JP5024234B2 - トンネル掘削機の到達立坑への到達方法 - Google Patents
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(1)トンネル掘削機が到達立坑内に到達した後の充填材の除去作業は、固化している充填材を人力で斫るので、時間がかかり効率が悪い。
(2)トンネル掘削機が到達立坑内に到達した際に、トンネル掘削機と地山との間に被圧地下水が存在していても、充填材は固化しているため、その圧力を検出することができない。そして、充填材をすべて除去するまで、被圧地下水の存在及びその被圧程度を検出することができない。したがって、充填材を除去している最中に被圧地下水が、充填材を破砕して到達立坑内に噴出する可能性がある。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、被圧地下水の圧力が充填材に作用している場合には、地山の地盤改良を行って充填材内への被圧地下水の流入を防止するので、充填材に作用する被圧地下水の圧力を低減させることができる。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、高級アルコール、高級脂肪酸及び脂肪酸エステルは、生分解性を有しており、時間が経過すると水と空気に分解されるために、環境に悪影響を与えない。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、高級アルコール、高級脂肪酸及び脂肪酸エステルは、生分解性を有しており、時間が経過すると水と空気に分解されるために、環境に悪影響を与えない。また、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステルのいずれかを含む添加材と砂、スラグ、粘土等の粉粒体とを混合することにより、値段の高い高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステルを含む添加材の量を少なくすることができるために、充填材の材料費を低減することが可能となる。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、高級アルコールはラウリルアルコールであり、一般的な原材料であるために、原材料の入手が容易である。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、高級脂肪酸はラウリン酸であり、一般的な原材料であるために、原材料の入手が容易である。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、脂肪酸エステルはステアリン酸エステルであり、一般的な原材料であるために、原材料の入手が容易である。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、隔壁は充填材を加熱するための加熱装置を備えるために、充填材を短時間で流動状態にすることが可能となる。
本発明によるトンネル掘削機の到達立坑への到達方法によれば、隔壁は充填材を冷却するための冷却装置を備えるために、充填材を短時間で固体状態にすることが可能となる。
到達立坑1内の通常温度である20℃前後では、ラウリルアルコール(本実施形態においては、カルコール2098)は固体状態で、シールド機4によって容易に掘削可能な地山21と同等の一軸圧縮強度(例えば、0.5〜1.0MPa程度)を有している。
充填材9が充填される側の隔壁7の面14には、流動状態での充填材9の圧力を測定するための圧力計15が取り付けられている。
また、充填材9が充填される側と反対側の隔壁7の面16には、複数のペルチェ素子17が取り付けられている。ペルチェ素子17は、ペルチェ素子17に流れる電流の向きを変えることにより、隔壁7に接している面を加熱又は冷却し、隔壁7を介して充填材9を加熱又は冷却するものである。
そして、シールド機4が到達立坑1内に進入して充填材9中を掘進する際に、シールド機4の推進力に対して充填材9及び隔壁7を支持するための支持装置18が設けられている。
次に、温度調整器付きタンク11内で流動状態に保温された充填材9を、空間S内に注入管12を介して充填する。充填材9を充填した状態での充填材9内の圧力を圧力計15で測定し、その測定値を初期圧力とする。
充填材9を充填後、ペルチェ素子17の隔壁7に接している面を冷却するように通電し、隔壁7を介して充填材9を冷却する。充填材9は、冷却されることにより、短時間で固体状態となる。
図4に示すように、シールド機4は、地山21を掘削するカッター22と、掘削した土砂を後方へ排出するための排土装置23と、これらの機器を内包するための筒状の躯体24とから構成される。
図5及び図6に示すように、地山21から到達立坑1内へシールド機4を掘進させて、土留め壁2の到達坑口5部分及び固体状態となった充填材9を掘削し、シールド機4を到達立坑1内に進入させる。シールド機4の先頭部が充填材9内の所定の位置に到達したら掘進を停止する。
図7及び図8に示すように、トンネル25の周囲26に薬液等を注入して地盤改良を行い、オーバーカット部OCへの被圧地下水の流入を防止する。なお、本実施形態においては、トンネル25の周囲26に薬液等を注入する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、シールド機4内からオーバーカット部OCを介して地山21に薬液等を注入してもよい。
そして、再び、充填材9内の圧力を測定する。そこで、上記初期圧力よりも高い圧力の値が測定されたら、再度、上記止水対策を実施する。
すべての充填材9を除去した後に隔壁7を撤去し、シールド機4の分解、搬出作業を行う。
第二実施形態は、ラウリルアルコールを含む添加材と、砂や粘土からなる粉粒体27とを含む充填材28を用いたものである。
図9に示すように、到達坑口5の内周面6と隔壁7との間に充填材28が充填されている。充填材28は、上述したラウリルアルコール(例えば、カルコール2098)を含む添加材と、砂や粘土の粉粒体27とを含有する。
第一実施形態と同様に、充填材28は、到達立坑1内の通常温度である20℃前後では固体状態で、23.5℃〜26.5℃以上になると液化して流動状態となる。
2 土留め壁
3 底盤
4 シールド機
5 到達坑口
6 内周面
7 隔壁
8 鋼枠
9 充填材
10 注入装置
11 温度調整器付きタンク
12 注入管
13 注入ポンプ
14 充填材が充填される側の隔壁の面
15 圧力計
16 充填材が充填される側と反対側の隔壁の面
17 ペルチェ素子
18 支持装置
19 支保工材
20 ジャッキ
21 地山
22 カッター
23 排土装置
24 躯体
25 トンネル
26 周囲
27 粉粒体
28 充填材
S 空間
OC オーバーカット部
Claims (9)
- トンネル掘削機を到達立坑に到達させるための到達方法において、
前記到達立坑の到達坑口の内周面から所定の間隔を隔てて前記到達立坑内に隔壁を設置する隔壁設置工程と、
前記到達立坑内の通常温度では固体状態であり、該通常温度よりも高い所定の温度になると流動状態になる充填材を、前記到達坑口の内周面と前記隔壁との間に流動状態で充填する充填工程と、
地山から前記到達立坑内へ前記トンネル掘削機を掘進させて、前記到達坑口の一部及び冷却されて固体状態となった前記充填材を掘削して、前記トンネル掘削機の先頭部が前記充填材内の所定の位置に到達したら掘進を停止する掘進工程と、
前記充填材を加熱して流動状態にする流動化工程と、
前記流動化工程における前記流動状態の充填材の圧力値を測定し、その圧力値に基づいて、前記流動状態の充填材に被圧地下水の圧力が作用しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記流動状態の充填材に被圧地下水の圧力が作用していない場合に、前記流動状態の充填材を除去する排出工程とを備えることを特徴とするトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。 - 前記判定工程において、前記流動状態の充填材に被圧地下水の圧力が作用している場合には、前記到達坑口付近の地山内に止水材を注入して地盤改良を行って、前記判定工程を再度実行することを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記充填材は、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステルのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記充填材は、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステルのいずれかを含む添加材と砂、スラグ、粘土等の粉粒体とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記高級アルコールは、ラウリルアルコールであることを特徴とする請求項3又は4に記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記高級脂肪酸は、ラウリン酸であることを特徴とする請求項3又は4に記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記脂肪酸エステルは、ステアリン酸エステルであることを特徴とする請求項3又は4に記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記隔壁は、前記充填材を加熱するための加熱装置を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
- 前記隔壁は、前記充填材を冷却するための冷却装置を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のトンネル掘削機の到達立坑への到達方法。
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