JP4964897B2 - アイテム貯蔵およびアイテム使用状況追跡システムおよび方法 - Google Patents

Description

（発明の分野）
本発明は、一般に医薬投与装置又はステーションに関する。更に詳細には、本発明は、病院やその他の医療施設で使用される薬およびその他のアイテムを貯蔵し、それらの使用状況を追跡するシステムおよび方法に関する。

（発明の背景）
投薬ステーション（ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇ ｓｔａｔｉｏｎ）を含む医療管理システムは、以前から知られており、例えば、そのような１つのシステムについて、ここに参照によってその全体を取り込む米国特許第６，０２１，３９２号に述べられている。投薬装置又はステーションは、典型的には、医療施設において薬および関連アイテムの貯蔵、追跡および記録を効率的に行うために使用される。医薬および機器の数量を追跡することに加えて、投薬ステーションは、患者の情報ならびにそこに貯蔵されているアイテムの有効期限およびロット番号を追跡する。薬局の移動サテライトとして機能することによって、投薬ステーションは、しばしば施設内の多くの地点に配置されて、看護士、医師およびその他介護士など権限を有するユーザに、医薬およびサプライヤへの制御された便利なアクセスを提供する。

アイテムは、典型的には、投薬ステーションの引出しに貯蔵され、これは、内部のアイテムの性質に依存してロックできるようになっている。投薬引出しは、更に各引出しの内部で複数のセクション又はコンテナに区分される。例えば、そのような区分化の結果として、引出しのスライド方向に沿って互いに連続した引出しコンテナが作られる。ロック解除された引出しがキャビネットから引き出される程度を制限することによって、そのような引出しの奥に向かう段階的なアクセスを制御できる。

あるいは、引出しの底に固定でき、サイズ可変で、個別的に取り外し可能な複数のモジュールで引出しを構成することもできる。モジュールに、別々にロックできる蓋を設けて、薬局など投薬ステーションから離れた場所でアイテムを充填し、その後投薬ステーションの引出しに取り付けるようにすることもできる。投薬ステーションでの引出しおよび個々のコンテナの蓋のロック解除は、典型的には、投薬ステーションに搭載されたキーボードおよび／又はタッチ式表示画面などのユーザ・インタフェースを有する制御ユニットによって処理される。ユーザは、インタフェースを操作して、彼や彼女がアクセスしようとするアイテムを選択する。インタフェースは、またプロセッサと協力して、選ばれた引出し又は蓋を開いたり又はロック解除したりする電気信号を提供することによって、患者に投与するための選ばれた医薬又はアイテムをユーザが取り出せるようにする。

従来の投薬ステーションは、ユーザが個人ＩＤおよびパスワードを入力（すなわち、ログ・オン）して、表示画面に表示される利用可能なアイテムの選択リストをスクロールするか、キーボードを使用してアイテムの名称を入力することによって特定のアイテムを検索および入手することを可能にしている。このアイテムが利用可能で、ユーザが適正な権限を有することが認証された場合、表示画面に引出し番号およびコンテナ番号が示され、更に必要に応じて、制御ユニットが対応する引出しをロック解除する。あるいは、適切なコンテナの場所を示すために、引出し上の照明を点灯するようになっている。引出しが閉じられると、制御ユニットは、その処理の時刻、アイテムの説明、取り出された数量、ユーザの氏名などを記録する。従来技術のシステムでは、処理の記録は、ユーザが正しいコンテナから正しいアイテムを取り出すことを前提にしている。ユーザが間違ったアイテムを取り出したことにあとで気付いても、ユーザは、そのアイテムを引出しに戻すためにもう一度処理を実行しなければならない。

麻酔時の投薬管理は、特有の問題を課す。麻酔には、制御された麻酔薬の使用が含まれるため、医療施設は、実質的な罰金および認定の喪失を回避するために、使用量の厳格な文書化および記録管理を実施しなければならない。麻酔時の自動化された管理プロセスおよびシステムについては、よく知られており、その一例は、参照によってここにその全体を取り込む米国特許第６，３３９，７３２号に見出される。

一般に、手術中に使用されるほとんどのアイテムおよび医薬は、外科手術に先立って、麻酔調剤ステーションから持ってこられる。麻酔医は、施設の厳格な記録管理および管理規定に固執しながら、患者のその時点での状態に基づいて医薬を処方し、手術中の予見できない、あるいは、変化する状況に応じて、必要とされる追加の医薬ならびに現在の医薬の追加を直ちに処方および入手できなければならない。そのようなことであるから、手術室の投薬ステーションの引出しは、典型的には、麻酔医が貯蔵されている医薬に容易にアクセスできるように、外科手術の間、開いたままか、あるいは、ロック解除されたままにされる。投薬ステーション引出しに貯蔵されているアイテムは、しばしば目に見えるようになっているので、麻酔医は、多くのアイテムの場所を予め知っている。従って、従来技術のシステムで行われるように、キーボードや選択リストを使用して麻酔医がアイテムを予め選んだり、指定したりしなければならないのは、そのような操作が、急速に進展する、あるいは、変化する状況に応じて麻酔医が特定の医薬を必要とする場合に割くことのできない時間を必要とすることから非効率的である。更に、予見できない状況に応じていくつかのアイテムが投与される場合、キーボードや選択リストを介してアイテムを指定することは、人的エラーを引き起こしやすく、後のもっと都合のよいときまで後回しにされてしまう傾向がある。そのような後の時点では、処理の詳細のいくつかについて忘れてしまっているということは、珍しいことではない。

一般補給品など、投薬ステーションに貯蔵されている多くのアイテムは、管理をほとんど又は全く必要としないタイプのものであり、いろんなサイズのものがあり、またしばしば例えば、小児科、心臓外科および神経外科などの状況又は外科手術に対して特別に用意されたパックとして一緒にパッケージ化される。更に、いくつかのアイテムは、他のものより頻繁に使用されるため、投薬ステーション内により多くの数量を貯蔵する必要がある。このニーズに応えるために、投薬ステーションの引出しをユーザが構成できるようにする試みがなされた。例えば、引出しをゾーンに分割して、各ゾーン間のパーティションを取り外し可能として、サイズ可変のコンテナを作り出し、その中に１又は複数のゾーンを含めるようにされた。構成可能な引出しでの制限要素は、ユーザに対して必要なアイテムを保有するコンテナの場所を知らせる手段が、変化する引出し構成に適応できなければならないことである。この問題に対する１つの従来の解決策は、各々のゾーンに隣接して照明を設け、ユーザに対してアイテムをそこから取り出すべきコンテナを教えるために照明の特定のものを点灯するものであった。コンテナが５つのゾーンを含む場合、例えば、５つのゾーンに隣接する５個の照明を点灯させて、適切なコンテナの場所を指示する。

構成可能な引出しの別の欠点は、アイテムへのアクセスを制御および追跡する手段が、変化するコンテナ構成に適応しなければならないことである。この問題に対する１つの従来の解決策は、引出しの各ゾーンに隣接して「取出し」スイッチを設けるものであった。引出しからアイテムを取り出すとき、ユーザは、対応するコンテナから取り出す数量に対応する回数だけ取出しスイッチを駆動することを要求される。取消しのため、あるいは、引出しに戻す数量を示すために、「取消し」スイッチが設けられる。例えば、コンテナに１０個のゾーンが含まれる場合、医薬を取り出そうとするユーザは、１０個のゾーンに隣接する１０個の取出しスイッチの１つを駆動することを要求される。

投薬ステーションのコストは、任意の与えられた引出しに設けるスイッチおよび照明の数とともに一般に増加する。照明およびスイッチの数が増えると、消耗したり、誤作動を起こしたりする部品および配線の量も増える。更に、認証のための迅速かつ便利な手段なしでは、突然の予見できない事象からの圧力で取り乱したユーザが誤ったコンテナからアイテムを取り出し、引出しの誤ったスイッチを押し、あるいは、間違った回数スイッチを押すなどによって追跡エラーが発生する可能性が高い。

上で述べたように、いくつかの従来技術の投薬ステーションは、引出しの奥の方のコンテナにアクセスするのを防止する目的で、それの引出しがスライドする範囲を制御するようにしている。構成可能な引出しは、複数の縦方向のコンテナの列を有し、各々の列には、独立して移動可能な横方向のパーティションが備えられ、その結果として、不規則なパーティション・パターンが得られるようになっている。例えば、引出しは、１つの列の第２のコンテナにアクセスするために２０．３ｃｍ（８インチ）引き出さなければならないが、別の列の第２のコンテナにアクセスできるようにするためには、２７．９ｃｍ（１１インチ）引き出さなければならない。このように、構成可能な引出しを使用するためには、投薬ステーションの制御ユニットが不規則な引出し構成に適応できなければならないという欠点がある。更に、制御ユニットの複雑で時間の掛かる再プログラミングが必要となれば、ユーザは、引出しの再構成をしようとしないであろう。

従って、当業者であれば理解するように、追跡エラーの発生可能性を減らしながら、医薬投与キャビネットの貯蔵引出しのなかのコンテナの数、サイズおよび場所の再構成を高い柔軟性および容易さで提供する、アイテム貯蔵およびアイテム使用状況追跡システムおよび方法が必要とされている。本発明は、これらおよびその他のニーズを満足する。

（発明の概要）
本発明は、アイテムを貯蔵し、アイテムの使用状況を追跡するシステムおよび方法を提供する。一般的な表現で要約すれば、システムは、各種サイズのアイテムを受け入れられるように調節可能な複数の貯蔵スペースを有する引出し、引出し構成情報および貯蔵スペース場所情報を入力する入力手段、引出しと交信状態にあって、貯蔵スペースの場所を含む引出しの構成を調節する入力をユーザから受信するようにプログラムされた制御ユニット、プロセッサと交信状態にあって、貯蔵スペース場所情報および引出し構成情報を含む貯蔵スペース固有の情報と、アイテム固有の情報とを記憶するメモリ、制御ユニットと交信状態にあって、制御ユニットに記憶された貯蔵スペース固有の情報を表すイメージを表示するように構成された表示画面を含む。

詳細な態様において、貯蔵スペース固有の情報を表すイメージは、引出しのグラフィック表現および貯蔵スペース同士の相対的な位置を含む。別の詳細な態様では、プロセッサは、更にユーザが貯蔵スペース固有の情報を入力したとき、処理記録を作成するようにプログラムされており、処理記録には、少なくとも選ばれた貯蔵スペースに配置されるアイテムの説明および数量が含まれる。更に別の態様では、処理記録は、更に選ばれた貯蔵スペースから取り出されたアイテムの説明および数量を含む。更に別の詳細な態様では、表示画面は、貯蔵スペース固有の情報を制御ユニットに通知するようにユーザが修正可能な仮のイメージを表示するように構成されている。

ここで別の詳細な態様に目を向ければ、システムは、更にアイテムに固定されたマシン読取可能なＩＤタグと、制御ユニットと交信状態にあってタグを読み取るように構成されたスキャナとを含む。更に別の詳細な態様では、システムは、更に複数の貯蔵スペースの１つに固定されたマシン読取可能なＩＤタグと、制御ユニットと交信状態にあってタグを読み取るように構成されたスキャナとを含む。更に別の態様では、マシン読取可能なＩＤタグは、アイテム固有の情報を記憶および通知するように構成されている。

発明の別の態様では、アイテムを貯蔵し、アイテムの使用状況を追跡するシステムは、アイテムを貯蔵するための複数の貯蔵スペースを有するトレイ、ユーザが調節できるパーティションを有する１又は複数の貯蔵スペース、貯蔵スペース固有の情報およびアイテム固有の情報を記憶するように構成され、処理記録を作成するように構成された制御ユニット、制御ユニットと交信状態にあって、制御ユニットが記憶する貯蔵スペース固有の情報を表し、貯蔵スペース固有の情報を入力および編集するためのユーザ定義によるタッチ式イメージ（ｔｏｕｃｈ−ｓｅｎｓｉｔｉｖｅ ｉｍａｇｅ）を含むグラフィカル・ユーザ・インタフェースを含む。

他の詳細な態様では、タッチ式イメージは、トレイとその中に含まれるパーティションの位置とを表すグラフィックを表示する。更に別の態様では、ユーザがトレイ上の選ばれた１つの貯蔵スペースに対応するタッチ式イメージの一部をタッチすると、制御ユニットは、少なくとも、選ばれた貯蔵スペースに配置されたアイテムの説明と数量とを含む処理記録を作成する。他の態様では、ユーザがトレイ上の選ばれた１つの貯蔵スペースに対応するタッチ式イメージの一部をタッチすると、制御ユニットは、少なくとも、選ばれた貯蔵スペースから取り出されたアイテムの説明と数量とを含む処理記録を作成する。更に詳細な態様では、グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、貯蔵スペース固有の情報を制御ユニットに通知するように修正できる仮のイメージを表示するように構成される。

ここで更に別の詳細な態様に目を転ずると、システムは、更にアイテムに固定されたマシン読取可能なＩＤタグと、制御ユニットと交信状態にあってタグを読み取るように構成されたスキャナとを含む。他の詳細な態様では、システムは、更に複数の貯蔵スペースの１つに固定されたマシン読取可能なＩＤタグと、制御ユニットと交信状態にあってタグを読み取るように構成されたスキャナとを含む。更により詳細な態様では、マシン読取可能なＩＤタグは、アイテム固有の情報を記憶および通知するように構成されている。

また医薬投与引出しを各種のサイズの貯蔵スペースを持たせるように構成する方法が提供されており、それは、現在の引出し構成を表し、貯蔵スペースが位置する少なくとも１つの場所を含むグラフィック表現を提供する工程、所望の貯蔵スペースの第１の隅を指定する工程、所望の貯蔵スペース場所の第２の隅を指定する工程、指定された貯蔵スペース場所を示すようにグラフィック表現を更新する工程および指定された貯蔵スペース場所をメモリに記憶する工程を含む。

更に詳細な態様では、方法は、更にグラフィカル・ユーザ・インタフェースから貯蔵スペース固有の情報を受信する工程、貯蔵スペースを貯蔵スペースに貯蔵するように選ばれたアイテムと関連付ける工程、選ばれたアイテムを貯蔵スペースに貯蔵する工程、貯蔵スペースから選ばれたアイテムを払い出す工程および処理記録を作成する工程を含む。

本発明の他の特徴、態様および利点は、添付図面を参照することによって以降の詳細な説明から明らかになろう。添付図面は、一例として発明の原理を例示している。

（好適な実施の形態の詳細な説明）
いくつかの図面に共通して、対応する要素又は同様な要素を指すのに同様な参照符号が用いられている例示図面に見られるように、本発明は、患者に処置を施す場合に使用される医薬およびその他のアイテムを制御されたかたちで払いだすために施設で使用される移動式又は固定式の投薬ステーション１０として実施される。好ましくは、図１に示されたように、投薬ステーションは、車輪１４によって支えられたキャビネット１２であって、従って、施設内部で、例えば手術室へ容易に移動できる。図示された例示的な実施の形態で、キャビネットは、多種多様のアイテムを貯蔵するように、各種形状およびサイズのスライド式トレイ又は引出し１６を保持する。引出しの数および構成は、投薬ステーションが使用される施設の要求に合うように必要に応じて修正される。

図２は、投薬キャビネットの模式図であり、キャビネットの各部分およびサブ・システムを図示している。引出し１６は、制御ユニット１８に接続されて、貯蔵されているアイテムへのユーザのアクセスを制限および追跡する。制御ユニットは、ロック用金物、例えば、ソレノイド、ラッチおよび／又はマッスル・ワイヤ（ｍｕｓｃｌｅ ｗｉｒｅ（Ｒ））を備え、ユーザ・インタフェース２２と電子的交信状態にあるプロセッサ２０によって制御されるスライド制御機構１９を含む。ユーザ・インタフェースは、キーボード２４および表示画面を含む。好ましくは、表示画面は、タッチ画面２６であって、キャビネットの動作を制御するためにプロセッサが使用するコマンドおよびデータを入力するために、ユーザが画面に表示されたイメージを操作することを可能にする。通常の知識を有する人であれば理解するように、画面に表示されるイメージを操作するために、タッチ画面２６と組み合わせてマウスやその他のポインティング・デバイス（図示されていない）を使用することが可能である。貯蔵スペースおよび／又は貯蔵すべきアイテムに記載されたマシン読取可能な識別タグを読み取るためのスキャナ２８などの装置は、制御ユニットと電子的に交信して、引出しに貯蔵すべきアイテムに関する情報を制御ユニットに提供するようになっている。以下でより詳しく説明するように、マシン読取可能なラベル又はタグは、引出しおよびその中の貯蔵スペースの構成に関する情報も含むことができる。プロセッサに付随する記憶装置媒体３０は、引出しの構成およびアイテムに関する情報を記憶する。記憶媒体は、例えば、ハード・ディスク・ドライブ又は不揮発性記憶デバイスでよい。

図２に示されたように、投薬ステーション１０は、システム３１の一部であり、インターネットおよび／又はローカル・エリア・ネットワークなどのネットワーク３２を介して、中央コンピュータ３４にリンクされており、例えば、投薬ステーションに貯蔵すべきアイテムに関する情報および患者固有の情報を有する複数のデータベースなどの記憶媒体３６にアクセスできるようになっている。ネットワークは、貯蔵されているアイテムに関する情報や患者固有の情報を制御ユニット１８が自動的に入手する手段を提供する。そのようなネットワーク通信は、従来の配線や光ファイバ接続を通して、あるいは、例えば、ＩＥＥＥ８０２．１１（例えば、Ｗｉｒｅｌｅｓｓ Ｆｉｄｅｌｉｔｙ）、ＩＥＥＥ８０２．１５（例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ）およびＩｒＤＡベース（Ｉｎｆｒａｒｅｄ Ｄａｔａ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）標準を採用するワイヤレス的方法を通して行われる。

キャビネット１０（図１）の引出し１６は、それらの中身に依存して、保護、半保護、非保護タイプのものとなっている。これらの引出しのタイプは、自由に組み合わせて使用できる。典型的には、保護タイプの引出しは、麻酔薬やその他の管理された物質を貯蔵するためのものであり、ユーザがログ・オンして、特定の量の医薬を要求し、特定の患者に対して使用することを指定するなど、引出しの内容物にアクセスするための手順を踏んでアイテムを要求するまでロックされた状態に留まる。このような要求が行われると、要求されたアイテムを収容する特定の保護タイプの引出しのみが一時的にロック解除されて、引出しが開くようになる。保護タイプの引出しが閉じられると、それは、制御ユニット１８によって自動的にロックされるので、この引出しを開いてその内容物にアクセスするために、ユーザは、情報を再び入力することが要求される。

発明の１つの実施の形態で、スライド制御機構１９は、保護タイプの引出しの貯蔵スペースの漸進的な行に対して段階的なアクセスを提供する。図３に示されたように、いくつかの横方向の行および縦方向の列になった貯蔵スペース４０を備える引出し１６を含む引出しアセンブリ３８は、キャビネット１２（図２）に搭載されたラック４４につながったスライド可能なインターロック接続を備えた縦方向レール４２に搭載されている。引出しアセンブリは、引出しを閉じてロックしたとき、キャビネット内部に位置するように構成される。ラックに搭載された引出しセンサ４８によって読み出されるように、レール４２に沿ってグリッド要素４６が設けられる。引出しセンサは、配線５０を介してプロセッサ２０に電気的に接続されており、それによって制御ユニット１８は、引出しセンサ４０から受信した信号に基づいて、引出しがキャビネットからどれだけ遠く引き出されたかを確定できる。スライド制御機構は、固定された増分での段階的なアクセスを提供するばかりでなく、不規則な引出し構成に適応する能力を有する。

投薬ステーション１０に採用できる別の１つのタイプの引出しは、半保護タイプの引出しである。典型的には、制御ユニット１８は、ユーザが個人ＩＤおよびパスワードを入力することによってシステムにログ・インした場合などに、必要な情報をユーザが入力すると、半保護タイプの引出しが奥まで完全にスライドして開くようにする。便宜上、半保護タイプの引出しは、例えば、ユーザがシステムからログ・オフ又はログ・アウトするか、あるいは、予め決められた時間が経過するなど、この引出しを保護状態にする事象が発生するまで、繰り返し開いたり、閉じたりできるように、ロック解除状態のままに留まる。

次に図４を参照すると、別の実施の形態が示されており、そこでは、引出し１６は、引出しの底に固定された垂直分割壁又はパーティションによって互いに分離された複数の貯蔵スペースを有する。分かり易く、また説明をしやすくするために、貯蔵スペースの１つおよびパーティションの１つが参照番号を付して示されている。貯蔵スペースは、蓋がないように示されているが、１又は複数の貯蔵スペースがパーティションにヒンジ留めされた蓋を有していても良い。蓋は、アクセスに対する更なる制御を提供するか、あるいは、ラベルのホルダを提供するように役立つ。引出しのパーティションの１又は複数のものは、引出しから取外しできるように構成されており、従ってユーザに合った引出しの再構成が可能になる。例示した実施の形態で、取り外し可能なパーティションの底部端から延びるタブ５４は、引出しの底の任意の複数個の嵌め合い形状に形成された窪み（ｃｏｏｐｅｒａｔｉｖｅｌｙ ｓｎａｐｅｄ ｒｅｃｅｓｓｅｓ）又は開口５６と合致する。パーティションは、それらを引出しの底から単純に持ち上げることによって、便利に取り外したり、あるいは、簡単に再配置したりできる。通常の知識を有する人であれば理解するように、パーティションを固定するために別の手段を採用することもできる。

ここで図５から図８を参照すると、引出し１６は、異なる形状および寸法の貯蔵スペースの組合せを含むように構成されている。図５は、Ｌ字型の貯蔵スペース６０を示しており、これは、不規則な形を有するアイテムを収納するために使用されよう。図６に示されたように、引出しは、小さい貯蔵スペース６２と大きい貯蔵スペース６４が混在するように構成することもできる。図７には、より小さい貯蔵スペース６８に隣接して縦方向を向いた細長い貯蔵スペース６６が示されている。図８に示されたように、細長い貯蔵スペース７０が、より小さい貯蔵スペース７２に隣接して横方向に並んでいる。

ロック解除されることによって部分的にスライドして開く保護タイプの引出しでは、もしパーティション５２が所定の位置にロックされていなければ、引出しの奥にある貯蔵スペースのアイテムに対する権限のないアクセスが発生しうる。従って、別の実施の形態では、そのような権限のないアクセスを防止するために、制御ユニット１８によってパーティションを所定の位置に選択的にロックすることが行われて、権限を有するユーザのみがパーティションを取り外したり、再配置したりして引出しを再構成できるようになっている。図９および１０に示されたように、開口５６の背後に隠れて、引出しの底に配置されたマッスル・ワイヤ（図示されていない）に接続されたラッチ・メンバ７４が、タブ５４と結合して、パーティションを所定の位置にロックする。電気配線５８がプロセッサ２０を、ラッチ・メンバに接続されたマッスル・ワイヤに接続する。典型的には、マッスル・ワイヤは、プロセッサ２０からの信号に基づく電流を受信すると、収縮してラッチ・メンバを作動させ、それによってパーティションを取り外したり、再配置したりできるようにする。この機構は、ユーザが要求される情報を入力した場合にのみパーティションの選択的な取り外しを提供する。

アイテムを構成可能な引出し１６に貯蔵する前に、引出しの貯蔵スペースのレイアウトに関する情報が制御ユニット１８に提供されるので、制御ユニットのプロセッサは、引出しの構成が分かり、それによって引出しレイアウトとそこに貯蔵されるアイテムとの間の適正な関連付けが行えるようになる。このような貯蔵スペース固有の情報には、引出し内の貯蔵スペース４０のサイズ、個数および／又は場所が含まれる。更にどの貯蔵スペースに貯蔵のために薬やアイテムが配置されるかについての情報も制御ユニットに提供されるので、制御ユニットは、要求されるアイテムが貯蔵される特定の引出しおよび貯蔵スペースを確定することができる。従って、ユーザによって１つのアイテムが要求されると、制御ユニットによって適切な引出しが選択され、ロック解除されて、選ばれた貯蔵スペースの場所をユーザに通知することができる。選ばれた貯蔵スペースが保護タイプの引出しにある場合は、選ばれた貯蔵スペースへの段階的アクセスを許容するのに必要な距離だけ引出しがスライドして開き、選ばれた貯蔵スペースの奥にある任意の別の貯蔵スペースへのアクセスを防止するように引出しのスライド制御機構１９が動作する。更に、選ばれた貯蔵スペースがロックされた蓋６４を有する場合、プロセッサは、蓋をロック解除して、そこに貯蔵されている薬又はアイテムへのアクセスを許可できる。

更に別の実施の形態では、図４に示されたように、貯蔵スペースのバー・コード・ラベル８０が貯蔵スペースに貼付される。貯蔵のためにアイテムを貯蔵スペースに配置する前に、ユーザは、制御ユニット１８と電子的に交信状態にあるスキャナ２８（図２）を使用して貯蔵スペースのバー・コードをスキャンする。以下で更に説明するように、この手順は、制御ユニットがアイテムの貯蔵される貯蔵スペースを同定することを可能にする。典型的には、図６に示されたように、アイテムのバー・コード・ラベル８２は、アイテムの製造業者又はサプライヤによってアイテムに既に貼付されている。アイテムのバー・コードをスキャンすることによって、制御ユニットは、アイテム固有の情報を入手でき、貯蔵スペースと、貯蔵スペースに貯蔵すべきアイテムとを関連付けできる。キーボード２４又はタッチ画面２６のいずれかを介して同じアイテムがユーザによって引き続いて要求された場合は、制御ユニットは、適切な貯蔵スペースの場所をユーザに通知し、また適宜、引出しを開き、および／又は貯蔵スペースの蓋を開く。

当業者であれば直ちに理解するように、バー・コード以外の、例えば高周波識別（ＲＦＩＤ：ｒａｄｉｏ ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）などの他のマシン読取可能な識別技術を採用することもできる。ＲＦＩＤタグは、典型的には、小型無線アンテナに接続されたマイクロチップを含む。ＲＦＩＤタグ番号は、高周波を放射し、スキャナから一定のレンジ又は距離内にあるＲＦＩＤタグから反射して戻る信号を受信するＲＦＩＤスキャナ２８’を介して得ることができる。より複雑なＲＦＩＤタグは、貯蔵されているアイテムに関する情報を記憶するマイクロチップを含んでおり、制御ユニット１８がアイテムに関する情報を得るために投薬ステーション１０と中央コンピュータ３４との間で連続的なネットワーク接続を行う必要を排除する。好ましくは、ＲＦＩＤスキャナ２８の通信レンジは、投薬ステーションと関連付けられていない、例えば、投薬ステーションを通り過ぎる人によって運ばれて近くのカウンタの上に置かれたアイテムや隣接の投薬ステーションに貯蔵されているアイテムなどのＲＦＩＤタグを間違って読み取ることを回避するように制限される。

図１１は、アイテムを貯蔵し、使用状況を追跡する本発明に従うプロセスの１つの実施の形態を示すフロー図である。議論の都合上、図１１のプロセスは、図２のシステム３１に関連付けて説明するが、方法を実施するためにその他のシステムを使用することも可能であることを理解されよう。

最初に、フロー図のブロック１００で、ユーザは、プロセッサ２０と電子的に交信状態にあるバイオメトリック・スキャナを含むユーザ・インタフェース２２を介して個人ＩＤおよびパスワードを入力することによって、制御ユニット１８に付属するソフトウエア・アプリケーションにアクセスするためにログ・オンする。バイオメトリック・スキャナは、単独で、あるいは、キーボード２４およびタッチ画面２６と組み合わせて、ユーザＩＤを認証するために採用される。制御ユニットが投薬キャビネットの引出しを構成するのに適格な権限を有するものとしてユーザを認証した場合は、ブロック１０２でタッチ画面２６にシステム・メニュが表示される。

システム・メニュは、引出し構成を開始するための「引出し構成」ソフト・キー又はボタンを有する。ブロック１０４で「引出し構成」ボタンが押されると、制御ユニット１８は、ブロック１０６で構成できる任意の引出しを検出しようと試みる。このような引出しは、以前に構成されているかもしれないし、あるいは、構成されたことがないかもしれない。検出は、引出しとプロセッサ２０との間の機械的又は電気的接続を通して実行される。あるいは、キャビネット１２内のＲＦＩＤスキャナによって読取可能な引出しのＲＦＩＤタグを採用してワイヤレスに検出することもできる。いずれの場合も、タッチ画面２６に構成可能な引出しがリスト・アップされて、ユーザが選ぶようにされる。選ばれた引出しが以前に投薬ステーション１０内で構成されていなければ、タッチ画面２６に新しい構成画面が表示されて、ブロック１０８でユーザがこの引出しを構成できるようになる。その後、ユーザは、ブロック１１０でアイテムを貯蔵スペースに貯蔵する。

例えば、図１２に示されたように、新しい引出し構成画面２００は、ユーザに対して例示のケースで「スマート」引出しと名付けられた構成可能な引出しが検出されたことを通知して、これらのいずれかをユーザが構成したいか否かを問い合わせる。画面には、「はい」と「いいえ」のボタンが含まれている。「いいえ」ボタン２０２が押されると、システム・メニュによって新しい構成画面が再表示される。好ましくは、制御ユニット１８は、それが引出しの貯蔵スペース・レイアウトに関する情報を受信するまで、構成可能な引出しにアイテムを貯蔵することを許可しない。「はい」ボタン２０４が押されると、タッチ画面２６に構成可能な引出しのリストが表示されて、ユーザは、１つの引出しを選ぶように促される。この時点で、ユーザは、貯蔵スペースを生成するために選ばれた引出しにパーティション５２を導入できる。

図１１に戻って、タッチ画面２６で１つの引出しを選んだあとで、ユーザは、ブロック１０８で選ばれた引出しの貯蔵スペースのレイアウトに関する情報を提供するように促される。このような情報は、選ばれた引出しの基本構成を表すグラフィック表現を表示するタッチ画面２６を通してユーザによって提供される。以下で詳細に説明するように、基本構成は、引出しの１又は複数の貯蔵スペース場所を表すイメージを生成するようにユーザが修正できる。

図１３は、引出しの例示的基本構成３００のグラフィック表現であって、引出しのすべてのゾーンおよびパーティションに関するすべての可能性のある場所を示す。貯蔵スペースを定義する場合に利用可能な各ゾーン３０２が、陰影を付されていないエリアとして表示され、「構成」という単語で示される。分かり易く、また説明をし易くするために、１つのゾーンのみを参照番号３０２で示している。理解されるように、「構成」という単語は、例示的なものであって、ここに意図されている発明の範囲から外れることなく、その他の用語や記号を採用することができる。同様に、異なるレベルの陰影、色、クロス・ハッチ又はその他のグラフ的な工夫を使用して、引出しの構成されたゾーンを示すようにできる。

基本構成３００から出発して、ユーザは、制御ユニット１８に対して貯蔵スペース固有の情報、例えば、選ばれた引出しの貯蔵スペースの数、サイズおよび／又は場所を提供する。これを行うために、ユーザは、タッチ画面２６を使用して第１のゾーンおよび第２のゾーン（あるいは、任意のその他のゾーン）を選択することによって、各貯蔵スペースに対して１つの矩形エリアを割り当てる。

図１４は、タッチ画面２６に表示される基本構成画面３００の１つのセクション３０４を示す。引出しの構成を行うために、ユーザは、例えば、基本構成の左下に位置する第１のゾーン３０２Ａをタッチする。第１のゾーンは、矩形エリアの第１の隅を確定し、「生成」という単語を持つ陰影を付けたエリアとして表示される。もちろん、発明の範囲から外れることなしに、選ばれたゾーンを示すためにその他の用語や記号を用いることができる。

次に図１５を参照すると、ユーザは、第１のゾーン３０２Ａの上方２ゾーンおよび右側１ゾーンにある第２のゾーン３０２Ｂをタッチすることによって引出しの構成を続ける。第２のゾーンは、第１の隅に対して対角位置にある第２の隅を確定し、それによって陰影を付した矩形エリア３０８が定義される。もし貯蔵スペースが１つのゾーンのみを占有するのであれば、ユーザは、同じゾーンを２度、すなわち、一度目は、第１のゾーンとして、二度目は、第２のゾーンとして選択すればよい。ユーザは、陰影を付した矩形エリアの第２の隅を別の場所に移すために、タッチ画面２６で他のゾーンのタッチ又は選択を続ける。

陰影を付した矩形エリア３０８が引出しの貯蔵スペースを正確に定義するとユーザが納得すれば、ユーザは、表示画面上の第１のゾーン３０２Ａの単語「生成」をタッチすることによって、この矩形エリアを貯蔵スペース定義として受け入れる。「生成」をタッチすると、この貯蔵スペース定義がメモリに記憶されて、この矩形エリア３０８は、より明るい陰影で表示され、例えば、図１６に示されたように、「新しいポケット」というラベルが付けられる。矩形エリアの内部には、「消去」ボタン３１０も表示されており、ユーザが画面をタッチすることによって貯蔵スペース定義を簡単に消去できるようになっている。

貯蔵スペース定義は、投薬ステーション１０（図１−２）のプロセッサ２０に付随する記憶装置媒体３０に記憶できる。あるいは、又はこれと同時に、貯蔵スペース定義は、引出しのＲＦＩＤタグに記憶することもできる。こうすれば、構成された引出しを別の投薬ステーションに移動する場合、貯蔵スペース定義は、投薬ステーションのキャビネットのＲＦＩＤスキャナを介してその投薬ステーションの制御ユニット１８に自動的に送信される。

グラフィカル・ユーザ・インタフェース（ＧＵＩ）の使用を通して貯蔵スペース定義を便利に提供するためにその他の適当な方法を用いることができることを理解されよう。例えば、第１のゾーンを選択したあとで、ユーザは、第１のゾーンの端部を選び、タッチ画面を横切ってそれを「ドラッグ」するように促される。このようにすることによって、陰影を付したエリアは、それが引出し上で対応する貯蔵スペースを正確に定義するまで、拡張又は縮小できる。別の例として、ユーザは、不規則な形状のアイテムを受け入れるようにＬ字型の貯蔵スペースを欲しいと考えるかもしれない。このケースで、ユーザは、選ばれたゾーンを取り囲む陰影を付したエリアが所望のＬ字型貯蔵スペースを定義するまで、第１のゾーンおよび任意の個数の隣接ゾーンをタッチするように促される。隣接ゾーンを個々に選択するこの方法は、三角形ゾーンに分割された円形引出しのように、引出しが非矩形ゾーンに分割されている場合に適している。

本発明の更に別の実施の形態（図示されていない）では、非矩形の貯蔵スペースがそれの周囲に沿った一連の頂点又は隅によって定義できる。この実施の形態で、ユーザは、隅によって定義された陰影を付したエリアが引出し上の所望の非矩形貯蔵スペースに対応するまで、タッチ画面２６の第１の隅および必要とされる任意の数の付加的隅をタッチするように促される。

再び図１１に戻って、引出しの貯蔵スペースのレイアウトに関する情報を受信したあとで、制御ユニット１８は、ブロック１１０で個々の貯蔵スペースをそこに貯蔵されるアイテムと関連付ける。先に述べたように、貯蔵スペースをアイテムと関連付ける手段としてバー・コード・ラベルを採用することができる。以下の説明は、バー・コードのみについて言及するが、例えば、ＲＦＩＤタグを利用したものなどその他のマシン読取可能な識別技術も採用できることを理解されよう。

ブロック１１０で、ユーザは、タッチ画面上で貯蔵スペースを指定して、この貯蔵スペースに貯蔵スペース・バー・コード・ラベル８０（図４）を貼付するように促される。そのあとで、ユーザは、制御ユニット１８に接続されたスキャナ２８を使用して、選ばれた貯蔵スペース上の貯蔵スペース・バー・コード・ラベルをスキャンするように促される。貯蔵スペース・バー・コード・ラベルは、アイテムの製造業者又はサプライヤによってアイテムに貼付されたバー・コード・ラベル８２（図６）と異なるものでよい。ユーザは、スキャニングにおける誤りの可能性を検出するように、もう一度貯蔵スペース・バー・コード・ラベルをスキャンするように促されよう。２つのスキャンが一致すれば、図１７に示されたように、バー・コード・ラベルから導き出された同定番号又はコード３１２がタッチ画面上の対応する矩形エリアにラベル付けされる。必須でないが、好ましくは、この工程は、引出しにアイテムが貯蔵される前に、すべての貯蔵スペースに対して実行される。そのあと、引出しの任意の貯蔵スペースは、ユーザがそれの貯蔵スペース・バー・コード・ラベルをスキャンするときに、制御ユニットによって同定することができる。

貯蔵スペース・バー・コード・ラベル８０が貯蔵スペースに貼付されてスキャンされたあとで、ユーザは、貯蔵スペースの任意のものにアイテムを貯蔵することを開始する。１つの貯蔵スペースを特別なアイテム・グループと関連付けるためには、ユーザは、アイテム群を貯蔵する選ばれた貯蔵スペースの貯蔵スペース・バー・コード・ラベルをスキャンして、更に選ばれた貯蔵スペースに配置されるすべてのアイテムのアイテム・バー・コード・ラベル８２をスキャンする。各アイテムのバー・コード・ラベル８２をスキャンすることによって、制御ユニット１８は、選ばれた貯蔵スペースに配置されるアイテムの数量を追跡することができる。ユーザは、選ばれた貯蔵スペースに最後のアイテムが配置されたことを示すために、貯蔵スペース・バー・コード・ラベルをもう一度スキャンする。あるいは、ユーザは、キーボード２４を介して数量を入力するように促されるか、あるいは、引出しの貯蔵スペースへのロードが完了したことを示す何らかのその他の行動を取るように促される。

好ましくは、アイテム・バー・コード・ラベル８２は、貯蔵スペースに貯蔵すべきアイテムに関するアイテム固有の情報、例えば、アイテムの説明および有効期限を含み、それによって、アイテムを投薬ステーション１０に貯蔵する前に、キーボード２４を介して制御ユニット１８にこの情報を手動で提供する必要がなくなる。この情報は、中央コンピュータ３４に付随する記憶媒体３６に薬局スタッフによって記憶させることができる。情報は、次に有線又はワイヤレス・ネットワーク３２を介して中央コンピュータ又記憶媒体３６から投薬ステーション１０によって取り出される。あるいは、この情報は、投薬ステーションのプロセッサ２０に付属する記憶媒体３０、例えばハード・ディスク又は光ディスクに人によって記憶させることができる。いずれのケースでも、制御ユニットは、アイテム・バー・コード・ラベルをスキャンするときに、アイテムに関する情報を得ることができる。

本発明の代替的実施の形態では、貯蔵スペースに貼付される貯蔵スペース・バー・コード・ラベル８０は、貯蔵スペースに貯蔵されるアイテムに関する情報と既に関連付けられているため、投薬ステーションにアイテムを貯蔵しようとするユーザは、貯蔵される各アイテムのアイテム・バー・コード・ラベル８２をスキャンする必要がなくなる。例えば、アイテムを薬局の人間によってグループ化するか、あるいは、一緒にまとめることができ、そのときに、彼又は彼女は、アイテム固有の情報、例えば、バッチ識別子、有効期限およびその他貯蔵スペースにロードすべきアイテムに関する情報を有する貯蔵スペース・バー・コード・ラベル８０を生成する。そのあとで、アイテムの一団を投薬ステーション１０の貯蔵スペースに配置するとき、ユーザは、貯蔵スペースに貯蔵スペース・バー・コード・ラベルを固定させて、制御ユニット１８がアイテム固有の情報を自動的に得られるように、貯蔵スペース・バー・コード・ラベルをスキャンする。

個々の貯蔵スペースがそこに貯蔵されるアイテムと関連付けられているため、ユーザによってアイテムが要求されるとき、貯蔵スペースの場所を表示することができ、また必要に応じて、ユーザがそのアイテムを見つけて取り出せるように、適切な引出しをロック解除できる。しかし、ユーザは、既に開いている引出し中の要求されるアイテムの貯蔵スペース場所を既に知っている。このケースで、予めアイテムを同定するのでなく、取出しに先立ってキーボード２４を介してアイテムを同定する必要なしに所望のアイテムの即時取出しを許容するほうが望ましい。アイテムがそれの貯蔵スペースから取り出されると、タッチ画面２６又はバー・コード・スキャナ２８を使用してアイテムを迅速に同定できる。図２０に関連して以下で説明するように、タッチ画面又はスキャナを使用することによって、直観的で効率的な作業の流れが実現する。

もちろん、引出しを再構成することもできる。先に述べたように、制御ユニットは、ブロック１０６でその投薬ステーションで以前に構成されたことのある引出しを検出しようと試み、ユーザがそのような引出しを再構成のために選択できるようにする。引出しの再構成プロセスは、図１１−１６に関して上で述べた最初の構成プロセスと類似している。図１３に示されたように引出しの基本構成３００を表示する代わりに、タッチ画面は、例えば、図１８に示されたように、引出しの現在の構成４００を表示する。ユーザは、タッチ画面２６から、ユーザが再構成しようとする引出しの部分に対応する貯蔵スペース定義の図形内の「消去」ボタン４０２を選択又はタッチできる。こうすれば、ユーザは、変更されていない貯蔵スペースを再定義する必要がない。

ここで図１９を参照すると、最も下の３個の貯蔵スペース定義図形４０４、４０６、４０８（図１８）を選択すると、対応するエリア４１０内部のすべてのゾーンが「構成」とラベル付けされて表示される。この時点で、図１４−１６に関して上で述べたように、ユーザによって１又は複数の新しい貯蔵スペースを定義できる。

貯蔵スペース定義は、例えば、投薬ステーションのプロセッサ２０に付属する記録媒体３０中、又は引出しのＲＦＩＤタグ中に記憶されるので、引出し中の貯蔵スペースの仮想レイアウトをタッチ画面２６に表示できる。仮想レイアウトは、例えば、引出しの平面図、斜視図又はその他のグラフィック表現でよいが、これらに限らない。タッチ画面２６上に仮想レイアウトを表示することによって、ユーザに対してアイテムの場所を示し、アイテムを取り出した貯蔵スペースを記録するために、貯蔵スペースに隣接して個別照明およびスイッチの配列を設ける必要が排除される。

図２０は、本発明の別の実施の形態に従う投薬ステーションの引出しからアイテムを取り出すプロセスのフロー図を示す。最初に、ユーザは、ブロック５００でキャビネットの引出しを構成するためにログ・オンする。制御ユニットが適正な権限を有するものとしてユーザを認証すると、ブロック５０２で１又は複数の引出しがロック解除される。以下で更に説明するように、続いてユーザは、後で取り出されたアイテムが割り当てられる患者ケースをブロック５０４で選択する。

ブロック５０４では、例えば、図２１に示されたように、タッチ画面２６に患者選択画面６００が表示される。患者６０２のリストは、患者選択画面の左側に示される。リストの下には、患者リストを氏名、室／ベッド又はＩＤコードによってソートするためのボタン６０４、６０６、６０８がある。より迅速な選択を可能とするために、患者リストは、リストを制限するか、フィルタを通すことによって短縮することができ、そうすることによってログ・オンしたユーザのうち治療を受けている患者のみが表示されるようにできる。従って、すべての患者又はログ・オン・ユーザに割り当てられた患者のいずれかをリスト・アップするために、それぞれ「すべての患者」および「マイ患者」とラベル付けされた付加的ボタン６１０、６１２がある。

ユーザは、タッチ画面に表示されたリストの患者の氏名を選択することによって、患者を迅速に選択できる。氏名を選択すると、患者の統計情報６１４が画面の右側に表示される。統計情報６１４は、ユーザが正しい患者が選ばれたことを確認できるように、例えば、生年月日、性別およびその他の同定情報を含む。投薬ステーション１０からユーザがアイテムを後で適切に選択することを助けるための、既知のアレルギー、診断およびその他のコメントに関する情報を患者統計に含めることもできる。

図２０に戻って、ブロック５０４で患者ケースを選択したあとで、ユーザは、ブロック５０６でロック解除された引出しを開いて、この引出しのアイテムにアクセスできる。あるいは、ユーザは、ブロック５０２から進んで、予め患者ケースを選択することなく、ロック解除された引出しを開くことができる。好ましくは、ユーザがいずれかの引出しを開くのに失敗するか、すべてのロック解除された引出しを閉じるのに失敗すると、例えば、「取出しを開始するには、引出しを開けてください」というような注意喚起がタッチ画面２６に表示される。引出しを開いたあと、ブロック５０８で、開かれた引出しの貯蔵スペースの仮想レイアウトがタッチ画面に表示される。

図２２に示されたように、例えば、仮想レイアウト７００は、開かれた引出し内の貯蔵スペースの相対的な位置を表す矩形エリアである仮想貯蔵スペース７０２を含む。塩酸クロルプロマジン ５０ＭＧ／２ＭＬ アンプル（ソラジン）などの貯蔵アイテムの説明７０４が、タッチ画面２６の対応する仮想貯蔵スペース７０２内に表示される。この説明は、ユーザが欲しいアイテムをユーザが探すのを助ける。好ましくは、アイテムの現在の数量７０６も表示されて、会計上の不一致をユーザが同定するのを助ける。処理数７０８もまた仮想貯蔵スペースに表示される。処理数は、採用された単位数で増分し、特定の貯蔵スペースから取り出されたアイテム数をユーザに思い出させる便利な手段となる。必要なアイテムが引出しに存在しない場合は、ユーザは、この引出しを閉じて別のロック解除された引出しを開くことができる。この時点で、タッチ画面上の仮想レイアウト７００および説明７０４は、新らたに開かれた引出しを反映するように更新される。

本発明の別の実施の形態では、２つ以上の引き出しを同時に開く、又は引き出すことができる。この実施の形態では、タッチ画面２６に２つ以上の仮想レイアウト７００を表示できるが、典型的には、処理を記録するためにアクティブなものは、１つの仮想レイアウトだけである。一般に、アクティブな仮想レイアウトが最前面に表示され、任意のアクティブでない仮想レイアウトは、背景に表示されてアクティブな仮想レイアウトによって部分的に隠される。好ましくは、アクティブな仮想レイアウトは、最も手前に引き出されて開かれた引出しおよび／又は他の開かれた引出しをその背後に隠している開かれた引出しに対応する。従って、制御ユニット１８は、各引出しがどれだけの距離手前に引き出されたかを監視して、表示画面でアクティブにする仮想レイアウトを決定する。

再び図２０を参照すると、ブロック５１０で必要とされるアイテムがユーザによって見つけられたあとで、ユーザは、ブロック５１２で貯蔵スペースからこのアイテムを取り出すだけである。アイテムを取り出したあと、ユーザは、処理を記録するために、取り出されたアイテム上のバー・コード・ラベル８２をブロック５１４でスキャンできる。この時点で、仮想貯蔵スペース７０２に表示される現在の数量７０６（図２２）は、１測定単位だけ減少する。もし２つのアイテムが取り出されれば、ユーザは、両方のアイテムのバー・コード・ラベルをスキャンして、表示されている現在の数量が２測定単位だけ減少する。累積的な処理リスト又は取り出された要約７１０が、仮想レイアウト７００の隣に便宜のために表示される。アイテムのバー・コード・ラベル８２のスキャンによって、取出しの要約にアイテムの説明、貯蔵スペース場所および取出しの日付および時刻がブロック５１６で加えられる。取出しの要約は、アイテムが既に取り出されたことをユーザに思い出させる便利な手段として役立ち、付加的なアイテムの不必要な取出し、無駄な消費や破棄の可能性を減らす。

代替的実施の形態では、処理を記録するためのアイテムのバー・コード・ラベル８２をスキャンする代わりに、ユーザは、ブロック１１４でタッチ画面２６上の対応する仮想貯蔵スペース７０２を選択する。貯蔵スペースの現在の数量がゼロよりも大きい場合は、仮想貯蔵スペースに「取り出してください」という表現が表示されて、仮想貯蔵スペースを選択又はタッチすることで処理が記録されることを示す。表示されたそれのイメージをタッチすることによって仮想貯蔵スペースを選択すると、仮想貯蔵スペースに表示される取出しの要約７１０、現在の数量７０６および処理数７０８が更新される。

ユーザがアイテムのバー・コード・ラベルをスキャンするか、適当な仮想貯蔵スペースを選択したあとで、ユーザは、取出しの要約７１０にリスト・アップされたすべてのアイテムをブロック５１９で受け入れることができる。典型的には、タッチ画面２６の下部付近に「受入れ」ボタン７１２（図２２）が表示される。「受入れ」ボタンを押すと、制御ユニット１８は、取出しの要約にリスト・アップされたすべてのアイテムの使用を以前に選ばれた患者ケースに割り当てる。以前にブロック５０４で患者ケースが選択されていないときは、ユーザは、ブロック５２２で患者を選択するように促され、そのあとで、取出しの要約７１０にリスト・アップされたすべてのアイテムの使用が選ばれた患者ケースに割り当てられる。

本発明の別の実施の形態は、狭い引出しを含む投薬ステーション１０を含む。このケースでは、図２２に示されたものと異なる仮想レイアウトがタッチ画面２６に表示される。例えば、図２３に示されたように、仮想レイアウト８００は、キャビネット１２の前面を示すことができ、キャビネットの引出し１６の相対的位置を示す。この仮想レイアウトで、各矩形は、仮想引出し８０２を表す。分かり易く、また説明をし易くするために、１つの仮想引出しだけが参照番号８０２で示されている。仮想引出し８０２Ａのように同じ説明を有するアイテムが引出しに含まれるとき、それぞれ対応する仮想引出しにこのアイテムの説明が表示される。処理を記録するために、ユーザは、アイテムの説明を有する仮想引出しをタッチするだけでよい。

別の実施の形態では、１又は複数の引出しを一列に並ぶ複数の貯蔵スペースに区分化して、各貯蔵スペースが異なるタイプのアイテムを貯蔵するようにすることができる。この場合、仮想引出し８０２Ｂに示されたように、対応する仮想引出しに「複数医薬（Ｍｕｌｔｉ−Ｍｅｄ）」が表示される。ユーザがタッチ画面の単語「複数医薬」をタッチするか、あるいは、複数医薬引出しを物理的に開くと、仮想引出しの直下に仮想貯蔵スペース８０４の列が表示される。処理された数量および現在の数量を含む、貯蔵スペースに貯蔵されているアイテムの説明が、仮想貯蔵スペースに表示される。処理を記録するために、ユーザは、タッチ画面２６に表示された仮想貯蔵スペースのどれかにタッチするだけでよい。

本発明の更に別の実施の形態では、図２２および２３に関して説明した仮想貯蔵スペースの各々に「戻す」ボタン７１６、８０６が表示される。特定の貯蔵スペースで「戻す」ボタンを押すと、ユーザは、この貯蔵スペースへのアイテムの返却を瞬時に記録できる。

医療処置の前などいくつかの状況で、ユーザは、のちに医療処置の間に使用するために投薬ステーションから取り出す必要のあるアイテムの長いリストを頭に入れている。一般に、アイテムは、投薬ステーションのいくつかの異なる引出しに貯蔵されている。そのため、ユーザは、取り出すべきアイテムのリストを作成して、次に引出しからアイテムを取り出すように進むことが便利であり、より効率的である。予め定義されたリストに基づいてアイテムを取り出すことによって、制御ユニット１８は、一時に１つの引出しからアイテムを取り出すよう命令することができ、これによってユーザは、１つの引出しを一回以上開いたり閉じたりする必要がなくなることから時間を節約できる。このように、本発明の別の実施の形態では、後に投薬ステーションからアイテムを取り出すばあいにユーザにとってガイドとなるそのようなリストをユーザが便利にかつ迅速に作成できるようにするために、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを採用できる。

図２４には、以前に患者に割り当てられたアイテム９０２のリストを含む患者ケースのメイン画面９００が示されている。アイテムのリストは、「商標」ボタン９０４又は「一般」ボタン９０６のいずれかを選択することによって、それぞれアイテムの商標名又は一般名で表示することができる。また、リストは、「医薬名」ボタン９０８、「降順処理時刻」ボタン９１０および「昇順処理時刻」ボタン９１２を介することによって、それぞれアイテム名、降順の処理時刻又は昇順の時刻時間に従ってソートすることができる。更に、最後の２４時間内に割り当てられたアイテム、ユーザによって割り当てられたアイテム又は手術室で使用されるアイテムにリスト９０２を限定又は短縮するために、それぞれ「最後の２４時間」ボタン９１４、「マイ医薬のみ」ボタン９１６および「オペ医薬のみ」ボタン１３６が設けられている。画面９００の底部には、「医薬で取出し」ボタン９２０があって、これは、投薬ステーションから取り出すべきアイテムのリストをユーザが作成するのを許容する。

ここで図２５を参照すると、本発明の別の実施の形態に従って引出しからアイテムを取り出すプロセスを示すフロー図が示されている。最初に、ブロック１０００でユーザは、システム３１にログ・オンして、ブロック１００２で投薬ステーションの引出しをロック解除しようとする。ブロック１００４で患者ケースを選択したあと、ユーザは、投薬ステーションから取り出すべきアイテムのリストを作成するか、あるいは、予め定義されたリストを選択する。「医薬で取出し」ボタン９２０（図２４）を押すと、ユーザは、取り出すべきアイテムのリストを作成するようにブロック１００６で促される。リストの高速作成を容易にするために、タッチ画面２６には、医薬選択画面が表示される。

図２６に示されたように、例えば、医薬選択画面１１００は、投薬ステーション１０に貯蔵又はロードされたアイテムのリスト１１０２を含む中央パネル・ディスプレイを含む。貯蔵又はロードされたアイテムのリストは、アルファベット順にソートされて表示されるが、画面の設定および/又はユーザのニーズに応じてその他の順序に表示することもできる。リスト１１０２の上には、アルファベットの文字を記した一列のボタン１１０４があって、選ばれた文字から始まる名前でユーザがリストを選択できるようになっている。あるいは、ボタン１１０４を使用して、選ばれた文字から始まるアイテムを含むリストの一部分を迅速に表示できる。

ブロック１００６（図２５）で１つのアイテムを選択するために、ユーザは、タッチ画面２６に表示されたリスト１１０２のアイテムの名前を選択するだけでよい。好ましくは、デフォルトの数量は、１測定単位である。同じアイテムの数量を追加するためには、ユーザは、キーボード２４を介して数量を入力する必要を回避するために、そのアイテムの名前をもう一度選択すればよいようになっている。しかし、キーボードを使用して数量を変更するか、あるいは、直接に数量値を入力してもよい。選ばれたアイテムは、累積リスト又は要約１１０６に示される。ユーザに対して注意を喚起するものとして、患者の氏名、生年月日およびアレルギーが医薬選択画面１１００の上部のヘッダ・バー１１０８に示される。他の情報も同様に表示することができるが、それらは、施設ごとに予め定められるか、あるいは、ユーザが開始する適当な設定プロセスを通して用意できる。画面の下部に設けられた「払出し」ボタン１１１０は、最後のアイテムが選択されたこと、また取出し用のアイテム・リストが完了したことをユーザが示すことを可能にする。ブロック１００６でユーザがリストの作成を終了したあとで、リストは、プロセッサ２０によって再構成されて、アイテムが貯蔵されている投薬ステーションの引出しに従ってアイテムをグループ化することが行われる。そのあとで、ユーザは、次に進んでブロック１００８でアイテムを取り出す。

ガイド付き取出し画面１２００が図２７に示されている。この画面は、情報のなかでもブロック１００８（図２５）で取出し用に指定されたアイテムのリストを含む。取り出すべきアイテムがパネル１２０１にリスト・アップされ、列には、例えば、アイテムの説明、取出し数量および投薬ステーションでのアイテムの場所又は引出し／貯蔵スペース識別子が表示される。ユーザがアイテムを並べ替える助けとするため、「商標」ボタン１２０２および「一般」ボタン１２０４をそれぞれ押せば、アイテムの商標名又は一般名をアイテム説明列に示すことができるようになっている。取り出すときに、アイテムの数を増やしたり減らしたりしたい場合にキーボード２４を用いて編集できるテキスト・ボックス１２０６に取り出す数量が示される。

ガイド付き取出し画面に示されるアイテムは、引出し／貯蔵スペース場所に従って昇順に並び替えられ、これによって投薬ステーションの各種引出しおよび貯蔵スペースから効率的および正確な取出しが容易になる。典型的には、最上部引出しのアイテムがまず強調表示されて、ユーザにこの引出しからアイテムを取り出すように促す。この引出しからすべてのアイテムが取り出されたあと、ユーザが引出しを閉じて、制御ユニット１８は、ブロック１０１０（図２５）で、取り出されたアイテムの使用を選ばれた患者ケースに割り当てて、この処理を記録する。そのあと、下側の引出しから取り出すべきアイテムがガイド付き取出し画面１２００に強調表示される。

例えば、日付、時刻、アイテムの説明、数量および引出し／貯蔵スペースの場所を含む処理の記録が、ガイド付き取り出す画面１２００のパネル１２０８に表示される。いくつかの例で、リスト上のいくつかのアイテムは、取出し時に最早必要でなくなっており、そのためユーザは、ガイド付き取出し画面のパネル１２０１に表示されたそれらのアイテムをスキップしたいと思うかもしれない。スキップすべきアイテムは、ガイド付き取出し画面でアイテムの名前を選択し、「現在のアイテムをスキップ」ボタン１２１０を選択することによって指定される。例えば、緊急事態のために、別のアイテムを至急取り出したい場合など、ガイド付き取出し画面で残りのアイテムの取出しをキャンセルしたい状況がある。すべてのアイテムの取消しは、ガイド付き取出し画面１２００の右下にある「すべてのアイテムをキャンセル」ボタン１２１２を選択することによって実行される。

本発明の別の実施の形態では、ユーザは、取り出すべきアイテムのリストを保存しておいて、同じユーザ又は他のユーザが同じアイテム・グループを取り出すときに繰り返し利用できるようになっている。予め定義されたグループ又はリストを選択することによって、ユーザは、例えば、新生児分娩や一般外科のような共通的な事象分類に対してリストを再度作成する必要を回避する。特定の事象分類に対してアイテムを予めグループ化又はリスト化して定義することは、一般にキットとして知られている。

再び図２５を参照すると、ユーザは、ブロック１００４で患者ケースを選択したあと、ブロック１０１２でキットを選択する。「キットで取出し」ボタン９２２（図２４）を押すと、キットのリストがタッチ画面２６に表示される。

図２６の医薬選択画面１１００の「システム分類で医薬を選択」と名付けられたパネル１１１２に表示されたキットのリストから１つのキットが選択される。キットは、一般に、例えば、麻酔、新生児又は一般の外科のようにシステム分類に従って表示される。例示したシステム分類の各々に対して１つのキットだけが提供されているが、実際には、同じ目的で２つ以上のアイテムがしばしば使用できるし、またユーザによって行われる処置および技術が異なることのために、各々のシステム分類に対して複数のキットが存在する。例えば、異なるユーザによっていくつかの異なる手術用キットが作成される。このように、特定のキットを作成したユーザがパネル１１１２で確認でき、ユーザがその特定のキットを選択することを助ける。例えば、新生児分娩において、ジョン・スミス博士が使用するアイテムを取り出したい看護士は、パネル１１１２からジョン・スミス博士が作成した「新生児」キットを選択するであろう。

図２６の医薬選択画面１１００の「マイ・キットで医薬選択」と名付けられたパネル１１１４に表示されたキットのリストからキットを選ぶこともできる。このパネルは、投薬ステーションに現在ログ・オンしているユーザによって以前に作成および保存されたキットのみを含む。例えば、グリーン博士がログ・オンしているユーザであるとすると、グリーン博士によって作成されたすべてのキットがパネル１１１４に表示される。

もう一度図２５に戻ると、ブロック１０１２でパネル１１１２又はパネル１１１４のいずれかからキットが選ばれたあとで、ユーザは、次に進み、図２７に関して上で説明したように、ガイド付き取出し画面１２００の指示に従ってブロック１００８でアイテムを取り出す。

あるいは、ユーザは、次に進み、選ばれたシステム・キットからまず個別のアイテムを選択することによってブロック１００８でアイテムを取り出すこともできる。図２８に示されたように、例えば、麻酔システム・キットを選択すると、医薬選択画面１１００の中央パネルのリスト１１０２には、麻酔システム・キットに含まれるアイテムだけが含まれる。ユーザは、次に進み、医薬選択画面１１００の右側のパネルにある選択の要約１１０６に含めるべきアイテムをリスト１１０２から選択する。ユーザが選択の要約１１０６に含まれるすべてのアイテムを取り出す準備ができたとき、ユーザは、「払出し」ボタン１１１６を押して、制御ユニット１８に投薬ステーションの選ばれたアイテムの場所を表示させ、適切な引出しをロック解除させる。

以上のことから明らかなように、発明の原理に従ってアイテムを貯蔵し、アイテムの使用状況を追跡するシステムおよび方法は、多種多様なアイテムの貯蔵および追跡においてより大きな柔軟性を提供することによってユーザの作業の流れを改善する。グラフィカル・ユーザ・インタフェースを通して、ユーザは、投薬ステーションの引出しの貯蔵スペースの数、サイズおよび場所を迅速かつ便利に再構成できる。ユーザは、また引出しの貯蔵スペースおよびアイテムに貼付されたマシン読取可能な識別子に適応したスキャナ又はグラフィカル・ユーザ・インタフェースを使用して、アイテムを効率的および正確に払い出すことができる。これによって作業の流れが改善されることで、ユーザは、患者に対して直接的な治療を提供するためにより多くの時間が割けるようになり、患者の安全性を改善でき、追跡エラーの低減が促進される。

発明のいくつかの特別な形態について例示し説明してきたが、発明の範囲から外れることなく、各種の修正を施すことが可能であることを理解されよう。例えば、引出しのレイアウトに対する変更を許容するように多様な適当なパーティションを使用できる。更に、貯蔵スペースは、調節可能なパーティション又は１つの貯蔵スペースを他のものから分離する適当な手段によって定義できる。別の例として、グラフィカル・ユーザ・インタフェースの効率的使用を容易にするために、任意の適当なフィルタリングおよびソーティング方法を採用できる。更に、開示された実施の形態の特殊な特徴および態様の各種組合せおよび小組合せを互いに組み合わせたり、置き換えたりすることによって、発明の多様な様態を構成できることを理解されよう。例えば、ガイド付き取出し画面と組み合わせた仮想レイアウトを採用することによって、予め定義されたリスト又はキットの一連のアイテムを取り出す助けとすることができる。従って、添付された請求項による以外に本発明が制限を受けることは、意図されていない。

表示画面、キーボードおよび複数の引出しを示す、投薬ステーションの斜視図。 図１の投薬ステーション、中央コンピュータおよび記録メディアの間のネットワーク接続を示す、アイテムを貯蔵し、追跡する図１の投薬ステーションのオペレーティング・システムのブロック図。 複数の貯蔵スペースとスライド制御機構センサを備えた引出しを示す、図１の投薬ステーション内の引出しアセンブリの側面斜視図。 複数の貯蔵スペースを分離する取り外し可能なパーティションを示す、図３の引出しアセンブリの上部斜視図。 Ｌ字型貯蔵スペースを形成するためにいくつかのパーティションを取り除いた、図３の引出しアセンブリの上部斜視図。 大型の貯蔵スペースを形成するためにいくつかのパーティションを取り除き、また１つの貯蔵スペースにある１つのアイテムを示した図３の引出しアセンブリの斜視図。 縦方向に細長い貯蔵スペースを形成するためにいくつかのパーティションを取り除いた、図３の引出しアセンブリの斜視図。 横方向に細長い貯蔵スペースを形成するためにいくつかのパーティションを取り除いた、図３の引出しアセンブリの斜視図。 引出しアセンブリの底のラッチ部材から取り外された１つのパーティションを示す、引出しアセンブリの断面図。 引出しアセンブリの底のラッチ部材に結合されたパーティションを示す、図８の引出しアセンブリの断面図。 引出しの貯蔵スペースのレイアウトと一緒に示された、ユーザ・インタフェースおよび制御システムを構成するプロセスのフロー図。 タッチ画面・ディスプレイに表示された新しい引出し構成画面のグラフィック表現を示す図。 引出しのすべてのゾーンおよびパーティションのすべての可能な場所を示す、タッチ画面・ディスプレイに表示された基本構成画面のグラフィック表現を示す図。 図１３の基本構成画面で第１のゾーンが選ばれたあと、タッチ画面・ディスプレイに表示される構成画面の一部分のグラフィック表現を示す図。 図１４の構成画面で第２のゾーンが選ばれたあと、タッチ画面・ディスプレイに表示される構成画面の一部分のグラフィック表現を示す図。 図１５の構成画面で作成ボックスが選ばれたあと、タッチ画面・ディスプレイに表示される構成画面の一部分のグラフィック表現を示す図。 貯蔵スペース定義に付随する識別番号を示す、タッチ画面・ディスプレイに表示される構成画面の一部分のグラフィック表現を示す図。 ６個の貯蔵スペース定義の各々に関する消去ボタンを示す、タッチ画面・ディスプレイに表示される構成画面の一部分のグラフィック表現を示す図。 図１８の構成画面で消去ボタンが選ばれたあと、タッチ画面・ディスプレイに表示される構成画面の一部分のグラフィック表現を示す図。 引出しからアイテムを即時取り出すプロセスのフロー図。 患者の患者統計情報（ｐａｔｉｅｎｔ ｄｅｍｏｇｒａｐｈｉｃ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）を示す、患者選択画面のグラフィック表現を示す図。 仮想貯蔵スペースを対応する貯蔵スペースに記憶されたアイテムの説明と一緒に示す、仮想レイアウトのグラフィック表現を示す図。 投薬ステーションの部分フロント図を対応する引出しに貯蔵されるアイテムの説明と一緒に示す、仮想レイアウトのグラフィック表現を示す図。 アイテムを取り出すための方法を選択するボタンを示す、患者ケース・メイン画面のグラフィック表現を示す図。 予め定義されたリストに基づいて引出しからアイテムを取り出すプロセスのフロー図。 キット・リスト、投薬ステーションにあるアイテムの語順リストおよび取り出すために選ばれたアイテムの要約を示す、医薬選択画面のグラフィック表現を示す図。 引出しおよび貯蔵スペース場所で整理された取り出すためのアイテムを示す、ガイド付き取出し画面のグラフィック表現を示す図。 麻酔システム・キットを含むシステム・キットおよびアイテムのリストを示す、医薬選択画面のグラフィック表現を示す図。

Claims (29)

1. アイテムを貯蔵し、アイテムの使用状況を追跡するシステムであって、
   各種サイズのアイテムを受け入れられるように調節可能な複数の貯蔵スペースを有する引出しと、
   引出し構成情報および貯蔵スペース場所情報を入力する入力手段と、
   引出しと交信状態にあって、貯蔵スペースの場所を含む引出しの構成を調節するための入力をユーザから受信するようにプログラムされた制御ユニットと、
   プロセッサと交信状態にあって、貯蔵スペース場所情報および引出し構成情報を含む貯蔵スペース固有の情報と、アイテム固有の情報とを記憶するメモリと、
   制御ユニットと交信状態にあって、制御ユニットによって記憶された貯蔵スペース固有の情報を表すイメージを表示するように構成された表示画面と、
   を含むシステム。
2. 請求項１記載のシステムであって、貯蔵スペース固有の情報を表すイメージは、引出しのグラフィック表現と貯蔵スペースの相対的な位置とを含む前記システム。
3. 請求項１記載のシステムであって、プロセッサは、更にユーザが貯蔵スペース固有の情報を入力したときに、少なくとも説明と、選ばれた貯蔵スペースに配置されるアイテムの数量とを含む処理記録を生成するようにプログラムされている前記システム。
4. 請求項３記載のシステムであって、処理記録は、更に説明と、選ばれた貯蔵スペースから取り出されたアイテムの数量とを含む前記システム。
5. 請求項１記載のシステムであって、表示画面は、貯蔵スペース固有の情報を制御ユニットに通知するようにユーザが修正できる仮のイメージを表示するように構成されている前記システム。
6. 請求項１記載のシステムであって、更に
   アイテムに固定されたマシン読取可能な識別タグと、
   制御ユニットと交信状態にあって、タグを読み取るように構成されたスキャナと、
   を含む前記システム。
7. 請求項６記載のシステムであって、マシン読取可能な識別タグは、アイテム固有の情報を記憶し、通知するように構成されている前記システム。
8. 請求項１記載のシステムであって、更に
   複数の貯蔵スペースの１つに固定されたマシン読取可能な識別タグと、
   制御ユニットと交信状態にあって、タグを読み取るように構成されたスキャナと、
   を含む前記システム。
9. 請求項８記載のシステムであって、マシン読取可能な識別タグは、アイテム固有の情報を記憶し、通知するように構成されている前記システム。
10. アイテムを貯蔵し、アイテムの使用状況を追跡するシステムであって、
    アイテムを貯蔵するための複数の貯蔵スペースを有するトレイであって、貯蔵スペースの１又は複数のものがユーザ調節可能のパーティションを有するトレイと、
    貯蔵スペース固有の情報とアイテム固有の情報とを記憶するように構成され、処理記録を生成するように構成された制御ユニットと、
    制御ユニットと交信状態にあって、制御ユニットによって記憶された貯蔵スペース固有の情報を表すユーザが定義するタッチ式イメージを含み、貯蔵スペース固有の情報を入力および編集するグラフィカル・ユーザ・インタフェースと、
    を含むシステム。
11. 請求項１０記載のシステムであって、タッチ式イメージは、トレイのグラフィック表現およびそこに含まれるパーティションの場所を示している前記システム。
12. 請求項１０記載のシステムであって、ユーザがトレイ上の選ばれた貯蔵スペースに対応するタッチ式イメージの一部分をタッチすると、制御ユニットは、少なくとも説明と、選ばれた貯蔵スペースに配置されたアイテムの数量とを含む処理記録を生成する前記システム。
13. 請求項１０記載のシステムであって、ユーザがトレイ上の選ばれた貯蔵スペースに対応するタッチ式イメージの一部分をタッチすると、制御ユニットは、少なくとも説明と、選ばれた貯蔵スペースから取り出されたアイテムの数量とを含む処理記録を生成する前記システム。
14. 請求項１０記載のシステムであって、グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、貯蔵スペース固有の情報を制御ユニットに通知するように修正可能な仮のイメージを表示するように構成されている前記システム。
15. 請求項１０記載のシステムであって、更に
    アイテムに固定されたマシン読取可能な識別タグと、
    制御ユニットと交信状態にあって、タグを読み取るように構成されたスキャナと、
    を含む前記システム。
16. 請求項１５記載のシステムであって、マシン読取可能な識別タグは、アイテム固有の情報を記憶し、通知するように構成されている前記システム。
17. 請求項１０記載のシステムであって、更に
    複数の貯蔵スペースの１つに固定されたマシン読取可能な識別タグと、
    制御ユニットと交信状態にあって、タグを読み取るように構成されたスキャナと、
    を含む前記システム。
18. 請求項１７記載のシステムであって、マシン読取可能な識別タグは、アイテム固有の情報を記憶し、通知するように構成されている前記システム。
19. アイテムを貯蔵し、アイテムの使用状況を追跡する方法であって、
    貯蔵スペースが位置する少なくとも１つの場所を含む、現在の引出し構成のグラフィック表現を提供する工程と、
    所望する貯蔵スペース場所の第１の隅を指定する工程と、
    所望する貯蔵スペース場所の第２の隅を指定する工程と、
    グラフィック表現を更新して、指定された貯蔵スペース場所を示す工程と、
    指定された貯蔵スペース場所をメモリに記憶する工程と、
    を含む方法。
20. 請求項１９記載の方法であって、更に
    グラフィカル・ユーザ・インタフェースから貯蔵スペース固有の情報を受信する工程と、
    貯蔵スペースを貯蔵スペースに貯蔵すべき選ばれたアイテムと関連付ける工程と、
    選ばれたアイテムを貯蔵スペースに貯蔵する工程と、
    選ばれたアイテムを貯蔵スペースから取り出す工程と、
    処理記録を生成する工程と、
    を含む前記方法。
21. 請求項２０記載の方法であって、貯蔵スペース固有の情報を受信する工程が、
    グラフィカル・ユーザ・インタフェース上に仮のイメージを表示する工程と、
    グラフィカル・ユーザ・インタフェース上の仮のイメージを、引出し内部の貯蔵スペースの場所を表すイメージに修正する工程と、
    を含む前記方法。
22. 請求項２０記載の方法であって、貯蔵スペースを貯蔵スペースに貯蔵すべき選ばれたアイテムと関連付ける工程が、貯蔵スペース上の識別タグをスキャンし、選ばれたアイテム上の識別タグをスキャンする工程を含む前記方法。
23. 請求項２０記載の方法であって、選ばれたアイテムを取り出す工程が、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上に貯蔵スペース固有の情報を表すグラフィック・イメージを表示し、イメージの一部を選択する工程を含む前記方法。
24. 請求項２０記載の方法であって、選ばれたアイテムを取り出す工程が、選ばれたアイテム上の識別タグをスキャンする工程を含む前記方法。
25. 請求項２０記載の方法であって、選ばれたアイテムを取り出す工程が、取り出すべきアイテム・キットを定義し、キット内の個別アイテムの貯蔵スペース場所に基づいてアイテム・キットを取り出すためのシーケンスを定義する工程を含む前記方法。
26. 請求項２５記載の方法であって、取り出すべきアイテム・キットを定義する工程が、グラフィカル・ユーザ・インタフェースから個別アイテムを選択する工程を含む前記方法。
27. 請求項２５記載の方法であって、取り出すべきアイテム・キットを定義する工程が、グラフィカル・ユーザ・インタフェースから予め定義されたアイテム・リストを選択する工程を含む前記方法。
28. 請求項２０記載の方法であって、処理記録を生成する工程が、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上に貯蔵スペース固有の情報を表すグラフィック・イメージを表示し、イメージの一部を選択する工程を含む前記方法。
29. 請求項２０記載の方法であって、処理記録を生成する工程が、選ばれたアイテムに固定された識別タグをスキャンする工程を含む前記方法。