JP5050851B2 - 疼痛治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤等に関する。
1994年の世界疼痛学会(IASP : International Association for the Study of Pain)において発表された「慢性疼痛の分類(Classification of Chronic Pain)」によれば、「痛み(疼痛)」とは、「組織の損傷を惹き起こす、或いは損傷を惹き起こす可能性のある時に生じる不快な感覚や不快な情動を伴う体験、或いはそのような損傷が生じているように表現される不快な感覚や不快な情動を伴う体験(An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms such damage)」と定義されている。
疼痛は主に、(1)侵害受容器が持続的に刺激されて生じると考えられる「侵害受容性疼痛」、(2)疼痛伝達・抑制機構にかかわる神経線維の働きに異常をきたした結果である「神経因性疼痛」、および(3)感情・情動面に重きがおかれる「心因性疼痛」に分類される。
このうち、神経因性疼痛は、末梢または中枢神経系の機能異常の結果として生じる難治性の疼痛であり、例えば、末梢神経、神経叢または神経周囲軟組織への圧迫、外傷または傷害、中枢性の体性感覚経路(例えば、脊髄、脳幹、視床または皮質レベルでの上行体性感覚経路等)への傷害等が原因と考えられている。具体的には、神経変性疾患、骨変性疾患、代謝異常疾患(例えば、糖尿病等)、癌、感染、炎症、虚血、外科的手術、外傷、放射線治療、抗ガン剤の投与等によっても起こりうる。
神経因性疼痛の発症のメカニズムは不明な点が多いが、ある種のイオンチャネルの新規発現に起因する知覚神経の自然発火、脊髄の種々の層への知覚神経線維の発出、および知覚神経および脊髄における様々な神経伝達物質および受容体の発現の変化を含むと考えられている。神経因性疼痛の代表的な症状には、アロディニア(Allodynia)、痛覚過敏(Hyperalgesia)または感覚過敏(Hyperesthesia)等がある。これらの症状は、「焼け付くような」、「針で刺されるような」または「電気ショックのような」等と表現される特徴的な痛みを呈する。神経因性疼痛には通常の侵害受容性疼痛に有効である鎮痛薬はもとより、麻薬性鎮痛薬等でさえも効きにくいことが知られている(The Lancet, 353, 1959-1966, 1999)。例えば、モルヒネは侵害性疼痛に対して強力な鎮痛作用を有するが、神経因性疼痛に対しては充分な効果を示さないことが知られている。また、このモルヒネによる不十分な鎮痛作用が神経因性疼痛の大きな特徴となることから、その診断にも用いられている(医学のあゆみ, 189 (10), 751-755, 1999)。モルヒネが神経因性疼痛に効果が無い理由としては、神経障害により神経の機能的・形態的な変化が起こって抑制性ニューロンが変性したり、オピオイド受容体が減少したためと考えられている(最新 脳と神経科学シリーズ, 第6巻, 「痛みの神経科学」, メジカルビュー社, 97, 1997)。
前記したように、アロディニアは、神経因性疼痛の代表的な症状の一つである。アロディニアとは、正常なヒトでは痛みと感じない程度の刺激を痛みとして感じる状態をいい、アロディニアでは軽い接触や圧迫、適度の温熱や冷却等の非侵害刺激により痛みが惹き起こされる。すなわち、感覚反応の質的な転換がある点、およびその閾値自体が低下している点がアロディニアの基本的な特性と考えられている。神経因性疼痛の代表例である帯状疱疹後疼痛では、87%の患者にアロディニアが確認されており、また、帯状疱疹後疼痛の強さはアロディニアの度合いに比例しているとされている。アロディニアは、帯状疱疹後疼痛をはじめとする神経因性疼痛において、患者のQOLを著しく低下させる症状であることから、極めて重要な治療対象として注目されている。
現在、神経因性疼痛の治療法としては、神経ブロックや、脊髄硬膜外電気刺激等の神経外科的治療(医学のあゆみ, 189 (10), 757-762, 1999)、ガバペンチンやプレガバリン等のガバペンチノイド、ジコノタイド等のN型カルシウムチャネル阻害薬、三環系抗うつ薬(臨床と薬物治療, 18 (7), 643-646, 1999)、抗てんかん薬、局所麻酔薬、バクロフェン等が用いられている。しかしながら、安全で有効な治療法は未だ確立しておらず、神経因性疼痛に有効な治療剤の開発が切望されている。
一方、(2R)−2−プロピルオクタン酸は、細胞内S100β含量の減少作用を有することから、異常活性化アストロサイトの機能を改善し、脳卒中を含めて種々の脳神経疾患の予防または治療薬となり得る化合物である旨が報告されている(例えば、ジャーナル・オブ・セレブラル・ブラッド・フロウ・アンド・メトボリズム(Journal of cerebral blood flow & metabolism)、22(6)巻、723〜734頁(2002年)(非特許文献1)参照)。
また、(2R)−2−プロピルオクタン酸を含めたペンタン酸誘導体は、アストロサイトの機能改善作用を有することから、脳機能改善剤として有用で、例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、脳卒中や脳外傷後の神経機能障害等の治療に用いることができることが知られている。またその投与形態としては、成人1人あたり、1回に1〜1000mgの範囲で1日1回から数回経口投与されるか、1回に0.1〜100mgの範囲で1日1回から数回非経口投与されると記載されている(例えば、欧州特許第0632008号明細書(特許文献1)参照)。
しかしながら、(2R)−2−プロピルオクタン酸が疼痛、特に神経因性疼痛に有用である旨の記載はどこにもない。
ジャーナル・オブ・セレブラル・ブラッド・フロウ・アンド・メトボリズム(Journal of cerebral blood flow & metabolism)、22(6)巻、723〜734頁(2002年) 欧州特許第0632008号明細書
本発明の課題は、安全性に優れ、かつ医薬としての有用性に優れた、疼痛、とりわけ神経因性疼痛の予防、治療および/または症状進展抑制剤を提供し、さらにその具体的な投与方法を提供することにある。
本発明者らは、ラット腰髄神経結紮モデルを用いて検討を行なった結果、(2R)−2−プロピルオクタン酸が、30mg/kgのそれを神経結紮直後から1日1回14日間経口投与することによって、神経結紮により誘発される疼痛、すなわち、熱痛覚過敏や触覚アロディニアを抑制するという驚くべき効果を有していることを見出した。本発明者らは、この知見をもとにさらに検討を加え、(2R)−2−プロピルオクタン酸が、鎮痛薬の調節にも利用可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
[1](2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤;
[2]1回あたりの投与量が10mg乃至5000mgである前記[1]記載の剤;
[3]経口投与用である前記[2]記載の剤;
[4]1回あたりの経口投与量が100mg乃至5000mgである前記[3]記載の剤;
[5]非経口投与用である前記[2]記載の剤;
[6]非経口投与が静脈内投与である前記[5]記載の剤;
[7]1回あたりの静脈内投与量が100mg乃至2000mgである前記[6]記載の剤;
[8]1回あたりの静脈内投与量が体重1kgあたり2mg乃至20mgである前記[6]記載の剤;
[9]静脈内投与が点滴静注である前記[6]記載の剤;
[10]疼痛が神経因性疼痛である前記[1]記載の剤;
[11]神経因性疼痛が、癌性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性疼痛、HIV関連神経因性疼痛、結石誘発疼痛、神経痛、口腔顔面痛、または痛覚過敏である前記[10]記載の剤;
[12]さらに、速効性鎮痛薬を組み合わせてなる前記[1]記載の剤;
[13]さらに、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、神経因性疼痛鎮痛薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、中枢性筋弛緩薬、制吐薬、および局所麻酔薬から選択される一種以上を組み合わせてなる前記[1]記載の剤;
[14]鎮痛薬の調節が、鎮痛薬の依存性および/または耐性の低減である前記[1]記載の剤;
[15]哺乳動物に対し、1回あたり10mg乃至5000mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを投与することを特徴とする疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節方法;
[16]1回あたりの投与量が10mg乃至5000mgであることを特徴とする(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤を製造するための(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの使用;および
[17]哺乳動物に対し、神経ブロック、脊髄刺激療法、無痙攣性通電、イオントフォレシス、鍼灸、指圧、マッサージ、電気治療、温熱療法、光線治療、温泉治療、高圧酸素療法、アロマセラピー、バイオフィードバック、リラクゼーション訓練、催眠療法、注意そらし技法、および心理カウンセリングから選択される一種以上の方法と、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有する医薬組成物の投与を組み合わせて行うことを特徴とする疼痛の予防、治療および/または症状進展抑制方法等に関する。
本発明において、(2R)−2−プロピルオクタン酸は、式(I)
Figure 0005050851
[式中、
Figure 0005050851
はβ配置であることを表す。]で示される化合物である。
本発明において、(2R)−2−プロピルオクタン酸の塩は、薬学的に許容される塩が好ましい。薬学的に許容される塩は、毒性の低い、水溶性のものが好ましい。(2R)−2−プロピルオクタン酸の適当な塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性天然アミノ酸との塩等が挙げられる。無機塩基との塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)、アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)等が好ましい。有機塩基との塩としては、例えば、アルキルアミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、複素環式アミン(例えば、ピリジン、ピコリン、ピペリジン等)、アルカノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、フェネチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N−メチル−D−グルカミン等との塩が好ましい。塩基性天然アミノ酸との塩は、天然に存在し、精製することが可能な塩基性アミノ酸との塩であれば特に限定されないが、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン等との塩が好ましい。
本発明において、(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグとは、通常、当業者によって用いられるように、(2R)−2−プロピルオクタン酸の誘導体であって、体内で酵素的または化学的に変換されることで(2R)−2−プロピルオクタン酸となる化合物であればよく、その構造は特に限定されるものではない。(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグとしては、例えば、[1](2R)−2−プロピルオクタン酸のカルボキシ基がエステル化された化合物(例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸のメチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、イソブチルエステル、フェニルエステル、カルボキシメチルエステル、ジメチルアミノメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルオキシエチルエステル、フタリジルエステル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル、またはシクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル等)、[2](2R)−2−プロピルオクタン酸のカルボキシ基がアミド化された化合物(例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸のメチルアミド、エチルアミド、またはフェニルアミド等)、[3](2R)−2−プロピルオクタン酸のカルボキシ基が還元されたアルコール体およびその保護体(例えば、(2R)−2−プロピルオクタノール、または酢酸の(2R)−2−プロピルオクタニルエステル等)等が挙げられる。これらの化合物は公知の方法によって製造することができる。また、(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグには、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で(2R)−2−プロピルオクタン酸に変化するものも含まれる。さらに、(2R)−2−プロピルオクタン酸のプロドラッグは、(2R)−2−プロピルオクタン酸と同様、前記したような塩や溶媒和物(例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、エタノール等)等の溶媒和物等)等であってもよく、同位元素(例えば、H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグは、それ自体公知の方法、例えば、欧州特許第0632008号明細書、国際公開第99/58513号パンフレット、国際公開第00/48982号パンフレット、特許第3032447号明細書、特許第3084345号明細書、国際公開第2003/051852号パンフレット、国際公開第2003/097851号パンフレット、国際公開第2004/110972号パンフレット等に記載された方法、これらに準ずる方法、またはコンプリヘンシヴ・オーガニック・トランスフォーメーションズ:ア・ガイド・トゥー・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ、セカンド・エディション(リチャードC.ラロック、ジョンワイリーアンドサンズInc,1999)[Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)]に記載された方法等に従って、またはそれらの方法を適宜組み合わせることにより製造することができる。反応の生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、或いはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法により精製することができる。また所望によって、凍結乾燥等の処理に付してもよい。
本発明で用いられる(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグは、実質的に純粋で単一な物質であるものに限定されず、不純物(例えば、製造工程に由来する副生成物、溶媒、原料等、または分解物等)を、医薬品原薬として許容される範囲であれば含有していてもよい。医薬品原薬として許容される不純物の含有量は、(2R)−2−プロピルオクタン酸を用いるかその塩を用いるかまたはそのプロドラッグを用いるかでも異なるし、また、その含有される不純物によっても異なるが、例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸であれば、重金属は約20ppm以下、光学異性体であるS体は約1.49質量%以下、残留溶媒である2−プロパノールやヘプタンは合計約5000ppm以下、水分は約0.2質量%以下であることが好ましい。本発明で用いられる(2R)−2−プロピルオクタン酸としては、特に、光学純度が約99%e.e.以上の(2R)−2−プロピルオクタン酸、とりわけ、光学純度が約99.3%e.e.以上の(2R)−2−プロピルオクタン酸が好適である。
本発明は、疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節を目的に、前記(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの有効量を、好ましくは、1回あたり約1mg乃至約5000mgを、より好ましくは、1回あたり約10mg乃至約5000mgを、哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)に投与する方法を開示するものである。かかる方法においては、フリー体、すなわち(2R)−2−プロピルオクタン酸を用いることが特に好ましい。また、(2R)−2−プロピルオクタン酸の塩やプロドラッグを用いる場合は、(2R)−2−プロピルオクタン酸の塩やプロドラッグの量として1回あたり約1mg乃至約5000mg(好ましくは1回あたり約10mg乃至約5000mg)でも、(2R)−2−プロピルオクタン酸の量として1回あたり約1mg乃至約5000mg(好ましくは1回あたり約10mg乃至約5000mg)でも構わないが、(2R)−2−プロピルオクタン酸の量として1回あたり約1mg乃至約5000mg(好ましくは1回あたり約10mg乃至約5000mg)を投与することが好ましい。なお、本発明において、「予防」とは疼痛が起こらないようにすること、または起こっても軽度の疼痛にとどめることを意味し、「治療」とは疼痛をやわらげることを意味し、「症状進展抑制」とは疼痛の亢進(例えば、疼痛範囲の拡大、疼痛程度の亢進、疼痛頻度の亢進等)をとどめるか抑制することを意味する。また、「予防」には、周期的に訪れる痛みにおいて、次の痛みの発生を抑えるという意味や、痛覚閾値の低下を妨げるという意味も含まれ、「治療」には、低下した痛覚閾値を正常に戻すという意味も含まれる。もちろん、一般的に「鎮痛」と呼ばれる作用も、本発明でいう「予防」や「治療」に包含されるものとする。
本発明において、「鎮痛薬の調節」とは、鎮痛薬の使用に関連する事象に対し、生体にとって有益な何らかの作用を及ぼすことをいう。例えば、鎮痛薬の使用量を減じたり、鎮痛薬の副作用を軽減したり、鎮痛薬の使用開始時期を遅らせたり、鎮痛薬の使用によって起こる依存性や耐性に対して、その発現そのものを抑制したり、或いはその程度を低下させたりすることを意味する。
本発明において、疼痛としては、一般的に疼痛[pain]と認知される感覚であればどのようなものであってもよい。例えば、三叉神経痛等のように、疼痛自体が疾患の主体をなす疾患そのものであってもよく、例えば、関節リウマチ等のように、疼痛を症状の一つとして示す疾患、いわゆる有痛性疾患の一症状であってもよい。本発明は、これら何れの疼痛に対しても、予防、治療および/または症状進展抑制方法として用いられるものである。
一般的に疼痛は、その特徴に応じて種々のカテゴリーに分類される。例えば、痛みの原因によって、例えば、侵害受容性疼痛[nociceptive pain]、神経因性疼痛[neurogenic pain]、心因性疼痛[psychogenic pain]等に分類されたり、痛みの発生部位によって、例えば、内臓痛[visceral pain]、体性痛[somatic pain](例えば、表面痛(表在痛)[superficial pain]、深部痛[deep pain]、口腔顔面痛[orofacial pain]等)、関連痛[referred pain]等に分類されたりする場合がある。また、痛みの種類によって、例えば、速い痛み[fast pain]と遅い痛み[slow pain]、急性痛[acute pain]と慢性痛[chronic pain]、自発痛[spontaneous pain]と誘発痛[evoked pain]、持続痛[continuous pain]と突出痛[breakthrough pain]等に分類されたり、交感神経の関与の有無によって、例えば、交感神経非依存性疼痛[sympathetic independent pain]や交感神経依存性疼痛[sympathetic dependent pain]等に分類されたりする場合もある。さらに、痛みの原因疾患によって、例えば、癌性疼痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性疼痛等に分類されたりする場合もある。本発明における疼痛は、これらの分類において、いずれの範疇に属するものであってもよい。また、本発明における疼痛には、「しびれ」と認知される感覚も含まれる。すなわち、本発明における疼痛は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの投与対象となりうる哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)が、「痛み」または「しびれ」と感じているものであればどのようなものであってもよい。
侵害受容性疼痛[nociceptive pain]は、組織が傷つくこと、或いは組織が傷つく危険性を持った刺激が加わることによって起こる痛みであればよい。侵害受容性疼痛は、侵害受容器を介した疼痛であり、その原因によって、外来刺激による痛み(例えば、侵害的機械刺激、熱刺激、化学刺激等)と内因性の刺激(例えば、器質的疾患による痛み、炎症性疼痛)等による痛みに分類することもできる。具体的には、例えば、切り傷、打撲、骨折、挫滅創、やけど、手術、癌等の生体組織の傷害に起因する痛み等が本発明における侵害受容性疼痛に含まれる。
心因性疼痛[psychogenic pain]は、心理的障害に関連して起こる痛みを意味するが、本発明においては、明確に心理的障害が存在しない場合であっても、解剖学的に説明のつかない疼痛や、痛みに見合うだけの病変が見出されない痛みを感じる場合も含むものとする。また、心因性疼痛は、慢性疼痛症候群と称されることもある。心因性疼痛としては、例えば、疼痛性障害、身体表現性障害、精神生理的障害、心因性疼痛障害等が含まれる。
神経因性疼痛[neurogenic pain]は、末梢神経或いは中枢神経系そのもの(脳、脊髄等)の機能異常による病的な痛み、および/または侵害受容器を介さず痛みの伝導路の中で異常興奮が発生することによって生じる疼痛をいい、1994年の国際疼痛学会[International Association for the Study of Pain]で提唱されているように、「神経系の一過性の機能異常による痛み」と、いわゆる神経障害性疼痛[neuropathic pain]と呼ばれるような、「末梢神経および/または中枢神経の損傷や機能異常による病的な痛み(中枢痛[central pain])」を包含するものとする。なお、神経障害の種類は単一性神経障害であっても多発性神経障害であってもよい。具体的には、外傷、圧迫、感染、癌、虚血、或いは糖尿病等の代謝性障害等の原因によって神経、神経叢、或いは神経周囲軟組織が損傷または変性する神経障害をきたし、かかる神経障害によって惹き起こされる何らかの機能異常による疼痛閾値の低下等の持続する疼痛知覚の異常な状態を意味する。
以下、本発明における疼痛を、具体的に疾患名を挙げて例示する。前記したように、これらの疾患名は、疼痛そのものを表す名称である場合と、有痛性疾患の名称である場合がある。また前記したように、痛みの分類にはいくつもの分類方法があるため、以下の記載では、同一の疾患名が幾つかのカテゴリーで複数回例示される場合がある。
本発明において、疼痛としては、例えば、頭痛(例えば、偏頭痛、筋緊張性頭痛、群発頭痛、その他の症候性頭痛等)、口腔顔面痛(例えば、歯痛、舌痛症、顎関節症、三叉神経痛等)、頚肩腕痛(例えば、頚部椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、頚肩腕症候群、肩関節周囲炎(五十肩)、頚部脊柱管狭窄症、胸部出口症候群、腕神経叢引き抜き損傷、肩手症候群、外傷性頚部症候群(むち打ち症)等)、胸痛、腹痛(例えば、急性腹症、胆石症、急性膵炎、尿路結石症等)、腰背部痛(例えば、腰部椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症、椎間関節症等)、膝の痛み、筋骨格系の痛み[例えば、筋肉痛(例えば、筋・筋膜痛症候群(MPS)、線維性筋痛症候群(FMS)等)、関節痛(例えば、関節炎、関節リウマチ(RA)、痛風等)、脊椎関連の痛み、骨の痛み等]、血流障害による痛み(例えば、閉塞性動脈硬化症(ASO)、バージャー病(TAO)等)、外傷による痛み、神経因性疼痛[例えば、神経痛(例えば、三叉神経痛、肋間神経痛、感覚異常性大腿神経痛、鼠径神経痛、伏在神経痛、正中神経痛、尺骨神経痛、坐骨神経痛、神経根痛等)、帯状疱疹疼痛(例えば、急性期帯状疱疹疼痛、帯状疱疹後疼痛(慢性期)等)、糖尿病性疼痛(例えば、糖尿病性ニューロパシー、大径線維ニューロパシー、小径線維ニューロパシー、近位筋優位運動ニューロパシー、急性単神経障害、圧迫による麻痺等)、絞扼性神経障害(例えば、胸郭出口症候群、肩甲上神経絞扼障害、肩甲背神経絞扼障害、四辺形間隙症候群、円回内筋症候群、前骨間神経症候群、肘部管症候群、遅発性尺骨神経麻痺、後骨間神経症候群、手根管症候群、尺骨神経管症候群、Wartenberg病、Blowler's thumb、知覚異常性大腿痛、梨状筋症候群、Hunter管症候群、総腓骨神経絞扼障害、足根管症候群、前足根管症候群、Morton病、頚部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、広範脊柱管狭窄症等)、腰痛関連ニューロパシー、腕神経叢引き抜き損傷、反射性交感神経性ジストロフィー(複雑性局所疼痛症候群タイプ1)、反射性交感神経性萎縮症、カウザルギー(灼熱痛、複雑性局所疼痛症候群タイプ2)、有痛性神経障害、脊髄損傷後疼痛、幻影痛(例えば、幻肢痛、幻歯痛等)、中枢性疼痛(例えば、視床症候群、Dejerine-Roussy症候群、視床痛(例えば、脳卒中後視床痛等)、脳卒中後痛等)、求心路遮断痛、医原性ニューロパシー、交感神経依存性疼痛、逆行性C線維興奮症候群(ABC症候群[Angry Backffiring C-nociceptor syndrome])、癌性疼痛、HIV関連神経因性疼痛、結石誘発疼痛(例えば、尿路結石(例えば、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石等)による疼痛、胆嚢結石による疼痛、精管結石による疼痛等)、術後痛、慢性頭痛、口腔顔面痛(例えば、歯痛、舌痛症、顎関節症、三叉神経痛等)、非定型性顔面痛(例えば、抜歯後等の非定型性顔面痛等)、肩関節周囲炎、変形性関節症、関節炎、リウマチに伴う疼痛、バックペイン、多発性硬化症、薬物治療によって誘発される疼痛、放射線治療によって誘発される疼痛、麻薬性鎮痛薬の効果が十分に得られない疼痛等]等が挙げられる。
本発明において、好適な疼痛は神経因性疼痛(とりわけ、癌性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性疼痛、HIV関連神経因性疼痛、結石誘発疼痛、神経痛、または口腔顔面痛等)である。なお、本発明における神経因性疼痛としては、前記の疾患の他に、知覚過敏(特に痛覚過敏等)、自発痛等も好適である。
本発明の「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤」(以下、本発明の剤と略記する場合がある。)は、その目的から、「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制剤」と「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる鎮痛薬の調節剤」とに大別することができる。ここで、「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制剤」の対象となる疼痛としては、前記の疼痛のうち、神経因性疼痛が好適である。特に、癌性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性疼痛、HIV関連神経因性疼痛、結石誘発疼痛、神経痛、口腔顔面痛、または痛覚過敏等が好適である。「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制剤」は、これらの痛みを、またこれらの痛みの中でも特にアロディニアによる痛みをも予防、治療および/または症状進展抑制することができる。
一方、「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる鎮痛薬の調節剤」は、前記したように、例えば、鎮痛薬の使用量を減じたり、鎮痛薬の副作用を軽減したり、鎮痛薬の使用開始時期を遅らせたり、鎮痛薬の使用によって起こる依存性や耐性に対して、その発現そのものを抑制したり、或いはその程度を低下させたりすることができる。ここで、「鎮痛薬」としては、痛みを和らげる作用を有する薬物であればどのようなものであってもよい。例えば、後記するような、オピオイド鎮痛薬、神経因性疼痛鎮痛薬、非オピオイド系鎮痛薬、非ステロイド系抗炎症薬、補助鎮痛薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、中枢性筋弛緩薬、局所麻酔薬等が挙げられる。なかでも、例えば、後記の如く速効性鎮痛薬に分類されるものが好ましく、オピオイド鎮痛薬や非ステロイド系抗炎症薬等がより好ましく、とりわけ、オピオイド鎮痛薬が好ましい。「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる鎮痛薬の調節剤」を用いることによって得られる、より具体的な効果としては、例えば、非ステロイド系抗炎症薬による消化管障害の改善、オピオイド鎮痛薬による便秘や下痢等の症状の改善、速効性鎮痛薬の投与量の低減、オピオイド鎮痛薬等の使用に伴って依存性や耐性が発現する鎮痛薬の依存性や耐性の発現抑制もしくはその程度の低減等が挙げられる。「(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる鎮痛薬の調節剤」を用いて前記の効果を得ることにより、結果として鎮痛薬を長期間使い続けることができる等の優れた効果も得ることができる。
本発明の剤は、前記疼痛の予防、治療および/または症状進展抑制を目的に、或いは鎮痛薬の調節(好ましくは、鎮痛薬の依存性および/または耐性の低減)を目的に、1回あたり約1mg乃至約5000mgの、好ましくは1回あたり約10mg乃至約5000mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを投与することを特徴とするものである。ここで、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの投与は、経口投与であっても、また非経口投与であってもよい。非経口投与は、例えば、静脈内投与のように全身投与であっても、また例えば、髄腔内投与や経皮投与等のように局所投与であってもよい。このように投与方法を変えることで、望ましい効果を得るために必要な投与量も変化する。例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを経口投与する場合、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの1回あたりの投与量としては、約100mg乃至約5000mgが好ましく、約100mg乃至約1800mgがより好ましく、約300mg乃至約1200mgが特に好ましい。また例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを静脈内投与する場合、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの1回あたりの投与量としては、約100mg乃至約2000mgが好ましく、約300mg乃至約1200mgがより好ましい。さらにまた例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを髄腔内投与する場合、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの1回あたりの投与量としては、約1mg乃至約1000mgが好ましく、約1mg乃至約500mgがより好ましく、約10mg乃至約500mgが特に好ましい。また、例えば、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを経皮投与する場合、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの1回あたりの投与量としては、約1mg乃至約500mgが好ましく、約1mg乃至約50mgがより好ましい。
また、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを静脈内投与する場合は、前記疼痛に対する好ましい予防、治療および/または進展抑制効果を得るために、或いは鎮痛薬の調節効果を得るために、その投与量を哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)の体重によって規定することもできる。患者を例にすれば、例えば、患者の体重1kgあたり、例えば、約1mg乃至約20mg等を投与することが好ましく、約2mg乃至約18mg等を投与することがより好ましい。より具体的には、患者の体重1kgあたり、例えば、約2mg、約4mg、約6mg、約8mg、約10mg、約12mg、約15mgまたは約18mg等が挙げられる。より好ましい投与量としては、患者の体重1kgあたり、例えば、約4mg、約6mg、約8mg、約10mgまたは約12mg等が挙げられ、最も好ましい投与量としては、患者の体重1kgあたり、例えば、約8mgまたは約10mg等が挙げられる。このように体重によって投与量を規定した場合、1回あたりの投与に用いる総量は、静脈内投与における前記の好ましい範囲(約100mg乃至約2000mg)の範囲外であっても好ましい。
さらにまた、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを静脈内投与する場合は、例えば、注射筒や輸液バッグ等を用いて静脈内に持続投与(好ましくは、点滴静注)することによって、急激な血中濃度の上昇に伴う副作用の回避や、所望によって、血中濃度等のコントロールを行うことも可能となる。持続投与の時間は特に限定されず、また哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)の容態やその他の理由によって変更しても構わないが、一回の投与につき、例えば、約0.5時間乃至約3時間、好ましくは、約0.5時間乃至約1.5時間、特に好ましくは、約1時間程度をかけて持続投与する。
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを上記の投与方法で哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)へ投与する場合には、それぞれの投与形態に応じた医薬組成物が用いられる。
例えば、注射による投与(例えば、静脈内投与や髄腔内投与等)に用いられる医薬組成物、いわゆる輸液製剤や注射剤等は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグと、一般的に注射剤に使用される金属塩(例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等)やpH調節剤(例えば、水酸化ナトリウム等)の他、安定化剤、界面活性剤、緩衝剤、可溶化剤、抗酸化剤、消泡剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、無痛化剤、溶解剤、溶解補助剤等の、例えば、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)等に記載されているような各種添加剤を溶媒(例えば、注射用蒸留水等)に溶解させることにより製造することができる。また、輸液製剤の場合はこれらの添加剤に加え、電解質類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等)、糖類(例えば、グルコース、果糖、ソルビトール、マンニトール、デキストラン等)、蛋白アミノ酸類(例えば、グリシン、アスパラギン酸、リジン等)、ビタミン類(例えば、ビタミンB1、ビタミンC等)等の一般的に輸液に用いられる成分も用いることができる。かかる医薬組成物は、最終工程において滅菌するか、無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
また例えば、経口的な投与に用いられる組成物、いわゆる経口投与用製剤は、哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)に経口的に投与しうる剤形であればどのようなものであってもよい。本発明に用いられる(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有する経口投与用製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、散剤等が好ましく、特にカプセル剤、とりわけソフトカプセル剤が好ましい。錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤等の製剤は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグと、一般的に使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を用いて製造することができる。ここで、賦形剤としては、例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、セルロース、タルク、シクロデキストリン等が挙げられる。結合剤としては、例えば、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、白糖、デンプン等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのカルシウム塩等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、タルク等が挙げられる。また、ソフトカプセル剤は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを、一般的に使用されるカプセル皮膜で被覆することによって製造することができる。カプセル皮膜は、カプセル基剤と可塑剤とを必須成分とし、所望によって、香料、防腐剤、色素、不透明化剤、溶解度調節剤等を用いて製造することができる。ここで、カプセル基剤としては、例えば、蛋白質(例えば、ゼラチン、コラーゲン等)、多糖類(例えば、デンプン、アミロース、ポリガラクツロン酸、寒天、カラギナン、アラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸等)、生分解性プラスチック(例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリグルタミン酸等)、硬化油脂(例えば、中鎖脂肪酸のトリグリセリドやジグリセリド等)等が挙げられる。可塑剤としては、糖、糖アルコール、多価アルコール等を用いることができ、例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。香料としては、例えば、ハッカ油、桂皮油、ストロベリーその他の果実エッセンスやフレーバー等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラヒドロキシ安息酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。色素としては、例えば、黄色4号、黄色5号、赤色3号、青色1号、銅クロロフィン等が挙げられる。不透明化剤としては、例えば、二酸化チタン、ベンガラ等が挙げられる。溶解度調節剤としては、例えば、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネートのアルカリ金属塩、アルギン酸アルカリ塩、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、コラーゲン、寒天末、ポリビニルアルコール、ペクチン等)が挙げられる。
さらに、経皮投与に用いられる医薬組成物、いわゆる経皮投与用製剤は、哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)に経皮投与しうる剤形であればどのようなものであってもよい。本発明で用いられる経皮投与用製剤としては、例えば、液体スプレー剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ゾル剤、エアロゾル、パップ剤、プラスター剤、テープ剤等が挙げられる。これらの組成物には、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグと、一般的に外用剤に用いられる油性基剤、水溶性基剤、テープ剤に用いられる粘着剤、フィルム基剤、ゲル基剤、または油性基剤と水溶性基剤に界面活性剤を加えた乳剤性基剤等が用いられる。また、必要に応じて、通常使用される添加剤、例えば、界面活性剤(例えば、陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸、サポニン、脂肪酸サルコシド、アルコール硫酸エステル、アルコールリン酸エステル等)、陽イオン界面活性剤(例えば、4級アンモニウム塩、複素環アミン等)、両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、リゾレシチン等)、非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)等)、増粘剤(例えば、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース等)、ポリカルボン酸(例えば、ポリアクリル酸、メトキシメチレン無水マレイン酸共重合体等)、非イオン水溶性高分子(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等)等)、安定化剤(例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、キレート剤(例えば、EDTA等)等)、pH調整剤(例えば、リン酸塩緩衝剤、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例えば、パラベン類、アルキル4級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)等)、吸収促進補助剤(例えば、脂肪酸およびそのエステル類(例えば、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル等)、リン脂質類(例えば、ホスファチジルコリン等)、テルペン類(例えば、リモネン等)、アザシクロアルカン類(例えば、Azone(商標名、ネルソンリサーチ社)等)等)等を添加することもできる。ここで、油性基剤としては、例えば、植物油(例えば、綿実油、胡麻油、オリーブ油等)、ロウ類(例えば、カルナバワックス、ミツロウ等)、高級炭化水素類(例えば、白色ワセリン、流動パラフィン、プラスチベース等)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等)およびそのエステル、高級アルコール類(例えば、セタノール等)、シリコン類(例えば、シリコンフルイド、シリコンゴム等)等が挙げられる。水溶性基剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体等の溶液または高分子ハイドロゲル、ポリエチレングリコール(局方マクロゴール)、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等が挙げられる。テ−プ剤に用いられる粘着剤としては、例えば、合成ゴム系粘着剤(例えば、メタアクリル酸エステル共重合体、天然ゴム系粘着剤、合成イソプレン等)、シリコンポリマー系粘着剤等が挙げられる。フィルム基剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、PET、アルミラミネート等が挙げられる。ゲル基剤としては、例えば、乾燥寒天、ゼラチン、水酸化アルミニウム、ケイ酸等が挙げられる。乳剤性基剤に用いられる界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸、サポニン、脂肪酸サルコシド、アルコール硫酸エステル、アルコールリン酸エステル等)、陽イオン界面活性剤(例えば、4級アンモニウム塩、複素環アミン等)、両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、リゾレシチン等)、非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)等が挙げられる。(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有するこれらの経皮投与用製剤は、前記の各種基剤、粘着剤またはその他必要に応じて添加される添加物を用いて常法により調製される。
例えば、液体スプレー剤、ローション剤、ゾル剤またはエアロゾルは、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを、水、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等の溶媒中に、溶解または分散させることによって製造することができる。また、所望によって前記の添加剤を加えることもできる。
軟膏剤またはクリーム剤は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを、前記水溶性基剤、前記油性基剤および/または水、植物油等の当該技術分野で通常用いられる溶剤と混合し、必要に応じて界面活性剤を加え、乳化処理を施すことによって製造することができる。また、所望によって前記の添加剤を加えることもできる。
パップ剤、プラスター剤、またはテープ剤は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグおよび前記粘着剤を含有する溶液(必要であれば前記添加剤を含有していてもよい)を前記フィルム基剤上に塗布し、必要に応じて架橋処理や乾燥操作を施すことによって製造することができる。
ゲル剤は、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグおよび前記ゲル基剤を含有する溶液(必要であれば前記添加剤を含有していてもよい)を型に流し込み、必要に応じて架橋処理や乾燥操作を施すことによって製造することができる。
これらの医薬組成物を、疼痛、とりわけ神経因性疼痛等に対する予防、治療および/または症状進展抑制に適用する場合、その医薬組成物の投薬期間は、例えば予防効果を期待するものであれば実質的に疼痛の発生が抑制されるまで、例えば治療効果を期待するものであれば実質的に治療が完了するまで、例えば症状進展抑制効果を期待するものであれば症状進展が実質的に抑制されるまでの何れの期間であってもよい。また所望によって適当な休薬期間をおいて、間歇的に投薬しても構わない。間歇的投与では、休薬期間は1日以上30日以下であることが好ましく、例えば、1日おきの間歇的投与、2日投与1日休薬の間歇的投与、5日連投後2日休薬する間歇的投与等や、一般的にカレンダー方式(例えば、錠剤であればカレンダー錠と称される。)を用いた間歇的投与であってもよい。例えば、髄腔内投与では、概ね、週に2〜3回の投与が行われる。
また、これらの医薬組成物を、鎮痛薬の調節に適用する場合、その医薬組成物の投薬期間は、その期待する効果が実質的に得られるまでの何れの期間であってもよい。勿論、前記と同様、間歇的に投与することも可能である。
本発明の剤における具体的な投薬期間としては、例えば、経口的な投与や経皮投与であれば、1日乃至5年間等、好ましくは1日乃至1年間等、より好ましくは1日乃至6ヶ月間等、特に好ましくは1日乃至2ヶ月間等が挙げられる。また例えば、静脈内投与であれば、1日乃至100日間等、好ましくは1日乃至10日間等、より好ましくは1日乃至7日間等、最も好ましくは、7日間等が挙げられる。さらにまた例えば、髄腔内投与であれば、1日乃至3年間等、好ましくは1日乃至1年間等、より好ましくは1日乃至6ヶ月間等、最も好ましくは1日乃至3ヶ月間等が挙げられる。
これらの投薬期間中における1日あたりの投薬回数としては、経口的な投与や静脈内投与の投与形態では、例えば、1回乃至5回等、好ましくは1回乃至3回等、より好ましくは1回乃至2回等、最も好ましくは1回等が挙げられる。髄腔内投与では、1日1回乃至2回程度投与しても構わないが、前記の如く間歇投与することがより好ましい。また経皮投与では、局所的な作用が期待できるため、痛みを感じた時にその部位に投与することで、より優れた効果を得ることができる。
本発明に用いられる、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物は、単剤で使用してもよいし、疼痛治療に用いられる他の薬剤や治療方法等と併用することもできる。
他の薬剤と併用する場合は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤として投与する形態をとってもよい。別々の製剤としての投与には、同時投与および時間差による投与が含まれる。併用される他の薬剤としては、例えば、オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ、コデイン、フェンタニル、メペリジン、メサドン、プロポキシフェン、レボルファノール、ヒドロモルホン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン等)、神経因性疼痛鎮痛薬(例えば、ジコノタイド、ABS-17、AC-262271、ACP-102、ADX-1、AV-333、AZD-6538、CGP-35024、CPI-1714、DP-236、EN-3215、ガランタミン[galantamine]、JO-1614、M-58996、ネウブラスチン[Neublastin]、RWJ-38116、VX-409、YT-1006、フェンタニルパッチ[fentanyl patch]、レベチラセタム[levetiracetam]、メマンチン[memantine]、チアガビン[tiagabine]、ゾニサミド[zonisamide]、ABT-894、AZD-4282、ラミクタルXR[Lamictal XR]、M-40403、T-62、ベカンパネル[becampanel]、CNP-3381、CNS-5161、KDS-2000、ケタミン・アミトリプチリンクリーム[ketamine + amitriptyline combination cream]、ラダファキシン[radafaxine]、ラルフィナミド[ralfinamide]、REN-1654、ReN-1869、トラキソプロジル[traxoprodil]、ワルロセミド[valrocemide]、ボツリヌス毒素製剤(例えば、Dysport等)、ラコサミド[lacosamide]、NGX-4010、テクチン[Tectin]、AVP-923、ルフィナミド[rufinamide]、GW-1000等)、制吐薬(例えば、メトクロプラミド、ヒドロキシジン、プロクロルペラジン等)、非オピオイド系鎮痛薬(例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ等)等)、補助鎮痛薬(例えば、抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、デシプラミン等)、抗てんかん薬(例えば、ガバペンチノイド(例えば、ガバペンチン、プレガバリン等)、カルバマゼピン、フェニトイン、クロナゼパム、ジバルプロエックス、ラモトリジン、トピラメート、オクスカルバゼピン等)、中枢性筋弛緩薬(例えば、バクロフェン等)、局所麻酔薬(例えば、メキシレチン、リドカイン等)等)等が挙げられる。特に、オピオイド鎮痛薬や神経因性疼痛鎮痛薬、非ステロイド系抗炎症薬等の非オピオイド系鎮痛薬は、これらを総じて速効性鎮痛薬という場合もある。
また、他の治療方法と組み合わせる場合においても、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物の投与と、他の治療方法は同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。他の治療方法としては、例えば、神経ブロック(例えば、トリガーポイントブロック、星状神経節ブロック、腕神経叢ブロック、肩甲上神経ブロック、硬膜外ブロック、神経根ブロック、椎間関節ブロック、分離部ブロック、坐骨神経ブロック、肋間神経ブロック等)、脊髄刺激療法、無痙攣性通電、イオントフォレシス、鍼灸(例えば、電気鍼、置鍼、灸等)、指圧、マッサージ、電気治療(例えば、経皮的電気神経刺激法(TENS)、低周波等)、温熱療法(例えば、ホットパック、冷却療法、ジアテルミー、極超短波等)、光線治療(例えば、低出力レーザー、偏光近赤外線等)、温泉(水)治療(例えば、湯治、飲泉、鉱泥浴、水中機能訓練等)、高圧酸素療法、アロマセラピー、バイオフィードバックやその他の認知的技法(例えば、リラクゼーション訓練、催眠療法、注意そらし技法等)、心理カウンセリング等が挙げられる。
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物と併用する前記の薬剤は例示であって、これらに限定されるものではない。併用するこれらの薬剤の投与方法は特に限定されず、経口投与であっても非経口投与であってもよい。また、これらの薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。これらの薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
[毒性]
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全であると判断できる。例えば、イヌを用いた単回静脈内投与では、(2R)−2−プロピルオクタン酸は、100mg/kgで死亡例が見られなかった。
[医薬品への適用]
本発明は、疼痛の予防、治療および/または症状進展抑制を目的として、或いは鎮痛薬の調節を目的として、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグの有効量、好ましくは、1回あたり1mg乃至5000mgの、より好ましくは、1回あたり10mg乃至5000mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを投与することを特徴とするものである。本発明に用いられる(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物は、有効成分として(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有しており、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト動物、例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)において前記の目的のために使用することができる。特に本発明で開示する好ましい用法・用量で、哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト、特に好ましくは患者)に、経口的または非経口的に全身投与することによって、また髄腔内投与や経皮投与のように局所投与することによって、疼痛、とりわけ神経因性疼痛を予防、治療および/または症状進展抑制したり、鎮痛薬(とりわけオピオイド鎮痛薬)の依存性や耐性を低減したり、或いは使用量を減じたり使用開始時期を遅らせたり副作用を減ずる等の好ましい効果を得ることができる。
本発明によって、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを疼痛に用いるための具体的な投与方法を提供することができる。(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを本発明で開示する好ましい用法・用量で投与することにより、疼痛の予防、治療および/または症状進展抑制効果を、或いは前記の如き鎮痛薬の調節効果を示すことができる。例えば、後記の実施例に示すように、疼痛に対する望ましい効果、とりわけ鎮痛効果を示すことができる。従って本発明は、既存の治療方法で改善できない疼痛、例えば、アロディニア等の症状を示す患者にも有効な治療方法となる。
以下、実施例によって本発明を詳述するが本発明はこれらに限定されるものではない。
(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグが、疼痛に対して抑制作用(鎮痛作用)を有することは、例えば、以下の実験によって証明された。また、(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを評価する測定方法は、測定精度および/または測定感度の向上をはかるために、以下のように改良を加えたものである。以下に詳細な実験方法を示す。
実施例1
ラット脊髄神経結紮モデルでの(2R)−2−プロピルオクタン酸の有効性評価
(1)脊髄神経結紮モデルラットの作成
実験には、雄性ラットを使用した。脊髄神経結紮モデルは、Kim & Chungの方法(Kim, S. H. & Vhung, J. M. An experimental model for peripheral neuropathy produced by segmental spinal nerve ligation in the rat. Pain, 50, 355-363, 1992)に準じて行った。すなわち、片側の第5腰髄神経を絹糸で強く結紮することで作成した。
具体的には、以下の手順で行った。
ラットに40mg/kg(液量0.8mL/kg)のペントバルビタール(ネンブタール注射液(商品名)、大日本製薬株式会社)を腹腔内投与し、麻酔下で背位に固定し、正中線に沿って腹部を剪刀で開腹した。滅菌ガーゼを用いて腸等を片側に寄せ、腹部大動脈と腹部大静脈を確認し、腸腰静脈直下の筋肉をピンセットで裂いた。筋肉中の第4腰髄神経と第5腰髄神経を確認し、第5腰髄神経(L5)を6-0の絹糸で結紮した。その後、片側に寄せた腸を元の位置に戻し、アンピシリンナトリウム(注射用ビクシリン(商品名)、明治製菓株式会社)を添加した生理食塩液(株式会社大塚製薬工場)(アンピシリン濃度:20mg/mL)を5mL腹腔内に貯留させ、腹部の筋肉および皮膚をナイロン糸で縫合した。
(2)薬物投与
(2R)−2−プロピルオクタン酸は、30mg/kgの投与量で、脊髄神経結紮直後から14日間、1日1回の経口投与(計14回)を行った。また、媒体対照についても同様の投与を行った。
(3)痛覚過敏の評価
(3−1)疼痛反応潜時(熱刺激潜時)の測定(熱痛覚過敏の評価)
最終投与の翌日に、熱刺激潜時を測定した。すなわち、左右の足蹠に下方からハロゲンランプにより赤外線を照射し、逃避反応を起こすまでの時間(疼痛反応潜時:秒)を計測した。
(3−2)触刺激逃避閾値の測定(触覚アロディニアの評価)
最終投与の翌日に触刺激逃避閾値を測定した。すなわち、左右の足蹠に下方からフィラメント(von Frey filaments : VFF)を押し当て、逃避反応を起こしたときのVFFの表示値を記録し、重さ(g)に換算した。
<結果>
疼痛反応潜時(熱刺激潜時)の測定(熱痛覚過敏の評価)
脊髄神経結紮モデルラットに(2R)−2−プロピルオクタン酸または媒体を投与し、疼痛反応潜時(熱刺激潜時)の測定を行うことにより、熱痛覚過敏に対する(2R)−2−プロピルオクタン酸の効果を検討した結果を以下の表1に示す。
Figure 0005050851
媒体対照群では、手術14日後において、健側(反対側)の疼痛反応潜時(熱刺激潜時)が19.96秒であったのに対し、傷害側(手術側)では8.18秒と低値を示し、熱痛覚過敏の発症が確認された。(2R)−2−プロピルオクタン酸投与群では、手術14日後において、健側(反対側)の疼痛反応潜時(熱刺激潜時)は19.00秒であり、媒体対照群との差は認められなかった。一方、傷害側(手術側)の疼痛反応潜時(熱刺激潜時)は13.61秒であり、媒体対照群のそれ(8.18秒)に比較して有意(p<0.01:Welch検定:媒体対照と比較)に高値を示し、熱痛覚過敏における鎮痛効果が確認された。
触刺激逃避閾値の測定(触覚アロディニアの評価)
脊髄神経結紮モデルラットに(2R)−2−プロピルオクタン酸または媒体を投与し、触刺激逃避閾値の測定を行うことにより、触覚アロディニアに対する(2R)−2−プロピルオクタン酸の効果を検討した結果を以下の表2に示す。
Figure 0005050851
媒体対照群では、手術14日後において、健側(反対側)の触刺激逃避閾値が57.9gであったのに対し、傷害側(手術側)では2.8gと低値を示し、触刺激に対するアロディニア(触覚アロディニア)の発症が確認された。(2R)−2−プロピルオクタン酸投与群では、手術14日後において、健側(反対側)の触刺激逃避閾値が66.1gであり、媒体対照群との差は認められなかった。一方、傷害側(手術側)の触刺激逃避閾値は14.7gであり、媒体対照群のそれ(2.8g)に比較して有意(p<0.01:Welch検定:媒体対照と比較)に高値を示し、触覚アロディニアにおける鎮痛効果が確認された。
[製剤例]
製剤例1
(2R)−2−プロピルオクタン酸含有注射剤の製造
注射用水に、(2R)−2−プロピルオクタン酸(2.0kg)およびリン酸三ナトリウム・12水和物(3.54kg)を加え、注射用水を用いて40Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア0.22μmメンブレン)で濾過し、2mLずつプラスチックアンプルに充填し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することで、1アンプル中100mgの活性成分を含有するアンプル2万本を得た。
製剤例2
(2R)−2−プロピルオクタン酸含有ソフトカプセルの製造
ゼラチン(20kg)および濃グリセリン(6kg)を、精製水(20kg)の存在下、70℃で混和し、均一な溶液を得た。この溶液および(2R)−2−プロピルオクタン酸(0.9kg)を、ソフトカプセル充填機(ロータリー式軟カプセル成型機H−1型;カマタ)に投入し、(2R)−2−プロピルオクタン酸を充填したソフトカプセルの生球を得た。得られた生球を、タンブラ乾燥および棚乾燥に順次付すことにより、1カプセル中に300mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸を含有するソフトカプセル(2200カプセル)を得た。
本発明の(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤、とりわけ1回あたりの投与量が1mg乃至5000mg、好ましくは10mg乃至5000mgであることを特徴とする(2R)−2−プロピルオクタン酸、その塩、またはそのプロドラッグを含有してなる疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤は安全で、疼痛、特に神経因性疼痛、例えば、癌性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性疼痛、HIV関連神経因性疼痛、結石誘発疼痛、神経痛、口腔顔面痛、または痛覚過敏等の疾患における疼痛を顕著に改善することができるため、患者の生活の自由度を向上させ、QOLを改善することができる。また、鎮痛薬(とりわけオピオイド鎮痛薬)の依存性や耐性を低減したり、或いは使用量を減じたり使用開始時期を遅らせたり副作用を減ずることもできるので、医薬として有用である。

Claims (8)

  1. (2R)−2−プロピルオクタン酸、またはその塩を含有してなり、1回あたりの経口投与量が100mg乃至5000mgである経口投与用か、または、1回あたりの静脈内投与量が100mg乃至2000mgである非経口投与用である、神経因性疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤。
  2. 1回あたりの静脈内投与量が体重1kgあたり2mg乃至20mgである請求の範囲1記載の剤。
  3. 静脈内投与が点滴静注である請求の範囲1記載の剤。
  4. 神経因性疼痛が、癌性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性疼痛、HIV関連神経因性疼痛、結石誘発疼痛、神経痛、口腔顔面痛、または痛覚過敏である請求の範囲1記載の剤。
  5. さらに、速効性鎮痛薬を組み合わせてなる請求の範囲1記載の剤。
  6. さらに、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、神経因性疼痛鎮痛薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、中枢性筋弛緩薬、制吐薬、および局所麻酔薬から選択される一種以上を組み合わせてなる請求の範囲1記載の剤。
  7. 鎮痛薬の調節が、鎮痛薬の依存性および/または耐性の低減である請求の範囲1記載の剤。
  8. (2R)−2−プロピルオクタン酸、またはその塩を含有してなり、1回あたりの経口投与量が100mg乃至5000mgである経口投与用か、または、1回あたりの静脈内投与量が100mg乃至2000mgである非経口投与用である、神経因性疼痛の予防、治療、症状進展抑制および/または鎮痛薬の調節剤を製造するための(2R)−2−プロピルオクタン酸、またはその塩の使用。
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