JP5048334B2 - 多段遠心圧縮機 - Google Patents

Description

本発明は、水平方向に開くことができるタンクを有する多段遠心圧縮機に関する。

多段遠心圧縮機を構成する基本要素は、機械軸線の周りで回転する一連のロータを備えたシャフトと、該圧縮機を含むタンクと一体形になった、多数の段間に戻り流路を備えた一連のディフューザ及び／又はダイアフラムとである。

各ロータは一連のブレード付きディスクを含み、全てのロータが同一のシャフト上に組立てられる。

ディフューザは、各ロータディスクの後方に位置する。

各ロータ並びに関連するディフューザ及び戻り流路の全ての組が段を形成し、この段は、環状ダイアフラム及びラビリンスシール装置によって隣接する段から分離されて１つの段と他の段との間の再循環が防止される。

遠心圧縮機には、２つの半ダイアフラムから成るダイアフラムが設けられる。

多段遠心圧縮機の作動時には、ダイアフラムは、流体の加圧に起因した圧力差によって生じる軸方向力を受ける。

従って、この力と釣り合わせるためには、半ダイアフラムを多段遠心圧縮機のステータに固定することが必要になる。

従って、２つの半体部分に開くことができるタンクを備えた遠心圧縮機では、各単一のダイアフラムに対して支持リングが考えられ、この支持リングは、タンクと一体形でありかつ上部半リングと下部半リングとに分割される。

各下部半リングは下部半タンクに溶接され、また対応する上部半リングは上部半タンクに溶接される。

各上部半ダイアフラムは、対応する上部半リングに固定され、一方、各下部半ダイアフラムは、対応する下部半リングに固定される。

このことは、圧縮機の作動時に半ダイアフラムが軸方向応力を受け、支持リングがない状態では、これら半ダイアフラムが移動し、とりわけ多数の段間でのシール問題を引き起こす傾向になるという事実によるものである。

タンク内での半ダイアフラムの組立は、全ての半ダイアフラムをそれぞれの半リングと心合わせしかつさらに下部半ダイアフラムを対応する上部半ダイアフラムと心合わせすることが必要であるので、極めて困難である。

同時に、遠心圧縮機の多数の段間でのシールを保つことが極めて重要である。

こういう理由のために、半ダイアフラムは常に、前もって対応する半リングに固定される。

多段遠心圧縮機の組立では、最初に全ての下部半ダイアフラムが下部タンク内に挿入され、その後ロータを備えたシャフトが挿入される。

同様に、上部半ダイアフラムが、上部タンクに挿入されかつ固定される。

上部タンクは、橋形クレーンによって持ち上げ、１８０°回転させてひっくり返しかつ下部半タンク上に正確に配置した後に、全ての下部半ダイアフラムに完全に心合わせするように下部タンク上に組立てることができる。

高能力／高圧力多段遠心圧縮機は、最大３５０トンというほど極めて重量がある場合があり、その結果、上部半ダイアフラムを固定した状態の上部タンクは、１５０〜２００トンもの重量になる場合さえある。

その欠点の１つは、その上に上部半リングが溶接されかつ上部半ダイアフラムがそれぞれ上部半リングに固定された上部タンクの総重量を吊り上げることができる高価なリフト装置が必要であることである。

もう１つの欠点は、タンク内部の構成部品の位置決めの調整を行うことが不可能であることである。

さらに、保守整備に関して、ラビリンスシール装置の交換のような比較的日常的な作業が、上部タンクをひっくり返すことを必要とする。

さらに別の欠点は、特に大型で重量がある機械の場合に、上部タンクをひっくり返すことは高価かつ複雑な装置を必要とすることである。
スイス国特許出願公開第350408号明細書 英国特許出願公開第765145号明細書 英国特許出願公開第754322号明細書 米国特許出願公開第3861825号明細書 仏国特許出願公開第1515450号明細書 米国特許出願公開第4715778号明細書 英国特許出願公開第1309716号明細書

本発明の目的は、簡単であり且つ費用及び生産時間を低減させる多段遠心圧縮機を提供することにある。

本発明の一態様における別の目的は、費用及び組立時間を低減させる多段遠心圧縮機を提供することにある。

本発明の一態様におけるさらに別の目的は、保守整備作業時において高い安全性レベルが可能になる多段遠心圧縮機を提供することにある。

本発明の一態様におけるさらに別の目的は、多段遠心圧縮機を組立てるのに必要な橋形クレーンの寸法を縮小することが可能になる多段遠心圧縮機を提供することにある。

本発明の一態様におけるさらに別の目的は、水平方向に開くことができるタンクを備えた構成から垂直方向に開くことができるタンクを備えた構成に変える又はその逆にすることができる多段遠心圧縮機を提供することにある。

本発明の一態様におけるさらに別の目的は、保守整備費用及び時間を低減するのが可能になる多段遠心圧縮機を提供することである。

本発明によると、これらの目的は、請求項１に特定したような多段遠心圧縮機を製造することによって達成される。

本発明のさらに別の特徴は、後続の請求項に示している。

本発明による多段遠心圧縮機の特徴及び利点は、添付の概略図面を参照して以下の例示的なかつ非制限的な説明を読むことにより一層明らかになるであろう。

図を参照すると、この図は、少なくとも１つの段１０を含む多段遠心圧縮機を示しており、少なくとも１つの段１０は、下部半タンク１１及び上部半タンク１２と、一連のロータ１４を備えたシャフト１３と、一連の下部半ダイアフラム１６と、一連の上部半ダイアフラム１８と、下部サクション半ダイアフラム５１と、上部サクション半ダイアフラム５２とを含む。

この少なくとも１つの段１０はさらに、それぞれ下部半タンク１１及び上部半タンク１２に固定された下部半リング２１及び上部半リング２２を含むのが好ましい。

この少なくとも１つの段１０において、下部半ダイアフラム１６及び下部サクション半ダイアフラム５１は、下部半ダイアフラムの第１のパイルを形成するように互いに挿入されかつ強固に拘束される。

これに対応して、この少なくとも１つの段１０において、上部半ダイアフラム１８及び上部サクション半ダイアフラム５２は、上部半ダイアフラムの第２のパイル４２を形成するように互いに積み重ねられかつ固く拘束される。

好ましい実施形態によると、下部サクション半ダイアフラム５１は、関連する段１０内に存在する下部半ダイアフラム１６に結合されかつ該下部半ダイアフラム１６を拘束して下部半ダイアフラム１６の第１のパイル４１を形成するようにするのに適するセクション７１を含む。

下部サクション半ダイアフラム５１のセクション７１は、成形内面５３及び円筒形外面５５を備えたほぼ半円筒形状を有する。

円筒形外面５５上には、下部サクション半ダイアフラム５１の第１の端部に近接して、下部半リング２１と結合されて多段遠心圧縮機の作動時に下部半ダイアフラム１６が受ける軸方向応力を釣り合わせるのに好適な半径方向溝５７が設けられる。

下部サクション半ダイアフラム５１は、その各々が下部半ダイアフラム１６と結合されるのに好適な一連の内部ハウジング５９を含む。

下部サクション半ダイアフラム５１はまた、多段遠心圧縮機の戻り流路として作用する一連の半径方向成形溝６１を含む。

最小直径を有する環状ハウジング５９は、内面５３上に設けられ、半径方向成形溝６１によって互いに分離される。

下部サクション半ダイアフラム５１は、中心部で開口してシャフト１３を収容するようになった、該下部サクション半ダイアフラム５１の第１の端部に配置された成形基部を備えたセクション６３を含む。

これに対応して、上部サクション半ダイアフラム５２は、それぞれの下部サクション半ダイアフラム５１と同一であり、関連する段１０内に存在する上部半ダイアフラム１８に結合されかつ該上部半ダイアフラム１８を拘束して上部半ダイアフラム１８の第２のパイル４２を形成するようにするのに好適なセクション７２を含む。

上述したものと同様に、上部サクション半ダイアフラム５２は同一の機能を有する同様の表面及びセクションを含み、これらは、それぞれ下部サクション半ダイアフラム５１の数字よりも１だけ大きい数字によって示している。

各下部半ダイアフラム１６は、関連する下部サクション半ダイアフラム５１の内部ハウジング５９とそれぞれ結合されるのに好適なセクション８１を含み、同様に各上部半ダイアフラム１８は、関連する上部サクション半ダイアフラム５２の内部ハウジング６０とそれぞれ結合されるのに好適なセクション８２を含む。

本多段遠心圧縮機は、タンクを水平方向又は垂直方向に開くようになった構成に容易に適応させることができる利点がある。

本多段遠心圧縮機は、それらを製造するための型枠を再利用する可能性が高いダイカスト法又は加圧ダイカスト法によって一連の下部内側ハウジング及び上部内側ハウジングを製造することができる利点がある。

下部半ダイアフラム１６及び上部半ダイアフラム１８の形状は、標準化し、その結果としてより薄い厚さが必要な場合にそれらダイアフラムをダイカスト又は加圧ダイカスト品或いは一層容易に利用できる半完成製品からスタートして製造することができる利点がある。

さらに、削り屑を除去するためのその後の処理作業は、非常により簡単でありかつ費用及び時間の両方に関してより経済的である。

従って、本発明による多段遠心圧縮機は上述の目的を達成することが理解できるであろう。

このように着想した本発明の多段遠心圧縮機に対しては、その全てが同じ発明概念の範囲内に含まれる様々な改良及び変更を行うことができる。

さらに、多段遠心圧縮機の寸法及び構成部品と同様に使用材料もまた、技術的要求に従って変更することができる。

本発明による多段遠心圧縮機の段の要部を強調した概略部分断面側面図。

符号の説明

１０ 段
１１ 下部半タンク
１２ 上部半タンク
１３ シャフト
１４ ロータ
１６ 下部半ダイアフラム
１８ 上部半ダイアフラム
４１ 第１のパイル
４２ 第２のパイル
５１ 下部サクション半ダイアフラム
５２ 上部サクション半ダイアフラム

Claims (6)

1. 少なくとも１つの段（１０）を含み、前記段（１０）が、下部半タンク（１１）と、上部半タンク（１２）と、一連の下部半ダイアフラム（１６）と、一連のロータ（１４）を備えたシャフト（１３）と、一連の上部半ダイアフラム（１８）と、下部サクション半ダイアフラム（５１）と、上部サクション半ダイアフラム（５２）とを含む多段遠心圧縮機であって、
   前記下部半ダイアフラム（１６）及び上部半ダイアフラム（１８）のそれぞれと結合され、下部半ダイアフラム（１６）の第１のパイル（４１）及び上部半ダイアフラム（１８）の第２のパイル（４２）を形成し、前記下部半タンク（１１）及び前記上部半タンク（１２）内に配置される前記下部サクション半ダイアフラム（５１）のセクション（７１）及び前記上部サクション半ダイアフラム（５２）のセクション（７２）を、前記下部サクション半ダイアフラム（５１）及び上部サクション半ダイアフラム（５２）がそれぞれ備えていることを特徴とする、多段遠心圧縮機。
2. 前記下部サクション半ダイアフラム（５１）のセクション（７１）が、前記下部半ダイアフラム（１６）と結合する一連の環状ハウジング（５９）を含み、
   前記上部サクション半ダイアフラム（５２）のセクション（７２）が、前記上部半ダイアフラム（１８）と結合する一連の環状ハウジング（６０）を含むことを特徴とする、請求項１記載の多段遠心圧縮機。
3. 各下部半ダイアフラム（１６）が、それぞれ関連する前記下部サクション半ダイアフラム（５１）の前記環状ハウジング（５９）と結合するセクション（８１）を含み、
   各上部半ダイアフラム（１８）が、それぞれ関連する前記上部サクション半ダイアフラム（５２）の前記環状ハウジング（６０）と結合するセクション（８２）を含むことを特徴とする、請求項１又は２に記載の多段遠心圧縮機。
4. 前記下部サクション半ダイアフラム（５１）が前記多段遠心圧縮機の戻り流路となる一連の半径方向成形溝（６１）を含み、同様に前記上部サクション半ダイアフラム（５２）が前記多段遠心圧縮機の戻り流路となる一連の半径方向成形溝（６２）を含むことを特徴とする、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の多段遠心圧縮機。
5. 前記下部サクション半ダイアフラム（５１）が前記シャフト（１３）を収容する成形基部を備えたセクション（６３）を含み、同様に前記上部サクション半ダイアフラム（５２）が前記シャフト（１３）を収容する成形基部を備えたセクション（６４）を含むことを特徴とする、請求項１乃至４のいずれか１項に記載の多段遠心圧縮機。
6. 前記下部半タンク（１１）に固定された下部半リング（２１）及び前記上部半タンク（１２）に固定された上部半リング（２２）を含み、
   前記成形円筒セクション（７１）は、成形内面（５３）及び円筒形外面（５５）を備えた半円筒形状を有し、
   前記円筒形外面（５５）上に、前記下部半リング（２１）と結合するための半径方向溝（５７）が設けられる、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の多段遠心圧縮機。

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