共鳴エネルギー転移関係」および類似の用語は、「ドナー蛍光標識」で標識された「オリゴマー化合物」および「アクセプター蛍光標識」で標識された別の「オリゴマー化合物」の「標的核酸」に対する近接ハイブリダイゼーションのことをいい、「アクセプター蛍光標識」が測定可能な蛍光放出を生ずるように「ドナー蛍光標識」が「アクセプター蛍光標識」に共鳴エネルギーを移動し得る。「ドナー蛍光標識」および「アクセプター蛍光標識」は、あまりにも距離が離れて間隔をおいている場合、「アクセプター蛍光標識」は測定可能な蛍光を放出するように、「ドナー蛍光標識」が「アクセプター蛍光標識」に共鳴エネルギーを移動することができず、「ドナー蛍光標識」および「アクセプター蛍光標識」は共鳴エネルギー転移関係にならない。
本発明の文脈において、「ハイブリダイゼーション」は水素結合を意味し、相補的ヌクレオチド間の、ワトソン−クリック、フーグスチーンまたは逆フーグスチーン水素結合であり得る。例えば、アデニンおよびチミンは水素結合の形成を介してペアとなる相補的核酸塩基である。本明細書で使用される場合、「相補的」は2つのヌクレオチド間での配列相補性のこともいう。例えば、オリゴヌクレオチドの特定の位置のヌクレオチドがDNA分子またはRNA分子の同じ位置のヌクレオチドと水素結合し得る場合、オリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNAはその位置で互いに相補的であると考えられる。各分子中の十分な数の対応する位置が互いに水素結合し得るヌクレオチドによって占有される場合、オリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNAは互いに相補的である。従って、「特異的にハイブリダイズ可能」および「相補的」は、安定および特異的な結合がオリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNA標的間で生じるように十分な程度の相補性を示すために使用される用語である。オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能である標的DNA配列に100%相補的である必要は無いことが理解される。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの標的DNA分子またはRNA分子への結合が標的DNAまたは標的RNAの正常機能を干渉する場合に特異的にハイブリダイズし得、特異的な結合が所望される条件下、すなわち、インビボアッセイまたは治療処理の場合の生理学的条件下、またはインビトロアッセイが実施される場合の条件下において、非標的配列へのオリゴヌクレオチドの非特異的結合を回避するために十分な程度の相補性がある。
用語「生体分子」とは、生物学的試料中に見出され得る任意の分子のことをいう。これらは好ましくはペプチド、タンパク質、オリゴ糖のような糖、脂質、ステロイド、プロスタグランジン、プロスタサイクリン、および(DNAおよびRNAを含む)核酸である。用語「生物学的試料」とは、微生物、ウイルスならびに植物、動物、およびヒト、特に疾患に罹ったヒト患者のような多細胞生物から得られる任意の固体試料または液体試料のことをいう。例示は血液、血漿、血清、尿、痰、脳脊髄液または任意の体の分泌液のような生物学的液体である。「生物学的試料」はまた、器官または組織、好ましくは生検から得られる試料であり得、細胞を含む。用語「標的生体分子」は、分析される試料中の「生体分子」のことをいい、(分析の)標的であり、すなわち、試料中のその存在、非存在または量が測定される。例えば、血液がヒト免疫不全ウイルスを含むかどうかを決定しなければならない場合、「標的生体分子」はヒト免疫不全ウイルスの生体分子であり得、より具体的には免疫学的試験において抗体によって認識され得、問題のウイルスに特異的なアミノ酸配列を有するウイルスのタンパク質であり得る。
複数の略語である「spp(種)」は、属内の全ての個々の種のことをいうために用いられ、例えば、Cornus種はハナミズキ属内の全ての植物のことをいう。種は、属および上記の亜種、互いに自由に餌を食べる可能性を有し、他の集団または一連の集団からのバリエーションにおいて不連続である集団または一連の集団の下でランク付けされる基本的なカテゴリーの分類的な区分である。
(発明の詳細な説明)
当該技術分野の技術範囲である分子生物学および核酸化学の従来の技術は文献に説明される。例えば、Sambrook, J., et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989; Gait, M.J., Oligonucleotide Synthesis, a practical approach, ed. 1984, IRL Press, Oxford, England; Hames, B.D., およびHiggins, S.J., Nucleic Acid Hybridisation, a practial approach, ed. 1985, IRL Press, Oxford, England; ならびにEnzymology, Academic Press, Inc.の一連の方法を参照、全ては参照によって本明細書に援用される。全ての特許、特許出願、および本明細書で言及される公開物、上掲および後掲の両方は、参照によって本明細書に援用される。
本発明の態様において、
以下の工程:
a)工程a1)または工程a2)からなる工程、
a1)内部対照生体分子を、
標的生体分子を含むことが疑われる試料、
標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、
標的生体分子を含むポジティブ対照試料、および
標的生体分子を含む試薬対照試料
に添加する工程、
a2)内部対照生体分子を、
標的生体分子を含むことが疑われる試料、
標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、および
標的生体分子を含むポジティブ対照試料
に添加する工程、ならびに
標的生体分子を含む試薬対照試料を提供する工程、
b)精製された生体分子を含む試料を得るために工程a)の試料から生体分子を任意
に精製する工程、
c)内部対照生体分子および標的生体分子のシグナルの存在または非存在を工程a)
または工程b)で得られた各試料中で測定する工程、
d)内部対照生体分子のシグナルの存在と独立して標的生体分子のシグナルの存在に
ついて標的生体分子を含むことが疑われる試料を調べること、または標的生体分子の
シグナルが非存在である場合に内部対照生体分子のシグナルの存在について調べるこ
と、
内部対照生体分子のシグナルの存在および標的生体分子のシグナルの非存在について
ネガティブ対照試料を調べること、
標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存在についてポジティブ対照試料
を調べること、ならびに
方法の工程d)において標的生体分子のシグナルの存在について試薬対照試料を調べ
ること、または標的生体分子および任意に内部対照生体分子のシグナルの存在につい
て試薬対照試料を調べること、
によって標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子のシグナルの存在
または非存在を証明する工程、
e)標的生体分子の存在または非存在を検出する工程であって、工程c)で測定さ
れ、かつ工程d)で証明された標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存
在または非存在が試験試料中の標的生体分子の存在または非存在を示す、工程、
を含む、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出する方法が提供される。
本発明による方法は、全工程の反応が適切に働いているかどうか、および得られるシグナルが信頼され得、試料中で標的生体分子の存在または非存在を検出するために容易に使用され得るかどうかを証明にすることを可能にする様々な対照を利用する。例えば、2つのポジティブ対照の使用、すなわち、好ましくは生体分子の精製前後のプロセスの異なる工程に好ましくは導入される、本発明によるポジティブ対照および試薬対照は、方法のどの工程、特に生体分子の精製が適切に働かないのか、エラーの原因は何であるのかを調べることを可能にする。ネガティブ対照試料中の内部対照を用いることで、ネガティブ対照試料中の標的生体分子のシグナルの非存在が標的生体分子の正しい非存在から生じるか、またはネガティブ対照試料に阻害物質の不可避の導入から生じるかを調べ得る。ポジティブ対照試料および試薬対照試料中の内部対照を用いることで、これらの試料中の標的生体分子のシグナルの潜在性および不可避の非存在がこれらの試料に阻害物質の不可避の導入から生じるかを調べ得る。要約として、本発明による方法は、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出する方法において様々な工程のチェックおよび証明を可能にする。異なる標的核酸から生じるシグナルの更なる分離を可能にする核酸の場合において特に融解曲線分析と結合させる、マルチプレックスアッセイに特に有利である。
内部対照生体分子(または対照生体分子もしくは生体分子)は標的生体分子の検出のための対照として働く内部対照である。内部対照の使用は、対照の精製、シグナルの測定および検出を可能にし、アッセイ性能および標的生体分子の定性のモニタリングを可能にする。行われる反応を制御するために試験試料および他の試料に添加され、反応のインヒビターの存在が検出されることを可能にする。内部対照生体分子はまた、標的生体分子を含む試料中に存在し、シグナルを提供すると期待されるため、内部対照生体分子またはそのシグナルが標的生体分子および/またはそのシグナルから区別することができなければならない。
その目的のために、本発明の好ましい態様において、内部対照生体分子は標的生体分子の部分を含む。内部対照生体分子はまた、標的生体分子の部分および標的生体分子の部分でない部分を含み得る。内部対照生体分子または標的生体分子の部分でない内部対照生体分子の部分は、標的生体分子に非常に類似し得、すなわち、標的生体分子と同様な生体分子特性を有するべきである。これは、標的生体分子がタンパク質である場合、内部対照生体分子は標的タンパク質と類似するアミノ酸配列を有するタンパク質であり、すなわち、標的タンパク質のアミノ酸配列に60%〜80%同一であるアミノ酸配列を好ましくは有し、類似分子特性を有し、すなわち、標的生体分子またはタンパク質に類似の挙動を示すか、あるいは標的生体分子に対して異なるシグナルをなお生み出すことを意味する。次に、異なる抗原部位が、標的タンパク質と比較される異なるシグナルの創出を可能にすべきである。
好ましくは、本発明によれば、内部対照生体分子は、混合物、または内部対照生体分子のグループ、すなわち、1つより多くの内部対照生体分子である。内部対照生体分子またはその混合物はバッファおよび塩を含む溶液中に、すなわち、試料の形態で通常提供される。従って、内部対照核酸を含む試料が本発明による他の各試料に添加される。
標的生体分子としての核酸の場合において、内部対照核酸は標的核酸配列と異なるが好ましくはそれと類似する核酸配列を含み、配列特異的プローブとハイブリダイズし得、増幅し得る。従って、アンプリコン由来の内部対照核酸は同様の長さおよび標的核酸のようなG塩基およびC塩基の含有量を有し、独特のプローブ結合部位を含み得る。従って、内部対照核酸は、標的核酸に対して類似の核酸配列を有する核酸であり、すなわち、標的核酸の核酸配列に60%または80%同一である核酸配列を好ましくは有するべきであり、類似の分子特性を有するべきである。内部対照核酸は通常、プラスミドにクローニングされた核酸であり、標的核酸の部分および標的核酸の部分でない部分、すなわち、標的核酸の検出に使用され、内部対照核酸および標的核酸のシグナルの区別に使用され得る部分を含む。好ましくは本発明によって、内部対照核酸は標的核酸と同じプライマー結合部位を含み、すなわち、同じプライマーは標的核酸および内部対照核酸の増幅のために使用され得、内部対照核酸は標的核酸のプローブ結合部位と異なる核酸配列を有するプローブ結合部位を有し、従って区別を可能にする。好ましくは、本発明によって、内部対照核酸は混合物または内部対照核酸のグループの混合物、すなわち、1つより多くの内部対照核酸である。内部対照核酸またはその混合物は、バッファおよび塩を含む溶液中に通常提供される。つまり、内部対照核酸を含む試料は別の試料に添加される。内部対照核酸を含む溶液は、標的核酸を夾雑せず、PCR増幅の阻害のモニタリングを可能にする低濃度の内部対照核酸を提供する。構築物の詳細および内部対照核酸を使用する一般の方法論は、例えば、EP 1 236 805, WO 02/18635, Gilliland, G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 (1990) 2725-2729ならびに本明細書に記載される参照および上掲に見出され得る。
標的生体分子を含むことが疑われる試料はまた、試験試料と呼ばれ得、試験される試料である。標的生体分子の他に、これは、標的生体分子の他にさらなる生体分子を含み得る。これらのさらなる生体分子は、生物学的試料中に典型的に存在するもの、ならびに当業者に知られたもの、例えば、ペプチド、タンパク質、オリゴ糖などの糖、脂質、ステロイド、プロスタグランジン、プロスタサイクリンおよび核酸(DNAおよびRNAを含む)である。生物学的試料は、微生物、ウイルスおよび多細胞生物、特に疾患に罹患したヒト患者から得られる任意の固体試料または液体試料をいう。例は、血液、血漿、血清、尿、胆汁、脳脊髄液、または任意の身体の分泌物のような生物学的液体である。生物学的試料はまた、器官または組織、好ましくは生検材料から得られる試料であり得、細胞を含む。
ネガティブ対照試料は、標的生体分子を含まない試料である。しかしながら、さらなる生体分子を含み得るが、標的生体分子を含まない。これらのさらなる生体分子は上記のものである。好ましい態様において、ネガティブ対照試料は、塩および緩衝物質を含む(および標的生体分子を含まない)溶液である。
ポジティブ対照試料は、標的生体分子を含む試料である、すなわち、これは、標的生体分子を含有する場合、試験試料と同じシグナルを提供するべきであることを意味するポジティブ対照としての機能を果たすべきである。好ましくは、ポジティブ対照試料は、標的生体分子またはその部分を含む溶液である。好ましくは、試料は、試験試料と同様に、すなわち、含有される標的生体分子を得るための精製工程で処理される試料である。標的生体分子としての核酸の場合は、ポジティブ対照試料が精製工程としての溶解および核酸単離ならびに(PCR)増幅および検出を含む完全なワークフローにより処理される。したがって、ポジティブ対照試料は、試験試料と同じ環境に標的生体分子を含有する試料である。しばしば、標的生体分子は、ウイルス、細胞または微生物に含有される生体分子、優先的に核酸である。次いで、試験試料ならびにポジティブ対照試料は、優先的に標的生体分子を含むウイルス、細胞または微生物を含む。優先的に、ポジティブ対照試料は、陰性ヒト血液マトリックスで急増(spike)する陽性血液培養物から得られる微生物を含む。したがって、好ましくは、ポジティブ対照試料は、ウイルス、細胞または微生物、より好ましくは微生物を含み、標的生体分子を含む試料であり、それにより、試料は標的生体分子を含むことが疑われる試料を含むのと同じまたはほぼ同じのさらなる生体分子(すなわち、環境)をさらに含む。標的生体分子が標的生体分子のグループである場合、標的生体分子の各々は、それぞれのウイルス、細胞または微生物中に含有される。次いで、ポジティブ対照試料は、試料処理が少なくともそれらの1つに作用することがわかるのに充分であるように、標的生体分子のグループの1つ以上またはすべての一員を含有し得る。これは、異なる病原性の、およびおそらく異なる疾患原因の潜在性を有するウイルス、細胞または微生物の完全な混合物を含むポジティブでない対照試料が消費者に販売され、配達されなければならないように、ウイルス、細胞または微生物が病原性である場合、特に重要である。したがって、ポジティブ対照試料は、標的生体分子のグループが試験される場合は、1種類のみの標的生体分子を含み得る。
試薬対照試料はまた、ポジティブ対照試料である、すなわち、これは、標的生体分子を含有する場合に、試験試料と同じシグナルを提供すべきであることを意味するポジティブ対照としての機能を果たすべきである。好ましくは、試薬対照試料は、標的生体分子またはその部分を含む溶液である。しかしながら、これは、ポジティブ対照試料としての試験試料と絶対的に同じ様式で処理されないポジティブ対照である、すなわち、例えば、含有される標的生体分子を得るための精製工程はない。標的生体分子としての核酸の場合、ポジティブ対照試料は、精製工程としての溶解および核酸単離ならびに(PCR)増幅および検出を含む完全なワークフローにより処理されるが、試薬対照試料は、(PCR)増幅および検出のみを受ける。したがって、ポジティブ対照試料は、試験試料と同じ環境で標的生体分子を含有する試料であり得るが、しばしば、これは本当ではない。しばしば、標的生体分子は、ウイルス、細胞または微生物に含有される生体分子、優先的に核酸である。次いで、試験試料ならびにポジティブ対照試料は優先的に標的生体分子を含むウイルス、細胞または微生物を含むが、試薬対照試料は標的生体分子のみを含む。したがって、好ましくは、試薬対照試料は、ウイルス、細胞または微生物に含有されない標的生体分子を含む試料であるので、試料は、他の生体分子をさらに含んでも含まなくてもよい。標的生体分子としての核酸の場合、例えば、増幅される核酸、アンプリコンが標的核酸の増殖を可能にするプラスミドにクローニングされるプラスミドの場合のように、標的核酸が他の核酸に連結または接続され得る。標的生体分子が標的生体分子のグループである場合、標的生体分子の各々は、試薬対照試料に含有される、すなわち、標的核酸のグループの場合は、例えば、種々のウイルスまたは微生物の検出のための、試薬対照試料は、優先的に標的核酸のグループ、すなわち、優先的に標的核酸のグループを含むプラスミドのグループを含む。好ましくは、試薬対照試料は、標的核酸のグループの場合、使用された各ハイブリダイゼーションプローブ対の増幅領域をカバーする個々のクローニングされた標的核酸配列の混合物を含む。
本発明によれば、内部対照生体分子は、試薬対照試料に添加されるか、含有され得る。試料は、当業者に公知の方法によってそれぞれのシグナルの存在について調べ得る。標的生体分子を含むことが疑われる試料は、内部対照生体分子のシグナルの存在と独立した標的生体分子のシグナルの存在について調べるか、または標的生体分子のシグナルが存在しない場合は、内部対照生体分子のシグナルの存在について調べる。核酸の場合、および標的核酸のシグナルが存在する場合、同じプライマーが増幅に使用されるように、存在する内部対照核酸のシグナルは必ずしもなく、標的核酸は、内部対照核酸の増幅および検出を考慮せずにより多くの量で存在し得る。
本発明の任意の態様において、生体分子または核酸は、例えば、固相および当業者に公知の方法を用いて試料から精製される。試料は、例えば、白血球などのヒトおよび動物細胞などの多細胞生物由来の細胞、ならびにハプテン、抗原、抗体および核酸、血漿、脳液、痰、便、生検材料試料、骨髄、口腔リンス液、血清、組織、尿またはその混合物などの免疫学的に活性な低および高分子化合物を含み得る。本発明の好ましい態様において、試料は、ヒトまたは動物身体由来の液体である。好ましくは、試料は、血液、血漿、血清または尿である。血漿は、好ましくはEDTA-、ヘパリン-またはクエン酸処理血漿である。核酸を含む生物学的試料は、核酸および他の成分をを含む生物学的化合物の混合物を作製するために溶解される。試料を溶解するための手順は専門家に知られており、化学的、酵素的または物理的な性質であり得る。これらの手順の組合せも同様に適用可能である。例えば、溶解は、超音波、高圧、剪断力、アルカリ、界面活性剤もしくはカオトロピック生理食塩水溶液、またはプロテアーゼもしくはリパーゼを用いて行なわれ得る。核酸を得るための溶解手順には、特に、Sambrook et al.:Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbour Laboratory Press、Cold Spring Harbour、NYおよびAusubel、F.、et al.:Current Protocols in Molecular Biology 1987、J. Wiley and Sons、NYを参照されたい。次いで、核酸は、本発明による方法および固相を用いて溶解混合物から単離され、次いで、本発明による方法に供され得る。また、カオトロピック剤を用いて、核酸および他の生物学的物質間の混合物を調製するために細胞を溶解する(例えば、Sambrook、J.、et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、1989、またはEP 0 389 063を参照のこと)。その後、ガラスまたはシリカを含む物質が添加され、これらの条件、すなわち、特定濃度のカオトロピック剤、高濃度の有機溶媒の存在下で、または酸性条件下でDNAまたはRNAがガラス表面を有する物質に結合する反応から精製効果が生じる。WO 01/37291に記載の磁気ガラス粒子が同様に使用され得る。
また別の好ましい態様において、標的生体分子は標的生体分子のグループである。
さらに別の好ましい態様において、生体分子は核酸である。
また別の好ましい態様において、標的核酸および内部対照核酸は、工程c)の前に増幅される。本発明の好ましい態様において、核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR;EP 0 201 184、EP 0 200 362、US 4,683,202)を用いて増幅される。増幅方法はまた、リガーゼ連鎖反応(LCR、Wu、D. Y.、およびWallace、R. B.、Genomics 4 (1989)560-9およびBarany、F.、Proc Natl Acad Sci USA 88 (1991)189-93;ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応(Barany、F.、PCR Methods Appl 1 (1991)5-16);Gap-LCR (PCT特許公開公報WO 90/01069);修復連鎖反応(欧州特許公開公報EP 0 439 182 A2)、3SR (Kwoh、D. Y.、et al., Proc Natl Acad Sci USA 86 (1989)1173-7;Guatelli、J. C.、et al., Proc Natl Acad Sci USA 87 (1990)1874-8;PCT特許公開公報WO 92/08808)、ならびにNASBA(US5,130,238)であり得る。さらに、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)、およびQβ-増幅(概説は、例えば、Whelen、A. C.、およびPersing、D. H.、Annu Rev Microbiol 50 (1996)349-73;Abramson、R. D.、およびMyers、T. W.、Curr Opin Biotechnol 4 (1993)41-7を参照のこと)がある。
ある態様において、該方法は、増幅された核酸を検出する工程を含む。増幅された核酸は、当業者に公知のおよび例えば、Sambrook、et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbor University Press (1989);Lottspeich and Zorbas、Bioanalytik (1998)、L. a. Zorbas編、Spektrum Akademischer Verlag、Heidelberg、Berlin、Germany、またはAusubel、F.、et al.の「Current protocols in molecular biology」(1994)、F. Ausubel、R. BrentおよびK. R.E.編、Wiley & Sons Verlag、New Yorkに記載されている標準的な分析方法によって測定または検出され得る。また、標的核酸が検出される前にさらなる精製工程、例えば、沈殿工程があり得る。検出方法としては、限定されないが、エチジウムブロミドのような二本鎖DNA内にインターカレートし、その後その蛍光が変化する特異的色素の結合または相互作用が挙げられ得る。精製された核酸はまた、任意に、制限消化後に電気泳動方法によって分離され、その後、可視化され得る。また、特異的配列へのオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションおよび続くハイブリッドの検出を利用するプローブ系アッセイがある。また、当業者に公知のさらなる工程後に標的核酸を配列決定することが可能である。他の方法は、多様な核酸配列を特異的プローブが結合され、相補的な配列が結合した場合はシグナルをもたらすシリコンチップに適用する。
本発明の特に好ましい態様において、核酸は、増幅中の蛍光強度を蛍光シグナルとして測定することにより検出される。この方法は、リアルタイム蛍光のモニタリングを当然に伴う。したがって、別の好ましい態様において、標的核酸または内部対照核酸のシグナルは蛍光シグナルである。蛍光シグナルは、好ましくは、標的核酸または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブに結合した標識によって生じる。
蛍光強度を測定することによる同時増幅および検出を利用する特に好ましい方法は、WO 92/02638および対応するUS 5,210,015、US 5,804,375、US 5,487,972に開示されたCOBAS TaqMan(登録商標)機器において行なわれる方法である。この方法は、シグナルを生成するポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を利用する。詳細には、核酸は、試料を、標的核酸の領域に相補的な配列を含有するオリゴヌクレオチド、および同じ標的核酸鎖の第2の領域に相補的な配列を含有するが第1のオリゴヌクレオチドに規定される核酸配列を含まない標識オリゴヌクレオチドと接触させ、ハイブリダイゼーション条件中に二本鎖の混合物を作製することを含む方法により検出され、ここで、該二本鎖は、第1のオリゴヌクレオチドの3'末端が標識オリゴヌクレオチドの5'末端に隣接するように第1のオリゴヌクレオチドおよび標識オリゴヌクレオチドにアニーリングした標的核酸を含む。次いで、この混合物は、ポリメラーゼの5'から3'へのヌクレアーゼ活性によりアニーリングされた標識オリゴヌクレオチドが切断され、標識断片が放出されるのを可能にするのに充分な条件下で、5'から3'へのヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存性核酸ポリメラーゼで処理される。標識オリゴヌクレオチドの加水分解によって生成されるシグナルは検出および/または測定される。TaqMan(登録商標)機器に使用される形式により、固相結合反応複合体を形成して検出可能にする必要性が排除される。より一般的な用語において、本発明による方法の増幅および/または検出反応は均一な溶液相アッセイである。
他の好ましい方法は、LightCycler(登録商標)機器(例えば、US 6,174,670を参照のこと)に使用される形式である。これらの形式は、蛍光共鳴エネルギー転移技術(例えば、米国特許第4,996,143号、同第5,565,322号、同第5,849,489号および同第6,162,603号を参照のこと)を適用し、ドナーおよび対応するアクセプター蛍光標識が互いに一定間隔以内に位置した場合、可視化あるいは検出および/または定量され得る2つの蛍光標識間にエネルギー転移が起こるという事実に基づく。本明細書で使用されるように、各々蛍光標識を含有する2つのプローブは、標的核酸へのプローブの相補性によって決定される特定の位置で増幅産物にハイブリダイズし得る。本発明によるプローブの蛍光標識は、ドナーまたはアクセプター蛍光標識であり得る。適切な位置での増幅産物へのプローブのハイブリダイゼーション時に、FRETシグナルが生成される。蛍光分析は、例えば、光子計測エピ蛍光顕微鏡系(特定の範囲での蛍光発光のモニタリングのための適切な二色性鏡およびフィルターを含む)、光子計測光電子増倍管系、または蛍光測定装置を用いて行なわれ得る。エネルギー転移を開始するための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、光ファイバー光源、または所望の範囲の励起のために適切にフィルターを通した他の高輝度光源を用いて行なわれ得る。ドナーおよび対応するアクセプター蛍光標識に関して本明細書に使用されるように、「対応する」は、ドナー蛍光標識の発光スペクトルと重複する励起スペクトルを有するアクセプター蛍光標識をいう。したがって、効率的な非放射性エネルギー転移がそれらの間に生成され得る。好ましい蛍光標識は、例えば、ドナー蛍光標識としてフルオレセインであり、それにより、アクセプター蛍光標識はローダミンである。他の好ましい標識は、シアニン色素または標識、好ましくはUS 6,174,670に記載のCy5である。したがって、より好ましくは、蛍光シグナルは、各核酸にハイブリダイズするプローブ対によって生じ、該プローブ対の一員は、互いに5ヌクレオチド以内の間隔で各核酸にハイブリダイズし、該プローブ対の第一プローブは、ドナー蛍光標識で標識され、該プローブ対の第二プローブは、対応するアクセプター蛍光標識で標識され、各核酸への第一プローブおよび第二プローブのハイブリダイゼーションが共鳴エネルギー転移関係をもたらす。
本発明の好ましい態様において、本発明による方法の工程c)は、以下のサブ工程:
c1)工程a)または工程b)で得られた試料に、
− 内部対照核酸および標的核酸にハイブリダイズするプライマー対、または第一のものが内部対照核酸にハイブリダイズし、第二のものが標的核酸にハイブリダイズする2つのプライマー対、
− 内部対照核酸にハイブリダイズする第一プローブ対であって、該第一プローブ対の一員が、互いに5ヌクレオチド以内の間隔で内部対照核酸にハイブリダイズし、該第一プローブ対の第一プローブは、第一ドナー蛍光標識で標識され、該第一プローブ対の第二プローブは、対応する第一アクセプター蛍光標識で標識され、内部対照核酸への第一プローブおよび第二プローブのハイブリダイゼーションが共鳴エネルギー転移関係をもたらす、第一プローブ対;
− 標的核酸にハイブリダイズする第二プローブ対であって、該第二プローブ対の一員は、互いに5ヌクレオチド以内の間隔で標的核酸にハイブリダイズし、該第二プローブ対の第一プローブは、第二ドナー蛍光標識で標識され、該第二プローブ対の第二プローブは、対応する第二アクセプター蛍光標識で標識され、標的核酸への第一プローブおよび第二プローブのハイブリダイゼーションが共鳴エネルギー転移関係をもたらす、第二プローブ対;ならびに
− 熱安定性核酸ポリメラーゼ、および内部対照核酸および標的核酸を増幅するために必要な試薬
を添加する工程、
c2)各試料中に存在する場合、内部対照核酸および標的核酸を試料中で増幅する工程、
c3) 各試料の温度の関数として内部対照核酸および標的核酸の蛍光シグナルの存在または非存在を別々に各試料中で測定する工程であって、
− 内部対照核酸に特異的な蛍光シグナルが第一プローブ対の該第一プローブの第一ドナー蛍光標識と第一プローブ対の第二プローブの第一アクセプター蛍光標識との間での蛍光共鳴エネルギー転移によって生じ、
− 標的核酸に特異的な蛍光シグナルが第二プローブ対の該第一プローブの第一ドナー蛍光標識と第二プローブ対の第二プローブの第一アクセプター蛍光標識との間での蛍光共鳴エネルギー転移によって生じる、工程
を含む。
内部対照核酸および標的核酸の蛍光シグナルの存在または非存在はそれぞれの試料の温度の関数として測定され得る(「融解曲線分析」)。かかる分析では、試料の温度を連続的に増加させ、(増幅された)標的核酸およびハイブリダイゼーションプローブ間に先に生成していたハイブリダイゼーション複合体が分離される正確な融解温度が測定される。かかるアプローチは、互いに単一ヌクレオチド多型によってのみ異なる標的分子の融解温度の差を検出するためにさえ使用され得る。換言すると、分析は、点変異の検出または同定のためにさえ使用され得る。かかる技術の例は、WO 97/46707、WO 97/46712およびWO 97/46714に詳細に開示され、その開示は参照により本明細書に援用される。
後の融解曲線分析分析中のPCR増幅産物の生成または変異の同定の連続モニタリングを可能にする標的依存性蛍光シグナル伝達に基づくいくつかの検出形式が開示されている(Wittwer、Carl T.、et al., BioTechniques 22 (1997)130-138に概説)。これらの検出形式としては、限定されないが、
−ハイブリダイゼーション時の増大蛍光共鳴エネルギー転移
が挙げられる。
この検出形式では、増幅産物の1つの鎖に隣接するが重複しない領域にハイブリダイズし得る各々が蛍光部分で標識された2つのオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブが使用される。好ましくは、第1のオリゴヌクレオチドは5'末端を標識し、第2のオリゴヌクレオチドは3'末端を標識する。標的DNAにハイブリダイズすると、2つの蛍光標識が近接し、その結果、2つの蛍光部分間に蛍光共鳴エネルギー転移が起こり得る。その結果、ハイブリダイゼーションが、ドナー部分の励起および第二アクセプター部分の蛍光発光の次の測定からモニターされ得る(WO 97/46714)。
類似の態様において、1つの蛍光標識プローブのみが使用され、これは、1つの適切に標識されたプライマーと共に特異的FRET対としての機能を果たし得る(Bernard、P.S.、et al., Analytical Biochemistry 255 (1998)101-107)。
−分子ビーコン
分子ビーコンオリゴヌクレオチドは、分子の二次構造により互いに近接する蛍光化合物およびクエンチャー化合物で標識される。標的DNAに結合すると、分子内水素結合が壊れ、プローブの1つの末端に結合された蛍光化合物がプローブの反対の末端に結合されたクエンチャー化合物から分離する(Lizardi et al., 米国特許第5,118,801号)。
融解点温度は、通常、試料を構成的温度増加に供し、単鎖へのハイブリダイゼーション複合体の解離を連続的に測定することにより実験で測定される。解離は、種々の異なる方法、例えば、UV吸光度のシフト、表面プラズモン共鳴または好ましくは蛍光手段によって検出され得る。後者の場合、ハイブリダイゼーションプローブは、通常、蛍光標識で標識され、蛍光シグナルの生成はいくぶんハイブリダイゼーション複合体の形成に依存する。
好ましい態様において、アッセイは均一な検出形式において行なわれる。例えば、標的核酸は、適当な増幅プライマーを用いた典型的なPCR反応において融解温度測定前に増幅され得る。適当なハイブリダイゼーションプローブは、増幅反応中に既に存在する。ハイブリダイゼーションプローブは、好ましくは、適切な励起後に検出可能な蛍光標識を有する。例えば、ハイブリダイゼーションプローブは、分子ビーコン(Lizardi et al., 米国特許第5,118,801号)、またはいわゆるFRET-Hybprobeホルメート(WO 97/46714)に従って共に作用し得る一対の蛍光標識オリゴヌクレオチドのいずれかであり得る。PCR-反応の終了後、試料の温度は、構成的に増加される。蛍光は、ハイブリダイゼーションプローブが標的DNAに結合される限り、検出され得る。しかしながら、融解温度では、ハイブリダイゼーションプローブは、その標的から放出され蛍光シグナルが直ちにバックグラウンドレベルまで減少する。この減少は、温度減少が観察される正確な温度値が測定され得るように、適切な温度-時間プロットでモニターされ得る。
好ましくは、標的核酸は、標的核酸のグループであり、プローブ対は、プローブ対のグループであり、それにより、各プローブ対は、標的核酸のグループの一員にハイブリダイズする。
好ましくは、標識は、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、またはクマリン色素である。より好ましくは、標識は、フルオレセイン、LC-Red 610、LC-Red 640、LC-Red 670またはLC-Red 705である。
好ましくは、標的核酸の核酸配列は、微生物、細胞またはウイルスに特異的な核酸配列である。より好ましくは、微生物は、グラム陽性菌もしくはグラム陰性菌または真菌である。
さらにより好ましくは、
a)グラム陽性菌は、Proteus mirabilis、Serratia marcescens、Acinetobacter baumannii、Klebsiella pneumoniae、Klebsiella oxytoca、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae、Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、もしくはStenotrophomonas maltophiliaであり、
b)グラム陰性菌は、Staphylococcus種、Enterococcus faeciumもしくはfaecalis、もしくはStreptococcus種であり、または
c)真菌は、Candida albicans、Aspergillus fumigatus、Candida krusei、Candida glabrata、Candida parapsilosis、もしくはCandida tropicalisである。
本発明の好ましい態様において、方法は自動化される、すなわち、該方法は、例えば、WO 99/16781に記載の自動化可能なプロセスを行なう。自動化可能なプロセスは、プロセスの工程が、ヒトによる外部制御または影響がほとんどまたは全く伴わずに操作可能である機器または機械により行なわれるのに適当であることを意味する。自動化方法は、自動化可能な方法の工程が、ヒトによる外部制御または影響がほとんどまたは全く伴わずに操作可能である機器または機械により行なわれることを意味する。方法の調製工程のみが、手作業によって行なわれる必要があり、例えば、保存容器が充填され、所定の位置に置かれなければならず、試料の選択、当業者に公知のさらなる工程、例えば、コンピュータ制御の操作は、ヒトによって行なわれなければならない。機器または機械は、例えば、自動的に、液体を添加し、試料を混合し、または特定の温度でインキュベーション工程を行ない得る。典型的に、かかる機械または機器は、単一の工程およびコマンドを指定するプログラムを実行するコンピュータによって制御されるロボットである。本発明の好ましい態様において、該方法は、ハイスループット型であり、すなわち、自動化された方法はハイスループット型で行なわれ、これは、方法および使用される機械または機器が、短時間での試料のハイスループットに最適化されることを意味する。
本発明の別の好ましい態様において、標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明する方法は、
a)標的生体分子を含むことが疑われ、内部対照生体分子を含む試料、および
− 内部対照生体分子を含み、標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、および
− 標的生体分子および内部対照生体分子を含むポジティブ対照試料
− 標的生体分子および任意に内部対照生体分子を含む試薬対照試料
を提供する工程、
b)内部対照生体分子および標的生体分子のシグナルを各試料中で測定する工程、
c) −内部対照生体分子のシグナルの存在と独立して標的生体分子のシグナルの存在について標的生体分子を含むことが疑われる試料を調べること、または標的生体分子のシグナルが非存在である場合に内部対照生体分子のシグナルの存在について調べること、
− 内部対照生体分子のシグナルの存在および標的生体分子のシグナルの非存在についてネガティブ対照試料を調べること、
− 標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存在についてポジティブ対照試料を調べること、ならびに
− 標的生体分子および任意に内部対照生体分子のシグナルの存在について試薬対照試料を調べること
によって試験試料中の標的生体分子の存在を示す試験試料中の標的生体分子のシグナルの存在を証明する工程
を含む。
本発明の別の好ましい態様において、内部対照生体分子は、標的生体分子の部分を含み、ポジティブ対照試料は、標的生体分子を含むウイルス、微生物または細胞を含み、または、ポジティブ対照試料は、標的生体分子もしくはその部分を含む溶液であり、または、試薬対照試料は、標的生体分子もしくはその部分を含む溶液である。
好ましくは、標的生体分子は標的生体分子のグループである。
より好ましくは、生体分子は核酸である。
好ましい態様において、標的核酸および内部対照核酸は、工程b)の前に増幅される。好ましい増幅工程は、上記のとおりである。
好ましい増幅および検出方法は、上記のとおりである。さらに別の好ましい態様において、標的核酸または内部対照核酸のシグナルは蛍光シグナルである。より好ましくは、蛍光シグナルは、標的核酸または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブに結合した標識によって生じる。
標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法の態様のすべての他の好ましい態様および具体的な記載は、本発明による方法、すなわち、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出するための方法(上記)、標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出するための方法(下記)、および標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法または方法(下記)について記載されるものである。
本発明のさらに別の態様において、
a)内部対照核酸を、
− 標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料、および
− 標的核酸のグループの一員を含まないネガティブ対照試料、および
− 標的核酸のグループの一員を含むポジティブ対照試料
に添加する工程、
b)標的核酸のグループおよび任意に内部対照核酸を含む試薬対照試料を提供する工程、
c)精製された核酸を含む試料を得るために工程a)および/または工程b)の試料から核酸を任意に精製する工程、
d)工程a)および工程b)または工程b)および工程c)で得られた各試料中で内部対照核酸のシグナルおよび標的核酸のグループの一員のシグナルの存在または非存在を測定する工程、
e) −内部対照核酸のシグナルの存在と独立して標的核酸のグループの一員のシグナルの存在について標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料を調べること、または標的核酸のグループの一員のシグナルが非存在である場合に内部対照核酸のシグナルの存在について調べること
− 内部対照核酸のシグナルの存在および標的核酸のシグナルの非存在についてネガティブ対照試料を調べること
− 標的核酸のグループの各一員および任意に内部対照核酸のシグナルの存在について試薬対照試料を調べること、ならびに
− 標的核酸のグループの一員および内部対照核酸のシグナルの存在についてポジティブ対照試料を調べること
によって標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員のシグナルの存在または非存在を証明する工程、
f)標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出する工程であって、工程d)で測定され、かつ工程e)で証明された標的核酸のグループの一員および内部対照核酸のシグナルの存在および/または非存在が標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を示す、工程
を含むまたはによって、標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出する方法が提供される。
この方法は、標的核酸のグループおよび任意に内部対照核酸を含む試薬対照試料の使用により、試薬、すなわち、特にすべての標的核酸のグループの各一員を検出するためのプライマーおよびプローブが内部対照核酸による対照に加えて適正に作用しているか否かを測定することが可能になるという利点を有する。
本発明の好ましい態様において、内部対照生体分子が、標的生体分子の部分を含み、ポジティブ対照試料が、標的生体分子を含むウイルス、微生物または細胞を含み、または、ポジティブ対照試料が、標的生体分子またはその部分を含む溶液であり、または、試薬対照試料が、標的生体分子またはその部分を含む溶液である。
本発明の別の好ましい態様において、標的核酸のグループの一員および内部対照核酸は工程d)の前に増幅される。好ましい増幅工程は上記のとおりである。
好ましい増幅および検出方法は、上記のとおりである。本発明の別の好ましい態様において、標的核酸のグループの一員または内部対照核酸のシグナルは蛍光シグナルである。好ましくは、蛍光シグナルは、標的核酸のグループの一員または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブに結合した標識によって生じる。より好ましくは、蛍光シグナルは、標的核酸のグループの一員にハイブリダイズするプローブ対のグループの一員または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブ対の一員によって生じ、標的核酸のグループの一員にハイブリダイズするプローブの対のグループの各一員の一員、または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブ対の一員は、互いに5ヌクレオチド以内の間隔で各核酸にハイブリダイズし、プローブ対の第一プローブは、ドナー蛍光標識で標識され、プローブ対の第二プローブは、対応するアクセプター蛍光標識で標識され、標的核酸のグループの一員または内部対照核酸への第一プローブおよび第二プローブのハイブリダイゼーションが共鳴エネルギー転移関係をもたらす。
好ましくは、本発明による方法の工程d)は、以下のサブ工程:
d1)工程a)および工程b)または工程b)および工程c)で得られた試料に、
− 内部対照核酸および標的核酸のグループの一員にハイブリダイズするプライマー対、または内部対照核酸にハイブリダイズするプライマー対およびその各一員が標的核酸のグループの一員にハイブリダイズするプライマー対のグループ、
− 内部対照核酸にハイブリダイズする第一プローブ対であって、該第一プローブ対の一員は、互いに5ヌクレオチド以内の間隔で内部対照核酸にハイブリダイズし、該第一プローブ対の第一プローブは、第一ドナー蛍光標識で標識され、該第一プローブ対の第二プローブは、対応する第一アクセプター蛍光標識で標識され、内部対照核酸への第一プローブおよび第二プローブのハイブリダイゼーションが共鳴エネルギー転移関係をもたらす、第一プローブ対;
− 各一員が標的核酸のグループの一員にハイブリダイズするプローブ対のグループであって、プローブ対のグループの一員は、互いに5ヌクレオチド以内の間隔で標的核酸のグループの各一員にハイブリダイズし、プローブ対のグループの一員の第一プローブは、第二ドナー蛍光標識で標識され、プローブ対のグループの一員の第二プローブは、対応する第二アクセプター蛍光標識で標識され、標的核酸のグループの一員への第一プローブおよび第二プローブのハイブリダイゼーションが共鳴エネルギー転移関係をもたらす、プローブ対のグループ;ならびに
− 熱安定性核酸ポリメラーゼ、および内部対照核酸および標的核酸のグループを増幅するために必要な試薬
を添加する工程、
d2)各試料に存在する場合、内部対照核酸および標的核酸のグループを試料中で増幅する工程、
d3)各試料の温度の関数として内部対照核酸および/または標的核酸のグループの一員の蛍光シグナルの存在または非存在を別々に各試料中で測定する工程であって、
− 内部対照核酸に特異的な蛍光シグナルが第一プローブ対の該第一プローブの第一ドナー蛍光標識と第一プローブ対の第二プローブの第一アクセプター蛍光標識との間での蛍光共鳴エネルギー転移によって生じ、
− 標的核酸のグループの一員に特異的な蛍光がプローブ対のグループの一員の該第一プローブの第一ドナー蛍光標識とプローブ対のグループの一員の第二プローブの第一アクセプター蛍光標識との間での蛍光共鳴エネルギー転移によって生じる、工程
を含む。
内部対照核酸および/または標的核酸のグループの一員の蛍光シグナルの存在または非存在は、温度の関数として測定される(「融解曲線分析」)。融解曲線分析の正確な記載は上記に見出され得る。
好ましくは、標識は、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素またはクマリン色素である。より好ましくは、標識は、フルオレセイン、LC-Red 610、LC-Red 640、LC-Red 670またはLC-Red 705である。
本発明の別の好ましい態様において、標的核酸のグループの一員は、微生物、細胞またはウイルスに特異的な核酸配列を含む。好ましくは、微生物はグラム陽性菌もしくはグラム陰性菌または真菌である。より好ましくは、
− a)グラム陽性菌は、プロテウス ミラビリス(Proteus mirabilis)、セラチア マルセッセンス(Serratia marcescens)、アシネトバクター バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、エンテロバクター アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター クロアカ(Enterobacter cloacae)、大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、もしくはステトロフォモナス マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)であり、
b)グラム陰性菌は、スタフィロコッカス種(Staphylococcus spp.)、エンテロコッカス フェシウム(Enterococcus faecium)あるいはエンテロコッカス フェシウム(Enterococcus faecalis)もしくはストレプトコッカス種(Streptococcus spp.)であり、または
c)真菌は、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、アスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigatus)、カンジダ クルセイ(Candida krusei)、カンジダ グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis)、もしくはカンジダ トロピカリ(Candida tropicalis)である。
標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出するための方法の態様のすべての他の好ましい態様および具体的な記載は、本発明による方法、すなわち、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出するための方法(上記)、標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法(上記)、および標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法(下記)について記載のものである。
本発明の別の態様において、
a)− 標的核酸のグループの一員を含むことが疑われ、内部対照核酸を含む試料、
− 標的核酸のグループおよび任意に内部対照核酸を含む試薬対照試料、
− 標的核酸のグループの一員を含まず、内部対照核酸を含むネガティブ対照試料、ならびに
− 標的核酸のグループの一員および内部対照核酸を含むポジティブ対照試料
を提供する工程、
b)内部対照核酸および標的核酸のグループの一員のシグナルを各試料中で測定する工程、
c)− 内部対照核酸のシグナルの存在と独立して標的核酸の一員のシグナルの存在について標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料を調べること、または標的核酸のグループの一員のシグナルが非存在である場合に内部対照核酸のシグナルの存在について試料を調べること
− 標的核酸のグループの各一員のシグナルの存在について試薬対照試料を調べること
− 標的核酸のグループの一員のシグナルの非存在および内部対照核酸のシグナルの存在についてネガティブ対照試料を調べること、ならびに
− 標的生体分子および内部対照核酸のシグナルの存在についてポジティブ対照試料を調べること
によって標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員のシグナルの存在を証明する工程
を含む、標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明する方法が提供される。
好ましい態様において、内部対照核酸は、標的核酸のグループの一員の部分を含み、ポジティブ対照試料は、標的核酸を含むウイルス、微生物もしくは細胞を含み、または、ポジティブ対照試料が、標的核酸のグループの一員もしくはその部分を含む溶液であり、または、試薬対照試料が、標的核酸のグループの一員もしくはその部分を含む溶液である。
好ましくは、標的核酸および内部対照核酸は、工程c)の前に増幅される。好ましい増幅工程は上記のとおりである。
好ましい増幅および検出方法は、上記のとおりである。好ましくは、標的核酸のグループの一員または内部対照核酸のシグナルは蛍光シグナルである。より好ましくは、蛍光シグナルは、標的核酸のグループの一員または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブに結合した標識によって生じる。
標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法の態様のすべての他の好ましい態様および具体的な記載は、本発明による方法、すなわち、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出するための方法(上記)、標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法(上記)、および標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出するための方法(上記)について記載のものである。
本発明の別の態様において、任意に内部対照生体分子を含む試薬対照試料および内部対照生体分子を含むポジティブ対照試料であって、標的生体分子を含む両試料が、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出するため、または標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するために使用される。本発明による方法のすべての好ましい態様もまた、本発明による使用の好ましい態様である。
別の好ましい態様において、
a)標的核酸または標的核酸のグループの一員を含む試薬対照試料、
b)標的核酸または標的核酸のグループの一員を含まないネガティブ対照試料、
c)標的核酸または標的核酸のグループの一員を含むポジティブ対照試料、
d)内部対照核酸、および
e)標的核酸または標的核酸のグループの一員を検出する試薬
を含む、標的核酸または標的核酸のグループの一員の検出用キットが提供される。
好ましくは、本発明によるキットにおいて、
標的核酸または標的核酸のグループの一員を検出する試薬は、
− プローブ対およびプライマー対、
− 熱安定性核酸ポリメラーゼ、ならびに
− 標的核酸または標的核酸のグループの一員を増幅する試薬
を含む。
当該技術分野で公知のかかるキットは、例えば、96もしくは384ウェル型のマイクロタイタープレートまたは例えば、Eppendorf、Hamburg、Germanyによって製造された単なる通常の反応チューブのような試料調製手順中に使用され得るプラスチック器物および本発明による方法を行なうための他の試薬をさらに含む。したがって、キットは、核酸に親和性を有する物質をさらに含み得、好ましくは、核酸に親和性を有する物質は、シリカ表面を有する物質を含む。好ましくは、シリカ表面を有する物質はガラスである。最も好ましくは、核酸に親和性を有する物質は、磁気ガラス粒子を含む組成物である。キットは、例えば、カオトロピック剤、界面活性剤もしくはアルコールまたは細胞の溶解を可能にするその混合物を含有する溶解バッファーをさらにまたは追加で含み得る。本発明によるキットのこれらの成分は、チューブまたは保存容器内に別個に提供され得る。成分の性質に応じて、これらは、単一のチューブまたは保存容器中にすら提供され得る。キットは、DNAまたはRNAが結合される場合に磁気ガラス粒子の洗浄工程に適当な洗浄溶液をさらにまたは追加で含み得る。この洗浄溶液は、上記のエタノールおよび/またはカオトロピック剤を含まない酸性pHを有する緩衝溶液または溶液中に、エタノールおよび/またはカオトロピック剤を含有し得る。しばしば、洗浄溶液または他の溶液は、使用前に希釈しなければならないストック溶液として提供される。
キットは、希釈剤または溶出バッファー、すなわち、磁気ガラス粒子に結合されたDNAまたはRNAを溶出するための溶液またはバッファー(例えば、10mM Tris、1mM EDTA、pH8.0)または純水をさらにまたは追加で含み得る。さらに、核酸、すなわち、DNAまたはRNAの精製プロセスに使用され得るさらなる試薬または緩衝溶液が存在し得る。
本発明による使用およびキットの態様のすべての他の好ましい態様および具体的な記載は、本発明による方法、すなわち、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出するための方法(上記)、標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法(上記)、標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出するための方法(上記)、および標的核酸のグループの一員の存在を示すシグナルの測定を証明するための方法(上記)について記載のものである。
以下の実施例および図面は、本発明の理解を補助するために提供され、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に示される。本発明の範囲から逸脱することなく、示された手順において変形がなされ得ることが理解される。
すべての図は、x軸に温度を、およびy軸に蛍光強度グラフの負の一次導関数(-dF/dT蛍光)を示す。
概略
すべての試薬は、検出される生物による汚染について調べる必要がある。該生物およびそれに由来する核酸のない試薬のみによって最適感度がもたらされ得る。
対照
16s rRNA(リボソームリボ核酸)および23sRNA遺伝子(細菌標的)の間ならびに18s rRNAおよび28sRNA遺伝子(真菌標的)の間にITS領域(ITS:内部転写スペーサー)を含むプラスミドDNA(ほぼ104コピーのプラスミドDNA)の混合物を、RC G-、RC G+、RC FおよびIC対照試薬(RC:試薬対照、G-:グラム陰性、G+:グラム陽性、F:真菌、IC:内部対照)の調製のために使用した。
a)RC G-:
pTE-Smar-1: S.marcescens 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Abau-1: A.baumannii 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Koxy-1: K.oxytoca 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Eclo-1: E.cloacae 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Ecol-1: 大腸菌16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Pmir-1: P.mirabilis 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Paer-2 P. aeruginosa 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pTE-Smal-1: S.maltophilia 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
b)RC G+:
pStaph_wt: S. aureus 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pEntero_l: E. faecalis 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pEntero_2: E. faecium 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pStrep_wt S.pneumoniae 16S/23S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
RC F:
pAfum-PC-PFl: A. fumigatus 18S/28S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pCgla-PC-PFl: C. glabrata 18S/28S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pCalb-PC-PFl: C. albicans 18S/28S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pCkru-PC-PFl: C. krusei 18S/28S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pCtrop-PC-PFl: C.tropicalis 18S/28S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pCpara-PC-PFl: C.parapsilosis 18S/28S-rRNA-スペーサー領域を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
c)IC:
pTE-Paer-IC/2: P. aeruginosa 16S/23S-rRNA-スペーサー領域およびIC G特異的プローブ結合部位を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pIC G+: E.faecium 16S/23S-rRNA-スペーサー領域およびIC G+特異的プローブ結合部位を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
pAfum(FP10/21)-ICv2-PFl: C. albicans 18S/28S-rRNA-スペーサー領域およびIC F特異的プローブ結合部位を含むpT3T7BMに基づくプラスミド
適当なベクターの1つは、T3およびT7 RNAポリメラーゼのためのプロモーターの他にマルチプルクローニングサイトを有し、Roche Diagnostics、Mannheim、Germanyから入手され得る実施例で使用されたpT3T7BMである。ベクターの配列データベースを参照のこと(http://seq.yeastgenome.orgまたはhttp://seq.yeastgenome.org/vectordb/vector_descrip/PT3T7BM.html)。
ハードウェア/ソフトウェア
100μlキャピラリーローターを有するLightCyclerTM2.0機器(Roche Diagnostics GmbH、Germany)を、610nm、640nm、670nmおよび705nmでのハイブリダイゼーションプローブの蛍光検出に使用した。生データの作成およびデータの分析は、LightCyclerソフトウェア4.05(Roche Diagnostics GmbH、Germany)を用いて行なった。
試薬
本明細書に述べたすべてのオリゴヌクレオチドは、化学合成によって調製した。標識を結合させるための試薬は、Roche Diagnostics GmbHから購入することができる(LightCycler Red 640 NHSエステル カタログ番号2015161;LightCycler Red 705ホスホルアミダイト カタログ番号2157594;LightCyclerフルオレセイン(以下、「F」と略記)CPGカタログ番号3113906)。該試薬の使用は、Biochemica No. 1 (2001)、p.8-13に記載されている。Cy5-NHSエステルは請求によりAmershamから得られる。LC-Red 610-NHSエステルは、610nmで最大の発光を有し、US 5,750,409に開示された蛍光色素を用いて標準的なプロトコルに従って合成した。
FastStart DNAポリメラーゼおよびFastStart Masterは、LightCycler(登録商標)FastStart(登録商標)DNA Master Hybridization Probes Kit (Roche Diagnostics GmbHカタログ番号2239272)に推奨されるとおりに一般的に使用した。キットの製造業者の使用説明書に従い、プライマーを各々0.3〜1μMの最終濃度で、およびハイブリダイゼーションプローブを各々ほぼ0.2μMの最終濃度で使用した。使用したMgCl2の濃度は3.5mMであった。
試薬およびキットはRoche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany) から入手可能である。
方法
試料(特に臨床用試料)を試料調製に供し、このとき、試料のその他の成分から核酸を放出させ、精製した。これは、MagNA PureTM LC and MagNA PureTM LC DNA単離キットIII(細菌、真菌)(Roche Diagnostics GmbH、Germany、カタログ番号3 264 785)を用いて行なった。試料調製により、溶出バッファー中に核酸を含む被検物がもたらされた。
ICを、試料調製手順またはLightCycler(登録商標)機器の各キャピラリーにおけるアッセイ性能のいずれに対するインプロセス制御であることが意図されるかに応じて、試料調製において処理する(例えば、MagNA Pure(登録商標)機器において)か、または完成したマスターミックス(下記参照)に添加した。精製された核酸調製物および試料として対応する対照試薬(RC G+、RC G-、RC F)を用い、以下の熱サイクルおよび融解温度プロフィールを使用して、100μlの反応容量においてLightCycler(登録商標)機器内での運転を行なった。
Figure 0005099920
図1は、RC G+(反応対照G+)の融解曲線分析の結果を示す。RC G+試薬に示される異なる標的生物の各々について、個々の融解曲線ピーク(dF/dT;F=蛍光;T=温度)は、異なる検出チャネルおよび異なる融解ピーク温度で検出され得た。 図2は、RC G-(反応対照G-)の融解曲線分析の結果を示す。RC G-試薬に示される異なる標的生物の各々について、個々の融解曲線ピーク(dF/dT;F=蛍光;T=温度)は、異なる検出チャネルおよび異なる融解ピーク温度で検出され得た。 図3は、RC F(反応対照F)の融解曲線分析の結果を示す。RC F試薬に示される異なる標的生物の各々について、個々の融解曲線ピーク(dF/dT;F=蛍光;T=温度)は、異なる検出チャネルおよび異なる融解ピーク温度で検出され得た。 図4は、3つの異なる多重実験で得られたRC G-(反応対照G-;検出チャネル610)の融解曲線分析を示す。第1の実験において、RC G-で示された3つの標的生物すべてで融解ピーク(dF/dT;F=蛍光;T=温度)が得られたが、第2および第3の実験では、それぞれ、標的2および標的1で融解ピークがない。なくなった融解曲線ピークは、それぞれ標的2および標的1の検出のために実験2および3で使用された試薬および/または不適当な反応条件の不首尾を明白に示す。 図5は、E. faecalisおよびC. albicansを含有する血液試料の融解曲線分析の結果を示す。ICは、試料調製前の血液試料に対して急上昇(spike)させ、標的核酸とともに共精製した。個々の融解曲線シグナルが、G+アッセイおよびFアッセイにおいて2つの標的生物(E. faecalis、C. albicans)について得られたが、G-アッセイでは得られなかった。しかしながら、3つのアッセイ(G+、G-、F)すべてにおいて、予測された融解ピーク温度(IC G+、IC G-、IC F)で、対応するICシグナルが検出された。観察されたICシグナルは、適当な反応条件が使用されたことを示し、したがって、3つのアッセイすべてについて得られた結果の妥当性を示す。

Claims (15)

  1. 以下の工程:
    a) 工程a1)または工程a2)からなる工程、
    a1)内部対照生体分子を、
    標的生体分子を含むことが疑われる試料、および
    標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、
    標的生体分子を含むポジティブ対照試料、および
    標的生体分子を含む第2のポジティブ対照試料
    に添加する工程、
    a2)内部対照生体分子を、
    標的生体分子を含むことが疑われる試料、および
    標的生体分子を含まないネガティブ対照試料、および
    標的生体分子を含むポジティブ対照試料、
    に添加する工程、ならびに
    標的生体分子を含む第2のポジティブ対照試料を提供する工程、
    b)精製された生体分子を含む試料を得るために工程a)の試料から生体分子を精製する工程、ここで、ポジティブ対照試料は、該精製に供されるが、第2のポジティブ対照試料は、該精製に供されない、
    c)内部対照生体分子のシグナルおよび標的生体分子のシグナルの存在または非存在を工程a)または工程b)で得られた各試料中で測定する工程、
    d)内部対照生体分子のシグナルの存在と独立して標的生体分子のシグナルの存在について標的生体分子を含むことが疑われる試料を調べること、または標的生体分子のシグナルが非存在である場合に内部対照生体分子のシグナルの存在について調べること、
    内部対照生体分子のシグナルの存在および標的生体分子のシグナルの非存在についてネガティブ対照試料を調べること、
    標的生体分子のシグナルの存在および内部対照生体分子のシグナルの存在についてポジティブ対照試料を調べること、ならび
    的生体分子のシグナルの存在について第2のポジティブ対照試料を調べること、または標的生体分子のシグナルおよび任意に内部対照生体分子のシグナルの存在について第2のポジティブ対照試料を調べること
    によって標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子のシグナルの存在または非存在を証明する工程、ならびに
    e)標的生体分子の存在または非存在を検出する工程、ここで、工程c)で測定され、かつ工程d)で証明された標的生体分子および内部対照生体分子のシグナルの存在または非存在が、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を示す
    含む、標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在または非存在を検出する方法。
  2. ポジティブ対照試料が、標的生体分子を含むウイルス、微生物または細胞を含む、請求項1記載の方法。
  3. 標的生体分子が標的生体分子のグループである、請求項1または2記載の方法。
  4. 生体分子が核酸である、請求項1〜いずれか記載の方法。
  5. 標的核酸および内部対照核酸が工程c)の前に増幅される、請求項記載の方法。
  6. 標的核酸または内部対照核酸のシグナルが蛍光シグナルである、請求項4または5記載の方法。
  7. 蛍光シグナルが標的核酸または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブに結合した標識によって生じる、請求項記載の方法。
  8. 標的核酸の核酸配列が微生物、細胞またはウイルスに特異的な核酸配列である、請求項いずれか記載の方法。
  9. a)内部対照核酸を、
    標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料、および
    標的核酸のグループの一員を含まないネガティブ対照試料、および
    標的核酸のグループの一員を含むポジティブ対照試料
    に添加する工程、
    b)標的核酸のグループおよび任意に内部対照核酸を含む第2のポジティブ対照試料を提供する工程、
    c)精製された核酸を含む試料を得るために工程a)および/または工程b)の試料から核酸を精製する工程、ここで、ポジティブ対照試料は、該精製に供されるが、第2のポジティブ対照試料は、該精製に供されない、
    d)工程a)および工程b)または工程b)および工程c)で得られた各試料中で内部対照核酸のシグナルおよび標的核酸のグループの一員のシグナルの存在または非存在を測定する工程、
    e)内部対照核酸のシグナルの存在と独立して標的核酸のグループの一員のシグナルの存在について標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料を調べること、または標的核酸のグループの一員のシグナルが非存在である場合に内部対照核酸のシグナルの存在について調べること、
    内部対照核酸のシグナルの存在および標的核酸のシグナルの非存在についてネガティブ対照試料を調べること、
    標的核酸のグループの各一員のシグナルおよび任意に内部対照核酸のシグナルの存在について第2のポジティブ対照試料を調べること、ならびに
    標的核酸のグループの一員のシグナルの存在および内部対照核酸のシグナルの存在についてポジティブ対照試料を調べること
    によって標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員のシグナルの存在または非存在を証明する工程、ならびに
    f)標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出する工程、ここで、工程d)で測定され、かつ工程e)で証明された標的核酸のグループの一員および内部対照核酸のシグナルの存在または非存在が、該標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を示す
    よって標的核酸のグループの一員を含むことが疑われる試料中の標的核酸のグループの一員の存在または非存在を検出する方法。
  10. 内部対照核酸が標的核酸の一部を含み、
    ポジティブ対照試料が標的核酸を含むウイルス、微生物もしくは細胞を含み、または、ポジティブ対照試料が標的核酸もしくはその一部を含む溶液であり、または
    第2のポジティブ対照試料が標的核酸またはその一部を含む溶液である、請求項記載の方法。
  11. 標的核酸のグループの一員および内部対照核酸が工程d)の前に増幅される、請求項9または10記載の方法。
  12. 標的核酸のグループの一員のシグナルまたは内部対照核酸のシグナルが蛍光シグナルである、請求項11いずれか記載の方法。
  13. 蛍光シグナルが、該標的核酸のグループの一員または内部対照核酸にハイブリダイズするプローブに結合した標識によって生じる、請求項12記載の方法。
  14. 標的核酸のグループの一員が微生物、細胞またはウイルスに特異的な核酸配列を含む、請求項13いずれか記載の方法。
  15. 標的生体分子を含むことが疑われる試料中の標的生体分子の存在もしくは非存在を検出するための、または標的生体分子の存在を示すシグナルの測定を証明するための、任意に内部対照生体分子を含む第2のポジティブ対照試料および内部対照生体分子を含むポジティブ対照試料の使用であって、両試料は標的生体分子を含ポジティブ対照試料は、その中に含まれる標的生体分子を得るための精製工程に供されるが、第2のポジティブ対照試料は、該精製工程に供されない、使用。
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