JP5018684B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、2つのコーン部材と摩擦リング部材とを用いて変速するタイプの無段変速機に係り、詳しくは、変速比に応じて軸方向に移動した摩擦リング部材を安定位置で停止させ得る構成を備える無段変速機に関する。
従来、互いに平行な軸にそれぞれ逆向きに支持した2つのコーン部材の間の摩擦リング部材の接触位置を変更することで入力回転を変速した形で出力するように構成したコーンリング無段変速機(円錐摩擦リング変速機)が知られている。該円錐摩擦リング変速機では、調整機構の故障時の動作は設計仕様に応じて様々であるが、少なくとも緊急動作において変速機をそれ以上使用させない措置が取られるように構成したものも存在する。しかし、このように調整機構が故障時の状態に固定されると、故障時にその固定状態により傾斜角度が与えられ続けることで、摩擦リング部材が軸方向の終端位置まで移動する虞がある。その場合、軸方向終端位置に到達した摩擦リング部材により、円錐摩擦車(コーン部材)の変速比は最小又は最大に調整されることになるため、このような変速機を自動車に搭載した際に調整機構が故障すると、車速が非常に遅くなったり、停止状態から発進できなかったりする虞がある。
ところで、上記調整機構の故障に拘わらず制御可能で、自動車に搭載された場合にその自動車の緊急動作を実際的なものとするように構成した円錐リング変速機が提案されている(特許文献1参照)。即ち、該特許文献1に記載の円錐摩擦リング変速機は、互いに平行に配置された2つのシャフトにそれぞれ支持された2つの円錐摩擦車(コーン部材)と、これら両円錐摩擦車と噛み合い且つそのうちの1つを囲繞し、両円錐摩擦車の軸に対して垂直な回転面に対して傾斜角度を与えられることで軸方向に移動可能な摩擦リング部材と、を備えている。そして、調整装置に備えたアクチュエータがニュートラル状態のとき摩擦リング部材の軸方向でのニュートラル位置が決定され、該ニュートラル位置からずれた位置にあっては、調整装置により傾斜角度を与えられることで摩擦リング部材がニュートラル位置方向に移動させられる。これにより、調整装置でアクチュエータを使用することにより、誤動作又は故障時に、アクチュエータがニュートラル状態になり、調整装置にて摩擦リング部材がその際の位置とは無関係に、所定の変速比となるニュートラル位置に移動させられて、車速が非常に遅くなったり停止状態から発進できなかったりするような問題を解消し得るようにされる。
特開2006−336861号公報
しかし、上記特許文献1に記載の円錐摩擦リング変速機にあっては、調整装置の故障時等に摩擦リング部材をニュートラル位置に移動させることで停止状態から発進できない等の不具合の発生を回避することはできるものの、構造上、摩擦リング部材の移動に伴ってアクチュエータ本体も移動させなければならず、構造が複雑となって大型化する虞があった。また、該円錐摩擦リング変速機では、両円錐摩擦車の軸に対する垂直回転面に対して傾斜角度を与えられて軸方向に移動する摩擦リング部材を、所要の変速比を満たした安定位置で自動的に移動を停止させる機能が、該摩擦リング部材とともに移動するアクチュエータを駆動制御することで実現しなければならず、その点からも装置の大型化を招く虞があった。
そこで本発明は、所要の変速比に応じて軸方向に移動する摩擦リング部材を、アクチュエータ本体を移動させることなく安定位置にて自動的に停止させるように構成して、装置構造が複雑となって大型化する等の虞を解消し得るようにした無段変速機を提供することを目的としている。
更に本発明は、上記目的を達成した上で、入力回転が逆転する状況にも円滑に対処し得るようにした無段変速機を提供することを目的としている。
請求項1に係る本発明は(例えば図4及び図5参照)、ケース(15)に支持された互いに平行な2本の軸(2,3)を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材(4,5)と、これら両コーン部材の一方(5)を囲繞した状態で該両コーン部材(4,5)にて挟持される摩擦リング部材(6)と、該摩擦リング部材(6)の前記軸(2,3)に対する傾斜角度(θ)を調整する変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)と、を備え、前記両コーン部材の一方(5)に入力回転を受けた前記両コーン部材(4,5)の回転状態にて、前記摩擦リング部材(6)を、前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動により所要の変速比に応じた傾斜角度(θ)だけ前記軸(2,3)に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方(4)から出力してなる無段変速機(1)において、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)を前記ケース(15)側に移動不能に位置決め固定し、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動にて前記摩擦リング部材(6)を前記軸(2,3)に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材(6)の前記傾斜角度(θ)が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材(6)を停止させるように機械的に制御する変速制御手段(7)を有し
前記変速制御手段(7)が、
前記摩擦リング部材(6)を前記軸方向に移動ガイドするリングガイド(8)と、
前記軸方向における該リングガイド(8)の幅方向両縁部にそれぞれ一端部(13a,14a)を軸支されて第1及び第2支点(17,19)とし且つ前記リングガイド(8)の外周側で他端部(13b,14b)を軸支されて第3及び第4支点(18,20)とした2本のリンク(13,14)からなる4節リンク機構と、を有し、
前記変速比制御アクチュエータ(例えば16)の作動で前記第3及び第4支点の何れか一方(例えば20)の位置を変化させることで、前記リングガイド(8)を介して前記傾斜角度(θ)を所要の変速比に応じて変化させ、前記摩擦リング部材(6)がその傾斜に基づき前記軸方向に移動する際の前記4節リンク機構の作用により該摩擦リング部材(6)を前記傾斜角度(θ)が0となる前記安定位置で停止させてなる、
ことを特徴とする無段変速機(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6ないし図9参照)、ケース(15)に支持された互いに平行な2本の軸(2,3)を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材(4,5)と、これら両コーン部材の一方(5)を囲繞した状態で該両コーン部材(4,5)にて挟持される摩擦リング部材(6)と、該摩擦リング部材(6)の前記軸(2,3)に対する傾斜角度(θ)を調整する変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)と、を備え、前記両コーン部材の一方(5)に入力回転を受けた前記両コーン部材(4,5)の回転状態にて、前記摩擦リング部材(6)を、前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動により所要の変速比に応じた傾斜角度(θ)だけ前記軸(2,3)に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方(4)から出力してなる無段変速機(1)において、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)を前記ケース(15)側に移動不能に位置決め固定し、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動にて前記摩擦リング部材(6)を前記軸(2,3)に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材(6)の前記傾斜角度(θ)が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材(6)を停止させるように機械的に制御する変速制御手段(7)を有し、
前記変速制御手段(7)が、
前記摩擦リング部材(6)を前記軸方向に移動ガイドするリングガイド(8)と、
該リングガイド(8)を前記軸方向に移動案内するガイドシャフト(25)と、
前記変速比制御アクチュエータ(26)の駆動力を受けて前記ガイドシャフト(25)及び前記リングガイド(8)を介して前記摩擦リング部材(6)の前記傾斜角度(θ)を変化させる第1リンク機構(26b,35)と、
該第1リンク機構(26b,35)による前記傾斜角度(θ)の変化に伴い、前記軸方向に前記摩擦リング部材(6)とともに移動する前記リングガイド(8)を、前記傾斜角度(θ)が次第に0になるように連動させて前記安定位置を決める第2リンク機構(40,39,37,36,29,30,31,32,33)と、
前記ケース(15)側に移動不能に位置決め固定されて前進・後進を切換える前後進切換えアクチュエータ(27)と、
前記第1(26b,35)及び第2リンク機構(40,39,37,36,29,30,31,32,33)によって前記摩擦リング部材(6)の前記傾斜角度(θ)及び前記安定位置が決められた状態で前記前後進切換えアクチュエータ(27)が作動した際に、前記第2リンク機構によって決められた前記安定位置を、前記両コーン部材の一方(5)への入力回転の逆転に対応するように変える第3リンク機構(27b,39,36a,37,36b,29,30,31,32,33)と、を有してなる、
ことを特徴とする無段変速機(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図1参照)、ケース(15)に支持された互いに平行な2本の軸(2,3)を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材(4,5)と、これら両コーン部材の一方(5)を囲繞した状態で該両コーン部材(4,5)にて挟持される摩擦リング部材(6)と、該摩擦リング部材(6)の前記軸(2,3)に対する傾斜角度(θ)を調整する変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)と、を備え、前記両コーン部材の一方(5)に入力回転を受けた前記両コーン部材(4,5)の回転状態にて、前記摩擦リング部材(6)を、前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動により所要の変速比に応じた傾斜角度(θ)だけ前記軸(2,3)に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方(4)から出力してなる無段変速機(1)において、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)を前記ケース(15)側に移動不能に位置決め固定し、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動にて前記摩擦リング部材(6)を前記軸(2,3)に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材(6)の前記傾斜角度(θ)が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材(6)を停止させるように機械的に制御する変速制御手段(7)を有し、
前記変速制御手段(7)が、
前記摩擦リング部材(6)を前記軸方向に移動ガイドするリングガイド(8)と、
該リングガイド(8)を前記軸方向に移動案内するガイドシャフト(42)と、
前記変速比制御アクチュエータ(43)の駆動力を前記ガイドシャフト(42)にその傾斜変化として伝え、且つ前記軸(2,3)に対して傾斜した状態で前記軸方向に移動する前記摩擦リング部材(6)が前記安定位置に到達する際に前記傾斜角度を0にするリンク機構(45,46,47)と、を有し、
該リンク機構が、
前記変速比制御アクチュエータ(43)の駆動力を受けて一方向と他方向に回動する第1リンク(45)と、
該第1リンク(45)の回動力を受けて前記ガイドシャフト(42)を前記変速比に応じて傾斜させる第2リンク(46)と、
該第2リンク(46)と前記リングガイド(8)との間に介在して、前記軸方向に移動する前記摩擦リング部材(6)が前記安定位置に到達する際に前記傾斜角度(θ)を0にするように機能する第3リンク(47)と、を有してなる、
ことを特徴とする無段変速機(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図2参照)、ケース(15)に支持された互いに平行な2本の軸(2,3)を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材(4,5)と、これら両コーン部材の一方(5)を囲繞した状態で該両コーン部材(4,5)にて挟持される摩擦リング部材(6)と、該摩擦リング部材(6)の前記軸(2,3)に対する傾斜角度(θ)を調整する変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)と、を備え、前記両コーン部材の一方(5)に入力回転を受けた前記両コーン部材(4,5)の回転状態にて、前記摩擦リング部材(6)を、前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動により所要の変速比に応じた傾斜角度(θ)だけ前記軸(2,3)に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方(4)から出力してなる無段変速機(1)において、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)を前記ケース(15)側に移動不能に位置決め固定し、
前記変速比制御アクチュエータ(16,26,43,51)の作動にて前記摩擦リング部材(6)を前記軸(2,3)に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材(6)の前記傾斜角度(θ)が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材(6)を停止させるように機械的に制御する変速制御手段(7)を有し、
前記変速制御手段(7)が、
前記摩擦リング部材(6)を前記軸方向に移動ガイドするリングガイド(8)と、
該リングガイド(8)を該軸方向に移動案内する、中央部から両端部に向かって上方に所定の曲率で反り返る湾曲ガイドシャフト(50)と、
前記変速比制御アクチュエータ(43)の駆動力を一端部(45a)に受けて一方向と他方向に回動することで前記軸方向に対する前記湾曲ガイドシャフト(50)の傾きを変える回動リンク(45)と、を有し、
前記変速比制御アクチュエータ(43)の作動で前記リングガイド(8)の前記軸(2,3)に対する傾斜状態を前記回動リンク(45)を介して前記変速比に応じて変更し、前記湾曲ガイドシャフト(50)に沿って移動する前記摩擦リング部材(8)を前記傾斜角度(θ)が0となる前記安定位置で停止させてなる、
ことを特徴とする無段変速機(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、変速比制御アクチュエータをケース側に移動不能に位置決め固定し、変速制御手段が、変速比制御アクチュエータの作動にて摩擦リング部材を軸に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する摩擦リング部材の傾斜角度が0となって所要の変速比を満たす安定位置にて摩擦リング部材を停止させるように機械的に制御するので、所要の変速比に応じて軸方向に移動する摩擦リング部材を、従来のようにアクチュエータ本体を移動させることなく、変速制御手段の機械的な制御によって安定位置で停止させることができる。これにより、装置構造が複雑になって大型化するような問題を回避することができる。
更に、請求項に係る本発明によると、変速比制御アクチュエータの作動で第3及び第4支点の何れか一方の位置を変化させることで、リングガイドを介して傾斜角度を所要の変速比に応じて変化させ、摩擦リング部材がその傾斜に基づき軸方向に移動する際の4節リンク機構の作用により該摩擦リング部材を傾斜角度が0となる安定位置で停止させるので、第3及び第4支点の何れか一方の位置を変化させることだけで、軸方向に移動する摩擦リング部材を容易に安定位置にて停止させることができる。従って、装置構造をより一層シンプルにできると共に、入力回転が逆転した状況にも、4節リンク機構の第3及び第4支点の何れか一方の位置変化によって容易に対処することができる。
請求項に係る本発明によると、第1リンク機構が、変速比制御アクチュエータの駆動力を受けて摩擦リング部材の傾斜角度を変化させ、第2リンク機構が、第1リンク機構による傾斜角度の変化に伴い、軸方向に摩擦リング部材とともに移動するリングガイドを、傾斜角度が次第に0になるように連動させて安定位置を決め、第3リンク機構が、摩擦リング部材の傾斜角度及び安定位置が決められた状態で前後進切換えアクチュエータが作動した際に、第2リンク機構によって決められた安定位置を、両コーン部材の一方への入力回転の逆転に対応するように変えるので、第1リンク機構と第2リンク機構を切換えるだけで、軸方向に移動する摩擦リング部材を容易に安定位置にて停止させることができ、また入力回転が逆転する場合には、第3リンク機構の切換えによって容易に対処することができ、従って、装置構造をより一層シンプルにすることができる。
請求項に係る本発明によると、変速制御手段が、変速比制御アクチュエータの駆動力を受けて一方向と他方向に回動する第1リンクと、該第1リンクの回動力を受けてガイドシャフトを変速比に応じて傾斜させる第2リンクと、軸方向に移動する摩擦リング部材が安定位置に到達する際に傾斜角度を0にするように機能する第3リンクとを有するリンク機構が、変速比制御アクチュエータの駆動力をガイドシャフトにその傾斜変化として伝え、且つ軸に対して傾斜した状態で軸方向に移動する摩擦リング部材が安定位置に到達する際に傾斜角度を0にするように機能するので、第1〜第3リンクを組み合わせた簡素な構造のリンク機構によって、アクチュエータ本体を移動させることなく摩擦リング部材を安定位置で停止させ得ることで、装置構造の複雑化や大型化を回避できると共に、装置構造をより一層シンプルにすることができる。
請求項に係る本発明によると、変速制御手段が、変速比制御アクチュエータの作動でリングガイドの軸に対する傾斜状態を回動リンクを介して変速比に応じて変更し、湾曲ガイドシャフトに沿って移動する摩擦リング部材を傾斜角度が0となる安定位置で停止させるので、回動リンクと湾曲ガイドシャフトを用いた簡単な構造によって、アクチュエータ本体を移動させることなく摩擦リング部材を安定位置で停止させ得ることで、装置構造の複雑化や大型化を回避できると共に、装置構造をより一層シンプルにすることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1ないし図11に沿って説明する。
まず、図10及び図11に沿って、本発明を適用し得るコーンリング無段変速機の基本形について説明する。なお、図10及び図11は該コーンリング無段変速機を示す図であり、図10(a)はコーン部材を軸方向に見た状態で示す模式図、図10(b)は(a)の矢印A方向に見た状態を示す模式図、図11(a)はコーン部材の軸方向に対してリングガイドを傾けた状態を示す模式図、図11(b)は(a)の状態からリングガイドが軸方向に移動する状態を示す模式図である。
すなわち、コーンリング無段変速機(無段変速機)1は、図10(a),(b)に示すように、同図の紙面手前−奥方向に延在する互いに平行な2本の軸2,3と、これら軸2,3をそれぞれ中心として回転自在に支持されて互いに逆向きに配置された2つのコーン部材4,5と、コーン部材5を囲繞し且つ両コーン部材4,5によって挟持される摩擦リング部材6と、該摩擦リング部材6を軸2,3に対して傾斜させるモータからなるアクチュエータ11と、変速制御手段7’とを備えている。上記コーン部材5は、駆動源からの入力回転を受ける入力部材であり、上記コーン部材4は、コーン部材5の回転を摩擦リング部材6を介して伝達されて回転し該回転を出力する出力部材である。コーン部材5への回転入力は、コーンリング無段変速機1が車輌に搭載される場合には、駆動源であるエンジン(図示せず)から付与される。
コーン部材4は、上面部4aから下面部4bに向かって断面積が漸次大きくなる裁頭円錐形状を呈し、かつコーン部材5は、上面部5aから下面部5bに向かって断面積が漸次大きくなる裁頭円錐形状を呈している。コーン部材4,5は、上面部4aと上面部5aとを逆向きにして互いの側面同士に僅かな隙間をあけた状態で対向している。摩擦リング部材6は、コーン部材5より大径の環状に構成されて該コーン部材5に巻き掛けられた状態でコーン部材4,5間に挟持されて上記隙間を形成している。これらコーン部材4,5は、摩擦リング部材6を強く挟持した状態で側面同士に僅かな隙間をあけた状態で対向しつつ回転する。
変速制御手段7’は、上下の支持部8a,8aの2点で摩擦リング部材6を回転自在に支持する側面視略半円形状のリングガイド8と、該リングガイド8の後部の上下2点をロッド12,12でそれぞれ摺動自在に支持した状態でリングガイド8を軸2,3に対して傾斜自在に支持する円弧形状の支持部材9とを有している。該支持部材9は、軸方向においてコーン部材4,5の上面部4a,5aを挟む状態で2つが対向配置されており、入力回転が付与されるコーン部材5とともに矢印B方向(図10(b)参照)に回転する摩擦リング部材6を左右いずれかに傾けることで、該傾き方向に応じた方向に、摩擦リング部材6を支持したリングガイド8をスライド移動させるように構成される。2つの支持部材9,9は、双方の中間部が不図示の支持具で支持された状態で、該支持具の上下方向中央部が、アクチュエータ11の回転軸10に連結されている。
本発明を適用し得る上記コーンリング無段変速機1では、傾斜角度θが0の図10(b)に示す安定状態(傾斜しない状態)から、図11(a)のように、アクチュエータ11の作動で支持部材9を介して変速制御手段7’全体が矢印C方向に回動されて(例えば、最大2゜)、摩擦リング部材6が軸2,3に対して傾斜されると、傾斜角度θによりコーン部材5の回転方向に応じて摩擦リング部材6に滑り力が発生することで、該摩擦リング部材6が回転しながらリングガイド8を伴って、図11(b)に示すように、コーン部材4,5の軸2,3に沿ってコーン部材5が次第に小径になる(コーン部材4が次第に大径になる)矢印D方向に移動する。これにより、コーンリング無段変速機1では、摩擦リング部材6のコーン部材4,5の挟持位置での径の違いによるコーン部材4,5の有効半径に基づいて決まる変速比で、コーン部材5への矢印B方向の入力回転がコーン部材4に逆向きの変速回転として伝達され、出力回転として取り出される。
<第1の実施の形態>
ついで、本発明に係る第1の実施の形態について図1を参照して説明する。なお、図1は本実施の形態のコーンリング無段変速機1を示す図であり、図1(a)は、図10(a)に本実施の形態の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た際の安定状態を示す模式図、図1(b)は、変速のためリングガイド8を傾けた状態を示す模式図、図1(c)は、変速のためリングガイド8を図1(b)と反対の方向に傾けた状態を示す模式図である。
本実施の形態及び後述する各実施の形態におけるコーンリング無段変速機1は、変速比制御アクチュエータ43,51,16,26がケース15側に位置決め固定され、該変速比制御アクチュエータ43,51,16,26の作動で摩擦リング部材6を軸2,3に対し傾斜させると共に、該摩擦リング部材6が変速比に対応する安定位置に移動した時点で摩擦リング部材6の傾斜角度θが0となるように機械的に制御する変速制御手段7を備えている。なお、上記ケース15は、コーンリング無段変速機1の全体を収容するものであるが、便宜上その支持部分のみを図示している。
すなわち、本実施の形態では、変速制御手段7が、摩擦リング部材6を軸方向に移動ガイドするリングガイド8と、該リングガイド8を軸方向に移動案内するガイドシャフト42と、変速比制御アクチュエータ43の駆動力をガイドシャフト42にその傾斜変化として伝え、且つ軸2,3に対して傾斜した状態で軸方向に移動する摩擦リング部材6が安定位置に到達する際に傾斜角度を0にするリンク機構とを有している。該リンク機構は、変速比制御アクチュエータ43の駆動力を受けて一方向と他方向に回動するリンク(第1リンク)45と、該リンク45の回動力を受けてガイドシャフト42を変速比に応じて傾斜させるリンク(第2リンク)46と、該リンク46とリングガイド8との間に介在して、軸方向に移動する摩擦リング部材6が安定位置に到達する際に傾斜角度θを0にするように機能するリンク(第3リンク)47とを有する。
より詳細には、本コーンリング無段変速機1は、図10及び図11で説明した軸2,3により回転自在に支持されたコーン部材4,5を用いて変速するもので、図1(a)に示すように、リングガイド8は、ローラ22,22とローラ23,23とで摩擦リング部材6を回転自在に支持する構成を備え、上部の支持部8aに、軸2,3(図10、図11参照)に沿って延びるガイドシャフト42に摺動自在に貫通される貫通孔8bを有しており、ガイドシャフト42の軸方向に移動自在に構成されている。
そして、変速制御手段7は、中央部がケース15側にピン45bにより回動自在に支持されたリンク45と、該リンク45の先端部に後端部をピン45cにて回動自在に連結された逆「ヘ」の字状のリンク46と、該リンク46の先端部に後端部がピン48にて回動自在に支持され且つ先端部がピン49にて支持部8aに回動自在に支持されたリンク47とを有している。上記リンク46は、逆「ヘ」の字状に屈曲した部位に、先端部42aをケース15側に回動自在に支持されたガイドシャフト42の後端部がピン42bで回動自在に連結されている。上記リンク45の後端部には二股部45aが形成され、該二股部45aの近傍には変速比制御アクチュエータ43の円板部43aが配置されており、該円板部43aの外周縁部に固定されたピン43bに二股部45aが係合している。上記変速比制御アクチュエータ43は、不図示の支持部材を介してケース15側に、移動不能に位置決め固定されている。なお、図中の符号44は、円板部43aの回転中心である。
上記構成を備える本実施の形態では、例えば図1(a)に示す安定位置において、コーン部材5の回転状態で制御部(図示せず)の制御で変速比制御アクチュエータ43が所要の変速比に応じた回転角だけ円板部43aが時計回り方向に回転すると、該回転がピン43bから二股部45aを介してリンク45に、ピン45bを中心とした反時計回り方向の回動動作として伝達され、該回動動作がピン45cからリンク46に、ピン42bを中心とした時計回り方向の回動動作として伝達され、リンク47が、リングガイド8の支持部8aをガイドシャフト42に沿って右方に押し込むように動作する。
これにより、ガイドシャフト42が、時計回り方向に回動するリンク46によって先端部42aを中心として反時計回り方向に回動するため、該ガイドシャフト42に支持されているリングガイド8が左側にやや傾く。軸2,3に対して左側に傾いた摩擦リング部材6がコーン部材4,5に挟持されつつ左方に移動すると、同方向へのリングガイド8の移動に伴い、支持部8aで押されるリンク47がピン48を介してリンク46を起き上がらせるように押すため、該リンク46が、ピン45cを支点として起き上がるように反時計回り方向にやや回動することで、ピン42bがガイドシャフト42の後端部を持ち上げる。これにより、該ガイドシャフト42が軸2,3に沿った状態となって摩擦リング部材6が軸2,3と直交する状態になると共に、リングガイド8が軸2,3に対して直交する状態になって停止し、コーン部材4,5の有効半径に基づく変速比が得られた時点で変速が終了する。
一方、例えば図1(a)に示す安定位置において、所要の変速比に応じた回転角だけ円板部43aがやや反時計回り方向に回転すると、該回転がピン43bから二股部45aを介してリンク45に、ピン45bを中心とした時計回り方向の回動動作として伝達され、該回動動作がピン45cからリンク46にピン42bを中心とした反時計回り方向の回動動作として伝達され、リンク47が、リングガイド8の支持部8aをガイドシャフト42に沿って左方に引き込むように動作する。
これにより、ガイドシャフト42が、反時計回り方向に回動するリンク46によって先端部42aを中心として時計回り方向に回動するため、該ガイドシャフト42に支持されているリングガイド8が右側にやや傾く。軸2,3に対して右側に傾いた摩擦リング部材6がコーン部材4,5に挟持されつつ右方に移動すると、同方向へのリングガイド8の移動に伴い、支持部8aにより引っ張られるリンク47がピン48を介してリンク46を倒れるように引き込むため、該リンク46が、ピン45cを支点として倒れるように時計回り方向にやや回動することで、ピン42bがガイドシャフト42の後端部を下降させる。これにより、該ガイドシャフト42が軸2,3に沿った状態となって摩擦リング部材6が軸2,3と直交する状態になると共に、リングガイド8が軸2,3に対して直交する状態になって停止し、コーン部材4,5の有効半径に基づく変速比が得られた時点で変速が終了する。
以上説明した第1の実施形態によると、変速比制御アクチュエータ43がケース15側に移動不能に位置決め固定され、変速制御手段7が、変速比制御アクチュエータ43の作動にて摩擦リング部材6を軸2,3に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する摩擦リング部材6の傾斜角度θが0となって所要の変速比を満たす安定位置にて摩擦リング部材6を停止させるように機械的に制御することができる。これにより、所要の変速比に応じて軸方向に移動する摩擦リング部材6を、従来のようにアクチュエータ本体を移動させることなく、変速制御手段7の機械的な制御によって安定位置で停止させることができる。そして、リンク45,46,47を組み合わせた簡素な構造のリンク機構によって、アクチュエータ本体を移動させることなく摩擦リング部材を安定位置で停止させ得るので、装置構造の複雑化や大型化を回避できると共に、装置構造をより一層シンプルにすることができる。本実施の形態によれば、前進・後進の双方に対処することは難しいが、構成が極めてシンプルであり、部品点数が少なくて済み、従って、装置のコンパクト化と共にコストダウンも期待することができる。
なお、入力回転の逆転にも対処できるようにするには、以下のような構成例を挙げることができる。即ち、コーンリング無段変速機1を車輌に搭載する場合、通常であれば、エンジンからコーンリング無段変速機1への回転入力の経路中に前後進切換え装置を介在するのであるが、この前後進切換え装置を、コーンリング無段変速機1からデファレンシャル(図示せず)への回転伝達経路中に配置することで、入力回転の逆転に対処するように構成できる。これは、以下に図2及び図3で説明する第2の実施形態及び参考例においても同様である。
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る第2の実施の形態について図2を参照して説明する。なお、図2は本実施の形態のコーンリング無段変速機1を示す図であり、図2(a)は、図10(a)に本実施の形態の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た際の安定状態を示す模式図、図2(b)は、変速のためリングガイド8を傾けた状態を示す模式図、図2(c)は、変速のためリングガイド8を図2(b)と反対の方向に傾けた状態を示す模式図である。
すなわち、本実施の形態では、変速制御手段7が、摩擦リング部材6を軸方向に移動ガイドするリングガイド8と、該リングガイド8を該軸方向に移動案内する、中央部から両端部に向かって上方に所定の曲率で反り返るスライディングシャフト(湾曲ガイドシャフト)50と、変速比制御アクチュエータ43の駆動力を二股部(一端部)45aに受けて一方向と他方向に回動することで軸方向に対するスライディングシャフト50の傾きを変えるリンク(回動リンク)45とを有し、変速比制御アクチュエータ43の作動でリングガイド8の軸2,3に対する傾斜状態をリンク45を介して変速比に応じて変更し、湾曲ガイドシャフト50に沿って移動する摩擦リング部材8を傾斜角度θが0となる安定位置で停止させるように構成される。
より詳細には、本コーンリング無段変速機1は、図10及び図11で説明した軸2,3により回転自在に支持されたコーン部材4,5を用いて変速するもので、図2(a)に示すように、リングガイド8が第1の実施の形態と同様の構成を備えるものであるが、変速制御手段7には、前述のようなリンク46やリンク47は備えてはいない。そして、変速制御手段7は、図1で説明したものと同様に中央部がケース15側にピン45bで回動自在に支持されたリンク45を有している。上記スライディングシャフト50は、軸2,3(図10、図11参照)に沿って延びるように配置されており、該シャフト50の先端部50bがケース15側に回動自在に支持され、かつ後端部がピン45cでリンク45の先端部に回動自在に支持されている。該リンク45の後端部には二股部45aが形成され、該二股部45aには、その近傍に配置された円板部43aのピン43bが係合している。
本実施の形態では、リングガイド8の支持部8aに設けられる貫通孔8bは、スライディングシャフト50の曲率に対応するように内方中央部から左右に向かって徐々に上昇する傾斜面状に形成されており、スライディングシャフト50に摺動自在に被嵌した状態で該ガイドシャフト50の湾曲に伴って軸2,3に対して傾斜するように構成されている。
上記構成を備える本実施の形態では、例えば図2(a)の実線で示すリングガイド8のように、コーン部材4,5の軸方向と直交する安定位置にある状態から、所要の変速比に応じた回転角だけ円板部43aが時計回り方向(図2(b)の矢印G方向)にやや回転すると、該回転がピン43bから二股部45aを介してリンク45に、ピン45bを中心とした反時計回り方向の回動動作として伝達され、該回動動作がピン45cからスライディングシャフト50に時計回り方向の回動動作として伝達される。これにより、スライディングシャフト50が先端部50bを中心として時計回り方向に回動するため、該ガイドシャフト50の安定位置にあるリングガイド8が右側にやや傾く。このため、該リングガイド8は、コーン部材4,5とともに回転する摩擦リング部材6に追随して軸2,3に沿って、スライディングシャフト50の傾斜で変位した安定位置(図2(b)の実線で示す位置)まで右方(矢印M方向)に移動し、その位置で軸2,3に対して直交した状態となって停止する。
一方、図2(a)の実線で示すリングガイド8が安定位置にある状態から、上述とは逆の方向に円板部43aが回転すると、該回転がピン43bから二股部45aを介してリンク45に、ピン45bを中心とした時計回り方向の回動動作として伝達され、該回動動作がピン45cからスライディングシャフト50に反時計回り方向の回動として伝達される。これにより、スライディングシャフト50が先端部50bを中心として反時計回り方向に回動するため、該ガイドシャフト50の安定位置にあるリングガイド8が左側にやや傾く。このため、該リングガイド8は、回転する摩擦リング部材6に追随して軸2,3に沿って、スライディングシャフト50の傾斜で変位した安定位置(図2(c)の実線で示す位置)まで左方(矢印N方向)に移動し、その位置で軸2,3に対して直交した状態となって停止する。
以上説明した第2の実施形態によると、変速制御手段7が、変速比制御アクチュエータ43の作動でリングガイド8の軸2,3に対する傾斜状態をリンク45を介して変速比に応じて変更し、スライディングシャフト50に沿って移動する摩擦リング部材6を傾斜角度θが0となる安定位置で停止させるので、リンク45とスライディングシャフト50を用いた簡単な構造によって、アクチュエータ本体を移動させることなく摩擦リング部材6を安定位置で停止させ得ることで、装置構造の複雑化や大型化を回避できると共に、装置構造をより一層シンプルにすることができる。
参考例
ついで、参考例について図3を参照して説明する。なお、図3は本参考例のコーンリング無段変速機1を示す図であり、図10(a)に本参考例の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た状態を示す模式図である。
すなわち、本参考例では、変速制御手段7が、摩擦リング部材6を軸方向に移動ガイドするリングガイド8と、変速比制御アクチュエータ51により一方向と他方向に回転させられてリングガイド8を軸方向に移動案内するスクリューシャフト52と、リングガイド8を垂下状態に連結した形でスクリューシャフト52に螺合して、該スクリューシャフト52の回転に応じて該シャフト52に沿って一方向と他方向に移動するガイドベース(移動部材)53とを有している。そして、変速制御手段7は、変速比制御アクチュエータ51の作動でスクリューシャフト52を変速比に応じて回転させてガイドベース53を軸方向に移動させることで、上記両コーン部材4,5にて挟持された摩擦リング部材6に傾斜角度θを与え、スクリューシャフト52に沿って移動する摩擦リング部材6を、ガイドベース53が既に移動していて傾斜角度θが0となる安定位置で停止させる。
より詳細には、本参考例は、図10及び図11で説明した軸2,3により回転自在に支持されたコーン部材4,5を用いて変速するもので、図3に示すように、ステッピングモータからなる変速比制御アクチュエータ51を備えており、該変速比制御アクチュエータ51の回転軸に連結されたスクリューシャフト52と、該スクリューシャフト52の雄ねじ52aにその雌ねじ孔53aを螺合させたガイドベース53とを備えている。該ガイドベース53の下部には、ピン55を介してリングガイド8が回動自在に連結されている。該リングガイド8は、図1で説明したものと略々同様の構成を有している。なお、上記雄ねじ52a及び雌ねじ孔53aは、ボールねじ・ナットとして構成することができる。
上記構成を備える本参考例では、摩擦リング部材6がコーン部材4,5(図10、図11参照)の軸方向と直交する安定位置(図3の実線位置)にあるリングガイド8が、所要の変速比に応じた回転数となるように変速比制御アクチュエータ51が回転すると、ガイドベース53が該回転数に対応する雄ねじ52aのピッチ分だけスクリューシャフト52上を、例えば二点鎖線で示す位置まで移動する。このため、摩擦リング部材6がコーン部材4,5に挟持された状態においてリングガイド8の上部がガイドベース53によって右側に押される形となり、従って、二点鎖線で示すように右側に傾斜した状態となる。これにより、変速制御手段7では、コーン部材4,5の回転に伴って摩擦リング部材6がリングガイド8とともに右方に移動して変速が行われると共に、ガイドベース53が既に停止している位置までリングガイド8が移動した時点で摩擦リング部材6が軸2,3に対して直交する状態(安定位置)となって停止する。
以上説明した参考例によると、変速制御手段7が、変速比制御アクチュエータ51の作動でスクリューシャフト52を変速比に応じて回転させてガイドベース53を軸方向に移動させることで摩擦リング部材6に傾斜角度θを与え、スクリューシャフト52に沿って移動する摩擦リング部材6を、ガイドベース53が既に移動していて傾斜角度θが0となる安定位置で停止させる。このため、スクリューシャフト52とガイドベース53を用いた簡単な構造によって、アクチュエータ本体を移動させることなく摩擦リング部材6を安定位置で停止させ得ることで、装置構造の複雑化や大型化を回避できると共に、装置構造をより一層シンプルにすることができる。
<第の実施の形態>
更に、上記構成のコーンリング無段変速機1に本発明を適用した第の実施の形態について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4及び図5は本実施の形態のコーンリング無段変速機1を示す図であり、図4(a)は、図10(a)に本実施の形態の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た際の安定状態を示す模式図、図4(b)は、変速のためリングガイド8を傾けた状態を示す模式図、図5(a)は、別の安定状態を示す模式図、図5(b)は、変速のためリングガイド8を図4(b)と反対の方向に傾けた状態を示す模式図である。
すなわち、本実施の形態では、変速制御手段7が、摩擦リング部材6を前記軸方向に移動ガイドするリングガイド8と、軸方向における該リングガイド8の幅方向両縁部にそれぞれ一端部13a,14aを軸支されてピン(第1及び第2支点)17,19とし且つリングガイド8の外周側で他端部13b,14bを軸支されてピン(第3及び第4支点)18,20とした2本のリンク13,14からなる4節リンク機構とを有している。そして、変速制御手段7は、変速比制御アクチュエータ16の作動でピン20の位置を変化させることで、リングガイド8を介して傾斜角度θを所要の変速比に応じて変化させ、摩擦リング部材6がその傾斜に基づき軸方向に移動する際の4節リンク機構の作用により該摩擦リング部材6を傾斜角度θが0となる安定位置で停止させるように構成される。なお、上記ピン(第4支点)20に代えて、ピン(第3支点)18の位置を変速比制御アクチュエータ16の作動で変化させることで、リングガイド8を介して傾斜角度θを所要の変速比に応じて変化させるように構成することも可能である。
より詳細には、本実施の形態のコーンリング無段変速機1は、変速制御手段7に、軸方向でのリングガイド6の幅方向両縁部にそれぞれ一端部13a,14aを軸支され且つ他端部13b,14bを該リングガイド6の外周側にて軸支された2本のリンク13,14からなる4節リンク機構を備え、変速比制御アクチュエータ16に、リンク14の他端部14bを軸支した状態で、リングガイド8のリンク14を軸支した縁部の延長線a(図4(a)参照)に近接する回転中心21を中心として回転し得る円板部16aを備えている。そして、変速制御手段7が、変速比制御アクチュエータ16の作動で、上記4節リンク機構の作用にて、変速比に応じて円板部16aの回転角を変化させて前進・後進の何れかを決定すると共にリングガイド8の軸2,3に対する傾斜を変更して、軸方向に移動する摩擦リング部材6が安定位置にて傾斜角度θが0となるように制御する。
つまり、本変速制御手段7は、図10及び図11に示した支持部材9,9及びロッド12,12を備えておらず、摩擦リング部材6を支持するリングガイド8は、モータからなる変速比制御アクチュエータ16の回転で傾きを変更されるリンク13,14を含む4節リンクによって傾動位置を変えられる。本コーンリング無段変速機1は、図10及び図11で説明した回転自在なコーン部材4,5を用いて変速するもので、該無段変速機1におけるリングガイド8は、上下方向に長く所定の横幅を有する略矩形状を呈し、コーン部材5に巻き回された摩擦リング部材6を、該摩擦リング部材6の横幅に対応する距離だけあけて上部及び下部に軸支されたローラ22,22及びローラ23,23を介して回転自在に支持している。リンク13,14は、互いに同じ長さに形成され、リングガイド8の上下方向中央部にて、一端部13a,14aが左右に所定の距離をあけた状態でピン17,19によりそれぞれ回転自在に支持されている。リンク13は、他端部13bがケース15側にピン18により回動自在に支持されている。
リンク14の下部側には、上記回転中心21を中心として回転自在な円板部16aを有する変速比制御アクチュエータ16が配置されており、該リンク14は、下部側の他端部14bを、円板部16aの外周縁近傍にピン20により回動自在に支持されている。リンク13,14は、円板部16aの回動動作でリンク14の下部側が外方に開いた状態では図4(a)に示すように、「ハ」の字状に下方に向かって広がる形状を呈している。
上記構成の本コーンリング無段変速機1では、例えば、図4(a)に示す安定位置(安定状態)にて、制御部(図示せず)による制御で変速比制御アクチュエータ16が所要の変速に応じた回転角だけ円板部16aが時計回り方向に回転すると、リンク14の牽引により、リングガイド8が、図4(b)のようにその左側をリンク13に支えられた状態で右側にやや傾く。このため、該リングガイド8の傾斜に伴って傾くと共に、矢印G方向にコーン部材5とともに回転する摩擦リング部材6は、コーン部材4が大径になる図4(b)の右方に向かってリングガイド8とともに移動する。
そして、該移動に伴い、ピン17,19が同じ水平レベル位置になり且つ摩擦リング部材6が軸2,3と直交する安定位置に到達した時点で該リング部材6の移動が停止し、該リング部材6の軸方向位置によりコーン部材4,5の有効半径に基づく変速比が得られた状態で、変速は終了する。また、円板部16aの回転角度によるリングガイド8の傾斜に応じて摩擦リング部材6の移動方向が変わり、図5(a)に示す安定位置になることもある。このように、本実施の形態では、円板部16aを回転させることで4節リンクの1つの支点位置を動かして安定位置を変更するだけで変速を実行できるため、変速比制御アクチュエータ16を摩擦リング部材6とともに移動させる必要はない。
また、例えば図5(a)に示す状態でコーン部材5を逆転させると、摩擦リング部材6は安定位置から離れる方向に発散してしまうが、例えば図5(b)に示すように、円板部16aを上記とは逆側に回転させて摩擦リング部材6へのリンク14による支点位置の取り方を変更することにより、矢印Gと反対方向にコーン部材5とともに回転する該摩擦リング部材6を安定位置から離れる方向に発散させることなく該安定位置に向かわせることができる。
以上説明した第の実施形態によると、変速制御手段7が、変速比制御アクチュエータ16の作動でピン18,20の何れか一方の位置を変化させることで、リングガイド8を介して傾斜角度θを所要の変速比に応じて変化させ、摩擦リング部材6がその傾斜に基づき軸方向に移動する際の4節リンク機構の作用により該摩擦リング部材6を傾斜角度θが0となる安定位置で停止させるので、ピン18,20の何れか一方の位置を変化させることだけで、軸方向に移動する摩擦リング部材6を容易に安定位置にて停止させることができる。従って、装置構造をより一層シンプルにできると共に、入力回転が逆転した状況にも、4節リンク機構のピン18,20の何れか一方の位置変化(つまり、本実施形態では、円板部16aの回転角度の制御)によって容易に対処することができる。
<第の実施の形態>
次に、本発明に係る第の実施の形態について、図6ないし図9を参照して説明する。なお、図6ないし図9は本実施の形態のコーンリング無段変速機1を示す図であり、図6(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、図6(b)は(a)における矢印H方向に見た状態を示す模式図である。図7(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、図7(b)は(a)の矢印I方向に見た状態を示す模式図である。図8(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、図8(b)は(a)の矢印J方向に見た状態を示す模式図である。図9(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、図9(b)は(a)の矢印K方向に見た状態を示す模式図である。
すなわち、本実施の形態では、変速制御手段7が、摩擦リング部材6を軸方向に移動ガイドするリングガイド8と、該リングガイド8を軸方向に移動案内するガイドシャフト25と、変速比制御アクチュエータ26の駆動力を受けてガイドシャフト25及びリングガイド8を介して摩擦リング部材6の傾斜角度θを変化させる、後述のピン26b及びリンク35からなる第1リンク機構と、該第1リンク機構による傾斜角度θの変化に伴い、軸方向に摩擦リング部材6とともに移動するリングガイド8を、傾斜角度θが次第に0になるように連動させて安定位置を決める第2リンク機構とを有している。該第2リンク機構は、後述するピン40、リンク39、スライドピン37、回動部材36、リンク29、L字リンクプレート30、リンク31、リンク32及び回動部33から構成される。そして、変速制御手段7は、前進・後進を切換える前後進切換えアクチュエータ27と、上記第1リンク機構及び第2リンク機構によって摩擦リング部材6の傾斜角度θ及び安定位置が決められた状態で前後進切換えアクチュエータ27が作動した際に、第2リンク機構によって決められた安定位置を、コーン部材5への入力回転の逆転に対応するように変える第3リンク機構とを有している。該第3リンク機構は、ピン27b、リンク39、スライド溝36a、スライドピン37、突出部36b、リンク29、L字リンクプレート30、リンク31、リンク32及び回動部33から構成される。上記アクチュエータ26,27は、それぞれ不図示の支持部材を介してケース15側に、移動不能に位置決め固定されている。
より詳細には、本コーンリング無段変速機1は、図10及び図11で説明した軸2,3により回転自在に支持されたコーン部材4,5を用いて変速するもので、図6(a),(b)に示すように、リングガイド8は、上下からコーン部材5を挟み込むような側面視略「コ」字形状に構成され、上下の支持部8a,8aにより、該リングガイド8での幅方向移動を規制された状態で回転自在に支持された摩擦リング部材6を有している。リングガイド8は、上部にて軸2,3の軸方向に沿うように貫通された貫通孔8bを有しており、該貫通孔8bにはガイドシャフト25が摺動自在に貫通している。該ガイドシャフト25は、先端部25aがケース15側に上下方向回動自在に支持され、かつ後端部に、直線状のリンク35がその一端部の孔35bを嵌合した状態で固定されている。上記貫通孔8bはガイドシャフト25の外径より僅かに大きい内径に形成されているため、リングガイド8は、貫通するガイドシャフト25の傾動に追随して同方向に傾斜する。
上記リンク35は、軸2,3と直交する方向に延在すると共に、その他端部に形成された二股部35aに、近傍に配置された変速比制御アクチュエータ26の円板部26aに固定されたピン26bが係合している。このため、変速比制御アクチュエータ26の作動で円板部26aが所定角度回転すると、ピン26bから二股部35aを介してリンク35に上下方向の回動力が伝わり、これにより、該リンク35が、ケース15側に支持された先端部25aを中心として上方又は下方に回動する。このため、リングガイド8が、摩擦リング部材6を伴い、変速比に応じた角度だけ軸2,3に対して傾斜する(例えば図7(b)参照)。
また、リンク35の中央部には、リンク39の上端部がピン40を介して回動自在に支持されており、該リンク39の下端部に形成された二股部39aには、近傍に配置された前後進切換えアクチュエータ27の円板部27aに固定されたピン27bが係合している。リンク39の中央部には、スライドピン37が固定されている。また、該スライドピン37に対向する位置には、回動部材36が、ケース15側に固定された軸38を中心として自在に回動するように、該軸38に連結された支持部材(図示せず)によって支持されている。該回動部材36は、図6(a)に示す状態で左右方向に比較的長く貫通されて切欠かれたスライド溝36aを有し、かつ上方に突出する突出部36bを有しており、該スライド溝36aに上記スライドピン37を摺動自在に挿通している。
上記突出部36bの先端部には、リンク29の後端部29bが回動自在に支持されており、該リンク29の先端部29aは、ケース15側に回動自在に支持されたL字リンクプレート30(図6(a)における二点鎖線丸部も参照)の一端部に回動自在に支持されている。該L字リンクプレート30は、上下方向の軸24を中心として水平方向に回動自在に支持されており、他端部に、棒状のリンク31の後端部31aが回動自在に連結されている。リングガイド8の側面8cの中央部には、回動部33が該側面8cに回動自在に連結されており、該回動部33には、側面8cの上下方向に沿って延びる棒状のリンク32が摺動自在に貫通している。該リンク32におけるL字リンクプレート30と同じ水平レベル位置には、リンク31の先端部がピン28を介して回動自在に支持されている。更に、該リンク32の上端部が、ケース15側にピン41を介して回動自在に支持されている。
上記構成を備える本実施の形態では、例えば、図6(a),(b)に示す安定位置において、コーン部材5の回転状態にて制御部(図示せず)による制御で、変速比制御アクチュエータ26が、所要の変速比に応じた回転角だけ円板部26aを時計回り方向にやや回転させると、リンク35が、ケース15側に支持された回動部材36のスライド溝36aに挿通されたスライドピン37で担持されたピン40を中心として、図6(a)の反時計回り方向に回動して、図7(a)に示すようになる。これにより、ガイドシャフト25が、先端部25aを中心として図6(b)の時計回り方向に回動するため、これに伴ってリングガイド8が同方向に回動し、図7(b)に示すように、変速比に応じた傾斜角度θだけ軸2,3に対して傾く。
従って、リングガイド8によって傾斜され矢印L方向にコーン部材5とともに回転する摩擦リング部材6は、リングガイド8を伴って、コーン部材4が大径になる図7(b)の右方に向かって移動する。この際、リングガイド8の移動に伴い回動部33も移動し、摺動自在に貫通しているリンク32がピン41を中心に反時計回りに回動し、リンク31が右方に移動し、これにより、L字リンクプレート30が反時計回りに回動し、リンク29が右方に移動し、回動部材36が時計回りに回動し、リンク39が下方に移動して、リンク35がピン26bを支点にして時計回りに回動し、ガイドシャフト25が反時計回りに回動し、摩擦リング部材6の傾斜角度が徐々に減り、傾斜角度が0になった時点で変速が終了する。
一方、図7(a)の状態において、変速比制御アクチュエータ26の作動により円板部26aが反時計回り方向にやや回動すると、ピン26bが係合している二股部35aが持ち上げられることで、リンク35が、スライドピン37及びリンク39で担持されたピン40を中心として時計回り方向にやや回動する。これにより、リンク35がガイドシャフト25の傾斜をやや戻そうとするので、リングガイド8は摩擦リング部材6とともに安定位置を変えて図8(b)のようになる。
一方、前後進切換えアクチュエータ27の作動でコーン部材5の入力回転の反転に対応する場合には、例えば図8(a)のように変速比制御アクチュエータ26を停止して円板部26aを固定した状態から、前後進切換えアクチュエータ27を作動させて円板部27aを時計回り方向に回動させ、アーム39を、ピン40を中心として時計回り方向に回動させる。これにより、スライドピン37が、突出部36b、リンク29、L字リンクプレート30、リンク31,32を介して図示の傾斜状態で固定されているスライド溝36aに沿って移動するため、該傾斜に沿って押し下げられる該スライドピン37とともにリンク39がピン40を伴って下降し、従って、リンク35を介してガイドシャフト25が、図8(a),(b)に示す状態から下方に牽引される形で傾けられ、図9(a),(b)に示す状態となる。これにより、リングガイド8が摩擦リング部材6を伴って反時計回り方向にやや傾斜して、制御部の制御で逆転されるコーン部材5の回転を受け得る図9(b)に示す状態となる。
以上説明した第の実施形態によると、上記第1リンク機構が、変速比制御アクチュエータ26の駆動力を受けて摩擦リング部材6の傾斜角度θを変化させ、上記第2リンク機構が、上記第1リンク機構による傾斜角度θの変化に伴い、軸方向に摩擦リング部材6とともに移動するリングガイド8を、傾斜角度θが次第に0になるように連動させて安定位置を決め、上記第3リンク機構が、摩擦リング部材6の傾斜角度θ及び安定位置が決められた状態で前後進切換えアクチュエータ27が作動した際に、上記第2リンク機構によって決められた安定位置を、上記コーン部材5への入力回転の逆転に対応するように変える。このため、上記第1リンク機構と上記第2リンク機構を切換えるだけで、軸方向に移動する摩擦リング部材6を容易に安定位置にて停止させることができ、また入力回転が逆転する場合には、上記第3リンク機構の切換えによって容易に対処することができ、従って、装置構造をより一層シンプルにすることができる。
本発明に係る第1の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)は、図10(a)に本実施の形態の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た際の安定状態を示す模式図、(b)は、変速のためリングガイドを傾けた状態を示す模式図、(c)は、変速のためリングガイドを(b)と反対の方向に傾けた状態を示す模式図。 本発明に係る第2の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)は、図10(a)に本実施の形態の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た際の安定状態を示す模式図、(b)は、変速のためリングガイドを傾けた状態を示す模式図、(c)は、変速のためリングガイドを(b)と反対の方向に傾けた状態を示す模式図。 参考例におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、図10(a)に本参考例の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た状態を示す模式図。 本発明に係る第の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)は、図10(a)に本実施形態の構成を適用した場合における矢印A方向と反対の方向から見た際の安定状態を示す模式図、(b)は、変速のためリングガイドを傾けた状態を示す模式図。 の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)は別の安定状態を示す模式図、(b)は、変速のためリングガイドを図4(b)と反対の方向に傾けた状態を示す模式図。 本発明に係る第の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、(b)は(a)における矢印H方向に見た状態を示す模式図。 の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、(b)は(a)の矢印I方向に見た状態を示す模式図。 の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、(b)は(a)の矢印J方向に見た状態を示す模式図。 の実施形態におけるコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)はコーン部材の軸方向に見た状態で示す模式図、(b)は(a)の矢印K方向に見た状態を示す模式図。 本発明を適用し得るコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)はコーン部材を軸方向に見た状態で示す模式図、(b)は(a)の矢印A方向に見た状態を示す模式図。 本発明を適用し得るコーンリング無段変速機を示す図であり、(a)はコーン部材の軸方向に対してリングガイドを傾けた状態を示す模式図、(b)は(a)の状態からリングガイドが軸方向に移動する状態を示す模式図。
符号の説明
1 無段変速機(コーンリング無段変速機)
2,3 軸
4,5 コーン部材
6 摩擦リング部材
7 変速制御手段
8 リングガイド
13,14 4節リンク機構(リンク)
13a,14a 一端部
13b,14b 他端部
15 ケース
16,26,43,51 変速比制御アクチュエータ
17 第1支点(ピン)
18 第3支点(ピン)
19 第2支点(ピン)
20 第4支点(ピン)
25 ガイドシャフト
26b,35 第1リンク機構(ピン、リンク)
27 前後進切換えアクチュエータ
27b,36a,36b 第3リンク機構(ピン、スライド溝、突出部)
29,31,32 第2リンク機構、第3リンク機構(リンク)
30,33,37,39 第2リンク機構、第3リンク機構(L字リンクプレート、回動部、スライドピン、リンク)
36,40 第2リンク機構(回動部材、ピン)
42 ガイドシャフト
45,46,47 リンク機構、第1リンク、回動リンク、第2リンク、第3リンク(リンク)
45a 一端部
50 湾曲ガイドシャフト(スライディングシャフト)
52 スクリューシャフト
53 移動部材(ガイドベース)
θ 傾斜角度

Claims (4)

  1. ケースに支持された互いに平行な2本の軸を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材と、これら両コーン部材の一方を囲繞した状態で該両コーン部材にて挟持される摩擦リング部材と、該摩擦リング部材の前記軸に対する傾斜角度を調整する変速比制御アクチュエータと、を備え、前記両コーン部材の一方に入力回転を受けた前記両コーン部材の回転状態にて、前記摩擦リング部材を、前記変速比制御アクチュエータの作動により所要の変速比に応じた傾斜角度だけ前記軸に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方から出力してなる無段変速機において、
    前記変速比制御アクチュエータを前記ケース側に移動不能に位置決め固定し、
    前記変速比制御アクチュエータの作動にて前記摩擦リング部材を前記軸に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材の前記傾斜角度が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材を停止させるように機械的に制御する変速制御手段を有し
    前記変速制御手段が、
    前記摩擦リング部材を前記軸方向に移動ガイドするリングガイドと、
    前記軸方向における該リングガイドの幅方向両縁部にそれぞれ一端部を軸支されて第1及び第2支点とし且つ前記リングガイドの外周側で他端部を軸支されて第3及び第4支点とした2本のリンクからなる4節リンク機構と、を有し、
    前記変速比制御アクチュエータの作動で前記第3及び第4支点の何れか一方の位置を変化させることで、前記リングガイドを介して前記傾斜角度を所要の変速比に応じて変化させ、前記摩擦リング部材がその傾斜に基づき前記軸方向に移動する際の前記4節リンク機構の作用により該摩擦リング部材を前記傾斜角度が0となる前記安定位置で停止させてなる、
    ことを特徴とする無段変速機。
  2. ケースに支持された互いに平行な2本の軸を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材と、これら両コーン部材の一方を囲繞した状態で該両コーン部材にて挟持される摩擦リング部材と、該摩擦リング部材の前記軸に対する傾斜角度を調整する変速比制御アクチュエータと、を備え、前記両コーン部材の一方に入力回転を受けた前記両コーン部材の回転状態にて、前記摩擦リング部材を、前記変速比制御アクチュエータの作動により所要の変速比に応じた傾斜角度だけ前記軸に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方から出力してなる無段変速機において、
    前記変速比制御アクチュエータを前記ケース側に移動不能に位置決め固定し、
    前記変速比制御アクチュエータの作動にて前記摩擦リング部材を前記軸に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材の前記傾斜角度が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材を停止させるように機械的に制御する変速制御手段を有し、
    前記変速制御手段が、
    前記摩擦リング部材を前記軸方向に移動ガイドするリングガイドと、
    該リングガイドを前記軸方向に移動案内するガイドシャフトと、
    前記変速比制御アクチュエータの駆動力を受けて前記ガイドシャフト及び前記リングガイドを介して前記摩擦リング部材の前記傾斜角度を変化させる第1リンク機構と、
    該第1リンク機構による前記傾斜角度の変化に伴い、前記軸方向に前記摩擦リング部材とともに移動する前記リングガイドを、前記傾斜角度が次第に0になるように連動させて前記安定位置を決める第2リンク機構と、
    前記ケース側に移動不能に位置決め固定されて前進・後進を切換える前後進切換えアクチュエータと、
    前記第1及び第2リンク機構によって前記摩擦リング部材の前記傾斜角度及び前記安定位置が決められた状態で前記前後進切換えアクチュエータが作動した際に、前記第2リンク機構によって決められた前記安定位置を、前記両コーン部材の一方への入力回転の逆転に対応するように変える第3リンク機構と、を有してなる、
    ことを特徴とする無段変速機。
  3. ケースに支持された互いに平行な2本の軸を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材と、これら両コーン部材の一方を囲繞した状態で該両コーン部材にて挟持される摩擦リング部材と、該摩擦リング部材の前記軸に対する傾斜角度を調整する変速比制御アクチュエータと、を備え、前記両コーン部材の一方に入力回転を受けた前記両コーン部材の回転状態にて、前記摩擦リング部材を、前記変速比制御アクチュエータの作動により所要の変速比に応じた傾斜角度だけ前記軸に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方から出力してなる無段変速機において、
    前記変速比制御アクチュエータを前記ケース側に移動不能に位置決め固定し、
    前記変速比制御アクチュエータの作動にて前記摩擦リング部材を前記軸に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材の前記傾斜角度が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材を停止させるように機械的に制御する変速制御手段を有し、
    前記変速制御手段が、
    前記摩擦リング部材を前記軸方向に移動ガイドするリングガイドと、
    該リングガイドを前記軸方向に移動案内するガイドシャフトと、
    前記変速比制御アクチュエータの駆動力を前記ガイドシャフトにその傾斜変化として伝え、且つ前記軸に対して傾斜した状態で前記軸方向に移動する前記摩擦リング部材が前記安定位置に到達する際に前記傾斜角度を0にするリンク機構と、を有し、
    該リンク機構が、
    前記変速比制御アクチュエータの駆動力を受けて一方向と他方向に回動する第1リンクと、
    該第1リンクの回動力を受けて前記ガイドシャフトを前記変速比に応じて傾斜させる第2リンクと、
    該第2リンクと前記リングガイドとの間に介在して、前記軸方向に移動する前記摩擦リング部材が前記安定位置に到達する際に前記傾斜角度を0にするように機能する第3リンクと、を有してなる、
    ことを特徴とする無段変速機。
  4. ケースに支持された互いに平行な2本の軸を中心としてそれぞれ回転自在に配置された2つのコーン部材と、これら両コーン部材の一方を囲繞した状態で該両コーン部材にて挟持される摩擦リング部材と、該摩擦リング部材の前記軸に対する傾斜角度を調整する変速比制御アクチュエータと、を備え、前記両コーン部材の一方に入力回転を受けた前記両コーン部材の回転状態にて、前記摩擦リング部材を、前記変速比制御アクチュエータの作動により所要の変速比に応じた傾斜角度だけ前記軸に対して傾けることで軸方向に移動させ、前記入力回転を無段階に変速させつつ前記両コーン部材の他方から出力してなる無段変速機において、
    前記変速比制御アクチュエータを前記ケース側に移動不能に位置決め固定し、
    前記変速比制御アクチュエータの作動にて前記摩擦リング部材を前記軸に対して傾斜させると共に、該傾斜に基づき移動する前記摩擦リング部材の前記傾斜角度が0となって前記所要の変速比を満たす安定位置にて前記摩擦リング部材を停止させるように機械的に制御する変速制御手段を有し、
    前記変速制御手段が、
    前記摩擦リング部材を前記軸方向に移動ガイドするリングガイドと、
    該リングガイドを該軸方向に移動案内する、中央部から両端部に向かって上方に所定の曲率で反り返る湾曲ガイドシャフトと、
    前記変速比制御アクチュエータの駆動力を一端部に受けて一方向と他方向に回動することで前記軸方向に対する前記湾曲ガイドシャフトの傾きを変える回動リンクと、を有し、
    前記変速比制御アクチュエータの作動で前記リングガイドの前記軸に対する傾斜状態を前記回動リンクを介して前記変速比に応じて変更し、前記湾曲ガイドシャフトに沿って移動する前記摩擦リング部材を前記傾斜角度が0となる前記安定位置で停止させてなる、
    ことを特徴とする無段変速機。
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