JP5035808B2 - 三元複合体の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、本発明者らは、SPGに抗原タンパクを化学結合させた後に、上述した核酸と多糖の複合化能を利用してSPG/抗原タンパク/CpG DNAの3元複合体を作成し、それが、CpG DNAを保護しながら、効果的にTh1細胞の誘導効率を増強させることを示した(非特許文献23)。
(1)(非特許文献23)に記載されているSPG/抗原タンパク/CpG DNAの3元複合体の製造方法は、初めにシゾフィラン(SPG)とオボアルブミン(抗原タンパク質。以下、OVAと表記する。)の複合体を調製し、得られた複合体にCpG DNAを結合させて三元複合体を得る方法である。SPGと抗原タンパク質の複合体の調製は、初めにSPGを水に溶解させ、この溶液に過ヨウ素酸ナトリウムを添加した後、5℃で2時間撹拌する。これにより、3重螺旋のβ−1,3−グルカンの1,6−グルコピラノシド分枝の3位と4位若しくは2位と3位の間が切断され、それらの位置にある水酸基がアルデヒドに変換され、側鎖にアルデヒド基(ホルミル基)を有するβ−1,3−グルカンが得られる。次いで、この側鎖にホルミル基を有するβ−1,3−グルカンと、OVAと、還元剤としてのシアノ水素化ホウ素ナトリウムとを重炭酸ナトリウム水溶液に溶解し、室温で14時間撹拌することにより、β−1,3−グルカンの側鎖のホルミル基とOVAのアミノ基との間でのシッフ塩基の形成と還元的アミノ化により、β−1,3−グルカンの側鎖にOVAが共有結合してSPGと抗原タンパク質の複合体を得ることができる。しかし、この調製方法では、非特許文献23の図2に示すように、SPGへの抗原タンパク質の反応率が極めて低く(本発明者らの実験では、後述するように1%以下)、極めて収率が低いという課題を有していた。これは、3重螺旋のβ−1,3−グルカンは棒状の高分子であり運動性が低いため、抗原タンパク質との反応が遅いことが原因ではないかと推察された。
(2)SPGと抗原タンパク質の複合体の収率が低いため、CpG DNAを結合させて三元複合体を得る際には、SPGと抗原タンパク質の反応物から、目的物をカラム分離により精製する必要があり、操作が極めて煩雑であるとともに生産性に欠けるという課題を有していた。さらに、カラムによる分離を行なう際に、疎水性の高いカラムを用いると抗原タンパク質の高次構造が変性してしまい、抗原としての機能が低下する問題があった。また、通常はカラム生成された溶液は極めて希薄であり濃縮する必要があるが、この濃縮の過程でタンパク質が凝集したり変性したりする等の問題がある。
また、本発明は、生体内で加水分解等を受け得るような条件下でCpGオリゴヌクレオチドや抗原タンパク質を脱離させることができ、標的指向性に優れる抗原タンパク質/CpGオリゴヌクレオチド/β−1,3−グルカン系三元複合体を用いることにより、効果的に抗原特異的に免疫反応を誘導することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の抗原タンパク質/CpGオリゴヌクレオチド/β−1,3−グルカン系の三元複合体の製造方法は、側鎖にホルミル基を有するβ−1,3−グルカンと抗原タンパク質とを、(a)アルカリ水溶液中で反応させると同時に中和を行なう、若しくは(b)アルカリ水溶液中で反応させて逐次中和を行なう反応工程を備えている。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)アルカリ水溶液にβ−1,3−グルカンを溶解すると、β−1,3−グルカンの3重螺旋が1本鎖に解離される。また、β−1,3−グルカンが溶解されたアルカリ水溶液を中和すると、3重螺旋への復帰が生じる。β−1,3−グルカンと抗原タンパク質とを、(a)アルカリ水溶液中で反応させると同時に中和を行なう、若しくは(b)アルカリ水溶液中で反応させて逐次中和を行なう反応工程を備えており、中和に伴いβ−1,3−グルカンが1本鎖から3本螺旋へ復帰する速度が、β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応速度に比べて遅く、また中和直後の3重螺旋には欠陥や復帰できない1本鎖部分が数多く残っていると考えられ、さらに抗原タンパク質がアルカリ水溶液で変性するのを中和によって防ぐことができるため、反応工程では、β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応を容易に進行させ、反応率を高めることができる。また、抗原タンパク質を、有機溶媒を使わず、pHが中性付近の水溶液中で扱うため、タンパク質の変性が大幅に抑えられる。
なお、CpGオリゴヌクレオチドと安定な三元複合体を形成し、Th1細胞を優位にする効果を発揮させるためには、約25000以上の平均分子量にするのが望ましい。
但し、パン酵母やカンジダ菌の細胞壁からの抽出物や、アガリクス由来の比較的長いβ−1,6−グルシド結合の側鎖を有するβ−1,3−グルカンは、水性溶媒に対する溶解性が悪いため、シゾフィラン、レンチナン、パーマキン、グリホラン、スクレログリカン等由来のβ−1,3−グルカンが好適である。
この中で好ましい方法は、β−1,3−グルカンの1,6−グルコピラノシド分枝の過ヨウ素酸酸化である。過ヨウ素酸酸化は、1,2−ジオールを定量的にアルデヒドへと変換する反応であり、使用できる試薬としては、過ヨウ素酸のアルカリ金属塩であれば特に制限はなく、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ルビジウムなどの中から適当に選択することができる。その中でも、溶解性および価格的な面から過ヨウ素酸ナトリウムがもっとも好ましく用いられる。
過ヨウ素酸酸化反応における溶媒としては、β−1,3−グルカンが溶解し、かつ、反応に影響を与えない極性溶媒であれば特に制限はない。この点を考慮すると、水がもっとも好ましい。これにより、3重螺旋のβ−1,3−グルカンについて過ヨウ素酸酸化を行なうことができる。また、1本鎖のβ−1,3−グルカンについて過ヨウ素酸酸化を行なう場合には、溶媒は極性有機溶媒、特にジメチルスルホキシドが好適である。β−1,3−グルカンの3重螺旋は極性有機溶媒中で1本鎖に解離されるからである。反応温度は過ヨウ素酸の自己分解反応が進行しない条件下であれば特に制限されることはないが、一般的に、反応は0〜50℃の温度下に行なわれる。
これにより、β−1,3−グルカンの1,6−グルコピラノシド分枝の3位と4位若しくは2位と3位の間が切断され、それらの位置にある水酸基がアルデヒドに変換される。過ヨウ素酸酸化反応の特徴は、1,2−ジオール間のC−C結合のみに反応することにあるが、β−1,3−グルカンの主鎖に1,2−ジオールはないため、過ヨウ素酸酸化反応によって主鎖が切断されたり変性したりすることはない。
アルカリ水溶液の濃度としては、0.1〜1M/L好ましくは0.25〜0.5M/Lが好適である。濃度が0.25M/Lより低くなるにつれβ−1,3−グルカンの3本螺旋から1本鎖への解離が生じ難く、0.5M/Lより高くなるにつれ、多糖自体の加水分解が起こり、分子量が低下し、この結果Th1細胞を優位にする効果が低下する傾向がみられる。特に、0.1M/Lより低くなるか1M/Lより高くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
反応工程における反応温度としては、抗原タンパク質の変性が生じ難い温度であれば特に制限がなく、例えば、10〜40℃が好適である。
β−1,3−グルカンを溶解させたアルカリ水溶液と、抗原タンパク質を溶解させた酸水溶液とを混合することにより、β−1,3−グルカンと抗原タンパク質とを、アルカリ水溶液中で反応させると同時に中和を行なうことができる。
酸水溶液としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸等の水溶液を用いることができる。
酸水溶液の濃度としては、0.1〜1M/L好ましくは0.25〜0.5M/Lが好適である。濃度が0.25M/Lより低くなるにつれ中和力が低下する傾向がみられ、0.5M/Lより高くなるにつれ、抗原タンパク質が変性し易くなり反応性が低下する傾向がみられる。特に、0.1M/Lより低くなるか1M/Lより高くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
また、反応工程において、反応と同時に中和を行なう操作には、β−1,3−グルカンを溶解させたアルカリ水溶液に酸水溶液を混合するとともに、抗原タンパク質を緩衝水溶液等に溶解させた溶液を、酸水溶液と同時に若しくは所定時間内に混合することも含まれる。中和に伴いβ−1,3−グルカンが1本鎖から3本螺旋へ復帰する速度は、β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応速度に比べて遅いため、アルカリ水溶液に酸水溶液を混合するとともに、抗原タンパク質の溶液を所定時間内に混合することにより、抗原タンパク質はβ−1,3−グルカンに結合できる。
反応工程において、逐次中和を行なう場合、アルカリ水溶液中でβ−1,3−グルカンと抗原タンパク質との反応開始から中和されるまでの時間としては、60分以下が好適である。反応開始から中和されるまでの時間が60分を超えると、アルカリ水溶液により変性される抗原タンパク質の割合が増大するからである。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)抗原タンパク質とβ−1,3−グルカンとの複合体は、非プロトン性有機溶媒中で1本鎖に解離される。非プロトン性有機溶媒中で解離された1本鎖の複合体と、CpGオリゴヌクレオチドの末端に結合したポリ(dA)テールとを結合させ、3重螺旋構造やその他の構造の三元複合体を安定して高収率で製造できる。得られた三元複合体は、免疫系におけるTh1細胞とTh2細胞のバランスを調節してTh2細胞関連疾患の予防や治療に用いることができる。また、簡便なワクチンやアジュバントとして使用できる。
CpGオリゴヌクレオチドの5’−末端にポリ(dA)テールを付加するのは、安定した三元複合体を形成させるためである。dA(デオキシアデノシン)の数は特に限定されるものではないが、一般に30〜80個好ましくは40〜60個である。
各タイプのモチーフは、一つの核酸分子中に複数個存在してもよく、その複数個のタイプが異なるものでも構わない。
抗原タンパク質とβ−1,3−グルカンとの複合体を非プロトン性有機溶媒に溶解して1本鎖に解離させ、ポリ(dA)テールを有するCpGオリゴヌクレオチドの溶液を混合し、例えば5℃で10〜24時間保持することにより、三元複合体が形成される。
CpGオリゴヌクレオチドの溶液としては、中性付近のpHの緩衝水溶液が好適である。抗原タンパク質とβ−1,3−グルカンとの複合体を溶解させた非プロトン性有機溶媒に、CpGオリゴヌクレオチドを溶解させた緩衝水溶液を混合することにより、非プロトン性有機溶媒中で1本鎖に解離した複合体が、水が混合されることで、β−1,3−グルカン2本とCpGオリゴヌクレオチド1本の3重螺旋構造やその他の構造のCpGオリゴヌクレオチドとの三元複合体となるからである。
緩衝水溶液としては、トリス塩酸,TE,TAE,TBE,TBS,HEPES等の緩衝溶液を挙げることができる。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との反応場に、5’−末端若しくは3’−末端にアミノ基を有するCpGオリゴヌクレオチドを共存させることにより、反応工程において、β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応に加え、CpGオリゴヌクレオチドのアミノ基との反応が生じ、抗原タンパク質/CpGオリゴヌクレオチド/β−1,3−グルカン系三元複合体を単一の反応場で操作性良く製造できる。
(2)β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との反応場において、アルカリ水溶液中で解離された1本鎖のβ−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドの末端に結合したポリ(dA)テールとを結合させることにより、反応工程において、β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応に加え、CpGオリゴヌクレオチドとの反応が生じ、抗原タンパク質/CpGオリゴヌクレオチド/β−1,3−グルカン系三元複合体を単一の反応場で操作性良く製造できる。
(3)得られた三元複合体は、免疫系におけるTh1細胞とTh2細胞のバランスを調節してTh2細胞関連疾患の予防や治療に用いることができる。
CpGオリゴヌクレオチドの溶液としては、CpGオリゴヌクレオチドを中性付近のpHのトリス塩酸,TE,TAE,TBE,TBS,HEPES等の緩衝溶液に溶解させた緩衝水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸等の水溶液を用いることができる。
酸水溶液の濃度としては、0.1〜1M/L好ましくは0.25〜0.5M/Lが好適である。濃度が0.25M/Lより低くなるにつれ中和力が低下する傾向がみられ、0.5M/Lより高くなるにつれ、抗原タンパク質が変性し易くなり反応性が低下する傾向がみられる。特に、0.1M/Lより低くなるか1M/Lより高くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)β−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドとの結合力が比較的弱いため、生体内で比較的容易にβ−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドとを解離させることができる。
この構成により、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)β−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドとの結合力が比較的強く、生体内で加水分解等を受け得るような条件下でCpGオリゴヌクレオチドを脱離させることができ、標的指向性を高めることができる。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)オボアルブミン(OVA)は、卵アレルギーにおける主要なアレルゲンと考えられており、アレルギー性疾患の抑制効果を増強させるとともに、Th1細胞の誘導効率も増強させることができる。
この構成により、請求項2乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)CpGオリゴヌクレオチドがK−タイプであると、IL-12の産生を強く誘導し、D−タイプであると、IL-12と同時にINF-αの産生を誘発する。
D−タイプのCpGオリゴヌクレオチドとしては、3’−末端にGカルテットを有するものが用いられ、例えば、D35{5'−(dA)40−GGTGCATCGATGCAGGGGGG−3'}(配列番号2)が挙げられる
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との結合力が比較的強く、生体内で加水分解等を受け得るような条件下で抗原タンパク質を脱離させることができ、標的指向性を高めることができる。また、β−1,3−グルカンが抗原タンパク質を覆ったような状態になるため、非特異的吸着や分解酵素による不活性化を防ぎ、生体内での滞留性が向上することが期待される。
(1)β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との反応場に、5'−末端若しくは3'−末端にアミノ基を有するCpGオリゴヌクレオチドを共存させることにより得られた三元複合体は、β−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドや抗原タンパク質との結合が、シッフ塩基若しくはアミド結合によるため、β−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドや抗原タンパク質との結合力が比較的強く、生体内で加水分解等を受け得るような条件下でCpGオリゴヌクレオチドや抗原タンパク質を脱離させることができ、標的指向性に優れる。DNAは生体内では容易にDNaseによって分解されるが、β−1,3−グルカンと結合することにより、この分解が大幅に抑制される。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応を容易に進行させることができ、反応率を従来の30倍以上に高められる三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)非プロトン性有機溶媒中で解離された1本鎖の複合体と、CpGオリゴヌクレオチドの末端に結合したポリ(dA)テールとを結合させ、3重螺旋構造やその他の構造の三元複合体を安定して高収率で製造できる三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)β−1,3−グルカンのホルミル基と抗原タンパク質のアミノ基との反応に加え、CpGオリゴヌクレオチドとの反応が生じ、抗原タンパク質/CpGオリゴヌクレオチド/β−1,3−グルカン系三元複合体を単一の反応場で操作性良く製造できる三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)β−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドとの結合力が比較的弱いため、生体内で比較的容易にβ−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドとを解離させることができる三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)β−1,3−グルカンとCpGオリゴヌクレオチドとの結合力が比較的強く、生体内で加水分解等を受け得るような条件下でCpGオリゴヌクレオチドを脱離させることができ、標的指向性を高める三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)アレルギー性疾患の抑制効果を増強させるとともに、Th1細胞の誘導効率も増強させることができる三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)免疫系におけるTh1細胞とTh2細胞のバランスを調節してTh2細胞関連疾患の予防や治療に好適な三元複合体の製造方法を提供できる。
(1)β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との結合力が比較的強く、生体内で加水分解等を受け得るような条件下で抗原タンパク質を脱離させることができ、標的指向性を高める三元複合体の製造方法を提供できる。
(実施例1)
文献(A.C.S.38(1), 253(1997);Carbohydrate Research, 89, 121-135(1981))に記載された方法にて、分子量45万のシゾフィランを得た。この方法は、最少培地を用いてSchizophyllum commune. Fries(ATCC 44220)を7日間静置培養した後、細胞成分及び不溶残渣を遠心分離して、得られた上清を超音波処理するものである。
このシゾフィラン100mgを水100mlに溶解させた。この溶液を6つに分け、その各々に過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(シゾフィラン側鎖グルコースに対して0%、20%、40%、60%、80%、100%の当量数の水溶液)のいずれかをゆっくりと加え、4℃で2日間撹拌した。反応溶液を透析膜(排除限界12000)で透析後、凍結乾燥した。この試料をそれぞれ、SPG, f20SPG, f40SPG, f60SPG, f80SPG, f100SPGとよぶ。f20SPG, f40SPG, f60SPG, f80SPG, f100SPGは、過ヨウ素酸酸化により、シゾフィラン(β−1,3−グルカン)の側鎖にホルミル基を有している。
SPG, f20SPG, f40SPG, f60SPG, f80SPG, f100SPGの試料各1mgを、0.6NのNaOH 1.0mlに各々溶解し1本鎖に解離させた。1本鎖に解離されたことは、ゲル浸透クロマトグラフ/多角度レーザー光散乱検出器(MALS/GPC,Shodex GPC-101,カラムSB-806M,DAWN HELEOS-A)により、分子量が15万に減少していることにより確認した。
次いで、β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との複合体を得るため、これらのアルカリ水溶液の各々に、オボアルブミン(OVA)のトリス塩酸緩衝水溶液(100mg/ml)を2μl添加すると同時に、0.6NのHClを1.0ml添加してアルカリ水溶液を中和した。
図1から、f20SPG, f40SPGでは、シゾフィランとオボアルブミンの複合体(SPG-OVA)のバンドがスメア状であるが、f60SPG,f80SPG, f100SPGでは、SPG-OVAが一本のバンドを形成していることがわかる。これは、f60SPG,f80SPG, f100SPG では、シゾフィラン(SPG)にオボアルブミン(OVA)が強固に結合したことを示している。
実施例1と同様の方法により、シゾフィランからf20SPG, f40SPG, f60SPG, f80SPG, f100SPGを合成した後、(非特許文献23)に記載された方法に従って、OVAを結合させた。具体的には、f20SPG, f40SPG, f60SPG, f80SPG, f100SPG の各試料を1mg溶解した水溶液に、それぞれOVAのトリス塩酸緩衝水溶液(100mg/ml)を2μl添加し、それと同時に、還元剤としての水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)100mgを0.1Mの重炭酸ナトリウム水溶液に溶解した溶液を混合した後、室温で14時間撹拌した。
図2からは、未反応のOVAは観測できるが、SPG-OVAの複合体は観測できない。これは、SPGとOVAとの反応性が著しく低いことを示している。
次に、実施例1で説明したf40SPGの中和後の溶液と、比較例1で説明したf40SPGの撹拌後の溶液を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分画して、それぞれの吸収を波長240nmで測定した。
図3は実施例1と比較例1の溶液をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分画した試料の流出時間と吸収値とを示す図である。なお、図3には光散乱法(90°)で観測したSPGのピークも示した。このピークは、SPG-OVAの重量平均分子量に対応していると考えられる。
図3において、比較例1の大きなピークは、SPGより低分子量である未結合のOVA(フリーOVA)に相当する。一方、実施例1ではフリーOVAに相当するピークが小さくなり、高分子量のSPGに結合したSPG-OVAに相当するピークが大きくなっている。図3に示すフリーOVAに相当するピークの面積(以下、OVAfという。)と、SPG-OVAに相当するピークの面積(以下、OVAbという。)とを求め、OVAの結合率{OVAb/(OVAb+OVAf)}を算出したところ、実施例1のf40SPGには90%以上のOVAが反応していること(結合率は90%以上)、比較例1のf40SPGには1%以下のOVAしか反応していないこと(結合率は1%以下)が判明した。
以上の実施例から、β−1,3−グルカンと抗原タンパク質とを、アルカリ水溶液中で反応させると同時に中和を行なうことにより、反応率を飛躍的に高められることが明らかとなった。
実施例1で得られたf60SPGとOVAの複合体(以後、f60SPG/OVAという。)に、CpG DNAを反応させる実験を行なった。なお、公知文献(特許第4064108号公報)に明らかなように、SPGのNaOH溶液をHCl溶液で中和することで、dAテールとSPGとの複合化が起きることが知られている。
ここで、本実施例で用いたf60SPG/OVAは、吸光度の測定結果から、SPGの側鎖100残基に対して、約1分子のOVAが結合していることが判明した。
このf60SPG/OVA 1mgを0.6MのNaOH 83 mlに溶解して、f60SPG/OVAの1本鎖のNaOH溶液を作成した。次に、このアルカリ水溶液に0.6M HCl溶液と、5‘端にdAテールがついた配列5’-TCCATGACGTTCCTGATG-3’のCpG DNA(配列番号3)のトリス塩酸緩衝水溶液49.2ml(DNAの濃度0.16mM)とを同時に添加し反応させた。
円偏光2色性スペクトル(CD)測定によって、反応物はf60SPG/OVA /DNAの三元複合体が形成されていることを確認した。
実施例1で使用したf60SPG, f80SPGを0.6NのNaOHに溶解し1本鎖に解離させた。この溶液にHClを添加すると同時に、5’端にアミノ基がついたCpG DNA(配列5’-TCCATGACGTTCCTGATG-3’)(配列番号4)とOVAを、表1の実験No1〜5に示す割合で混合し反応させた。
図4(a)はOVAについて評価したアガロースゲル電気泳動の結果であり、図4(b)はCpG DNAについて評価したアガロースゲル電気泳動の結果である。図4に付した1〜5の番号は、表1の第1行に記載した実験No1〜5と対応している。また、ウエル(図の上部)に留まっているOVA若しくはCpG DNAがSPGと結合したものである。
図4から、β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との反応場に、5’−末端にアミノ基を有するCpGオリゴヌクレオチドを共存させることにより、三元複合体が形成されることが明らかとなった。
なお、実施例1で説明したのと同様に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によってOVA,CpG DNA,SPGの各ピークの面積を測定し結合率を算出したところ、実験No2ではOVA 100 %、CpG DNA 58 %、実験No3ではOVA 100 %、CpG DNA 48 %、実験No4ではOVA 100 %、CpG DNA 35 %、実験No5ではOVA 100 %、CpG DNA 29 %であり、OVAの反応率はほぼ100%であった。
5’−末端にアミノ基を有するCpG DNAに代えて 3’−末端にアミノ基を有するCpG DNAを用いた場合も、ほぼ同様の結果が得られた。
実施例1で得られたf60SPGの所定量を、0.6NのNaOH 48 mlに溶解し1本鎖に解離させた。このアルカリ水溶液に、HCl(0.6M、48 ml)を添加すると同時に、dAテールがついたCpG DNA(配列番号3)(3g/l)のトリス塩酸緩衝水溶液と、OVA(100g/l)のトリス塩酸緩衝水溶液と、を所定量加えて反応させた(実験No1〜5)。表2に、実験No1〜5のf60SPG,OVA,CpG DNAの仕込みのモル比を示す。
図5(a)はOVAについて評価したポリアクリルアミド電気泳動の結果であり、図5(b)はCpG DNAについて評価したポリアクリルアミド電気泳動の結果である。図5に付した1〜5の番号は、表2に記載したNo1〜5と対応している。
図5(a)に示すOVAの染色結果によれば、No3,4,5とf60SPGの量が減少するにつれ、フリーOVAの量が増加する傾向がみられるが、高分子側のバンドも確認できることから、f60SPG とOVAが結合していると考えられる。
図5(b)に示すCpG DNAの染色結果によれば、No3,4,5とf60SPGの量が減少するにつれ、フリーDNAの量が増加する傾向がみられるが、高分子側のバンドが濃くなる傾向がみられることから、f60SPG とCpG DNA も結合していると考えられる。
これらの結果から、β−1,3−グルカンと抗原タンパク質との反応場に、5’−末端にポリ(dA)テールを有するCpGオリゴヌクレオチドを共存させることにより、三元複合体が形成されていると考えられる。また、高分子側のバンドの濃さから、SPG 1.5分子に対してOVA 1つおよびCpG DNA 2つが複合化していると推察される。
実施例1で使用したf60SPG 0.5mgを0.6NのNaOH 48 mlに溶解し1本鎖に解離させた。このアルカリ水溶液に、HCl(0.6M、48 ml)を添加した後、定められた時間後に、5‘端にアミノ基がついたCpG DNA(配列5’-TCCATGACGTTCCTGATG-3’)(配列番号4)(3g/l)のトリス塩酸緩衝水溶液0.5 mlと、OVA(100g/l)のトリス塩酸緩衝水溶液1.0 mlと、を加えて反応させた。
これらの反応物の評価を、アガロースゲル電気泳動によって行ったところ、高分子側のバンドが確認された。従って、三元複合体が形成されているものと判断できる。
さらに、実施例1で説明したのと同様に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によってOVA,CpG DNA,SPGの各ピークの面積を測定し、OVAとDNAの結合率を算出した。
表3に、アルカリ水溶液に塩酸を添加してからOVA及びDNAの溶液を添加するまでの時間と、OVAの結合率(モル%)、DNAの結合率(モル%)との関係を示す。
また、SPGのアルカリ水溶液にOVAを添加してから中和する場合、OVAを添加してから中和するまでの時間が長くなるにつれ、OVAの結合率が低下することも確認した。これは、アルカリ水溶液により変性される抗原タンパク質の割合が増大するためであると考えられる。
抗ミトコンドリア抗体(AMA)への対応抗原であるM2型抗原を、公知文献(日本生化学会編(1992)「新生化学実験講座 第12巻」東京化学同人)に記載されている方法にて得た。次いで、イムノブロット法にて70kDa, 50kDa, 47kDa, 40kDa の4つの分画を得た。この中で70kDaのタンパク質はM2分画の大部分を占めていた。このM2抗原を、HEPES緩衝水溶液に分散して100mg/mlの溶液を作成した。
実施例1と同様に、f60SPG 1mgを0.6NのNaOH 1.0mlに溶解したアルカリ水溶液に、M2抗原のHEPES緩衝水溶液を2μl添加すると同時に、0.6NのHClを1.0ml添加してアルカリ水溶液を中和した。得られた反応物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分画して、M2抗原(タンパク質)の結合率を算出したところ、80%であった。
また、実施例5と同様に、f60SPG 0.5mgを0.6NのNaOH 48 mlに溶解したアルカリ水溶液に、HCl(0.6M、48 ml)を添加し、20分後に、5‘端にアミノ基がついたCpG DNA(配列5’-TCCATGACGTTCCTGATG-3’)(配列番号4)(3g/l)のHEPES緩衝水溶液0.5 mlと、M2抗原(100mg/ml)のHEPES緩衝水溶液1.0 mlと、を加えて反応させた。得られた反応物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分画した結果、M2抗原(タンパク質)のM2抗原の結合率は80%、CpG DNAの結合率は35%と算出された。
以上のことから、オボアルブミン(OVA)以外の抗原タンパク質を用いた場合にも、抗原タンパク質/CpG DNA/β−1,3−グルカン系三元複合体を、高い収率で製造できることが確認された。
Claims (8)
- 抗原タンパク質/CpGオリゴヌクレオチド/β−1,3−グルカン系の三元複合体の製造方法であって、
側鎖にホルミル基を有するβ−1,3−グルカンと抗原タンパク質とを、(a)アルカリ水溶液中で反応させると同時に中和を行なう、若しくは(b)アルカリ水溶液中で反応させて逐次中和を行なう反応工程を備えていることを特徴とする三元複合体の製造方法。 - 前記反応工程において結合させ生成された前記抗原タンパク質と前記β−1,3−グルカンとの複合体を、5'−末端にポリ(dA)テールを有するCpGオリゴヌクレオチドと非プロトン性有機溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1に記載の三元複合体の製造方法。
- 前記反応工程における前記β−1,3−グルカンと前記抗原タンパク質との反応場に、5'−末端若しくは3'−末端にアミノ基を有するCpGオリゴヌクレオチド又は5'−末端にポリ(dA)テールを有するCpGオリゴヌクレオチドを共存させることを特徴とする請求項1に記載の三元複合体の製造方法。
- 前記β−1,3−グルカンと前記CpGオリゴヌクレオチドとの結合が、主として水素結合に基づく非共有性結合であることを特徴とする請求項2に記載の三元複合体の製造方法。
- 前記β−1,3−グルカンと前記CpGオリゴヌクレオチドとの結合が、主としてシッフ塩基若しくはアミド結合によることを特徴とする請求項3に記載の三元複合体の製造方法。
- 前記抗原タンパク質が、オボアルブミン(OVA)であることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の三元複合体の製造方法。
- 前記CpGオリゴヌクレオチドが、K−タイプ若しくはD−タイプのものであることを特徴とする請求項2乃至6の内いずれか1に記載の三元複合体の製造方法。
- 前記抗原タンパク質と前記β−1,3−グルカンの結合が、シッフ塩基若しくはアミド結合によることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1に記載の三元複合体の製造方法。
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