JP5071361B2 - 複腕ロボットの作業プログラム作成方法および複腕ロボット - Google Patents
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Description
一方、ロボットによる部品の組み付けのような複雑な作業を教示する際には、このような方法では操作が煩雑であり教示に時間がかかる。特に特許文献1にて開示されたような2本以上のマニピュレータを持つ複腕ロボットによって組み付け作業を行わせる場合では、ロボットが行う作業自体は効率化することが可能になるものの、その作業を教示することは熟練者でも困難である。特許文献1では、ハーネスを含む部品の組み付け作業を行う複腕ロボットが開示されているが、組み付け作業の教示方法については特に記載されていない。
そこで、このような複雑な作業を簡単に教示する方法として、3次元CADやオフラインシミュレータを使ってロボットの作業プログラムを生成する方法がある。
具体的な方法としては、3次元CADによって部品の移動手順を定義し、その動きを実現するようにロボットの動作を決める(例えば特許文献2)。
また、複数マニピュレータで構成されるロボットの作業プログラム作成方法としては、組み付けのための部品の移動手順をマニピュレータごとに定義し、その移動動作単位毎にマニピュレータの優先度を設定してその優先度の組み合わせで各マニピュレータの動作手順を作成し、その中から作業可能かつ作業時間が最短となる動作手順を選択するようにしたロボットの作業プログラム作成方法(例えば特許文献3)がある。
また、特許文献3にて開示された従来の作業プログラム作成方法は、複数マニピュレータの各々について部品の移動手順を設定するようにしているものの、各マニピュレータおよび動作単位毎に優先度を設定する必要があるため、動作の種類が多い作業の場合などは動作手順の組み合わせが非常に多くなり、最適な動作手順を探索するための計算量が非常に大きくなるという問題があった。
また動作手順の組み合わせには、マニピュレータ間の干渉や組み付け手順などによって、実際には作業不能となるものも多くあり、無駄な計算が多くなる。さらに、どのような動作手順が選択されるのかが最後まで教示作業者にとっては不明(どの部品を先に移動させ、どの部品を先に組み付けるか等が不明)であり、教示作業者が全く意図しない動作手順になってしまうこともあるという問題があった。
さらに、作業項目を追加した時には最初から動作手順を探索し直さなければならず、作業プログラムの作成に時間を要するという問題もあった。
また、両者に共通の問題として、実際に組み付け作業をロボットで実施する際には、部品の移動のみでなく、部品位置をセンサで計測したり、力制御しながら部品同士の嵌め合いを行ったり、ねじ締めを行ったりする必要があるが、従来の方法ではこうした作業に関するロボット命令は作業プログラムを生成した後に別途追加する必要があり、作業プログラムのどの箇所にその命令を挿入したらよいか教示作業者にとって分かりにくいという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、教示作業者が意図した組み付け手順に基づいて複数マニピュレータの作業プログラムを生成することができ、また効率的に短時間で作業プログラムを生成することが可能となる複腕ロボットの作業プログラム作成方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数のマニピュレータによって構成される複腕ロボットを動作させ、複数の部品の組み付け作業を行う作業プログラムをオフラインにて生成する複腕ロボットの作業プログラム作成方法であって、前記複数の部品の各々につき、その部品を把持して操作するマニピュレータを前記複数のマニピュレータから選定して設定する第1ステップと、
前記組み付け作業において前記各部品が経由する各点の位置と、前記各経由点における前記各部品の姿勢を設定する第2ステップと、前記第2ステップにて設定された各経由点について、前記マニピュレータが到達する順に番号を割り当てると共に、前記経由点での前記部品の位置および姿勢を前記経由点の位置および姿勢とし、前記マニピュレータ毎に、経由点番号、操作する部品名、前記経由点位置および姿勢からなる経由点データリストを作成する第3ステップと、前記経由点データリストの前記各経由点にて前記マニピュレータが実行する作業内容を予め登録された作業一覧から選択する第4ステップと、前記各経由点について設定された作業内容に応じて、前記マニピュレータに対する命令群からなる作業マクロを組み合わせて前記複数のマニピュレータの作業プログラムを作成する第5ステップと、からなることを特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、複腕ロボットであって、請求項1乃至8のいずれか1項記載の方法によって作成された作業プログラムにより作業を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によると、実際には存在しないダミー部品を定義し、その移動毎の位置姿勢を設定するようにしたため、部品の動きとは関係しないエアカット動作や退避動作などに関しても、作業プログラムを生成することができる。
請求項3に記載の発明によると、作業内容に応じて作業条件を設定するため、様々な組み付け作業へと対応可能となり、複腕ロボットの汎用性を増すことができる。
請求項4に記載の発明によると、作業内容に同期する対象の部品と同期する部品の経由点番号を指定するので、複数のマニピュレータが同期をとって動作することが可能となり、複数のマニピュレータを協調させて動作するような作業のプログラムを作成することができる。
請求項5乃至8に記載の発明によると、指定した部品の位置や姿勢、またはその移動動作が実現できない時でも、自動的にマニピュレータの姿勢や外部軸の位置を変更することで実行可能な作業プログラムを生成することが可能となる。
103はマニピュレータ101と102の制御装置であり、作業プログラム読み込み部103により読み込んだ作業プログラムに記述された動作命令に応じて指令生成部1032が両マニピュレータへの指令を生成し、各マニピュレータのサーボ制御部1033、1034へ位置指令を送る。
サーボ制御部1033、1034では各マニピュレータの各軸モータの位置・速度制御を行う。
図1の例ではグリッパは空気圧により動作し、作業プログラムに記述されたI/O命令によってグリッパへの空気圧の供給または供給停止が行われてグリッパが開閉する。
また力制御を実行する場合は指令生成部1032は力センサによる計測結果を基にサーボ制御部1033、1034へ力指令を送り、サーボ制御部1033、1034では各マニピュレータの各軸モータの力制御も実行する。
作業プログラム作成装置104では、マニピュレータ101、102や作業台105のロボットモデルが3次元CADデータ等を基に3次元コンピュータグラフィックスのモデルとして構築されている。マニピュレータの位置関係や各マニピュレータの軸構成、動作領域などの情報もロボットモデルには含まれている。さらに組み付け対象モデル1041が3次元CADデータ等から変換されて3次元コンピュータグラフィックスのモデルとして作業プログラム作成装置104内に構築される。
また、作業情報入力部1042では作業プログラムを作成するための作業内容や作業条件など、様々な情報をGUIを用いて入力する。各モデルやGUIによる情報は、作業プログラム作成装置104に接続された表示装置106上に表示される。
作業プログラム作成装置104は、組み付け対象モデル1041で定義した部品の位置姿勢と作業情報入力部1042で入力された情報、および各作業内容に対応して予め用意された作業マクロ1043から作業プログラム生成部1044にて作業プログラムを自動的に生成するものである。この作業プログラム作成装置は例えばパソコンとそのパソコン上で動作するオフライン教示ソフトウェアで実現される。または、ロボットの制御装置に操作用として付加されているプログラミングペンダントの機能として実施しても良い。
作業プログラム作成装置をパソコンとオフライン教示ソフトウェアで実現する場合、作業情報入力部1024は具体的にはキーボードやマウスとなる。またプログラミングペンダントの機能として実施する場合は、プログラミングペンダント上に設けられたキーやタッチパネルとなる。作業情報入力部1024を用いたGUIによる入力方法は一般的なパソコンと同様であるので説明は割愛する。
また図1では作業プログラム作成装置104と表示装置106とは別体となっているが、作業プログラム作成装置をプログラミングペンダントの機能として実施する場合は、表示装置106は作業プログラム作成装置104と一体となっていても良い。
まず組み付け対象モデル1041を作成する(ステップS0)。ここでは図2で示した組み付け対象の3次元CADデータを読み込むことによって3次元コンピュータグラフィックスとしてモデル化できる。
組み付け作業に先立って部品はロボットの周辺に設置される部品供給装置によって供給されるものとし、これを部品の初期位置とする。
次に、組み付け対象の各部品を操作するマニピュレータを指定する(ステップS1)。
具体的な指定方法としてはオフライン教示ソフトウェアのGUIを用いてステップS0で読み込んだ組み付け対象モデルを表示装置106に表示させ、表示装置106上で各部品(202、203)を選択して、例えば部品203は左マニピュレータで把持、操作するよう指定し、部品202には右マニピュレータで把持、操作するよう指定する。ただし、部品201はマニピュレータで直接操作せず作業台上に固定されているだけなので、部品201を把持、操作するマニピュレータの指定は行わない。
図4(a)の初期位置姿勢で、ステップS1で指定したように部品203を左マニピュレータ手先のグリッパで、部品202を右マニピュレータ手先のグリッパでそれぞれ把持し、(b)のように持ち上げる。この際に部品203を部品201に組み付けに適した姿勢にするために、左マニピュレータにより部品203の姿勢を(a)の状態から90°回転させる。(c)で部品201の上に搬送し、(d)で部品202を部品201の穴2011へ嵌めるためのアプローチ位置へ移動させる。
部品202を穴2011へ嵌めた後に、右マニピュレータ手先のグリッパを開放し部品202の把持を解消して、(e)で部品203を部品201の穴2012へ嵌めるためのアプローチ位置へ移動させる。部品201を穴2012へ嵌めた後に、左マニピュレータ手先のグリッパを開放し部品201の把持を解消する。
このように教示作業者が想定した部品組み付け手順に従って、部品202の座標系2021と部品203の座標系2031の各経由点における位置姿勢を指定する。
具体的な指定方法としては、ステップS0で作成した組み付け対象モデルの3次元コンピュータグラフィックスを含むオフライン教示ソフトウェアのGUI環境において、表示装置106上に表示された組み付け対象モデルを教示作業者が図4(a)〜(e)のように経由点へと移動させてその位置を記録するとともに、各部品の経由点における部品202、203の座標系を追加し、その軸方向を決めていく。経由点ごとにこの作業を繰り返すことで座標系2021と座標系2031の各経由点における位置姿勢が決定される。
経由点データリストは、作業プログラム生成部1044にて左マニピュレータ用のリストと右マニピュレータ用のリストがそれぞれ自動生成され、経由点番号、部品名、経由点の位置および姿勢からなる。経由点番号は部品が移動する順に割り振られた番号であり、経由点の位置姿勢はステップS2で設定した各部品の経由点の位置姿勢である。
また、選択された作業内容に応じて作業条件を入力する。
例えば「嵌め合い」の作業条件としては、力制御のパラメータや嵌め込み量等が挙げられる。このような作業条件を予め複数用意し、作業条件ごとに一意の番号を割り当ててその作業条件番号を必要に応じて設定する。教示作業者は適宜表示装置106に表示される画面を見ながら、こうした作業内容や作業条件の設定を作業情報入力部1042によって行う。
ステップS4で作業内容や作業条件を入力するGUIの画面例を図5に示す。表の左から経由点番号、部品名、作業内容、作業条件番号が示される。ここでは経由点番号と部品名はステップS3で生成した経由点データリストに応じて、マニピュレータ毎に図5のような表が示され、教示作業者はそこに順次作業内容と作業条件番号を入力していく。
作業マクロとは各作業内容をマニピュレータで実現するための一つまたは複数のロボット言語で構成された命令群である。ロボット言語はPTP(ポイントtoポイント)制御を行うための動作命令やグリッパを開閉するためのI/O命令、あるいは力制御を使って嵌め合いを行う作業命令、センサ情報を取得するセンサ命令など様々な命令で構成されており、作業マクロはそれらの組み合わせであって予め登録されている。
なお、作業マクロの汎用性を高めるため、作業マクロ内の動作命令では原則として「現在位置からの移動量」のように相対的な移動量を指定するようになっており、直接移動先を指定しないようにして様々な作業プログラムから利用可能なように構成されている。
図6(a)は作業内容「把持」に対応した作業マクロ「Grip」を示す。作業マクロ「Grip」は
(1行目)センサを用いた把持位置の計測命令と
(2行目)センサによる計測結果に基づいた移動命令、
(3行目)グリッパを閉める命令
の3つの命令から構成される。4行目は、作業マクロを呼び出した作業プログラムへ戻るための命令である。
経由点番号1においては、図4(a)に示すように部品は初期位置にあるが、実際にマニピュレータが部品の初期位置へアプローチしてグリッパによって部品を把持する場合、部品の位置を再確認する必要がある。そのためグリッパには部品の位置を計測するためのセンサが設けられており、作業マクロ「Grip」の1行目ではまず部品の位置計測を行う。
1行目によって計測センサを基準とした把持対象部品の位置がP001に代入され、2行目によってP001に代入された値だけマニピュレータが動作してグリッパの位置を微調整する。
また図6(b)に示す作業条件は、グリッパ開閉に対応する制御装置のI/O番号、センサによる計測のための対象物番号、計測結果によって把持位置を決定するための把持位置補正値からなる。
(1〜3行目)部品A(203)を部品C(201)の嵌合部分への突き当たるまでマニピュレータを下降させるためのTUKIATE命令に関する命令群
(4〜6行目)上記突き当てで部品Aが部品Cの穴(2012)の縁に当たって止まった場合にマニピュレータを微動させて穴を探るSAGURI命令に関する命令群
(7〜10行目)部品Aを部品Cの穴の底部まで挿入するINSERT命令に関する命令群
から構成される。
この作業が成功した場合は11行目で0をリターンし、失敗した場合は13行目で−1を、この作業マクロの呼び出し元の作業プログラムへ返す。
また図6(d)に示すように、上記の突き当て、探り、挿入それぞれの作業条件を入力する。
なお7行目の「*_INS」や12行目の「*_ERROR」は3行目や6行目、10行目のJUMP命令による移動先を示すラベルである。また「GETSTATUS」は、突き当て命令(TUKIATE命令)や探り命令(SAGURI命令)などの直前の命令が成功したか、失敗したかを戻り値としてB001などの変数に取り込む命令である。TUKIATE命令、SAGURI命令、INSERT命令といった命令は予めマニピュレータの作業命令として準備されている。
前述の「把持」「通過」「嵌め合い」「把持解消」「停止」といったそれぞれの作業内容に対応した作業マクロと作業条件を予め登録しておき、ステップS4で各経由点番号について作業内容とその作業条件を指定することで組み付け作業の作業プログラム生成に必要な情報が得られる。
以上述べたように本願発明では、部品毎に作業するマニピュレータを設定し、決められた組み付け手順に応じて部品の経由点の位置姿勢を設定し、それに対応する作業内容を設定し、設定された作業内容を実現する作業マクロの組み合わせから、複数のマニピュレータの作業プログラムを作成するという手順をとることにより、教示作業者が意図した組み付け手順に基づいて複数マニピュレータの作業プログラムを生成することができ、また効率的に短時間で作業プログラムを生成することが可能となる。
このようなマニピュレータの動作は各部品の経由点の位置姿勢を設定する処理(ステップS2)において、図7のように実際には存在しないダミー部品302(部品D)と303(部品E)を定義し、さらにそれを操作するマニピュレータを指定し、各ダミー部品の経由点の位置姿勢3021、3031を設定することで、マニピュレータのみの移動を実現する作業プログラムが生成できるようにする。
ステップS4においても、ここで設定したダミー部品の経由点で実行する作業内容を図8のNo.1やNo.8のように設定する。このようにすることで、部品の移動を伴わないマニピュレータの部品へのアプローチ動作や、組み付け作業完了後のマニピュレータの退避動作についてもステップS5で自動生成される作業プログラムの中に含めることが可能となる。
図8の左マニピュレータNo.2やNo.5のように同期する対象の部品(この例では右マニピュレータで操作する部品B)と経由点番号(この例では右マニピュレータで操作する部品Bの経由点番号)を入力する。
このように同期について入力した左右マニピュレータの作業内容に基づいて生成された作業プログラム例を図9に示す。図9(a)は左マニピュレータの作業プログラム例、図9(b)は右マニピュレータの作業プログラム例である。図8で指定した作業内容と作業条件に対応して、図9のような作業プログラムが作成される。ここで、作業プログラム中のP000〜P004はステップS2で指定した部品の位置姿勢からステップS5で作成されたロボット位置姿勢データである。また、CONDは作業条件番号を指定するタグである。この時、左右マニピュレータの同期はSYNC命令を挿入することで実現する。SYNC命令は左マニピュレータ(R0)と右マニピュレータ(R1)を同期させる命令であり、この命令が実行されると、相手マニピュレータのSYNC命令が実行されるまで待つ。従ってSYNC命令が両方とも実行された時点でそれ以下の作業プログラム実行が同時に再開されるようになる。
このようにすることで、複数のマニピュレータが同期をとって動作することが可能となるので、複数のマニピュレータを協調させて動作するような作業プログラムの作成も可能となる。
これによって各マニピュレータの各経由点での各関節軸の目標角度が求まり、移動命令とともに作業プログラムが生成できる。逆運動学変換の計算は既知の方法であり、すべての経由点についてこの計算を行うことで移動に関する作業プログラムが完成する。
しかし、経由点の位置はGUI環境にて指定したもので、実際にマニピュレータを動作させて決定したものではない。よって経由点が特異点になっている場合もありうる。特異点が含まれていた場合は逆運動学変換の解が求まらない。また逆運動学変換の計算では求まった解が、マニピュレータの関節の可動範囲外であるなど、ステップS2で設定した部品の経由点の位置姿勢がマニピュレータにとっては実現できない位置姿勢である場合がある。
一方、単に通過するだけの経由点や、部品の把持方法を変更して作業姿勢を変更しても問題ない経由点については、その経由点でのマニピュレータ手先の目標姿勢のみ変更すれば目標位置は実現できる場合が多い。例えば、図4の(b)や(c)において、部品202や203は必ずしも図4に示した通りの姿勢でなくても良い。
そこで、ステップS5において逆運動学変換で解が求まらなかったり、解が関節可動範囲外であったりした経由点が発生した場合は、マニピュレータ手先の目標姿勢を所定の範囲内で変化させ、所定の評価方法によって目標姿勢を変更することで部品の経由点におけるマニピュレータの実現可能な位置姿勢が求まる。
目標姿勢を決定する評価方法として例えば次のようにすればよい。
(1)可操作性楕円体(「吉川恒夫著「ロボット制御基礎論」参照」)の半径から姿勢が最も変更しやすい方向を決定する。
可操作性楕円体とは手先の可操作性を表したものであり、その主軸半径の長い方向が手先速度を出しやすい方向、短い方向が小さい手先速度しか出せない方向である。従って、可操作性楕円体主軸半径(ヤコビ行列の特異値)によって変更しやすい方向を知ることができる。
(2)上記の方向に姿勢を一定範囲に振って、逆運動学変換の計算が可能な範囲を決定する。
(3)上記範囲のうち、逆運動学変換の解が各関節可動範囲のリミット値からの距離が最も遠いものを目標姿勢とする。
このようにして自動的に目標姿勢を変更することで実現可能な作業プログラムが自動生成できる。
マニピュレータの原点(ロボットのベース部から数えて1軸目(J1)の軸線上の点で、2軸目(J2)の軸線と同じ高さに位置する)と手首点(J6軸の軸線とJ7軸の軸線の交点)を結ぶ直線回りの肘位置の回転角度を肘回転角度と呼び、7自由度マニピュレータでは冗長自由度としてよく用いられる。
このような冗長自由度を用いて特異点や関節可動範囲オーバーを回避する。
ステップS5において逆運動学変換で解が求まらなかったり、解が関節可動範囲外であったりした経由点が発生した場合は、マニピュレータの肘回転角度を所定の範囲内で変化させ、所定の評価方法によって目標肘回転角度を変更することでマニピュレータの経由点における実現可能な位置姿勢が求まる。
目標肘回転角度を決定する評価方法としては例えば次のようにすれば良い。
(1)肘回転角度を一定範囲で変化させ、逆運動学変換の計算が可能な範囲を決定する。
(2)上記範囲のうち、逆運動学変換の解が関節可動範囲のリミット値からの(各関節角度制限値との)距離が最も遠いものを目標肘回転角度とする。
(3)または上記範囲のうち、上述の可操作度が最も大きいものを肘回転角度とする。
このようにして自動的に冗長自由度姿勢を変更することで、実現可能な作業プログラムが自動生成できる。
ステップS5において逆運動学変換で解が求まらなかったり、解が関節可動範囲外であったりした経由点が発生した場合は、マニピュレータが搭載されている走行台や回転台の位置を所定の範囲で変化させ、所定の評価方法によって走行台や回転台の位置を変更することで部品の経由点におけるマニピュレータの実現可能な位置姿勢が求まる。
走行台や回転台の位置を決定する評価方法としては例えば次のようにすれば良い。
(1)マニピュレータの可操作性楕円体の半径から走行台や回転台の変更方向を決定する。
(2)上記の方向に走行台または回転台の位置を一定範囲変化させ、その時のマニピュレータベースの位置姿勢の変化分をマニピュレータ手先の目標位置姿勢から差し引いて逆運動学変換し、その計算が可能な範囲を決定する。
(3)上記範囲のうち、逆運動学変換の解が関節可動範囲のリミット値からの距離が最も遠いものを走行台または回転台の目標位置とする。
このようにして自動的に走行台や回転台の位置を変更することで、実現可能な作業プログラムが自動生成できる。
この場合は、マニピュレータの移動途中に目標位置姿勢を実現できない地点において、上記の経由点での姿勢や冗長自由度姿勢、走行台や回転台の位置を変更した方法と同じ方法を用いて、姿勢や冗長自由度姿勢、走行台や回転台の位置を変更し、その地点を新たな経由点として作業プログラムに追加すればよい。
102 右腕ロボット(6自由度)
103 制御装置
104 プログラム作成装置
105 作業台
106 表示装置
201 部品C
2011 部品Bを取り付ける穴
2012 部品Aを取り付ける穴
202 部品B
2021 部品Bの位置姿勢を表す座標系
203 部品A
2031 部品Aの位置姿勢を表す座標系
204 ケーブル
302 ダミー部品D
303 ダミー部品C
3021 ダミー部品Dの位置姿勢を表す座標系
3031 ダミー部品Cの位置姿勢を表す座標系
Claims (9)
- 複数のマニピュレータによって構成される複腕ロボットを動作させ、複数の部品の組み付け作業を行う作業プログラムをオフラインにて生成する複腕ロボットの作業プログラム作成方法であって、
前記複数の部品の各々につき、その部品を把持して操作するマニピュレータを前記複数のマニピュレータから選定して設定する第1ステップと、
前記組み付け作業において前記各部品が経由する各点の位置と、前記各経由点における前記各部品の姿勢を設定する第2ステップと、
前記第2ステップにて設定された各経由点について、前記マニピュレータが到達する順に番号を割り当てると共に、前記経由点での前記部品の位置および姿勢を前記経由点の位置および姿勢とし、前記マニピュレータ毎に、経由点番号、操作する部品名、前記経由点位置および姿勢からなる経由点データリストを作成する第3ステップと、
前記経由点データリストの前記各経由点にて前記マニピュレータが実行する作業内容を予め登録された作業一覧から選択する第4ステップと、
前記各経由点について設定された作業内容に応じて、前記マニピュレータに対する命令群からなる作業マクロを組み合わせて前記複数のマニピュレータの作業プログラムを作成する第5ステップと、
からなることを特徴とする複腕ロボットの作業プログラム作成方法。 - 前記第2ステップにて、前記複数の部品の他にダミー部品を仮想的に定義し、前記ダミー部品の経由点の位置および姿勢を設定することによって前記部品を把持せずに前記マニピュレータのみの動作を作成することを特徴とする請求項1記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。
- 前記第4ステップにて、前記作業内容に関するパラメータとして作業条件を設定することを特徴とする請求項1または2記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。
- 前記組み付け作業において前記複数のマニピュレータを同期させて動作させる場合は、
前記第4ステップにて前記各マニピュレータに作業内容を設定する際に、同期命令と、同期動作の対象となる部品および部品の経由点番号を指定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。 - 前記第5ステップにて、前記経由点の位置および姿勢から逆運動学計算を用いてマニピュレータの各関節目標角度を計算し、前記マニピュレータが特異点を通過する場合は、
前記マニピュレータ手先の目標姿勢を所定の範囲で変化させ、変化させた目標姿勢について所定の評価方法による評価値を求め、前記評価値によって前記マニピュレータの目標姿勢を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。 - 前記第5ステップにて、前記経由点間の前記マニピュレータの補間動作をシミュレーションし、前記補間シミュレーションにて前記マニピュレータが特異点を通過する場合は、
前記マニピュレータ手先の目標姿勢を所定の範囲で変化させ、変化させた目標姿勢について所定の評価方法による評価値を求め、前記評価値によって前記マニピュレータの目標姿勢を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。 - 前記マニピュレータが7自由度以上の冗長自由度を持つ場合は、
前記マニピュレータの冗長自由度姿勢を所定の範囲で変化させた時の前記評価方法による評価値に基づいて、前記マニピュレータの冗長自由度の姿勢を変更することを特徴とする請求項5または6記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。 - 前記マニピュレータが前記マニピュレータの台座を移動させる外部軸上に搭載されている場合は、
前記外部軸の位置を所定の範囲で変化させた時の前記評価方法による評価値に基づいて、前記外部軸の位置を変更することを特徴とする請求項5または6記載の複腕ロボットの作業プログラム作成方法。 - 請求項1乃至8のいずれか1項記載の方法によって作成された作業プログラムにより作業を行うことを特徴とする複腕ロボット。
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