JP4961412B2 - 有機素子、及び、有機素子の製造方法 - Google Patents

有機素子、及び、有機素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセント素子(以下、「有機EL素子」と略記することがある)、有機太陽電池、有機半導体(有機FET等)等、電荷輸送性有機物を使用する有機素子及びその製造方法に関する。
近年、有機半導体や有機導電体の研究が盛んに行われており、中でも有機半導体を使用する発光体である有機EL素子の進展がめざましい。
有機EL素子において、Tangらは、素子の高効率化のため、キャリア輸送性の異なる有機化合物(ホール輸送性有機物と電子輸送性有機物)を積層し、ホールと電子がそれぞれ陽極、陰極よりバランスよく注入される構造とし、しかも該陰極と陽極に挟まれた有機層の層厚を2000Å以下とすることで、10V以下の印加電圧で1000cd/m2と外部量子効率1%の実用化に十分な高輝度、高効率を得ることに成功した(Appl.Phys.Lett.,51,913(1987)、特開昭59−194393号公報、特開昭63−264692号公報、特開平2−15595号公報、米国特許第4,539,507号明細書、同第4,769,292号明細書、同第4,885,211号明細書参照)。
Tangらは、有機太陽電池においても、キャリア輸送性の異なる有機化合物(ホール輸送性有機物であるCuPcと電子輸送性有機物であるPV)を積層して、1%に近いパワー変換効率を実現している(Appl.Phys.Lett.、48,183(1986))。
最近では、これら有機デバイスの電極に挟まれた部分を複数積層して、回路的には直列に接続することで、素子の高効率化を図るアイディアが論文、及び特許文献中に散見されるに至っている(Appl.Phys.Lett.、80,1667(2002)、Chemistry Letters, pp.327−330(1990)、特開平11−329748号公報、米国特許第6337492号明細書、特開2003−45676号公報、特開2003−264085号公報、等参照)。
特に本発明者は特開2003−272860号公報において、102Ωcm以上の比抵抗を有する電気絶縁性の電荷発生層を用いて複数の有機EL発光ユニットを回路的に直列に接続する手法を開示し、MPE(Multi−Photon Emission)有機EL素子と名付けて、学会、展示会等の機会を利用して発表、展示を行い高い評価を得てきた(第49回応用物理学会関係連合講演会、講演予稿集27p−YL−3,p.1308、第63回応用物理学会学術講演会、講演予稿集27a−ZL−12,p.1165、Proceedings of EL2002 (International Conference on the Science and Technology of Emissive Display and Lighting) p.539、Proceedings of IDMC'03 (International Display Manufacturing Conference) Fr−21−01 p.413、SID03 DIGEST, vol.XXXIV, BOOKII, p.964、SID03 DIGEST, vol.XXXIV, BOOKII, p.979、第13回フラットパネルディスプレオ製造技術展での講演会D−4(2003)、LCD/PDP INTERNATIONAL2002での(株)アイメスの白色発光体の展示及び配布資料、EExpress(2002年11月15日号)等参照)。
この電荷発生層の構造は、本発明者がこれまで蓄積してきた有機EL素子の電極に接する電荷(電子やホール)注入層の組成を、順次、積層したものと類似している。具体的には、特開平10−270171号公報(米国特許第6013384号明細書)や特開2001−102175号公報(米国特許第6589673号明細書)で開示した、電子受容性(電子輸送性)有機物をアルカリ金属等の還元性(電子供与性)物質で還元して生成する該電子受容性有機物のラジカルアニオン分子を含有する層と、特開平11−251067号公報(米国特許第6423429号明細書)や特開2001−244079号公報(米国特許第6589673号明細書)や特開2003−272860号公報、特願2003−358402号、特願2004−202266号明細書等で開示した、電子供与性(ホール輸送性)有機物をV25やMoO3やWO3や、
Figure 0004961412
で示される4F−TCNQや、
Figure 0004961412
で示されるPNB等の酸化性(電子受容性)物質で酸化して生成する該電子供与性有機物のラジカルカチオン分子を含有する層を順次積層した組成を有している(参照文献:K.L.T.Dao and J.Kido, J. Photopolym. Sci. Technol., 15, 261 (2002))(参照資料:IDW'04 Advance Program,p.60,OLED2−4,Novel Mg:Alq3/WO3 Connecting Layer for Tandem White Organic Light Emitting Diodes(WOLEDs)、C.−C.Chang,S.−W.Hwang,H.−H.Chen,C.H.Chen,J.−F.Chen(2004))。この電荷発生層を介して従来型有機EL素子の陰極、陽極に挟まれた部分(発光ユニット)を積層すると、電圧印加時において、該電荷発生層から、陰極方向にホールが移動し、陽極方向に電子が移動するので、複数の発光ユニット中でホールと電子の再結合が生じ光子が発生する。結果として単位注入電流密度当たりの発光強度(例えば量子効率や電流効率)が略(n+1)倍になることが証明された(nは電荷発生層の層数)。この場合、駆動電圧も略(n+1)倍となるので、原理的には、電力変換効率はほとんど改善しない(変化しない)と予測された。
しかしながら、厳密かつ詳細に検討すると、最適化された条件で作成されたMPE有機EL素子構造は、電力変換効率においても相応の改善効果を実現できる。有機半導体は無機半導体に比べ電荷移動度が桁違いに低いため、所望の電流値を得るには「付加的な電圧」を要することは周知である。ここで言う「付加的な電圧」とは、例えば、2eVの光子を放出するのに最低限必要な2Vのデバイス電圧を超えて、単位時間当たり、所望の、多量の光子を放出するために必要な電流密度を得るために'付加的に'必要とされる電圧(つまり、この場合は(駆動電圧−2V)=(付加的電圧))を言う。したがって、一般的に、輝度が電流密度のみに比例する有機EL素子を例にとれば、輝度の高い領域での電力変換効率は輝度の低い領域での電力変換効率よりも低下する(図24参照)。しかしながら、MPE有機EL素子と従来の有機EL素子を同輝度において比較すれば、MPE素子の場合は所要電流密度が略1/(n+1)、(nは電荷発生層の層数)となり、そのとき各(単位)発光ユニット当たり、消費される電位は、従来の有機EL素子で消費される電位よりも低下するので、実際には全消費電力は低下することになる(つまり電力変換効率は上昇する)。図24に従来の有機EL素子構造を電荷発生層を介して2段(n=1)、5段(n=4)、10段(n=9)、と重ねた場合に、電力変換効率(lm/W)が各輝度ごとにどのように変化するかをシミュレートしたものを示した。ここでは電流効率(cd/A)がきっちり(n+1)倍となり、駆動電圧も、(同一輝度の時ではなく)同一電流密度の時に、きっちり(n+1)倍(nは電荷発生層の層数)となる場合を示している。因みに従来構造の有機EL素子のデータ(1段、n=0の場合)は実際に作製した素子のデータである。このような良好な状態のMPE素子は簡単に実現されるわけではない。例えば、所望の電流値を得るための電圧が従来構造の有機EL素子の(n+1)倍以上となる場合、つまり、発光ユニットを電荷発生層を介して重ねるたびに、望ましくない「過剰電圧(ΔV)」が加えられる事態が生じた場合は、当然のことながら電力変換効率も発光ユニットを重ねるたびに低下していくことになる。
図25、図26に、発光ユニットを2個有するMPE有機EL素子のバンド図を示した。望ましくない「過剰電圧(ΔV)」は電荷発生層部分内部(本発明における「ホール−電子変換層」内部)で発生する。そもそも有機EL素子におけるホールの発生(または、注入)とは電子供与性分子(ホール輸送性分子)のHOMO(最高占有軌道)準位の電子が引き抜かれた状態の生成、つまりラジカルカチオン分子の生成と同義である。したがってMPE素子における電荷発生層の役割とは、電圧印加時に、該ラジカルアニオン分子の生成に伴って引き抜かれた電子を別の(陽極側の)発光ユニットの電子受容性分子(電子輸送性分子)のLUMO(最低非占有軌道)準位に注入することである。したがって前述の「過剰電圧(ΔV)」は、該HOMO準位の電子が該LUMO準位に移動する際に存在する(「ホール−電子変換層」内部の)「エネルギー障壁」によって発生するものである。この「HOMO準位の電子がLUMO準位に移動する」ことを別言すれば、「ホール電流を電子電流に変換する」と、表わすことができる。したがって、(「ホール−電子変換層」内部の)該エネルギー障壁を限りなく0にすることで、(結果的に)「過剰電圧(ΔV)」を限りなく0にすることが出来たときに、前述の良好な状態のMPE有機EL素子を初めて実現出来ることになる(図26)。
本発明者は鋭意検討の結果、該エネルギー障壁を限りなく0にして、理想的な「ホール電流−電子電流変換」を実現するに至った。具体的には、特開平11−233262号公報や特開2000−182774号公報(米国特許第6396209号明細書)(J.Endo,T.Matsumoto,and J.Kido,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)pp.L800−L803参照)で詳説されている手法を用いて、熱還元反応によって電子受容性有機物のラジカルアニオン分子が生成して存在している熱還元反応生成層と、特開平11−251067号公報や特開2001−244079号公報や特開2003−272860号等で詳説されている手法を用いて形成した層(遠藤ら、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)L358、第47回高分子学会予稿集、47巻9号、p1940(1998)、Leoら、Appl.Phys.Lett.、vol.78,No.4,(2001)参照)、つまり、酸化性分子によって、電子供与性有機物のラジカルカチオン分子が生成している層と、を順次重ねることによって、(HOMO準位を流れる)ホール電流が(LUMO準位を流れる)電子電流に障壁なく'変換'されることが判明した。
しかしながら、本発明者らが開示した、特開平10−270171号公報(米国特許第6013384号明細書)、特開2001−102175号公報(米国特許第6589673号明細書)、J.Kido and T.Matsumoto,Appl.Phys.Lett.,73,p.2866(1998)、等で詳説されている手法、すなわち、アルカリ金属等の電子ドナー(還元性ドーパント)をドーピングすることで、電子受容性有機物のラジカルアニオン分子を生成した場合は、該電子ドナー(還元性ドーパント)と電子アクセプター(該酸化性分子)が直接に反応したり、前記電子受容性有機物と前記酸化性分子の間や、前記電子供与性分子(ホール輸送性分子)と前記電子ドナー(還元性ドーパント)の間にも、意図せずして、望ましくない反応が引き起こされ、結果として電子の移動を妨げることが懸念され、実際に本発明者の検討によれば該MPE有機EL素子の駆動電圧が段数(n+1)倍以上となってしまい、上記「過剰電圧(ΔV)」を0に出来ないことが判明した。ここで、「駆動電圧が発光ユニットの重ね段数倍以上となってしまい..」というのは、同電流密度(または、同輝度)を達成するための駆動電圧が発光ユニットの重ね段数倍以上となることを意味し、特に高電流密度(または、高輝度)領域になるにしたがってその傾向が顕著となる(つまりΔVの値には電流密度依存性がある)。このような望ましくない状態のMPE有機EL素子の実施例は、本発明者らによる特開2003−45676号公報や、特開2003−272860号公報に開示されている。
特開昭59−194393号公報 特開昭63−264692号公報 特開平2−15595号公報 特開平10−270171号公報 特開平11−233262号公報 特開平11−251067号公報 特開平11−329748号公報 特開2000−182774号公報 特開2001−102175号公報 特開2001−244079号公報 特開2003−45676号公報 特開2003−264085号公報 特開2003−272860号公報 米国特許第4,539,507号明細書 米国特許第4,769,292号明細書 米国特許第4,885,211号明細書 米国特許第6,337,492号明細書 Appl.Phys.Lett.,51,913(1987) Appl.Phys.Lett.,48,183(1986) Chemistry Letters, pp.327−330(1990) J.Kido and T.Matsumoto,Appl.Phys.Lett.,73,p.2866(1998) 第47回高分子学会予稿集、47巻9号、p1940(1998) Leoら、Appl.Phys.Lett.,vol.78,No.4(2001) Appl.Phys.Lett.,80,1667(2002) K.L.T.Dao and J.Kido, J. Photopolym. Sci. Technol., 15, 261 (2002) J.Endo,T.Matsumoto,and J.Kido,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)pp.L800−L803 遠藤ら、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)L358 第49回応用物理学会関係連合講演会、講演予稿集27p−YL−3,p.1308 第63回応用物理学会学術講演会、講演予稿集27a−ZL−12,p.1165 Proceedings of EL2002 (International Conference on the Science and Technology of Emissive Display and Lighting) p.539 Proceedings of IDMC'03 (International Display Manufacturing Conference) Fr−21−01 p.413、SID03 DIGEST, vol.XXXIV, BOOKII, p.964 SID03 DIGEST, vol.XXXIV, BOOKII, p.979 IDW'04 Advance Program,p.60,OLED2−4,Novel Mg:Alq3/WO3 Connecting Layer for Tandem White Organic Light Emitting Diodes(WOLEDs)、C.−C.Chang,S.−W.Hwang,H.−H.Chen,C.H.Chen,J.−F.Chen(2004)
本発明の目的は、下記に記載する電子輸送部としての層とホール輸送部としての層の2つの層を連続して積層させた「ホール電流−電子電流変換層」(「ホール−電子変換層」)を、MPE有機EL素子の電荷発生層のみならず、従来型有機太陽電池を複数個、直列につなぐ「接続層」として用いたり、さらには一般的な有機素子の電極形成時のバッファー層として用いたりと、この層(が持つ利点)を一般化して広範囲に使用することで、従来型有機素子の持つ欠点を克服することにある。
電子受容性有機物をラジカルアニオン分子とするために、(1)「アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオン、及び一部の遷移金属イオンを代表とする、仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち、少なくとも1種を含む化合物(有機物でも無機物でもよい)」と、「(アルミニウムのように)該化合物に含まれる金属イオンを真空中(例えば蒸着チャンバー内の雰囲気)で金属状態に還元しうる熱還元性金属」とを、(真空蒸着による)積層、もしくは、共蒸着による混合により接触させて反応させ、該熱還元反応によって還元された低仕事関数金属と、その近傍に存在する電子受容性有機物とを(電子の授受による)酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成させて、該電子受容性有機物がラジカルアニオン状態にある電子輸送部(熱還元反応生成部)と、(2)(a)イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく、電子供与性すなわちホール輸送性を有する有機化合物と、(b)(a)の有機化合物と、(電子の授受による)酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質とが、積層、または混合されて接触しており、(a)の電子供与性有機物がラジカルカチオン状態にあるホール輸送部、とが積層されてなる「ホール電流−電子電流変換層」(「ホール−電子変換層」)を有していればよく、この層の使用法は特に限定されない。
本発明の有機素子は、仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち、少なくとも1種を含む無機化合物と、無機化合物中に含まれる金属イオンを真空中で金属状態に還元しうる熱還元性金属と、を積層により接触させて引き起こされたその場熱還元反応によって還元された低仕事関数金属と電子受容性化合物とが酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成して、電子受容性化合物がラジカルアニオン状態にある電子輸送部(熱還元反応生成部)、及び、イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質とが、混合されて接触しており、電子供与性を有する有機物がラジカルカチオン状態にあるホール輸送部、が積層されてなるホール電流−電子電流変換層を含み、無機化合物中で金属イオンに結合している分子部分が電子受容性化合物として機能することを特徴としている。
本発明の有機素子は、電子輸送部と、ホール輸送部と、を積層してなるホール電流−電子電流変換層を含み、電子輸送部は、仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち少なくとも1種を含む無機化合物と、無機化合物に対して積層により接触し、無機化合物中に含まれる金属イオンを真空中で金属状態に還元しうる熱還元性金属と、を有し、接触により引き起こされたその場熱還元反応によって還元された低仕事関数金属と電子受容性化合物とが酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成して、電子受容性化合物がラジカルアニオン状態にあり、ホール輸送は、イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、有機化合物に対して混合されて接触し、有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質と、を有し、電子供与性を有する有機物がラジカルカチオン状態にあり、無機化合物中で金属イオンに結合している分子部分が電子受容性化合物として機能することを特徴としている。
上記無機化合物と電子受容性化合物も積層または混合されて接触していることが好ましい。
本発明の有機素子の製造方法は、仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち少なくとも1種を含む無機化合物と、無機化合物中に含まれる金属イオンを真空中で金属状態に還元しうる熱還元性金属と、を積層により接触させてその場熱還元反応を起こし、その場還元反応によって還元された低仕事関数金属と電子受容性化合物とを酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成して、電子受容性化合物がラジカルアニオン状態にある電子輸送部を形成する工程と、イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質と、を混合により接触させ、電子供与性を有する有機物がラジカルカチオン状態にあるホール輸送部を形成する工程と、を備え、無機化合物中で金属イオンに結合している分子部分が電子受容性化合物として機能することを特徴としている。
電子輸送部としての層とホール輸送部としての層を連続して積層させた「ホール電流−電子電流変換層」(「ホール−電子変換層」)を、MPE有機EL素子の電荷発生層のみならず、従来型有機太陽電池を複数個、直列につなぐ「接続層」として用いたり、さらには一般的な有機素子の電極形成時のバッファー層として用いたりと、この層(が持つ利点)を一般化して広範囲に使用することで、従来型有機素子の持つ欠点を克服することができる。
熱還元反応生成層(電子輸送部)中では、アルミニウムやマグネシウム等の熱還元性金属はすでに金属原子として存在しておらず、イオン状態(酸化状態)として存在しているため、下記の実施例に見られるように良好な透明性を付与することができる。アルカリ金属を代表とする還元性ドーパントは大気中で発火するほど反応活性なものがほとんどなので、本発明の手法はそのような金属のハンドリングが不要になる、という工程上の優位点がある。透明性が高く、かつ、発明者らが特開平10−270171号公報や特開2001−102175号公報等で開示した、還元性ドーパントがドーピングされた電子輸送層と略同等の比抵抗を有する膜を得ることが可能である。
<第1実施形態>
第1実施形態においては、電子輸送部(熱還元反応生成部)の構成物質として、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオン及び一部の遷移金属イオンを代表とする仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属(アルカリ金属)のイオン含有有機物として、
Figure 0004961412
で示される、(8−キノリノラト)リチウム錯体(以下、Liqと略記することがある)を使用し、さらに、電子受容性(輸送性)有機物として、
Figure 0004961412
で表されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(以下、Alqと略記することがある)、もしくは
Figure 0004961412
で示されるバソクプロイン(以下、BCPと略記することがある)の様な有機物を、あらかじめ共蒸着の手法により混合層として形成しておき、さらにその混合層上に代表的熱還元性金属であるアルミニウムを適量真空蒸着するのが好適な形成方法の一つである。この時、アルミニウム金属はアルカリ金属イオン(LiqではLi+)を還元(その場(in−situ)還元反応)するので自らは、当然、酸化状態に変化する(アルミニウムイオン含有化合物となる)。さらに還元されて生成したLi金属は近傍に存在する電子受容性(電子輸送性)有機物(例えばAlq)と電子の授受による酸化還元反応によって((Li+Alq →)Li+ + Alq-(ラジカルアニオン))の電荷移動錯体を形成する。ここで、生成したラジカルアニオンが電子電流の担い手(内部電荷)として振る舞える分けである。
このようにして生成した、熱還元反応生成層は(純粋な有機物と比べても)一般に、透明性が高く、さらに純粋な有機物と比べ比抵抗が低下する(つまり、導電性が上昇する)特徴がある。このような導電性の上昇は、該プロセスが「アルミニウムの様な金属を混入するプロセスであるから」、とする誤解を生ずることがあるが、上記のように、該熱還元反応生成層中では、既にアルミニウムは金属原子として存在しておらず、イオン状態(酸化状態)として存在している。したがって良好な透明性が付与される分けである。導電性の向上の要因は、上記Alq-(ラジカルアニオン)の生成に起因している(実施例4,5参照)。
アルミニウム等の熱還元性金属の量はアルカリ金属イオン含有化合物中のイオンを金属に還元するための「過不足のない量」が好ましく、この量が少ないと十分に該熱還元反応を起こすことが出来ずに、結果として電子受容性(輸送性)有機物がラジカルアニオンとなることが出来ないし、過剰であると該熱還元反応に寄与出来ない(つまり酸化状態に変化出来ない)金属アルミニウムが残存するため、膜の透明性を低下させるので所望の効果が期待出来なくなる。このような現象を示す例を下記実施例4に示した。
<第2実施形態>
第2実施形態においては、電子輸送部(熱還元反応生成部)の構成物質として、第1実施形態と同様に低仕事関数金属(アルカリ金属)イオン含有化合物として、Liqの様なアルカリ金属イオン含有有機金属錯体と、Alqの様な電子受容性(輸送性)有機物と、さらにアルミニウムのような熱還元性金属を同時に蒸着して混合させて(3元共蒸着)、上記と同様の機能を持つ電子輸送部を作成することも可能である。この場合該3つの物質の蒸着比率を適正に制御することで、透明性が高く、かつ本発明者が特開平10−270171号公報や特開2001−102175号公報等で開示した還元性ドーパントがドーピングされた電子輸送層と略同等の比抵抗を有する膜を得ることが可能である(実施例5参照)。言うまでもなく、アルカリ金属を代表とする該還元性ドーパントは大気中で発火するほど反応活性なものがほとんどなので、本発明の手法はそのような金属のハンドリングが不要になる、という工程上の優位点がある。
<第3実施形態>
第3実施形態においては、電子輸送部(熱還元反応生成部)の構成物質として、
Figure 0004961412
で、示されるトリ(1,3−フェニル−1,3−プロパンジオナト)モノ(バソフェナントロリン)ユウロピウム錯体(以下、「Eu(DBM)3・BPEHEN」と略記することがある)の様な希土類金属イオン含有有機金属錯体であって、配位子の一つに
Figure 0004961412
で示されるバソフェナントロリン(以下、BPHEN)の様な、それ自身に電子受容性(輸送性)を有する化合物を有している場合は、Eu(DBM)3・BPEHENの化合物と熱還元性金属であるアルミニウムを同時に蒸着して混合させ(2元共蒸着)、上記と同様の機能を持つ電子輸送部を作成することも可能である。この場合も、該2つの物質の蒸着比率を適正に制御することで、透明性が高く、かつ本発明者が特開平10−270171号公報や特開2001−102175号公報等で開示した、還元性ドーパントがドーピングされた電子輸送層と略同等の比抵抗を有する膜を得ることが可能である(Euの酸化によるBPHEN-(ラジカルアニオン)の生成)。
<第4実施形態>
第4実施形態においては、上記Liqの様に、アルカリ金属イオンを含有して、かつ、それ自身が電子受容性(輸送性)を併せ持つ化合物である場合は、熱還元性金属であるアルミニウムと適当な比率で同時に蒸着して混合させ(2元共蒸着)、上記と同様の機能を持つ電子輸送部を作成することも可能である。この場合は、アルミニウムによって熱還元されないLiqが残存していることが想定されており、酸化還元反応によって(Li+ + Liq-(ラジカルアニオン))の電荷移動錯体を形成する。もちろん、上記のアルカリ金属イオンや、希土類金属イオンのような低仕事関数金属のイオン含有化合物であれば、上記有機金属錯体に代えて無機化合物を使用してもよい。
上記の実施形態1〜4に示される電子輸送部に隣接して形成される本発明のホール輸送部は、既にこれまで有機EL素子のホール注入層やホール輸送層中で広く使用されている、イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、前記有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質と、が積層または混合されて接触しており、前記電子供与性を有する有機化合物がラジカルカチオン状態にあるホール輸送部となっている。
なお、有機化合物、金属、及び「ホール電流−電子電流変換層」の成膜には、日本ビーテック製真空蒸着機を使用した。蒸着物質の成膜速度の制御や膜厚の制御は該蒸着機に取付けられている、水晶振動子を使用した成膜モニターCRTM−8000(ULVAC(日本真空技術社)製)を使用した。また、成膜後の実質膜厚の測定には、テンコール(Tencor)社製P10触針式段差計を用いた。素子の特性評価には、ケースレー(KEITHLEY)社ソースメータ2400、トプコンBM−8輝度計を使用した。また、吸収スペクトルの測定は、パーキンエルマー製:ラムダ19を使用して測定した。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1は、陰極に接する層に、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を有しており、結果的に、ホール電流の流れる層が陰極に接している有機EL素子の例である。この例では、図1に示すように、ガラス基板10上にパターニングされたITO(Indium Tin Oxide)陽極11上に、下記式
Figure 0004961412
で表わされる4,4'−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(以下、αNPD、または、NPBとも略記することがある。)を600Åの厚さで真空蒸着によりホール輸送層12として積層し、ついで発光層13として、Alqを600Åの厚さで積層した。
次に、上記AlqとLiq(低仕事関数金属イオン含有化合物)を、モル比率1:1で50Åの厚さに成膜した(層14)。さらにその上から熱還元性金属であるアルミニウムを15Å(に相当する量)蒸着した(層15)。次に上記αNPDと5酸化バナジウム(V25)をモル比率1:1で100Åの厚さで成膜した(層16)(ホール輸送部)。最後に陰極金属17としてアルミニウムを1000Åの厚さで成膜した。この有機EL素子210の構造を簡便に表記すると、ITO/αNPD(600Å)/Alq(600Å)/Alq:Liq(1:1)(50Å)/Al(15Å)/V25:αNPD(1:1)(100Å)/Al (図1)となる。以下の説明ではこのような(簡便な)表記法を用いることとする。この有機EL素子210において、陽極電極であるITOと陰極電極であるAlとの間に、直流電圧を印加して、諸特性を測定した結果を図3に示す。図3の○プロットは、この素子の電圧(V)−電流密度(mA/cm2)−輝度(cd/m2)特性を示す。また、この素子の動作概念を示した図2に示すように、層14及び層15は、電子輸送部(熱還元反応生成層)18として、層16と層18はホール電流−電子電流変換層19として機能する。
<比較例1>
比較例1は、実施例1と比較するため、本発明の電子輸送部である熱還元反応生成層18を用いない構造、すなわち、実施例1の層14のLiqに代えて金属Liを層104に使用した例であり、その素子300の構造はITO/αNPD(600Å)/Alq(600Å)/Alq:Li(1:1)(50Å)/V25:αNPD(1:1)(100Å)/Al (図4)となっている。この有機EL素子300の諸特性を測定した結果を図3の●プロットで示す。
実施例2においては、実施例1の層14のLiqに代えて、
Figure 0004961412
で示される、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルビジウム錯体(以下、Rb(dpm)と略記することがある)を層24に使用しており、ITO/αNPD(600Å)/Alq(600Å)/Alq:Rb(dpm)(1:1)(50Å)/Al(15Å)/V25:αNPD(1:1)(100Å)/Al (図5)なる構造の素子220を作成した。この有機EL素子220の諸特性を測定した結果を図3の▼プロットで示す。
実施例3においては、実施例1の層14のLiqに代えてアルカリ金属の無機化合物であるLiF(フッ化リチウム)を層34に使用して、 ITO/αNPD(600Å)/Alq(600Å)/LiF(10Å)/Al(15Å)/V25:αNPD、(100Å)/Al (図6)なる構造の素子230を作成した。この構造は電子受容性化合物であるAlq(層13)とアルカリ金属化合物のLiF(層34)が、(混合ではなく)積層されて接触している。この有機EL素子230の諸特性を測定した結果を図3の△プロットで示す。
<参考例1> (従来型の有機EL素子の例)
参考例1として、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」の構成を有していない、すなわち実施例1の層14〜16を有さない素子310を作成した。この素子は、実施例1の層14〜16に代えて、Alq:Li(1:1)からなる層114を備えており、ITO/αNPD(600Å)/Alq(600Å)/Alq:Li(1:1)(50Å)/Alなる構造となっている(図7)。この有機EL素子の諸特性を測定した結果を図3の◆プロットで示す。実施例1〜3、比較例1、参考例1の結果を比較すると、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を有する有機EL素子は従来型の素子と比べても遜色なく機能し、むしろ、より低電圧で駆動出来ることが分かった。また、アルカリ金属のような還元性ドーパントを使用すると、ホール電流−電子電流変換層内部に、エネルギー障壁が生成してしまうため、同電流密度、または同輝度を達成するために必要な電圧が高くなることが示された。
実施例4として、熱還元性金属の役割を確認し、かつ、その最適蒸着量(もしくは最適膜厚)を確認する実験を行った。実施例1の構造を基準にして、熱還元性金属であるアルミニウムの蒸着量を変化させて、有機EL素子としての特性の変化を調べた。すなわちITO/αNPD(600Å)/Alq(600Å)/Alq:Liq(1:1)(50Å)/Al(XÅ)/V25:αNPD(1:1)(100Å)/Alの構造で、Alの層15の膜厚(XÅ)を変化させた。
図8、図9の▽プロットはX=0(つまりアルミニウムを蒸着しない場合)のとき、◆プロットはx=3Åのとき、×プロットはX=10Åのとき、○プロットはX=15Åのとき、△プロットはX=20Åのときの各素子の、電圧(V)−電流密度(mA/cm2)−輝度(cd/m2)特性(図8)、電流密度(mA/cm2)−電流効率(cd/A)(図9)を示す。この結果から、熱還元性金属の蒸着量が所定量より少ないと、発光が観測されないことが示された(x=0Å,もしくは3Åの場合に対応)。これは、熱還元反応生成層内で電子受容性有機物のラジカルアニオン分子が生成されなかったため、発光層内に電子が注入されなかったためである。したがって、この時観測された電流はホール電流のみの電流である(2.2V近辺に発光開始電圧を示唆する'キンク(Kink)'が観測されないという事実からも、そのことが裏付けられる。)。また、図8、図9のグラフに示される結果から、この実験の範囲内ではアルミニウムを15Åの膜厚に相当する量に制御すると、輝度や効率が最も高い値を示すことが分かった。それ以上にアルミニウムの蒸着量を増やすと、熱還元反応に寄与しない(つまり酸化状態に変化出来ない)金属アルミニウムが残存して素子特性を低下させることが示された。
実施例5は、低仕事関数金属のイオン含有化合物と、電子受容性有機物と、熱還元性金属を同時に蒸着(3元共蒸着)して「透明性」と「導電性」を付与させた例である。Alがパターニングされたガラス基板50と、吸光度測定用の石英基板56をそれぞれ用意して、以下の手順で蒸着成膜を行った。
まず、低仕事関数有機金属錯体であるLiqと、電子受容性有機物であるAlqと、熱還元性金属であるAl(アルミニウム)を、Al電極51上に、膜厚速度比で、(Liq:Alq:Al=1Å/s(Liq):3Å/s(Alq):0.3Å/s(Al))となるように共蒸着して層52を形成し、さらにAl電極53を生成し、Al/Liq:Alq:Al/Al (図10)の構造の素子250を作成した。
また、比較用素子として、上記層52に代えて、アルカリ金属としてLiを直接電子受容性有機物(Alq)と混合して層54を生成した、Al/Alq:Li(1:1,モル比率)/Al(図11)の構造の素子251を作成した。
また、上記層52に代えて、Alq単独膜55を電極51、53で挟んだ、Al/Alq/Al (図12)の構造の素子252を作成して、それぞれ、電場(V/cm)−電流密度(A/cm2)特性を測定した(図15)。
図15のグラフに示される通り、(Al/Liq:Alq:Al/Al)(図10)の構造の素子と、(Al/Alq:Li(1:1,モル比率)/Al)(図11)の構造の素子は、略同等の特性を示し、〜109Ωcmの比抵抗を示すことが分かった。これはAlによってLiq中のLiイオンが熱還元反応によって金属に還元され、ついで還元されたLi金属が電子受容性有機物である、Alqと電子の授受(酸化還元反応)によって電荷移動錯体(Li++Alq-(ラジカルアニオン))を形成したことを示している。
また、吸光度(及び、透過率)測定用素子として、石英基板56上にLiq:Alq:Alを共蒸着して 石英基板/Liq:Alq:Al、(図13)なる構造の素子255を作成した。この素子255は、石英基板56上に、膜厚速度比で、(Liq:Alq:Al=1Å/s(Liq):3Å/s(Alq):0.3Å/s(Al))となるように共蒸着して層52を形成した。また、比較用素子256として、熱還元性金属であるAlを混入させずに、石英基板56上にLiq:Alq(層57)を共蒸着して石英基板/Liq:Alq の素子を作成した。(図14)
図16は、上記吸光度測定用素子(図13)と比較用素子(図14)について、層52(Liq:Alq:Al)及び層57(Liq:Alq)を1000Åとしたときの波長(nm)−透過率(%)特性を測定した結果を示している。図16に示されるとおり、本発明の電子輸送部である(Liq:Alq:Al)(層52)からなる混合膜は、有機物のみからなる(Liq:Alq)(層57)と比べて、同じ膜厚(1000Å)当たりの透過率が大きく上昇することが確かめられた。また、本発明者は、前出の論文誌Appl.Phys.Lett.、73、p.2866(1998)中でリチウム金属ドーピング膜の吸収スペクトルの変化を示しているが、図17に示されるとおり、本発明の、(石英基板/Liq:Alq:Al)(吸光度測定用素子(図13))の吸収スペクトルと(石英基板/Liq:Alq)(比較用素子(図14))の吸収スペクトルの変化は、該論文中に示されている吸収スペクトルの変化と酷似しており、さらに、成膜時に金属アルミニウムを混入しているにもかかわらず、透明性が増してることからも、上記の熱還元反応と、引き続いて起こっている酸化還元反応による電荷移動錯体の形成をしめすことが分かる。
実施例6は、本発明の有機素子を無反射膜へ適用した例である。
着色顔料であって、かつ、ホール輸送能力を有することが知られている、
Figure 0004961412
の銅フタロシアニン(以下、CuPcと略記することがある)やキナクリドン顔料は、それぞれ赤色領域、青色領域の可視領域に強い吸収を持つため、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を用いて無反射層を形成して、高いコントラスト比を有する有機EL素子を作成することが出来る。
図18に示すように、ガラス基板60上にITO層61、αNPD層62、赤色発光層63(DCJTB:Alq)の順に形成した有機EL素子構造の上に、Alq:Liq(1:1)からなる層64、Alからなる層65、V25:CuPcからなる層66を順に積層してなる本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を形成し、さらにその上にCuPcの層67を積層する。また、このCuPcの層67の上に、CuPc:V25の層68及びAlの層(陰極)69を形成してITO/αNPD/DCJTB:Alq/Alq:Liq(1:1)(50Å)/Al(15Å)/V25:CuPc/CuPc/V25:CuPc/Al (図18)の構造の素子260を生成する。
ここで(DCJTB:Alq)の発光層63で発生した赤色光のうち、陰極69であるAl方向に進行する光は(CuPc/V25:CuPc)の膜厚を調整して吸収させることが出来るので、コントラスト比の高い素子260を作成することが出来る。また、「第39回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、28p−Q−9,p.1036(1992)」に記載されているキナクリドン顔料とその誘導体や、特開2000−58267号公報に記載されているインダンスレン顔料等、ホール輸送性を有して、かつ、特有の波長域に光吸収能を有する場合は、本発明の構造を利用して、単独、もしくは積層や混合の方法で、適宜、光反射陰極に接するホール電流層として利用出来る。このような顔料タイプの有機分子はホール輸送性である場合がほとんどなので、通常の有機EL素子の様に陰極に接する層に電子輸送性物質が必須である場合は、(言うまでもないが)このような顔料タイプのホール輸送性有機物を使用出来ない。
実施例7は、本発明の有機素子を高エネルギー成膜時のダメージ低減層へ適用した例である。
有機EL素子の陰極形成法として電子ビーム蒸着やスパッタリング蒸着等の高エネルギー粒子堆積法を用いるアイディアが知られている。本発明者は、前出の金属ドーピング層を電子注入層として用いれば、高仕事関数を有するITOでも容易に電子注入出来ることを、特開2002−332567号公報(特願2001−142672号明細書)に記載した。この時用いられたスパッタリング装置は有機膜に損傷のない工夫が施されているが、厳密には依然、若干のダメージが観測されていた。また、特開2000−58265号公報や特開2000−68063号公報には発光層上に銅フタロシアニン(CuPc)層をスパッタバッファー層として形成するアイディアが記されている。そこではLi等のアルカリ金属を、薄く形成されたCuPc上に蒸着すると、該Li金属はCuPc層中に拡散して発光層方向に横切ることが記されており、この場合は、結果的に、CuPcは(ホール輸送性分子としてではなく)電子輸送性分子としても作用できることが開示されている。しかし、本来CuPcはホール輸送性分子であり、このように電子輸送層として使用する方法には素子の劣化を早める要因となる懸念が生じる。
一方、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を用いれば、スパッタ等の高エネルギー粒子堆積時のバッファー層としてのCuPcは従来通り、(本来の性質である)ホール輸送層として機能させることが出来る。例えば、ガラス基板70上に、ITOの層71、αNPDの層72、Alqの層73、Alq:Liq(1:1)の層74、Al層75、V25:CuPcの層76、CuPcの層77及びAl、ITOまたはその他の材料からなる陰極78を積層してITO/αNPD/Alq/Alq:Liq(1:1)(50Å)/Al(15Å)/V25:CuPc/CuPc/陰極(Al,ITO,etc) (図19)の構造の素子270を生成できる。
また、図19に示す上記素子の層77の上に、V25:CuPcの層79を形成してITO/αNPD/Alq/Alq:Liq(1:1)、50Å/Al、15Å/V25:CuPc/CuPc/V25:CuPc/陰極(Al,ITO,etc) (図20)の様な構造を有する素子271を生成できる。これらの素子270、271によって、本来のホール輸送層としての機能と高エネルギー粒子によるダメージ低減層としての機能を併せ持つことが出来る。
実施例8は、本発明の有機素子を有機太陽電池への適用例である。有機太陽電池素子は有機EL素子と似た構造を有しており、特に二層型タイプは、(ホール輸送性分子/電子輸送性分子)の界面で、光によって電荷発生することが知られている。例えば、
1)Appl.Phys.Lett.、48,183(1986)
2)Chemistry Letters, pp.327−330(1990)
3)Appl.Phys.Lett.、76,2650(2000)
4)Appl.Phys.Lett.、79,126(2001)
5)Appl.Phys.Lett.、80,1667(2002)
に記載されている、典型的な構造が知られている。
特に、上記の、2)や5)の文献では、従来の有機太陽電池の両電極に挟まれた部分(電荷発生ユニット)が複数個、直列に接続された構造が記載されており、例えば、5)の文献中では、ITO/CuPc/PTCBI/Ag/CuPc/PTCBI/Agという、極薄(5Å)のAg(銀)を使用して、電荷発生ユニット(CuPc/PTCBI)を2個直列に連結する構造がしめされている。この極薄のAgの代わりに、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を使用することが出来る。つまり、例えばITO/CuPc/PTCBI/PTCBI:Rb(DPM):Alの共蒸着層/V25:CuPcの共蒸着層/CuPc/PTCBI/Agという構造によって、透明性が高く、かつ純粋な有機膜と比べても低抵抗化した膜であって、かつ、2個の電荷発生ユニットを、あたかも直列に接続できて、開放端電圧を略2倍とすることが出来る。上記の「PTCBI:Rb(DPM):Alの共蒸着層/V25:CuPcの共蒸着層」が本発明の「ホール電流−電子電流変換層」として作用する。そのほか、ITO/((アリールアミン化合物等の)電子供与性(ホール輸送性)有機物):(V25や、4F−TCNQ等)/CuPc/PTCBI/((電子受容性(輸送性)有機物:低仕事関数金属のイオン含有化合物:熱還元性金属)の反応生成層)/((アリールアミン化合物等の)電子供与性(ホール輸送性)有機物):(V25や、4F−TCNQ等)の共蒸着膜/CuPc/PTCBI/((電子受容性(輸送性)有機物:低仕事関数金属のイオン含有化合物:熱還元性金属)の反応生成層)/金属の様に、従来から知られている、「電荷発生ユニット」の構成をそのまま使用して、該「電荷発生ユニット」を複数個、直列に接続できる。ここで、アミールアミンは、
Figure 0004961412
で示される。
「電荷発生ユニット」の構成自体は、本発明の要素ではなく、既知のものや、新規に発見された好適な構成であれば、適宜用いることが出来る。なお、例えば、特開2003−264085号公報には、本発明と類似の構造で、上記文献1)に記載されている「電荷発生ユニット」の構成を用いて、ITO/CuPc/PV/CuPc:PVの共蒸着膜/CuPc/PV/Auという構造が、開示されており、このような構造でも、あたかも、開放端電圧を2倍にすることが可能であるかのように記載されているが、本発明者の検討では、2倍はおろか、「電荷発生ユニット」が1個の素子よりも発生電圧が低下することが明らかになった。これは、同一の物質の組み合わせを使用しても、積層膜構造(CuPc/PV)と混合膜構造(CuPc:PVの共蒸着膜)の相違の様な、態様の相違によって、「光電荷の発生機能」や「(電荷移動錯体の形成による)導電性の発現」という互いに別事象の機能が起こりうる、という「間違った期待」から記載されている。しかし、実際には、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」のような機能がなければ、期待される機能を得ることは出来ない。
実施例9は、本発明の有機素子を有機ELトランジスタへ適用した例である。
SIT(Static Induction Transistor)と呼ばれている、縦型FET(Field Effect Transistor)構造を有する有機ELトランジスタが知られている。(第47回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集30a−H−2,p.1297、第63回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集29p−ZH−15,p.1161) このような有機ELトランジスタの例として、図21に示すような素子320があり、基板90上に、順に、透明電極(ソース)91、ホール注入層92、ホール輸送層93、発光層94、陰極(ドレイン)95を形成してなる有機EL素子のホール輸送層93部分にスリット状のゲート電極(G)96が埋め込まれた形状を有しており、ゲート電極に印加される可変電圧値によって、発光閾値電圧や、発光強度を制御できる。しかし、(図21に示される通り)この構造によると、光の進行が妨げられたり、該ゲート電極のスリット間隔を自由に最適化することが難しくなる。これに対して、本発明の「ホール電流−電子電流変換層」を用いることで、従来の有機ELトランジスタ構造では実現できなかった構造も実現可能となる。例えば陰極95に接する層として、ホール輸送層97を配置することが出来る(図22)。このとき、陰極95とホール輸送層97との間には、例えばV25(電子受容性化合物)とNPB(電子供与性有機物)からなるホール輸送部98を生成することができ、発光層94とホール輸送層97との間に本発明のホール電流−電子電流変換層120を形成するホール輸送部99と電子輸送部100を生成することができる。このような構成の有機ELトランジスタ290においては、該ホール輸送層97部分にスリット状ゲート電極96を埋め込んで、従来の有機EL素子部分の構造を変えることなく、トランジスタ特性を付与出来る。また、例えば、陽極91に接する層として、電子輸送層121を配置することが出来る(図23)。このとき、陽極91と電子輸送層121との間には、電子輸送部122を生成することができ、電子輸送層121とホール輸送層93との間に本発明のホール電流−電子電流変換層120を形成するホール輸送部99と電子輸送部100を生成することができる。また、透明陰極95と発光層94との間には電子注入層123を生成してある。このような構成の有機ELトランジスタ291においては、該電子輸送層121にスリット状ゲート電極96を埋め込んで、従来の有機EL素子部分の構造を変えることなく、トランジスタ特性を付与出来る。もちろん、陰極に接する層として、ホール輸送層を配置して、かつ、陽極に接する層として、電子輸送層を配置して、該ホール輸送層と該電子輸送層の両方にゲート電極を埋め込んで、従来、実現不可能であった特性を付与する構造も作成可能である。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
本発明の実施例1に係る有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例1に係る有機EL素子の動作概念を示す図である。 実施例1〜3、比較例1及び参考例1に係る素子の電圧(V)−電流密度(mA/cm2)−輝度(cd/m2)特性を示す図である。 比較例1に係る有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例2に係る有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例3に係る有機EL素子の構造を示す図である。 参考例1に係る有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例1の構造を基準にして、アルミニウムの層の膜厚X(Å)を変化させたときの電圧(V)−電流密度(mA/cm2)−輝度(cd/m2)特性を示す図である。 本発明の実施例1の構造を基準にして、アルミニウムの層の膜厚X(Å)を変化させたときの電流密度(mA/cm2)−電流効率(cd/A)特性を示す図である。 本発明の実施例5に係る有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例5に対する比較用素子に係る有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例5に対する比較用素子に係る有機EL素子の構造を示す図である。 吸光度測定用素子の構造を示す図である。 吸光度測定用素子に対する比較用素子の構造を示す図である。 本発明の実施例5に係る素子及び比較用素子の電場(V/cm)−電流密度(A/cm2)特性を示す図である。 吸光度測定用素子と比較用素子の波長(nm)−透過率(%)特性を示す図である。 吸光度測定用素子と比較用素子の波長(nm)−吸光度特性を示す図である。 本発明の実施例6に係る素子の構造を示す図である。 本発明の実施例7に係る素子の構造を示す図である。 本発明の実施例7に係る素子の構造を示す図である。 従来のFET構造を有する有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例9に係るFET構造を有する有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の実施例9に係るFET構造を有する有機EL素子の構造を示す図である。 従来の有機EL素子構造を電荷発生層を介して2段(n=1)、5段(n=4)、10段(n=9)、と重ねた場合に、電力変換効率(lm/W)が各輝度ごとにどのように変化するかをシミュレートした図である。 駆動電圧をV1+V2+ΔVとし、陰極や陽極からの注入障壁を無視した場合における発光ユニットを2個有するMPE有機EL素子のバンド図である。 駆動電圧をV1+V2とし、陰極や陽極からの注入障壁を無視した場合における発光ユニットを2個有するMPE有機EL素子のバンド図である。
符号の説明
10 基板
11 陽極
12 ホール輸送層
13 発光層
16 ホール輸送部
17 陰極
18 電子輸送部
19 ホール電流−電子電流変換


Claims (4)

  1. 仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち、少なくとも1種を含む無機化合物と、前記無機化合物中に含まれる金属イオンを真空中で金属状態に還元しうる熱還元性金属と、を積層により接触させて引き起こされたその場熱還元反応によって還元された低仕事関数金属と電子受容性化合物とが、酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成して、前記電子受容性化合物がラジカルアニオン状態にある電子輸送部、及び、
    イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、前記有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質とが、混合されて接触しており、前記電子供与性を有する有機物がラジカルカチオン状態にあるホール輸送部、
    が積層されてなるホール電流−電子電流変換層を含み、
    前記無機化合物中で金属イオンに結合している分子部分が前記電子受容性化合物として機能することを特徴とする有機素子。
  2. 電子輸送部と、ホール輸送部と、を積層してなるホール電流−電子電流変換層を含み、
    前記電子輸送部は、仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち少なくとも1種を含む無機化合物と、前記無機化合物に対して積層により接触し、前記無機化合物中に含まれる金属イオンを真空中で金属状態に還元しうる熱還元性金属と、を有し、
    前記接触により引き起こされたその場熱還元反応によって還元された低仕事関数金属と電子受容性化合物とが酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成して、前記電子受容性化合物がラジカルアニオン状態にあり、
    前記ホール輸送は、イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、前記有機化合物に対して混合されて接触し、前記有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質と、を有し、
    前記電子供与性を有する有機物がラジカルカチオン状態にあり、
    前記無機化合物中で金属イオンに結合している分子部分が前記電子受容性化合物として機能することを特徴とする有機素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の有機素子において、前記無機化合物と前記電子受容性化合物が積層、または混合されて接触している有機素子。
  4. 仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属のイオンのうち少なくとも1種を含む無機化合物と、前記無機化合物中に含まれる金属イオンを真空中で金属状態に還元しうる熱還元性金属と、を積層により接触させてその場熱還元反応を起こし、前記その場熱還元反応によって還元された低仕事関数金属と電子受容性化合物とを酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成して、前記電子受容性化合物がラジカルアニオン状態にある電子輸送部を形成する工程と、
    イオン化ポテンシャルが5.7eVより小さく電子供与性を有する有機化合物と、前記有機化合物と酸化還元反応によって電荷移動錯体を形成しうる無機物質又は有機物質と、を混合により接触させ、前記電子供与性を有する有機物がラジカルカチオン状態にあるホール輸送部を形成する工程と、
    を備え
    前記無機化合物中で金属イオンに結合している分子部分が前記電子受容性化合物として機能することを特徴とする有機素子の製造方法。
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