JP4984388B2 - バイポーラ電池、組電池、複合電池およびこれらを搭載した車両 - Google Patents

バイポーラ電池、組電池、複合電池およびこれらを搭載した車両 Download PDF

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Description

本発明は、バイポーラ電池、組電池、複合電池およびこれらを搭載した車両に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用電源の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用電源としては、高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。なかでも、高出力で放電可能なものとして、バイポーラ型リチウムイオン二次電池(いわゆるバイポーラ電池)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
バイポーラ電池は、片面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成されたバイポーラ電極が、電解質層を介して複数積層されてなる構成を有する。そして、両側の最外層に位置する集電体(最外層集電体)に正極タブおよび負極タブをそれぞれ接合して電池要素を構成し、この電池要素をラミネートシートのような外装を用いてタブを外部に引き出すように封止することにより、バイポーラ電池が完成する。
バイポーラ電池においては、発電要素内部を、集電体の面に垂直な方向に電流が流れる。また、隣接する単電池(セル)どうしの界面における内部抵抗は無視されうるほど小さい。かような構成を有することから、バイポーラ電池によれば、高出力密度での放電が可能である。
従って、バイポーラ電池は、特に高い出力密度が要求される自動車等のモータ駆動用電源として搭載される場合に、特に有用である。
特開2000−195495号公報
しかし、従来のバイポーラ電池では、車両特有に高電圧条件下で充放電を行うにも関わらず、外装による高い絶縁性が特に考慮されていない。
これでは、400Vを超えるような高電圧の付加により、バイポーラ電池の外装、特に最外層集電体近傍で絶縁破壊が生じる虞がある。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、高電圧条件下においても絶縁性を確保できるバイポーラ電池、組電池およびこれらを搭載した車両を提供することを目的とする。
本発明の第1のバイポーラ電池は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極と交互に積層される電解質とを含む電池要素と、金属層を樹脂層により被覆したシートにより、前記電池要素を内包する外装と、を有し、前記金属層と前記電池要素の最外層との間に配置される樹脂層の厚さが75μm以上であって、且つ前記金属層と前記電池要素の最外層との間にそれぞれ配置される樹脂層の厚さの合計が、前記電池要素の電圧値/3μm以上である。
本発明の第2のバイポーラ電池は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極と交互に積層される電解質とを含む電池要素と、金属層を樹脂層により被覆したシートにより、前記電池要素を内包する外装と、を有し、前記金属層と前記電池要素の正極側最外層および負極側最外層との間にそれぞれ配置される樹脂層の厚さの合計が、前記電池要素の電圧値/3μm以上である。
本発明の第1のバイポーラ電池によれば、電池要素の最外層近傍において樹脂層の厚さが50μm以上に確保されている。したがって、電池要素の積層方向に高電圧が出力されても、外装が絶縁破壊を起こさない。絶縁性を確保できる。加えて、50μm以上の厚さの内側樹脂層は、その粘弾性により、電池要素にかかる振動を低減できる。したがって、バイポーラ電池を振動が生じる車両等に適用しても、防振できる。
本発明の第2のバイポーラ電池によれば、樹脂層の厚さを電圧値/3μm以上とするので、絶縁破壊電圧3V/μmである空気を絶縁できる距離を確保できる。したがって、電池要素の積層方向に高電圧が出力されても、外装が絶縁破壊を起こさない。絶縁性を確保できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1はバイポーラ電池の平面図、図2は図1の2−2線に沿った断面図、図3は図1の3−3線に沿った断面図である。
図1〜図3に示すように、バイポーラ電池は扁平型の本体から、正極タブ30aおよび負極タブ30bが引き出されている。
バイポーラ電池10は、図2に示すように、両端部以外の集電体11の両面中央に正極活物質層12と負極活物質層13が形成されており、この集電体11の正極活物質層12と負極活物質層13との間に電解質層14を挟んで単電池層15を構成し、この単電池層15が同じ順番で複数積層された構造を持つ。集電体11の片面に正極活物質層12が形成され、他面に負極活物質層13が形成されたものをバイポーラ電極16という。なお、両端部にある集電体(端部集電体17と称する)は、正極側には正極最外層19aが取り付けられ、負極側には負極最外層19bが取り付けられている。正極最外層19a、負極最外層19bは、それぞれ、導電性の金属により形成されており、正極タブ30aおよび負極タブ30bに接続されている。
集電体11を挟んで正極活物質層12と負極活物質層13を設けた構成をバイポーラ電極という。
ここで、電解質層14には固体電解質を用いることにより、電解質の液漏れがなくなり、該溶け出しを防止するための構成も必要とならないので、バイポーラ電池の構成を簡易にすることができる。電解質層14に液体または半固体のゲル状物質を用いる場合には、電解質が液漏れしないように、必ず集電体11間にシール部材18を施す。電解質層14に固体電解質を用いる場合にも、シール部材18を配置することによって、集電体11同士の接触による短絡を防止し、バイポーラ電池の強度を高められる。
シール部材18は、一つひとつの単電池層15の周囲を取り囲み、集電体11間、または、集電体11および端部集電体17の間に配置される。シール部材18は、絶縁性の樹脂により形成されている。シール部材18は、集電体11間に挟まれて加熱および加圧されることにより、溶着されている。
以上のように、電解質層14とバイポーラ電極16とが交互に積層されて、さらに、最外層に、正極最外層19a、負極最外層19bが取り付けられて、電池要素20が形成されている。
電池要素20には、電流を引き出すための電極タブ30a、bが接続されている。電極タブ30aは、電池要素20の正極側に接続され、電極タブ30bは、負極側に接続されている。電極タブ30a、bは、図3に示すように、外装40から引き出されている。
外装40は、2枚のラミネートシート41により形成されている。ラミネートシート41は、絶縁性の金属層412が絶縁性の樹脂層411により被覆された構造を有する。
少なくとも一方のラミネートシート41は、電池要素20を内包する空間を設けるために、中高状に加工されている。ラミネートシート41の縁は、熱融着等により接着される。これにより、外装40内部に、電池要素20が密閉される。
本実施形態のバイポーラ電池10は、外装40の特にラミネートシート41の構造に特徴を有する。したがって、ラミネートシート41について、詳細に説明する。
(ラミネートシート)
ラミネートシート41は、上述の通り、金属層412が樹脂層411により被覆された構成を有する。
金属層412には、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)が用いられる。
樹脂層411には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂からなる群より単独または積層形態により選択される材料が用いられる。好ましくは、樹脂層411には、低密度ポリエチレン樹脂、非変性ポリエチレン樹脂、非変性ポリプロピレン樹脂からなる群より単独または積層形態により選択される材料が用いられる。
金属層412は、全体に亘って略均等な厚さを有するシートである。一方、樹脂層411は、電池要素20の正極最外層19aと金属層412とに挟まれる部分の厚さWaが他の部分よりも厚く形成されている。また、電池要素20の負極最外層19bと金属層412とに挟まれる部分の厚さWbも、他の部分より厚く形成されている。
特徴点は次の通りである。
(1)厚さWa、Wbはそれぞれ、50μm以上である。すなわち、厚さWaおよびWbの合計は、100μm以上である。
(2)あるいは、厚さWaおよびWbの厚さの合計(Wa+Wb)は、電池要素20の電圧/3μm以上である。
(3)樹脂層411の厚さWaは50〜200μmであることが好ましい。
(4)樹脂層411には、低密度ポリエチレン樹脂、非変性ポリエチレン樹脂、非変性ポリプロピレン樹脂からなる群より単独または積層形態により選択される材料が用いられることが好ましい。
(効果)
上記のようにラミネートシート41の樹脂層411の厚さを厚くすることによる効果について説明する。
図4は、樹脂層による振動減衰効果を示す図である。
(1)上述のように、樹脂層411の厚さWa、Wbをそれぞれ50μm以上に形成することによって、電池要素20の高電圧の影響を受ける電池要素20の最外層19a、19b近傍において樹脂層411の厚さWa、Wbが50μm以上に確保されている。したがって、電池要素20の積層方向に高電圧が出力されても、外装が絶縁破壊を起こさない。絶縁性を確保できる。加えて、50μm以上の厚さの内側樹脂層は、その粘弾性により、電池要素20にかかる振動を低減できる。
たとえば、本実施形態のように、電池要素の最外層19a、19b近傍の樹脂層411の厚さを50μm以上とした場合、該樹脂層411に振動が加えられたときの周波数と振動伝達率との関係が図4に示される。
図4を参照すると、従来のように樹脂層411の厚さが均一な場合には、周波数60H程度に振動伝達率のピークがある。一方、本実施形態のように樹脂層411の厚さを厚くした場合、周波数160Hz程度に振動伝達率のピークがある。本実施形態の方が、振動伝達率のピークが小さい。加えて、振動伝達率のピークが表れる周波数が、本実施形態の方が高いので、車両などの振動系にバイポーラ電池を搭載しても、振動しにくい。
なお、バイポーラ電池10が車両用電源に適用されるような場合には、厚さWa、Wb75μm以上必要である。しかし、バイポーラ電池の仕様によって電圧が低い場合には、厚さWa、Wbは、たとえば、15μm以上など、適宜変更できる。
(2)また、上述のように、樹脂層411の厚さWaおよびWbの厚さの合計(Wa+Wb)を、電池要素20の電圧/3μm以上に形成することによって、電池要素20の最外層19a、19bに高電圧がかかっても絶縁を確保できる。樹脂の絶縁破壊電圧は2V/μmであり、空気の絶縁破壊電圧は3V/μmであるので、少なくとも空気を絶縁できる距離を保つことによって、絶縁を確保できるからである。たとえば、電池要素20の電圧が400Vの場合、Wa+Wbが133μm以上となるように、樹脂層411の厚さが決定される。ここでいう電池電圧とは、平均化されたいわゆる定格電圧ではなく、バイポーラ電池の使用条件下でのMAXの電圧値である。通常のリチウムイオン電池の使用電圧は構成材料にも異なるが4.2〜2.5V程度である。本発明では、電池電圧とは使用電圧のMAX電圧であるので4.2×積層数としている。MAX電圧は、この値に限るものではなく、バイポーラ電池の使用条件下の中で一番大きい電圧値がMAX電圧であり、本発明記載の電池電圧である。
また、このように厚さWa、Wbを決定すれば、車両に本バイポーラ電池10を適用したときに、電池要素に入力される振動を低減できる。
(3)樹脂層411の厚さWaは75〜200μmである。これにより、樹脂層411の厚さが最低限、最外層19a、19bの厚さ以上に確保される。したがって、高電圧付加時に樹脂層411に絶縁破壊が起こる可能性を低減できる。また、樹脂層411の厚さ
Wa、Wbが最外層19a、19bの厚さの約4倍以下である。したがって、バイポーラ電池10の小型化を妨げずに、絶縁破壊を防止できる。























(4)樹脂層411には、低密度ポリエチレン樹脂、非変性ポリエチレン樹脂、非変性ポリプロピレン樹脂からなる群より単独または積層形態により選択される材料が用いられる。このような材料は樹脂弾性が低くい。これらの材料によれば、機械的物性値の伸び率(ヤング率以外の物性値)が大きく振動入力に対し、樹脂が可逆変形しやすく、特に防振効果が高い。
(改良例)
上記実施形態では、ラミネートシート41の樹脂層411の一部、すなわち、最外層19a、19bと金属層412と挟まれる部分の厚さを他の部分よりも厚く規定している。しかし、これに限定されない。
図5は、ラミネートシート41の改良例を示す断面図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同様の参照番号を付して説明を省略する。
図5に示すように、改良例では、ラミネートシート41の樹脂層411’は全体に亘って略均等の厚さである。しかし、樹脂層411’と電池要素20の最外層19a、19bとの間に、別体の絶縁部材415が取り付けられている。
絶縁部材415による作用および効果は上述の実施形態と同様である。ただし、絶縁部材415を最外層19a、19bに取り付けてから、ラミネートシート41を取り付けることができるようになる。したがって、組立時に樹脂層411’の位置合わせが必要なく、作業効率を向上できる。
(バイポーラ電池の構成)
なお、本発明のバイポーラ電池の構成は、特に説明したものを除き、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられている公知の材料を用いればよく、特に限定されるものではない。以下に、このバイポーラ電池に使用することのできる集電体、正極活物質層、負極活物質層、電解質等について参考までに説明する。
[正極活物質層]
正極は、正極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質(固体電解質、高分子ゲル電解質、液系電解質)、リチウム塩などが含まれ得る。また、電子伝導性を高めるために導電助剤、スラリー粘度の調整溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始材としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)などが含まれ得る。特に、正極または負極の少なくとも一方に電解質、好ましくは固体高分子電解質が含まれていることが望ましいが、バイポーラ電池の電池特性をより向上させるためには、双方に含まれることが好適である。
上記正極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される、遷移金属とリチウムとの複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
正極活物質の粒径は、製法上、正極材料をペースト化してスプレーコートなどにより製膜し得るものであればよい。さらにバイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、電解質が固体でない溶液タイプのリチウムイオン電池で用いられ一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質の平均粒径が10〜0.1μmであるとよい。
上記正極に含まれる電解質としては、固体高分子電解質、高分子ゲル電解質、液電解質および、これらを積層したものなどが利用できる。すなわち、正極を多層構造とすることもでき、集電体側と電解質側とで、正極を構成する電解質の種類や活物質の種類や粒径、さらにはこれらの配合比を変えた層を形成することもできる。
高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれる。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
上記リチウム塩としては、たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
液系電解質としては通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
正極における、正極活物質、電解質(好ましくは電解質)、リチウム塩、導電助剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。たとえば、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が少なすぎると、活物質層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した固体高分子電解質量を決定する。
正極の厚さは、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極活物質層の厚さは10〜500μm程度である。
[負極活物質層]
負極は、負極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩や導電助剤などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に「正極活物質層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される結晶性炭素材または非結晶性炭素材などの負極活物質を用いることができる。たとえば、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物金属、ハードカーボンなどが好ましい。より好ましくは、カーボン、遷移金属酸化物、カーボン−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属複合酸化物である。さらに好ましくは、チタン酸化物、リチウム−チタン複合酸化物、カーボンである。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[電解質層]
イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。液漏れの防止のために固体電解質を用いることが好ましい。固体電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質層中には、イオン伝導性を確保するために支持塩(リチウム塩)が含まれる。支持塩としては、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
固体高分子電解質は、固体高分子電解質層、正極活物質層、負極活物質層に含まれ得るが、同一の固体高分子電解質を使用してもよく、層によって異なる固体高分子電解質を用いてもよい。
電解質層には、液体電解質や高分子ゲル電解質も使用できる。この場合、液体電解質や高分子ゲル電解質をセパレータに保持する。これらの電解質は基本的に「正極活物質層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、製膜により積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、端子部での内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
正極および負極端子板の材質は、通常リチウムイオン電池で用いられる材質を用いることができる。たとえば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを用いることが好ましい。
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
正極および負極端子板の形状は、型板と兼用する場合には、自動車の熱源外面等をトレースした形状に、また、型板と対極する位置に設けられる端子板では、該端子板を設置する集電体外面をトレースした形状であればよく、プレス成形等によりトレースして形成すればよい。なお、型板と対極する位置に設けられる端子板では、集電体と同様にスプレーコートにより形成してもよい。
[正極および負極リード]
正極および負極リードに関しては、通常リチウムイオン電池で用いられる公知のリードを用いることができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、自動車の熱源との距離がないことから、これらに接触して漏電したりして自動車部品(特に電子機器)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
参考例及び実施例)
次に、実際に上記電池要素の構成を採用したバイポーラ電池を製作して評価を行った参考例及び実施例について説明する。
<サンプル作製>
参考例及び実施例として、仕様が異なる参考例1〜8及び実施例1〜のバイポーラ電池を作成した。作成したバイポーラ電池の共通する構成は、次の通りである。
集電体11は、厚さ20μmのステンレス(SUS)箔を使用し、端部集電体17には正極活物質層12または負極活物質層13の一方を形成し、他の集電体11には正極活物質層12および負極活物質層13を形成した。
<電極の形成>
正極活物質層12は、正極活物質としてLiMnを85wt%、導電助剤としてアセチレンブラックを5wt%、バインダーとしてPVDFを10wt%、スラリー粘度調整溶媒としてNMPを混合した正極スラリーを、集電体11であるSUS箔(厚さ20μm)の片面に塗布し乾燥させて形成した。
負極活物質層13は、負極活物質としてハードカーボンを90wt%、バインダーとしてPVDFを10wt%、スラリー粘度調整溶媒としてNMPを混合した負極スラリーを、正極を塗布した集電体11(SUS箔)の反対面に塗布し乾燥させて形成した。
集電体11であるSUS箔の両面に正極と負極がそれぞれ形成されることによりバイポーラ電極を形成する。完成したバイポーラ電極を120mm×70mmに切り取った。
<ゲル電解質の形成>
ポリプロピレン製のセパレータ50μmに、イオン伝導性高分子マトリックスの前駆体である平均分子量7500〜9000のモノマー溶液(ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体)10重量%、電解液としてPC+EC(1:1)90重量%、1.0M Li(CSON、重合開始剤(BDK)からなるプレゲル溶液を浸漬させて、石英ガラス基板に挟み込み紫外線を15分照射して前駆体を架橋させて、ポリマー電解質層14を得た。
集電体11の両面に正極活物質層12および負極活物質層13を形成してできたバイポーラ電極16を電解質層14とその周辺部に配置したPE/変性PP/PEである3層フィルムシール部材18とで交互に10〜100層積層して、端部
集電体17に最外層19a、19bを取り付けて、電池要素20を得た。
電池要素20をラミネートシート41に挟んで、減圧下において封口することによって、電池要素20がラミネートシートに密閉された固体電解質電池を得た。
図6は、参考例1〜8及び実施例1〜のバイポーラ電池の仕様を示す図である。参考例1〜8及び実施例1〜の特有の構成は次の通りである。
参考例1)
参考例1のバイポーラ電池では、単電池層15を50層積層形成した。ラミネートシート41は、図3に示すように厚さWa、Wbの部分がラミネートシート41の樹脂層411と同体に形成されているものを用いた。該樹脂層411は、図6の下表に示す樹脂D、すなわち、ヤング率0.05×10N/m、絶縁破壊強さ23kV/mmの非変性ポリエチレン(PP)を用いた。
電池要素の最外層19a、19bは、厚さ20μmとした。そして、樹脂層411の厚さWa、Wbはそれぞれ50μmとした。すなわち、樹脂層411の厚さWa、Wbを100μmとした。最外層19a、19bと樹脂層411の厚さWa、Wbとの厚さを比は、1:2.5とした。
参考例2)
参考例2のバイポーラ電池では、厚さWbの樹脂厚さを20μmとした以外は参考例1と同様である。
参考例3)
参考例3のバイポーラ電池では、樹脂層411に、図6の下表に示す樹脂A、すなわち、ヤング率0.05×10N/m、絶縁破壊強さ19kV/mmのポリエチレン(PE)を用いた。他の構成は、参考例1と同様である。
参考例4)
参考例4のバイポーラ電池では、樹脂層411に、図6の下表に示す樹脂B、すなわち、ヤング率0.01×10N/m、絶縁破壊強さ19kV/mmのポリプロピレン(PP)を用いた。他の構成は、参考例1と同様である。
参考例5)
参考例5のバイポーラ電池では、樹脂層411に、図6の下表に示す樹脂C、すなわち、ヤング率0.06×10N/m、絶縁破壊強さ23kV/mmのポリプロピレン(PP)を用いた。他の構成は、参考例1と同様である。
参考例6)
参考例6のバイポーラ電池では、樹脂層411に、図6の下表に示す樹脂E、すなわち、ヤング率0.29×10N/m、絶縁破壊強さ18kV/mmのナイロン(PA)を用いた。他の構成は、参考例1と同様である。
参考例7)
参考例7のバイポーラ電池では、樹脂層411に、図6の下表にしめす樹脂F、すなわち、ヤング率0.2×10N/m、絶縁破壊強さ18kV/mm6−10のアミド系合成繊維(PA)を用いた。他の構成は、参考例1と同様である。
参考例8)
参考例8のバイポーラ電池では、樹脂層411に樹脂Aおよび樹脂Bを積層したものを用いた。そして、樹脂Aと樹脂Bとの厚さの比は1:1でそれぞれ25μmとした。すなわち、絶縁部材415の厚さWa、Wbを50+50=100μmとした。ここで電池要素の最外層19a、19b側を樹脂Bとして、ラミネートシート41側を樹脂Aとした。
他の構成は参考例1と同様である。
(実施例
実施例のバイポーラ電池では、積層数を100層、つまり端子間電圧を420[V]とした。さらに樹脂層411の厚さを75μmとして、樹脂材料は参考例1と同様に樹脂Dを用いた。最外層19a、19bの厚さを20μmとした。そして、最外層19a、19bと絶縁部材415の厚さWa、Wbとの厚さを比は、1:3.5とした。ここで、樹脂Aと樹脂Bとの厚さの比は1:1とした。すなわち、絶縁部材415の厚さWa、Wbを75+75=150μmとした。
他の構成は参考例1と同様である。
(実施例
実施例のバイポーラ電池では、実施例の樹脂層411の厚さを80μmとした以外は実施例と同様である。すなわち、最外層19a、19bと絶縁部材415の厚さWa、Wbとの厚さを比は、1:4で絶縁部材415の厚さWa、Wbを80+80=160μmとした。
(比較例)
上記参考例1〜8及び実施例1〜と比較するために、比較例として参考例1と同様の50層のバイポーラ電池を作製した。比較例のバイポーラ電池では、参考例1と異なり均等な厚さの樹脂層を用いた。つまりラミネート41の封止部も含めて均一厚さの樹脂層として20μmの厚さの樹脂層とした。電池要素の最外層の厚さと、樹脂層の厚さとの比を1:1とし、他の構成は参考例1と同様である。
<試験>
以上のように作製した各参考例1〜8及び実施例1〜、比較例のバイポーラ電池について、以下の試験を行った。図7は、各試験の結果を示す図である。
1.平均減衰量の測定
バイポーラ電池の略中央部(図1の平面図において略中央部)に、加速度ピックアップを設定し、インパルスハンマーによってハンマリングしたときの加速度ピックアップの振動スペクトルを測定した。加速度ピックアップの設定方法は、JIS B 0908(振動及び衝撃ピックアップの校正方法・基本概念)に準拠した。測定された振動スペクトルをFFT分析器により解析し、周波数(Hz)と加速度(dB)の次元に変換した。得られた周波数に関して、平均化(N=50の平均)、およびスムージングを行い、振動伝達率スペクトルのグラフを得た。振動伝達率スペクトルのグラフの中で、最も振動伝達率の大きいピーク値(dB)の、基準値(dB)に対する低減率(%)を平均減衰量とした。平均減衰量の値が大きいほど、振動が低減されたことを示す。ここで、基準値は、上記した比較例の振動伝達率スペクトルのグラフにおけるピーク値とした。
2.共振点シフト量の測定
上記評価の際に得られた振動伝達率スペクトルのグラフの一次共振周波数を、比較例の振動伝達率スペクトルのグラフの一次共振周波数と比較し、比較例に関する一次共振周波数からの変化量(Hz)を共振点シフト量とした。
3.絶縁性の検査
絶縁抵抗計を用い、末端金属突出部とラミネートフィルムの金属層との間の抵抗値を測定した。両者の間に設計仕様電圧を印加したときに、100MΩ以上の絶縁抵抗を有したバイポーラ電池を合格(○)とし、100MΩに満たない絶縁抵抗しか有さないバイポーラ電池を不合格(×)とした。
(評価結果)
図に示す評価結果が得られた。
末端金属突出部とラミネートフィルムの金属層との間に介在される樹脂層の厚さを電圧/3の厚さ以上にしたもの(参考例1〜8及び実施例1〜)は、絶縁性が合格レベルであったが、境界樹脂層の厚さがタブの厚さよりも小さいもの(比較例)は、絶縁性が不合格レベルであった。
また、参考例1〜8及び実施例1〜の場合、平均減衰量として10〜60%が得られ、バイポーラ電池の振動を従来よりも低減することができた。しかも、参考例1〜8及び実施例1〜の場合、共振点シフト量として75〜160Hzが得られた。これにより、バイポーラ電池の共振周波数を高周波数側へ移動させて車両上で通常発生する振動領域から外すことが可能となる。
図は、バイポーラ電池の振動の低減および共振点の移動を示す振動伝達率スペクトルのグラフの一例である。図は、上記の参考例1および比較例の振動伝達率スペクトルのグラフをあわせて示すものである。図に示すように、比較例のピークPと比較して、参考例1のピークPは、ピーク値が22%低減され、一次共振周波数は、60Hzから160Hzに移動したことがわかる。
(絶縁性の試験)
絶縁抵抗計を用い、末端金属突出部とラミネートフィルムの金属層との間の抵抗値を測定した。両者の間に設計仕様電圧を印加したときに、100MΩ以上の絶縁抵抗を有したバイポーラ電池を合格(○)とし、100MΩに満たない絶縁抵抗しか有さないバイポーラ電池を不合格(×)とした。
末端金属突出部とラミネートフィルムの金属層との間に介在される樹脂層の厚さを電圧/3の厚さ以上にしたもの(参考例1〜8及び実施例1〜)は、絶縁性が合格レベルであったが、境界樹脂層の厚さがタブの厚さよりも小さいもの(比較例)は、絶縁性が不合格レベルであった。
上記絶縁性の試験によれば、参考例1〜8及び実施例1〜のように、樹脂層の一部を厚くするか、一部に絶縁部材を取り付けて厚くすることによって、絶縁破壊が起こらず、絶縁性が維持できることがわかる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態のバイポーラ電池10を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池が得られる。
図8はバイポーラ電池を複数個並列接続した組電池を示す図、図9はバイポーラ電池と同等の通常の電池とを並列に接続した組電池を示す図、図10は複合組電池を示す図である。
図8に示すように、バイポーラ電池10を2つずつ直列接続して、それらを並列接続して組電池60を構成できる。できた組電池60をさらに組み合わせて複合組電池とすることもできる。電池10同士は、導電バー61により各電池の電極30aおよび30bが接続されている。組電池には、電極ターミナル62、63が電極として一側面に設けられている。
なお、電池10を直接に接続しさらに並列に接続する際の接続方法として、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームなどを用いることができる。このような接続方法をとることで、長期的信頼性のある組電池を製造することができる。
なお、組電池としての電池10の接続は、電池10を複数個全て並列に接続してもよいし、また、電池10を複数個全て直列に接続してもよい。
また、図9に示すように、バイポーラ電池10と、該バイポーラ電池10と同等の電圧を有する通常の電池90とを並列に接続して組電池を構成することもできる。ここで、通常の電池90とは、リチウムイオン二次電池などである。該リチウムイオン二次電池は、バイポーラ電池10と同じ正極活物質および負極活物質を含むことが望ましい。そして、バイポーラ電池10の一つの単電池層15と同等の電圧を有するリチウムイオン二次電池80を、バイポーラ電池10の単電池層15の数だけ直列接続する。さらに、直列接続された複数のリチウムイオン二次電池と、バイポーラ電池10との電圧を合わせて並列接続できる。
このように、並列接続することによって、バイポーラ電池10とリチウムイオン二次電池の互いの特徴を有する組電池が得られる。すなわち、バイポーラ電池10により瞬間的な高出力が得られ、リチウムイオン二次電池により持続的な出力が得られる。
図9に示す組電池70をさらに積層して直列接続することによって、図10に示すような複合組電池90を構成することもできる。組電池70のようなサブモジュールを組み合わせて複合組電池90にできるので、車両の仕様に合わせて、適当な出力の複合組電池90を簡単に作成できる。これにより、車両ごとに個別に組電池を製造しなくてもよく、組電池の製造コストを低減できる。
以上のように、第2実施形態の組電池によれば、前述した第1実施形態によるバイポーラ電池10を用いて組電池化することで、高容量、高出力と得ることができ、しかも一つひとつの電池の信頼性が高いため、組電池としての長期的信頼性を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態のバイポーラ電池10、または第2実施形態の組電池60、70、複合組電池90を駆動用電源として搭載してなる車両100が得られる。バイポーラ電池10または組電池60、70、複合組電池90をモータ用電源として用いる車両としては、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車など、車輪をモータによって駆動している自動車である。
参考までに、図11に、組電池60を搭載する自動車100の概略図を示す。自動車に搭載される組電池60は、上記説明した特性を有する。このため、組電池60を搭載してなる自動車は高い耐久性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
上記バイポーラ電池10、組電池60は、軽くて小さい電池を達成できるので、車両に搭載する際のスペース要望に応えられる。たとえば、電池は、車両の床下、シートバック裏、シート下に設置できる。
バイポーラ電池の平面図である。 図1の2−2線に沿った断面図である。 図1の3−3線に沿った断面図である。 樹脂層による振動減衰効果を示す図である。 ラミネートシート41の改良例を示す断面図である。 参考例1〜8及び実施例1〜のバイポーラ電池の仕様を示す図である。 各試験の結果を示す図である。 バイポーラ電池を複数個並列接続した組電池を示す図である。 バイポーラ電池と同等の通常の電池とを並列に接続した組電池を示す図である。 複合組電池を示す図である。 組電池を搭載する自動車の概略図である。
符号の説明
10…バイポーラ電池、
11…集電体、
12…正極活物質層、
13…負極活物質層、
14…電解質層、
15…単電池層、
16…バイポーラ電極、
17…端部集電体、
18…シール部材、
19a、19b…最外層、
20…電池要素、
30a…正極タブ、
30b…負極タブ、
40…外装、
41…ラミネートシート、
411…樹脂層、
411…内層面、
412…金属層、
415…絶縁部材、
60、70…組電池、
80…リチウムイオン二次電池、
90…複合組電池、
100…自動車。

Claims (13)

  1. 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極と交互に積層される電解質とを含む電池要素と、
    金属層を樹脂層により被覆したシートにより、前記電池要素を内包する外装と、
    を有し、
    前記金属層と前記電池要素の最外層との間に配置される樹脂層の厚さが75μm以上であって、且つ、前記金属層と前記電池要素の最外層との間にそれぞれ配置される樹脂層の厚さの合計が、前記電池要素の使用条件下の中で一番大きい電圧値/3μm以上であるバイポーラ電池。
  2. 前記樹脂層は、前記金属層と前記電池要素の最外層との間に配置される部分は、前記金属層と前記電池要素の最外層との間に配置されていない部分よりも厚いことを特徴とする請求項1記載のバイポーラ電池。
  3. 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極と交互に積層される電解質とを含む電池要素と、金属層を樹脂層により被覆したシートにより、前記電池要素を内包する外装と、を有するバイポーラ電池であって、
    前記樹脂層と前記電池要素の最外層の間に別体の絶縁部材を配置し、前記樹脂層と前記絶縁部材の厚さの合計が75μm以上であって、且つ、前記金属層と前記電池要素の最外層との間にそれぞれ配置される樹脂層と絶縁部材の厚さの合計が、前記電池要素の使用条件下の中で一番大きい電圧値/3μm以上であるバイポーラ電池。
  4. 前記電池要素の前記最外層の厚さと、該最外層および前記金属層との間に配置される前記樹脂層と、前記樹脂層および前記電池要素の最外層との間に配置される前記絶縁部材の厚さが75〜200μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2または3記載のバイポーラ電池
  5. 前記樹脂層は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂からなる群より単独または積層形態により選択される材料で形成される請求項1〜のいずれか一項に記載のバイポーラ電池。
  6. 前記樹脂層は、ヤング率が0.01〜0.30×10N/mの範囲にあることを特徴とする1〜のいずれか一項に記載のバイポーラ電池。
  7. 前記樹脂層は、低密度ポリエチレン樹脂、非変性ポリエチレン樹脂、非変性ポリプロピレン樹脂からなる群より単独または積層形態により選択される材料で形成される請求項1〜のいずれか一項に記載のバイポーラ電池。
  8. 前記電解質が固体電解質である請求項1〜のいずれか一項に記載のバイポーラ電池。
  9. 前記正極活物質層には、リチウムと遷移金属との複合酸化物が含まれ、
    前記負極活物質層には、負極活物質として、カーボンもしくはリチウムと遷移金属との複合酸化物が含まれる請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のバイポーラ電池。
  10. 請求項1〜のいずれかのバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続してなる組電池。
  11. 請求項1〜のいずれかのバイポーラ電池と、該バイポーラ電池の一つの単電池層と同等の電圧を有する電池を前記単電池層の数だけ積層した電池群とを並列に接続してなる組電池。
  12. 請求項10または請求項11に記載の組電池を複数個、並列および/または直列に接続してなる複合組電池。
  13. 請求項1〜のいずれかのバイポーラ電池、請求項10または請求項11に記載の組電池、または、請求項12に記載の複合組電池を駆動用電源として搭載してなる車両。
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