<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態につき図面を参照して説明する。図1は携帯電話機の外観構成を示す図であり、同図(a)は、第1キャビネット1に対して第2キャビネット2をほぼ鉛直に立てた状態を示す側面図、同図(b)は同じ状態での背面図である。同図(c)は回転角検出部33の構成を示す図である。
携帯電話機は、第1キャビネット1と第2キャビネット2を備える。第1キャビネット1の正面側には、キー操作部11が設けられている。キー操作部11には、各種の機能モード(カメラ撮影モード、メール送受信モード、インターネットモード)への切替えキー、通話開始キー、通話終了キー、番号・文字入力キーなどの各種キーが配されている。
キー操作部11の背後には、バックライト装置12(以下、「キーバックライト」という)が配されている。キーバックライト12は、光源となるLEDを備え、キー操作部11に光を供給する。キー操作部11の主要なキーは、キーに付された表示の部分が透光性を有するよう構成されており、バックライト12で照らされることにより表示が光る。これにより、ユーザは、周囲が暗くてもキーに付された表示を見ることができる。
第2キャビネット2の正面側には、やや縦長の矩形状を有する液晶表示パネル21(以下、「メイン表示パネル」という)が配されており、その表示画面が正面に臨んでいる。メイン表示パネル21の背後には、バックライト装置22(以下、「メインバックライト」という)が配されている。メインバックライト22は、光源となるLEDを備え、メイン表示パネル21に光を供給する。
第2キャビネット2の背面側には、液晶表示パネル23(以下、「サブ表示パネル」という)が配されており、その表示画面が背面に臨んでいる。サブ表示パネル23の背後には、バックライト装置24(以下、「サブバックライト」という)が配されている。サブバックライト24は、光源となるLEDを備え、サブ表示パネル23に光を供給する。サブ表示パネル23は、メイン表示パネル21よりも小さなサイズであり、横長の矩形状を有している。サブバックライト24も、サブ表示パネル23に合わせ、メインバックライト22より小さなサイズになっている。
また、第2キャビネット2の内部には、カメラモジュール25が配されており、第2キャビネット2の背面には、カメラモジュール25に対応するレンズ窓26が設けられている。このレンズ窓26から被写体の像がカメラモジュール25に取り込まれる。
第2キャビネット2は、ヒンジ部3によって、第1キャビネット1に対し回動可能に連結されている。ヒンジ部3は、第2キャビネット2の連結側端部から左右に延びる一対の回転軸31と、第1キャビネット1の連結側端部に形成され、回転軸31を受ける一対の軸受部32によって構成されている。
第1キャビネット1と第2キャビネット2は、メイン表示パネル21とキー操作部11が向かい合った状態となるように折り畳まれる。よって、折り畳まれた状態(閉じた状態)では、メイン表示パネル21とキー操作部11が外部から隠れた状態となる。
第2キャビネット2は、閉じた状態(図1(a)に一点鎖線で示す)から開き方向に回転されることにより、180度近くまで開くことができる。ヒンジ部3には、第2キャビネット2が最後まで開いた位置と、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが略90度となる位置(90度よりやや大きい角度位置)にクリック感を持たせるよう、図示しないクリック機構が備えられている。第2キャビネット2が開くと、メイン表示パネル21とキー操作部11が外部に露出する。
ヒンジ部3には、回転角検出部33が配されている。回転角検出部33は、第2キャビネット2が開いたときに、第1キャビネット1に対する第2キャビネット2の回転角度を検出するためのものである。
回転角検出部33は、図1(c)に示すように、磁石34と回転角センサ(磁気センサ)35によって構成されている。磁石34は、回転軸31の端面に固着され、第2キャビネット2が開くと、回転軸31とともに回転する。回転角センサ35は磁石34に近接対峙するように軸受部32に配されている。このとき、磁石34のN極およびS極は、回転角センサ35に平行となっている。磁石34が回転すると、回転角センサ35によって、センサ面に対する磁力線の向きの変化が読み取られる。こうして、回転角センサ35からは、第2キャビネット2の回転角度に応じた検出信号が出力される。
図2は、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。携帯電話機は、上述した各構成要素の他、CPU100、映像エンコーダ101、マイク102、音声エンコーダ103、受光センサ104、タイマー105、通信モジュール106、メモリ107、バックライト駆動回路108、映像デコーダ109、音声デコーダ110、スピーカ111を備える。
カメラモジュール25は、撮像レンズ251、撮像素子252などから構成されている。撮像レンズ251は、被写体の像を撮像素子252上に結像させる。撮像素子252は、例えばCCDからなり、取り込んだ画像に応じた撮像信号を生成し、映像エンコーダ101へ出力する。映像エンコーダ101は、撮像素子252からの撮像信号を、CPU100が処理できるディジタルの撮像信号に変換してCPU100へ出力する。
マイク102は、音声信号を電気信号に変換して音声エンコーダ103へ出力する。音声エンコーダ103は、マイク102からの音声信号を、CPU100が処理できるディジタルの音声信号に変換してCPU100へ出力する。
受光センサ104は、携帯電話機の周囲の光を受けて、その受光量に応じた信号をCPU100へ出力する。CPU100は、受光センサ104で検出された受光量を所定の閾値と比較することで、周囲が明るいか暗いかを判断することができる。
タイマー105は、時間を計測してCPU100へ出力する。通信モジュール106は、CPU100からの音声信号や画像信号、テキスト信号などを無線信号に変換し、アンテナ106aを介して基地局へ送信する。また、アンテナ106aを介して受信した無線信号を音声信号や画像信号、テキスト信号などに変換してCPU100へ出力する。
メモリ107には、カメラモジュール25で撮影した画像データや通信モジュール106を介して外部から取り込んだ画像データ、テキストデータ(メールデータ)などが所定のファイル形式で保存されている。
メモリ107は、ROMおよびRAMを含む。ROMには、CPU100を動作させるための制御プログラムが記憶されている。また、ROMには、メインバックバックライト22、サブバックライト24およびキーバックライト12の輝度(光量)を第2キャビネット2の開閉速度(角速度)に応じて制御するためのテーブルが記憶されている。テーブルの内容は、図3に示す通りである。さらに、ROMには、このテーブルにおいて、第2キャビネット2の開放速度(角速度)が高速か低速を判定するための閾値(開放閾値)が格納されている。つまり、開放速度(角速度)が開放閾値以上であれば“高速”と判断され、閾値未満であれば“低速”と判断される。同様に、ROMには、図3のテーブルにおいて、第2キャビネット2の閉塞速度(角速度)が高速か低速を判定するための閾値(閉塞閾値)が格納されており、この閉塞閾値をもとに、第2キャビネット2の閉塞速度(角速度)を判定する。
RAMには、回転角センサ35からの検出信号に基づいて算出した角速度データ等のデータが一時的に記憶される。これらデータは、必要に応じてRAMから読み出される。
バックライト駆動回路108は、CPU100からの制御信号に応じた電圧信号をメインバックライト22、サブバックライト24、キーバックライト12に供給する。
映像デコーダ109は、CPU100からの映像信号をメイン表示パネル21およびサブ表示パネル23で表示できるアナログの映像信号に変換し、メイン表示パネル21およびサブ表示パネル23に出力する。
音声デコーダ110は、CPU100からの音声信号をスピーカ111で出力できるアナログの音声信号に変換し、スピーカ111に出力する。スピーカ111は、音声デコーダ110からの音声信号を音声として再生する。
CPU100は、キー操作部11、撮像素子25、マイク102など各部からの入力信号に基づいて、通信モジュール106、映像デコーダ109、音声デコーダ110などの各部に制御信号を出力することにより、通話処理や各種の機能モードの処理を行う。
さらに、CPU100は、受光センサ104および回転角センサ35からの入力信号に基づき、メモリ107に記憶された上記テーブルに従って、バックライト駆動回路108に制御信号を出力することにより、メインバックライト22、サブバックライト24およびキーバックライト12を駆動制御する。たとえば、周囲が暗い場合において、第2キャビネット2の開放時の速度(角速度)が遅いときには、開放後にメインバックライト22およびキーバックライト12が低輝度となるよう制御される。また、第2キャビネット2の開放時の速度(角速度)が速いときには、開放後にメインバックライト22およびキーバックライト12が低輝度となるよう制御される。
図4は、第2キャビネット2の開閉速度と、それに応じて設定される輝度レベルとの関係を説明する図である。同図(a)、(b)は開放時のもの、同図(c)、(d)は閉塞時のものである。
ユーザが第2キャビネット2を開放する際、表示画面(バックライト)の明るさが気にならない状況下では、第2キャビネット2が普段通りの速さで開かれる。よって、第2キャビネット2が時間t2だけ掛かって開けられたとき、開閉速度は、図4(a)に表された実線の如く変位する。一方、表示画面(バックライト)の明るさが気になる状況下では、ユーザが周りの状況を気にしながら開けるため、第2キャビネット2がゆっくりと開けられる。よって、第2キャビネット2が時間t1だけ掛かって開けられたとき、開閉速度は、同図(a)の一点鎖線の如く変位し、その途中の最高速度が普段に比べて低くなる。
そこで、同図(a)のように、ユーザが第2キャビネット2を普段通り開ける場合の標準的な最高速度Va1が想定され、上記開放閾値Voが、この最高速度Va1よりも低い値に設定される。そして、図4(b)に示すように、高低2段階の輝度レベルが用意され、検出された開閉速度が開放閾値Voよりも高い場合は、バックライトの輝度が高輝度に設定され、検出された開閉速度が開放閾値Vo以下の場合は、バックライトの輝度レベルが低く設定される。
反対に、ユーザが第2キャビネット2を閉塞する際、表示画面(バックライト)の明るさが気にならない状況下では、第2キャビネット2が普段通りの速さで閉じられる。よって、第2キャビネット2が時間t3だけ掛かって閉じられたとき、開閉速度は、図4(c)に表された実線の如く変位する。一方、表示画面(バックライト)の明るさが気になる状況下では、ユーザが周りの状況を気にしながら閉じるため、第2キャビネット2が素早く閉じられる。よって、第2キャビネット2が時間t4だけ掛かって閉じられたとき、開閉速度は、同図(c)の一点鎖の如く変位し、その途中の最高速度が普段に比べて高くなる。
そこで、同図(c)のように、ユーザが第2キャビネット2を普段通り閉じる場合の標準的な最高速度Va2が想定され、上記閉塞閾値Vcが、この最高速度Va2よりも高い値に設定される。そして、図4(d)に示すように、高低2段階の輝度レベルが用意され、検出された開閉速度が閉塞閾値Vc以下の場合は、バックライトの輝度が高輝度に設定され、検出された開閉速度が閉塞閾値Vcより高い場合は、バックライトの輝度レベルが低く設定される。
以下、周囲が暗い場合における、メインバックライト22、サブバックライト24、キーバックライト12の輝度制御を、図5および図6のフローチャートに従って説明する。図5は、周囲が暗い状況で、第2キャビネット2を閉じた状態から開いたときの輝度制御を示すフローチャートである。
第2キャビネット2が閉じられた状態にあるときには、メイン表示パネル21およびキー操作部11は隠れた状態にあるので、メインバックライト22およびキーバックライト12は消灯されている。また、サブバックライト24は点灯している。このとき、サブバックライト24は、低輝度となるよう駆動制御されていても良いし、高輝度となるよう駆動制御されていても良い。
第2キャビネット2が閉じられた状態から、ユーザが第2キャビネット2を開放し始めると、回転軸32が回動し始めたことが、回転角センサ35によって検出される。CPU100は、第2キャビネット2が回動し始めたと判断すると(S101:YES)、タイマー105を用いて計時を開始する(S102)。
次に、CPU100は、回転角センサ35からの検出信号によって、第2キャビネット2が一定角度(たとえば、10度)だけ回動したか否かを判断する(S103)。そして、一定角度回動したと判断すると(S103:YES)、CPU100は、計時を終了し(S104)、一定角度回動するのに要した時間からこの回動区間の角速度を算出する(S105)。
次に、CPU100は、算出した角速度(算出値)が、メモリ107に現在保存されている角速度(保存値)よりも大きいか否かを判断し(S106)、大きければ、(S106:YES)、その算出値を保存値に置き換えてメモリ107に保存する(S107)。一方、算出値が保存値以下であれば(S106:NO)、現在の保存値をそのまま保存しておく。なお、初回の算出では、メモリ107に保存値がないため、算出値がそのまま保存される。
次に、CPU100は、第2キャビネット2の回動が停止したか否かを判断する(S108)。CPU100は、第2キャビネット2が回動し続けていると判断すると(S108:NO)、ステップ102に戻って、ステップS102からステップS107の動作を実行する。すなわち、次の回動区間の角速度を算出し、その算出値がそのときにメモリ107に保存されている角速度より大きければ、当該算出値をメモリ107に上書きする。
こうして、ステップS108で第2キャビネット2が停止したと判断されるまで、角速度が順次算出され、角速度がそれまで最大であった角速度を超える度に、メモリ107に保存された角速度が更新されていく。これにより、第2キャビネット2が停止して、角速度の検出が終了するときには、最大の角速度がメモリ107に保存されていることになる。
次に、CPU100は、第2キャビネット2が停止したと判断すると(S108:YES)、メモリ107に保存された最大角速度を読み出して、予め定められた開放閾値Voと比較する(S109)。最大角速度が開放閾値Voよりも大きければ(S109:YES)、CPU100は、メインバックライト22が高輝度で点灯するよう設定し、また、サブバックバックライト24が消灯するよう設定し、さらに、キーバックライト12が高輝度で点灯するよう設定する(S110)。
一方、最大角速度が開放閾値Vo以下であれば(S109:NO)、CPU100は、メインバックライト22が低輝度で点灯するよう設定し、また、サブバックバックライト24が消灯するよう設定し、さらに、キーバックライト12が低輝度で点灯するよう設定する(S111)。
CPU100は、3つのバックライトを上記の設定の通り駆動するようにバックライド駆動回路108へ制御信号を出力する。これにより、バックライト駆動回路108は、サブバックライト24への電圧信号の供給を停止するとともに、メインバックライト22およびキーバックライト12に対して、設定に応じた電圧信号を供給する(S112)。こうして、メインバックライト22およびキーバックライト12は、第2キャビネット2が相対的に速く開かれれば、高輝度で点灯し、第2キャビネット2が相対的に遅く開かれれば、低輝度で点灯する。
上述のように、開放閾値Voは、ユーザが第2キャビネット2を普段通り開けた場合に想定される角速度よりも低い値に設定されている。よって、周囲が暗い中、ユーザが、表示画面からの明かり漏れを気にしないで、普段通りの速さで第2キャビネット2を開けたときには、メインバックライト21およびキーバックライト12が高輝度で点灯することなる。一方、ユーザが、表示画面からの光漏れを気にするがゆえに、第2キャビネット2をゆっくりと開けたときには、メインバックライト21およびキーバックライト12が低輝度で点灯することになる。
このように、図5の輝度制御によれば、ユーザがメイン表示パネル21やキー操作部11からの明かり漏れを気にするような状況下、たとえば、暗くされた映画館や会議場等で、携帯電話機が使用されるときには、メインバックライト21およびキーバックライト12を低輝度で点灯させることができるので、ユーザは、周囲の人に極力迷惑をかけることなく携帯電話機の使用を行うことができる。
図6は、第2キャビネット2を開いた状態から閉じたときの輝度制御を示すフローチャートである。第2キャビネット2が開かれた状態にあるときには、メイン表示パネル21が使用されているのでサブ表示パネル23は使用されておらず、サブバックライト24は消灯されている。このとき、メインバックライト22およびキーバックライト12は、低輝度となるよう駆動制御されていても良いし、高輝度となるよう駆動制御されていても良い。
第2キャビネット2が開かれた状態から、ユーザが第2キャビネット2を閉じ始めると、回転軸32が回動し始めたことが、回転角センサ35によって検出される。このときの輝度制御は、回動方向が異なるだけであって、最大角速度を求める動作(ステップS101〜S108の動作)までは、第2キャビネット2を開く場合と同様である。
CPU100は、最大角速度を取得すると、この最大角速度を予め定めた閉塞閾値Vcと比較し(S113)、最大角速度が閉塞閾値Vcより大きければ(S113:YES)、メインバックライト22が消灯するよう設定し、また、サブバックライト24が低輝度で点灯するよう設定し、さらに、キーバックライト12が消灯するよう設定する(S114)。
一方、最大角速度が閉塞閾値Vc以下であれば(S113:NO)、CPU100は、メインバックライト22が消灯するよう設定し、また、サブバックライト24が高輝度で点灯するよう設定し、さらに、キーバックライト12が消灯するよう設定する(S115)。
こうして、CPU100からの制御信号によって、バックライト駆動回路108は、メインバックライト22およびキーバックライト12の電圧信号の供給を停止するとともに、サブバックライト24に対して、設定に応じた電圧信号を供給する(S112)。これにより、サブバックライト24は、第2キャビネット2が相対的に速く閉じられれば、低輝度で点灯し、第2キャビネット2が相対的に遅く閉じられれば、高輝度で点灯する。
上述のように、閉塞閾値Vcは、ユーザが第2キャビネット2を普段通り閉じた場合に想定される角速度よりも高い値に設定されている。よって、周囲が暗い中、ユーザが、表示画面からの明かり漏れを気にしないで、普段通りの速さで第2キャビネット2を閉じたときには、サブバックライト24が高輝度で点灯することなる。一方、ユーザが、表示画面からの光漏れを気にするがゆえに、第2キャビネット2を素早く閉じたときには、サブバックライト24が低輝度で点灯することになる。
こうして、ユーザがサブ表示パネル23からの明かり漏れを気にするような状況下、たとえば、暗くされた映画館や会議場等で、携帯電話機が閉じられて待機状態になったときに、サブバックライト24を低輝度で点灯させることができるので、周囲の人に極力迷惑をかけることなく携帯電話機を待機状態にできる。
なお、周囲が明るい場合も、上記テーブルに従って、上記と同様の輝度制御が行われる。上記輝度制御と異なるのは、キーバックライト12が常に消灯される点である。これは、周囲が明るいときには、キー操作部11に光を当てなくても、キーに付された表示がよく見えるからである。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態につき図面を参照して説明する。図7は携帯電話機の外観構成を示す図であり、同図(a)は、第1キャビネット1に対して第2キャビネット2をスライドさせ、テンキー部13を露出させた状態を示す正面図、同図(b)は同じ状態での側面図である。同図(c)は同図(b)のA−A´断面図である。
携帯電話機は、第1キャビネット1と第2キャビネット2を備える。第1キャビネット1には、テンキー部13が設けられている。テンキー部13には、複数個の番号・文字入力キーが配されている。テンキー部13の背後には、第1の実施形態と同様、キーバックライト12が配されている。これにより、ユーザは、周囲が暗くても各キーに付された表示を見ることができる。
第2キャビネット2には、第1の実施形態同様、メイン表示パネル21、メインバックライト22、カメラモジュール25およびレンズ窓26が配されている。
第2キャビネット2には、さらに、正面側にメインキー部27が配されている。メインキー部27には、各種の機能モード(カメラ撮影モード、メール送受信モード、インターネットモード)への切替えキー、通話開始キー、通話終了キーなどが配されている。
第2キャビネット2は、スライド機構部4によって、第1キャビネット1に対し長手方向(図7(b)のX軸方向)にスライド可能に連結されている。図7(c)に示すように、スライド機構4は、カイド板41とカイド溝42によって構成されている。カイド板41は、第2キャビネット2の背面の左右両端部に設けられており、その下端に突条41aを有する。カイド溝42は、第1キャビネット1の側面に、スライド方向(図7(b)のX軸方向)に沿って形成されている。カイド板41の突条41aは、カイド溝42に係合されている。
携帯電話機を閉じた状態では、図7(b)に一点鎖線に示すように、第2キャビネット2が第1キャビネット1の上に略完全に重なっている。この状態(閉じた状態)では、第2キャビネット2の背後にテンキー部13が隠れた状態となる。第2キャビネット2は、カイド板41がガイド溝42の終端位置に達するまでスライドする(開く)ことができる。第2キャビネット2が完全に開くと、テンキー部13が外部に露出する。
第1キャビネット1と第2キャビネット2には、第2キャビネット2の開閉を検出するための開閉検出部5が配されている。開閉検出部5は、第1キャビネット1側に設けられた閉センサ51および開センサ52と、第2キャビネット2側に設けられた磁石53によって構成されている。磁石53は、第2キャビネット2の端部に配されており、閉センサ51は、第2キャビネット2が完全に閉じたときに、磁石53に近接する位置に配されている。一方、開センサ52は、第2キャビネット2が完全に開いたときに、磁石53に近接する位置に配されている。閉センサ51および開センサ52は、たとえば、ホール素子で構成され、磁石53の磁力に反応して検出信号を出力する。第2キャビネット2が閉じた状態から開いた状態となると、閉センサ51からオフ信号が出力され、開センサ52からオン信号が出力される。反対に、第2キャビネット2が開いた状態から閉じた状態になると、開センサ52からオフ信号が出力され、閉センサ51からオン信号が出力される。
第2キャビネット2の内部には、加速度センサ28が配されている。加速度センサ28は、スライド方向の加速度を検出するように配されている。
図8は、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。この実施形態の携帯電話機では、第1の実施形態のキー操作部11に替えて、メインキー部27およびテンキー部13が配され、回転角センサ35に替えて加速度センサ28が配されている。また、閉センサ51および開センサ52が付加され、サブ表示パネル23およびサブバックライト24が除かれている。さらに、メモリ107には、図3に示すテーブルに代えて図9に示すテーブルが記憶されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
上記構成に基づく、本実施の形態のメインバックライト22、キーバックライト12の輝度制御(周囲が暗い場合)を、図10および図11のフローチャートに従って説明する。図10は、周囲が暗い状況で、第2キャビネット2を閉じた状態から開いたときの輝度制御を示すフローチャートである。
第2キャビネット2が閉じられた状態にあるときには、テンキー部13は隠れた状態にあるので、キーバックライト12は消灯されている。また、携帯電話機が待機状態である場合には、メインバックライト22も消灯されている。この状態で携帯電話機に着信があれば、メインバックライト22が点灯される。このとき、メインバックライト22は、低輝度となるよう駆動制御されていても良いし、高輝度となるよう駆動制御されていても良い。
第2キャビネット2が閉じられた状態から、ユーザが第2キャビネット2を開放し始めると、閉センサ51からオフ信号が出力される。CPU100は、第2キャビネット2がスライドし始めたと判断すると(S201:YES)、タイマー105を用いて計時を開始する(S202)。
次に、CPU100は、一定時間(たとえば、0.1秒)が経過したか否かを判断し(S203)、一定時間が経過したと判断すると(S203:YES)、計時を終了し(S204)、加速度センサ28からの検出信号に基づいて加速度を検出する(S205)。そして、検出した加速度を積分演算することにより速度を算出する(S206)。
次に、CPU100は、算出した速度(算出値)が、メモリ107に現在保存されている速度(保存値)よりも大きいか否かを判断し(S207)、大きければ、(S207:YES)、その算出値を保存値に置き換えてメモリ107に保存する(S208)。一方、算出値が保存値以下であれば(S207:NO)、現在の保存値をそのまま保存しておく。なお、初回の算出では、メモリ107に保存値がないため、算出値がそのまま保存される。
次に、CPU100は、第2キャビネット2のスライドが停止したか否かを判断する(S209)。CPU100は、第2キャビネット2がスライドし続けていると判断すると(S209:NO)、ステップ202に戻って、ステップS202からステップS208の動作を実行する。
こうして、ステップS209で第2キャビネット2が停止したと判断されるまで、速度が順次算出され、算出された速度がそのときメモリに保存されている速度よりも大きくなる度に、メモリ107内の速度が更新されていく。これにより、第2キャビネット2が停止して、速度の検出が終了するときには、最大の速度がメモリ107に保存されていることになる。
次に、CPU100は、第2キャビネット2が停止したと判断すると(S209:YES)、メモリ107に保存された最大速度を読み出して、予め定められた開放閾値Voと比較する(S210)。第2の実施形態における開放閾値Voも、第1の実施形態同様、ユーザが第2キャビネット2を普通に(普段通り)開ける場合に想定される速度よりも低い値に設定されている。
CPU100は、最大速度が開放閾値Voよりも大きければ(S210:YES)、メインバックライト22およびキーバックライト12が高輝度で点灯するよう設定する(S211)。一方、最大速度が開放閾値以下であれば(S210:NO)、メインバックライト22およびキーバックライト12が低輝度で点灯するよう設定する(S212)。
CPU100は、3つのバックライトを上記の設定の通り駆動するようにバックライド駆動回路108へ制御信号を出力する。これにより、バックライト駆動回路108は、メインバックライト22およびキーバックライト12に設定に応じた電圧信号を供給する(S213)。こうして、メインバックライト22およびキーバックライト12は、第2キャビネット2が相対的に速く開かれれば、高輝度で点灯し、第2キャビネット2が相対的に遅く開かれれば、低輝度で点灯する。
こうして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、ユーザがメイン表示パネル21やテンキー部13からの明かり漏れを気にするような状況下、たとえば、暗くされた映画館や会議場等で、携帯電話機が使用されるときには、メインバックライト21およびキーバックライト12を低輝度で点灯させることができるので、周囲の人に極力迷惑をかけることなく携帯電話機の使用を行うことができる。
図11は、周囲が暗い状況で、第2キャビネット2を開いた状態から閉じたときの輝度制御を示すフローチャートである。第2キャビネット2が開かれた状態にあるときには、メインバックライト22およびキーバックライト12は、低輝度となるよう駆動制御されていても良いし、高輝度となるよう駆動制御されていても良い。
第2キャビネット2が開かれた状態から、ユーザが第2キャビネット2を閉じ始めると、開センサ52からオフ信号が出力される。このときの制御は、スライド方向が異なるだけであって、最大速度を求める動作(ステップS201〜S209の動作)までは、第2キャビネット2を開く場合と同様である。
CPU100は、最大速度を取得すると、その最大速度を予め定めた閉塞閾値Vcと比較する(S113)。第2の実施形態における閉塞閾値Vcも、第1の実施形態同様、ユーザが第2キャビネットを普通に(普段通り)閉じる場合に想定される速度よりも高い値に設定されている。
CPU100は、最大速度が閉塞閾値Vcより大きければ(S214:YES)、メインバックライト22が低輝度で点灯するよう設定し、また、キーバックライト12が消灯するよう設定する(S215)。一方、最大速度が閉鎖閾値Vc下であれば(S214:NO)、CPU100は、メインバックライト22が高輝度で点灯するよう設定し、さらに、キーバックライト12が消灯するよう設定する(S216)。
こうして、CPU100からの制御信号によって、バックライト駆動回路108は、キーバックライト12の電圧信号の供給を停止するとともに、メインバックライト22に設定に応じた電圧信号を供給する(S213)。これにより、メインバックライト22は、第2キャビネット2が相対的に速く閉じられれば、低輝度で点灯し、第2キャビネット2が相対的に遅く閉じられれば、高輝度で点灯する。
こうして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、ユーザがメイン表示パネル21からの明かり漏れを気にするような状況下、たとえば、暗くされた映画館や会議場で、携帯電話機が待機状態になったときに、メインバックライト22を低輝度で点灯させることができるので、ユーザは、周囲の人に極力迷惑をかけることなく携帯電話機を待機状態にできる。
<その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、第1の実施形態では、回転角センサ35を用いて開閉時の角速度を算出するようにしているが、これに限らず、加速度センサを用いても良い。この場合、加速度センサは、図1(a)に示すX軸方向およびY軸方向の加速度を検出できるものが使用される。そして、X軸方向の加速度とY軸方向の加速度が検出され、これらを合成した加速度から積分演算によって速度が算出される。
また、第2の実施形態では、加速度センサ28を用いて開閉時の速度を算出しているが、これに限らず、速度が直接検出できる速度センサを用いても良い。
さらに、第2の実施形態では、第2キャビネット2がスライドしているときに第1キャビネット1が同方向にスライドすると、第2キャビネット2の第1キャビネット1に対する速度が、実際よりも大きく検出される惧れがある。
そこで、このような場合に検出精度を向上させるため、以下のようにしても良い。すなわち、第2キャビネット2がスライドを開始する前(開き始める前)から加速度を検出しておく。そして、スライドを開始する直前に加速度が検出されれば、第1キャビネット1が移動しており、それがスライド中にも継続されると考えられるので、スライド中に検出された加速度から、その直前の加速度を差し引くようにする。もしくは、加速度センサを第1キャビネット1側にも配しておき、第2キャビネット2側の加速度センサで検出した加速度と第1キャビネット1側の加速度センサで検出した加速度との差を求めるようにしても良い。こうすると、第2キャビネット2のスライド速度をより正確に検出することができる。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態では、閾値を一つとしているが、これに限らず、閾値を複数設定し、開閉速度に応じてさらに細かく輝度を調整するようにしても良い。
たとえば、図12に示す構成例では、輝度レベルが5段階に設定されているとともに、開放閾値Voおよび閉塞閾値Vcを、それぞれ4つずつ設けている。開放閾値Voは、図12(a)に示すように、最も高い閾値Vo4が、上述した標準的な最高速度Va1と同じに設定され、それより速度が小さくなる方向に、所定の間隔で3つの閾値Vo3、Vo2、Vo1が設定されている。こうして、図12(b)に示すように、開放時の開閉速度と閾値Vo1〜Vo4との関係に応じて、輝度レベルが、最も低いレベル1から最も高いレベル5の間で調整される。
また、閉塞閾値Vcは、図12(c)に示すように、最も低い閾値Vc1が、上述した標準的な最高速度Va2と同じに設定され、それより速度が大きくなる方向に、所定の間隔で3つの閾値Vc2、Vc3、Vc4が設定されている。こうして、図12(d)に示すように、閉塞時の開閉速度と閾値Vc1〜Vc4との関係に応じて、輝度レベルが、最も高いレベル5から最も低いレベル1の間で調整される。
このような構成とすれば、ユーザは、使用状況に応じて、メイン表示パネル等の明かりの調整をより細かく行うことができる。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態では、第2キャビネット2の標準的な最高速度を想定し、この最高速度を基準として開放閾値Voや閉塞閾値Vcが設定されている。しかし、ユーザそれぞれ、普段通りに開閉したときの開閉速度は異なるため、必ずしも設定された閾値がユーザにとって最適なものとならないこともある。
そこで、たとえば、閾値設定のためのテストモードを設け、テストモードにおいて、ユーザに、複数回、第2キャビネット2を開閉してもらい、取得した複数の最高速度の平均値を求め、これに基づいて開放閾値Voや閉塞閾値Vcを設定するようにしても良い。このような構成とすれば、ユーザそれぞれに応じた閾値の設定ができるので、より良い輝度制御を行うことができる。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態では、開閉中に検出した複数の速度(角速度)のうちの最高速度を閾値と比較するようにしたが、これに限らず、複数の速度の平均値を算出し、この平均値を閾値と比較するようにしても良い。
さらに、第1の実施形態では、メイン表示パネル21およびサブ表示パネル22が第2キャビネット2側に設けられているが、これに限らず、少なくともどちらか一方が第1キャビネット1側に設けられても良い。
また、上記実施の形態では、メイン表示パネル21が第2のキャビネット2のみに配置されているが、第1のキャビネット1と第2のキャビネット2の両方にメイン表示パネルが配されていてもよく、また、メイン表示パネル21の配置面も、上記以外の面に設定することも可能である。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。