JP5065762B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムストリップの巻付体によりトレッドゴムを形成したタイヤにおいて、前記ゴムストリップに例えばシリカリッチ配合の非導電性ゴムを用いた場合にも、車両内の静電気を路面に放電することを可能とした空気入りタイヤに関する。
自動車の低燃費性を高め、かつ排気ガスの低減化を促進するために、カーボンブラックに代えてシリカをトレッドゴムの補強剤として用いたタイヤが提案されている。このものは、低温側でのヒステリシスロスが高く維持されるため、優れたウエットグリップ性能を発揮する一方、高温側でのヒステリシスロスが低いため、転がり抵抗が減じるなど低転がり抵抗性能とウエットグリップ性能とを両立させるという利点がある。しかしその反面、シリカは電気絶縁性が高いため、タイヤの電気抵抗の増加を招き、静電気が車両に蓄積されることによりラジオノイズ等の電波障害を引き起こすなど、多くの電気的誤動作の原因となる。
そこで、例えば特許文献1には、図11に示すように、トレッドゴムaのキャップゴム部a1に、リボン状のゴムストリップbをタイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き重ねたストリップ巻付体cを用いた、所謂ストリップワインド方式のトレッド構造において、前記ゴムストリップbの少なくとも一面に、導電材を用いた導電皮膜eを形成し、この導電皮膜eの外側縁がトレッド接地面asに現れ、かつ内側縁がトレッド導電部f(例えばベースゴム部など)と接するように構成したタイヤが提案されている。
この構造のタイヤは、前記ストリップワインド方式が有する利点、例えば大型のゴム押出機の使用やゴム押出成形体の中間在庫がそれぞれ不必要となり、タイヤ製造効率を高め、かつ工場等の省スペース化を図りうるなどの利点を発揮しうるとともに、前記ゴムストリップをシリカリッチ配合とすることにより、タイヤの低転がり抵抗性とウエットグリップ性とを高いレべルで両立させることが可能となる。しかも、前記導電皮膜eによって導電路が形成されるため静電気の蓄積を防止することも可能となる。
特開2006−069341号公報
しかし前記構造では、ゴムストリップbの一面に形成された導電皮膜eの外側縁をトレッド接地面asで露出させ、かつ内側縁をトレッド導電部fと接触させるために、前記キャップゴム部a1を一層のストリップ巻付体で形成する必要がある。そのためには、幅広のゴムストリップbを用い、かつこのゴムストリップbをタイヤ軸方向線に対して大きく傾けた急勾配の姿勢で巻回することが要求される。
しかし、ゴムストリップの姿勢が急勾配の場合、ゴムストリップ間を充分に押圧することが難しくなるなど接着力が不足し易く、しかも旋回時にゴムストリップ間に作用する剪断力が増加するため、ゴムストリップ間にクラック等の亀裂損傷が発生し易い傾向を招く。又ゴムストリップの姿勢が急勾配の場合、
(1)ゴムストリップの半径方向外側縁側と内側縁側とでゴムの伸びに大きな差が生じるため、ゴムストリップの厚さ変化が大となる:
(2)ゴムストリップの貼り付け位置がタイヤ軸方向に僅かに位置ずれしただけでも、半径方向に大きな位置ずれが生じるなど断面形状に与える影響が大となる:
(3)姿勢が不安定となり、先に巻回されたゴムストリップの側面(斜面)に貼付ける際に前記斜面に沿って滑るなど位置ずれし易くなる:
などの理由により、ストリップ巻付体の形成精度が低下するという問題がある。
そこで本発明は、キャップゴム部を複数のゴム層部分に区分し、かつ各ゴム層部分を、導電性のゴムストリップ部、或いは導電性のゴムストリップからなる導電性巻回部を有するストリップ巻回体として形成するとともに、半径方向内外で隣り合うゴム層部分間において、前記導電性巻回部間を所定の接触巾にて接触させることを基本として、前記ストリップワインド方式を採用しつつ車両内の静電気を路面に放電することができ、しかも、キャップゴム部の成形精度を高めるとともに、ゴムストリップ間におけるクラック等の発生を抑制して耐久性を向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部が、リム組み時にリムと導通する導電性のトレッド導電部と、内周面が前記トレッド導電部に接する接触面をなしかつ外周面が路面に接地する接地面をなす環状のキャップゴム部とを具えた空気入りタイヤであって、
前記キャップゴム部は、前記接触面を有する半径方向最内側のゴム層部分と、前記接地面を有する半径方向最外側のゴム層部分とを含む複数のゴム層部分が半径方向内外に重置される複数層構造をなし、
しかも各ゴム層部分は、非導電性のゴムストリップ部と導電性のゴムストリップ部とが長さ方向に縦継ぎされた縦継ぎストリップをタイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き付けたストリップ巻回体からなり、かつ該ストリップ巻回体は、前記非導電性のゴムストリップ部からなる非導電性巻回部と、前記導電性のゴムストリップ部が1周以上かつ10周以下の範囲で巻回する導電性巻回部とを具えるとともに、
前記半径方向最外側のゴム層部分において、前記導電性巻回部の外端部は1.0mm以上のタイヤ軸方向の露出巾で前記接地面で露出し、かつ前記半径方向最内側のゴム層部分において、前記導電性巻回部の内端部が前記トレッド導電部と1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾で接触し、かつ半径方向内外で互いに隣り合うゴム層部分間において、半径方向内側の導電性巻回部の半径方向外端部と、半径方向外側の導電性巻回部の半径方向内端部とは1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾で互いに接触することを特徴としている。
又請求項2の発明は、前記縦継ぎストリップは、非導電性のゴムストリップ部が非導電性のゴム組成物Gaからなり、かつ導電性のゴムストリップ部が導電性のゴム組成物Gbからなり、ゴム組成物Gaとゴム組成物Gbとを順次選択して押出し、先行する一方のゴム組成物の後端に、他方のゴム組成物が接続して継ぎ換えされることを特徴としている。
又請求項3の発明は、前記露出巾、及び接触巾は、それぞれ3.0mm以上であることを特徴としている。
又請求項4の発明は、前記トレッド導電部は、少なくともベルト層を含むトレッド補強コード層又はその外側に配された導電性のベースゴム部であることを特徴としている。
なお本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した状態において特定される値とする。前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
本願第1の発明の空気入りタイヤは、叙上の如く、キャップゴム部を、半径方向内外で互いに重置される複数のゴム層部分に分割するとともに、各ゴム層部分を、非導電性のゴムストリップ部と導電性のゴムストリップ部とが長さ方向に縦継ぎされた縦継ぎストリップを螺旋状に巻き付けたストリップ巻回体にて形成している。このようにキャップゴム部を複数のゴム層部分に分割することで、各ゴム層部分の厚さが減じられるため、縦継ぎストリップを螺旋状に巻回する際の姿勢を緩勾配とすることができる。従って、ゴムストリップ間における亀裂損傷を抑制して耐久性を高めるとともに、キャップゴム部を要求する断面形状により近い断面形状で形成しうるなどキャップゴム部の成形精度を向上しうる。
又各ゴム層部分には、前記導電性のゴムストリップ部が螺旋状に1〜10周巻回してなる導電性巻回部が形成されるとともに、この導電性巻回部は、半径方向最外のゴム層部分では、接地面に所定の露出巾で露出し、半径方向最内のゴム層部分では、トレッド導電部と所定の接触巾で接触し、かつ半径方向内外で隣り合うゴム層部分間においては、導電性巻回部の端部は所定の接触巾で互いに接触している。従って、各ゴム層部分の導電性巻回部が互いに連なり、前記接地面からトレッド導電部に至る導電路を形成でき、静電気を放電しうる。
又前記第1の発明では、非導電性のゴムストリップ部と導電性のゴムストリップ部とを長さ方向に継いだ縦継ぎストリップを用いたのに対して、本願第2の発明の空気入りタイヤでは、非導電性のゴムストリップと導電性のゴムストリップとの2本を用い、タイヤ軸方向で隣り合う非導電性のゴムストリップ間に導電性ゴムストリップを介在させることにより、該導電性のゴムストリップが前記非導電性のゴムストリップとともに螺旋状に1〜10周巻回する導電性巻回部を形成している。この第2の発明の場合も第1の発明と同様に、各ゴム層部分の導電性巻回部が互いに連なり、接地面からトレッド導電部に至る導電路を形成できる。従って、
車両内の静電気を導電路を通って路面に放電することが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの正規内圧状態を示す断面図、図2はそのトレッド部を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態(第1実施形態)の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるトレッド補強コード層7とを具える。
前記カーカス6は、前記ビードコア5、5を跨るトロイド状のカーカス本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるカーカス折返し部6bを具える。このカーカス6は、タイヤ周方向に対して例えば70〜90度の角度で配列したカーカスコードの配列体をトッピングゴムにて被覆した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。又前記カーカス本体部6aとカーカス折返し部6bとの間には、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックス8が配設される。
前記トレッド補強コード層7は、ベルト層9及び/又はバンド層10からなり、本例では、前記カーカス6に重置されるベルト層9と、そのさらに外側に重置されるバンド層10とからなる場合を例示する。
前記ベルト層9は、タイヤ周方向に対して例えば15〜40度の角度で配列したベルトコードの配列体をトッピングゴムにて被覆した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ9A、9Aから形成される。前記ベルトコードは、プライ間相互で交差し、これによりベルト剛性を高めトレッド部2の略全巾を補強する。又バンド層10は、タイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回されるバンドコードをトッピングゴムにて被覆したバンドプライ10Aからなり、前記ベルト層9を拘束し、操縦安定性、高速耐久性等を向上させる。前記バンドプライ10Aとしては、ベルト層9のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、及びベルト層9の略全巾を覆うフルバンドプライがあり、これらを単独で或いは組み合わせて使用される。本例では、バンド層10が1枚のフルバンドプライからなるものを例示している。なお前記トレッド補強コード層7として、ベルト層9のみで形成することも、又はバンド層10のみで形成することもできる。又前記ベルトコード及びバンドコードを総称して補強コードと呼び、前記ベルトプライ9A及びバンドプライ10Aを総称して補強プライと呼ぶ場合がある。
ここで、前記カーカスプライ6Aのトッピングゴム、及び補強プライのトッピングゴムは、従来の一般的なタイヤと同様、ゴム補強剤としてカーボンブラックを含み、これにより体積固有電気抵抗値を1.0×108 (Ω・cm)未満、好ましくは1.0×107 (Ω・cm)以下として導電性を確保している。また前記カーカス6のタイヤ軸方向外側には、サイドウォール部3のタイヤ外皮をなすサイドウォールゴム3Gが、前記ビード部4には、タイヤ外皮をなしかつタイヤ半径方向外端が前記サイドウォールゴム3Gに接続されかつタイヤ半径方向内端がリムに接触するクリンチゴム4Gがそれぞれ配されている。これらのゴム3G、4Gも、従来の一般的なタイヤと同様、ゴム補強剤としてカーボンブラックを含み、その体積固有電気抵抗値を1.0×108(Ω・cm)未満、好ましくは1.0×107 (Ω・cm)以下として導電性を確保している。
本明細書において、ゴムの体積固有電気抵抗値は、15cm四方かつ厚さ2mmのゴム試料に対し、印加電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件で電気抵抗測定器(この例では、ADVANTESTER 8340A )を用いて測定した値で表示している。
次に、前記空気入りタイヤ1は、前記トレッド補強コード層7のタイヤ半径方向外側に、トレッドゴム2Gが配される。本例では、このトレッドゴム2Gが、トレッド補強コード層7のタイヤ半径方向外側に重ねられたベースゴム部11と、内周面がこのベースゴム部11と接する接触面SLをなしかつ外周面が路面と接地する接地面SUをなす環状のキャップゴム部12とで構成されたものが例示される。
前記ベースゴム部11は、体積固有電気抵抗値が1.0×108 (Ω・cm)未満、好ましくは1.0×107 (Ω・cm)以下の導電性のゴム組成物で構成されている。またベースゴム部11のタイヤ軸方向の両側縁は、前記サイドウォールゴム3Gに接続れている。このため、前記ベースゴム部11は、リム組み時、本例ではトレッド補強コード層7のトッピングゴム、カーカス6のトッピングゴム、サイドウォールゴム3G及びクリンチゴム4G等を経てリムJまで電気的に導通するトレッド導電部13を構成する。なおサイドウォールゴム3G及びクリンチゴム4Gが導電性を有していれば、トレッド補強コード層7及びカーカス6の各トッピングゴムを非導電性とすることができ、又トレッド補強コード層7及びカーカス6の各トッピングゴムが導電性を有していれば、サイドウォールゴム3Gを非導電性とすることもできる。
次に、前記キャップゴム部12は、前記接触面SLを有する半径方向最内側のゴム層部分14Lと、前記接地面SUを有する半径方向最外側のゴム層部分14Uとを含む複数のゴム層部分14が半径方向内外に重置される複数層構造をなす。本例では、前記ゴム層部分14L、14U間に、中間のゴム層部分14Mを設けた3層構造のものを例示している。そして、各ゴム層部分14は、図3に示すように、非導電性のゴムストリップ部15Aと導電性のゴムストリップ部15Bとが長さ方向に縦継ぎされた縦継ぎストリップ15を、タイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き付けたストリップ巻回体40によって形成される。
前記縦継ぎストリップ15としては、本例では、非導電性のゴムストリップ部15Aが非導電性のゴム組成物Gaからなり、かつ導電性のゴムストリップ部15Bが導電性のゴム組成物Gbからなり、それぞれ同一断面形状を有して一つの押出口から押出し成形されたものを使用している。このような縦継ぎストリップ15は、例えば図4に例示する、ゴム押出し装置16を用いて連続的に形成できる。
具体的には、このゴム押出し装置16は、非導電性のゴム組成物Ga、及び導電性のゴム組成物Gbをそれぞれ個別に押出す2台のゴム押出機本体17a、17b、並びにそれらの前端に取り付く一つの押出しヘッド18を具える。各前記ゴム押出機本体17a、17bは、ゴム投入口を設けたシリンダ19内に、スクリュー軸20を収納した周知構造をなし、前記スクリュー軸20の駆動により、各ゴム組成物Ga、Gbを可塑化しながらシリンダ19前端の吐出口から押し出ししうる。又前記押出しヘッド18は、各前記吐出口からのゴム組成物Ga、Gbを下流側に案内する2本の個別ゴム流路21a、21bと、この2本の個別ゴム流路21a、21bが合流する選択室22と、該選択室22からのびる1本の下流流路23と、この下流流路23の下流端に位置する押出口24とを有する。
前記選択室22には、前記下流流路23と、各個別ゴム流路21a、21bとを選択的に切り替えて連通する切替弁25が配される。この切替弁25は、本例ではボール弁25Aであり、図5(A)、(B)に拡大して示すように、球面状の選択室22内に、軸芯周りで回転可能に収容される。前記ボール弁25Aには、例えば切欠き状等の導通部25A1が設けられ、切替弁25への切り替え操作(本例では前記軸芯周りの回転操作)により、前記下流流路23と一方の個別ゴム流路21aとの間、及び下流流路23と他方の個別ゴム流路21bとの間をそれぞれ選択的に切り替えて導通できる。即ち、ゴム押出機本体17aからのゴム組成物Gaと、ゴム押出機本体17bからのゴム組成物Gbとを、順次選択して下流流路23をへて押出口24から押出しうる。このとき、前記切り替え時には、先行して下流流路23を通る一方のゴム組成物(例えばGa)の後端に、他方のゴム組成物(例えばGb)が接続して継ぎ換えされる。従って、前記押出口24から、各ゴム組成物Ga、Gbからなるゴムストリップ部15A、15Bが長さ方向に縦継ぎされた縦継ぎストリップ15を連続的に押し出すことができる。
なお本例では、一方のゴム押出機本体からのゴム組成物が前記押出口24から押し出されている間、他方のゴム押出機本体は停止され、他方のゴム押出機本体の内圧が過度に上昇するのを抑制しているが、好ましくは、個別ゴム流路とゴム押出機本体の例えばゴム投入口との間に、バイパス流路を形成し、切替弁25が閉じているとき、ゴム組成物を個別ゴム流路からゴム投入口まで帰還させる如く構成するのが好ましい。
そして、このような縦継ぎストリップ15を、タイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き付ける。これにより、各ゴム層部分14を、それぞれ、前記非導電性のゴムストリップ部15Aが巻回された非導電性巻回部41Aと、前記導電性のゴムストリップ部15Bが巻回された導電性巻回部41Bとで形成している。ここで重要なことは、前記図2の如く、
(1) 各前記導電性巻回部41Bが、導電性のゴムストリップ部15Bが1周以上かつ10周以下の範囲で巻回することにより形成されること:
(2) 前記半径方向最外側のゴム層部分14Uにおいて、前記導電性巻回部41Bの外端部が1.0mm以上のタイヤ軸方向の露出巾WUで前記接地面SUで露出すること;
(3) 前記半径方向最内側のゴム層部分14Lにおいて、前記導電性巻回部41Bの内端部が前記トレッド導電部13と1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾WLで接触すること、及び
(4) 半径方向内外で互いに隣り合うゴム層部分14、14間において、半径方向内側の導電性巻回部41Bの半径方向外端部と、半径方向外側の導電性巻回部41Bの半径方向内端部とは1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾WMで互いに接触することである。
このようなキャップゴム部12は、複数のゴム層部分14に分割されているため、各ゴム層部分14の厚さが小となる。従って各ゴム層部分14をストリップ巻回体40にて形成する場合、前記縦継ぎストリップ15を螺旋状に巻回する際の姿勢を、タイヤ軸方向に寝かせた緩傾斜とすることができる。従って、ストリップ間を容易にかつ充分な押圧力で押し付けでき、ストリップ間の接着力を高めうる。しかも旋回時の横力方向とストリップ間の界面との角度が浅くなるため、前記界面に作用する剪断力を減じることができ、前記接着力アップと相俟って、ストリップ間の亀裂損傷を抑制し耐久性を向上しうる。
又縦継ぎストリップ15の姿勢が急傾斜の場合、
(1) ストリップの半径方向外側縁側と内側縁側とでゴムの伸びに大きな差が生じるため、ゴムストリップの厚さ変化が大となる:
(2) ストリップの貼り付け位置がタイヤ軸方向に僅かに位置ずれしただけでも、半径方向に大きな位置ずれが生じるなど断面形状に与える影響が大となる:
(3) 姿勢が不安定となり、先に巻回されたゴムストリップの側面(斜面)に貼付ける際に前記斜面に沿って滑るなど位置ずれし易くなる:
などの理由により、ストリップ巻付体の形成精度が低下するという問題があるが、前記姿勢を緩傾斜とすることで成形精度を向上することができる。
又各ゴム層部分14には、前記導電性のゴムストリップ部15Bからなる導電性巻回部41Bが形成されるとともに、この導電性巻回部41Bは、半径方向最外のゴム層部分14Uでは接地面SUで露出し、半径方向最内のゴム層部分14Lでは、トレッド導電部13と接触し、かつ半径方向内外で隣り合うゴム層部分14間においては、導電性巻回部41B同士が互いに接触している。即ち各ゴム層部分14の導電性巻回部41Bは互いに連なり、前記接地面SUからトレッド導電部13に至る導電路を形成でき、静電気を放電しうる。
このとき前記露出巾WU、接触巾WL、WMがそれぞれ1.0mm未満では、電気的導通が不充分となって放電を不確実なものとする。そのために前記露出巾WU、接触巾WL、WMは、それぞれ3.0mm以上、さらには5.0mm以上が好ましい。しかし前記露出巾WU、接触巾WL、WMが大きすぎると、走行性能や耐偏摩耗性に悪影響が生じやすく、従って上限は10.0mm以下、さらには7.0mm以下が好ましい。又同様の理由により、ゴムストリップ部15Bの巻回数は1周以上かつ10周以下が必要である。なお前述の露出巾WU、接触巾WL、WMの規制範囲は、タイヤ一周に亘って維持されるべきである。
前記縦継ぎストリップ15の断面形状としては、特に規制されないが、断面形状が、例えば台形、平行四辺形など巾方向両端部が剣先状をなすものが、前記露出巾WU、接触巾WL、WMの確保、及びエアー溜まりの防止の観点から好ましい。
又本例では、前記キャップゴム部12が、1本の縦継ぎストリップ15からなる場合を示している。具体的には、例えば図6(A)に例示するように、キャップゴム部12のタイヤ軸方向の一端部(図6では左端部)を起点として他端側に向かって螺旋状に巻き付けた後、タイヤ軸方向他端部、一端部で順次折り返しながら巻回を行うことで、各ゴム層部分14L、14M、14Uを連続的に形成している。この場合、各ゴム層部分14L、14M、14U毎に、縦継ぎストリップ15の傾斜の向きが相違するため、もしストリップ間に亀裂が生じた場合にも、その成長を層内で抑えることができる。又例えば図6(B)に例示するように、ゴム層部分14L、14M、14U毎に、個別の縦継ぎストリップ15を用いることができる。この場合、キャップゴム部12のタイヤ軸方向の一端部から、各縦継ぎストリップ15をスタート時間を少しづつ遅らせながら順次巻回していくことで、短時間でキャップゴム部12を形成することができる。係る場合には、縦継ぎストリップ15の傾斜の向きは、各ゴム層部分14L、14M、14Uともに同一となる。
次に、前記非導電性のゴム組成物Gaとして、本例では、ゴム成分100質量部に対してシリカを30〜100質量部配合した、シリカリッチ配合のゴムが用いられ、これにより低転がり抵抗性とウエットグリップ性とがより高いレベルで両立される。なお低転がり抵抗性、及びウエットグリップ性の観点から前記シリカの配合量の下限値は40質量部以上がより好ましく、又上限値は80質量以下さらには60質量部以下が好ましい。
前記ゴム成分としては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンの重合体であるブタジエンゴム(BR)、いわゆる乳化重合のスチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合のスチレンブタジエンゴム(S−SBR)、イソプレンの重合体である合成ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体であるニトリルゴム(NBR)又はクロロプレンの重合体であるクロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴムが挙げられ、これらから選択されるゴムを単独で、又は2種以上をブレンドして使用する。
又前記シリカとしては、特に限定はされないが、窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m2 /gの範囲、かつフタル酸ジブチル(DBP)吸油量が180ml/100g以上のコロイダル特性を示すものが、ゴムへの補強効果及びゴム加工性等の点で好ましい。なおシランカップリング剤としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、α−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好適である。
又前記非導電性のゴム組成物Gaには、シリカのみならず、カーボンブラックを補助的に配合することができる。これは、他のゴム物性、例えばゴム弾性やゴム硬度等を適宜コントロールするのに役立つ。この場合、カーボンブラックの配合量は、シリカの配合量より少なく、とりわけゴム成分100質量部に対して15質量部以下、さらには10量部以下が望ましい。カーボンブラックの配合量が15質量部を超えると、シリカによる低転がり抵抗性が損なわれる他、ゴムが過度に硬くなる傾向となり好ましくない。
前記導電性のゴム組成物Gbとしては、本例では、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを30〜100質量部配合したカーボンリッチ配合のゴムが用いられる。ゴム成分としては、前述のジエン系ゴムから選択されるゴムを単独で、又は2種以上をブレンドして使用する。又カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積が70m2 /g以上のHAF、ISAFグレードのものが好ましく使用できる。なお前記非導電性のゴム組成物Ga、及び導電性のゴム組成物Gbには、要求されるゴム物性に応じて、例えば加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、軟化剤などの一般的なゴム用添加剤が適宜配合される。
次に、前記縦継ぎストリップ15としては、図7に示すように、非導電性のゴム組成物Gaからなるストリップ本体43の少なくとも上面、下面の双方に導電皮膜44をコーティングすることにより形成してもよい。この場合、前記導電皮膜44で被覆された範囲が導電性のゴムストリップ部15Bをなし、前記導電皮膜44で被覆されずにストリップ本体43が露出している範囲が非導電性のゴムストリップ部15Aをなす。前記導電皮膜44は、例えばストリップ本体43をトレッド形成用のドラムに供給する途中において、溶媒中に導電材を溶解又は分散させた導電溶液を該ストリップ本体43に塗布することにより形成できる。
ここで、前記導電材としては、導電性に優れるカーボンブラック及び金属粉体が好適に使用しうる。特にカーボンブラックは、ゴム補強剤として使用されているため安全性の観点から好ましい。又前記溶媒として、水及び有機溶媒が使用しうるが、塗布した導電溶液の乾燥時間の観点から、トルエン、ヘキサンなどの有機溶媒が好ましい。又ストリップ本体43との接着強度を高める、及び粘度を高めて導電皮膜44の厚さを充分に確保する等の観点から、前記溶媒にゴムをラテックス状に配合することも好ましい。このとき配合するゴムとして、前記ストリップ本体43に用いるゴム成分と同様、ジエン系ゴムを用いることが接着強度の観点から好ましい。
次に、前記空気入りタイヤ1の他の実施形態(第2実施形態)を、図8、9を用いて説明する。前記第1実施形態の空気入りタイヤ1では、縦継ぎストリップ15を用いてキャップゴム部12を形成したのに対して、第2実施形態の空気入りタイヤ1では、非導電性のゴムストリップ45と、導電性のゴムストリップ46との2種類のゴムストリップを用いてキャップゴム部12を形成したことのみ相違している。
具体的には、図8の如く、各ゴム層部分14は、前記ゴム組成物Gaからなる非導電性のゴムストリップ45が、タイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き付けられる非導電性巻回部41Aと、タイヤ軸方向で隣り合う前記非導電性のゴムストリップ45、45間に介在して該非導電性のゴムストリップ45とともに螺旋状に1周以上かつ10周以下、好ましくは5周以下の範囲で巻回する前記ゴム組成物Gbからなる導電性のゴムストリップ46からなる導電性巻回部41Bとを具えたストリップ巻回体40から形成されている。
そして、前記半径方向最外側のゴム層部分14Uにおいて、前記導電性巻回部41Bの外端部は1.0mm以上のタイヤ軸方向の露出巾WUで前記接地面SUで露出し、かつ前記半径方向最内側のゴム層部分14Lにおいて、前記導電性巻回部41Bの内端部が前記トレッド導電部13と1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾WLで接触し、かつ半径方向内外で互いに隣り合うゴム層部分14、14間において、半径方向内側の導電性巻回部41Bの半径方向外端部と、半径方向外側の導電性巻回部41Bの半径方向内端部とは1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾WMで互いに接触している。
ここで、前記導電性巻回部41Bの露出巾WUは、半径方向最外側のゴム層部分14Uにおいて、導電性の各ゴムストリップ46の外端部が接地面SUでそれぞれ露出する露出巾WUbの総和ΣWUbを意味する。又前記導電性巻回部41Bの接触巾WLは、半径方向最内側のゴム層部分14Lにおいて、導電性の各ゴムストリップ46の内端部が前記トレッド導電部13とそれぞれ接触する接触巾WLbの総和ΣWLbを意味する。又前記導電性巻回部41Bの接触巾WMは、半径方向内外で互いに隣り合うゴム層部分14、14間において、導電性の各ゴムストリップ46の外端部と内端部とがそれぞれ接触する接触巾WMbの総和ΣWMbを意味する。
又なお前記露出巾WU、接触巾WL、WMの下限値は、前記第1実施形態の場合と同様、1.0mm以上であって、好ましくは3.0mm以上、さらには5.0mm以上が望ましく、又上限値は10.0mm以下、さらには7.0mm以下が好ましい。なお第1実施形態において、前記縦継ぎストリップ15が前述の図7の如き構造の場合、前記露出巾WU、接触巾WL、WMは、前記第2実施形態の場合と同様、導電性巻回部41Bをなす各導電皮膜44における露出巾WUb、接触巾WLb、WMbの総和で表される。即ち、WU=ΣWUb、WL=ΣWLb、WM=ΣWMbである。
次に、このような導電性巻回部41Bは、前記図9に示すように、非導電性のゴムストリップ45をタイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き付けする途中において、導電性のゴムストリップ46の一端46Eの少なくとも一部を、既に巻付けられた非導電性のゴムストリップ45上に重ね合わせて接合し、この非導電性のゴムストリップ45の後を追って螺旋状に巻き付けすることにより形成できる。
この第2実施形態の空気入りタイヤ1においても、第1実施形態の空気入りタイヤ1と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造を有し、かつトレッドゴムのキャップゴム部及びベースゴム部を、ストリップワインド方式により形成した空気入りタイヤ(サイズ:215/45ZR17)を、表1の仕様に基づいて試作した。そして、各供試タイヤの転がり抵抗、及びタイヤの電気抵抗を測定した。なお表1に示されたパラメータ以外は、各タイヤとも同一である。なお各タイヤともに、ベースゴム部、トレッド補強コード層のトッピングゴム、サイドウォールゴム、クリンチゴムは、それぞれ体積固有電気抵抗値が1×105(Ω・cm)の導電性ゴムからなり、リムとベースゴム部との間の導通は確保されている。
なお比較例1は、ゴム組成物Gb(表2)の導電性のゴムストリップのみを用いてキャップゴム部を形成し、比較例2は、ゴム組成物Ga(表2)の非導電性のゴムストリップのみを用いてキャップゴム部を形成している。
又表1中のストリップの形態のA1は、図3に示す縦継ぎストリップ15であって、ゴム組成物Ga(表2)からなる非導電性のゴムストリップ部15Aと、ゴム組成物Gb(表2)からなる導電性のゴムストリップ部15Bとから形成されている。又ストリップの形態のA2は、図7に示す縦継ぎストリップ15であって、ゴム組成物Ga(表2)によるストリップ本体43からなる非導電性のゴムストリップ部15Aと、このストリップ本体43の上面、下面にコーティングされた導電皮膜44からなる導電性のゴムストリップ部15Bとから形成されている。前記導電皮膜44は、溶媒中にゴム組成物Gb(表2)を溶解したゴム糊を塗布することにより形成している。従って、ゴム組成物Gbと実質的に同じ組成をなしている。又ストリップの形態のBは、ゴム組成物Ga(表2)からなる非導電性のゴムストリップ45と、ゴム組成物Gb(表2)からなる導電性のゴムストリップ46との2種類のゴムストリップを用いて非導電性巻回部、導電性巻回部を構成している。
<転がり抵抗>
転がり抵抗試験機を用い、下記の条件での転がり抵抗を測定した。評価は、従来例1を100とする指数で評価した。数値が大きい方が転がり抵抗が小さく良好である。
リム:17×7J
内圧:200kPa
荷重:5.9kN
速度:80km/h
<タイヤの電気抵抗>
図10に示すように、絶縁板30(電気抵抗値が1012Ω以上)の上に設置された表面が研磨された金属板31(電気抵抗値は10Ω以下)と、タイヤ・リム組立体を保持する導電性のタイヤ取付軸32と、電気抵抗測定器33とを含む測定装置を使用し、JATMA規定に準拠してタイヤとリムの組立体の電気抵抗値を測定した。なお各供試タイヤTは、予め表面の離型剤や汚れが十分に除去されており、かつ、十分に乾燥した状態のものを用いた。また他の条件は、次の通りである。
リム:アルミニウム合金製 17×7J
内圧:200kPa
荷重:5.9kN
試験環境温度(試験室温度):25℃
湿度:50%
電気抵抗測定器の測定範囲:103 〜1.6×1016Ω
試験電圧(印可電圧):1000V
試験の要領は、次の通りである。
(1)供試タイヤTをリムに装着しタイヤ・リム組立体を準備する。この際、両者の接触部に潤滑剤として石けん水が用いられる。
(2)タイヤ・リム組立体を試験室内で2時間放置させた後、タイヤ取付軸32に取り付ける。
(3)タイヤ・リム組立体に前記荷重を0.5分間負荷し、解放後にさらに0.5分間、解放後にさらに2分間負荷する。
(4)試験電圧が印可され、5分経過した時点で、タイヤ取付軸32と金属板31との間の電気抵抗値を電気抵抗測定器33によって測定する。前記測定は、タイヤ周方向に90°間隔で4カ所で行われ、そのうちの最大値を当該タイヤTの電気抵抗値(測定値)とする。
Figure 0005065762
Figure 0005065762
テストの結果、実施例のタイヤは、ストリップワインド方式でトレッドゴムのキャップゴム部を形成した場合にも、優れた低転がり抵抗性を維持しながら、タイヤの電気抵抗を低く抑えることができる。
本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 そのキャップゴム部の一部を拡大して示す断面図である。 縦継ぎストリップの一例を示す斜視図である。 縦継ぎストリップ形成用のゴム押出し装置の一実施例を示す断面図である。 ゴム押出し装置の機能を説明する断面図である。 (A)、(B)はキャップゴム部を形成するための縦継ぎストリップの巻回方法を説明する断面図である。 縦継ぎストリップの他の例を示す斜視図である。 キャップゴム部の他の例を示す断面図である。 その形成方法を例示する斜視図である。 タイヤの電気抵抗測定装置を概念的に示す略断面図である。 背景技術を説明するキャップゴム部の部分断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
7 トレッド補強コード層
9 ベルト層
11 ベースゴム部
12 キャップゴム部
13 トレッド導電部
14、14U、14M、14L ゴム層部分
15 縦継ぎストリップ
15A 非導電性のゴムストリップ部
15B 導電性のゴムストリップ部
32 非導電性のゴムストリップ
33 導電性のゴムストリップ
40 ストリップ巻回体
41A 非導電性巻回部
41B 導電性巻回部
J リム
SL 接触面
SU 接地面

Claims (2)

  1. トレッド部が、リム組み時にリムと導通する導電性のトレッド導電部と、内周面が前記トレッド導電部に接する接触面をなしかつ外周面が路面に接地する接地面をなす環状のキャップゴム部とを具えた空気入りタイヤであって、
    前記キャップゴム部は、前記接触面を有する半径方向最内側のゴム層部分と、前記接地面を有する半径方向最外側のゴム層部分とを含む複数のゴム層部分が半径方向内外に重置される複数層構造をなし、
    しかも各ゴム層部分は、非導電性のゴムストリップ部と導電性のゴムストリップ部とが長さ方向に縦継ぎされた縦継ぎストリップをタイヤ軸芯廻りで螺旋状に巻き付けたストリップ巻回体からなり、かつ該ストリップ巻回体は、前記非導電性のゴムストリップ部からなる非導電性巻回部と、前記導電性のゴムストリップ部が1周以上かつ10周以下の範囲で巻回する導電性巻回部とを具えるとともに、
    前記半径方向最外側のゴム層部分において、前記導電性巻回部の外端部は1.0mm以上のタイヤ軸方向の露出巾で前記接地面で露出し、かつ前記半径方向最内側のゴム層部分において、前記導電性巻回部の内端部が前記トレッド導電部と1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾で接触し、かつ半径方向内外で互いに隣り合うゴム層部分間において、半径方向内側の導電性巻回部の半径方向外端部と、半径方向外側の導電性巻回部の半径方向内端部とは1.0mm以上のタイヤ軸方向の接触巾で互いに接触することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記縦継ぎストリップは、非導電性のゴムストリップ部が非導電性のゴム組成物Gaからなり、かつ導電性のゴムストリップ部が導電性のゴム組成物Gbからなり、先行する一方のゴム組成物の後端に、他方のゴム組成物が接続されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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