JP5029875B2 - 三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法 - Google Patents
三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5029875B2 JP5029875B2 JP2007014950A JP2007014950A JP5029875B2 JP 5029875 B2 JP5029875 B2 JP 5029875B2 JP 2007014950 A JP2007014950 A JP 2007014950A JP 2007014950 A JP2007014950 A JP 2007014950A JP 5029875 B2 JP5029875 B2 JP 5029875B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molded plate
- resin
- gas
- sulfur trioxide
- resin molded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Cell Separators (AREA)
Description
法一例として、スルホン化が挙げられ、中でも三酸化硫黄ガスによる気相スルホン化が、制御が容易で、品質の高い製品を得られる可能性が高い。しかし、綿密に条件制御したとしても、三酸化硫黄ガスとの接触による樹脂劣化(変色、樹脂分解等)を完全に回避することはできない。また、樹脂と三酸化硫黄ガスとの接触により形成された官能基(スルホン酸基等)の脱離、残存三酸化硫黄の加水分解物等を由来とする硫酸イオン(SO42−)の水への溶出等問題が根本的に回避できていない。
(1)工程1;成形板のマスキング工程、(2)工程2;成形板を、三酸化硫黄ガスと接触させるための加温された処理容器内に挿入、固定した後、該容器内の水分除去工程、(3)工程3;成形板を、三酸化硫黄ガスと乾燥不活性ガスとの混合ガスに接触させる工程、(4)工程4;次いで、該樹脂成形板を洗浄する工程。
本発明は、樹脂を構成成分として含む樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形板と、三酸化硫黄ガスと希釈用乾燥ガスとの混合ガスを接触させ、該成形板表面を改質する方法であって、樹脂成形板の表面のうち、改質が不要な部位、劣化してはいけない部位、硫酸イオンが溶出してはいけない部位等をマスキングし、三酸化硫黄ガスと接触する部位を実用上最小限とした後、水分除去工程を経て、該混合ガスと接触させ表面改質し、次いで洗浄する工程を行う表面改質法である。
前記の樹脂成形板は、金型等に熱硬化性樹脂を含む組成物から得られた成形材料を配置し、加熱等により硬化させ、所定の形状有した板状に成形して得られたもの、又は金型等に熱可塑性樹脂を含む組成物から得られる成形材料を配置し、加熱等により溶融させ、所定の形状を有した後、冷却固化させ同様に板状に成形して得られたものである。
式1;「差分=表面改質後の硫黄原子数%−表面改質前の硫黄原子数%」
樹脂成形板の表面のうち、改質が不要な部位、劣化してはいけない部位、硫酸イオンが溶出してはいけない部位等を好ましくは全表面積の10〜90%、特に好ましくは20〜80%をマスキングし、三酸化硫黄ガスと接触する部位を実用上最小限とするための工程である。マスキング方法としては、樹脂成形板の材質、要求性能及び、後工程に適合した方法が適宜選択して実施される。例えば、マスキング材としては、三酸化硫黄ガスの遮断能力のある樹脂系フィルム・シート(例えば塩化ビニル樹脂製)もしくは塗膜、金属板、樹脂板などが挙げられる。工程1の実施により表面改質が最低限必要な部位にのみ三酸化硫黄ガスが接触するため、商品性能、価値を損なうことなく親水性能に優れた樹脂成形板が得られる。
樹脂成形板表面及び処理容器内の水分を除く工程である。まず、樹脂成形板を処理容器内に固定した後、容器を密閉し水分除去を行う。水分除去方法としては、樹脂成形板を劣化させない温度雰囲気、または次工程の工程3の三酸化硫黄ガスと接触させる時の温度雰囲気にて、乾燥窒素、乾燥空気など乾燥ガスの流通や減圧置換等の方法を併用しながら行うことが挙られる。内部の水分量は、高分子薄膜式などによる露点計により、容器内又は、該容器から排出される置換ガスの露点又は水分量を追跡しながら目標の露点になるまで水分除去を行う。露点の目標としては、−50℃以下、さらに望ましくは−60℃以下である。この時に使用される置換ガスの乾燥窒素、乾燥空気なども、工程上重要であり望ましくは、−60℃以下、より望ましくは−65℃以下である。該置換ガスとしては、不活性ガスの使用が望ましく、該置換ガスは、加温されたガスが望ましく、加温は、40〜100℃の範囲であることがより好ましい。
もし、この工程2を行わない場合には、成形板表面に吸着した水分、処理容器内に存在する水分と、工程3で使用する三酸化硫黄ガスが接触し、硫酸を副生する。この硫酸が、樹脂成形板表面を劣化させたり、三酸化硫黄ガスと樹脂成形板表面との接触を妨げたりするため、最終的に得られた製品の親水性と外観品質、水溶出性能の両立が難しくなる。また、処理容器がステンレス等の金属製である場合には、表面腐食が起こり易くなり望ましくない。
もし、この予備乾燥工程を行わない場合には、成形板表面に強く吸着した水分と、工程3で使用する三酸化硫黄ガスが接触し、硫酸を副生するする恐れがある。この硫酸が、樹脂成形板表面を劣化させたり、三酸化硫黄ガスと樹脂成形板表面との接触を妨げたりするため、最終的に得られた製品の親水性と外観品質、水溶出性能の両立が難しくする恐れがある。
樹脂成形板と三酸化硫黄ガスと希釈用乾燥ガスとの混合ガスを樹脂成形板と接触させ表面改質させる工程である。三酸化硫黄ガスとしては、特に制限はないが、ガス供給源としては、液体の安定化三酸化硫黄(沸点44.8℃)をガス化、発煙硫酸からの気化、硫黄を空気燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られる三酸化硫黄ガス使用などが挙げられる。希釈用乾燥ガスとしては、三酸化硫黄と反応しない乾燥ガスの使用が必須である。具体的には、乾燥窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスや、乾燥空気が挙げられ、コストの点では、乾燥空気の使用が望ましい。この希釈用乾燥ガスも、同様に水分量を厳密に管理することが、品質上重要である。水分量としては、例えば前述の露点で管理する。露点の目標としては、−60℃以下、さらに望ましくは−65℃以下である。 露点の高い希釈用乾燥ガス、例えば露点−10℃の乾燥空気を使用して三酸化硫黄ガスを希釈すると、瞬時に硫酸ミストを生成し、処理容器までの配管ならびに、気体流量計、さらに処理容器内壁及び樹脂成形板まで、硫酸ミストで湿潤する、よって最終的に得られた成形板の親水性と外観性能、溶出性能の両立が難しくなる。また、処理容器、配管等がステンレス等金属製である場合には、表面腐食が起こり易くなり望ましくない。該混合ガスは、加温されたガスが望ましく、好ましくは40〜100℃の範囲である、より好ましくは40〜70℃である。
前述の工程1〜工程3を経て得られる表面改質された樹脂成形板を、水又は溶剤にて洗浄する工程である。洗浄方法としては、樹脂成形板の材質、要求性能に合った方法を適宜選択して行われる。例えば、まず始めに、イオン交換水等にて洗浄を少なくとも1回行う。この場合の条件は、例えば10〜30℃で5〜60分程度で、必要によりこの条件で複数回、好ましくは2〜6回洗浄を行う。さらに残留する硫酸や、樹脂分解物を除くために、温水又は溶剤で洗浄を行うことが好ましい。この場合の条件は、例えば液温60〜100℃にて、30〜120分程度で、必要によりこの条件で複数回、好ましくは2〜6回行うのが望ましい。
燃料電池用セパレータの場合、接触抵抗を低減するため、ブラスト処理、紫外線オゾン処理等を行った後、工程1を実施するのが望ましい。また、工程3の妨げとなる可能性のある成形時に使用した外部離型剤も、必要により十分除去しておくことが望ましい。
。例えば、水との接触角で評価することができ、その接触角の値は、樹脂成形板組成、表面形状によるが、好ましくは80度以下、より好ましくは60度以下である。
燃料電池用セパレータとして使用される場合には、表面改質された部位、例えば燃料ガス流路での水との接触角が80度以下の場合、燃料電池用セパレータとして稼働中に生成する生成水がセパレ−タガス流路内で留まることなく排水されるので、安定した電圧を維持することができる。より好ましくは、60度以下0度以上である。
行った後、次の工程2及び工程3を順次行うことにより、硫酸イオンの溶出を低減した製
品、若しくは硫酸イオン溶出を実用的に回避した製品が提供可能となる。
を流がれる冷水を温水とすることで外部に取り出すものである。
本発明の三酸化硫黄ガスにより表面改質された樹脂成形板の性能評価方法及び評価基準を以下に述べる。
改質前及び改質後の樹脂成形板の表面を、エネルギー分散型X線分析装置(JED−2200、日本電子製)を用いて、100倍の倍率で元素分析を行い、硫黄原子の原子数%を測定した。その際、金属蒸着は行わない。なお必要により帯電防止を行う。表面改質前と表面改質後に測定して得られた数値の差分を算出する。実際には、処理前の樹脂成形板から少量サンプリングを行い測定し、処理後に同様にサンプリングして測定する。測定方法としては、水素を除く炭素、酸素、硫黄における硫黄原子数%の値を用いる。具体的な算出法としては、式1を用いる。式1;差分=表面改質後の硫黄原子数%−表面改質前の硫黄原子数%。なお差分としては、好ましくは+0.1〜+4.0であり、より好ましくは+0.5〜+2.0である。この差分の値が、+0.1〜+4.0であれば、親水性に優れ、しかもその効果を長期にわたって維持することができる。
改質後の樹脂成形板の表面の接触角を、イオン交換水を用いた液滴法にて測定した。用いた機械は、協和界面科学製CA−Z型である。測定5回の平均値を結果とする。測定雰囲気は、22℃、湿度60%である。一般に濡れ性が良好であるほど、接触角は小さい値を示す。
サイズ80mm×80mmの樹脂成形板をそのまま試料片とする。この試料片1枚の重量を測定、その重量の20倍量のイオン交換水の入ったフッ素樹脂製容器に入れ封をし、この容器を60℃の乾燥器に入れ、100時間浸積試験を行う。その後、室温まで徐冷し試料片を取り出す。容器内に残ったイオン交換水の電気伝導度を測定(堀場製作所製の電気伝導度計、ES−51)する。一般に電解質性の溶出物が少ないほど電気伝導度は小さい値を示す。なお、溶出試験前のイオン交換水の電気伝導度は、0.09mS/Mであった。この値に近いほど、水溶出性能に優れている。なお、用途によって要求される溶出性能は異なるため、目標値もそれぞれ異なる。実際には、スルホン化されていない樹脂成形板の溶出試験後の水の電気伝導度を基準として評価する。
樹脂成形板の表面の粗さを、JIS−B0601の準拠した方法で、小坂研究所製SE−3500K型で測定した。プローブ半径2μmで3回測定し、その平均値を結果とする。測定雰囲気は、22℃、湿度60%である。
ビニルエステル系熱硬化性樹脂23重量%と炭素充填材77重量%からなる成形材料を所定量取り出し、平面板金型に充填し、圧縮成形機で、圧力200kgf/cm2(ゲ−ジ圧力)、上型150℃、下型145℃、成形時間5分の条件で成形し、幅200mm、長さ200mm、厚み2mmの樹脂成形板を得る。この板から幅80mm、長さ80mmのサイズの板を切り出す。これを樹脂成形板Aとする。
PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂20重量%と炭素充填材80重量%からなるシート状の成形材料を、室温の平面板金型に充填し、320℃の熱板の間のはさみ、溶融させた後、圧縮成形機で、圧力300kgf/cm2(ゲ−ジ圧力)、成形時間10分の条件で成形し、次いで金型を20℃の冷却板の間にはさみ、室温まで冷却、脱型、幅100mm、長さ100mm、厚み2mmの樹脂成形板を得る。この板から幅80mm、長さ80mmのサイズの板を切り出す。これを樹脂成形板Bとする。
本発明により表面改質された燃料電池用セパレータの性能を評価する。
〔改質用の樹脂成形板のCの作製(燃料電池用セパレータ)〕
ビニルエステル系熱硬化性樹脂23重量%と炭素充填材77重量%からなる成形材料を所定量取り出し、燃料電池セパレータ用金型に充填し、圧縮成形機で、圧力400kgf/cm2(ゲ−ジ圧力)、上型150℃、下型145℃、成形時間5分の条件で成形し、幅80mm、長さ80mm、厚み3mmの燃料電池セパレータを製造した。これを樹脂成形板C(燃料電池セパレータ)とする。なお、詳細な形状は、財団法人日本自動車研究所(JARI)から提案されている実験用燃料電池用セパレータ(幅80mm×長さ80mm)と同寸法である。片面は平板状で、もう一面にガス流路溝がある。このガス流路面のサイズは、52mm×52mmである。
まず、燃料電池セルに組み付ける前に、簡易な方法により排水性を評価した。
前述の燃料電池セパレータ2枚と固体高分子電解質膜1枚、ガス拡散電極2枚を組み合わせて単セルの燃料電池組み立て、発電特性を評価した。セル温度80℃、加湿ガスの露点温度80℃、水素ガス利用率40%、空気利用率70%、電流密度0.2A/cm2 にて発電させた。24時間経過後、その後1時間の電圧測定を行い、平均電圧と、電圧値変動の標準偏差を算出した。
まず、前記樹脂成形板A一枚の片面のみを、塩化ビニル樹脂系粘着フィルムによりマスキング行う。この時のマスキング面積は、全表面積の約48%である。次いで乾燥機にて70℃で1時間乾燥してから、この成形板を55℃に加温された内容積2Lの三酸化硫黄ガス接触用のガラス製処理容器に挿入、固定、容器の蓋を閉める。次に、露点−70℃以下の温度55℃の乾燥窒素を8L/分で2分間流通した後、−750mmHgの減圧条件で2分処理した後、乾燥窒素で常圧に戻す。この作業を合計2回実施しながら成形品及び容器内部の水分除去を行う。この時の処理容器の外へ排出された乾燥窒素の露点は、−55℃であった。次に露点−70℃以下の乾燥窒素ガスと三酸化硫黄ガスを混合し、濃度1容量%に調節された温度55℃の混合ガスを2L/分で10分間流通する。次に、露点−70℃以下の温度50℃の乾燥窒素を8L/分5分間流通する。この時の処理容器の外へ排出された乾燥窒素中の三酸化硫黄濃度は、0.01体積%以下であるのを確認した。次に処理容器から取り出し、室温のイオン交換水0.5Lの入ったポリエチレン製容器にて約1時間浸積洗浄した。水切り後、マスキングフィルムを除去する。次に90℃のイオン交換水0.5Lの入ったポリエチレン製容器にて30分間浸積洗浄を行う。この作業を合計3回行う。最後に、乾燥機にて70℃で1時間乾燥して三酸化硫黄ガスにて表面改質された樹脂成形板A−1を得た。
混合ガス中の三酸化硫黄ガスの濃度0.5容量%にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板A−2を得た。この成形板についても、実施例1と同様に、硫黄原子数%、水濡れ特性、水溶出性、表面粗さを評価した。結果を表−1に示す。
処理する樹脂成形板を、成形板Bにした以外は、実施例1と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板B−1を得た。この成形板についても、実施例1と同様に、硫黄原子数%、水濡れ特性、水溶出性、表面粗さを評価した。結果を表−1に示す。
樹脂成形板Aの表面をマスキングしない以外は、実施例1と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板A−3を得た。この成形板についても、実施例1と同様に、硫黄原子数%、水濡れ特性、水溶出性、表面粗さを評価した。結果を表−1に示す。
工程2の処理容器内での脱水処理を行わず、処理容器内のガス露点が+10℃のまま処理した以外は、実施例1と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板A−4を得た。この成形板についても、実施例1と同様に、硫黄原子数%、水濡れ特性、水溶出性、表面粗さを評価した。結果を表−1に示す。
まず、前記樹脂成形板C(燃料電池セパレータ)の両面を平均粗さRa=0.9μm付近になるようにガラス粉末を用いてブラスト処理する。次に流路溝以外の部分すべてを、塩化ビニル樹脂系フィルムによりマスキング行う。この時のマスキング面積は、全表面積の約63%である。この樹脂成形板を2枚用意する。次いで乾燥機にて70℃で1時間乾燥してから、この成形板を55℃に加温された内容積2Lの三酸化硫黄ガス接触用のガラス製処理容器におよそ10mmの間隔で平行になるように固定、容器の蓋を閉める。以降実施例1と同様の操作を行った。なお洗浄については、1枚ずつ個別に行う。この様にして樹脂成形板C−1を2枚得た。この成形板については、硫黄原子数%、水濡れ特性、水溶出性、表面粗さに加え、排水性、燃料電池発電性を評価した。結果を表−2に示す。
混合ガス中の三酸化硫黄ガスの濃度0.5容量%にした以外は、実施例4と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板C−2を2枚得た。実施例4と同様に硫黄原子数%、水溶出性に加え、排水性、燃料電池発電性を評価した。結果を表−2に示す。
混合ガス中の三酸化硫黄ガスの濃度2.0容量%にした以外は、実施例4と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板C−3を2枚得た。実施例4と同様に硫黄原子数%、水溶出性、表面粗さに加え、排水性、燃料電池発電性を評価した。結果を表−2に示す
樹脂成形板Cのマスキングしない以外は、実施例4と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板C−4を2枚得た。この成形板についても、実施例4と同様に、同様に硫黄原子数%、水溶出性、表面粗さに加え、排水性、燃料電池発電性を評価した。結果を表−2に示す。
工程2の処理容器内での脱水処理を行わず、処理容器内のガス露点が+10℃のまま処理した以外は、実施例4と同様の操作を行った。この様にして樹脂成形板C−5を2枚得た。この成形板についても、実施例4と同様に、硫黄原子数%、水溶出性、表面粗さに加え、排水性、燃料電池発電性を評価した。結果を表−2に示す。
前記樹脂成形板Cの両面を平均粗さRa=0.9μm付近になるようにガラス粉末でブラスト処理する。次に、工程4の洗浄及び乾燥のみを実施例4と同様に行い、三酸化硫黄ガスで改質されていない樹脂成形板C−0を2枚得た。
Claims (7)
- 樹脂を構成成分として含む樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形板と、三酸化硫黄ガスを接触させ、該成形板表面を改質する方法であって、工程1、工程2、工程3及び工程4を順次実施し、該樹脂成形板表面における、三酸化硫黄ガスと樹脂成形板との反応に由来し、エネルギー分散型X線分光法により測定される硫黄原子数%の、表面改質前と表面改質後との差分が+0.1〜+4.0であり、工程3の三酸化硫黄ガス濃度が、0.1〜5体積%であることを特徴とする三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法。
(1)工程1;成形板のマスキング工程
(2)工程2;成形板を、三酸化硫黄ガスを接触させるための処理容器内に挿入、固定した後、該容器内の水分除去工程
(3)工程3;成形板を、三酸化硫黄ガスと希釈用乾燥ガスとの混合ガスに接触させる工程
(4)工程4;次いで、該成形板を洗浄する工程 - マスキングにより三酸化硫黄ガスと接触しなかった部位の硫黄原子数%の前記差分が、+0.1未満である請求項1記載の樹脂成形板の表面改質方法。
- 前記工程3の三酸化硫黄ガスと接触させる時の処理容器内の雰囲気温度が、30〜80℃であり、接触時間が、1〜30分である請求項1記載の樹脂成形板の表面改質方法。
- 前記工程4の洗浄工程が、60〜100℃の温水による洗浄工程である請求項1記載の樹脂成形板の表面改質法。
- 前記希釈用乾燥ガスの露点が、−50℃以下である請求項1記載の樹脂成形板の表面改質方法。
- 前記工程2の処理容器内での樹脂成形板の固定方法として、一つの処理容器内に複数の成形板を5mm以上の間隔で平行に固定する請求項1記載の樹脂成形板の表面改質方法。
- 前記樹脂成形板が、燃料電池用セパレータである請求項1記載の樹脂成形板の表面改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007014950A JP5029875B2 (ja) | 2007-01-25 | 2007-01-25 | 三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007014950A JP5029875B2 (ja) | 2007-01-25 | 2007-01-25 | 三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008179712A JP2008179712A (ja) | 2008-08-07 |
JP5029875B2 true JP5029875B2 (ja) | 2012-09-19 |
Family
ID=39723865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007014950A Expired - Fee Related JP5029875B2 (ja) | 2007-01-25 | 2007-01-25 | 三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5029875B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120103398A1 (en) | 2009-05-29 | 2012-05-03 | Dic Corporation | Surface-treated substrate, light-receiving-side protective sheet for solar cell using the same, and solar cell module |
JP5500355B2 (ja) * | 2010-03-30 | 2014-05-21 | Dic株式会社 | 熱成形用加飾シート及び加飾成形品 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2762443B2 (ja) * | 1987-11-17 | 1998-06-04 | 松下電器産業株式会社 | 電池用セパレータの製造法 |
JP2000230074A (ja) * | 1999-02-12 | 2000-08-22 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 新規な部分親水性微多孔膜および製造法 |
JP3709160B2 (ja) * | 2001-10-29 | 2005-10-19 | 大和紡績株式会社 | 合成樹脂材料の表面改質方法及び電池セパレータの製造方法 |
JP3650070B2 (ja) * | 2002-01-31 | 2005-05-18 | 三洋電機株式会社 | アルカリ二次電池用セパレータおよびそれを用いたアルカリ二次電池 |
JP2004002794A (ja) * | 2002-04-23 | 2004-01-08 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | スルホン化高分子膜及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-01-25 JP JP2007014950A patent/JP5029875B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008179712A (ja) | 2008-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Wang et al. | An optimised synthesis of high performance radiation-grafted anion-exchange membranes | |
Yu et al. | Degradation mechanism of polystyrene sulfonic acid membrane and application of its composite membranes in fuel cells | |
US7517604B2 (en) | Fuel cell electrolyte membrane with acidic polymer | |
Dai et al. | Effect of casting solvent and annealing temperature on recast Nafion membranes for vanadium redox flow battery | |
JP4794170B2 (ja) | プロトン伝導性高分子膜、それを用いた膜−電極接合体およびこれらを用いた燃料電池 | |
WO2006067872A1 (ja) | 高耐久性電極触媒層 | |
KR20070027578A (ko) | 고체 고분자형 연료 전지용 전해질막, 그 제조 방법 및고체 고분자형 연료 전지용 막전극 접합체 | |
JP2009521579A (ja) | 無機充填剤を含有する化学安定化イオノマーを製造する方法 | |
US10320013B2 (en) | Hydrophobized gas diffusion layers and method of making the same | |
CN101305487B (zh) | 燃料电池用隔膜的制造方法以及燃料电池 | |
Hou et al. | Crosslinked SPEEK membranes: Mechanical, thermal, and hydrothermal properties | |
JP6219812B2 (ja) | 架橋フッ素化ポリマーを製造する方法 | |
JP4861608B2 (ja) | 複合電解質膜及びこれを採用した燃料電池 | |
Kang et al. | Long-term durability of radiation-grafted PFA-g-PSSA membranes for direct methanol fuel cells | |
JP4771702B2 (ja) | 補強材を有する高分子固体電解質膜 | |
CN101578729A (zh) | 电解质膜 | |
EP1926165A1 (en) | Polymer electrolyte membrane and membrane-electrode assembly for polymer electrolyte fuel cell | |
JP5029875B2 (ja) | 三酸化硫黄ガスによる樹脂成形板の表面改質方法 | |
Jung et al. | Polyvinylidene fluoride nanofiber composite membrane coated with perfluorinated sulfuric acid for microbial fuel cell application | |
Ashcraft et al. | Structure-property studies of highly conductive layer-by-layer assembled membranes for fuel cell PEM applications | |
JP2009521791A (ja) | 無機充填剤を含有する化学安定化イオノマー | |
JP2008112721A (ja) | 燃料電池用セパレータ、燃料電池用セパレータの製造方法、燃料電池用セパレータの製造装置、及び燃料電池 | |
KR20230164005A (ko) | 열가소성 수지, 열경화성 수지, 분산액상 조성물, 고체고분자형 연료 전지용 적층체, 그 고체 고분자형 연료 전지용 적층체의 제조 방법 | |
Kim et al. | Properties of SPAES/phosphotungsticacid/sulfonated silica composite membranes prepared by the In situ and sol-gel process | |
Xu et al. | Preparation and Properties of Cross‐linked Sulphonated Poly (sulphide sulphone) Membranes for Fuel Cell Applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120314 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120531 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120613 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |