JP5089148B2 - インクジェット記録用媒体、インク受容層形成用塗布液、およびインクジェット記録用媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、デジタルカメラの普及および撮影したデジタル写真を個人で印刷する需要の増加、さらには一眼レフデジタルカメラが一般化することで、インクジェットプリントにも銀塩写真と同等の質感と表現力が求められるようになり、印刷技術の向上とともに、インクジェット記録用媒体にも高度な特性が要求されている。
そのため、銀塩写真並みの高精細画像をえるための記録用媒体としては、膨潤型インクジェット記録用媒体が主として用いられている。しかしながら、膨潤型インクジェット記録用媒体は、空隙型記録用媒体とは逆に、インク吸収速度が遅く、乾燥・定着に長時間を要したり、インク受容層表面の湿潤状態が長時間継続するため、その間の表面強度が不足するという難点がある。
すなわち、現段階の技術では、膨潤型インクジェット記録用媒体において、近年の印刷速度向上に対応できる、充分なインク吸収速度をもち、さらに湿潤状態での充分な表面強度が得られる充分な耐水性を有するインク受容層は得られていない。
すなわち、本発明は、インク吸収性、特にインク吸収速度に優れ、インク吸収後の湿潤時の表面強度に優れ、さらには、インク受容層の透明性に優れたインクジェット記録用媒体を提供することを目的とする。
まず、本発明のインクジェット記録用媒体のインク受容層に含有される高重合度PVA系樹脂(A)について詳細に説明する。
中でも、R1が水素、R2が水素、メチル基あるいはエチル基であるものが実用的であり、より具体的には(ポリ)オキシエチレン基、(ポリ)オキシプロピレン基、(ポリ)オキシブチレン基等が効果的であり、最も好ましくは(ポリ)オキシエチレン基である。
また、一般式(1)におけるnは正の整数を表し、通常5〜50、好ましくは8〜20であるものが好ましく用いられる。
[(メタ)アクリル酸エステル型]
下記の(2)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
下記の(3)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル等が挙げられる。
下記の(4)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
下記の(5)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。
これらのオキシアルキレン基を含有する単量体の中でも(4)式で示される(メタ)アリルエーテル型のものが共重合反応の容易さ、ケン化工程における安定性などの点から好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜90℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
なお、これら樹脂類の含有量は、特に限定されるものではないが、高重合度PVA系樹脂(A)とオキシアルキレン基含有PVA系樹脂(B)の合計量100重量部に対し、通常は0〜40重量部、好ましくは0〜20重量部である。
また、水性塗布液を支持基材上に塗布、乾燥してインク受容層を形成する場合には、かかる塗布液中に上記添加剤以外に、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、浸透剤、染料、顔料、防腐剤、防黴剤、紙力増強剤、架橋剤等を適宜配合することができる。
特に、光沢性が求められる場合には、無機微粒子の粒径は小さいものが好ましく、コロイダルシリカ、気相法シリカ、気相法アルミナ、アルミナ水和物のような無機超微粒子が好適に用いられる。
例えば、(i)高重合度PVA系樹脂(A)とオキシアルキレン基含有PVA系樹脂(B)、および水を含有する水性液を塗布液として支持基材上に塗布、乾燥する方法、(ii)同様の水性液から流延法によってフィルムを形成し、これを支持基材上に貼付する方法、(iii)高重合度PVA系樹脂(A)とオキシアルキレン基含有PVA系樹脂(B)を含有する樹脂組成物を支持基材上に溶融押出しする方法、(vi)同様の樹脂組成物を溶融押出ししてフィルムを形成し、これを支持基材上に貼付する方法、などを挙げることができる。本発明で用いられるPVA系樹脂はいずれも水溶性に優れるものであり、一工程でインク受容層が形成できることから、通常は(i)の方法が用いられる。
かかる塗工液中の両PVA系樹脂の固形分濃度は、所望するインク受容層の厚さによって適宜選択すればよいが、通常は塗布液全体の5〜60重量%、さらには10〜50重量%、特には10〜30重量%の範囲が好ましく用いられる。かかる固形分濃度が少なすぎると、乾燥負荷が大きくなると共に、インク受容層の厚みの均一性が低下する場合があり、逆に多すぎると、塗布液が高粘度となり、高速での塗布が困難となり、作業性が低下することがあるため好ましくない。
塗工液の塗布量は、所望するインク受容層の厚さや支持基材の種類などによって異なるため、一概には言えないが、通常、乾燥後のインク受容層の厚さが3〜100μm、さらには10〜80μm、特には20〜60μmとなるような塗布量で塗布することが好ましい。
また、乾燥前の湿潤状態で、あるいは一旦乾燥させた後に再び湿潤させて湿潤状態とし、インク受容層表面をキャストドラムに圧接して乾燥させることで、表面光沢性・平滑性を付与する方法も、好ましく用いられる。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
平均重合度3500、ケン化度87モル%のPVA系樹脂(A)7部と、平均鎖長n=10のポリオキシエチレンアリルエーテルと酢酸ビニルの共重合体をケン化して得られた、平均重合度700、ケン化度88モル%、オキシエチレン基含有量2モル%のオキシエチレン基含有PVA系樹脂(B)3部、水90部からなる固形分10%の水溶液を、RC原紙にクリアランス300μmのアプリケーターを用いて塗布し、93℃の熱風乾燥機中で5分間乾燥、さらに23℃、50%RHの環境下で1昼夜静置し、厚さ30μmのインク受容層を有する、インク吸収性および湿潤時表面強度評価用サンプルを得た。
また、上記水溶液をPETフィルム上に流延し、23℃、50%RHの環境下で72時間風乾し、厚さ100μmのフィルムを作製、透明度評価用サンプルとした。
自動走査吸液計(熊谷理機工業社製「KM500win」)を使用し、市販のインクジェットプリンター用インク(ライトマゼンタ)(エプソン社製「ICLM21」)を試験液として、上記インク吸収性評価用サンプルの23℃における浸透試験を行い、そのデータから接触時間300ミリ秒時の吸液量(ml/m2)を求め、インク吸収性の指標とした。結果を表2に示す。
評価用サンプルのインク受容層面に水滴を一滴落とし、綿棒で軽く擦った際の様子を観察し、以下の通り評価した。結果を表2に示す。
○・・・特に変化なし
△・・・インク受容層が一部はがれる
×・・・完全にインク受容層がはがれる
透明度評価用フィルムサンプルの透明性を、ヘイズメーター(日本電色社製「NDH2000」)を用い、JIS K7105に従って測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、PVA系樹脂(A)とオキシアルキレン基含有PVA系樹脂(B)として表1に記載のものを用い、その含有比についても表1に示す通りにした以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成し、同様に評価した。結果を表2に示す。
Claims (3)
- 支持基材上に、酢酸ビニルを重合して得られたビニルエステル系重合体をケン化して得られた平均重合度が3000〜5000で、ケン化度が80〜90モル%であるポリビニルアルコール系樹脂(A)と、平均重合度が200〜1000で、ケン化度が80〜99モル%であるオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有し、樹脂(A)と樹脂(B)の重量比(A/B)が、9/1〜5/5であるインク受容層を有することを特徴とするインクジェット記録用媒体。
- 酢酸ビニルを重合して得られたビニルエステル系重合体をケン化して得られた平均重合度が3000〜5000で、ケン化度が80〜90モル%であるポリビニルアルコール系樹脂(A)と、平均重合度が200〜1000で、ケン化度が80〜99モル%であるオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)、および水を含有することを特徴とする、インクジェット記録用媒体のインク受容層形成用塗布液。
- 支持基材上に請求項2記載の塗布液を塗布、乾燥してなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用媒体の製造方法。
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