JP5089404B2 - 水抜き栓 - Google Patents
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Description
図28に示すように、コンクリート基礎900は、土地に平滑に形成されたベタ基礎901と、ベタ基礎901に立設された布基礎902とから構成されている。布基礎902には、ベタ基礎901との接合部に水抜き穴905が形成されている。水抜き穴905は、建造物の建築中に雨が降った場合等に、ベタ基礎901上に溜まった水を排出するためのものである。なお、図28中、領域901a及び領域901bは、部屋となる領域であり、領域901cは、玄関となる領域である。また、布基礎902には、アンカーボルト904の一部が埋設され、他端が突出した状態となっている。
(1)ベタ基礎に設けられた貫通孔に設置する水抜き栓であって、
上記貫通孔の上開口部に嵌入される筒形状の枠部材、及び、
該枠部材内に配置され、上記ベタ基礎の上面から水が流入することにより開放され、当該水を下方へ流下可能とする弁を有し、上記枠部材内に、該枠部材内を白蟻が通過するのを防止するための網が設けられていることを特徴とする水抜き栓。
(2) 上記(1)記載の水抜き栓であって、
上記網は、着脱可能に設けられていることを特徴とする。
勿論、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。
図1(a)は、第1実施形態に係る本発明の水抜き栓の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、その使用状態を示す縦断面図である。
図3(a)は、図2に示した枠部材を示す平面図であり、図3(b)は、その縦断面図であり、図3(c)は、その底面図である。
枠部材20は、筒形状をしており、内部には円形であり且つその面が水平面に対して傾斜しているシート保持部21が形成されている。シート保持部21は、水平面に対して20度傾斜しており、平面視で枠部材20における中心よりもずれた位置に中心を有する円形の水流下用穴22が設けられている。また、シート保持部21の外周部分には、位置合わせ用の凹部26が設けられており、シート60に設けられた位置合わせ用凹部32を係合させることができる。
図5(a)は、図4に示した封止部材を示す左側面図であり、図5(b)は、その平面図であり、図5(c)は、その縦断面図であり、図5(d)は、その底面図であり、図5(e)は、その右側面図である。
封止部材30は、シート保持部21の傾斜に沿うように底面31が傾斜しており、底面31の傾斜上側には、半円状の水流下用穴32が設けられている。底面31の水流下用穴32よりも傾斜下側の上部には、水ガイド部33が設けられており、水ガイド部33上に流下してくる水は、水流下用穴32の方向に誘導される。底面31と水ガイド部33との間には、複数のリブ34が形成されており、封止部材30の強度の強化が図られている。底面31の外周部分には、位置合わせ用の凸部36が設けられており、シート60に設けられた位置合わせ用凹部42を係合させることができる。
水抜き用シート40は、PET(ポリエチレンテレフタラート)からなる厚みが約100μmの円形状を有するシートであり、中央側部には、半円状の穴41が設けられている。水抜き用シート40の外周には、位置合わせ用凹部42が3カ所設けられており、封止部材30に設けられた位置合わせ用凸部36を係合させることができる。
なお、本願発明において、水抜き用シート40は、弾性変形可能なものであればよく、その材料は、ある程度撓むものであれば、特に限定されるものではなく、第1実施形態のように樹脂であってもよく、また、金属であってもよい。また、シートの厚みも特に限定されるものではなく、選択する材料に応じてある程度撓むように適宜設定すればよい。
図8(a)は、図7に示した固定部材を示す平面図であり、図8(b)は、その側面図であり、図8(c)は、その縦断面図である。
固定部材50は、平面視で円形の水抜き穴51が4カ所に設けられたキャップ形状をしており、中央に向かうにつれて下側に窪むようにその表面が曲面となっている。水抜き穴51には、異物流入防止用の網部52が一体的に形成されており、比較的大きな石等が水抜き栓10の内部に流入できないようになっている。固定部材50の上面には、平面視で十字状のリブ53が設けられており、固定部材50の強度の強化が図られている。このリブ53は、着脱時に把持する取手の役割を兼ね備えている。
金網60は、ステンレス製であり、開口部の全体を覆う大きさに設定されている。金網60の編目の一辺の長さは、約0.5mm(40メッシュ程度)である。編目のサイズは、白蟻が通過することができず、且つ、砂等による目詰まりを起こさない程度に設定されていれば、特に限定されない。本発明において、編目は、0.1mm以上0.5mm以下であることが望ましい。第1実施形態では、開口部の全体を覆うように金網60が設けられて金網60が設けられているため、より確実に白蟻の進入を防ぐことができる。
図11(a)は、図10に示した蓋を示す平面図であり、図10(b)は、その縦断面図であり、図10(c)は、その底面図である。
蓋70は、枠部材20の外周に相当する大きさの凹部71を有する皿形状をしており、外周には、取手72が形成されている。蓋70は、基礎の施工後、部屋等を施工する際に、作業者が水抜き栓10につまずくことや、作業時に異物が水抜き栓10内に入ってしまうことを防止するために用いられるものであり、部屋等の施工が終了した後には、取り外される。
なお、本実施形態では、蓋70が取り外し可能である場合について説明したが、本発明において、蓋は、ヒンジ等により枠部材に接続されていてもよい。このような構成とした場合、蓋をなくしてしまうおそれを回避することができる。
筒状体80は、下側に転倒防止部81が設けられた円筒形状をしており、上部に枠部材20を嵌合させることができる。
図13は、第1実施形態に係るコンクリート基礎を模式的に示す斜視図である。
図13に示すように、コンクリート基礎90は、土地に平滑に形成されたベタ基礎91と、ベタ基礎91に立設された布基礎92とから構成されている。ベタ基礎160には、所定の間隔で筒状体80(図示せず)が載置された状態でコンクリートが流し込まれることにより貫通孔93が形成されており、貫通孔93には、水抜き栓10が設置されている。すなわち、水抜き栓10は、ベタ基礎91に所定の間隔で設けられている。なお、図13中、領域91a及び領域91bは、部屋となる領域であり、領域91cは、玄関となる領域である。また、布基礎92には、アンカーボルト94の一部が埋設され、他端が突出した状態となっている。
ベタ基礎91上に水が溜まると、この水は、水抜き栓10に進入する。以下進入してきた水を水Wということとする。このとき、水Wと共に径の大きい石等の異物が進入してきた場合には、この異物が固定部材50の網部52により塞き止められる。
まず、建物を建てるべき部位全体を所定の深さ掘り下げた後、平らにし、その上に大きめの石190(以下、割栗石190ともいう)を敷き、割栗石190の間に砂利(砕石ともいう)を敷き詰める。
以上により、筒状体80が設けられた状態のベタ基礎91が形成される。
この後、必要に応じて、蓋70を枠部材20の上側から着脱することができる。
第2実施形態に係る水抜き栓は、封止部材の構造が第1実施形態に係る水抜き栓10と異なり、その他の構成は同一である。そこで、以下では、第2実施形態に係る水抜き栓の封止部材についてのみ説明することとする。
図15は、第2実施形態に係る水抜き栓が備える封止部材を示す斜視図である。
図16(a)は、図15に示した封止部材を示す左側面図であり、図16(b)は、その平面図であり、図16(c)は、その縦断面図であり、図16(d)は、その底面図であり、図16(e)は、その右側面図である。
封止部材130は、第1実施形態に係る封止部材30に比して、水ガイド部33、及び、リブ34に相当するものが設けられていない点で異なり、その他で共通する。封止部材130は、底面131が傾斜しており、底面131の傾斜上側には、半円状の水流下用穴132が設けられており、底面131の外周部分には、位置合わせ用の凸部136が設けられており、封止部材130の上面には、その外周にドーナツ円盤状の係止部135が設けられている。
第2実施形態に係る水抜き栓110が備える封止部材130では、上側から水が流入してくると、底面131の下側から水が溜まり、やがて、水抜き用シート140上にも溜まる。そうすると、水抜きシート140における水との境界面部が水の重みにより下側に押し下げられ、水抜きシート140が下側に撓む。
図17は、第3実施形態に係る水抜き栓が備える封止部材の平面図である。
図18(a)、図18(b)は、第3実施形態に係る水抜き栓の縦断面図である。
第3実施形態に係る水抜き栓210が備える枠部材220は、筒形状をしており、内部には円形であり且つその面が水平面に対して傾斜しているシート保持部221が形成されている。シート保持部221の上面には、緩やかな曲面を有する凹部227が形成されている。
枠部材220の他の構成については、第1実施形態に係る枠部材20と略同様であるから簡単に説明する。シート保持部221には、半円形の水流下用穴222が設けられており、シート保持部221の上部には、段差部223が形成されており、段差部223の上部には、断続的に螺旋状の凸部224が設けられており、枠部材220の上面には、その周囲にドーナツ円盤状の係止部225が形成されている。
枠部材220と封止部材230とに挟持された水抜き用シート240上に水が溜まると、水抜き用シート240における水W1との境界面部F1が水W1の重みにより下側に押し下げられ、枠部材220の凹部227に近づくように、水抜き用シート240が下側に撓む。
図19は、第4実施形態に係る水抜き栓が備える封止部材の平面図である。
図20(a)、図20(b)は、第4実施形態に係る水抜き栓の縦断面図である。
第4実施形態に係る水抜き栓310が備える枠部材320は、筒形状をしており、内部には円形であり且つその面が略水平であるシート保持部321が形成されている。シート保持部321の中央には、水流下用穴322が設けられているとともに、シート保持部321の周上には、緩やかな曲面を有する凹部327が形成されている。
枠部材320の他の構成については、第1実施形態に係る枠部材20と略同様であるから簡単に説明する。シート保持部321の上部には、段差部323が形成されており、段差部323の上部には、断続的に螺旋状の凸部324が設けられており、枠部材320の上面には、その周囲にドーナツ円盤状の係止部325が形成されている。
枠部材320と封止部材330とに挟持された水抜き用シート340上に水が溜まると、水抜き用シート340における水W2との境界面部F2が水W2の重みにより下側に押し下げられ、枠部材320の凹部327に近づくように、水抜き用シート340が下側に撓む。
図21は、第5実施形態に係る水抜き栓が備える封止部材の平面図である。
図22(a)、図22(b)は、第5実施形態に係る水抜き栓の縦断面図である。
第5実施形態に係る水抜き栓410が備える枠部材420は、筒形状をしており、その内部に、中空で下側に行くに従ってその開口が拡くなるコの字状のシート保持部421が設けられており、シート保持部421の下側且つ外側には、内側から順に、水抜き用シート440を係止するための係止溝429aと、上部から流入してくる水を下部へ排出するための排水溝429bとが設けられている。また、シート保持部421における上側には、水抜き用シートを固定するための固定ピン439が設けられている。
枠部材420の他の構成については、第1実施形態に係る枠部材20と略同様であるから簡単に説明する。シート保持部421の上部には、段差部423が形成されており、段差部423の上部には、断続的に螺旋状の凸部424が設けられており、枠部材420の上面には、その周囲にドーナツ円盤状の係止部425が形成されている。
封止部材430の穴438から流入してきた水W3がシート保持部421の上部U1に溜まると、水抜き用シート440における水W3との境界面部F3が水W3の重みにより外側に押し拡げられる。
図23は、第6実施形態に係る水抜き栓が備える封止部材の平面図である。
図24は、第6実施形態に係る水抜き栓の縦断面図である。
なお、図24中、水抜きシートの記載については省略している。第6実施形態に係る水抜き栓510が備える枠部材520は、筒形状をしており、内部には円形であり且つその面が略水平であるシート保持部521が形成されている。シート保持部521の中央、側部寄り(図24における左側)には、水流下用穴522が設けられている。なお、枠部材520の他の構成については、第1実施形態に係る枠部材20と略同様であるから簡単に説明する。シート保持部521の上部には、段差部523が形成されており、段差部523の上部には、断続的に螺旋状の凸部524が設けられており、枠部材520の上面には、その周囲にドーナツ円盤状の係止部525が形成されている。
図25は、第7実施形態に係る水抜き栓が備える封止部材の平面図である。
図26は、第7実施形態に係る水抜き栓の縦断面図である。
なお、図26中、水抜きシートの記載については省略している。第7実施形態に係る水抜き栓610が備える枠部材620は、筒形状をしており、内部には中央に凸部629cを有するとともに、外周に6つの水流下用穴622を有するシート保持部621が形成されている。各水流下用穴622には、中央部に向かって連結する排水溝622aが形成されている。なお、枠部材620の他の構成については、第1実施形態に係る枠部材20と略同様であるから簡単に説明する。シート保持部621の上部には、段差部623が形成されており、段差部623の上部には、断続的に螺旋状の凸部624が設けられており、枠部材620の上面には、その周囲にドーナツ円盤状の係止部625が形成されている。
図27(a)、図27(b)は、第8実施形態に係る水抜き栓の縦断面図である。
第8実施形態に係る水抜き栓710が備える枠部材720は、内面が曲面となっている漏斗形状を有しており、下部には、水流下用穴722が設けられている。枠部材720の内面には、枠部材720の曲面に当接する曲面を有する球体790が配置されている。すなわち、球体790により球体790の上部と下部との間を気体や液体が移動できないように、閉鎖されている。なお、球体790は、水に浮く性質を有するものであれば、特に限定されず、例えば、プラスチック製で中空の球体(例えば、ピンポン玉)を採用することができる。
枠部材720の内部に水が溜まると、球体790が浮き上がり、これにより生じた空間を水W4が通り、水流下用穴722から下部に流下する(図27(b)参照)。その後、枠部材720内部の水W4がなくなると、球体790は、元の位置に戻り、再び閉鎖される。
20、120、220、320、420、520、620、720 枠部材
30、130、230、330、430、530、630 封止部材
40、140、240、340、440 水抜き用シート
50、150、250、350、450、550、650、750 固定部材
60、160、260、360、460、560、660、760 金網
70 蓋
80 筒状体
90 コンクリート基礎
91 ベタ基礎
92 布基礎
93 貫通孔
790 球体
Claims (2)
- ベタ基礎に設けられた貫通孔に設置する水抜き栓であって、
前記貫通孔の上開口部に嵌入される筒形状の枠部材、及び、
該枠部材内に配置され、前記ベタ基礎の上面から水が流入することにより開放され、当該水を下方へ流下可能とする弁を有し、
前記枠部材内に、該枠部材内を白蟻が通過するのを防止するための網が設けられている
ことを特徴とする水抜き栓。 - 前記網は、着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水抜き栓。
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