JP5027094B2 - フライ乾燥処理食品 - Google Patents

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Description

この発明は、芋類、豆類またはナッツ類を素材とするフライ乾燥処理食品に関し、詳しくは熱水復元性のある即席食品などの保存性のある食品やスナック菓子類にも利用可能なフライ乾燥処理食品およびその製造方法に関する。
一般に、馬鈴薯、薩摩芋、里芋および山芋などの芋類は、澱粉を主成分とする貯蔵組織であり、しかもビタミンB1、Cなどを含んでいて栄養的な面でも優れており、これらのビタミン類は澱粉に囲まれて空気に触れにくいため、他の野菜などよりも熱に対して安定である。
そのため、芋類を素材とするポテトは、多様な利用形態を有しており、料理の素材ばかりでなく、即席食品類の具材(特許文献1)、スナック菓子などとしても利用されている。
また、豆類やナッツ類も同様に植物の栄養貯蔵組織であって食品素材として多様な利用形態を有しており、スナックとしてバターピーナッツやソラマメのフライした食品などは広く大衆に好まれている。
このような芋類や豆類やナッツ類を即席食品の食材、またはスナック菓子類に用いる場合には、保存性の向上のために乾燥させる必要があり、代表的なスナックとして知られるポテトチップスや豆やナッツ入りのスナック菓子は、食用油でフライ(油ちょう)処理され乾燥されたものが多い。また、即席麺等の即席食品に芋類や豆類などを用いるには、フリーズドライ処理をして乾燥させたもの、または減圧フライ処理をしたものが知られている。
なお、即席食品の具材としてポテトや豆類などを利用する場合、多くの場合、食する直前に熱水を注いで可食状態にできるという熱水復元性を有するように調製する必要がある。
フライドポテトは、フライ処理の前処理として、ボイルブランチングやスチームブランチングが行なわれることがあり、これにより酵素失活、褐変防止が図られている(特許文献2)。
特許第3411409号公報 再公表特許WO2003/065824
しかし、フリーズドライや低圧フライは、所定の製造設備が必要であり、通常のフライに比べて生産性も低くそれを用いた所定工程が必要になるから、その分だけコストの上昇を招くことになり、しかもそのような乾燥工程は、高温に加熱しないで行なわれる工程であるから、フライドポテトなどに特有の香ばしい風味や、特有の食感をもたせることはできないという問題点がある。
また、従来、豆類やナッツ類は、乾燥すると表面ばかりか内部まで非常に硬くなりやすく、短時間の熱水復元性が得られ難くなるため、即席食品の素材として適用性が充分でなかった。
また、豆類やナッツ類は、スナック菓子としてフライ乾燥品を利用する場合は、あまりにも硬すぎるので、噛む力の弱い幼児や老人には容易に食することができなかった。
一方、食品素材を油で高温に加熱するフライ処理(いわゆるディープフライ)は、コスト的に手軽に利用できる乾燥方法であり、この乾燥方法で処理された食品は多いが、油加熱による褐変着色は甚だしく、ポテトなどの芋類は薄いものは良いが、ある程度の厚みのあるものや豆類またはナッツ類は、内部まで水分量を少なくして保存性を持たせ、尚かつ熱水復元性を持たせることは難しい。
すなわち、食品に充分な保存性を持たせるためには、水分量を7%程度以下、好ましくは3%以下に乾燥させる必要があるが、厚みのあるポテト(肉厚に裁断された芋類の食材をいい、以下「厚みのある芋類」または「厚みのあるポテト」という。)や豆類またはナッツ類をディープフライによっていわゆる「フライ乾燥」するには、かなり高温で長時間加熱を行なわねばならず、そのように加熱すると厚みのあるポテトや豆類またはナッツ類が黒く焦げたように着色され、焦げれば復元性も乏しくなる。
ところで、芋類または豆類には、他の野菜や果物の場合と同様に、細胞中にポリフェノールやこれを酸化型のキノンに変える酵素(ポリフエノールオキシダーゼ)が含まれており、またアミノ酸の一種のチロシンをメラニンという黒い色素に変えるチロシナーゼという酵素も含まれている。
そのため、芋類または豆類を食材として処理する際、剥皮や切断によって壊された細胞や、細胞内の液体が流出して空気中の酸素に触れると、褐変現象が起こり、褐変した芋類は、フライ乾燥処理しても製品に好ましい外観が得られない。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、食品素材として広く利用できる厚みのある芋類、豆類またはナッツ類を、フライ乾燥処理によって長期間の保存に耐えるように水分含量を充分に下げて乾燥させると共に、熱水による復元性を充分に確保できるようにし、しかも高温調理による香ばしい風味を持たせて、食品としての食感や外観においても優れたフライ乾燥処理食品とすることであり、また老人などでも容易に食することのできる柔らかい食品とし、さらにこの食品を可及的に簡単な工程で製造して低コスト化の要求をも満たせるフライ乾燥処理食品の製法を確立することである。
上記の課題を解決するため、本願の発明者らは鋭意研究を行った結果、以下に示すフライ乾燥処理食品およびその製造方法が適切であることを見出して、この発明を完成させるに至った。
すなわち、本願の発明では、食品素材とする厚みのある芋類、豆類またはナッツ類の水分含量を下げて保存性を持たせると共に、熱水による復元性が充分なフライ乾燥処理食品とするために、例えば馬鈴薯、薩摩芋、里芋、山芋、長芋から選ばれる一種以上の芋類、もしくは例えばエンドウ、ソラマメおよび大豆から選ばれる一種以上の豆類、また例えばカシューナッツ、アーモンドおよびピーナッツから選ばれる一種以上のナッツ類という食品素材をフライ乾燥処理食品の素材として採用するにあたり、芋類、豆類またはナッツ類の貯蔵組織内の水分を肥大結晶化させることにより、この貯蔵組織内に隙間を生じさせまたは細胞膜を破壊した食品素材をフライ乾燥処理し、熱水復元性を有するフライ乾燥処理食品としたのである。
組織内の水分の凍結で組織内に隙間が生じ、または細胞膜が破壊されると、細胞や組織に油が浸透しやすくなり、水分との置換が容易になり、フライ処理のときに加熱された油が細胞や組織の隅々まで効率よく作用する。
この発明では、厚みのある芋類、豆類またはナッツ類の貯蔵組織内の水分を肥大結晶化させる方法として、緩慢凍結を採用することができる。緩慢凍結は、凍結時に20℃/時間以下の温度低下速度による緩慢凍結であることが好ましく、褐変化酵素の失活処理としては、加熱または加酸による失活処理を採用することができる。
また、前記の課題を解決して、色調もよくポテトなどの芋や豆やナッツに特有の香ばしい調理感があり、食感や外観においても優れたフライ乾燥処理食品とするために、食品素材とする厚みのある芋類または豆類からなる食品素材の褐変化酵素を失活処理した後、この芋類または豆類の貯蔵組織内の水分を肥大結晶化させることにより、細胞間隙を多孔質化させまたは細胞内の氷晶により細胞膜を破壊し次いでフライ乾燥することからなるフライ乾燥処理食品の製造方法を採用することができる。
褐変化酵素の失活処理が、蛋白質を変性させる酸処理か、または熱水を接触させる加熱処理であるフライ乾燥処理食品の製造方法は、上記の課題解決に好ましい方法である。
そして、前記課題をより確実に解決するために、上記製造方法におけるフライ乾燥温度として、120〜200℃、好ましくは130〜180℃であるフライ乾燥処理食品の製造方法を採用することができる。
さらにまた、上述したフライ乾燥処理食品の製造方法において、緩慢凍結前またはフライ乾燥前に、フライ時の加熱により褐変反応をする糖質を、水晒しや酵素分解または微生物により資化させて減少させるフライ乾燥処理食品の製造方法を採用してもよい。
この発明は、芋類、豆類またはナッツ類の貯蔵組織内の水分を肥大結晶化させて貯蔵組織内に隙間を生じさせ、または細胞内の氷晶により細胞膜を破壊した食品素材をフライ乾燥処理したので、食品素材として加工用に広く利用されている芋類、豆類またはナッツ類を長期保存に適するようにフライ乾燥処理する際に、水分含量を充分に下げてより保存性を持たせることができると共に、熱水を含ませて柔らかく食するという即席食品に有利な簡便な復元性を確実にする利点がある。
また、食品素材とする芋類、豆類またはナッツ類の貯蔵組織内の水分を肥大結晶化させて組織内に隙間を生じさせ、または細胞内の氷晶により細胞膜を破壊し次いでフライ乾燥することからなるフライ乾燥処理食品の製造方法とした発明では、上記の利点を有するフライ乾燥処理食品を簡単な製造工程で低コスト化の要求を満たしつつ確実に製造できる利点がある。
また、食品素材とする芋類または豆類の褐変化酵素を失活処理した後、これらの貯蔵組織内の水分を肥大結晶化させて細胞間隙を多孔質化させまたは細胞内の氷晶により細胞膜を破壊し次いでフライ乾燥するフライ乾燥処理食品の製造方法では、上記の利点を有すると共に色調もよく素材特有の香ばしい調理感があり、食感や外観においても優れたフライ乾燥処理食品を製造できる利点がある。
フライ乾燥処理食品の製造方法においては、フライ乾燥前に、フライ時の加熱により褐変反応をする糖質を、水晒しや酵素分解または微生物により資化させて減少させても上記同様の利点がある。
この発明に用いる芋類としては、植物の地下茎または根に澱粉を主成分とする栄養分が貯蔵された植物体部分であり、通常、食材として入手可能な馬鈴薯(じゃがいも)、薩摩芋、里芋、山芋、長芋などを例示することができる。また、例示した芋類は、還元糖の少ないものがフライ処理に適している。
この発明に用いる豆類としては、マメ科の植物の種子または果実のことであり、これらは食用の植物貯蔵組織からなるものである。
代表的な豆類としては、ダイズ、アズキ、インゲン豆、ソラマメ、ヒヨコ豆、緑豆、レンズ豆、イナゴ豆などが挙げられる。
また、この発明に用いるナッツ類は、食用となる周知の木の実をいい、通常、硬い殻に覆われている種子のうち、仁の部分を食用とするものである。代表的なナッツ類としては、カシューナッツ、アーモンド、ピーナッツの他にもヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ギンナン、クリ、ペカン、クルミなどが挙げられる。なお、植物の系統分類では豆科のラッカセイ属の植物種子から産生されるピーナッツは、食品業界ではナッツ類に含めて扱われることが多いため、この発明に用いるナッツ類にはピーナッツも含めている。
芋類、豆類またはナッツ類に対し、組織内の水分を肥大結晶化させて組織内に隙間を生じさせ、または細胞内の氷晶により細胞膜を破壊し、次いでこれをフライ乾燥処理する。
このような状態の細胞およびそれらが集合した組織内の水分は、肥大結晶化して氷晶となって凍結し、通常、細胞の集団である組織内の水分が氷結晶となって成長し、細胞間隙を細胞内の氷晶により多孔質化させまたは細胞膜を破壊したような多孔質化した凍結状態になる。
上記の凍結状態に積極的にするためには、例えば−10〜−25℃程度の冷凍庫内に通常に保管して緩慢凍結が起こるように冷却を行なえばよく、すなわち、最大氷結晶生成帯という温度域を通過する時間を長くし、その間に氷結晶を積極的に大きく成長させる。
この発明では、厚みのあるポテトや豆類またはナッツ類に対して、本来は鮮度保持の観点から忌避されるべき処理である緩慢な凍結を積極的に行なう。このように緩慢凍結を利用して細胞や組織に油が浸透しやすくすることにより、食品素材はフライ処理の際に加熱された油が細胞や組織の隅々まで浸透し、乾燥状態もよく熱水復元時にも効率よく復元されるようになる。
緩慢凍結をするために適当な温度は、凍結時に温度低下速度が20℃/時間以下となるような緩慢凍結であることが好ましく、さらに好ましいのは10℃/時間以下の温度低下速度による緩慢凍結条件である。
この発明のフライ乾燥処理の原材料となる厚みのあるポテトや豆類またはナッツ類は、ある程度の熱伝導性がある大きさに調整するために、必要に応じて適宜に裁断成形すればよい。例えば芋類の場合には、少なくとも大部分の表面を剥皮し、円盤、角盤、立方体、直方体、紐(ストリング)状、棒(スティック)状その他の多面体、球形、楕円球形、無定形などに裁断成形しておくことが好ましいが、皮は需要者の好みによって残してもよい。
ジャガイモなどの場合はポテトまたはポテトダイスとも称される成形物の大きさは、フライ乾燥処理による乾燥効果の確実性を考慮して肉厚が50mm以下であることが好ましい。また、緩慢凍結を確実に行なうようにするためには、肉厚が3〜30mmであれば、熱水復元した際に、通常の薄肉のポテトチップスにない特有の柔らかいフライドポテトの食感を充分に復元することができる。
このように、この発明でいう「厚みのあるポテトまたは芋類」とは、肉厚が3〜50mmのポテトまたは芋類が好ましいものであると言える。
この発明で用いるフライ乾燥処理は、食用油を用いた周知の食品乾燥加工技術であり、一般的な常圧フライ乾燥を行なう。必要に応じて減圧フライ乾燥を行なってもよいが、抵コスト化のために減圧の必要性は低いと考えてよい。
また、前記した緩慢凍結の前に、芋類または豆類の褐変化酵素を失活処理しておくことが好ましい。褐変化酵素の失活処理が、加熱または加酸による失活処理を採用することができる。加熱により酵素の蛋白質を変性させて失活するには、例えば80〜100℃程度の熱湯に浸けて30秒から15分程度(好ましくは2〜15分)までの短時間ボイルするか、90〜110℃程度の水蒸気に曝せばよい。またはpHの低い酸(例えばpH4以下、pH2〜4、例えばビタミンCのpH=2.78)の水溶液に浸漬し、蛋白質を変性させて失活させる方法であっても良い。
緩慢凍結処理については、一般にポテトや豆類またはナッツ類に対する凍結保存いわゆるIQF(急速凍結)に比べて遙かに緩やかな温度低下で行えばよい。
IQFがコンタクトフリーザーで行うのに対し、緩慢凍結は、通常の冷凍庫の中で冷却されることにより行なわれる。その温度低下速度は、凍結し始めるまでは20℃/時間以下程度のものが望ましい。これによって素材内部の氷の結晶を成長させて部分的に貯蔵組織を破壊し、フライ処理の際の水と油の置換による水分の除去を容易にする。
フライの条件は、特に限定される加熱条件ではないが、所望の色調にするため、好ましくは120〜200℃で2分〜60分、より好ましくは130〜180℃で3分〜15分行なうことが好ましい。また水分の除去程度によってその温度と時間を調節すればよい。このようにして得られたフライドポテトその他の芋類、豆類またはナッツ類から調製された食品素材は、熱水により復元して充分に好ましい食感と風味を呈するものになる。
ポテト(品種:男爵薯)を厚さ5ミリで1×2cm程度の大きさにカットした。この芋1kgを沸騰したお湯2リットルで5分間ボイルしてポテトの酵素を失活させて変色を防止し、次いでこの芋を熱湯から取り出して液を切ってから−20℃の冷凍庫の中に入れて凍結した。このときのポテトが凍結し始めるまでの温度低下速度は、10℃/時間であった。
このポテトを2日間冷凍した後、流水にて解凍し、150℃のパーム油5kgで10分間フライ処理を行なった後、取り出して脱油し、フライドポテトを得た。得られたフライドポテトの水分量は3.0%であった。
ポテト(品種:トヨシロ)を厚さ5ミリで1×2cm程度の大きさにカットした後、5%のイースト懸濁液(オリエンタル酵母工業社製:オリエンタルイースト)に3時間浸漬した。この芋1kgを沸騰したお湯2リットル中で5分間ボイルしてポテトの酵素を失活させて変色を防止し、次いでこのポテトを熱湯から取り出し、冷却した。
その後、浸漬液を切ってから−20℃の冷凍庫のなかに入れて凍結した。このときのポテトの温度の低下は凍結し始めるまでは20℃/時間であった。
このポテトを2日間冷凍した後、流水にて解凍し、150℃のパーム油5kgで10分間フライ処理を行なった後、取り出して脱油し、フライドポテトを得た。得られたフライドポテトの水分量は3.0%であった。
ソラマメの皮を除き、−20℃の冷凍庫の中に入れて凍結した。このソラマメを1日間冷凍した後、流水にて解凍し、5%のイースト懸濁液(オリエンタル酵母工業社製:オリエンタルイースト)に3時間浸漬した。その後、ソラマメを水洗し、140℃のパーム油で12分間フライを行ない、その後脱油してフライ乾燥処理食品を得た。
ピーナツを1時間ボイルし、冷却後、−20℃の冷凍庫の中に入れて凍結した。このピーナツを1日間冷凍した後、流水にて解凍し、150℃のパーム油で10分間フライを行ない、その後脱油してフライ乾燥処理食品を得た。
[比較例1]
ポテト(品種:男爵薯)を厚さ5mmで1×2cm程度の大きさにカットした。この芋1kgを沸騰したお湯2リットル中で5分間ボイルし、ポテトの酵素を失活させて変色を防止し、次いで、このポテトを熱湯から取り出してコンタクトフリーザーで急速冷凍10℃/分で凍結した。
このポテトを1日間冷凍した後、流水にて解凍し、150℃のパーム油5kgで12分間、フライ処理を行なった後、取り出して脱油し、フライドポテトを得た。
[比較例2]
ポテト(品種:トヨシロ)を厚さ5mmで1×2cm程度の大きさにカットした後、5%のイースト懸濁液(オリエンタル酵母工業社製:オリエンタルイースト)に3時間浸漬した。この芋1kgを沸騰したお湯2リットル中で5分間ボイルしてポテトの酵素を失活させて変色を防止した。
その後、浸漬液を切り、コンタクトフリーザーで急速冷凍した。このポテトを1日間冷凍した後、流水にて解凍し、150℃のパーム油5kgで12分間のフライ処理を行なった後、取り出して脱油し、フライドポテトを得た。
[比較例3]
ポテト(品種:トヨシロ)を厚さ35mmで3.5×3.5cm程度の大きさにカットした。この芋1kgを沸騰したお湯2リットル中で15分間ボイルし、ポテトの酵素を失活させて変色を防止し、次いで、このポテトを熱湯から取り出してから−20℃の冷凍庫に入れて凍結した。このときのポテトの温度の低下は20℃/時間であった。
このポテトを1日間冷凍した後、流水にて解凍し160℃のパーム油5kgで70分間フライ処理を行った後、取り出して脱油し、フライドポテトを得た。
[比較例4]
ソラマメの皮を除き、140℃のパーム油で12分間フライを行ない、その後脱油してフライ乾燥処理食品を得た。
[比較例5]
ピーナツを150℃のパーム油で3分間フライを行ない、その後、脱油してフライ乾燥処理食品を得た。
以上の実施例1〜2および比較例1〜3について、外観の色、熱水復元性、復元時の保形性、風味を調べ、以下の評価基準で評価し、その結果を表1中にまとめて記号で示した。
(a)外観の色の評価基準
フライ後のイモの色を目視で確認し、イモ本来の色を5とし、焦げてしまい、色が茶色になっているものを1とし、その中間色を主に明度で3段階に等分して5段階評価を行なった。
(b)熱水復元性の試験方法と評価基準
カップにフライドポテトを入れ、熱水をかけて3分間放置した後、試食した。その際、食感がボイル後のイモに近いものを5とし、表面が固くなりシャリシャリした状態を1とし、その中間評価を3段階に等分して5段階評価を行なった。
(c)保形性の評価基準
カップにフライドポテトを入れ、熱水をかけて3分間放置した後、軽くかき混ぜ、ポテトの状態を目視で確認した。形がそのまましっかりしているものを5として、潰れているものを1とし、その中間評価を3段階に等分して5段階評価を行なった。
(d)風味の評価基準
カップにフライドポテトを入れ、熱水をかけて3分間放置した後、軽くかき混ぜてから試食した。その際、芋の風味が強くでているものを5とし、味が抜けて風味がないものを1とし、その中間評価を3段階に等分して5段階評価を行った。
Figure 0005027094
表1の結果からも明らかなように、急速冷凍した後にフライ処理した比較例1〜2は、熱水復元性も保形性も評価は低い値であった。比較例3は、ポテトの肉厚が35mmと厚く、緩慢凍結の効果が充分ではなく、熱水復元性の評価は低い値であり、またフライ処理によってポテトの中心部まで脱水するには相当長い時間を要し、そのため外観の色の評価は低い値になった。
これに対して、条件を満足する実施例1〜2は、熱水復元した際に、特有の柔らかいフライドポテトの食感を充分に復元されていることがわかる。
実施例3で得られたフライ乾燥処理食品に熱水をかけ、3分間放置した後、試食したところ、ソラマメ本来の食感が復元されていた。一方、比較例4によりできあがったフライ乾燥処理食品は、褐変してしまっていて外観が不良であり、熱水をかけて3分間放置した後に試食したが、食感として好ましい硬さが充分に復元されていなかった。
実施例4のフライ乾燥処理食品は、比較例5のものと比べて、そのまま食べても非常に好ましい柔らかさであり、また熱水で復元すると、特有の柔らかいフライドビーンズの食感を復元できるものであった。

Claims (9)

  1. 食用で肉厚が3〜30mmの芋類、豆類またはナッツ類の植物貯蔵組織内の水分を緩慢凍結により肥大結晶化させることにより、この貯蔵組織内に隙間を生じさせ、または貯蔵組織の細胞内の氷晶により細胞膜を破壊して食品素材とし、この食品素材を解凍し、120〜200℃で常圧フライ乾燥処理したものからなるフライ乾燥処理食品。
  2. 芋類が、馬鈴薯、薩摩芋、里芋および山芋から選ばれる一種以上の芋類である請求項1に記載のフライ乾燥処理食品。
  3. 豆類が、エンドウ、ソラマメおよび大豆から選ばれる一種以上の豆類である請求項1に記載のフライ乾燥処理食品。
  4. ナッツ類が、カシューナッツ、アーモンドおよびピーナッツから選ばれる一種以上のナッツ類である請求項1に記載のフライ乾燥処理食品。
  5. 食用で肉厚が3〜30mmの芋類、豆類もしくはナッツ類の水分を緩慢凍結により肥大結晶化させることにより、この貯蔵組織内に隙間を生じさせ、または貯蔵組織の細胞内の氷晶により細胞膜を破壊し、次いで解凍し、120〜200℃で常圧フライ乾燥することからなるフライ乾燥処理食品の製造方法。
  6. 緩慢凍結の方法が、凍結時に20℃/時間以下の温度低下速度による緩慢凍結である請求項に記載のフライ乾燥処理食品の製造方法。
  7. 請求項5、6のいずれかに記載のフライ乾燥処理食品の製造方法において、芋類または豆類の水分を肥大結晶化させる前に、芋類または豆類の褐変化酵素を失活処理することを特徴とするフライ乾燥処理食品の製造方法。
  8. 褐変化酵素の失活処理が、蛋白質を変性させる酸処理か、もしくは熱水を接触させる加熱処理または両者併用した失活処理である請求項に記載のフライ乾燥処理食品の製造方法。
  9. 請求項5、6のいずれかに記載のフライ乾燥処理食品の製造方法において、緩慢凍結前またはフライ乾燥前に、フライ時の加熱により褐変反応をする糖質を、水晒し、酵素分解または微生物に資化させることにより減少させることを特徴とするフライ乾燥処理食品の製造方法。
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