JP4999342B2 - 絵具 - Google Patents

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Description

本発明は、絵具に関するものであって、特に、粘液状の水性絵具の改良に関する。
従来、絵画や彩色において、塗膜の厚さに変化をつけて立体的な仕上がりが期待できる絵具としては、油絵具が代表的である。しかし、油絵具は、絵具自体に独特な油臭気がある、塗膜の乾燥が遅い、色種によっては衛生上好ましくない顔料が用いられるなど一般的な利用には不向きであり、特に、小学生以下の児童には使用できないものであった。
立体的な仕上がりが可能な描画材として、液状粘土が提案されている(特許文献1参照)。この液状粘土は、カルボキシメチルセルロース水溶液に植物性粉末とアルギン酸ナトリウムを混練し、さらに適宜な顔料を添加して、へら塗りに適した液状に調製されたもので、一種の水性絵具である。この液状粘土は、上記した油絵具の問題点を解決するものの、筆記タッチが悪く、また滑らかな塗膜も得られなかった。さらに、画材に描画し乾燥させた場合、可撓性が少ないため、特に画用紙に描画した場合は、描画面にひび割れが生じ易いという不具合があった。また、衛生上の配慮に乏しいため、小学生以下の児童向けとしては必ずしも好適ではなかった。
特開2004−131607公開公報:特許請求の範囲、発明の実施形態の欄
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、水彩絵具では実現できない立体的描画が可能となり、油絵具のような異臭がない上、乾燥もより早く行なえる水性絵具であって、画用紙の描画面でもひび割れが生じにくく、児童用にも好適な粘液状の水性絵具を提供する。
本発明は、基材、増粘剤および湿潤剤の組み合せからなる水性混合物によって筆記タッチが良く、滑らかな塗膜が得られる知見に基づいて完成されたのである。より詳しくは、基材として1〜50%の微粒子セルロースと、増粘剤として0.1〜10%の陽イオン非反応性天然多糖類と、湿潤剤として0.1〜15%の塩化カルシウム、塩化マグネシウムの1種または2種とを基本素材として水分と混合されたことを特徴とする水性絵具である。かくして、前記問題は、この水性絵具によって解決されるのである。
また本発明は、次の形態に好ましく具体化され得る。
1)前記水性絵具に充填材として、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、焼成カルシウム、未焼成カルシウムの1種または2種以上を添加してなる形態の水性絵具。
2)前記水性絵具に柔軟剤として、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールの1種または2種以上を添加してなる形態の水性絵具。
3)前記水性絵具に添加剤として、寒天、天然多糖類プルラン、非還元性糖質トレハロースの1種または2種以上を添加してなる形態の水性絵具。
4)前記水性絵具に着色剤を添加してなる形態の水性絵具。
5)前記水性絵具の全構成材料が、食品添加物に該当する法定食品用材料、または化粧品基準別表に該当しない法定化粧品用材料から選択されたものである形態の水性絵具。
本発明の水性絵具においては、このような基材、充填材、増粘剤、湿潤剤、柔軟剤、添加剤の組み合せによって描画面のひび割れ性を改善する理論的な根拠はなお不詳ではあるが、後記実施例の示す通り、描画面の対ひび割れ性において顕著な効果を実現することができたのである。
また、本発明の水性絵具は、へらまたは絵筆によって塗膜の厚さを自由に描画可能であって、水彩絵具では実現できない立体的描画が可能となり、また、油性成分を含まないので、油絵具のような異臭がない上、乾燥もより早く行なえる利点がある。さらに、全構成材料を食品添加物に該当する法定食品用材料、または化粧品基準別表に該当しない法定化粧品用材料から選択できるので、衛生上安全な材料構成となり、例えば、児童用にも好適な水性絵具が提供できる。
よって本発明は、従来の問題点を解消した水性絵具として、実用的価値はきわめて大なるものがある。
次に、本発明の水性絵具に係る実施形態について説明する。
本発明の水性絵具は、基材、増粘剤、湿潤剤などと水とが緊密に混合され粘液状に形成されたものであって、基本素材の基材として微粒子セルロースと、増粘剤として陽イオンと非反応性の天然多糖類と、湿潤剤としてハロゲン化金属化合物とを用いる点に特徴がある。
そして、それら素材の配合率は、基材としての微粒子セルロースは1〜50%(すべて質量%、以下同様)、好ましくは10〜25%であり、増粘剤としての陽イオン非反応性天然多糖類は0.1〜10%、好ましくは1〜5%であり、湿潤剤としてのハロゲン化金属化合物は0.1〜15%、好ましくは1〜10%であって、水分はその残余である。なお、ここで配合率は、本発明の水性絵具から着色剤を除いた全量を100%とした質量%で表示することとした。
以下、各素材について詳細に説明する。
(基材)
本発明では、基材として微粒子セルロースを必須の基本構成材としている。利用可能な配合率は、前述の通り1%〜50%であるが、好ましい配合率は10〜25%である。
ここで、セルロースとは、植物細胞壁を構成する主要成分で、D-グルコース残渣がβ-1、4グリコシド結合した直鎖状の多糖類である不溶性食物繊維をいう。デンプンのアミロースもD-グルコースがグリコシド結合した多糖類であるが、この場合a-1、4結合でらせん構造をなしている。
微粒子セルロースには、木材等の植物繊維のパルプを原料とし、加水分解してつくられる結晶セルロースと、機械的処理を主体にしてつくられる粉末セルロースがあり、本発明では、植物繊維のパルプを加水分解、濾過、水洗、脱水、乾燥、粉砕、篩分して得られる不純物が少ない精製セルロースの粉末が好ましく用いられる。特に、食品及び食添用微粒子セルロースが好ましく、VIVAPUR(独J. Rettenmaier and Sons, GmbH社製結晶セルロース)、セオラス(旭化成ケミカルズ株式会社製結晶セルロース)、ARBOCEL(独J. Rettenmaier and Sons, GmbH社製粉末セルロース)、KCフロック(日本製紙ケミカル社製粉末セルロース)などを例示することができる。
本発明では、この微粒子セルロースが、後記の増粘剤の水溶液に混合、分散されることにより、1)へらまたは絵筆によって塗膜の厚さを自由に描画可能であって、水彩絵具では実現できない立体的描画が可能となる、2)描画面は乾燥が容易で、立体的描画が維持される、という基本的な白色の水性絵具が構成されるのであって、基本素材とされる。
また、この微粒子セルロースの粒度は、200メッシュ篩パス90%以上(平均粒子径約32μm)が絵筆描画の滑らかさから必要であるが、300メッシュ篩パス90%以上(平均粒子径約28μm)の微細なものが、描画性や描画表面の滑らかさにおいて特に好ましいものとなる。また、この微粒子セルロースは、白色度が80%(拡散反射率による白色度)以上に精製されているグレードであれば、白色絵具として白色着色剤の添加が不要となる利点が得られるうえ、後記の着色剤の発色が鮮明になるという絵具として好ましい性質が発揮される。
(充填材)
前記基材を補完するための充填材として、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、焼成カルシウム(食品添加物既存添加物)、未焼成カルシウム(食品添加物既存添加物)の粉末の1種または2種以上が利用可能であるが必須ではない。その配合率は0〜50%、好ましくは0〜10%である。これらの充填材は、水和物でも無水物でも使用でき、メリットして、絵具全体の体積を減らせること、コストダウンが図れることなどがある。
(増粘剤)
増粘剤は、前記基本素材の微粒子セルロースと組み合されて、本発明の水性絵具の実体および、画材表面に描画され乾燥後に様々の厚さを持つ描画面の実体の基本素材であり、本発明の水性絵具の流動性を支配する根源素材であって、その種類、使用量によってその流動性を調節することができる。なお、前記した微粒子セルロースは、この増粘剤溶液に混合されて、その流動性を物理的に抑制する方向に作用し、乾燥前の塗膜の厚さを保持するとともに、乾燥後の描画面の強度を補強するという作用を果たすという点で、お互いに補完しあうものである。
この増粘剤としては、天然多糖類が適当であるが、ゲル化形成能が低く、かつ流動性があって、陽イオンの影響でゲル化しないものが好ましい。本発明では、乾燥後の描画面の対ひび割れ性を確保するため、Caイオン、Mgイオン、Kイオン、Naイオンなどの陽イオンを含む湿潤剤を用いるので、その陽イオンと非反応性の天然多糖類が必要である。例えば、マンノースの主鎖にガラクトースの側鎖が平均で4個に1個結合した直鎖状のガラクトマンナンであるローカストビーンガムが適当であるが、その他にタラガム、グァーガム、キサンタンガム、グルコマンナンでもよく、それらを組み合せてもよい。ここで、陽イオンに対して非反応性であるとは、それら多糖類水溶液が当該陽イオンの存在によってゲル化するなどして流動性が減退し筆記性を失うことになる性質をいうものであり、同じ天然多糖類のアルギン酸ナトリウムは陽イオンの存在によってゲル化するので、この点で非反応性のものではないことになる。
本発明における、陽イオン非反応性天然多糖類の配合率は、0.1〜10%、より好ましくは0.1〜5%である。0.1%未満では、前記基材を結合することができず描画面が形成できない、あるいは易流動液体状となって絵具に適さないからであり、10%超えでは、筆記タッチが悪く、滑らかな塗膜が得られない。
(糊剤)
また、糊剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC)や澱粉の適量を添加することも可能であるが必須ではない。CMCは、陽イオンと反応してゲル化するので、比較的陽イオンとの反応性が低いエーテル化度の大きな種類、または重合度の低い種類を0〜30%程度なら使用可能である。また、澱粉は水溶性があるので、多量に用いると描画面の耐湿性が劣化するので、配合率は0〜30%程度に制限される。
(湿潤剤)
本発明の特徴とするところは、本発明の絵具のメリットである筆記タッチ向上と塗膜の滑らかさに寄与する基本素材として、湿潤剤としてハロゲン化金属化合物を配合するところにある。ハロゲン化金属化合物としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等で示されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の1種または2種以上の粉末を用いることができ、水和物でも無水物でも使用できる。特に、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムが好適であり、その配合率は、0.1〜15%、より好ましくは1〜10%である。
この湿潤剤の作用については、解明が不十分であるが、これら成分の潮解性と関係があると推定され、筆記時に描画面を構成する成分が十分な柔軟性と粘着性をあわせ保持することができるからと考えられている。配合率が過少の場合は、筆記タッチ向上の効果が期待できず、過多の場合は、乾燥性が悪くなる。
(柔軟剤)
本発明では、塗膜に柔軟性を付与する目的で、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールの1種または2種以上を添加するのが好ましい。本発明の絵具では、油絵具のように、立体的な描画が可能であるが、厚さのある塗膜はひび割れが生じる傾向があるものの、適量の柔軟剤を添加することにより、塗膜の乾燥割れ、画材を変形させたときの塗膜のひび割れを効果的に抑制できるようになった。この目的で添加される柔軟剤の配合率は、0〜50%であって、好ましい範囲は、0〜10%である。
(添加剤)
本発明では、添加剤として、寒天、天然多糖類プルラン、非還元性糖質トレハロースの1種または2種以上を添加することができる。これらを添加すると塗膜に張りが生じるので好ましい。この目的で添加される添加剤の配合率は、0〜20%であって、好ましい範囲は、0〜5%である。
寒天とは天草など紅藻類に存在する粘性物質を熱水抽出し、水分を除去した乾物のことであって、本発明ではこれを粉末または水溶液として用いる。
天然多糖類プルランとは澱粉を原料とし、黒酵母の一種であるAureobasidium pullulansを培養して得られた、マルトトリオースが規則正しくα-1,6結合した天然多糖類ことであって、本発明ではこれを粉末または水溶液として用いる。
非還元性糖質トレハロースとはブドウ糖2分子がα,α−1,1で結合した、非還元性の糖質であって、澱粉の還元性末端をトレハロース構造に変換する酵素と、トレハロース部分を遊離する酵素の二つの働きでつくられる。本発明ではこれを粉末または水溶液として用いる。
(溶剤)
本発明では、前記構成材の充填材、増粘剤、柔軟剤は水を溶剤として緊密に混練される。水は前記構成材の残余分とすれば良いが、過多の場合は乾燥性は劣化し、過小の場合は筆記性が劣化するので、絵具としての好ましい筆記性と乾燥性とが得られる範囲の値に調整することが必要である。
これら混合方法としては、増粘剤と水分とを可溶温度下、例えば、ローカストビーンガムの場合には80℃以上の加温下で混合、溶解させた後に他の素材を配合して適当なニーダ装置で混練するのが適当であるが、この方法に限定されるものではない。
(着色剤)
本発明の水性絵具では、以上説明した基本的な白色絵具をベースとして、適宜な着色剤をもって着色絵具とすることができ、C.I.ダイレクイトブラック17、C.I.ダイレクイトイエロー12などの直接染料、C.I.アシッドレッド9、C.I.アシッドブルー23などの酸性染料、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックブルー5などの塩基性染料、食用合成色素、食用天然色素、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ・チオインジゴ系、ベリノン・ベリレン系、イソインドレノン系、アゾメチレンアゾ系などの有機顔料、カーボンブラック、チタン白などの無機顔料、着色樹脂エマルジョン、パール顔料、アルミニウム顔料、光輝性顔料、蓄光顔料、蛍光顔料、化粧品用無機顔料などの顔料などから、外配合で0.01%〜5%が発色に応じて用いられる。
特に、食品添加物に該当する法定食品用材料、または化粧品基準別表に該当しない法定化粧品用材料のみを用いて本発明の水性絵具を作成した場合は、着色剤も衛生上安全な材料である食用合成色素、食用天然色素、化粧品用有機顔料、化粧品用無機顔料を用いることが好ましく、例えば、赤色(食用赤色3号、赤色228号)、黄色(黄色401号、くちなし黄色色素)、青色(青色404号)、黒色(カーボンブラック)などから、外配合で0.01%〜5%が発色に応じて用いられる。
白色絵具としては、前述の通り、着色剤を用いない状態で、十分な白色を得ることができる。
さらに、本発明では、以上説明した全材料を食品衛生法第10条に基づいて定められた食品添加物に該当する法定食品用材料、または薬事法第42条第2項の規定に基づいて定められた化粧品基準別表に該当しない法定化粧品用材料から選択するのが衛生上好ましい。法定化粧品用材料としては、薬事法に基づき定められ平成13年3月31日限りで廃止された化粧品原料基準(昭和42年8月厚生省告示第322号)に該当する材料から選択するのが特に好ましい。このように構成すれば、本発明の水性絵具は衛生上安全な材料構成となり、成人は勿論、児童用、幼児用にも安心して利用できる水性絵具が提供できる利点が得られる。
なお、本発明の水性絵具には、防腐防カビ剤を更に添加して腐敗やカビの発生を防止するのが好ましい。特に、食品添加物に該当する法定食品用材料、または化粧品基準別表に該当しない法定化粧品用材料のみを用いて本発明の水性絵具を作成した場合は、防腐防カビ剤も衛生上安全な材料を用いることが望ましく、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチルなどを0.01%〜5%程度用いて、腐敗やカビの発生を防止するのが好ましい。
以上、本発明の利点を整理する。
1)基本素材の組合せで適度な粘性に調整できる。
2)密封状態で初期粘性を長期に維持できるので保管性に優れている。
3)紙、織布、木板などの入手しやすい画材に描画しやすい付着性を持っている。
4)滑らかな粘液状を示し筆記性に優れ、きめの細かい描画が可能。
5)描画後は、乾燥が速いので取り扱いが容易である。
6)乾燥後、描画面にひび割れが生じにくいので、初期の外観を永く保てる。
7)異臭が発生しない。また食品規格や化粧品規格に適合した素材を用いるので衛生上安全である。
8)水性絵具であるので、乾燥するまでは絵筆類を水洗い可能なので、整理や清掃が容易で、メンテナンスに優れている。
次に、本発明の実施例と比較例を示す表1、表2、表3、表4によって、具体的に説明する。
表1には、左欄に列記した使用素材として、基材、充填材、増粘剤、糊剤、湿潤剤、柔軟剤、添加剤、水、防腐防カビ剤などの各素材を表示し、表2、表3にその配合率を示した。試料は、表1、表2、表3に従い、各素材を混合し、必要に応じて所定温度に加温し、混練して粘液状の水性絵具に作成した。
また、表2、表3の下段には、次の方法で評価した各評価結果を記載した。なお、表4に試験項目を一覧してある。ここでは、試験用紙には画用紙を用い、試験用布には30番手平織の綿布を用いた。
筆記性(1):絵具を試験用紙の上に乗せ、ペインティングナイフで伸ばした。(クロス ペインティングナイフ E-13 ) 評価:○:滑らかに伸びる。△:やや伸びが悪い。×:ボロボロになって伸びが悪い。
絵具のきめ細かさ:筆記性(1)で塗った後の表面のきめ細かさを目視にて判断した。 評価:○:きめが細かく、滑らか。△:表面にやや粗さが見られる。×:粗く凸凹している。
筆記性(2):絵具を試験用紙の上に乗せ、筆で伸ばした。(筆:ホルベイン リセーブル2100F リセーブル原毛(合成繊維)) 評価:○:筆の毛先の線が出る。△:筆の線は出ないが、筆で伸ばすことができる。×:筆での筆記ができない。
乾燥性:試験用紙に厚さ約1mmに伸ばして、室温に置き、1日放置した乾燥状態を調べた。 評価:○:1日で乾く。△:1日〜2日で乾く。×:2日で乾かない。
付着性(紙):試験用紙に絵具を塗布して自然乾燥させた後、乾燥した絵具が紙から剥がれていないか目視で判断した。 評価:○:剥がれ無し。×:剥がれ有り。
付着性(布):試験用布に絵具を塗布して自然乾燥させた後、乾燥した絵具が布から剥がれていないか目視で判断した。 評価:○:剥がれ無し。×:剥がれ有り。
自然乾燥後の表面の割れ:試験用紙に厚さ約1mmに伸ばして室温にて完全に乾燥させた絵具の表面に割れがあるかを目視にて確認した。 評価:○:異常なし。△:ヒビが入るが実用的。×:割れる。
まるめた時の表面の割れ(紙):試験用紙に厚さ約1mmに伸ばして、完全乾燥後半径18mmに塗布面を外側に紙をまるめ、表面に割れが生じるか目視にて確認した。 評価:○:異常なし。△:ヒビが入るが実用的。×:割れる。
まるめた時の表面の割れ(布):試験用布に厚さ約1mmに伸ばして、完全乾燥後塗布面が外側になるように布を2つに折り曲げ、表面に割れが生じるか目視にて確認した。 評価:○:異常なし。△:ヒビが入るが実用的。×:割れる。
この各表の結果によれば、比較例の絵具の場合は、ほとんどの評価項目で問題があるのに対して、実施例の場合は、いずれの評価項目においても実用性があることが実証された。さらに、塗膜の割れについても大幅に改善することも可能であることが分かった。
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Claims (6)

  1. 基材として1〜50%の微粒子セルロースと、増粘剤として0.1〜10%の陽イオン非反応性天然多糖類と、湿潤剤として0.1〜15%の塩化カルシウム、塩化マグネシウムの1種または2種とを基本素材として水分と混合されたことを特徴とする水性絵具。
  2. 前記水性絵具に充填材として、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、焼成カルシウム、未焼成カルシウムの1種または2種以上を添加してなる請求項1に記載の水性絵具。
  3. 前記水性絵具に柔軟剤として、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールの1種または2種以上を添加してなる請求項1〜2のいずれかに記載の水性絵具。
  4. 前記水性絵具に添加剤として、寒天、天然多糖類プルラン、非還元性糖質トレハロースの1種または2種以上を添加してなる請求項1〜3のいずれかに記載の水性絵具。
  5. 前記水性絵具に着色剤を添加してなる請求項1〜4のいずれかに記載の水性絵具。
  6. 前記水性絵具の全構成材料が、食品添加物に該当する法定食品用材料、または化粧品基準別表に該当しない法定化粧品用材料から選択されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の水性絵具。
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