以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る車群形成制御装置の構成概要図である。図2は本実施形態に係る車群形成制御装置を用いた車群形成システムの構成概要図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車群形成制御装置10は、複数の車両で車群を形成するための制御を行う装置であり、通信部11、受信処理部13、信号処理部14、制御部15、送信処理部16を備えて構成される。
通信部11は、車両や車群と相互に通信を行なう機能を備えている。例えば、図2に示すように、ネットワークT4を介して路車間通信装置20と通信可能となっており、路車間通信装置20を介して車両C1、車群C2、および車群C3と通信を行う。
受信処理部13は、通信部11から得られたデータを信号処理部14で利用できるようにデータ変換や構築を行い、信号処理部14へ出力する機能を備えている。
信号処理部14は、受信処理部13から入力した情報を参照し、合流エリア決定処理を行う。また、これらの計算結果を制御部15、送信処理部16へ出力する機能を備えている。
信号処理部14で行なう合流エリア決定処理は、道路情報、交通情報、気象情報に基づいて合流エリアを決定する処理である。この処理で用いられる道路情報は、車両が走行する地形の情報であり、例えば、道路形状や道路の勾配、曲率、分合流部、トンネル部、料金所などの施設情報などを含む情報である。また、この処理で用いられる交通情報は、例えば、渋滞などの交通量情報や車線および速度の規制情報、事故情報などを含む情報である。また、この処理で用いられる気象情報は、例えば、降水量、積雪量、風速、霧による視界などを含む情報である。
また、信号処理部14において、合流ポイント決定処理、合流対象車両決定処理が行なわれてもよい。合流ポイント決定処理は、合流する車両と対象の車両または車群が合流する地点を決定する処理である。また、合流対象車両決定処理は、通信処理によって得られた車両または車群データに基づいて車群を形成する対象車両または対象車群を決定する処理である。この処理で用いられる車両データは、車両情報として車両識別ID、隊列構成情報、経路情報、速度情報、加減速情報、操舵情報、位置情報、車種情報、車両特性情報、走行計画情報等を含む情報である。また、この処理で用いられる車群データは、車群識別ID、車群構成情報、経路情報、速度情報、加減速情報、位置情報、走行計画情報等を含む情報である。
制御部15は、信号処理部14から得られた計算結果から、決定した対象車両または対象車群に合流する指令を生成する処理を行なう。また、生成した指令を送信処理部16へ出力する機能を備えている。
送信処理部16は、信号処理部14および制御部15から得られたデータを送信可能に変換や構築を行う機能を備えている。また、送信データを通信部11へ出力する機能を備えている。
次に、図2を用いて本実施形態に係る車群形成制御装置を用いた車群形成制御システムについて説明する。
このような車群形成制御システムは、複数の車両で車群を形成するための制御を行うシステムであって、本実施形態に係る車群形成制御装置10の他に、例えば路車間通信装置20やインフラ装置30を備えて構成される。
この路車間通信装置20は、道路またはその近傍に設置され、車両C1、車群C2、車群C3と路車間通信T3を行う。路車間通信T3は、例えば、光ビーコンを用いて行われる。この路車間通信装置20は、複数の路車間通信装置20、車群形成制御装置10、およびインフラ設備30とネットワークT4で接続され相互に通信可能となっている。このため、車両または車群は、ある路車間通信装置20を介して、ネットワークT4に繋がった複数の路車間通信装置20、車群形成制御装置10、およびインフラ設備30と通信可能となっている。ネットワークT4は、例えば無線LANやLANで形成される。
インフラ設備30はネットワークT4に接続され、例えば、気象情報および交通情報を提供する設備である。
また、このような車群形成制御システムは、自動走行または追従運転を行なえる車両、すなわち知能車両を制御対象としている。図2において、単独で走行を行う車両C1と車群を形成し走行する車群C2および車群C3は何れも自動走行または追従運転を行える知能車両であり、車群C2および車群C3は自動運転によって車群走行している。
各車両間および各車群間では、相互に通信を行い、例えば、車両C1と車群C2の間、車両C1と車群C3の間、及び車群C2と車群C3の間では車群間通信T1、車群内の車両同士の通信は車車間通信T2が行なわれる。車群間通信T1は、例えばDSRC型無線通信や無線LAN通信であり、車車間通信T2は、例えば赤外線通信を用いて行なわれる。
このような車群形成制御システムにおける知能車両は、アンテナ、通信装置、ECU、各種センサ類を備えている。この知能車両は、自動走行および追従運転などの走行制御の他、車群先頭車両において有人の自動運転機能または手動運転機能、車群内の車両において有人または無人の自動運転機能、GPS(Global Positioning System)や白線認識センサ等で自車両の位置を確認する機能、無線LAN(Local Area Network)通信やDSRC(Dedicated Short Range Communication)型無線通信を行える機能を備えていることが好ましい。ここで、ECU(Electronic Control Unit)とは、電子制御するコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。さらに、知能車両には運転者(ドライバー)が希望する車群走行要件を入力できるインターフェイスと、通信によって得られた情報を出力するインターフェイスを備えていることが好ましい。例えば、入力インターフェイスは、操作スイッチや画面タッチパネルであり、出力インターフェイスは、スピーカ、インジケータ、ディスプレイなどである。
また、このような知能車両は、単独走行および車群走行において走行計画ダイヤグラムを基に走行制御される。走行計画ダイヤグラムは、現在位置や目的地、到着時刻などの走行計画から生成したダイヤグラムである。このダイヤグラムは車群形成制御装置で生成されてもよいし、各車両で生成したものを車群形成制御装置で編集して結果を各車両へ送信してもよい。
次に本実施形態に係る車群形成制御装置の動作について説明する。
まず、地図情報を入力とした本実施形態に係る車群形成制御装置における合流回避エリア決定処理の動作の説明を行う。図3は、本実施形態に係る車群形成制御装置における合流回避エリア決定処理の動作を示すフローチャートである。図8〜図12は、本実施形態に係る車群形成制御装置を用いて決定した合流エリアの概要図である。
図3の制御処理は、信号処理部14において実行され、所定のタイミングで繰り返し実行される。また、図3の制御処理は、例えば、図2において車両C1が車群C2と合流することを希望し、路車間通信T3によって車両C1から車群形成制御装置10へ合流希望の意思が通知された時に開始される。なお、合流希望の意思の通知は、例えば、ドライバーが知能車両に備わる入力インターフェイスを操作することで行われる。
図3の制御処理が開始されると、まずS10に示すように道路情報入力処理が行われる。この処理は、車群形成制御装置10が保有している道路情報をメモリへ出力する処理である。この道路情報は、例えばネットワークT4を介して取得したものが用いられる。この道路情報は、車両が走行する道路形状もしくは道路形態の情報であり、例えば、道路形状や道路の勾配、曲率、分合流部(ランプウェイ)、中継部(ジャンクション)、トンネル部、料金所などの施設情報などを含む情報である。S10の処理が終了すると、第一合流回避エリア決定処理へ移行する(S12)。
S12の処理は、S10から得られた道路情報を基に、合流を回避する第一合流回避エリアを決定する処理である。合流を回避するエリアは、運転に注意が必要で合流を回避した方が好ましい地点として決定され、例えば、強風や突風が吹く地点や、高度な運転技術や判断が必要な地点、交通流が乱れやすい地点である。
強風や突風が吹く地点としては、例えば、トンネルの出口、切り通しの終点、山間部および海岸沿いに架けられた橋の上、消音壁の切れ目などである。高度な運転技術や判断が必要な地点としては、例えば、急カーブ、連続カーブ、分合流などである。交通流が乱れやすい地点としては、他車両の動きが判断し難い分合流やトンネル内、心理的な加減速が多くなるトンネル出入口付近やカーブ付近などである。
この合流回避エリアの中で、第一合流回避エリアとして、通常の交通量においても確実に交通流に変化が生じるエリアが選択される。例えば、分合流部、トンネル部、中継部、車線減少部、料金所、およびその周辺が選択される。S12の処理が終了すると、第二合流回避エリア決定処理へ移行する(S14)。
S14の処理は、S10から得られたエリアを基に、合流を回避する第二合流回避エリアを決定する処理である。第二合流回避エリアは、運転に与える影響の程度がそれぞれ異なるエリアであり、それぞれのエリアで合流を回避するか否か判断する必要があるエリアが対象になる。第二合流回避エリアとしては、例えば勾配やカーブなどが上げられる。合流を回避するか否かの判断は、車種や車両特性に応じた閾値を設定し、閾値以上か否かを判断する。例えば、傾斜角度が5度以上の勾配は合流回避エリアと設定し、傾斜角度が5度以上の場合は、合流を回避すると判断すればよい。また、例えば、半径が300m以下のカーブは回避エリアと設定し、半径が300m以下のカーブの場合は、合流を回避すると判断すればよい。カーブについては、半径の代わりに曲率を基に合流を回避するか否かの判断をしてもよい。S14の処理が終了すると、図3の処理は終了する。
図3の制御処理によって、図8に示すように、分合流部40、登板部44、曲線部46など合流を回避すべき部分が回避エリアEn(n:整数)として設定され、それ以外の部分は合流推奨エリアFn(n:整数)と設定される。
次に、図4および図5を用いて、本実施形態に係る車群形成制御装置において交通情報および気象情報を入力とした合流回避エリア決定処理の動作の説明を行う。合流回避エリア決定処理は、道路情報に加えて交通情報および気象情報から、現実的な合流回避エリアを決定する処理である。
図4および図5は、本実施形態に係る車群形成制御装置における合流回避エリア決定処理の動作を示すフローチャートである。図4および図5の制御処理は、通信部11および信号処理部14により実行され、例えば、車群形成制御装置10の電源ONで開始し、所定のタイミングで繰り返し実行される。
図4の制御処理が開始されると、S20に示すように情報入力処理が行われる。S20の処理は、インフラ設備30からネットワークT4を経由して交通情報および気象情報を入力する処理である。S20の処理が終了すると、第一交通量判定処理へ移行する(S22)。
S22の処理は、道路の交通量が少ないか否かを判断する処理である。交通量の判断は、例えば交通量が閾値以下であるか否かで判断する。例えば、ある地点の交通量が一分あたり1台以下であるか否かを判断し、一分あたり1台以下であれば交通量が少なく、閑散状態であると判断する。S22の処理で、交通量が少ないと判断した場合は、合流回避エリアの見直し処理に移行する(S24)。交通量が少ないと判断しなかった場合は、合流回避エリアの設定処理に移行する(S26)。
S24の処理は、交通量が少ないと判断されたため、合流回避エリアを見直す処理である。交通量が少なく道路が閑散としている場合は、分合流部で合流しても交通量の乱れ等は生じないため、合流推奨エリアの拡大が可能となる。よって、交通量の少ないと判断された地点が第一合流回避エリアであった場合は、その地点を第一合流回避エリアから除外する処理を行ない(S28)、第二交通量判定処理へ移行する(S36)。また、交通量の少ないと判断された地点が第一合流回避エリアでない場合は、その地点が第二合流回避エリアであるか否かを判断する(S30)。第二合流回避エリアの場合、つまり交通量の少ない勾配やカーブであった場合は、ドライバーにとって多くの判断や高度な運転技術を必要としないため、合流推奨エリアの拡大が可能となる。この場合、合流可能な勾配角度の閾値をより大きくし、合流可能な半径をより小さくする設定を行なう。例えば、標準の交通量の場合、合流可能な勾配角度の閾値がP1、半径をR1とすると、この処理では、勾配角度の閾値をP2(P1<P2)、半径の閾値をR2(R1>R2)として、閾値を見直す処理を行い(S34)、第二交通量判定処理へ移行する(S36)。交通量の少ないと判断された地点が第一合流回避エリアでも第二合流回避エリアでも無い場合は、処理を行なわずに、第二交通量判定処理へ移行する(S36)。
S26の処理は、S22で交通量が少ないと判断しなかった場合の処理となる。S26の処理では、交通量が少ないと判断しなかった地点が第二合流回避エリアであるか否か判断する。交通量が少ないと判断しなかった地点が第二合流回避エリアの場合は、合流可能な勾配角度の閾値にデフォルトの値を入力する処理を行う(S32)。例えば、標準の交通量の場合、合流可能な勾配角度の閾値が勾配角度P1、半径R1とし、勾配角度の閾値がP2、半径の閾値がR2に変更されていた場合、勾配角度P1、半径R1に変更を戻す処理を行う。処理が終了すると、第二交通量判定処理へ移行する(S36)。交通量が少なくないと判断された地点が第二合流回避エリアでない場合は、処理を行なわずに、第二交通量判定処理へ移行する(S36)。
S36の処理は、交通量が多いか否かを判断する処理である。交通量が多いか否かは、交通量が閾値以上であるか否かで判断する。例えば、ある地点の交通量が一分あたり30台以上であるか否かを判断し、一分あたり30台以上であれば交通量が多いと判断する。交通量が多いと判断された場合は、第三合流回避エリアの設定判断処理へ移行する(S38)。交通量が多くないと判断された場合は、第三合流回避エリアの解除判断処理へ移行する(S40)。
S38の処理は、第三合流回避エリアとして設定するか判断を行う処理である。交通量が多く混雑していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアでない場合は、第三合流回避エリアとして設定して(S42)、交通規制区間判断処理へ移行する(S46)。交通量が多く混雑していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアの場合は、処理を行なわずに、交通規制区間判断処理へ移行する(S46)。
S40の処理は、S36で交通量が多くないと判断された場合に行なう処理であり、第三合流回避エリアの解除判断を行なう処理である。交通量が多くないと判断された地点が、第三合流回避エリアと設定されていた場合は、その地点を第三合流回避エリアから除外する処理を行い(S44)、交通規制区間判断処理へ移行する(S46)。交通量が多くないと判断された地点が、第三合流回避エリアと設定されていない場合は、処理を行なわずに、交通規制区間判断処理へ移行する(S46)。このような制御処理によって、例えば、図8に示すように、地図情報から分合流部40は合流回避エリアと判断し第五合流回避エリア1と設定していたが、道路が閑散としているため、図9に示すように、分合流部40は合流推奨エリアF1として見直され設定される。また、図8に示すように、地図情報から直線部42は合流推奨エリアF2で設定されているが、交通量が多い場合は、図9に示すように、直線部42は第五合流回避エリアとして見直され設定される。よって、交通情報に基づいて合流推奨エリアを決定することで、交通流を阻害することなく安全に車群へ合流することができる。
S46の処理は、交通規制区間があるか否かを判断する処理である。交通規制区間であるか否かは、S20で得られた交通情報から取得して判断すればよい。例えば、事故発生フラグ、故障車存在フラグ、作業車存在フラグ、落下物フラグ、車線減少フラグなどをECU12のメモリ上に用意しておき、初期値を0とする。各フラグは、S20で得られた交通情報から、例えば事故が発生していた場合は事故発生フラグが0から1へ変更するロジックを用いて更新される。これにより、規制区間があるか否かは、各フラグが0か否かを判断すればよい。規制区間があると判断された場合は、第四合流回避エリアの設定判断処理へ移行する(S48)。規制区間がないと判断された場合は、第四合流回避エリアの解除判断処理へ移行する(S50)。
S48の処理は、第四合流回避エリアとして設定するか判断する処理である。交通規制されていると判断された区間が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアでない場合、第四合流回避エリアとして設定し(S52)、視界判断処理へ移行する(S56)。交通規制されていると判断された区間が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアである場合は、処理を行なわずに、視界判断処理へ移行する(S56)。
S50の処理は、S46で交通規制されている区間でないと判断された場合に行なう処理であり、第四合流回避エリアの解除判断を行なう処理である。交通規制区間でないと判断された地点が、第四合流回避エリアと設定されていた場合は、その地点を第四合流回避エリアから除外する処理を行い(S54)、視界判断処理へ移行する(S56)。交通規制区間でないと判断された地点が、第四合流回避エリアと設定されていない場合は、処理を行なわずに、視界判断処理へ移行する(S56)。
S56の処理は、視界不良か否かを判断する処理である。視界不良か否かを判断するには、ある閾値を設定して、閾値以上か否かを判断すればよい。例えば、閾値を10mとし、現在の視界をS20で得られた交通情報から取得して確認し、10m以上であるか否かで判断すればよい。視界不良であると判断された場合は、第五合流回避エリアの設定判断処理へ移行する(S58)。視界不良でないと判断された場合は、第五合流回避エリアの解除判断処理へ移行する(S60)。
S58の処理は、第五合流回避エリアとして設定するか判断する処理である。視界不良と判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアでない場合、第五合流回避エリアとして設定し(S62)、風速判断処理へ移行する(S66)。視界不良と判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアである場合は、処理を行なわずに、風速判断処理へ移行する(S46)。
S60の処理は、S56で視界不良でないと判断された場合に行なう処理であり、第五合流回避エリアの解除判断を行なう処理である。視界不良でないと判断された地点が、第五合流回避エリアと設定されていた場合は、その地点を第五合流回避エリアから除外する処理を行い(S64)、風速判断処理へ移行する(S66)。視界不良でないと判断された地点が、第五合流回避エリアと設定されていない場合は、処理を行なわずに、風速判断処理へ移行する(S66)。
S66の処理は、強風が発生しているか否かを判断する処理である。強風が発生しているか否かを判断するには、ある閾値を設定して、閾値以上か否かを判断すればよい。例えば、閾値を風速30m/sとし、現在の風速をS20で得られた交通情報から取得して確認し、30m/s以上であるか否かで判断すればよい。強風が発生していると判断された場合は、第六合流回避エリアの設定判断処理へ移行する(S68)。強風が発生していないと判断された場合は、第六合流回避エリアの解除判断処理へ移行する(S70)。
S68の処理は、第六合流回避エリアとして設定するか判断する処理である。強風が発生していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアでない場合、第六合流回避エリアとして設定し(S72)、雨量判断処理へ移行する(S76)。強風が発生していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアである場合は、処理を行なわずに、雨量判断処理へ移行する(S72)。
S70の処理は、S66で強風が発生していないと判断された場合に行なう処理であり、第六合流回避エリアの解除判断を行なう処理である。強風が発生していないと判断された地点が、第六合流回避エリアと設定されていた場合は、その地点を第六合流回避エリアから除外する処理を行い(S74)、雨量判断処理へ移行する(S76)。強風が発生していないと判断された地点が、第六合流回避エリアと設定されていない場合は、処理を行なわずに、雨量判断処理へ移行する(S76)。
S76の処理は、豪雨が発生しているか否かを判断する処理である。豪雨が発生しているか否かを判断するには、ある閾値を設定して、閾値以上か否かを判断すればよい。例えば、閾値を雨量100mm/hとし、現在の雨量をS20で得られた交通情報から取得して確認し、100mm/h以上であるか否かで判断すればよい。豪雨が発生していると判断された場合は、第七合流回避エリアの設定判断処理へ移行する(S78)。豪雨が発生していないと判断された場合は、第七合流回避エリアの解除判断処理へ移行する(S80)。
S78の処理は、第七合流回避エリアとして設定するか判断する処理である。豪雨が発生していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアでない場合、第七合流回避エリアとして設定し(S82)、積雪判断処理へ移行する(S86)。豪雨が発生していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアである場合は、処理を行なわずに、積雪判断処理へ移行する(S86)。
S80の処理は、S76で豪雨が発生していないと判断された場合に行なう処理であり、第七合流回避エリアの解除判断を行なう処理である。豪雨が発生していないと判断された地点が、第七合流回避エリアと設定されていた場合は、その地点を第七合流回避エリアから除外する処理を行い(S84)、積雪判断処理へ移行する(S86)。豪雨が発生していないと判断された地点が、第七合流回避エリアと設定されていない場合は、処理を行なわずに、積雪判断処理へ移行する(S86)。
S86の処理は、豪雪が発生しているか否かを判断する処理である。豪雪が発生しているか否かを判断するには、ある閾値を設定して、閾値以上か否かを判断すればよい。例えば、閾値を積雪100mm/hとし、現在の積雪をS20で得られた交通情報から取得して確認し、100mm/h以上であるか否かで判断すればよい。豪雪が発生していると判断された場合は、第八合流回避エリアの設定判断処理へ移行する(S88)。豪雪が発生していないと判断された場合は、第八合流回避エリアの解除判断処理へ移行する(S90)。
S88の処理は、第八合流回避エリアとして設定するか判断する処理である。豪雪が発生していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアでない場合、第八合流回避エリアとして設定し(S92)、図4〜5の制御処理を終了する。豪雪が発生していると判断された地点が、第一合流回避エリアまたは第二合流回避エリアである場合は、処理を行なわずに、図4〜5の制御処理を終了する。
S90の処理は、S86で豪雪が発生していないと判断された場合に行なう処理であり、第八合流回避エリアの解除判断を行なう処理である。豪雪が発生していないと判断された地点が、第八合流回避エリアと設定されていた場合は、その地点を第八合流回避エリアから除外する処理を行い(S94)、図4〜5の制御処理を終了する。豪雪が発生していないと判断された地点が、第八合流回避エリアと設定されていない場合は、処理を行なわずに、図4〜5の制御処理を終了する。
このように降水量や降雪量を踏まえて合流回避エリア決定処理することによって、例えば、図8に示すように、直線部42は地図情報に基づいて合流推奨エリアF1と設定していたが、図10に示すように、降水量が多いことを考慮し、直線部42は第五合流回避エリア1として設定される。よって、気象情報に基づいて合流回避エリアを決定することで、交通流を阻害することなく安全に車群へ合流することができる。
次に、図6を用いて、本実施形態に係る車群形成制御装置における合流ポイント決定処理の動作の説明を行う。合流ポイントは、車両が対象車両または車群に合流する地点であり、合流ポイント生成処理は、各車両および車群の走行計画から合流ポイントを決定する処理である。
図6は、本実施形態に係る車群形成制御装置における合流ポイント決定処理の動作を示すフローチャートである。図6の制御処理は、信号処理部14により実行され、例えば、車群形成制御装置10の電源ONで開始し、所定のタイミングで繰り返し実行される。
図6の制御処理が開始されると、S100に示すように情報入力処理が行われる。S100の処理は、図4〜5の制御処理によって生成した第一合流回避エリアから第八合流回避エリアまでの情報を入力する処理である。S100の処理が終了すると、合流推奨エリア決定処理へ移行する(S102)。
S102の処理は、合流回避エリアを用いて合流推奨エリアを決定する処理である。合流推奨エリアは、地図情報の全線エリアから合流回避エリアを除いた場所である。S102の処理が終了すると、車両情報受信処理へ移行する(S104)。
S104の処理は、車群や合流を希望する車両から車両情報を受信する処理である。受信される情報は、車両情報として車両識別ID、隊列構成情報、経路情報、速度情報、加減速情報、操舵情報、位置情報、車種情報、車両特性情報、走行計画情報等を含む情報である。また、車群データは、車群識別ID、車群構成情報、経路情報、速度情報、加減速情報、位置情報、走行計画情報等を含む情報である。S104の処理が終了すると、走行計画ダイヤグラム作成処理へ移行する(S106)。
S106の処理は、S104で受信した情報を基に各車両および車群の走行計画ダイヤグラムを作成する処理である。走行計画ダイヤグラムは、目的地までの経路を計画した経路計画や途中における休憩箇所を計画した休憩計画を含む走行計画情報から作成され、縦軸を距離、横軸を時刻としたタイムチャートであり、例えば、図13の(A)に示すグラフで表される。図13において、縦軸のICはインターチェンジ、SAはサービスエリア、PAはパーキングエリアを示している。S106の処理が終了すると、合流対象車両決定処理へ移行する(S108)。
S108の処理は、合流する対象車両または対象車群を決定する処理である。決定する方法は、ダイヤグラムを参照し、ダイヤグラムが類似した車群をマッチングして選択する。マッチングには、休憩計画などを含めたトータルの類似度で判断する。例えば、経路が完全に一致する場合は10ポイント、経路は一致しないが目的地が一致する場合は5ポイント、経路が一定割合以上で一致する場合、例えば50%以上で一致する場合は5ポイント、休憩箇所および休憩時間が一致する場合は10ポイント、目標速度の差が一定割合以内である場合、例えば5km/h以内であれば10ポイント、目標速度差が一定割合以上である場合、例えば10km/h以上であれば−5ポイント、休憩箇所が相違する場合は−3ポイントなど、予め数値化しておき、各車両および車群のトータルの類似度を算出し、類似度が近い車両または車群と合流対象とする。S108の処理が終了すると、合流ポイント決定処理へ移行する(S110)。
S110の処理は、合流するポイントを決定する処理である。S108で得られた対象車両または対象車群と、合流する車両の相対速度、相対加速度、相対位置、S102で得られた合流推奨エリアを基に、合流ポイントを決定する(図13の(B))。合流ポイントが決定すると、合流時刻や、各車両および車群の目標速度、各車両および車群の目標加速度、走行ルートが計算される。S110の処理が終了すると、送信処理へ移行する(S112)。
S112の処理は、S100で決定した合流ポイント、合流時刻、目標速度、目標加速度、相手車両情報などと共に、合流指示を合流する車両および対象車両または車群へ送信する処理である。S112の処理が終了すると、図6の処理は終了する。
このように図6の制御を行なうことで、例えば、図11に示すように、各車両および車群に目標速度や目標加速度がそれぞれ送信され、合流推奨エリアF2で合流することができ、周囲の交通流を阻害することなく最適な合流をすることが可能となる。
次に、図7を用いて、本実施形態に係る車群形成制御装置における合流ポイント更新処理の動作の説明を行う。合流ポイント更新処理は、交通情報および気象情報によって変化する合流推奨エリアを入力として、設定時間内に合流できるように合流ポイントを更新する処理である。
図7は、本実施形態に係る車群形成制御装置における合流ポイント更新処理の動作を示すフローチャートである。図7の制御処理は、信号処理部14により実行され、例えば、車群形成制御装置10の電源ONで開始し、所定のタイミングで繰り返し実行される。
図7の制御処理が開始されると、S120に示すように情報入力処理が行われる。S120の処理は、図4〜5の制御処理によって生成した第一合流回避エリアから第八合流回避エリアまでの情報を入力する処理である。S120の処理が終了すると、合流推奨エリア決定処理へ移行する(S122)。
S122の処理は、合流回避エリアを用いて合流推奨エリアを決定する処理である。合流推奨エリアは、地図情報の全線エリアから合流回避エリアを除いた場所である。S122の処理が終了すると、車両情報受信処理へ移行する(S124)。
S124の処理は、車群や合流を希望する車両から車両情報を受信する処理である。受信される情報は、S104の処理で受信する情報と同様である。S124の処理が終了すると、合流ポイント生成処理へ移行する(S126)。
S126の処理は、合流するポイントを決定する処理である。前回の処理で既に決定している対象車両または対象車群と、合流する車両の相対速度、相対加速度、相対位置、S120で得られた合流推奨エリアを基に、合流ポイントを決定する。合流ポイントが決定すると、合流時刻や各車両および車群の目標速度、各車両および車群の目標加速度、走行ルートが計算される。S126の処理が終了すると、前回比較処理へ移行する(S128)。
S128の処理は、前回算出した合流ポイントおよび合流時刻と、今回算出した合流ポイントおよび合流時刻を比較し、交通や気象変化によって合流が遅れるか判断する処理である。例えば、前回算出した合流ポイントをL1地点で合流時刻をT1、S126で今回算出した合流ポイントをL2で合流時刻をT2とすると、L1<L2またはT1<T2を満たすか否かで判断すればよい。前回の条件で算出した場合に比べて今回の条件で算出した場合の方が合流するのが遅れると判断された場合は、許容範囲判断処理へ移行する(S130)。前回の条件で算出した場合に比べて今回の条件で算出した方が合流するのが速いと判断された場合は、送信処理へ移行する(S140)。
S130の処理は、遅れが許容範囲を超えているか否かを判断する処理である。例えば、前回算出した合流地点と今回算出した合流地点の差がL以上および合流時刻にT以上の遅れであれば許容範囲を超えていると判断する。よってL<L1−L2およびT<T1−T2である場合は許容範囲を超えていると判断し、合流対象車両選択処理へ移行する(S132)。
S132の処理は、合流する対象車両を再度選択する処理である。処理の内容はS108の処理と同様であり、ダイヤグラムを参照し、現在位置が近く、目的地および目標速度が近い車群をマッチングして選択する。S132の処理が終了すると、合流ポイント決定処理へ移行する(S134)。
S134の処理は、合流するポイントを再決定する処理である。S132で得られた対象車両または対象車群と、合流する車両の相対速度、相対加速度、相対位置、S120で得られた合流推奨エリアを基に、合流ポイントを決定する。合流ポイントが決定すると、合流時刻や、各車両および車群の目標速度、各車両および車群の目標加速度、走行ルートが計算される。S134の処理が終了すると、比較処理へ移行する(S136)。
S136の処理は、S126で算出した合流ポイントおよび合流時刻と、S134で算出した合流ポイントおよび合流時刻を比較し、車群となる対象を変えたことによって合流が遅れるか判断する処理である。例えば、S134で算出した合流ポイントをL3地点で合流時刻をT3とすると、L3<L2またはT3<T2を満たすか否かで判断すればよい。再度計算したS134の条件に比べてs126の条件の方が合流するのが遅れると判断された場合は、更新処理へ移行する(S138)。再度計算したS134の条件に比べてs126の条件の方が合流するのが速いと判断された場合は、送信処理へ移行する(S140)。
S138の処理は、再度計算したS134の条件の方が車群または車両に合流するのが速いため、S126で計算した合流ポイントおよび合流時刻、相手車両情報等をS134で計算した値で更新する処理である。S138の処理が終了すると、送信処理へ移行する(S140)。
S140の処理は、合流ポイント、合流時刻、目標速度、目標加速度、相手車両情報などと共に、合流指示を合流する車両および対象車両または車群へ送信する処理である。S140の処理が終了すると、図7の処理は終了する。
このように図7の制御を行なうことによって、例えば、図12に示すように、図11の状態から変化した気象情報を入力として合流地点を変更し、変更した目標速度や目標加速度をそれぞれの車両および車群に送信して制御することで、気象情報の変化に応じて常に最適な合流を行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る車群形成制御装置10によれば、道路情報から合流エリアを決定し、決定した合流エリアで合流し車群を形成する。これにより、道路の合流部、カーブ部、トンネル出入口など車両操作が多くなる地点や交通流が乱れやすい地点で合流することを回避することができるため、周囲の交通流を阻害することなく安全に合流することができる。
また、本実施形態に係る車群形成制御装置10によれば、交通情報や気象情報など、時間経過と共に変化する情報を入力として合流エリアを決定することにより、交流量の多い場所や悪天候で視界の悪い場所などで合流することを回避できるため、交通流を阻害することなく安全に車群へ合流することができる。
さらに、本実施形態に係る車群形成制御装置10によれば、先の指令により合流する予定の車両または車群との合流時刻よりも早く合流可能な対象車両または対象車群があった場合は、車群を形成する対象車両または対象車群を再度決定する。これにより、交通量や天候に変化があった場合であっても、その変化に応じて最も短い合流時刻となるため、効率的な合流をすることができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る車群形成制御装置の一例を示すものである。本発明に係る車群形成制御装置は、これらの実施形態に係る車群形成制御装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る車群形成制御装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、本実施形態においては、車群形成制御装置において合流ポイントを判定する実施例を示したが、車群形成制御装置から情報を受信し、車両側および車群側で合流ポイントの生成および更新を行なう場合であっても、記載した実施形態と同様の効果を得ることができる。
10…車群形成制御装置、11…通信部、13…受信処理部、14…信号処理部、15…制御部、16…送信処理部、20…路車間通信装置、30…インフラ装置、40…分合流部、42…直線部、44…登板部、46…曲線部、T1…車群間通信、T2…車車間通信、T3…路車間通信、T4…ネットワーク、Cn…車両(n:整数)、En…合流回避エリア(n:整数)、Fn…合流推奨エリア(n:整数)。