JP4970128B2 - 産業用ロボット及び集合処理装置 - Google Patents

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本発明は、産業用ロボット及び集合処理装置に関し、更に詳しくは、例えば半導体製造装置等の集合処理装置内でのワークの搬送時間等を短縮することができる産業用ロボット及びその産業用ロボットを備えた集合処理装置に関する。
半導体デバイスの製造システムにおいては、半導体デバイスを製造するためのシステムにワーク搬送ロボットを組み込んだシステムが用いられている。こうした製造システムは、減圧雰囲気下で処理する複数のプロセスチャンバを有している。また、トランスファチャンバ内に設置されたワーク搬送ロボットは、複数のプロセスチャンバの中の所定のプロセスチャンバに対し、半導体ウエハの出し入れ(以下、搬入/搬出ともいう。)を行うように動作する。このとき、半導体ウエハを各プロセスチャンバに搬入/搬出する毎にプロセスチャンバ内を常圧に戻すとすると、再びプロセスチャンバ内を減圧して処理を開始するまでに多くの時間を要し、スループットの低下を招くことになるので、近年の製造システムは、一般的に、各プロセスチャンバに半導体ウエハを搬入/搬出するワーク搬送ロボットを含むトランスファチャンバ空間を予備減圧室(ロードロック室)とした製造システムが採用されている。こうした製造システムにより、プロセスチャンバ内を常圧にまで戻すことなく半導体ウエハを搬入/搬出できるので、スループットの向上を図って搬送効率を向上させている。
こうした製造システムに用いられるワーク搬送ロボットとしては、搬送効率の向上や動作時間を短縮させることを目的とした搬送ロボットが種々提案されている。
例えば特許文献1中の図16には、図中の符号を用いて説明すれば、対となる両ボス部材50a,50bが互いに逆方向に回転することにより、一方のロボットリンク機構Bが突出動作し、他方のロボットリンク機構Bが没入動作するハンドリング用ロボットAが提案されている。このハンドリング用ロボットAは、一方のロボットリンク機構Bの突出動作により、搬送台8a,8bがトランスファチャンバよりゲート6を通ってプロセスチャンバ内に入り、搬送台8a,8b上に載置したワークをプロセスチャンバ内に受け渡し、あるいはプロセスチャンバ内にあるワークを受け取る。また、没入動作により、搬送台8a,8bがプロセスチャンバからトランスファチャンバ側へ戻る。
しかしながら、上記ハンドリング用ロボットAはリンク機構により構成されているので、2つの搬送台8a,8bはそれぞれ独立した動作を行うことができない。さらに、ボス部材50a,50bが上下に位置し、2つの搬送台8a,8bも上下に配置されているので、プロセスチャンバ内のワークを一方の搬送台8aで搬出した後に他方の搬送台8bで別のワークを搬入する場合、ハンドリング用ロボットAを上下方向に移動させて搬送台8bの上下方向の座標位置をプロセスチャンバの座標位置と一致させなければならない。
また、例えば特許文献1中の図3には、図中の符号を用いて説明すれば、回転中心に対して同長の2本のアーム7a,7bがそれぞれ回転可能に設けられたフロッグレッグ式の双腕型のハンドリング用ロボットAが提案されている。このロボットAは、同一形状の2つの搬送台8a,8bを回転中心に対して両側に位置して有しており、この各搬送台8a,8bの基部に、同長の2本のリンク9a,9bの一端が連結されている。この両リンク9a,9bの一端は搬送台8a,8bに対してフロッグレッグ式の搬送台姿勢規制機構を介して連結されており、両リンク9a,9bは各搬送台8a,8bに対して完全に対称方向に回転するようになっている。そして、各搬送台8a,8bに連結した2本のリンクのうちの一方のリンクは一方のアーム7aに連結され、他方のリンクは他方のアーム7bに連結されている。
このハンドリング用ロボットAが備える各搬送台8a,8bは上下方向の座標位置が同じであるため、プロセスチャンバ内のワークを一方の搬送台8aで搬出した後に他方の搬送台8bで別のワークを搬入する場合、ハンドリング用ロボットAを上下方向に移動させる必要はない。しかしながら、各搬送台8a,8bを動作させるアーム7a,7bはリンク9a,9bで連結しているので、各アームを独立に動作させることはできない構造となっている。
また、例えば特許文献2中の図2及び図4Aには、図中の符号を用いて説明すれば、可動アームアセンブリ18と、2つの基板ホルダ22,23と、同軸駆動軸アセンブリ20とを有する基板移送装置12が提案されている。この基板移送装置12において、可動アームアセンブリ18は、ほぼX字形の同軸駆動軸アセンブリ20を有し、また、基板ホルダ22,23は、X字形部材28の異なる対のアーム部30,31,32,33に接続され、また、同軸駆動軸アセンブリ20は、伸張位置と収縮位置と間の反転一斉運動で、基板ホルダ22,23のアーム部30,31,32,33を動かすように構成されている。
しかしながら、この基板移送装置12は、上記特許文献1中の図16に記載のハンドリング用ロボットAと同様、リンク機構により構成されているので、2つの基板ホルダ22,23はそれぞれ独立した動作を行うことができない。さらに、基板ホルダ22,23が上下に配置されているので、例えばプロセスチャンバ内のワークを一方の基板ホルダ23で搬出した後に他方の基板ホルダ22で別のワークを搬入する場合、同軸駆動軸アセンブリ20全体を上下方向に移動させて基板ホルダ22,23の上下方向の座標位置をプロセスチャンバの座標位置と一致させなければならない。
特開平11−207666号公報 特開平11−514303号公報
上記特許文献1,2に記載のロボットは、ダブルアームを駆動させることによってスループットの向上を図っているが、その駆動はいずれもリンク機構となっており、一方のアームがワークを搬入/搬出している間、他方のアームは後方で待機状態となっていることから、搬送時間短縮の観点からは不十分である。
また、上記特許文献1,2においては、ワークを載置する搬送台(ハンド部材)の座標位置が上下方向にずれているものが記載されているが、こうしたずれは、上記のように、プロセスチャンバ内のワークを一方の搬送台で搬出した後に他方の搬送台で別のワークを搬入する場合、搬送台の駆動軸等を上下方向に大きく移動させて搬送台の上下方向の座標位置をプロセスチャンバの座標位置と一致させるという動作を加えなければならず、動作機構が煩雑となり、搬送時間短縮の観点からは不十分である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、各アームを独立して動作させるとともに、各アームの上下方向の座標位置を同じにして、ワークの搬送時間等を短縮することができる産業用ロボットを提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうした産業用ロボットを備えた集合処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の産業用ロボットは、基台部側からアーム部及びハンド部の順で連結され、当該ハンド部を所定方向に向けながら伸縮自在に動作するアームを2つ以上有する産業用ロボットであって、前記アームそれぞれは、アーム伸縮軸を回動中心として前記アームを伸縮させるアーム伸縮用駆動源と、アーム旋回軸を回動中心として前記アームを旋回させるアーム旋回用駆動源と、前記ハンド部の上下方向の座標位置をほぼ同じにする連結部材と、前記アーム伸縮用駆動源の駆動力を前記アーム旋回軸に伝達する伝達手段とを備え、該伝達手段は、前記アーム伸縮用駆動源が有するAプーリと、前記アーム旋回用駆動源が有するBプーリと、当該Aプーリと当該Bプーリとの間に掛けられた連結ベルトと、前記Bプーリと同軸回転するように設けられたCプーリと、前記アーム旋回軸に設けられたDプーリと、当該Cプーリと当該Dプーリとの間に設けられた伝動ベルトと、で構成される、ことを特徴とする。
この発明によれば、アームそれぞれが、アーム伸縮軸を回動中心としてアームを伸縮させるアーム伸縮用駆動源と、アーム旋回軸を回動中心としてアームを旋回させるアーム旋回用駆動源とを備えるので、それぞれのアームが、その伸縮と旋回を独自に行うことができる。また、この発明によれば、ハンド部の上下方向の座標位置をほぼ同じにする連結部材を備えるので、それぞれのアームが、例えばプロセスチャンバ内のワークの搬出と搬入を駆動軸等の大きな上下移動をさせずに行うことができる。したがって、本発明によれば、ワークの搬送時間やサイクルタイム等を短縮でき、作業性を高めることができる。また、アーム伸縮用駆動源の駆動力をアーム旋回軸に伝達する伝達手段を備えるので、アームの伸縮動作を、アーム旋回用駆動源を動作させることなく行うことができる。その結果、アーム伸縮用駆動源によってアーム伸縮軸の回転を制御することで、アームの伸縮動作を制御できる。
本発明の産業用ロボットの好ましい態様は、前記アームのうちの1つのアームを動作させるアーム伸縮軸が中実軸であり、それ以外の軸である前記アーム旋回軸及び他のアームのアーム伸縮軸が前記中実軸と同心になるように設けられた中空軸であるように構成する。
この発明によれば、アーム伸縮軸とアーム旋回軸とが同心となるように構成されるので、一つの同心軸を有するコンパクトな構造となるとともに、例えば減圧環境下に設置した際の密封性を高めることができる。
本発明の産業用ロボットの好ましい態様は、前記アーム部と前記ハンド部は、前記基台部側から、第1アーム部材、第2アーム部材及びハンド部材の順で連結され、前記第1アーム部材は、前記基台部側にあって前記アーム伸縮軸に連結する第1プーリと、前記第2アーム部材側にあって当該第2アーム部材に連結する第2プーリと、当該第1プーリ及び当該第2プーリ間に掛かる第1ベルトとを有し、前記第2アーム部材は、前記第2プーリと同心となるように設けられた第3プーリと、前記ハンド部材側にあって当該ハンド部材に連結する第4プーリと、当該第3プーリ及び当該第4プーリ間に掛かる第2ベルトとを有するように構成する。
この発明によれば、アーム伸縮軸を回転させることにより、ハンド部を所定方向に向けながら伸縮自在に動作させることができ、アーム旋回軸を回転させることによりアームを所定方向に旋回させることができる。
上記課題を解決するための本発明の集合処理装置は、上記本発明の産業用ロボットと、当該産業用ロボットが設置されるトランスファチャンバと、当該トランスファチャンバの周囲に配置され、前記産業用ロボットが備える2つ以上のアームによってワークの搬入/搬出が行われる複数のプロセスチャンバと、を備えることを特徴とする。なお、「集合」とは、プロセス装置が多く、そうしたプロセス装置をプロセスチャンバとしてトランスファチャンバの周りに配置した状態を示す。
この発明によれば、産業用ロボットが備える2つ以上のアームは、それぞれがアーム伸縮用駆動源とアーム旋回用駆動源とを備えて独立に動作し、それぞれが備えるハンド部に載置されるワークの高さがほぼ同じであるように構成されているので、トランスファチャンバの周囲に配置されたプロセスチャンバに対するワークの搬入/搬出等の時間を短縮することができる。
本発明の産業用ロボットによれば、それぞれのアームが、その伸縮と旋回を独自に行うことができるとともに例えばプロセスチャンバ内のワークの搬出と搬入を駆動軸等の大きな上下移動をさせることなく行うことができるので、ワークの搬送時間やサイクルタイム等を短縮でき、作業性を高めることができる。さらに、本発明の産業用ロボットによれば、それぞれのアームの旋回と伸縮は、アーム旋回軸とアーム伸縮軸それぞれを個別に回転させて行うことができるので、制御する軸数が少なく、コストメリットのある装置構造となっている。
また、本発明の集合処理装置によれば、トランスファチャンバの周囲に配置されたプロセスチャンバに対するワークの搬入/搬出等の時間を短縮することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。なお、本発明の産業用ロボット及び集合処理装置は、その技術的特徴を有する範囲において、以下の説明及び図面に限定されない。
図1は、本発明の産業用ロボットの一例を示す透視正面図である。本発明の産業用ロボット(以下、「ロボット1」という。)は、図1に示すように、基台部100側からアーム部11及びハンド部12の順で連結され、そのハンド部12を所定方向に向けながら伸縮自在に動作するアーム10を2つ以上有する産業用ロボットである。
図1には2つのアーム10A,10Bを有するロボット1が例示されており、アーム10A,10Bそれぞれは、アーム伸縮軸2A,2Bを回動中心としてアーム10A,10Bを伸縮させるアーム伸縮用駆動源4A,4Bと、アーム旋回軸3A,3Bを回動中心としてアーム10A,10Bを旋回させるアーム旋回用駆動源5A,5Bと、ハンド部12の上下方向の座標位置P1,P2をほぼ同じにする連結部材と、を備えている。そして、2つのアーム10A,10Bのうちの1つのアーム10Aを動作させるアーム伸縮軸2Aが中実軸であり、それ以外の軸であるアーム旋回軸3A,3B及び他のアーム10Bのアーム伸縮軸2Bが前記の中実軸と同心になるように設けられた中空軸であるように構成されている。
なお、本願の説明及び図中の符号において、数字符号に続く「A」「B」の符号は、そうした2つのアーム10A,10Bに対応した構成要素であることを表している。本願発明の各構成要素について、それぞれのアーム10A,10Bに対応して説明するときは数字の後に「A」「B」を付すが、それぞれのアーム10A,10Bに対応しないで説明するときは数字の後に「A」「B」を付さないこととする。以下、本発明の産業用ロボット1を、構成要素ごとに詳しく説明する。
(アーム)
先ず、アーム10(10A,10B)について説明する。図2は、図1に示す2つのアームのうちの1つのアームを構成する第1アーム部材の内部構造を示す透視平面図(A)及びB−B断面図(B)であり、図3は、図1に示す2つのアームのうちの1つのアームを構成する第2アーム部材の内部構造を示す透視平面図(A)及びC−C断面図(C)である。本発明に係るロボット1は、2以上のアーム10を有している。それぞれのアーム10は、基台部100側からアーム部11及びハンド部12の順で連結され、ハンド部12を所定方向に向けながら伸縮自在に動作する。アーム部11とハンド部12は、基台部100側から、第1アーム部材20、第2アーム部材30及びハンド部材40の順で連結されて構成されている。
アーム部11を構成する第1アーム部材20は、基台部100側にあってアーム伸縮軸2に連結する第1プーリ21と、第2アーム部材30側にあって第2アーム部材30に連結する第2プーリ22と、第1プーリ21及び第2プーリ22間に掛かる第1ベルト23とを有している。また、アーム部11を構成する第2アーム部材30は、第2プーリ22と同心となるように設けられた第3プーリ31と、ハンド部材40側にあってハンド部材40に連結する第4プーリ32と、第3プーリ31及び第4プーリ32間に掛かる第2ベルト33とを有している。また、ハンド部12を構成するハンド部材40は、図1中に平面図として示したが、ウエハ等のワークを搭載して搬送するための搭載部41を有する部材である。アーム部11とハンド部12のこうした構成により、2つのアーム10A,10Bそれぞれは、アーム伸縮用駆動源4A,4Bとアーム旋回用駆動源5A,5Bとを備えて独立に動作することができるので、後述するように、トランスファチャンバの周囲に配置されたプロセスチャンバに対するワークの搬入/搬出等の時間を短縮することができる。
図1に示す例では、それぞれのアーム10A,10Bは、例えば、一方のアーム10Aが有する第1アーム部材20Aが、他方のアーム10Bが有する第1アーム部材20Bの上に重なるように設けられている。そして、それぞれの第1アーム部材20A,20Bに第2アーム部材30A,30B及びハンド部材40A,40Bが連結してアーム10A,10Bを構成している。
図7は、ハンド部の上下方向の座標位置を同じにする連結部材の透視正面図であるが、アーム10Bを構成する第1アーム部材20Bと第2アーム部材30Bとは、図示のように、連結部材28で連結されている。この連結部材28は、両アーム10A,10Bが備えるハンド部12A,12Bの上下方向の座標位置P,Pをほぼ同じにするように、上下方向に延びる連結部材28の高さhが調整されている。この連結部材28によって、図1等に示すように、第1アーム部材20Bが第1アーム部材20Aの下に配置されても、ハンド部12A,12Bの上下方向の座標位置P,Pを同じにすることができる。こうしたことは、例えばプロセスチャンバ内のワークの搬出と搬入を、それぞれのアーム10A,10Bの駆動軸を大きく上下動させずに行うことができるので、ワークの搬送時間やサイクルタイム等を著しく短縮でき、作業性を格段に向上させることができる。
各アーム10A,10Bについて以下に詳しく説明するが、本発明が以下の内容に限定されるものではない。
第1アーム部材20及び第2アーム部材30において、ベルトの材質は特に限定されず、スチールベルトでも、クロロプレンベルト、ニトリルゴムベルト、ウレタンゴムベルト等のゴムベルトでもよく、スチールベルトとゴムベルトとを組み合わせたハイブリッドベルトであっても構わない。本発明のロボット1が減圧雰囲気で用いられる場合には、ガスや粉塵の発生の少ないベルトが好ましく適用され、例えばフッ素ゴムベルト等を挙げることができる。また、ベルト形状についても、平ベルトでも、歯付きベルトでも、平ベルトと歯付きベルトとを組み合わせたハイブリッドベルトでもよい。各プーリの形状は、用いるベルトの種類に応じて選択され、平ベルトの場合は平プーリが用いられ、歯付きベルトの場合は歯付きプーリが用いられる。
第1プーリ21と第2プーリ22との間に掛けられた第1ベルト23を適当な張力にするために、図2に示すように、第1ベルト23を背面から押さえるアイドラプーリ26を設けてもよい。アイドラプーリ26は、微調整可能な機構で設けられており、このアイドラプーリ26により、第1ベルト23の張力を調整すると共に、第1プーリ21と第1ベルト23との間の接触角度をより大きくすることができる。
なお、図3に示す第2ベルト33は、歯付きベルト36(タイミングベルト)と、スチール製の平ベルト37とを組み合わせたハイブリッドベルトであり、両ベルトは連結部43で繋がれている。連結部43には、張力調整できる機構を一方又は両方に有していることが好ましい。なお、本願では、連結部の詳細及びハイブリッドベルトの詳細については割愛するが、ハイブリッドベルトに装着された連結部は、両側のプーリに接触しない位置までしか回動しないようになっている。
また、第1アーム部材20及び第2アーム部材30の内部には、図2及び図3に示すようなリブ25,35が設けられていてもよい。リブ25,35は、各アームの剛性を高めて変形を抑えるように作用するので、アームの肉厚を薄くして軽量化を図ることができる点で有利である。なお、リブ25,35には、第1アーム部材20の基端部に通じる抜き穴29,39を形成することが好ましい。この抜き穴29,39は、第1アーム部材20内の空気と第2アーム部材30内の空気を第1アーム部材20の基端部から外部に抜くための通路をなしており、ロボット1が減圧雰囲気に曝されると、第2アーム部材30内の空気は抜き穴39を通って第2アーム部材30の基端部から第1アーム部材20内に入り、さらに第1アーム部材20内の抜き穴29を通って第1アーム部材20の基端部から外部に容易に抜かれることになる。なお、第1アーム部材20の基端部とは、基台部100側のことであり、本願においては、アーム10を駆動させる基台部の軸上の部位である。その基端部には、アーム10内の空気を外部に逃がす開口部が設けられ、その開口部には、アーム内で発生した粉塵等を減圧雰囲気に逃がさないためのフィルター19が装着されている。
各プーリの径比については、第1プーリ21の径R1と第2プーリ22の径R2とはR1:R2=2:1の関係であり、第3プーリ31の径R3と第4プーリ32の径R4とはR3:R4=1:2の関係となっている。したがって、第1プーリ21、第2プーリ22(第3プーリ31)及び第4プーリ32の回転角比は1:2:1となるので、第1プーリ21と第2プーリ22(第3プーリ31)と第4プーリ32との回転角度比は、1:2:1となる。その結果、後述の図8に示すように、第1プーリ21を回動させて図8(A)の状態から図8(B)及び図8(C)の状態に変化させると、第1アーム部材20と第2アーム部材30との角度が変化するが、ハンド部材40は、第1アーム部材20の第1プーリ21の中心点Pと第2アーム部材30の第4プーリ32の中心点Rとを結んだ直線(仮想線X)上を、向きを一定にしながら伸縮するように移動することとなる。
本発明においては、アーム伸縮用駆動源4によってアーム伸縮軸2を回転させることにより、ハンド部40を所定方向に向けた状態下で、第1アーム部材20と第2アーム部材30とハンド部40とからなるアーム10の伸縮動作が行われる。他方、アーム旋回用駆動源5によってアーム旋回軸3を回転させることにより、第1アーム部材20を旋回し、アーム10全体の旋回動作が行われる。なお、こうした伸縮動作及び旋回動作については後で詳述する。
(基台部)
次に、基台部100について説明する。図4は、図1に示す基台部100の透視断面の拡大図である。基台部100は、図4に示すように、アーム10Aの伸縮動作を行うアーム伸縮軸2Aと、アーム10Aの旋回動作を行うアーム旋回軸3Aと、アーム10Bの伸縮動作を行うアーム伸縮軸2Bと、アーム10Bの旋回動作を行うアーム旋回軸3Bとを備えている。そして、各アーム10A,10Bは、図1及び図5に示すアーム伸縮用駆動源4A,4Bによってアーム伸縮軸2A,2Bを回動中心として伸縮し、また、アーム旋回用駆動源5A,5Bによってアーム旋回軸3A,3Bを回動中心として旋回するように動作する。本発明においては、アームの伸縮と旋回それぞれについての軸と駆動源を有するので、各アームの旋回と伸縮を独自に行うことができるという効果がある。
各軸2A,3A,2B,3Bは、アームのうちの1つのアームを動作させるアーム伸縮軸を中実軸とし、それ以外の軸であるアーム旋回軸及び他のアームのアーム伸縮軸を前記の中実軸と同心になるように設けた中空軸とするように構成することが好ましい。例えば、図4に示すように、アーム伸縮軸2Aを最も中心側に位置する中実軸とし、その中実軸を内部に備えるように3つの中空軸が軸心を同じにするように順次配置されている。具体的には、中心側から、中実軸からなるアーム伸縮軸2A、中空軸からなるアーム旋回軸3A、中空軸からなるアーム伸縮軸2B、中空軸からなるアーム旋回軸3Bの順で配置されている。こうした構成にすることにより、アームの駆動部分の構造を、軸心を同じくするコンパクトな構造にすることができるとともに、例えば図4に示すように、各軸2A,3A,2B,3Bの間を磁気シール7とベアリング6等を適用した封止構造にし易いので減圧環境下に設置した際の密封性を高めることができる。
また、本実施の形態において、各軸2A,3A,2B,3Bの間には、複数のベアリング6が軸端部側に配置され、できるだけ間隔をあけることで安定して支持するようにしている。さらに、ベアリング6間には、磁気シール7が配置されているが、磁気シール7の位置は外部側(図1及び図4の例ではベアリング間の下側)となっている。その理由は、ベルトには初期張力を作用させ、そのラジアル力による軸の変形を磁気シール7位置で押さえるため、磁気シール7の上部にベアリング6を2個配置するようにしている。
各軸2A,3A,2B,3Bには、それぞれプーリが設けられ、例えば、アーム伸縮軸2Aにはプーリ54Aが設けられ、アーム旋回軸3Aにはプーリ64Aが設けられ、アーム伸縮軸2Bにはプーリ54Bが設けられ、アーム旋回軸3Bにはプーリ64Bが設けられている。これらの各プーリは、図示のように同一径であることが好ましいが、異なる径であっても構わない。
図5は、図1に示すアーム伸縮用駆動源とアーム旋回用駆動源の構成を示す断面図である。アーム伸縮軸2Aは、アーム伸縮用駆動源4Aからの駆動力によって回動する。アーム伸縮用駆動源4Aからの駆動力は、図4及び図5に示すように、アーム伸縮用駆動源4Aに設けられたプーリ52Aと、アーム伸縮軸2Aに設けられたプーリ54Aと、それらのプーリ52A,54A間に掛けられたベルト53Aとで構成される伝達手段によって、アーム伸縮軸2Aに伝達する。伝達された駆動力は、アーム伸縮軸2Aを回転させ、そのアーム伸縮軸2Aの上端に設けられたプーリ21Aを回転させる。このプーリ21Aの回転は、上記のアーム説明欄で説明したように、第1アーム部材20と第2アーム部材30とハンド部40とからなるアーム10の伸縮動作を行わせる。なお、こうした伸縮動作は、他方のアーム10Bに対しても、アーム伸縮軸2Bが中空軸であること以外は同様である。
アーム旋回軸3Aは、アーム旋回用駆動源5Aからの駆動力によって回動する。アーム旋回用駆動源5Aからの駆動力は、図4及び図5に示すように、アーム旋回用駆動源5Aに設けられたプーリ62Aと、アーム旋回軸3Aに設けられたプーリ64Aと、それらのプーリ62A,64A間に掛けられたベルト63Aとで構成される伝達手段によって、アーム旋回軸3Aに伝達する。伝達された駆動力は、アーム旋回軸3Aを回転させ、そのアーム旋回軸3Aの上端に設けられた第1アーム部材20Aを回転させる。この第1アーム部材20Aの回転によって、アーム10A全体が旋回する。
このように、アーム10は、アーム伸縮軸2を回動させることによりアームが伸縮し、アーム旋回軸3を回動させることによりアーム全体が旋回するが、アーム旋回軸3を回動させずにアーム伸縮軸2を回動させるだけでは、第1アーム部材20のプーリ21が回転するだけであるため、図8に示すようなハンド部材40の向きを一定にしながら伸縮させることはできない。そのため、図8に示す動作を行うように、アーム伸縮軸2を回動させるのと同時にアーム旋回軸3も回動させるように制御することによって、ハンド部材40の向きを一定にしながら伸縮させる。
本発明のロボット1は、こうした制御を図5に示すように機械的に実現した点にも特徴がある。すなわち、本発明の好ましい態様として、図5に示すように、アーム伸縮用駆動源4Aの駆動力をアーム旋回軸3Aに伝達する伝達手段を備えるように構成する。より詳しくは、伝達手段は、図4及び図5に示すように、アーム伸縮用駆動源4Aが有するプーリ52A’(Aプーリともいう。)と、アーム旋回用駆動源5Aが有するプーリ62A’(Bプーリともいう。)と、プーリ52A’(Aプーリ)とプーリ62A’(Bプーリ)との間に掛けられた連結ベルト53A’と、プーリ62A’(Bプーリ)と隣接して設けられたプーリ62A(Cプーリともいう。)と、アーム旋回軸3Aに設けられたプーリ64A(Dプーリともいう。)と、プーリ62A(Cプーリ)とプーリ64A(Dプーリ)との間に設けられた伝動ベルト63Aとで構成される。
本発明のロボット1が上述した伝達手段を備えることにより、アーム伸縮用駆動源4Aの駆動力をアーム旋回軸3Aに伝達することができるので、アーム10の伸縮動作を、アーム旋回用駆動源5Aを動作させることなく行うことができる。その結果、アーム伸縮用駆動源4Aによってアーム伸縮軸2Aの回転を制御することで、同時にアーム旋回軸3の回転制御も行うことができ、ハンド部を所定方向に向けながらアームの伸縮動作を制御できる。
上記伝達手段において、アーム伸縮用駆動源4Aに設けられたプーリ52Aとプーリ52A’(Aプーリ)は、図5に示すように、同一径で上下に配置されている。また、アーム旋回用駆動源5Aに設けられたプーリ62Aとプーリ62A’(Bプーリ)も、図5に示すように、同一径で上下に配置されているが、前記のプーリ52Aよりも上方に位置するように設けられている。なお、プーリ52A,62Aの上下方向の座標位置は、アーム伸縮軸2Aとアーム旋回軸3Aに設けられたプーリ54A,64Aの上下方向の座標位置に対応している。
上述した伝達手段において、アーム伸縮用駆動源4Aの駆動力は、上側のプーリ52A、ベルト53A、アーム伸縮軸2Aの下端のプーリ54A、アーム伸縮軸2A、アーム伸縮軸2Aの上端のプーリ21Aの順に伝達され、アーム部12を伸縮させる。同時に、アーム伸縮用駆動源4Aの駆動力は、下側のプーリ52A’、ベルト53A’、アーム旋回用駆動源5Aの下端のプーリ62A’、プーリ62A、ベルト63A、アーム旋回軸3Aのプーリ64A、アーム旋回軸3A、アーム旋回軸3Aの上端の第1アーム部材20Aの順に伝達され、第1アーム部材20(アーム部20A)を旋回させる。したがって、こうした伝達手段によれば、アーム伸縮用駆動源4Aによってアーム伸縮軸2Aの回転を制御することで、ハンド部12Aを所定方向に向けた状態を維持しつつ、アーム10Aの伸縮を行うことができる。
一方、アーム旋回用駆動源5を駆動させれば、アームの伸縮を行わせることなくアームを旋回させることができ、また、アーム伸縮用駆動源4とアーム旋回用駆動源5とを同時に駆動させれば、伸縮させながら旋回させることができる。
以上のような駆動は、アーム伸縮用駆動源4Bとアーム旋回用駆動源5Bにおいても同様であり、アーム伸縮軸2Bとアーム旋回軸3Bに上記同様に駆動力を与え、アーム10Bの伸縮と旋回を行うことができる。なお、アーム伸縮用駆動源4とアーム旋回用駆動源5としては、サーボモータが用いられ、その駆動軸には、カップリングやベアリングで構成されたジョイント構造体が設けられ、また、必要に応じて減速機が設けられている。減速機は、駆動軸に直結していてもよいし、ギアやベルトで連結していてもよい。
また、アーム旋回用駆動源5に設けられるプーリ62,62’は、上下に重なるように配置されているが、アーム旋回軸3に駆動力を伝動させるためのプーリ62には、アーム旋回用駆動源5の駆動力がそのまま伝わるように構成されている。一方、アーム伸縮軸3からの駆動力を受けるためのプーリ62’は、アーム旋回用駆動源5の駆動力によっては回転しないが、そのプーリ62’がアーム伸縮用駆動源4Aからの駆動力で回転したときはプーリ62を回転させるように構成されている。こうしたプーリ62’は、いわゆるクロスローラベアリングを備えるものであり、具体的には、図5に示すように、クロスローラベアリング8とベアリング9とでラジアルスラスト負荷を受ける構造になっている。なお、アーム伸縮用駆動源4に設けられるプーリ52,52’も上下に重なるように配置されているが、これらのプーリ52,52’は、一体的に回転するように構成されている。
図6は、図1に示すアーム伸縮用駆動源とアーム旋回用駆動源の配置形態を示す透視平面図(A)(B)である。ここで、図6(A)は、軸部14が有するプーリ54A,64A,54B,64Bと、軸部14の周りに配置された各駆動源4A,5A,4B,5Bが有するプーリ52A,52A’,62A,62A’,52B,52B’,62B,62B’と、各プーリ間に掛けられたベルト53A,53A’,63A,53B,53B’,63Bとの位置関係を示す透視平面図であり、図6(B)は、アーム伸縮用駆動源4とアーム旋回用駆動源5との位置関係を示す透視平面図である。
アーム伸縮用駆動源4とアーム旋回用駆動源5は、図6に示すように、アーム伸縮軸2とアーム旋回軸3で構成された軸部14の周りに配置されている。具体的には、アーム10Aの伸縮と旋回に用いるアーム伸縮用駆動源4Aとアーム旋回用駆動源5Aとがペアとなって隣接して配置され、その対称位置には、アーム10Bの伸縮と旋回に用いるアーム伸縮用駆動源4Bとアーム旋回用駆動源5Bとがペアとなって隣接して配置されている。本発明のロボット1は、1つの軸部14の周りに4つの駆動源を配置したコンパクトな構造にすることができる。
ここで、図6(B)に示す符号80〜85を、図4を用いて説明する。図4には、軸部14を上下方向に移動させるための機構が示されている。軸部14の上下動は、例えばプロセスチャンバ内のワーク載置台にワークを載置し又はワーク載置台からワークを取り出す際にハンド部材40を僅かに上下に移動させる動作である。特に本発明のロボット1は、図7に示す連結部材28によってハンド部材40A,40Bの上下方向の座標位置P,Pがほぼ同じ位置に配置されているので、その上下動はワークの載置/取り出し時における僅かな移動であればよい。
図4に示す上下動機構は、軸部14を上下動させるための駆動源80と、駆動源80の回転によって回転するボールネジ81と、ボールネジ81の回転によって上下動するボールネジナット82と、ボールネジナット82に連結するとともに軸部14に連結するスライド部材84と、スライド部材84を支持するガイド部材83とで構成されている。駆動源80は必要に応じて減速機を備えたプーリ88を有し、そのプーリ88と、ボールネジ81の同軸上に設けられたプーリ87との間にはベルト89が掛け渡され、駆動源80の駆動力がボールネジ81に伝達される。なお、駆動力の伝達は、ギア連結によって行っても構わない。また、スライド部材84は、ボールネジ81の周りに複数設けることが上下動の安定性に点で好ましく、図8に例では4つのスライド部材84をボールネジ81を中心にして対称配置した構成としている。
ボールネジ81の回転は、ボールネジナット82を上下動させるので、そのボールネジナット82とスライド部材84とを連結アーム85で一体化させれば、ボールネジ81の上下動がスライド部材84の上下動となり、そのスライド部材84の上部に連結された軸部14を上下動させる。なお、符号86は、ガイド部材83の下端を支持する支持部材である。こうした構成からなる上下動機構によれば、例えばプロセスチャンバ内のワーク載置台にワークを載置し又はワーク載置台からワークを取り出す際にハンド部材40を僅かに上下に移動させることができる。
さらに、本実施の形態では、ロボット1において、アームの先端に設けられたハンド部材40A(40B)は、その長さによって重力で撓みを生じる場合があるが、この撓みを補正するように軸部14を上下動させて、高さ調整を行うようにしている。
(アームの動作)
次に、アーム10の動作を以下に説明する。図8は、アーム部の伸縮動作の説明図である。アーム10は、第1アーム部材20と第2アーム部材30とが同じ長さとなっており、そのため、図8(A)に示すように、初期状態では第1アーム部材20と第2アーム部材30とが折れて縮んだ状態になる。ここで、「同じ長さ」とは、アームの両端に位置するプーリの中心間の長さ(図8において、PとQとの間隔、QとRとの間隔)が同じという意味である。なお、初期状態では、ハンド部材40は第2アーム部材30にほぼ直交するように設けられており、第1アーム部材20及び第2アーム部材30の略長手方向の仮想線Yと、ハンド部材40の長手方向の仮想線Xとは直交している。
次に、アーム伸縮軸2を仮想線Yに対して角度θ1となるまで回転させると、第1アーム部材20も第1プーリ21の中心点Pを中心にして仮想線Yに対して角度θ1となるまで回転する。本発明では、第1プーリ21と第2プーリ22の径比が2:1であるので、第2アーム部材30は、図8(B)に示すように、第1アーム部材20の2倍の速さで第1アーム部材20の回転方向の逆方向に回転する。したがって、第1アーム部材20と第2アーム部材30との角度θ2は、第1アーム部材20の回転角度θ1の2倍となる。
また、本発明では、第3プーリ31と第4プーリ32の径比が1:2であるので、ハンド部材40は、図8(C)に示すように、第2アーム部材30の1/2倍の速さで第2アーム部材30の回転方向の逆方向に回転する。したがって、第2アーム部材30とハンド部材40との角度θ3は、第1アーム部材20と第2アーム部材30との角度θ2の1/2倍になる。
さらにその後、アーム伸縮軸2を逆回転させると、アーム10は、図8(C)の伸長状態から図8(B)の状態を経て図8(A)の状態に戻る。
以上のように、第1アーム部材20の回転角θ1とハンド部材40の回転角θ3の変化が同じになり、しかも第1アーム部材20と第2アーム部材30の長さが同じであるので、第2アーム部材30とハンド部材40とが連結する第4プーリ32の中心点Rは、上記仮想線X上を伸縮するように変化し、ハンド部材40は、上記仮想線X上を長手方向を変えずに変化する。したがって、アーム伸縮用駆動源4の回転によって、ハンド部材40は、一定方向に伸縮運動するように変位する。
図9は、2つのアームの伸縮形態及び旋回形態の例を示す説明図である。図9において、(A)は、アーム10AがポジションSに伸縮し、アーム10BがポジションUに伸縮する態様であり、(B)は、アーム10AがポジションSに伸縮し、アーム10BがポジションVに伸縮する態様であり、(C)は、アーム10AがポジションTに伸縮し、アーム10BがポジションVに伸縮する態様であり、(D)は、アーム10AがポジションTに伸縮し、アーム10BがポジションUに伸縮する態様である。本発明のロボット1は、図9に示すように、2つのアーム10A,10Bをそれぞれ独立して伸縮させ、旋回させることができる。
なお、各アーム10A,10Bの旋回は、例えばアーム旋回駆動源にステッピングモータを用いた場合には、初期位置からの回転数を制御することにより、旋回位置を制御することができる。一方、例えばアーム旋回駆動源にサーボモータを用いた場合には、各アーム等の回転位置を検出するセンサやロータリエンコーダ等を用いて旋回位置を検出し、制御するようにしてもよい。
(半導体製造プロセスへの適用例)
図10は、本発明の産業用ロボット1が半導体の製造プロセスに用いられる一例を示す概略平面図であり、図11は、図10の概略側面図である。図10に示す装置は、半導体の製造プロセスにおける処理集合装置150であり、上記本発明のロボット1と、そのロボット1が設置されるトランスファチャンバ209と、トランスファチャンバ209の周囲に配置され、ロボット1が備える2つ以上のアーム10A,10Bによってワークの搬入搬出が行われる複数のプロセスチャンバ210,220,230,240とを備える例である。なお、装置中央に設けられたトランスファチャンバ209は、減圧可能になっている。
このトランスファチャンバ209の周りには、例えば図10の例では、その周方向に6分割された処理室が配置されている。このうち、符号210,220,230,240の4室は、プロセスチャンバであり、符号203,203の2室は、その集合処理装置150外からウエハの受け渡しを行う収容室である。また、符号201は、集合処理装置外からウエハ304の受け渡し行うロボットである。こうした集合処理装置150では、各室の入り口にゲートベン202,204,205が設けられ、そのゲートベン202,204,205の開閉により処理室への出し入れが行われる。
なお、本発明のロボット1以外の構成は図示の例に限定されず、各種の構成を採ることができる。また、搬送ロボット室200内に設置された搬送ロボット201は、ウエハ304が収納されたウエハ搭載ラック301,302,303(以下、符号300で表す)と、収容室203との間で動作するが、この搬送ロボット201についても図示の例に限定されず、各種の構成を採ることができる。
こうした集合処理装置150内に本発明のロボット1が配置されるが、本発明のロボット1は、備える2つ以上のアームのそれぞれがアーム伸縮用駆動源とアーム旋回用駆動源とを備えて独立に動作し、それぞれが備えるハンド部に載置されるワークの高さがほぼ同じであるように構成されているので、トランスファチャンバ209の周囲に配置されたプロセスチャンバ210,220,230,240に対するワークの搬入・搬出等の時間を短縮することができる。
以上、本発明の産業用ロボットについて説明したが、上述の本実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあって、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
本発明の産業用ロボットの一例を示す透視正面図である。 図1に示す2つのアームのうちの1つのアームを構成する第1アーム部材の内部構造を示す透視平面図(A)及びB−B断面図(B)である。 図1に示す2つのアームのうちの1つのアームを構成する第2アーム部材の内部構造を示す透視平面図(A)及びC−C断面図(C)である。 図1に示す基台部の透視断面の拡大図である。 図1に示すアーム伸縮用駆動源とアーム旋回用駆動源の構成を示す断面図である。 図1に示すアーム伸縮用駆動源とアーム旋回用駆動源の配置形態を示す透視平面図(A)(B)である。 ハンド部の上下方向の座標位置を同じにする連結部材の透視正面図である。 アーム部の伸縮動作の説明図である。 2つのアームの伸縮形態及び旋回形態の例を示す説明図である。 本発明の産業用ロボット1が半導体の製造プロセスに用いられる一例を示す概略平面図である。 図10の概略側面図である。
符号の説明
1 ロボット
2,2A,2B アーム伸縮軸
3,3A,3B アーム旋回軸
4,4A,4B アーム伸縮用駆動源
5,5A,5B アーム旋回用駆動源
6 ベアリング
7 磁気シール
10,10A,10B アーム
11,11A,11B アーム部
12,12A,12B ハンド部
14 軸部
20,20A,20B 第1アーム部材
30,30A,30B 第2アーム部材
40,40A,40B ハンド部材
41,41A,41B 搭載部
42 ネジ
43 連結部
52A,52A’,52B,52B’,62A,62A’,62B,62B’ プーリ
53A’,53B’,63A’,63B’ 連結ベルト
54A,54B,64A,64B プーリ
80 上下動の駆動源
81 ボールネジ
82 ボールネジナット
83 ガイド部材
84 スライド部材
85 連結アーム
86 支持部材
87 プーリ
88 プーリ
89 ベルト
100 基台部
150 処理集合装置
200 搬送ロボット室
201 搬送ロボット
202,204,205 ゲートベン
203 収容室
209 トランスファチャンバ
210,220,230,240 プロセスチャンバ
300,301,302,303 ウエハ搭載ラック
304 ウエハ
,P 上下方向の座標位置

Claims (4)

  1. 基台部側からアーム部及びハンド部の順で連結され、当該ハンド部を所定方向に向けながら伸縮自在に動作するアームを2つ以上有する産業用ロボットであって、
    前記アームそれぞれは、
    アーム伸縮軸を回動中心として前記アームを伸縮させるアーム伸縮用駆動源と、
    アーム旋回軸を回動中心として前記アームを旋回させるアーム旋回用駆動源と、
    前記ハンド部の上下方向の座標位置をほぼ同じにする連結部材と
    前記アーム伸縮用駆動源の駆動力を前記アーム旋回軸に伝達する伝達手段とを備え、
    該伝達手段は、前記アーム伸縮用駆動源が有するAプーリと、前記アーム旋回用駆動源が有するBプーリと、当該Aプーリと当該Bプーリとの間に掛けられた連結ベルトと、前記Bプーリと同軸回転するように設けられたCプーリと、前記アーム旋回軸に設けられたDプーリと、当該Cプーリと当該Dプーリとの間に設けられた伝動ベルトと、で構成される、ことを特徴とする産業用ロボット。
  2. 前記アームのうちの1つのアームを動作させるアーム伸縮軸が中実軸であり、それ以外の軸である前記アーム旋回軸及び他のアームのアーム伸縮軸が前記中実軸と同心になるように設けられた中空軸である、請求項1に記載の産業用ロボット。
  3. 前記アーム部と前記ハンド部は、前記基台部側から、第1アーム部材、第2アーム部材及びハンド部材の順で連結され、
    前記第1アーム部材は、前記基台部側にあって前記アーム伸縮軸に連結する第1プーリと、前記第2アーム部材側にあって当該第2アーム部材に連結する第2プーリと、当該第1プーリ及び当該第2プーリ間に掛かる第1ベルトとを有し、
    前記第2アーム部材は、前記第2プーリと同心となるように設けられた第3プーリと、前記ハンド部材側にあって当該ハンド部材に連結する第4プーリと、当該第3プーリ及び当該第4プーリ間に掛かる第2ベルトとを有する、請求項1又は2に記載の産業用ロボット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の産業用ロボットと、当該産業用ロボットが設置されるトランスファチャンバと、当該トランスファチャンバの周囲に配置され、前記産業用ロボットが備える2つ以上のアームによってワークの搬入搬出が行われる複数のプロセスチャンバと、を備えることを特徴とする集合処理装置。
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