JP5064873B2 - 活性エネルギー線硬化型粘着組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型粘着組成物 Download PDF

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Description

本発明は、光を照射することにより容易に重合硬化し、加工性が良好で且つ硬化塗膜からの揮発性成分が少なく、被着体との密着力、特に湿熱条件下での耐久性に優れた活性エネルギー線硬化型粘着組成物、該組成物を用いて作られた粘着シート、及び該粘着シートを用いて形成された光ディスクに関する。
近年ディスプレイ等光学製品、電子機器、情報記録部材等において粘着シートが多く用いられている。このようなシートに使用される粘着剤に求められる特性としては、各種基材に対する接着力、及び被着体への非汚染性が挙げられる。特に高精密部品や記録媒体などの先端技術の分野においては高温高湿等、厳しい環境条件下における信頼性が求められる場合が殆どである上に被着体が酸化腐食性を持つものが多く、有機材料中の低分子量成分が被着体へ移行して腐食が起ったり、密着力が低下したりして被着体からの剥離、発泡が起るなど、粘着剤が被着体へ悪影響を及ぼす場合がある。このような問題の対策としては、分子量100万程度の高分子量アクリル共重合体からなる粘着主剤を用いることで、粘着剤の凝集力を高め、被着体への接着力と非汚染性を両立させる手法が一般的に取られている。しかしながら、このような高分子量の粘着剤はその粘度の高さから加工が非常に困難である為、一般的には有機溶剤等で希釈して用いられており、乾燥工程での煩雑さや、環境面から満足できるものではなかった。
そこで近年では、有機溶剤を製造工程で使用しない粘着材料が注目されており、例えば、活性エネルギー線重合型の低分子量アクリルを主成分とする粘着剤等が開発されている。しかしながら、活性エネルギー線硬化型の粘着剤は、紫外線などの光照射によって容易に重合するものの、十分にエネルギー線を照射しても、硬化物中に未反応残分、又は低分子量成分などが残存して揮発成分となり、被着体を汚染するなどの問題があった。(特許文献1参照)。
また、特許文献2では、分子量50万以下のアクリルポリマーとUV硬化型モノマーを混合した粘着剤組成物が提案されているが、再剥離性を重視した設計である上に、その硬化物中の未反応残分についての考慮もされていない為、耐湿熱性等の耐環境性が必要な用途や、無機系基材など腐食が懸念される被着体へ用いるには信頼性に欠けるものであった。
特開2001−220564号公報 特開2006−312664号公報
本発明の課題は、無溶剤加工が可能であり、接着力と耐久性、特に、高温高湿環境条件下においた後も、被着体への密着性と耐腐食性に優れた活性エネルギー線硬化型の粘着組成物、該組成物を用いて作られた粘着シート、及び該粘着シートを用いて形成された光ディスクを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線硬化型粘着剤において、加工性と耐久性、すなわち被着体への密着性と低汚染性を両立させるためには、活性エネルギー線によって、(1)硬化性樹脂成分の反応が十分に進行すること、(2)粘着ポリマー主剤と架橋剤との間、すなわち、硬化性樹脂成分間に、共有結合及び水素結合を形成させ、分子間相互作用が存在するよう処方するのが重要であること、より詳細には、エポキシ基含有アクリル共重合体中のエポキシ基と、アクリル共重合体中のカルボン酸基との間で一部エステル化反応により共有結合を形成し、さらに残るエポキシ基を活性エネルギー線により重合硬化させた際、開環したエポキシ基部分の水酸基とカルボン酸基間でも水素結合を形成させることによって、被着体への密着性と低汚染性を両立できることを見出した。
本発明者らは、上記知見のもと、さらに鋭意検討を重ねた結果、加工性、接着力、及び耐久性、特に揮発成分が少なく無機系被着体への耐腐食性に優れた下記(A)〜(C)の成分を含有する活性エネルギー線硬化型粘着組成物を見出して、本発明を完成するに至った。
(A)重量平均分子量20万〜50万、かつガラス転移温度が0℃未満のカルボン酸基含有アクリル共重合体
(B)重量平均分子量1000〜5万、かつガラス転移温度が0℃未満のエポキシ基含有アクリル共重合体
(C)光重合開始剤
すなわち本発明は、(1)重量平均分子量20万〜50万、かつガラス転移温度が0℃未満のカルボン酸基含有アクリル共重合体と、重量平均分子量1000〜5万、かつガラス転移温度が0℃未満のエポキシ基含有アクリル共重合体と、光重合開始剤とを含有すること特徴とする活性エネルギー線硬化型粘着組成物や、(2)さらに2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含むことを特徴とする前記(1)記載の活性エネルギー線硬化型粘着組成物や、(3)前記(1)又は(2)記載の活性エネルギー線硬化型粘着組成物を用いて形成された粘着シートや、(4)粘着シートをガラスに貼り合わせた場合において、粘着シートとガラスとの界面の180°剥離強度が、剥離速度200mm/分で、4N/20mm以上であることを特徴とする前記(3)記載の粘着シート、(5)前記(3)又は(4)記載の活性エネルギー線硬化性粘着組成物を用いて形成されたシートを少なくとも一層積層して形成されたことを特徴とする光ディスクに関する。
本発明によると、接着力と耐久性、特に揮発成分が少なく無機系被着体への耐腐食性に優れた活性エネルギー線硬化型粘着組成物を提供することができ、本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物を含有してなる粘着シートは、耐腐食性に優れ、かつ剥離強度が高く、また、前記粘着シートを積層して得られる光ディスクは、耐腐食性、積層の簡便性、厚さ精度、コストに極めて優れるものである。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の範囲がこの実施形態に限定されるものではない。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物としては、重量平均分子量20万〜50万、かつガラス転移温度が0℃未満のカルボン酸基含有アクリル共重合体と、重量平均分子量1000〜5万、かつガラス転移温度が0℃未満のエポキシ基含有アクリル共重合体と、光重合開始剤とを含有するものであれば特に限定されず、上記本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物は、接着力と耐久性、特に揮発成分が少なく無機系被着体への耐腐食性に優れるものである。また、本発明の活性エネルギー線硬化性粘着組成物には、上記成分以外にも、活性エネルギー線硬化型の(メタ)アクリレートを含有させても良く、中でも、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA−EO/PO変性ジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ポリイソブチレンジアクリレート、アルコキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルコキシ化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートを好適に例示することができ、これらの多官能(メタ)アクリレートは、上記粘着剤組成物の加工性向上や、架橋構造を付与させることにより硬化物に凝集力を付与させる効果があり、1種又は2種以上を併用して用いることができる。また、上記以外にも、硬化物の諸物性を損なわない範囲において反応助剤、連鎖移動剤、光増感剤、重合禁止剤、粘着付与剤等の添加剤を適宜加えても良い。
本発明に用いるカルボン酸基含有アクリル共重合体としては、上記のように、重量平均分子量20万〜50万、かつガラス転移温度が0℃未満のカルボン酸基含有アクリル共重合体であれば制限されず、カルボン酸基含有アクリル共重合体の重量平均分子量を20万〜50万とすることにより、粘着組成物としての物性を損なわず、無溶剤にて加工が可能である。また、ガラス転移温度を0℃未満とすることにより、接着性及び柔軟性に優れものとなる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算により求めた値を示す。
上記カルボン酸基含有アクリル共重合体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及びこれらの無水物等の不飽和カルボン酸と、アクリル単量体との共重合により得ることができ、前記不飽和カルボン酸の中でも、アクリル酸とメタクリル酸が好ましく用いられる。また、カルボン酸基含有アクリル共重合体を構成するアクリル単量体としては、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレートメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ) アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ) アクリレート、2 − ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アセトニトリル、ビニルピロリドン、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。さらにこの他に酢酸ビニル、スチレン等を用いることもできる。これらモノマーは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記カルボン酸含有アクリル共重合体は、市販の製品を購入することもできる。
また、上記カルボン酸基含有アクリル共重合体は、モノマー単位として、不飽和カルボン酸を、0.2〜5重量% 、さらに好ましくは0 . 3〜4重量%含有することが好ましい。上記範囲にて組成物の適度な接着力と耐久性特に酸化腐食性をもつ被着体への耐腐食性のバランスをとることができる。
上記エポキシ基含有アクリル共重合体としては、重量平均分子量1000〜50000、かつガラス転移温度が0℃未満のエポキシ基含有アクリル共重合体であれば、特に制限されず、エポキシ基含有アクリル共重合体の重量平均分子量が1000以下であると、該組成物の硬化物中に未反応残基が残った場合、低分子量成分として残存しやすい為、経時での溶出、接着力低下等により耐久性が低下する為好ましくない。また重量分子量が5万以上であると高粘度になりアクリル共重合体への希釈効果が損なわれ、該組成物の加工性が劣る為好ましくない。
上記エポキシ基含有アクリル共重合体は、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキサニルメチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエチレン系不飽和基をもつエポキシ基化合物と、アクリル単量体との共重合により得ることができ、前記エチレン系不飽和基をもつエポキシ基化合物の中でも、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましく用いられる。またエポキシ基含有アクリル共重合体を構成するアクリル単量体としては、上記に例示したアクリル単量体を挙げることができ、これらモノマーは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記エポキシ基含有アクリル共重合体は、市販の製品を購入することもできる。
このような設計により、上記アクリル共重合体と部分的に共有結合が形成さされ、さらにエポキシ基を活性エネルギー線により開環、重合させた際、生じる水酸基同士、及び共重合体中のカルボン酸基と水素結合を形成し、粘着組成物に凝集力を付与させることができる。
上記光重合開始剤としては、特に制限されるものではないが、エポキシ基は、カチオンラジカルにより開環反応するため、特に光カチオン重合開始剤が添加されていることが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、市販されている一般的なオニウム塩を用いればよく、具体的にはp−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のスルホニウム塩、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等のホスホニウム塩、4−メチルフェニル−〔4−(2−メチルプロピル)フェニル〕ヨードニウムヘキサフルオロフホスフェート等のヨードニウム塩、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄−ヘキサフルオロホスフェート等のフェロセン誘導体が挙げられ、これらを1種又は2種以上を併用して用いることができる。
なお、上述したように、本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物に(メタ)アクリレート化合物を含有する場合には、光ラジカル重合開始剤をさらに含有させる事が好ましい。光ラジカル重合開始剤としてはベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、フォスフィンオキシド系、及びパーオキシド系等が挙げられ、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等を例示することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。中でもラジカル発生後の分解物が発生しないことから、水素引き抜き型の光ラジカル開始剤が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物の配合比としては、加工性と粘着特性、硬化物の耐久性が要求される場合には、カルボン酸基含有アクリル共重合体30〜90質量部に対して、エポキシ基含有アクリル共重合体10〜70質量部とすることが好ましく、光重合開始剤の含有量は、上記カルボン酸基含有アクリル共重合体と、エポキシ基含有アクリル共重合体の含有量に対して、0.5〜5部含有させることが好ましい。また上記粘着組成物には、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有してもよく、その配合比は、上記粘着組成物全量に対して、30質量部以下とすることが好ましい。配合量が30質量部を超えると固い硬化層が形成されて粘着力に乏しくなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、下記実施例に示すように、上記(A)〜(C)を調製後、該成分(A)〜(C)を均一混合攪拌させ、減圧して溶剤を除去することによって、製造することが可能である。
本発明のカルボン酸含有アクリル共重合体や、エポキシ基含有アクリル共重合体の製造法としては、特に限定されず、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の重合法により製造することができる。共重合体の重合開始方法も、過酸化物やアゾ化合物などの熱重合開始剤による方法、光重合開始剤と活性エネルギー線による方法などから任意に選ぶことができる。また、必要に応じて重合時に連鎖移動剤、可塑剤を添加しても良い。該組成物の添加方法についても特に限定されず、共重合体合成時の反応溶媒に該組成物中の他成分を混合後脱溶剤する方法や、アクリル共重合体脱溶剤後ミキサーやニーダ、押出機等で加熱混合する等公知の方法を用いることができる。また、重合反応時の反応時間や、反応温度についても、特に制限される物ではなく、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)等を用いて、反応組成を追跡しながら決定すれば良い。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物は、種々の基材への接着用途に用いることができる。例えば、基板上に、ロールコーター、スピンコーター、スクリーン印刷法等の塗工装置を用いて乾燥塗布膜厚が1〜50μmとなるように、前記エネルギー線硬化型粘着組成物を塗布し、もう一枚の基板を重ね、活性エネルギー線を基板の上から、照射して硬化することにより基板どうしを接着させることができる。
また連続して定速駆動する工程用離型フィルム上に十分混合分散した前記組成物を通常20〜150℃、好ましくは20〜100℃の範囲で定量供給し、表面張力や加熱、加圧効果によりフィルム状に賦形し、活性エネルギー線を照射して硬化させ成形することもできる。前記工程用離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ4メチルペンテン−1フィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム等の離型性、寸法安定性、平滑性に優れたフィルムが利用でき、好ましくはシリコーンコーティングで離型処理された平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。離型性の程度は組成物を硬化させた後の離型性の他、塗工した時のフィルム形態のぬれ安定性、密着性とのバランスで調整される。また離型フィルムの厚さとしては主に粘着組成物塗工時の安定性、硬化物の裁断、ハーフカット等2次加工時の作業性、硬化に関わる活性エネルギー線透過性、離型フィルムコストのバランスで調整され、実用的には30〜100μmである。
また上記組成物を活性エネルギー線にて硬化させる際、片面のみを工程用離系フィルムに接触した状態で活性エネルギー線を照射した後、大気接触側に工程用離型フィルムをラミネートしても良いし、種々の組合せで両面を工程用フィルムに接触させた上で活性エネルギー線を照射しても良い。
このように本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物は、様々な基材の接着に際し、用いることができるが、加工性、接着力、及び耐久性、特に揮発成分が少なく無機系被着体への耐腐食性に優れた性質を有する点から、光ディスク(DVD−RAM、DVD−RW、Blu−ray Disc等)基板の貼り合わせ用粘着剤として有用であり、前記活性エネルギー線硬化型粘着組成物を光ディスク用粘着剤として用いれば、特に金属層への耐腐食性に極めて優れたものとなる。
本発明の粘着シートは、上記活性エネルギー線硬化型粘着組成物を含有するものであれば、制限されるものではなく、前記活性エネルギー線硬化型粘着組成物を含有する本発明の粘着シートは、被着体への密着性と低汚染性に極めて優れたものである。このように本発明の粘着シートは、密着性と低汚染性に極めて優れたものであるが、中でも、粘着シートをガラスに貼り合わせた場合において、粘着シートとガラスとの界面の180°剥離強度が、剥離速度200mm/分で、4N/20mm以上とすることが好ましく、剥離強度は、前記条件の下、引っ張り試験機を用いて測定した値を示す。本発明の粘着シートは、DVD−RAM、DVD−RW、Blu−ray Disc等の光ディスクの貼り合わせ用粘着シートとして用いた場合、粘着シートからの揮発性化合物の発生が極めて少なく、光ディスクへの汚染を低減させることが可能であり、かつ剥離強度が高いため、経時接着力に優れたものである。
上記粘着シートを光ディスクに応用する具体例としては、表面にピット、グルーブ等の凹凸パターンが形成されて信号記録面とされているディスク基板上に光透過層を設け、この光透過層側からレーザ光を照射して情報の記録、再生を行うようにした光ディスクに関し、該粘着シートを上記光透過層の貼合層に用いるものが挙げられる。具体的には本発明の粘着シートを別途準備した光透過層と積層したものをドーナツ形状裁断し、これを光ディスクの記録層面に貼合して用いる。上記光透過層については特に制約はなくアクリル、ポリカーボネート、TAC等耐熱性、透明性のあるものが好ましく、さらに保護膜の信頼性を挙げる為に、光透過層の粘着シートと貼合面とは反対側にハードコート層をもうけても良い。
本発明の粘着シートの製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、上記本発明の活性エネルギー線硬化型粘着組成物を調製後、離型フィルムにアプリケータを用いて、該組成物を塗工し、さらにその塗工膜上に離型フィルムをロールにてラミネートさせ、その後、高圧水銀ランプを用いて、両面から紫外線を照射し、粘着シートを作製する方法を挙げることができる。なお、片面粘着付きシートを作製する場合は、行程用離型フィルムの代りに目的とする粘着シートの基材を粘着剤組成物の塗工基材として用いたり、工程用離型フィルム上に塗工した粘着剤組成物の上に、さらに上記基材を積層させても良い。但し活性エネルギー線を照射する為には少なくとも片面は大気もしくは活性エネルギー線が透過する透明樹脂フィルムが必須であり、照射も大気もしくは透明樹脂フィルム側に限定される。活性エネルギー線としては紫外線が反応速度、工程の簡便性から有効であり、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等種々の光源を適宜使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。
(製造例1)
攪拌機、温度計、コンデンサー、及び窒素ガス導入口を備えた反応器に、トルエン500質量部、及びブチルアクリレート700質量部を入れて、窒素雰囲気下に80℃まで昇温させた。そこへ、2−エチルヘキシルアクリレート280質量部、アクリル酸20質量部、アゾビスイソブチロニトリルの2質量部からなる混合物を、4時間かけて滴下した。前記熱媒で過熱を防止しつつ重合処理して重量平均分子量24万(ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)のアクリル共重合体A(すなわち、カルボン酸含有アクリル共重合体、理論Tg−56℃)を得た。
(製造例2)
攪拌機、温度計、コンデンサー、及び窒素ガス導入口を備えた反応器に、トルエン500質量部、及びブチルアクリレート800質量部を入れて、窒素雰囲気下に80℃まで昇温させた。そこへ、2−エチルヘキシルアクリレート200質量部、アゾビスイソブチロニトリルの2質量部からなる混合物を、4時間かけて滴下した。前記熱媒で過熱を防止しつつ重合処理して重量平均分子量40万(ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)のアクリル共重合体B(すなわちカルボン酸基非含有アクリル共重合体、理論Tg−58℃)を得た。
(実施例1)
製造例1で製造したアクリル共重合体A70質量部に対し、アクリルコポリマー(アクリルコポリマー1ともいう。東亞合成株式会社製アルフォンUG4000:エポキシ基含有アクリル共重合体;分子量3000、Tg−61℃)30質量部、光重合開始剤として4−メチルフェニル−〔4−(2−メチルプロピル)フェニル〕ヨードニウムヘキサフルオロフホスフェート(光重合開始剤1ともいう。チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア250)を2質量部加え、均一混合攪拌した後、減圧して溶剤を取り除いた。この組成物を75μm厚みの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムにアプリケータを用いて25μm厚みに塗工し、さらにその塗工膜上に38μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムをロールにてラミネートした。その後、ウシオ電機製高圧水銀ランプを用いて80Wで積算光量2000mJとなるように両面から紫外線を照射し、粘着シートを作製した。
(実施例2)
製造例1で製造したアクリル共重合体A50質量部に対し、アクリルコポリマー1(東亞合成株式会社製アルフォンUG4000:エポキシ基含有アクリル共重合体;分子量3000,Tg−61℃)25質量部、(メタ)アクリレートとして、トリメチロールプロパントリアクリレート5質量部、光重合開始剤として、光重合開始剤1を2質量部、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物(光重合開始剤2ともいう。Lanberti社製ESACURE TZT)1質量部を加えた以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例1)
アクリル共重合体B70質量部を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
アクリル共重合体A70質量部、アクリルコポリマーとしてアルフォンUP1010(アクリルコポリマー2ともいう。変性なしアクリル(エポキシ基非含有アクリル共重合体); Mw1700、Tg−31℃)25質量部、(メタ)アクリレートとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(アクリレートモノマー1ともいう。大阪有機化学工業社製ビスコート#295)5質量部、光重合開始剤として、光重合開始剤1を2質量部、光重合開始剤2を1質量部加えた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例3)
アクリル共重合体A70質量部、(メタ)アクリレートモノマーとしてポリテトラメチレングリコールジアクリレート(アクリレートモノマー2ともいう。新中村化学製A−PTMG65)30質量部、光重合開始剤として、光重合開始剤2を2質量部加えた以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(評価項目及び評価方法)
≪剥離強度≫
実施例1、及び比較例1〜3で得られた粘着シートの38μm行程用離型PETを剥がして、38μmの易接着PETを貼合した。続いて75μの行程用離型フィルムを剥がして、ソーダライムガラスに貼り合わせて40℃で3日間保管した後、引っ張り試験機((株)インテスコ社製205X)を用いて引っ張り速度200mm/分の条件で180度方向に粘着フィルムを引き剥がし、ガラス界面と剥離強度を測定した。このときの剥離強度が4N/20mm以上のものを○、4N/20mm未満を×と判定した。
≪経時接着力≫
実施例1、及び比較例1〜3で得られた粘着シートの38μm行程用離型PETを剥がして38μmの易接着PETを貼合した。続いて75μの行程用離型フィルムを剥がしてソーダライムガラスに貼り合わせて温度80℃、湿度80%の高温高湿条件下にて200時間保管した後、引っ張り試験機((株)インテスコ社製205X)を用いて引っ張り速度200mm/分の条件で180度方向に粘着フィルムを引き剥がし、ガラス界面と接着力を測定した。このときの剥離強度が(初期の剥離強度×0.8)より大きいものを○、小さいものを×と判定した。
≪硬化物層を有する光ディスクの作製≫
光透過層として、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させて75μm厚みのシートを作製した。これに実施例1および比較例1〜3にて作製した粘着シートの38μm工程用離系フィルムを剥がして上記光透過層に貼合した後、トムソン刃を用いて光透過層側からディスク状に裁断し、光ディスク記録層の保護膜を作製した。ディスク状に成形された1.1mm厚のポリカーボネート上にAg反射膜、ZnS−SiO 誘電体層、SbTe系相変化記録膜、ZnS−SiO誘電体層の順に無機層が積層された基板上に、上記保護膜の75μm行程用離型フィルムを剥離して基板の無機層積層側に貼り合わせ、ディスクサンプルを作製した。
≪ディスク耐久性評価≫
上記ディスクサンプルを温度80℃、湿度85%RHの恒温恒湿槽にて200時間静置した後、ディスクサンプルの外観を目視で判断し、以下の判定を行った。
○:記録層の腐食、保護膜の剥離等はみられなかった。
△:ディスクと粘着層界面に発泡もしくはディスク端面から若干の腐食が見られた。
×:ディスク全面に腐食が見られた。
Figure 0005064873
以上のように、本発明の活性エネルギー線硬化性粘着組成物は耐腐食性に優れ、結果同組成物で成形された粘着シートを積層して得られる光ディスクは積層の簡便性、厚さ精度、コストに優れ、その付加価値は工業的に有用であることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量20万〜50万、かつガラス転移温度が0℃未満のカルボン酸基含有アクリル共重合体と、重量平均分子量1000〜5万、かつガラス転移温度が0℃未満のエポキシ基含有アクリル共重合体と、光重合開始剤とを含有すること特徴とする活性エネルギー線硬化型粘着組成物。
  2. さらに2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型粘着組成物。
  3. 請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型粘着組成物を用いて形成された粘着シート。
  4. 粘着シートをガラスに貼り合わせた場合において、粘着シートとガラスとの界面の180°剥離強度が、剥離速度200mm/分で、4N/20mm以上であることを特徴とする請求項3記載の粘着シート。
  5. 請求項3又は4記載の粘着シートを少なくとも一層積層して形成されたことを特徴とする光ディスク。
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