JP4956135B2 - バックアップ装置、バックアップ方法及びプログラム - Google Patents
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Description
このRAIDの一例として、ミラーリングという手法がある。ミラーリングとは、コンピュータにおいて、複数のファイルやディレクトリの構造を、別のストレージに同じ構成で複製することを示す。
しかしながら、このミラーリングの手法では、ウイルス感染などによってデータを失った場合には、データを失ったまま複製されてしまう。また、誤操作によりファイルが消去された場合には復元できない。このような論理的な障害に対する備えとして、データの定期的なバックアップが必要となる。
本発明のその他の態様については、後記する実施の形態において説明する。
なお、本実施形態では、ストレージの例として、HDD(Hard Disk Drive)を用いる。ここで、HDDは、例えば個人向けのIDE(Integrated Drive Electronics)と企業のサーバ用途向けのSCSI(Small Computer System Interface)とでは、設計時における耐久性(稼動保証時間)に格差が存在することが知られている。具体的には、IDEのHDDでは一日8時間使用で3年、SCSIのHDDでは24時間稼動で5年を目安に交換することが推奨されている。
図1は本実施形態におけるバックアップ装置の構成を示す図である。
本実施形態のバックアップ装置1は、バックアップ用ディスクのローテーションを制御する装置であり、図1に示すように、制御部10と、複数のディスク(ストレージ)を備えた記憶部15とが電気的に接続されて構成される。このバックアップ装置1は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ(PC)などに、USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)などを介して、外部接続インタフェース30で制御部10と接続される。
次に、前記したバックアップ装置1がバックアップを行う手順を説明する。図2は、本実施形態におけるバックアップ装置の処理手順を示すフローチャートであり、図3は、図2に示す各処理を模式的に説明する図である。図2に沿って、適宜図1、図3を参照しながら説明する。
本実施形態では、バックアップ装置1がディスクマスタのミラーリングを行うと同時に、所定の時刻におけるディスクマスタのバックアップを作成する。なお、前記所定の時刻であるバックアップ作成の時間を、記憶部15へのアクセスの少ない時間帯(例えば、毎日午前0時)などに基づいて、予め設定しておく。また、バックアップ装置1は、最も古い日時のバックアップデータが格納されているディスクストレージから順番に切り替えることとする。
まず、バックアップ装置1は、通常の運用状態として、ディスクマスタとディスク1に同時に同一のデータを書き込む(S1:通常状態)。
図3(a)は、通常の運用状態(通常状態)を示した図である。
バックアップ装置1の制御部10は、図3(a)に太線矢印で示されるように、ディスクマスタとディスク1に同一のデータを同時に書き込むことで、ミラーリングを行う。
なお、他のディスク2〜nには、過去の日付の午前0時におけるディスクマスタのデータがバックアップ用として格納されている。例えば、ディスク2には「2006/01/01」時点のデータが格納され、ディスク3には「2006/01/02」時点のデータが格納され、ディスクnには「2006/01/10」時点のデータが格納されている。
続いて、バックアップ装置1は、予め設定された設定時間(例えば、午前0時)が到来したか否かを判別する(S2)。
設定時間が到来していない場合(S2→No)、バックアップ装置1は、ステップS1の処理を続けることとなる。
一方、設定時間が到来した場合(S2→Yes)、バックアップ装置1は、三重化状態(S3)に切り替える。
図3(b)は、ディスクマスタのミラーリングを、2つのディスクに対して実行することで、データを三重化する状態(三重化状態)を示した図である。
三重化状態では、制御部10は、通常状態でミラーリング対象となっていないディスク2〜nのうち、ディスクの切替条件に基づいて、最も古い日時のデータが格納されているディスク(図3(a)ではディスク2に相当)に、ディスクマスタまたはディスク1のデータをコピー(上書き)しつつ、ミラーリング対象に加える。それによりデータを三重化する。
三重化状態を実行していた制御部10は、ディスク2へのコピー(上書き)がディスクマスタ(またはディスク1)と同期され、3つのディスク(ディスクマスタ、ディスク1、およびディスク2)の内容が全て同じとなった時点で、正常終了したか否かを判別する(S4)。ここで、正常終了とは、データの三重化が成功した場合であり、正常終了でない場合とは、例えばディスク2に物理的な不具合が発生してデータの三重化が成功しなかった場合を示す。
正常終了した場合(S4→Yes)、制御部10は、ミラーリング対象からディスク1を外すことで、ディスクを切り替える(S5:ディスク切替)。この処理により、図3(c)の通常状態に移行する。
図3(c)の通常状態では、ディスク1がミラーリング対象から外されて「2006/01/11」時点のデータを格納するバックアップ用ディスクとなっており、太線矢印で示されるように、制御部10は、ディスクマスタとディスク2に同一のデータを同時に書き込むことで、ミラーリングを行う。ステップS5の処理の後は、バックアップ装置1は通常状態に戻ることとなり、ステップS1〜S5の処理が繰り返される。
これにより、例えばディスク1〜nに不具合を検出した場合には、制御部10はバックアップを中止するので、不具合のあるディスクをそのまま使うことがない。また、この時点で、万が一ディスクマスタ、ディスク1、またはディスク2に障害が発生した場合でも、ミラーリング対象となっていた他のディスクからデータ復旧が可能となり、データは保障されている。
本来、データ保存用のディスクには、信頼性の高いディスクが望ましいが、一般的に、そのような信頼性の高いディスクは高価なものとなっている。
そのため、本実施形態によれば、高信頼(高価)なディスクドライブ1つをマスタ用(ディスクマスタ)として用い、複数の低信頼(安価)なディスクドライブをバックアップ用(ディスク1〜n)として用いることで、バックアップシステムを安価に実現でき、しかもシステム全体としての故障間隔も伸ばすことが可能となる。
なお、このマスタ用のディスク(ディスクマスタ)は、RAMディスクやフラッシュディスクなどのシリコンディスクを用いることとしてもよい。
本実施形態に示した方法と従来の方法とについて、バックアップ装置のディスクの寿命をシミュレーションして比較した結果を以下に示す。本シミュレーションでは、全部で3台のディスクを使用する。
図4は、本シミュレーションにおけるバックアップ処理を模式的に説明する図である。
本実施形態に示した方法としては、図4(a)実施形態に示すように、ディスクマスタには物理的に寿命の長い高信頼ディスクを使用し、他の2台のディスクには高信頼ディスクよりも物理的に寿命の短い低信頼ディスク(ディスク1、ディスク2)を使用する。ここでは、ディスクマスタおよびディスク1でミラーリングを行っている状態が太線矢印で示されている。
また、従来の方法としては、図4(b)比較例に示すように、特許文献1(特開2005−250644号公報)の技術を用いて、3台のディスクすべてに低信頼ディスク(ディスク1、ディスク2、ディスク3)を使用する。ここでは、ディスク1およびディスク3でミラーリングを行っている状態が太線矢印で示されている。
なお、本シミュレーションでは、低信頼ディスクが4回目の使用で故障し、高信頼ディスクが10回目の使用で故障するものと想定する。
ローテート回数(2)では、ディスク2およびディスク3でミラーリングを行う。ローテート回数(3)では、ディスク1およびディスク3でミラーリングを行う。つまり、ミラーリング対象のディスクを順番に交換していくことで、ディスクの寿命を延ばすようにしている。
そして、予め設定したタイミングで定期的にバックアップ用ディスクが作成されるので、ハードディスククラッシュなどの物理的な障害対策だけでなく、誤操作やウイルス感染などの論理的な障害についても、対応可能となる。さらに、バックアップ装置1に備える高信頼ディスクを最低限の構成としたことで、低コストで実施可能である。
図5は、本発明の第二実施形態におけるバックアップ装置の構成を示す図である。本実施形態のバックアップ装置1Aは、第一実施形態の図1と比較して、ウイルスチェック部20が追加されている点が異なる。
ステップS1,S2は、第一実施形態と同様の処理のため、説明を省略する。
ステップS21で、ウイルスチェック部20は、ミラーリング対象となっているディスクのウイルスチェックを行う(S21)。例えば、図3(a)に示す例では、ディスク1がその対象となる。なお、ディスク1の代わりにディスクマスタに対してウイルスチェックを行ってもよい。
また、一般的なコンピュータ(PC)内に備えられるHDDを本実施形態のディスクマスタとして用い、前記コンピュータと接続される別の筐体内に、低信頼ディスクであるディスク1,2,3、…、nを備える構成としてもよい。その場合には、前記コンピュータに本実施形態のバックアップ方法を実現するプログラムを備えることで、実現可能である。
また、物理的にディスクを交換可能としてもよい。その場合、障害ディスクだけを交換することも可能となる。
さらに、バックアップ用ディスクを別のディスクに交換し、取り外したディスクを別途保管することもできる。この場合、日常のバックアップは自動的に行い、定期的なバックアップもディスクを交換するだけ、というような運用を簡単に行うことができる。また、バックアップ用のディスクは安価なものでよく、このディスクを増やすことで、より多くの時点でのバックアップを保持することが可能となる。
10 制御部
15 記憶部
20 ウイルスチェック部
30 外部接続インタフェース
Claims (5)
- 少なくとも3つ以上のストレージを備え、前記ストレージのうち1つは、第一のストレージと第二のストレージとを含む他のストレージよりも寿命が長い高信頼のストレージであるバックアップ装置であって、
前記他のストレージを所定時間毎に順番に切り替えて、前記高信頼のストレージのミラーリングを行う制御部を備え、
前記制御部は、前記他のストレージを所定時間毎に順番に切り替える前に、
前記第一のストレージをミラーリング対象としているときに、前記高信頼のストレージまたは前記第一のストレージの内容を前記第二のストレージにコピーしつつ、当該第一のストレージに加え、当該第二のストレージも前記ミラーリング対象としてミラーリングを行い、
前記第二のストレージをミラーリング対象としているときに、前記高信頼のストレージまたは前記第二のストレージの内容を前記第一のストレージにコピーしつつ、当該第二のストレージに加え、当該第一のストレージも前記ミラーリング対象としてミラーリングを行い、
前記第一のストレージ、前記第二のストレージ、および前記高信頼のストレージの内容が同期されたら、当初ミラーリング対象となっていた方の第一または第二のストレージをミラーリング対象から外すことで、前記ミラーリング対象から外されたストレージをバックアップ用とすること、
を特徴とするバックアップ装置。 - 前記制御部が、
前記他のストレージを順番に切り替える前に、ミラーリングが行われている前記他のストレージまたは前記高信頼のストレージのウイルスチェックを行い、ウイルスまたは異常が検出された場合には、ミラーリングを中止するよう前記制御部に指示するウイルスチェック部を備えること、
を特徴とする請求項1に記載のバックアップ装置。 - 少なくとも3つ以上のストレージを備え、前記ストレージのうち1つは、第一のストレージと第二のストレージとを含む他のストレージよりも寿命が長い高信頼のストレージであるバックアップ装置におけるバックアップ方法であって、
前記他のストレージを所定時間毎に順番に切り替えて、前記高信頼のストレージのミラーリングを行う手順を有し、
前記ミラーリングを行う手順は、前記他のストレージを所定時間毎に順番に切り替える前に、
前記第一のストレージをミラーリング対象としているときに、前記高信頼のストレージまたは前記第一のストレージの内容を前記第二のストレージにコピーしつつ、当該第一のストレージに加え、当該第二のストレージも前記ミラーリング対象としてミラーリングを行う手順と、
前記第二のストレージをミラーリング対象としているときに、前記高信頼のストレージまたは前記第二のストレージの内容を前記第一のストレージにコピーしつつ、当該第二のストレージに加え、当該第一のストレージも前記ミラーリング対象としてミラーリングを行う手順と、
前記第一のストレージ、前記第二のストレージ、および前記高信頼のストレージの内容が同期されたら、当初ミラーリング対象となっていた方の第一または第二のストレージをミラーリング対象から外すことで、前記ミラーリング対象から外されたストレージをバックアップ用とする手順とを含むこと、
を特徴とするバックアップ方法。 - 前記バックアップ装置は、
前記順番に切り替える前に、ミラーリングが行われている前記他のストレージまたは前記高信頼のストレージのウイルスチェックを行い、ウイルスまたは異常が検出された場合には、ミラーリングを中止する手順を含むこと、
を特徴とする請求項3に記載のバックアップ方法。 - 請求項3又は請求項4に記載のバックアップ方法を、コンピュータである前記バックアップ装置に実行させるためのプログラム。
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