JP4998589B2 - ブーム伸縮段数切替制御装置 - Google Patents
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Description
また、このブーム伸縮段数切替制御装置は、上記の自動切替禁止解除手段を備える。ここで、手動切替手段を動作させるとともに伸縮ブーム全体を最短または最長にした場合は、各可動ブームは必ず正規の伸長量となる。この場合に、自動切替禁止解除手段により自動切替手段の動作の禁止が解除される。
また、オペレータは自動切替手段を動作させてクレーン作業を行うのが通常である。よって、上記のように自動切替手段の動作が禁止される結果、オペレータがクレーン作業を行うことが抑制される。したがって、各可動ブームが正規の伸長量とは異なる可能性がある状態のまま、自動切替手段を用いてクレーン作業を行うことを抑制できる。
以下、(1)伸縮ブーム10及びこの伸縮ブーム10を伸縮させる油圧回路20(図1参照)、(2)この油圧回路20を制御するための制御装置1(ブーム伸縮段数切替制御装置)周辺の電気システム(図2参照)、及び(3)制御装置1によるブーム伸縮段数切替制御(図3及び図4参照)について説明する。
図1に、制御装置1で制御する伸縮ブーム10および油圧回路20の模式図を示す。
伸縮シリンダ16は、2段ブーム12bと3段ブーム12cとを固定ブーム11(1段ブーム)に対して伸縮させる。伸縮シリンダ16の先端部16aは固定ブーム11に、中間部16bは2段ブームに、基端部16cは3段ブーム12cにそれぞれ固定される。
伸縮シリンダ18は、4段ブーム12dと5段ブーム12eとを3段ブーム12cに対して伸縮させる。伸縮シリンダ18の先端部18cは3段ブーム12cに、中間部18dは4段ブーム12dに、基端部18eは5段ブーム12eにそれぞれ固定される。
図2に、油圧回路20(図1参照)を制御するための制御装置1周辺の電気ブロック図を示す。
図3及び図4に、制御装置1での制御のフローチャートを示す。なお、以下のルーチンは所定の短時間ごとに繰り返し実行される。
自動切替手段S10は、正規のブーム伸縮順序に従って選択段数を自動的に切り替えるモード(ルーチン)である。自動切替手段S10は通常のクレーン作業時に用いられる。
(a)伸縮ブーム長さ<2段長さ+α : 2段ブーム12bを選択
(b)伸縮ブーム長さ<3段長さ+α : 3段ブーム12cを選択
(c)伸縮ブーム長さ<4段長さ+α : 4段ブーム12dを選択
(d)上記以外 : 5段ブーム12eを選択
なお、上記「n段長さ」(n=2〜4)とは、図1に示すn段ブーム及びn段ブームよりも基端側の可動ブーム12を最長にするとともに、n段ブームよりも先端側の可動ブーム12を最短にしたときの伸縮ブーム10全体の長さである。また、上記「α」は例えば0.5mなどである。
ブーム段数切替許可スイッチ33(図2参照)が「OFF」から「ON」になったとき(許可信号33aが立ち上がったとき)(ステップS14の(Y))、かつ、伸縮ブーム10(図1参照)の長さが選択段数切替範囲(後述)になったときは、伸縮方向に応じて選択段数を切り替える(ステップS15)。
ブーム段数切替許可スイッチ33(図2参照)が「OFF」から「ON」にならないときは(ステップS14の(N))、選択段数を切り替えない(ステップS16)。
上記いずれの場合も、ステップS17へ進む。
(a)伸縮ブーム長さ<2段長さ−α : 2段ブーム12bを選択
(b)伸縮ブーム長さ<2段長さ+α : 2段と3段とを切替
(c)伸縮ブーム長さ<3段長さ−α : 3段ブーム12cを選択
(d)伸縮ブーム長さ<3段長さ+α : 3段と4段とを切替
(e)伸縮ブーム長さ<4段長さ−α : 4段ブーム12dを選択
(f)伸縮ブーム長さ<4段長さ+α : 4段と5段とを切替
(g)上記以外 : 5段ブーム12eを選択
なお上記(b)(d)(f)については、伸長時は1段先端側の可動ブーム12(図1参照)へ切り替える。縮小時は1段基端側の可動ブーム12(図1参照)へ切り替える。また、上記「α」は例えば0.5mなどである。
手動切替手段S20は、図3に示すように、選択段数を手動で切り替えるモードである。すなわちオペレータが選択段数を任意に個別選択するモードである。手動切替手段S20は、伸縮ブーム10のメンテナンス時(または修理時、点検時など)に用いる。
上記(1)の場合は、伸縮切替スイッチ32で選択された段数を選択段数として決定する。すなわち図2に示すように、制御装置1は、入力された手動切替信号32bに応じて、各切替信号21s、22s、26s、及び28sを、各切替弁21、22、26及び28へ出力する。
上記(2)の場合(すなわち、伸縮切替スイッチ32で、図4に示す自動切替手段S10を選択はしているが、自動伸縮切替不可フラグF1が「ON」であるため、自動切替手段S10が動作しない場合)は、各切替信号(図2参照)を出力しない。
そして、上記(1)(2)いずれの場合でもステップS21へ進む。
この制御装置1は、図3に示すように、自動切替禁止手段S30を備える。ここで、手動切替手段S20を動作させるとともに正規のブーム伸縮順序と異なる順序で(選択ミス状態で)可動ブーム12(図1参照)を伸縮させた場合は、各可動ブーム12が正規の伸長量とは異なる(異伸縮状態である)可能性がある。この場合に、自動切替禁止手段S30により自動切替手段S10の動作が禁止される(ステップS32)。
図5に第2実施形態のフローチャート(図3相当図)を示す。第1実施形態との相違点は以下の点である。各可動ブーム12(図1参照)の伸長量を記憶する可動ブーム伸長量記憶手段S250、および、この伸長量を補正するステップS245を備える。また、自動切替禁止解除手段S240では、異伸縮状態とは異なる場合は(ステップS246)自動切替手段S10の動作を可能とする(ステップS42)。
この制御装置1の自動切替禁止解除手段S240は、伸縮ブーム10(図1参照)が最短または最長でなくても、各可動ブーム12が正規の伸長量である場合に(ステップS246)、自動切替手段S10の動作の禁止を解除する(ステップS42)。したがって、伸縮ブーム10(図1参照)を最短または最長にしたときにのみ自動切替手段S10の動作の禁止が解除される場合に比べ、短時間で前記禁止を解除できる。
図6に第3実施形態のフローチャート(図3相当図)を示す。第2実施形態との相違点は以下の点である。自動切替禁止解除手段S340では、異伸縮状態がある時は(ステップS246)、吊荷重のインタロックをかける(許容値低下手段S351)。また、異伸縮状態がないときは、このインタロックを解除する(ステップS352)。
この制御装置1は、許容値低下手段S351を備える。よって、自動切替手段S10の動作が禁止されるとき、すなわち、各可動ブーム12(図1参照)が正規の伸長量とは異なる状態(異伸縮状態)またはその可能性がある状態のとき、吊荷を吊るクレーン作業を行うことを抑制できる。
図7及び図8に第4実施形態のフローチャート(図3及び図4相当図)を示す。第3実施形態との相違点は以下の点である。図7に示すように、本実施形態は自動切替禁止手段S30(図3参照)を備えない。すなわち、伸縮切替スイッチ32(図2参照)で自動切替手段S410を選択すれば自動切替手段S410が動作する。自動切替手段S410の動作は自動切替手段S10(図4参照)とは異なる。また、自動切替禁止解除手段S440では、異伸縮状態がないときに(ステップS246)自動伸縮切替制御フラグF2を「ON」にする(ステップS442)。
具体的には以下の通りである。図1に示すように、最も先端側の可動ブーム12である5段ブーム12eをまず縮小させる。5段ブーム12eが完全に縮小することにより長さが所定時間変化しなくなると、次に4段ブーム12dを縮小させる。このような切り替えを先端側から基端側へ向かって順次行う。そして、ステップS17へ進む。
この制御装置1は、図7に示す手動切替手段S20から自動切替手段S410に切り替わっても、各可動ブーム12(図1参照)が正規の伸長量とは異なる状態であれば(異伸縮状態でなければ)(ステップS246)、モーメントリミッタ38(図2参照)に設定される吊荷重の許容値を許容値低下手段S351が低下させる。したがって、各可動ブーム12(図1参照)が正規の伸長量とは異なる状態のまま(異伸縮状態のまま)、クレーン作業を行うことを抑制できる。
制御装置1は、他の装置と組み合わせても良い。例えば、各可動ブーム12(図1参照)が正規の伸長量とは異なる状態(異伸縮状態)である旨や異伸縮状態が解消された旨を運転室内に表示する表示装置(図示なし)を上記の構成に加えても良い。この場合、オペレータが異伸縮状態の有無を知ることができる。よって、異伸縮状態のまま通常のクレーン作業を行うことがより抑制される。
10 伸縮ブーム
12 可動ブーム
38 モーメントリミッタ
S10、S410 自動切替手段
S20 手動切替手段
S30 自動切替禁止手段
S40、S240、S340 自動切替禁止解除手段
S250 可動ブーム伸長量記憶手段
S351 許容値低下手段
Claims (4)
- 伸縮ブームを構成する複数の可動ブームのうち伸縮させる当該可動ブームを切り替えるブーム選択段数切替制御装置であって、
伸縮させる前記可動ブームを正規のブーム伸縮順序に従って自動的に切り替える自動切替手段と、
伸縮させる前記可動ブームを手動で切り替える手動切替手段と、
前記手動切替手段を動作させるとともに、前記正規のブーム伸縮順序と異なる順序で前記可動ブームを伸縮させた場合に、前記自動切替手段の動作を禁止する自動切替禁止手段と、
前記手動切替手段を動作させるとともに、前記伸縮ブーム全体を最短または最長にした場合に前記禁止を解除する自動切替禁止解除手段と、を備えるブーム伸縮段数切替制御装置。 - 複数の前記可動ブームそれぞれの伸長量を記憶する可動ブーム伸長量記憶手段を備え、
前記自動切替禁止解除手段は、前記可動ブーム伸長量記憶手段で記憶された前記伸長量と、前記正規のブーム伸縮順序で複数の前記可動ブームを伸縮させた場合の当該可動ブームそれぞれの正規の伸長量と、が全て等しい場合に前記禁止を解除する、請求項1に記載のブーム伸縮段数切替制御装置。 - 前記自動切替禁止手段により前記自動切替手段の動作が禁止されるときは、モーメントリミッタに設定される吊荷重の許容値を当該動作が可能な場合に対して低下させる許容値低下手段を備える、請求項1または2に記載のブーム伸縮段数切替制御装置。
- 伸縮ブームを構成する複数の可動ブームのうち伸縮させる当該可動ブームを切り替えるブーム伸縮段数切替制御装置であって、
伸縮させる前記可動ブームを正規のブーム伸縮順序に従って自動的に切り替える自動切替手段と、
伸縮させる前記可動ブームを手動で切り替える手動切替手段と、
複数の前記可動ブームそれぞれの伸長量を記憶する可動ブーム伸長量記憶手段と、
前記可動ブーム伸長量記憶手段で記憶された前記伸長量と、前記正規のブーム伸縮順序で複数の前記可動ブームを伸縮させた場合の当該可動ブームそれぞれの正規の伸長量と、が異なる場合は、これらが全て等しい場合に対してモーメントリミッタに設定される吊荷重の許容値を低下させる許容値低下手段と、を備えるブーム伸縮段数切替制御装置。
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