以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態の一例として、スロットマシン等の遊技台に関する実施例につき詳細に説明する。以下の実施例では、密閉した圧力室に送風を行いその内部の圧力を高め、所定条件の成立に基づいて密閉を解除することにより、密閉された圧力室内の圧力と外部の圧力の差を利用して空気を放出する演出を行う。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置(後述の液晶表示装置157)を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。
ストップボタン137、138、139の下部には、空気放出口601を配設してある。この空気放出口(以下、単に放出口と記す)601は後述の放出演出装置600が放出する空気を遊技者の手や顔など、体の一部に向けて放出するためのものである。図1の例では、放出口601は、3つの楕円形ないし円形の開口として構成される。放出口601には塵埃などの異物の進入、あるいは遊技者方向へのそのような異物の噴射を防止するため、例えば各開口には網状のグリルを装着するとよい。また、放出口601は内部のスピーカ(中央スピーカユニットおよび音通路277)の発生する音(遊技演出のための楽音や効果音など)の放出にも兼用される。
また、タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
図1のスロットマシン100の内部構成について簡単に説明する。図2は、前面扉102を開いた状態の斜視図で、スロットマシン100の内部構成の概略を示している。本体部としてのキャビネット101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニットおよび音通路277、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、キャビネット101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、中央スピーカユニットおよび音通路277が取り付けられている。中央スピーカユニットおよび音通路277から出力された音は、本実施例では、放出演出装置600の空気導入および放出経路を介して外部に放出できるようになっている。即ち、後述の放出演出装置600の空気導入および放出経路は、遊技演出のための音出力手段の音通路を兼ねている、という特徴がある。
キャビネット101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、キャビネット101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、キャビネット101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、キャビネット101の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設してある。メダル払出装置180は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体281と、払出装置本体281にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク280とで構成されている。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、前記メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
そして、前記主制御基板及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側板には、副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、キャビネット101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置290、この演出装置を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク280に案内する通路282を備えている。
上記のように、本実施例では、前面扉102の背面に放出口601(図1)から空気を放出するための放出演出装置600を設けてある。放出演出装置600は、放出演出装置600に設けられた空気を放出するための穴(後述の603)と前面扉102の放出口601が対応するように配置される。
ここで、図8(a)〜(c)を参照して放出演出装置600の概略構成を説明しておく。図8(a)は、放出演出装置600の前方(前面扉102の表側に相当)左上方からの斜視図、図8(b)は、放出演出装置600の後方右上方からの斜視図、図8(c)は、放出演出装置600のケース内部に収容されるブロアファン607の背面方向からの斜視図である。
図8(a)、(b)のように、放出演出装置600は上方から見るとほぼ台形、側方から見るとほぼ逆L字型の断面の箱型のケース602内に、図8(c)に示すようなブロアファン607を収容したものである。
ケース602は空気放出のための圧力室として機能するもので、例えばプラスチックや金属ダイキャストなどにより内部が中空に一体形成されたもので、その左右には前面扉102に放出演出装置600をネジ止め固定するためのタブ6021、6021が形成されている。
図8(a)に示すように、ケース602の前部には、フロントパネル609がネジ止め(ただし固定方法はネジ止めに限定されない)により固定されている。フロントパネル609には、3つの空気を放出するための放出口603を3つ配設してある(放出口603の個数は3に限定されない)。放出演出装置600はタブ6021、6021を用いて前面扉102に対してネジ止め固定されるが、この時、上記各放出口603が前面扉102の各放出口601と対応するような位置に放出演出装置600が固定される。
放出演出装置600の背面には、図8(b)に示すようにグリル様jの空気流入口604が設けてある。この空気流入口604の内側に、図8(c)のブロアファン607を配置する。
図8(c)のブロアファン607は、図示のようにケース6071内に配置した円筒状のファン606をケース6071に装着されたモータ605(駆動軸のみ図示)により回転駆動する構造のものである。
ケース6071の背面には、円形の開口部6072が、また、ケース6071の側部には送風口608が設けられており、モータ605でファン606を回転させると、ファン606は開口部6072から空気を吸入し、送風口608から送り出すよう動作する。
ケース6071には、2つのネジ止め用のタブ6071、6071が一体形成され、これらタブ6071、6071を介して放出演出装置600の内部にブロアファン607がネジ止め固定される。このとき、ブロアファン607は開口部6072が放出演出装置600のケース602の空気流入口604に整合するよう配置される。
フロントパネル609の内部には、図9(a)〜(c)に示すようなスライド式の遮蔽部材610が配置されており、この遮蔽部材610によって、3つの放出口603を開閉できるように構成する。
図9(a)は、遮蔽部材610を放出演出装置600のケース602の内側方向から示した斜視図、図9(b)、(c)は遮蔽部材610を装着したフロントパネル609のケース602の内側方向から示した斜視図である。
遮蔽部材610は、図9(a)に示すような形状に金属薄板(真鍮板や鋼鈑など)などから構成される。その上縁、下縁には、遮蔽部材610の縁部を切り欠き、折り曲げることにより、それぞれ複数の板バネ部6101、6101…が形成してある。
また、遮蔽部材610の中央には、やはり切り欠き、折り曲げによって駆動用のソレノイド611(図9(b))のアーマチュア6111と結合するための爪6102を形成してある。
図9(b)は、遮蔽部材610をフロントパネル609に装着した状態を示している。
フロントパネル609は金属やプラスチックの一体形成により構成することができ、その上縁、下縁の後方には、レール状のガイド6091、6091…が一体形成してある。遮蔽部材610は、これらガイド6091、6091…内を上記の板バネ部6101、6101…が摺動するようにフロントパネル609に対して装着される。ソレノイド611は、アーマチュア6111が遮蔽部材610の爪と係合するよう、不図示の装着部材によって放出演出装置600内部に(あるいはフロントパネル609に対して)装着される。
また、遮蔽部材610には円形の開口部6013が3つ穿孔されており、ソレノイド611の制御によってこれら開口部6013、6013…をフロントパネル609の放出口603、603…に整合しないように移動させれば放出口603、603…を密閉できる。また、ソレノイド611の制御によってフロントパネル609の放出口603に整合させれば、放出口603、603…を介して放出演出装置600のケース602内部の空気を放出できる。
図9(b)は、ソレノイド611が遮蔽部材610を図中左方の遮蔽位置に移動させた状態を示しており、この状態ではフロントパネル609の放出口603、603…は遮蔽部材610の開口部6103、6103…と非整合な位置にあり、これにより放出演出装置600のケース602が密閉される。
また、図9(c)は、ソレノイド611が遮蔽部材610を図中右方の開放位置に移動させた状態を示しており、この状態ではフロントパネル609の放出口603、603…は遮蔽部材610の開口部6103、6103…と整合する位置にあり、これにより放出演出装置600のケース602内の空気がブロアファン607によって圧縮(加圧)されていれば、放出口603、603…を介して放出演出装置600のケース602内部の空気を放出できる。
なお、本実施例の遮蔽部材610は、その一部が板バネ部6101、6101…になっており、ガイド6091、6091…と当接することにより放出口が設けられている方向に遮蔽部材610の全体が押し付けられるように構成されている。これにより放出口603と遮蔽部材610との間に隙間が生じることを防止し、隙間から空気が漏れることで放出演出装置内の圧力の低下を防止し、効率よくケース602内を加圧することができる。
本実施例の放出演出装置600の放出口603の開閉を行う遮蔽手段は、遮蔽部材610が取り付けられるフロントパネル609のガイド6091、および遮蔽部材610を駆動する駆動手段により構成されている。また、遮蔽部材610の駆動手段はソレノイド611により構成しているが、モータなど他の駆動手段により遮蔽部材610の駆動手段を構成してもよいのはいうまでもない。
上記のような本実施例の構造では、遮蔽部材610には、金属薄板、特に圧力によって撓みやすい薄い板金を用いるのが好ましい。例えば、遮蔽部材610を遮蔽位置に移動させ、放出演出装置600内の圧力を高めたとき、このような板金(金属薄板)から成る遮蔽部材610には内側から圧力がかかり、この圧力を利用して遮蔽部材610を撓ませ、放出口603の周囲に隙間なく密着させることにより、放出口603を密閉することができる。
また、本実施例の放出演出装置600では、ブロアファン607と、遮蔽手段(遮蔽部材610、板バネ部6101、フロントパネル609とそのガイド6091)をケース602の内部に収容する構成を採用しているため、放出演出装置600を動作させた際にケース602の内部に周囲のワイヤハーネスを巻き込んだり、また、メンテナンス時や製造工程において放出演出装置600のテスト動作を行う時などにおいても作業者が怪我をしたりする心配がなく、また、ケース602内部のスペースを大きく取ることなく、密閉された空間内部の圧力を高めることが可能となる。
図10(a)〜(c)は、放出演出装置600の動作を説明する概略的な断面図で、図10(a)、(b)、(c)は放出演出装置600の待機工程、圧縮工程、放出工程をそれぞれ示している。図中の符号は図9(a)〜(c)に示したものと同一部材を示す。
図10(a)は空気放出を行わない待機状態を示しており、この待機状態では、遮蔽部材610は、ソレノイド611により図9(b)の遮蔽位置に制御されており、ブロアファン607は非駆動である。なお、この待機状態では遮蔽部材610により放出口603を閉じているが、中央スピーカユニットおよび音通路277からの音声を効率よく放出する目的で遮蔽部材610は開放位置(図9(c))に移動し放出口603を開くようにしてもよい。
放出演出装置600で空気放出を行う場合は、まず、図10(b)の圧縮工程に示すように遮蔽部材610によって放出口603を閉じておき、ブロアファン607のモータ605を駆動して放出演出装置600のケース602内部に空気を送り込み、圧縮する。
そして、一定時間の計時などに応じて、放出演出装置600のケース602内部に所定の圧縮状態が得られたと確認された後、図10(c)の放出工程に示すように遮蔽部材610によって放出口603を開き、放出口603から放出演出装置600のケース602内部の空気を勢いよく放出する。なお、図10(c)の放出工程では、ブロアファン607のモータ605は駆動状態のままであるが、充分な圧縮が得られていれば、遮蔽部材610によって放出口603を開くときにブロアファン607のモータ605を停止させてもよい。
本実施例の放出演出装置600に用いるブロアファン(ブロアファンモータ)607は、圧縮比ほぼ1.1〜1.2程度の汎用部品として容易に入手でき、一般に背景技術で触れたような軸流ファンによる送風装置よりも圧縮比が高く強い送風能力を得られる。一般にブロアファン(ブロアファンモータ)607は、軸流ファン(軸流ファンモータ)よりも発生する風圧と指向性が高いため、本実施例の放出演出装置600のように密閉された空間内部における圧力を効率よく上昇させ、内部の空気を圧縮することができる。軸流ファンモータでも箱体内部の圧力を上昇させることは不可能ではないが、放出口より放出される空気が非常に弱いため、送風しても遊技者に気付かれない可能性があるが、ブロアファン607を用いればこのような問題はほとんど解消できる。
なお、本実施例では密閉された放出演出装置600内に空気を送り込むために、ブロアファンを用いているが、これに限定されるものではなく、空気を送り込むことで放出演出装置内の圧力を一定以上に高めることが出来るものであれば他の送風手段、加圧手段、ないし圧縮手段を用いても良いのはいうまでもない。
なお、本実施例では、図1に示したように操作手段であるストップボタン137、138、139の近傍に放出口601、601、601を設けるようにしているが、これは操作手段を操作しようとする遊技者の手に放出口601、601、601から放出した空気を当てる、すなわち、操作手段を操作する遊技者の体の一部に対して前記放出口から放出した空気を確実に当てられるようにすることを意図したものである。しかし、放出口601や放出演出装置600の配置位置はこれに限定されるものではなく、たとえば空気を誘導する部材を設ければ、遊技台のどのような位置に設けても良い。例えば、上記のストップボタンのような操作手段近傍に設けられた放出口より空気を送るために、放出演出装置600は筐体内部に設けておき、伸縮自在なホース等の部材により空気を送る構成としても良い。ただし、放出口と放出演出装置600は近くに配置した方がホース内での空気の勢いの損失が無いため好ましい。
放出演出装置600の制御回路、および放出演出制御については後述する。
<主制御部300>
次に、図3および図4を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リール110乃至112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400(図4)にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部400>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
図4に示すように、副制御部400は主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。
扉・液晶画面制御部500は、液晶表示装置157扉装置163、及び放出演出装置600を制御する制御部である。
本実施例の放出演出装置600は、扉・液晶画面制御部によって制御する。主制御部300で行われた入賞役の内部抽選の結果を含むコマンドが主制御部300から副制御部400へ送信されると、副制御部400では受信したコマンドに基づく演出処理の一つとして扉・液晶画面制御部500にコマンドを送信し、扉・液晶画面制御部500は受信したコマンドに基づいて放出演出装置600による空気を放出する演出を実行する。
以下、上述のスロットマシン100の制御系の構成、および遊技制御の流れについて説明する。
<主制御部の処理>
図5(a)はスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
以下、図5(a)の処理について説明する。電源投入が行われると、まず、ステップS101で初期処理が実行される。ここでは各種の初期化処理が行われる。ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー130が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS104へ進む。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップS108では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS109へ進む。ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。ステップS110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS111では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図5(b)を用いて、主制御部300のタイマ割込処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601では、主制御部CPU310の入力ポートのデータを取得する。
ステップSB602では、入力ポートのデータに基づいて(各種センサの検知信号に基づいて)、割込みステータスを取得し、これに基づく遊技メダル投入受付処理を行う。このステップSB602では、各ストップボタン137〜139が押されたことを検知するストップボタンセンサ322スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、1枚投入ボタン129、2枚投入ボタン130、及び3枚投入ボタン131の押下を検知する1枚投入ボタンセンサ345、2枚投入ボタンセンサ346、及び3枚投入ボタンセンサ347、清算ボタン132の押下に伴って動作する清算ボタンスイッチ348等からの操作検知信号に基づいて、各種割込みステータスを取得する。各ストップボタン137〜139が押された場合は、これに応じて停止ボタン受付処理を行う。
ステップS603では、ステップS602で取得した各ボタンやレバー操作に関する割込みステータスに基づいて、受付不可能な操作が行われていないか等を監視するエラー監視処理を行う。
ステップS604では、ステップS602で取得したストップボタン137〜139以外の割込みステータスに基づいて、その他の処理(その他の制御処理、パネル更新処理、パネルランプ設定処理、エラー監視処理、集中端子板信号設定処理、)を行う。
ステップS605では、表示器表示設定処理、特に、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)に対して、上述のようにして検出した操作情報に基づいて表示すべき表示情報の設定処理を行う。
ステップS606では、出力インタフェース470に対してデータ出力を行い、現在の操作状態に応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171などの点灯状態が所定の状態となるように制御する
ステップS607では、副制御部400に対して各種コマンドを出力して、本処理を終了する。このステップS607では、上述の主制御部メイン処理において記したスタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、全リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、各リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等を副制御部400に対して送信する。
<副制御部400の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図6(a)は副制御部400のCPU410が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、ステップS201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM413内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS202では、コマンド入力処理(図6(b):詳細は後述する)を行う。
ステップS203では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データの更新を行う。ステップS204では、ステップS203で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS205へ進み、該当しない場合はステップS216へ進む。ステップS205では副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。ステップS206ではステップS203で更新した演出データの中に扉・液晶画面制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS207へ進み、該当しない場合はステップS202へ戻る。ステップS207では扉・液晶画面制御部500に制御コマンドを送信してステップS202へ戻る。
次に、図6(b)を用いて、副制御部400のコマンド入力処理(上記のステップS202)について説明する。ステップS301ではコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS302へ進み、該当しない場合はステップS301へ戻る。ステップS302では、コマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、制御コマンドに応じた処理を実行する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
次に、図6(c)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明する。このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図6(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。副制御部400は所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生する汎用ハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。なお、副制御部400は汎用タイマの設定(10ms)としており、ステップS501ではこの汎用タイマの更新を行う。
<扉・液晶画面制御部の制御手順>
図7(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ扉・液晶画面制御部500の割り込み処理、メイン処理、および空気放出演出処理の流れを示したフローチャートである。以下、これらの制御手順につき説明する。
図7(a)の割り込み処理は、前述の主制御部300、副制御部400の場合と同様にタイマ割り込みによって起動される。ここでは、まずステップS701において、扉・液晶画面制御部500は、副制御部400から液晶表示装置157、扉装置163、及び放出演出装置600を制御するためのコマンドを受信(図6(a)のステップS207)しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合、ステップS702扉・液晶画面制御部500内部のRAMなどのコマンド格納エリア送信する。
図7(b)のメイン処理は、起動後、扉・液晶画面制御部500が実行するメイン処理ループを示したもので、ここでは、まず、ステップS801において扉・液晶画面制御部500内部のRAMなどのコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定し、コマンド格納されている場合には、ステップS802〜S805のコマンド実行処理を行う。
ステップS802においては、内部RAMなどのコマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、その制御コマンドを判定する。ここでは、該当の制御コマンドが液晶表示装置157扉装置163、及び放出演出装置600のいずれを制御するものかの制御情報、また、その制御パラメータなどを抽出する。
ステップS803では、ステップS802の判定結果に応じて、液晶表示装置157扉装置163、ないし放出演出装置600に送信すべき演出データを生成する演出データ設定処理を行う。
ステップS804、S805は、ステップS803における演出データ設定処理で設定された演出データに応じて実行される演出処理を示している。ステップS804は特に放出演出装置600による空気放出演出処理を、また、ステップS805は液晶表示装置157扉装置163を制御して行う演出処理を示したものである。
図7(c)は、扉・液晶画面制御部500が上記のステップS804において行う空気放出演出処理の流れを示している。
図7(c)のステップS901、S902は上述の図10(a)の待機工程の制御、ステップS903、S904は上述の図10(b)の圧縮工程の制御、ステップS901、S902は上述の図10(c)の放出工程の制御、をそれぞれ示している。
ステップS901では、放出口603が閉成状態か否かを判定し、放出演出装置600のフロントパネル609の放出口603が開放状態(図9(c))であればステップS902で扉・液晶画面制御部500は放出演出装置600のソレノイド611を介して遮蔽部材610を図9(b)の位置に移動させ、放出演出装置600のフロントパネル609の放出口603を遮蔽する。これにより図10(a)の待機状態が形成される。なお、放出演出装置600の放出口603が開放状態か否かは、ソレノイド611などに内蔵されたエンコーダセンサを介して遮蔽部材610の駆動位置を検出することなどによって判定することができる。もちろん、遮蔽部材610の位置を検出する光センサや磁気センサなどを設けるようにしてもよい。
続いて、ステップS903において、ブロアファン607を駆動し、放出演出装置600後部の空気流入口604からケース602の内部に空気を送り込み、ケース602の内部の空気の圧縮を開始する(図10(b)の圧縮工程)。ステップS904では、タイマ素子などの計時に基づき所定時間の経過を待つ。この所定時間は、ケース602の内部の圧力が所期の空気放出態様に応じて必要な値になるまでの時間をあらかじめ実験などにより基づいて求めておけばよい。
ステップS905では、放出演出装置600のソレノイド611を介して遮蔽部材610を図9(c)の位置に移動し、遮蔽部材610の開口部6103、6103…を、放出口603、603…の位置に整合させ、放出演出装置600のフロントパネル609の放出口603を開放する。これによって、ケース602の内部で圧縮された空気が放出演出装置600のフロントパネル609の放出口603から放出される(図10(c)の放出工程)。
図10(a)〜(c)の待機、圧縮、放出の工程は、図7(c)に示したように、たとえば、副制御部400からコマンドによる指令があったときに順次実行することができる。本実施例では、ブロアファン607を用いているので、圧縮工程(図10(b))は効率よく実施でき、たとえば、0.5秒以下程度の長さでも、放出工程(図10(c))では、充分な風圧で空気放出を行うことができる。
図10(a)の待機工程は、所定の条件(たとえば、抽選結果が大当りとなった、など、図7(c)の処理の契機となるコマンド送信が発生する条件)が成立していない状態においては、継続的に実行される。この待機工程では、放出演出装置内の圧力を高める必要がないため、ブロアファン607は動作させる必要がない。なお、待機工程では、遮蔽部材610は開放位置、閉鎖位置のいずれに位置していても良いが、空気放出を指令するコマンドが送信された場合は、図7(c)のステップS901、S902に示したように、直ちに図示のように遮蔽部材610を遮蔽して、圧縮工程に移れるようにする。
図10(b)の圧縮工程は、ブロアファンモータの駆動により放出演出装置600の内部の圧力を高める工程である。副制御部400から扉・液晶画面制御部500にコマンドが送信され、送風演出の実行が決定されると、上記のようにして駆動手段(ソレノイド611)により遮蔽部材610を閉鎖位置に移動させ、これにより放出口603が封鎖され、放出演出装置600の内部は密閉された空間となる。次に、ブロアファン607を駆動し、外部から空間内部へと空気が送り込まれ、これにより放出演出装置600内部の圧力が外部よりも高められる。
そして、所定時間経過(図7(c)のステップS904)後に図10(c)の放出工程に移行する。ここでは、ブロアファン607のモータ605の駆動を継続したまま、遮蔽部材610による放出口603の遮蔽を解除する。これにより、圧力を高められた空気が圧力の低い放出演出装置外部へ一斉に流れ出すため、強い風による送風を行うことが可能となる。この圧力差による突風の発生後には、ブロアファン607の送風は停止してもよいし、また、継続して送風を行ってもよい。
上記構成によれば、送風手段としてのブロアファン607や、放出口603を密閉する遮蔽部材610などを放出演出装置600のケース602内部に実装するようにしているので、遊技台内部のスペースを圧迫することなく、また、作業者の手や指、ワイヤハーネスなどを巻き込むことなく、圧力室としてのケース602内部の圧力を高めることにより比較的強く、演出用の空気を放出することが可能となる。本実施例の構成によれば、比較的強く、演出用の空気を放出することできるため、また、周りが騒がしく抽選結果に関する報知音が聞き取り辛い状態や、ランプの点滅や強力なフラッシュによる一時的な視力の低下により抽選結果に関する情報の表示が見辛い状態においても、遊技者は抽選結果などの情報をより確実に知覚することが可能となる。また、放出演出装置600のケース602(圧力室)内の圧力を高めることで送風の指向性が高まり、従来の送風を行う構成に対して的確に想定する位置に対して送風を行うことが可能となる。
なお、放出口603から遊技者に対して空気を放出する際の遮蔽部材610の移動に伴い、特定の効果音、または、特定の照明光の照射態様や表示内容、あるいはそれらを任意に組み合わせた報知態様で抽選結果を報知しても良い。
放出演出装置600によって空気を放出する契機(上記の所定の条件)としては、前述の通り、主制御部300による入賞役の内部抽選により、遊技者にとって有利な状態への移行を行う条件を採用することが考えられる。このようにいわゆるビッグボーナスが当選したことに基づいて送風することで、当選を確実に遊技者に報知することが可能となる。また、上述のように入賞役の内部当選に更に図柄揃い等の所定条件の成立に基づいて、送風を実行することで遊技者を祝福する演出を行っても良い。その場合、遊技台に備えられた演出装置が可動物や表示装置を用いて遊技者の方向に迫り来るような演出を行い、これに同期して適当な演出タイミングで空気放出を行い、演出効果を高めることができる。
あるいは、当選、入賞などの遊技者の利益に相当する事象の発生に限らず、例えば遊技台に備えられた各種監視装置により不正行為による異常が検出されたことに基づいて送風を実行することにより遊技台近傍の人間に異常があったことを報知することもできるし、また、不正行為を行った人間に対して送風による威圧を行うこともできる。
なお、以上では、入賞役の当選時にのみ圧力を高めるためにブロアファン607を駆動させるものとしたが、ブロアファン607の制御はこれに限定されるわけではなく、部品の選定などの条件によっては、実際にはブロアファンモータの駆動から放出演出装置内部の圧力が突風を発生させるために必要な圧力になるまでに0.5秒〜1秒内外、あるいは数秒かかる場合もあろうから、その場合には遊技中は常にブロアファン607を駆動し、放出演出装置600の内部の圧力を高めるようにしてもよい。