JP4933699B2 - 車両の運転操作装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョイスティックによる操作によって少なくとも転舵を行う車両の運転操作装置に関し、特に、ジョイスティックによる操作によって車両の前進方向の変速も行うことができる車両の運転操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者が操作を行うための操作系と車両を動作させるための制動系、駆動系および転舵系とを分離し、CBW(Control By Wire)制御によって操作系を制動系、駆動系および転舵系に電気的に連動させる運転操作装置が開発されている。この運転操作装置は、操作系としてジョイスティックを備え、このジョイスティックの操作量に基づいて制動系のブレーキ液圧量、駆動系のスロットル量および転舵系の転舵量を設定し、車両の運転状態を制御する。例えば、ジョイスティックの前方への操作量に基づいてスロットル量が設定され、後方への操作量に基づいてブレーキ液圧量が設定され、左右方向への操作量に基づいて転舵量が設定される。さらに、この運転操作装置は、操作系に反力用モータを備え、運転者によるジョイスティックへの操作中に、反力用モータによってジョイスティックを介して運転者に反力を与え、車両の運転状態をジョイスティックに反映させる。
【0003】
さらに、運転操作装置の中には、ジョイスティックによって車両の前進と後退との変速を行うための変速操作を行うことができる装置もある。例えば、特開平10−121997号公報には、前進走行モードおよび操車モードを選択できるとともに車両の縦運動の加減速操作を行うことができるジョイスティックを備える自動車の縦運動制御装置について開示されている。このジョイスティックは、前進走行モードおよび操車モードを選択するためのボタン等を備えるとともに、2つの方向に操作可能な構造を有する。そして、ジョイスティックによって前進走行モードが選択されると、ジョイスティックに対する一方の操作方向への操作によって車両が加速し、他方の操作方向への操作によって車両が減速する。また、ジョイスティックによって操車モードが選択されると、ジョイスティックに対する一方の操作方向への操作によって車両が前進し、他方の操作方向への操作によって車両が後退する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の運転操作装置を搭載する車両での変速操作は、マニュアル・トランスミッション(以下、MTと記載する)の場合にはシフトレバーで変速ギアを切り換え、オートマチック・トランスミッション(以下、ATと記載する)の場合にはセレクタレバーでレンジポジションを切り換えている。したがって、運転者は、ジョイスティックによって転舵系等の操作をしている時に変速ギアあるいはレンジポジションを切り換える場合、ジョイスティックとは別のシフトレバーあるいはセレクタレバーを手で操作しなければならない。そのため、運転者は、車庫入れや切り返し等の前進と後退との変速を頻繁に切り換える場合やワインディングロード等のエンジンブレーキを効かせたい場合、ジョイスティックによって転舵系等を操作するとともに、シフトレバーによって変速ギアあるいはセレクタレバーによってレンジポジションを切り換えなければならない。しかし、従来の運転操作装置では、ジョイスティックと別のレバーとを片手で操作する構成の車両の場合にはジョイスティックと別のレバーとを持ち替えなければならないし、両手で操作する構成の車両の場合には左右の手で異なる操作を行わなければならない。そのため、運転者は、非常に煩わしい動作が必要になるとともに、素早い操作を行うことができない。
【0005】
また、前記した自動車の縦運動制御装置では、ジョイスティックによって前進と後退との変速を切り換える変速操作を行うことはできるが、このジョイスティックによって前進方向における変速ギアあるいはレンジポジションを切り換えることはできない。そのため、運転者は、エンジンブレーキを効かせたい場合や急な加速を行いたい場合、ジョイスティックとは別のレバー等によって前進方向の変速ギアあるいはレンジポジションを切り換えなければならない。そのため、運転者が望むようなタイミングで変速ギアあるいはレンジポジションの切り換えを行うことができないので、変速によるキビキビとした加減速を行うことができない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、ジョイスティックによって運転者の意思に応じて前進方向の変速を行うことができる車両の運転操作装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明に係る車両の運転操作装置は、運転席近傍に設けられ、少なくとも車両の転舵を行うための転舵操作要素を有するジョイスティックを備え、当該ジョイスティックへの、車両に対する左右方向の操作力によって車両を転舵させる車両の運転操作装置であって、前記ジョイスティックは、車両の前進方向の変速を行うための変速操作要素と駆動操作要素と制動操作要素も有し、前記ジョイスティックへの、車両に対する前方への操作力によって駆動力を発生し、前記ジョイスティックへの、車両に対する後方への操作力によって制動力を発生し、さらに、前記ジョイスティックに加えられる、当該ジョイスティックの上下方向の軸に対しての左右回転方向の操作力によって変速を行うことを特徴とする。
【0008】
この車両の運転操作装置によれば、ジョイスティックによって転舵操作を行いながら、このジョイスティックによって前進方向の変速操作を行うことができる。そのため、運転者はジョイスティックから手を離すことなく素早い変速操作が可能となり、運転者の意思に応じたキビキビとした加減速が可能となる。
【0009】
前進方向の変速とは、MT車の場合には1速ギア、2速ギア、3速ギア、4速ギア、・・・等の車両の前進方向の変速ギアの切り換えのことであり、AT車の場合にはドライブレンジ、2速レンジ、1速レンジ等の車両の前進方向のレンジの切り換えのことである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両の運転操作装置の実施の形態について説明する。
【0011】
本発明に係る車両の運転操作装置は、少なくとも転舵操作と車両の前進方向の変速操作を同一のジョイスティックによって行うことができる。この車両の運転操作装置は、AT車、MT車あるいはセミAT車等の変速の構成に関係なく適用可能である。なお、加減速操作は、このジョイスティックで行うように構成してもよいし、従来の車両に備わるブレーキペダルやスロットルペダル等で行うように構成してもよい。また、前進方向以外(リバース、パーキング、ニュートラル等)の変速操作は、このジョイスティックで行うように構成してもよいし、他のレバーやボタン等で行うように構成してもよい。
【0012】
本実施の形態では、本発明に係る車両の運転操作装置を、ジョイスティックに対する操作力に応じて車両の加減速および転舵をアクチュエータを介して制御するとともに車両の変速のためのレンジ切換を制御する運転操作装置に適用する。そのために、この運転操作装置は、ジョイスティックを備え、ジョイスティックへの前方の操作力をスロットル操作力とし、後方の操作力をブレーキ操作力とし、左右方向の操作力を転舵操作力とし、左右回転方向の操作力をレンジ切換操作力とする。また、この運転操作装置は、ブレーキ液圧を変化させるためのブレーキアクチュエータ、スロットル開度を変化させるスロットルアクチュエータおよび転舵アクチュエータとしてラック軸の位置を移動させるためのステアリングモータを備えるとともに、レンジを切り換えるための指令信号をAT用制御装置に送信する。
なお、本実施の形態では、前方は車両の進行方向であり、後方は車両の後退方向であり、左方は進行方向に向かって左側であり、右方は進行方向に向かって右側である。
【0013】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態ではジョイスティックでのみ運転操作が可能な車両に適用し、第2の実施の形態ではジョイスティックで運転操作が可能であるとともにブレーキペダル、スロットルペダル、ステアリングホイールおよびセレクタレバーで運転操作が可能な車両に適用する。なお、本実施の形態に係る車両は、4段変速のAT車であり、変速のレンジとしてパーキングレンジ(以下、Pレンジと記載する)、リバースレンジ(以下、Rレンジと記載する)、ニュートラルレンジ(以下、Nレンジと記載する)、ドライブ4速レンジ(以下、D4レンジと記載する)、ドライブ3速レンジ(以下、D3レンジと記載する)、2速レンジ、1速レンジがある。
【0014】
まず、第1の実施の形態に係る運転操作装置Aについて説明する。
運転操作装置Aでは、CBW制御によって、ジョイスティック1を用いて加減速操作、転舵操作および変速のためのレンジ切換操作を行うことができる。
【0015】
図1および図3を参照して、運転操作装置Aの全体構成について説明する。図1は、運転操作装置Aの全体構成図である。図3は、運転操作装置Aが搭載される車両の運転席周辺の斜視図である。運転操作装置Aは、2つのジョイスティック1,1、ラック位置センサ11、スロットル開度センサ12、ブレーキ液圧センサ13、制御装置14、切換スイッチ15等から構成される。そして、各ジョイスティック1は、転舵操作力センサ2、加減速操作力センサ3、レンジ切換操作力センサ4、ステアリングモータ5、スロットルアクチュエータ6、ブレーキアクチュエータ7、転舵操作反力モータ8、加減速操作反力モータ9およびレンジ切換操作反力モータ10を備える。
なお、第1の実施の形態では、運転操作装置Aが車両の運転操作装置に相当する。
【0016】
運転操作装置Aは、車両の加減速操作、転舵操作および変速のためのレンジ切換操作を行うために、2つのジョイスティック1,1を備える。2つのジョイスティック1,1は、運転席の左右両側に運転者の左手または右手で操作可能な位置に各々配設され、運転席の左側のセンタコンソールと右側の右フロントドアの内側とに位置している。そして、このジョイスティック1,1は、同一の構成を有し、同一の運転操作が可能である。このように左右両側に同一のジョイスティック1,1を備えるのは、運転者の利き腕を考慮して、運転操作を容易にするためである。そこで、2つのジョイスティック1,1のうちの一方のジョイスティック1でのみ運転操作を可能とするために、一方のジョイスティック1を選択するための切換スイッチ15がインストルメントパネルIPに設けられる。
【0017】
図1を参照して、ジョイスティック1の構成について説明する。
ジョイスティック1は、車両の定位置に固定され、運転者の運転操作が操作力として加えられる。そのため、ジョイスティック1は、前後方向の操作力および左右方向の操作力ならびにジョイスティック1の上下方向の軸に対して左右回転方向の操作力を受けるように支持され、各操作力を検出可能な構造を有する。
【0018】
ジョイスティック1への前後方向の操作力は、ジョイスティック1の前後方向の操作力を検出するロードセル等からなる加減速操作力センサ3により、その操作力が電圧として検出(出力)される。この操作力は、ジョイスティック1に前後方向の操作力が加わっていない時を基準にして、後方への操作力がブレーキ操作力であり、前方への操作力がスロットル操作力である。そして、加減速操作力センサ3は、検出した電圧を加減速操作力信号STBとして制御装置14に送信する。ちなみに、このジョイスティック1への前後方向の操作が、車両への加減速操作となる。
【0019】
図7の(a)図を参照して、ジョイスティック1への前後方向の操作力に対する加減速操作力センサ3の出力の設定について説明する。図7の(a)図は、ジョイスティック1への前後方向の操作力と加減速操作力センサ3の出力との関係図である。この図7の(a)図から判るように、加減速操作力センサ3は、ジョイスティック1への前方の操作力が強くなると出力を増加させ、後方の操作力が強くなると出力を低下させるように設定される。そして、加減速操作力センサ3の出力は、基準値を上回る部分がスロットル操作力であり、基準値を下回る部分がブレーキ操作力である。したがって、加速操作および減速操作(制動操作)とも、ジョイスティック1への前後方向の操作力が強くなればなるほど、加減速操作力センサ3で検出(出力)されるスロットル操作力およびブレーキ操作力も大きくなる。なお、スロットル操作力かブレーキ操作力かの判断は、後記する制御装置14の目標ブレーキ液圧設定部20および目標スロットル開度設定部27で判断される(図4参照)。
【0020】
ジョイスティック1への左右方向の操作力は、ジョイスティック1の左右方向の操作力を検出するロードセル等からなる転舵操作力センサ2により、その操作力が電圧として検出(出力)される。この操作力は、ジョイスティック1に左右方向の操作力が加わっていない時を基準にして、右側への操作力が右側転舵操作力であり、左側への操作力が左側転舵操作力である。そして、転舵操作力センサ2は、検出した電圧を転舵操作力信号SSRとして制御装置14に送信する。ちなみに、このジョイスティック1への左右方向の操作が、車両への転舵操作となる。
【0021】
図7の(b)図を参照して、ジョイスティック1への左右方向の操作力に対する転舵操作力センサ2の出力の設定について説明する。図7の(b)図は、ジョイスティック1への左右方向の操作力と転舵操作力センサ2の出力との関係図である。この図7の(b)図から判るように、転舵操作力センサ2は、ジョイスティック1への右側の操作力が強くなると出力を増加させ、左側の操作力が強くなると出力を低下させるように設定される。そして、転舵操作力センサ2の出力は、基準値を上回る部分が右側転舵操作力であり、基準値を下回る部分が左側転舵操作力である。したがって、右側転舵操作および左側転舵操作は、ジョイスティック1への左右方向の操作力が強くなればなるほど、転舵操作力センサ2で検出(出力)される右側転舵操作力および左側転舵操作力も大きくなる。なお、右側転舵操作力か左側転舵操作力かの判断は、後記する制御装置14の目標ラック位置設定部32で判断される(図5参照)。
【0022】
ジョイスティック1への左右回転方向の操作力は、ジョイスティック1の回転方向の操作力を検出するロードセル等からなるレンジ切換操作力センサ4により、その操作力が電圧として検出(出力)される。この操作力は、ジョイスティック1に左右回転方向の操作力が加わっていない時を基準にして、右回転側への操作力が1速レンジ側へのレンジ切換操作力であり、左回転側への操作力がPレンジ側へのレンジ切換操作力である。そして、レンジ切換操作力センサ4は、検出した電圧をレンジ操作力信号SRNとして制御装置14に送信する。ちなみに、このジョイスティック1への回転方向の操作が、車両への変速操作となる。
【0023】
図7の(c)図を参照して、ジョイスティック1への回転方向の操作力に対するレンジ切換操作力センサ4の出力の設定について説明する。図7の(c)図は、ジョイスティック1への回転方向の操作力とレンジ切換操作力センサ4の出力との関係図である。この図7の(c)図から判るように、レンジ切換操作力センサ4は、ジョイスティック1への右回転の操作力が強くなると出力を増加させ、左回転の操作力が強くなると出力を低下させるように設定される。そして、レンジ切換操作力センサ4の出力は、基準値を上回る部分が1速レンジ側操作力であり、基準値を下回る部分がPレンジ側操作力である。したがって、1速レンジ側へのレンジ切換操作およびPレンジ側へのレンジ切換操作とも、ジョイスティック1への回転方向の操作力が強くなればなるほど、レンジ切換操作力センサ4で検出(出力)される1速レンジ側操作力およびPレンジ側操作力も大きくなる。なお、1速レンジ側操作力かPレンジ側操作力かの判断は、後記する制御装置14の回転検出部39で判断される(図6参照)。
【0024】
ここで、図2を参照して、ジョイスティック1への回転方向の操作によって切り換わるレンジについて説明しておく。図2は、ジョイスティック1によるレンジ切換操作によって切り換わるレンジの説明図である。レンジの切り換わりは、Pレンジ⇔Rレンジ⇔Nレンジ⇔D4レンジ⇔D3レンジ⇔2速レンジ⇔1速レンジ間で隣のレンジに切り換わることができる。ジョイスティック1への右回転方向の操作では、右回転方向への操作力が1速レンジ側切換しきい値以上になると、1速レンジ側に向かって隣のレンジに切り換わる。例えば、現在のレンジがD3レンジの場合、1速レンジ側切換しきい値以上の右回転方向への操作力がジョイスティック1に加わると、2速レンジに切り換わる。また、ジョイスティック1への左回転方向の操作では、左回転方向への操作力がPレンジ側切換しきい値以上になると、Pレンジ側に向かって隣のレンジに切り換わる。例えば、現在のレンジがD4レンジの場合、Pレンジ側切換しきい値以上の左回転方向への操作力がジョイスティック1に加わると、Nレンジに切り換わる。なお、後で説明するが、ジョイスティック1に1速レンジ側切換しきい値以上の右回転方向への操作力またはPレンジ側切換しきい値以上の左回転方向への操作力が加えられた場合でも、車両のレンジが切り換わらない場合がある。
【0025】
ちなみに、本実施の形態に係る車両は、AT用制御装置ACUによって、D4レンジ、D3レンジおよび2速レンジの場合にはエンジン回転数(エンジン回転速度)、車速、スロットル開度等に基づいて自動で変速ギアが切り換わる。D4レンジの場合、燃費重視用で、1速ギアから4速ギアまでが自動で変速される。D3レンジの場合、トルク重視用で、1速ギアから3速ギアまでが自動で変速される。2速レンジは、登坂やエンジンブレーキ用で、1速ギアと2速ギアが自動で変速される。1速レンジは、特に駆動力が必要な場合で、1速ギアに固定される。
【0026】
また、ジョイスティック1は、運転者による操作に対して、車両の運転状態を反映させるためにジョイスティック1に反力を加える反力発生手段を有する。この反力発生手段は、ジョイスティック1の前後方向の反力を加える加減速操作反力モータ9、ジョイスティック1の左右方向の反力を加える転舵操作反力モータ8およびジョイスティック1の回転方向の反力を加えるレンジ切換操作反力モータ10を有する。加減速操作反力モータ9は、制御装置14が生成する加減速操作反力モータ駆動電圧RSBに基づいて駆動される。転舵操作反力モータ8は、制御装置14が生成する転舵操作反力モータ駆動電圧RSRに基づいて駆動される。レンジ切換操作反力モータ10は、制御装置14が生成するレンジ操作反力モータ駆動電圧RRNに基づいて駆動される。なお、加減速操作反力モータ駆動電圧RSB、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRおよびレンジ操作反力モータ駆動電圧RRNの大きさおよび印加方向は制御装置14により設定されるが、この点は後記する。
【0027】
さらに、ジョイスティック1の後方側の面には、シーケンシャルモードスイッチ1a,1bが設けられる。このシーケンシャルモードスイッチ1a,1bは、D4レンジ、D3レンジまたは2速レンジの場合、運転者によってマニュアルで変速ギアを切り換えることができるスイッチである。シーケンシャルモードスイッチ1aが1回押下されると、変速ギアを1段上げることが可能であれば、変速ギアが1段上がる。また、シーケンシャルモードスイッチ1bが1回押下されると、変速ギアを1段下げることが可能であれば、変速ギアが1段下がる。シーケンシャルモードスイッチ1a,1bが押下された情報はAT用制御装置ACUに送信され、AT用制御装置ACUにおいて変速ギアの切り換えが可能か否かが判断され、AT用制御装置ACUによって変速ギアの切り換えが制御される。
【0028】
また、ジョイスティック1の後方側の面には、ウインカスイッチ1c,1dが設けられる。ウインカスイッチ1cは、左側のウインカの点滅/非点滅を操作するスイッチである。ウインカスイッチ1dは、右側のウインカの点滅/非点滅を操作するスイッチである。さらに、ジョイスティック1の前方側の面には、警報用のホーンスイッチ(図示せず)が設けられる。
【0029】
運転操作装置Aにおけるブレーキ系の構成を説明する。
この車両のブレーキ系は、通常の車両と異なりブレーキペダルを有しない。その代わりに、ジョイスティック1がブレーキペダルの役割を有し、前記したように、ジョイスティック1に対して後方に操作力を加えるとブレーキが効くようになっている。
【0030】
また、この車両のブレーキ系は、エンジンの負圧等を利用するブレーキ倍力装置やマスタシリンダ等を有しない。その代わりに、トラクションコントロールシステム(TCS)やアンチブレーキロックシステム(ABS)のような、ブレーキ液圧発生用のポンプおよびブレーキ液圧制御用の比例電磁弁を有し、ポンプが発生したブレーキ液圧を、比例電磁弁を介してホイールシリンダに作用させるようになっている。なお、ブレーキアクチュエータ7は、前記した比例電磁弁に相当し、制御装置14が生成するブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAに基づいて駆動される。
【0031】
運転操作装置Aにおけるスロットル系の構成を説明する。
この車両のスロットル系は、通常の車両と異なりスロットルペダル(アクセルペダル)を有しない。その代わりに、ジョイスティック1がスロットルペダルの役割を有し、前記したように、ジョイスティック1に対して前方に操作力を加えるとスロットル弁が開くようになっている。
【0032】
この車両のスロットル弁は、弁駆動モータにより駆動される。なお、スロットルアクチュエータ6は、前記した弁駆動モータに相当し、制御装置14が生成するスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAに基づいて駆動される。
【0033】
運転操作装置Aにおける転舵系の構成を説明する。
この車両の転舵系は、通常の車両と異なりステアリングホイールを有しない。その代わりに、ジョイスティック1がステアリングホイールの役割を有し、前記したように、ジョイスティック1に対して左方に操作力を加えると転舵輪W,Wが左側に転舵するようになっている。また、この左方への操作力がなくなると、転舵輪W,Wが中立状態に戻るようになっている。一方、ジョイスティック1に対して右方側に操作力を加えると転舵輪W,Wが右側に転舵するようになっている。また、この右方への操作力がなくなると、転舵輪W,Wが中立状態に戻るようになっている。
【0034】
また、この車両の転舵系は、運転者の操舵力をラック軸18に伝達するステアリング軸やラックアンドピニオン機構等を有しない。その代わりに、ラック軸18を軸方向に動かすステアリングモータ(ステアリングアクチュエータ)5およびボールねじ機構17を有する。なお、ステアリングモータ5は車体フレームに対して固定され、ステアリングモータ5の回転運動をボールねじ機構17を介してラック軸18の直線運動に変換している。これにより、ステアリングモータ5が発生する回転トルクがラック軸18の軸力に変換され、ラック軸18に生じた軸力は、ラック軸18の端部のタイロッド19,19を介して転舵輪W,Wの転舵トルクへと変換される。なお、ステアリングモータ5は、制御装置14が生成するステアリングモータ駆動電圧DSMに基づいて駆動される。
【0035】
運転操作装置Aにおける変速系の構成を説明する。
この車両の変速系は、通常の車両と異なりセレクタレバーを有しない。その代わりに、ジョイスティック1がセレクタレバーの役割を有し、前記したように、ジョイスティック1に対して左回転に操作力を加えるとPレンジ側にレンジが切り換わるようになっている(図2参照)。一方、ジョイスティック1に対して右回転に操作力を加えると1速レンジ側にレンジが切り換わるようになっている(図2参照)。
【0036】
また、この車両の変速系は、通常の車両に備わるトルクコンバータ、各種ギアや多板クラッチ等を備え、AT用制御装置ACUによって制御される。なお、AT用制御装置ACUでは、制御装置14が生成するレンジ切換信号DRNに基づいてレンジの切り換えを制御する。また、AT用制御装置ACUは、制御装置14に対して、現在のレンジ、エンジン回転数(エンジン回転速度)、車速等の情報を信号として送信する。
【0037】
運転操作装置Aの各種センサについて説明する。
運転操作装置Aを制御装置14で制御するために、車両には各種情報を制御装置14に取り込むためのセンサが設けられる。ラック位置センサ11は、ラック軸18の左右方向の直線運動におけるラック位置を検出し、ラック位置信号SRを制御装置14に送信する。スロットル開度センサ12は、スロットル弁の開度を検出し、スロットル開度信号STを制御装置14に送信する。ブレーキ液圧センサ13は、ホイールシリンダのブレーキ液圧を検出し、ブレーキ液圧信号SBを制御装置14に送信する。
【0038】
図4乃至図6を参照して、制御装置14の構成について説明する。図4は、制御装置14のブレーキ制御部14A、ブレーキ操作反力制御部14B、スロットル制御部14Cおよびスロットル操作反力制御部14Dの構成図である。図5は、制御装置14の転舵制御部14Eおよび転舵操作反力制御部14Fの構成図である。図6は、制御装置14のレンジ切換制御部14Gおよびレンジ切換操作反力制御部14Hの構成図である。制御装置14は、ジョイスティック1による操作に基づいて、ステアリングモータ5、スロットルアクチュエータ6およびブレーキアクチュエータ7を制御するとともに、AT用制御装置ACUにレンジの切り換えを指示する。さらに、制御装置14は、ジョイスティック1に操作反力を与えるために、転舵操作反力モータ8、加減速操作反力モータ9およびレンジ切換操作反力モータ10を制御する。そのために、制御装置14は、ブレーキ制御部14A、ブレーキ操作反力制御部14B、スロットル制御部14C、スロットル操作反力制御部14D、転舵制御部14E、転舵操作反力制御部14F、レンジ切換制御部14Gおよびレンジ切換操作反力制御部14Hを有する。
【0039】
また、制御装置14は、切換スイッチ15からの信号に基づいて、左右のジョイスティック1,1のどちらの運転操作が有効かを判別する(図3参照)。そして、制御装置14は、有効と判別したジョイスティック1に備えられる各センサ2,3,4の信号を取り入れ、有効と判別したジョイスティック1に備えられる各操作反力モータ8,9,10を制御する。
【0040】
なお、制御装置14は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、CPU(Central Processing Unit)およびI/Oインターフェース等からなるマイクロコンピュータ(図示せず)を備えるとともに、各種モータを駆動する駆動回路を備える。また、制御装置14は、取り込んだセンサ信号をディジタル信号に変換し、センサ信号をディジタル信号で取り扱う。
【0041】
図4を参照して、ブレーキ制御部14Aについて説明する。
ブレーキ制御部14Aは、運転者によるジョイスティック1の加減速操作におけるブレーキ操作力に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに作用させる制御を行う。そのために、ブレーキ制御部14Aは、目標ブレーキ液圧設定部20、偏差演算部21、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部22およびブレーキアクチュエータ駆動回路23を備える。なお、ブレーキ制御部14Aのうち、ブレーキアクチュエータ駆動回路23を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0042】
目標ブレーキ液圧設定部20は、加減速操作力センサ3からの加減速操作力信号STBが入力され、目標ブレーキ液圧信号を偏差演算部21に出力する。目標ブレーキ液圧設定部20は、ブレーキ操作力に応じた加減速操作力信号STBに基づいてブレーキマップを検索し、ホイールシリンダに加えるべき目標ブレーキ液圧信号を設定する(図8の(a)図参照)。なお、ブレーキマップは、ブレーキ操作力が大きくなれば目標ブレーキ液圧も大きくなるように設定されている。ただし、加減速操作力信号STBとブレーキ操作力との関係は、加減速操作力センサ3の出力が小さいほどブレーキ操作力が大きくなるというものである(図7の(a)図参照)。したがって、ブレーキマップは、加減速操作力センサ3の出力が0から基準値まで増加するに従って、目標ブレーキ液圧が減少するように設定される(図8の(a)図参照)。なお、図8の(a)図は、加減速操作力センサ3の出力と目標ブレーキ液圧との関係図である。
【0043】
偏差演算部21は、ブレーキ液圧センサ13からのブレーキ液圧信号SBおよび目標ブレーキ液圧設定部20からの目標ブレーキ液圧信号が入力され、偏差信号をブレーキアクチュエータ制御信号出力部22および目標ブレーキ操作反力設定部24に出力する。偏差演算部21は、目標ブレーキ液圧信号からブレーキ液圧信号SBを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0044】
ブレーキアクチュエータ制御信号出力部22は、偏差演算部21からの偏差信号が入力され、ブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ駆動回路23に出力する。ブレーキアクチュエータ制御信号出力部22は、PID(Proportional Integral Differential)コントローラおよびPWM(Pulse Width Modulation)信号発生部等を備える。まず、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部22は、偏差信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにブレーキアクチュエータ7に供給する電流値を示すPID制御信号を生成する。続いて、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部22は、このPID制御信号に基づいて、ブレーキアクチュエータ7に供給する電流値に対応したPWM信号を生成し、ブレーキ制御信号とする。
【0045】
ブレーキアクチュエータ駆動回路23は、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部22からのブレーキ制御信号が入力され、ブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に出力する。ブレーキアクチュエータ駆動回路23は、ブレーキ制御信号に基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加し、ブレーキアクチュエータ7を駆動する。そのために、ブレーキアクチュエータ駆動回路23は、各車輪毎に設けられた比例電磁弁に対応するように設けられた4つのFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)および電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。そして、ブレーキアクチュエータ駆動回路23は、4つのFETの各ゲートにブレーキ制御信号が入力されると、このブレーキ制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、ブレーキアクチュエータ7にブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAを印加する。すると、ブレーキアクチュエータ7には電流が流れてブレーキアクチュエータ7が駆動され(つまり、比例電磁弁が開閉駆動され)、ジョイスティック1へのブレーキ操作力に応じてホイールシリンダのブレーキ液圧が制御される。
【0046】
図4を参照して、ブレーキ操作反力制御部14Bについて説明する。
ブレーキ操作反力制御部14Bは、運転者がジョイスティック1に対して後方に操作力を加える際(つまり、ブレーキを効かせる操作を行う際)、加減速操作反力モータ9を駆動して能動的にブレーキ操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、ブレーキ操作反力制御部14Bは、目標ブレーキ操作反力設定部24、加減速操作反力モータ制御信号出力部25および加減速操作反力モータ駆動回路26を備える。なお、ブレーキ操作反力制御部14Bのうち、加減速操作反力モータ駆動回路26を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0047】
目標ブレーキ操作反力設定部24は、偏差演算部21からの偏差信号が入力され、目標ブレーキ操作反力信号を加減速操作反力モータ制御信号出力部25に出力する。目標ブレーキ操作反力設定部24は、偏差信号に所定のゲインを乗じて目標ブレーキ操作反力信号を設定する。なお、目標ブレーキ操作反力設定部24は、偏差信号が「プラスの値」である場合には偏差信号に応じた目標ブレーキ操作反力信号を設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標ブレーキ操作反力信号をゼロに設定する。このように目標ブレーキ操作反力信号を設定するのは、ブレーキ力を増す場合(通常の車両におけるブレーキペダルを踏み増す場合)にのみブレーキ操作反力を生じさせるためである。このため、ブレーキ力を減じるようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1の後方への操作力を弱める場合)には、ブレーキ操作反力(ジョイスティック1の動きの方向に反する力)は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標ブレーキ操作反力設定部24がジョイスティック1の戻りをアシストするように目標ブレーキ操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0048】
加減速操作反力モータ制御信号出力部25は、目標ブレーキ操作反力設定部24からの目標ブレーキ操作反力信号が入力され、ブレーキ操作反力制御信号を加減速操作反力モータ駆動回路26に出力する。加減速操作反力モータ制御信号出力部25は、PWM信号発生部等を備える。加減速操作反力モータ制御信号出力部25は、目標ブレーキ操作反力信号に基づいて、加減速操作反力モータ9に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、ブレーキ操作反力制御信号とする。
【0049】
加減速操作反力モータ駆動回路26は、加減速操作反力モータ制御信号出力部25からのブレーキ操作反力制御信号が入力され、加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に出力する。加減速操作反力モータ駆動回路26は、ブレーキ操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加し、加減速操作反力モータ9を駆動する。そのために、加減速操作反力モータ駆動回路26は、4つのFETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。加減速操作反力モータ駆動回路26は、4つのFETの各ゲートにブレーキ操作反力制御信号が入力されると、ブレーキ操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、加減速操作反力モータ9に加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを印加する。すると、加減速操作反力モータ9には電流が流れて加減速操作反力モータ9が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1のブレーキ操作反力が制御される。
【0050】
したがって、運転者がジョイスティック1によりホイールシリンダにおけるブレーキ液圧を増加する操作を行う際には、ジョイスティック1に対してブレーキ操作反力が与えられる。このブレーキ操作反力の大きさは、ジョイスティック1に前後方向の操作力が加えられていない時を基準にして、ジョイスティック1への後方の操作力を大きくかつ素早く操作をすればするほど、ジョイスティック1には大きなブレーキ操作反力が生じるようになる。
【0051】
図4を参照して、スロットル制御部14Cについて説明する。
スロットル制御部14Cは、運転者によるジョイスティック1の加減速操作におけるスロットル操作力に応じた開度になるように、スロットル弁を制御する。そのために、スロットル制御部14Cは、目標スロットル開度設定部27、偏差演算部28、スロットルアクチュエータ制御信号出力部29およびスロットルアクチュエータ駆動回路30を備える。なお、スロットル制御部14Cのうち、スロットルアクチュエータ駆動回路30を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0052】
目標スロットル開度設定部27は、加減速操作力センサ3からの加減速操作力信号STBが入力され、目標スロットル開度信号を偏差演算部28に出力する。目標スロットル開度設定部27は、スロットル操作力に応じた加減速操作力信号STBに基づいてスロットルマップを検索し、目標スロットル開度信号を設定する(図8の(b)図参照)。なお、スロットルマップは、スロットル操作力が大きくなれば目標スロットル開度も大きくなるように設定されている。このため、スロットルマップは、加減速操作力センサ3の出力が基準値から増加するに従って、目標スロットル開度が増加するように設定される(図8の(b)図参照)。なお、図8の(b)図は、加減速操作力センサ3の出力と目標スロットル開度との関係図である。
【0053】
偏差演算部28は、スロットル開度センサ12からのスロットル開度信号STおよび目標スロットル開度設定部27からの目標スロットル開度信号が入力され、偏差信号をスロットルアクチュエータ制御信号出力部29および目標スロットル操作反力設定部31に出力する。偏差演算部28は、目標スロットル開度信号からスロットル開度信号STを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0054】
スロットルアクチュエータ制御信号出力部29は、偏差演算部28からの偏差信号が入力され、スロットル制御信号をスロットルアクチュエータ駆動回路30に出力する。スロットルアクチュエータ制御信号出力部29は、PIDコントローラおよびPWM信号発生部等を備える。まず、スロットルアクチュエータ制御信号出力部29は、偏差信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにスロットルアクチュエータ6に供給する電流の向きと電流値とを示すPID制御信号を生成する。続いて、スロットルアクチュエータ制御信号出力部29は、このPID制御信号に基づいて、スロットルアクチュエータ6に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、スロットル制御信号とする。
【0055】
スロットルアクチュエータ駆動回路30は、スロットルアクチュエータ制御信号出力部29からのスロットル制御信号が入力され、スロットルアクチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に出力する。スロットルアクチュエータ駆動回路30は、スロットル制御信号に基づいてスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に印加し、スロットルアクチュエータ6を駆動する。そのために、スロットルアクチュエータ駆動回路30は、4つのFETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。4つのFETの各ゲートにスロットル制御信号が入力されると、スロットル制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、スロットルアクチュエータ6にスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAが印加される。すると、スロットルアクチュエータ6には電流が流れてスロットルアクチュエータ6が正転または逆転駆動され(つまり、弁駆動モータが駆動され)、ジョイスティック1へのスロットル操作力に応じてスロットル弁の開度が制御される。
【0056】
図4を参照して、スロットル操作反力制御部14Dについて説明する。
スロットル操作反力制御部14Dは、運転者がジョイスティック1に対して前方に操作力を加える際(つまり、エンジンの出力を増加する操作を行う際)、加減速操作反力モータ9を駆動して能動的にスロットル操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、スロットル操作反力制御部14Dは、目標スロットル操作反力設定部31、加減速操作反力モータ制御信号出力部25および加減速操作反力モータ駆動回路26を備える。なお、スロットル操作反力制御部14Dのうち、加減速操作反力モータ駆動回路26を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。また、スロットル操作反力制御部14Dは、加減速操作反力モータ制御信号出力部25および加減速操作反力モータ駆動回路26を、ブレーキ操作反力制御部14Bと共用する構成である。
【0057】
目標スロットル操作反力設定部31は、偏差演算部28からの偏差信号が入力され、目標スロットル操作反力信号を加減速操作反力モータ制御信号出力部25に出力する。目標スロットル操作反力設定部31は、偏差信号に所定のゲインを乗じて目標スロットル操作反力信号を設定する。なお、この目標スロットル操作反力設定部31は、偏差信号が「プラスの値」である場合には偏差信号に応じた目標スロットル操作反力信号を設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標スロットル操作反力信号をゼロに設定する。このように目標スロットル操作反力信号を設定するのは、スロットルを増す場合(通常の車両におけるスロットルペダルを踏み増す場合)にのみスロットル操作反力を生じさせるためである。このため、スロットルを減じるようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1の前方への操作力を弱める場合)には、スロットル操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標スロットル操作反力設定部31がジョイスティック1の戻りをアシストするように目標スロットル操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0058】
加減速操作反力モータ制御信号出力部25は、目標スロットル操作反力設定部31からの目標スロットル操作反力信号が入力され、スロットル操作反力制御信号を加減速操作反力モータ駆動回路26に出力する。加減速操作反力モータ制御信号出力部25は、目標スロットル操作反力信号に基づいて、加減速操作反力モータ9に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、スロットル操作反力制御信号とする。
【0059】
加減速操作反力モータ駆動回路26は、加減速操作反力モータ制御信号出力部25からのスロットル操作反力制御信号が入力され、加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に出力する。加減速操作反力モータ駆動回路26は、スロットル操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加し、加減速操作反力モータ9を駆動する。加減速操作反力モータ駆動回路26は、4つのFETの各ゲートにスロットル操作反力制御信号が入力されると、スロットル操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、加減速操作反力モータ9に加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを印加する。すると、加減速操作反力モータ9には電流が流れて加減速操作反力モータ9が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1のスロットル操作反力が制御される。
【0060】
したがって、運転者がジョイスティック1によりスロットル開度を増加する操作を行う際には、ジョイスティック1に対してスロットル操作反力が与えられる。このスロットル操作反力の大きさは、ジョイスティック1に前後方向の操作力が加わっていない時を基準にして、ジョイスティック1への前方の操作力を大きくかつ素早く操作をすればするほど、ジョイスティック1には大きなスロットル操作反力が生じるようになる。
【0061】
図5を参照して、転舵制御部14Eについて説明する。
転舵制御部14Eは、運転者によるジョイスティック1の転舵操作の転舵操作力に応じて、転舵輪W,Wを転舵する制御を行う。そのために、転舵制御部14Eは、目標ラック位置設定部32、偏差演算部33、ステアリングモータ制御信号出力部34およびステアリングモータ駆動回路35を備える。なお、転舵制御部14Eのうち、ステアリングモータ駆動回路35を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0062】
目標ラック位置設定部32は、転舵操作力センサ2からの転舵操作力信号SSRが入力され、目標ラック位置信号を偏差演算部33に出力する。目標ラック位置設定部32は、右側転舵操作力および左側転舵操作力に応じた転舵操作力信号SSRに基づいて転舵マップを検索し、目標ラック位置信号を設定する(図9参照)。なお、転舵マップは、右側転舵操作力が大きくなればこれに応じて目標ラック位置が左側(転舵輪W,Wの切れ角としては右転舵)に移動するように設定されるとともに、左側転舵操作力が大きくなればこれに応じて目標ラック位置が右側(転舵輪W,Wの切れ角としては左転舵)に移動するように設定されている(図9参照)。ただし、転舵操作力信号SSRと左側転舵操作力との関係は、転舵操作力センサ2の出力が小さいほど左側転舵操作力が大きくなるというものである(図7の(b)図参照)。したがって、転舵マップは、転舵操作力センサ2の出力が基準値から減少するに従って目標ラック位置がラック中立位置から右側に移動し、転舵操作力センサ2の出力が基準値から増加するに従って目標ラック位置がラック中立位置から左側に移動するように設定される(図9参照)。なお、図9は、転舵操作力センサ2の出力と目標ラック位置との関係図である。
【0063】
偏差演算部33は、ラック位置センサ11からのラック位置信号SRおよび目標ラック位置設定部32からの目標ラック位置信号が入力され、偏差信号をステアリングモータ制御信号出力部34および目標転舵操作反力設定部36に出力する。偏差演算部33は、目標ラック位置信号からラック位置信号SRを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0064】
ステアリングモータ制御信号出力部34は、偏差演算部33からの偏差信号が入力され、ステアリング制御信号をステアリングモータ駆動回路35に出力する。ステアリングモータ制御信号出力部34は、PIDコントローラおよびPWM信号発生部等を備える。まず、ステアリングモータ制御信号出力部34は、偏差信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにステアリングモータ5に供給する電流の向きと電流値とを示すPID制御信号を生成する。続いて、ステアリングモータ制御信号出力部34は、このPID制御信号に基づいて、ステアリングモータ5に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、ステアリング制御信号とする。
【0065】
ステアリングモータ駆動回路35は、ステアリングモータ制御信号出力部34からのステアリング制御信号が入力され、ステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に出力する。ステアリングモータ駆動回路35は、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加し、ステアリングモータ5を駆動する。そのために、ステアリングモータ駆動回路35は、4つのFETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。そして、ステアリングモータ駆動回路35は、4つのFETの各ゲートにステアリング制御信号が入力されると、ステアリング制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、ステアリングモータ5にステアリングモータ駆動電圧DSMを印加する。すると、ステアリングモータ5には電流が流れてステアリングモータ5が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1のステアリング操作力に応じてラック軸18のラック位置が制御される。
【0066】
図5を参照して、転舵操作反力制御部14Fについて説明する。
転舵操作反力制御部14Fは、運転者がジョイスティック1に対して左右方向に操作力を加える際(つまり、転舵操作を行う際)、転舵操作反力モータ8を駆動して能動的に転舵操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、転舵操作反力制御部14Fは、目標転舵操作反力設定部36、転舵操作反力モータ制御信号出力部37および転舵操作反力モータ駆動回路38を備える。なお、転舵操作反力制御部14Fのうち、転舵操作反力モータ駆動回路38を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0067】
目標転舵操作反力設定部36は、転舵操作力センサ2からの転舵操作力信号SSR(右側転舵操作力および左側転舵操作力)および偏差演算部33からの偏差信号が入力され、目標転舵操作反力信号を転舵操作反力モータ制御信号出力部37に出力する。目標転舵操作反力設定部36は、偏差信号に所定のゲインを乗じて目標転舵操作反力信号を設定する。なお、目標転舵操作反力設定部36は、操舵操作力信号SSRに基づいて転舵輪W,Wが右側転舵状態か左側転舵状態かを判断し、次のように目標転舵操作反力を設定する。
【0068】
目標転舵操作反力設定部36は、「右側転舵状態」かつ偏差信号が「プラスの値」である場合には偏差信号に応じた目標転舵操作反力信号を設定し、「右側転舵状態」かつ偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。このように目標転舵操作反力信号を設定するのは、右側転舵量を増加する場合に転舵操作反力を生じさせるためである。このため、右側転舵量を減少するジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1の右方への操作力を弱める場合)には、転舵操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標転舵操作反力設定部36がジョイスティック1の戻りをアシストするように目標転舵操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0069】
また、目標転舵操作反力設定部36は、「左側転舵状態」かつ偏差信号が「マイナスの値」である場合には偏差信号に応じた目標転舵操作反力信号を設定し、「左側転舵状態」かつ偏差信号が「ゼロおよびプラスの値」である場合には目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。このように目標転舵操作反力信号を設定するのは、左側転舵量を増加する場合に転舵操作反力を生じさせるためである。このため、左側転舵量を減少するジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1の左方への操作力を弱める場合)には、転舵操作反力は生じない。なお、右側転舵状態と同様にして、ジョイスティック1の戻りをアシストするように目標転舵操作反力を設定するようにしてもよい。
【0070】
転舵操作反力モータ制御信号出力部37は、目標転舵操作反力設定部36からの目標転舵操作反力信号が入力され、転舵操作反力制御信号を転舵操作反力モータ駆動回路38に出力する。転舵操作反力モータ制御信号出力部37は、PWM信号発生部を備える。転舵操作反力モータ制御信号出力部37は、目標転舵操作反力信号に基づいて、転舵操作反力モータ8に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、転舵操作反力制御信号とする。
【0071】
転舵操作反力モータ駆動回路38は、転舵操作反力モータ制御信号出力部37からの転舵操作反力制御信号が入力され、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に出力する。転舵操作反力モータ駆動回路38は、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に印加し、転舵操作反力モータ8を駆動する。そのために、転舵操作反力モータ駆動回路38は、4つのFETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。転舵操作反力モータ駆動回路38は、4つのFETの各ゲートに転舵操作反力制御信号が入力されると、転舵操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、転舵操作反力モータ8に転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを印加する。すると、転舵操作反力モータ8には電流が流れて転舵操作反力モータ8が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1の転舵操作反力が制御される。
【0072】
したがって、運転者がジョイスティック1により右側転舵量および左側転舵量を増加する操作を行う際には、ジョイスティック1に対して転舵操作反力が与えられる。この転舵操作反力の大きさは、右側転舵状態の場合は、ジョイスティック1に左右方向の操作力が加わっていない時を基準にして、ジョイスティック1への右方の操作力が大きくかつ素早く操作をすればするほど、ジョイスティック1には大きな転舵操作反力が生じるようになる。一方、左側転舵状態の場合は、ジョイスティック1に左右方向の操作力が加わっていない時を基準にして、ジョイスティック1への左方の操作力が大きくかつ素早く操作をすればするほど、ジョイスティック1には大きな転舵操作反力が生じるようになる。
【0073】
図6を参照して、レンジ切換制御部14Gについて説明する。
レンジ切換制御部14Gは、運転者によるジョイスティック1の変速操作のレンジ切換操作力に基づいてレンジを切り換えるか否かを判断し、レンジ切換信号DRNをAT制御装置ACUに送信する。そのために、レンジ切換制御部14Gは、回転検出部39、レンジ切換判断部40およびレンジ切換信号出力部41を備える。なお、レンジ切換制御部14Gは、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0074】
回転検出部39は、レンジ切換操作力センサ4からのレンジ切換操作力信号SRNが入力され、回転検出信号をレンジ切換信号出力部41に出力する。回転検出部39は、1速レンジ側操作力およびPレンジ側操作力に応じたレンジ切換操作力信号SRNに基づいてレンジ切換マップを検索し、回転検出信号を設定する(図10参照)。この回転検出信号の情報は、1速レンジ側にレンジの切り換えを要求する情報、Pレンジ側にレンジの切り換えを要求する情報あるいはレンジの切り換えを要求しない情報である。なお、レンジ切換マップは、1速レンジ側操作力が1速レンジ側切換しきい値以上の場合に1速レンジ側にレンジが切り換わるように設定されるとともに、Pレンジ側操作力がPレンジ側切換しきい値以上の場合にPレンジ側にレンジが切り換わるように設定されている(図10参照)。ただし、レンジ切換操作力信号SRNとPレンジ側操作力との関係は、レンジ切換操作力センサ4の出力が小さいほどPレンジ側操作力が大きくなるというものである(図7の(c)図参照)。したがって、レンジ切換マップは、レンジ切換操作力センサ4の出力がPレンジ側切換しきい値以下の場合にPレンジ側にレンジが切り換わり、レンジ切換操作力センサ4の出力が1速レンジ側切換しきい値以上の場合に1速レンジ側にレンジが切り換わるように設定される(図10参照)。なお、図10は、レンジ切換操作力センサ4の出力とレンジ切換との関係図である。
【0075】
なお、1速レンジ側切換しきい値およびPレンジ側切換しきい値は、プラスの電圧値であり、レンジ切換操作力センサ4の基準値(電圧値)に対して同一の電圧値がプラスマイナスされた値である。このプラスマイナスする同一電圧値は、レンジ切換操作力センサ4の出力特性、ジョイスティック1の支持構造等を考慮し、ジョイスティック1に対して右回転または左回転の操作力が加えられていることを判別できる値に設定される。
【0076】
レンジ切換判断部40は、AT用制御装置ACUからの現在のレンジ、エンジン回転数(エンジン回転速度)、車速等が入力され、レンジ切換判断信号をレンジ切換信号出力部41および目標レンジ切換操作反力設定部42に出力する。レンジ切換判断部40は、現在のレンジから1速レンジ側にレンジを切り換えることが可能か否かおよび現在のレンジからPレンジ側にレンジを切り換えることが可能か否かを判断し、現在のレンジからレンジを1速レンジ側にのみ切り換え可能な情報、Pレンジ側にのみ切り換え可能な情報、1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報をレンジ切換判断信号に設定する。そのために、レンジ切換判断部40は、各レンジ別の切り換え禁止マップ(図示せず)を備え、このマップに基づいて現在のレンジが切り換え可能か否かを判断している。この各レンジ別の切り換え禁止マップは、エンジン回転数(エンジン回転速度)、車速等をパラメータとして1速レンジ側またはPレンジ側に切り換えを禁止する領域を設定している。このようにレンジを切り換え可能か否かを判断するのは、レンジを切り換えることによって、エンジンストール、エンジンのオーバーレブ等の車両の各部に支障をきたすのを防止するためである。
【0077】
例えば、2速レンジや1速レンジにレンジを切り換えることによってエンジン回転数が1万回転以上の高回転になる場合には、2速レンジや1速レンジへの切り換えを不可とする。また、前進方向の車速が所定車速以上の場合には、RレンジやPレンジへの切り換えを不可とする。
【0078】
レンジ切換信号出力部41は、回転検出部39からの回転検出信号およびレンジ切換判断部40からのレンジ切換判断信号が入力され、レンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに出力する。レンジ切換信号出力部41は、回転検出信号が1速レンジ側にレンジの切り換えを要求する情報かつレンジ切換判断信号が現在のレンジからレンジを1速レンジ側にのみ切り換え可能な情報または現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報の場合、1速レンジ側にレンジを切り換える指令をレンジ切換信号DRNに設定する。また、レンジ切換信号出力部41は、回転検出信号がPレンジ側にレンジの切り換えを要求する情報かつレンジ切換判断信号が現在のレンジからレンジをPレンジ側にのみ切り換え可能な情報または現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報の場合、Pレンジ側にレンジを切り換える指令をレンジ切換信号DRNに設定する。さらに、レンジ切換信号出力部41は、回転検出信号の情報とレンジ切換判断信号の情報が前記した情報以外の組み合わせの場合、レンジを切り換えない指令をレンジ切換信号DRNに設定する。
【0079】
図6を参照して、レンジ切換操作反力制御部14Hについて説明する。
レンジ切換操作反力制御部14Hは、現在のレンジから1速レンジ側またはPレンジ側への切り換えが不可と判断されている場合にジョイスティック1の右回転または左回転を不可とするために、レンジ切換操作反力モータ10を駆動して能動的にレンジ切換操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、レンジ切換操作反力制御部14Hは、目標レンジ切換操作反力設定部42、レンジ切換操作反力モータ制御信号出力部43およびレンジ切換操作反力モータ駆動回路44を備える。なお、レンジ切換操作反力制御部14Hのうち、レンジ切換操作反力モータ駆動回路44を除いた部分は、制御装置14を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0080】
目標レンジ切換操作反力設定部42は、レンジ切換判断部40からのレンジ切換判断信号が入力され、目標レンジ切換操作反力信号をレンジ切換操作反力モータ制御信号出力部43に出力する。目標レンジ切換操作反力設定部42は、レンジ切換判断信号が現在のレンジからレンジを1速レンジ側にのみ切り換え可能な情報の場合、ジョイスティック1の左回転(すなわち、Pレンジ側へのレンジ切換)を不可とするレンジ切換操作反力(運転者の手動操作力以上の反力)を発生させるための目標レンジ切換操作反力信号を設定する。また、目標レンジ切換操作反力設定部42は、レンジ切換判断信号が現在のレンジからレンジをPレンジ側にのみ切り換え可能な情報の場合、ジョイスティック1の右回転(すなわち、1速レンジ側へのレンジ切換)を不可とするレンジ切換操作反力を発生させるための目標レンジ切換操作反力信号を設定する。また、目標レンジ切換操作反力設定部42は、レンジ切換判断信号が現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報の場合、レンジ切換操作反力を発生させないための目標レンジ切換操作反力信号を設定する。
【0081】
レンジ切換操作反力モータ制御信号出力部43は、目標レンジ切換操作反力設定部42からの目標レンジ切換操作反力信号およびレンジ切換操作力センサ4からのレンジ切換操作力信号SRNが入力され、レンジ切換操作反力制御信号をレンジ切換操作反力モータ駆動回路44に出力する。レンジ切換操作反力モータ制御信号出力部43は、PWM信号発生部を備える。レンジ切換操作反力モータ制御信号出力部43は、目標レンジ切換操作反力信号とレンジ切換操作力信号SRNに基づいて、レンジ切換操作力信号SRNがレンジ切換判断部40で禁止された方向に作用している場合に、それに抗するようにレンジ切換操作反力モータ10に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、レンジ切換操作反力制御信号とする。
【0082】
レンジ切換操作反力モータ駆動回路44は、レンジ切換操作反力モータ制御信号出力部43からのレンジ切換操作反力制御信号が入力され、レンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNをレンジ切換操作反力モータ10に出力する。レンジ切換操作反力モータ駆動回路44は、レンジ切換操作反力制御信号に基づいてレンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNをレンジ切換操作反力モータ10に印加し、レンジ切換操作反力モータ10を駆動する。そのために、レンジ切換操作反力モータ駆動回路44は、4つのFETのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源電圧(12v)で構成される(図示せず)。レンジ切換操作反力モータ駆動回路44は、4つのFETの各ゲートにレンジ切換操作反力制御信号が入力されると、レンジ切換操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、レンジ切換操作反力モータ10にレンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNを印加する。すると、レンジ切換操作反力モータ10には電流が流れてレンジ切換操作反力モータ10が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1のレンジ切換操作反力が制御される。なお、レンジ切換操作反力は、ジョイスティック1に全く作用しないか、ジョイスティック1の左回転または右回転を不可とする反力である。
【0083】
したがって、現在のレンジから1速レンジ側への切り換えが不可と判断されている場合には、ジョイスティック1には右回転方向への回転が不可となるレンジ切換操作反力が与えられる。このとき、運転者は、ジョイスティック1からの反力によって1速レンジ側への切り換えができないことを認識する。一方、現在のレンジからPレンジ側への切り換えが不可と判断されている場合には、ジョイスティック1には左回転方向への回転が不可となるレンジ切換操作反力が与えられる。このとき、運転者は、ジョイスティック1からの反力によってPレンジ側への切り換えができないことを認識する。また、現在のレンジからPレンジ側および1速レンジ側への切り換えが可能と判断されている場合には、ジョイスティック1にはレンジ切換操作反力が与えられない。
【0084】
それでは、図1乃至図10を参照して、運転操作装置Aの動作について説明する。ここでは、車両の発進前、車両の発進時、車両の転舵開始時、車両の転舵終了時、車両がワインディングロードの下り坂を走行時、車両の減速時および車両の駐車時について説明する。
【0085】
車両の発進前には、運転者が、ブレーキ力を発生させるために、ジョイスティック1に後方への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、加減速操作力センサ3がジョイスティック1でのブレーキ操作力に対応する加減速操作力信号STBを制御装置14に送信する。
【0086】
制御装置14では、ブレーキ制御部14Aが加減速操作力信号STBに基づいて目標ブレーキ液圧信号を設定し、さらにこの目標ブレーキ液圧信号とブレーキ液圧信号SBとに基づいてブレーキ制御信号を設定する。続いて、制御装置14では、ブレーキ制御部14Aがブレーキ制御信号に基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAを発生させ、このブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加する。すると、ホイールシリンダには目標ブレーキ液圧信号に相当するブレーキ液圧が発生し、ジョイスティック1でのブレーキ操作力に応じたブレーキ力が発生する。
【0087】
また、制御装置14では、ブレーキ操作反力制御部14Bが目標ブレーキ液圧信号とブレーキ液圧信号SBとの偏差信号(プラス値)に基づいて目標ブレーキ操作反力信号を設定し、さらに目標ブレーキ操作反力信号に基づいてブレーキ操作反力制御信号を設定する。そして、制御装置14では、ブレーキ操作反力制御部14Bがブレーキ操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させ、この加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加する。すると、加減速操作反力モータ9が駆動され、ジョイスティック1にブレーキ操作反力が与えられる。
【0088】
次に、車両の発進時には、運転者が、PレンジからRレンジに切り換えるために、ジョイスティック1に右回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、レンジ切換操作力センサ4がジョイスティック1での1速レンジ側操作力に対応するレンジ切換操作力信号SRNを制御装置14に送信する。
【0089】
制御装置14では、レンジ切換制御部14Gがレンジ切換操作力信号SRNに基づいて1速レンジ側にレンジの切り換えを要求する情報を回転検出信号に設定するとともに、現在のレンジや車速等に基づいて、現在のレンジからレンジを1速レンジ側にのみ切り換え可能な情報をレンジ切換判断信号に設定する。続いて、制御装置14では、レンジ切換制御部14Gが回転検出信号とレンジ切換判断信号に基づいて1速レンジ側にレンジを切り換える指令をレンジ切換信号DRNに設定し、このレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがPレンジからRレンジに切り換わる。
【0090】
続いて、運転者が、RレンジからNレンジに切り換えるために、ジョイスティック1に右回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、制御装置14が前記した制御と同様に、1速レンジ側にレンジを切り換える指令を設定したレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがRレンジからNレンジに切り換わる。さらに、運転者が、NレンジからD4レンジに切り換えるために、ジョイスティック1に右回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、制御装置14が前記した制御と同様に、1速レンジ側にレンジを切り換える指令を設定したレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがNレンジからD4レンジに切り換わる。なお、このRレンジからNレンジおよびNレンジからD4レンジの切り換えでは、レンジ切換判断信号には、現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報が設定される。
【0091】
このPレンジからD4レンジに切り換わる際、制御装置14では、レンジ切換判断信号に、現在のレンジからレンジを1速レンジ側にのみ切り換え可能な情報または現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報を設定している。そこで、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、ジョイスティック1の左回転(すなわち、Pレンジ側へのレンジ切換)を不可とするかまたはレンジ切換操作反力を発生させないための目標レンジ切換操作反力信号を設定する。そして、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、目標レンジ切換操作反力信号に応じたレンジ切換操作反力制御信号に基づいてレンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNを発生させ、このレンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNをレンジ切換操作反力モータ10に印加する。すると、レンジ切換操作反力モータ10が駆動されるかまたは全く駆動されず、ジョイスティック1には左回転を不可とするレンジ切換操作反力が与えられるか、ジョイスティック1には全くレンジ切換操作反力が与えられない。したがって、運転者は、少なくともジョイスティック1に対して右回転方向の操作力を加えることができる。
【0092】
4レンジに切り換わると、運転者が、ブレーキ力を無くして加速するために、ジョイスティック1に後方から前方への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、加減速操作力センサ3がジョイスティック1でのブレーキ操作力またはスロットル操作力に対応する加減速操作力信号STBを制御装置14に送信する。
【0093】
まず、ジョイスティック1に後方への操作力が弱まる過程(ブレーキ操作力が低減する過程)では、前記した制御と同様に、制御装置14では、ブレーキ制御部14Aが加減速操作力信号STBとブレーキ液圧信号SBとに基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAを発生させ、このブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加する。なお、ブレーキ操作力の低減に従ってブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAが低減する。すると、ホイールシリンダではブレーキ液圧が低減し、ジョイスティック1での低減するブレーキ操作力に応じてブレーキ力が低減していく。
【0094】
また、制御装置14では、目標ブレーキ液圧信号とブレーキ液圧信号SBとの偏差信号がマイナス値となるので、ブレーキ操作反力制御部14Bが目標ブレーキ操作反力信号をゼロに設定する。そのため、制御装置14では、ブレーキ操作反力制御部14Bが加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させない。したがって、加減速操作反力モータ9は駆動されず、ジョイスティック1にブレーキ操作反力が与えられない。
【0095】
続いて、ジョイスティック1に前方への操作力が強まる過程(スロットル操作力が増加する過程)では、制御装置14では、スロットル制御部14Cが加減速操作力信号STBに基づいて目標スロットル開度信号を設定し、さらにこの目標スロットル開度信号とスロットル開度信号STとに基づいてスロットル制御信号を設定する。続いて、制御装置14では、スロットル制御部14Cがスロットル制御信号に基づいてスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAを発生させ、このスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に印加する。すると、スロットル弁が目標スロットル開度信号に相当する開度となり、ジョイスティック1でのスロットル操作力に応じてエンジンの駆動力が増加する。
【0096】
また、制御装置14では、スロットル操作反力制御部14Dが目標スロットル開度信号とスロットル開度信号STとの偏差信号(プラス値)に基づいて目標スロットル操作反力信号を設定し、さらに目標スロットル操作反力信号に基づいてスロットル操作反力制御信号を設定する。そして、制御装置14では、スロットル操作反力制御部14Dがスロットル操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させ、この加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加する。すると、加減速操作反力モータ9が駆動され、ジョイスティック1にスロットル操作反力が与えられる。
【0097】
次に、車両の転舵開始時(ここでは、右側転舵とする)には、運転者が、転舵輪W,Wを右側に転舵させるために、ジョイスティック1に右方への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、転舵操作力センサ2がジョイスティック1での右側転舵操作力(増加)に対応する転舵操作力信号SSRを制御装置14に送信する。
【0098】
制御装置14では、転舵制御部14Eが転舵操作力信号SSRに基づいて目標ラック位置信号を設定し、さらにこの目標ラック位置信号とラック位置信号SRとに基づいてステアリング制御信号を設定する。続いて、制御装置14では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸18が目標ラック位置信号に相当する左方位置に移動し、ジョイスティック1での右側転舵操作力に応じて転舵輪W,Wが右回転方向に転舵する。
【0099】
また、制御装置14では、転舵操作反力制御部14Fが目標ラック位置信号とラック位置信号SRとの偏差信号(プラス値)に基づいて目標転舵操作反力信号を設定し、さらに目標転舵操作反力信号に基づいて転舵操作反力制御信号を設定する。そして、制御装置14では、転舵操作反力制御部14Fが転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを発生させ、この転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に印加する。すると、転舵操作反力モータ8が駆動され、ジョイスティック1に転舵操作反力が与えられる。
【0100】
次に、車両の転舵終了時(ここでは、右側転舵とする)には、運転者が、転舵輪W,Wを直進に戻すために、ジョイスティック1に右方への操作力を弱め、右方への操作力をなくす。すると、運転操作装置Aでは、転舵操作力センサ2がジョイスティック1での右側転舵操作力(減少)に対応する転舵操作力信号SSRを制御装置14に送信する。
【0101】
前記した制御と同様に、制御装置14では、転舵制御部14Eが転舵操作力信号SSRとラック位置信号SRとに基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。そして、ステアリングモータ5に駆動されてラック軸18が左方から中立位置に移動し、ジョイスティック1での低減する右側転舵操作力に応じて転舵輪W,Wが直進状態に戻る。
【0102】
また、制御装置14では、目標ラック位置信号とラック位置信号SRの偏差信号がマイナス値となるので、転舵操作反力制御部14Fが目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。そのため、制御装置14では、転舵操作反力制御部14Fが転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを発生させない。したがって、転舵操作反力モータ8は駆動されず、ジョイスティック1に転舵操作反力が与えられない。
【0103】
車両がワインディングロードの下り坂を走行時には、運転者が、D4レンジからD3レンジに切り換えることによってエンジンブレーキを効かせるために、ジョイスティック1に右回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、制御装置14が前記した制御と同様に、1速レンジ側にレンジを切り換える指令を設定したレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがD4レンジからD3レンジに切り換わる。さらに、運転者が、D3レンジから2速レンジに切り換えることによってエンジンブレーキを効かせるために、ジョイスティック1に右回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、制御装置14が前記した制御と同様に、1速レンジ側にレンジを切り換える指令を設定したレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがD3レンジから2速レンジに切り換わる。
【0104】
なお、レンジ切換制御部14Gが、現在のレンジやエンジン回転数(エンジン回転速度)等に基づいて、レンジを1速レンジ側に切り換え不可と判断する場合がある。この場合、制御装置14では、レンジ切換制御部14GがPレンジ側にのみ切り換え可能な情報をレンジ切換判断信号に設定する。続いて、制御装置14では、レンジ切換制御部14Gがこのレンジ切換判断信号に基づいてレンジを切り換えない指令をレンジ切換信号DRNに設定し、このレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。したがって、この場合には、レンジがD3レンジや2速レンジに切り換わらない。
【0105】
このD4レンジから2速レンジに切り換わる際、制御装置14では、レンジ切換判断信号には、現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報を設定している。そこで、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、レンジ切換操作反力を発生させないための目標レンジ切換操作反力信号を設定する。そして、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、目標レンジ切換操作反力信号に応じたレンジ切換操作反力制御信号に基づいて、レンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNを発生させない。したがって、レンジ切換操作反力モータ10が全く駆動されず、ジョイスティック1には全くレンジ切換操作反力が与えられない。したがって、運転者は、ジョイスティック1に対して右回転方向の操作力を加えることができる。
【0106】
なお、レンジ切換制御部14Gが、現在のレンジやエンジン回転数(エンジン回転速度)等に基づいて、レンジを1速レンジ側に切り換え不可と判断する場合がある。この場合、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、ジョイスティック1の右回転(すなわち、1速レンジ側へのレンジ切換)を不可とする目標レンジ切換操作反力信号を設定する。そして、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、目標レンジ切換操作反力信号に応じたレンジ切換操作反力制御信号に基づいてレンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNを発生させ、このレンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNをレンジ切換操作反力モータ10に印加する。すると、レンジ切換操作反力モータ10が駆動され、ジョイスティック1に右回転を不可とするレンジ切換操作反力が与えられる。したがって、運転者は、ジョイスティック1に対して右回転方向の操作力を加えることができない。
【0107】
ちなみに、運転者は、ジョイスティック1によって加減速操作および転舵操作を行っている時でも、このジョイスティック1によってレンジ切換操作を行うことができる。したがって、運転者が望むタイミングでレンジの切り換えを行うことができ、効果的にエンジンブレーキを効かせることができる。また、運転者は、ジョイスティック1に右回転方向の操作力を加えることによってレンジを2速レンジに切り換えるのではなく、シーケンシャルモードスイッチ1bを操作することによって3速ギア、2速ギアに切り換えることもできる。
【0108】
車両の減速時には、運転者が、減速するために、ジョイスティック1に前方から後方への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、加減速操作力センサ3がジョイスティック1でのブレーキ操作力またはスロットル操作力に対応する加減速操作力信号STBを制御装置14に送信する。
【0109】
ジョイスティック1に前方への操作力が弱まる過程(スロットル操作力が低減する過程)では、前記した制御と同様に、制御装置14では、スロットル制御部14Cが加減速操作力信号STBとスロットル開度信号STとに基づいてスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAを発生させ、このスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に印加する。なお、スロットル操作力の低減に従ってスロットル弁が閉まる方向にスロットルアクチュエータ6が駆動されるので、ジョイスティック1でのスロットル操作力に応じてエンジンの駆動力が低減する。
【0110】
また、制御装置14では、目標スロットル開度信号とスロットル開度信号STとの偏差信号がマイナス値となるので、スロットル操作反力制御部14Dが目標スロットル操作反力信号をゼロに設定する。そのため、制御装置14では、スロットル操作反力制御部14Dが加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させない。したがって、加減速操作反力モータ9は駆動されず、ジョイスティック1にスロットル操作反力が与えられない。
【0111】
続いて、ジョイスティック1に後方への操作力が強まる過程(ブレーキ操作力が増加する過程)では、前記した制御と同様に、制御装置14では、ブレーキ制御部14Aが加減速操作力信号STBとブレーキ液圧信号SBとに基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAを発生させ、このブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加する。なお、ブレーキ操作力の増加に従ってブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAが増加する。すると、ホイールシリンダではブレーキ液圧が増加し、ジョイスティック1での増加するブレーキ操作力に応じてブレーキ力が増加し、やがて車両が停止する。
【0112】
また、前記した制御と同様に、制御装置14では、ブレーキ操作反力制御部14Bが目標ブレーキ液圧信号とブレーキ液圧信号SBとの偏差信号(プラス値)に基づいて目標ブレーキ操作反力信号を設定し、さらに目標ブレーキ操作反力信号に基づいてブレーキ操作反力制御信号を設定する。そして、制御装置14では、ブレーキ操作反力制御部14Bがブレーキ操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを発生させ、この加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加する。すると、加減速操作反力モータ9が駆動され、ジョイスティック1にブレーキ操作反力が与えられる。
【0113】
停止後に車両を駐車させる時には、運転者は、D4レンジからNレンジに切り換えるために、ジョイスティック1に左回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、レンジ切換操作力センサ4がジョイスティック1でのPレンジ側操作力に対応するレンジ切換操作力信号SRNを制御装置14に送信する。
【0114】
制御装置14では、レンジ切換制御部14Gがレンジ切換操作力信号SRNに基づいてPレンジ側にレンジの切り換えを要求する情報を回転検出信号に設定するとともに、現在のレンジや車速等に基づいて現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報をレンジ切換判断信号に設定する。続いて、制御装置14では、レンジ切換制御部14Gが回転検出信号とレンジ切換判断信号に基づいてPレンジ側にレンジを切り換える指令をレンジ切換信号DRNに設定し、このレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがD4レンジからNレンジに切り換わる。
【0115】
続いて、運転者が、NレンジからRレンジに切り換えるために、ジョイスティック1に左回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、前記した制御と同様に、Pレンジ側にレンジを切り換える指令を設定したレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがNレンジからRレンジに切り換わる。さらに、運転者が、RレンジからPレンジに切り換えるために、ジョイスティック1に左回転方向への操作力を加える。すると、運転操作装置Aでは、前記した制御と同様に、Pレンジ側にレンジを切り換える指令を設定したレンジ切換信号DRNをAT用制御装置ACUに送信する。すると、AT用制御装置ACUの制御により、レンジがRレンジからPレンジに切り換わる。そして、運転者は、サイドブレーキを引き、駐車を完了させる。
【0116】
このD4レンジからPレンジに切り換わる際、制御装置14では、レンジ切換判断信号には、現在のレンジからレンジを1速レンジ側およびPレンジ側に切り換え可能な情報を設定している。そこで、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、レンジ切換操作反力を発生させないための目標レンジ切換操作反力信号を設定する。そして、制御装置14では、レンジ切換操作反力制御部14Hが、目標レンジ切換操作反力信号に応じたレンジ切換操作反力制御信号に基づいて、レンジ切換操作反力モータ駆動電圧RRNを発生させない。したがって、レンジ切換操作反力モータ10が全く駆動されず、ジョイスティック1には全くレンジ切換操作反力が与えられない。したがって、運転者は、ジョイスティック1に対して左回転方向の操作力を加えることができる。
【0117】
この運転操作装置Aによれば、ジョイスティック1によって加減速操作および転舵操作を行うことができるとともに、このジョイスティック1によってレンジ切換操作を行うことができる。そのため、運転者は、加減速操作や転舵操作中でもジョイスティック1から手を離すことなく、レンジをD4レンジ、D3レンジ,2速レンジ、1速レンジの前進方向のレンジ間で切り換えたり、レンジを前進方向のレンジとリバースレンジ間で切り換えることができる。また、この運転操作装置Aでは、ジョイスティック1のシーケンシャルモードスイッチ1a,1bによって、マニュアルで変速ギアを切り換えることができる。
【0118】
次に、第2の実施の形態に係る運転操作装置Bについて説明する。
運転操作装置Bが搭載される車両では、運転操作装置Aに備えられるジョイスティック1と同様の構成を有するジョイスティック51を用いて、運転操作装置Aと同様のCBW制御によって加減速操作、転舵操作および変速のためのレンジ切換操作が可能であるとともに、ATのセレクタレバーの代わりにレンジポジションの切換操作が可能である。
【0119】
ここで、図11を参照して、運転操作装置Bが搭載される車両について説明しておく。図11は運転操作装置Bが搭載される車両の運転席周辺の斜視図である。
【0120】
この車両のブレーキ系は、通常の車両と同様にブレーキペダルBPを有し、このブレーキペダルBPによってブレーキ操作が可能であるとともに、ジョイスティック51によってブレーキ操作が可能である。したがって、この車両のブレーキ系は、エンジンの負圧等を利用するブレーキ倍力装置やマスタシリンダ等を有するとともに、ブレーキ液圧発生用のポンプおよびブレーキ液圧制御用の比例電磁弁(ブレーキアクチュエータ)を有する。
【0121】
この車両のスロットル系は、通常の車両と同様にスロットルペダルSPを有し、このスロットルペダルSPによってスロットル操作が可能であるとともに、ジョイスティック51によってスロットル操作が可能である。したがって、この車両のスロットル弁は、スロットルペダルの踏み込みに応じて駆動されるとともに、弁駆動モータ(スロットルアクチュエータ)によって駆動される。
【0122】
この車両の転舵系は、通常の車両と同様にステアリングホイールSWを有し、このステアリングホイールSWによって転舵操作が可能であるとともに、ジョイスティック51によって転舵操作が可能である。したがって、この車両の転舵系は、運転者の操舵力をラック軸に伝達するステアリング軸やラックアンドピニオン機構等を有するとともに、ラック軸を軸方向に動かすステアリングモータ(ステアリングアクチュエータ)およびボールねじ機構を有する。
【0123】
この車両の変速系は、通常の車両と同様にセレクタレバー(ジョイスティック51)によるレンジポジションの切換機構部RPを有し、このジョイスティック51によってレンジポジションを切り換える操作が可能であるとともに、ジョイスティック51によってレンジ切換操作が可能である。したがって、この車両のAT用制御装置は、切換機構部RPからのレンジポジション情報の信号または運転操作装置Bの制御装置からのレンジ切換の指令信号が入力され、この信号に従ってレンジを切り換える。
【0124】
この切換機構部RPは、ゲート式でレンジポジションを切り換える機構を有し、運転席の左側のセンタコンソールに配設される。図12に示すように、切換機構部RPには、コンソールアッパパネルRPaに形成されたゲートに応じてPレンジポジションPP、RレンジポジションPR、NレンジポジションPN、D4レンジポジションPD4、D3レンジポジションPD3、2速レンジポジションP2、1速レンジポジションP1およびCBWポジションPCBWがある。そして、切換機構部RPでは、ジョイスティック51がセレクタレバーとして用いられる場合にはジョイスティック51をPレンジポジションPP⇔RレンジポジションPR⇔NレンジポジションPN⇔D4レンジポジションPD4⇔D3レンジポジションPD3⇔2速レンジポジションP2⇔1速レンジポジションP1間で移動可能とし、ジョイスティック51がCBW制御の運転操作子として用いられる場合にはジョイスティック51をCBWポジションPCBWに固定する。なお、図12は、ジョイスティック51のポジションを切り換えるためのコンソールアッパパネルRPaの平面図である。
【0125】
それでは、図11を参照して、運転操作装置Bの構成について説明する。運転操作装置Bは、ATのセレクタレバーとしても用いられるジョイスティック51を備え、このジョイスティック51以外には運転操作装置Aと同様の構成要素を有する。そして、これらの各構成要素は、運転操作装置Aの各構成要素と同様の作用を有する。また、ジョイスティック51は、CBW切換スイッチ51aを備え、このCBW切換スイッチ51a以外にはジョイスティック1と同様の構成要素を有する。そして、これらの各構成要素は、ジョイスティック1の各構成要素と同様の作用を有する。そこで、第2の実施の形態では、ジョイスティック51において、ジョイスティック1と構成および作用において異なる点のみ説明する。
なお、第2の実施の形態では、運転操作装置Bが車両の運転操作装置に相当する。
【0126】
ジョイスティック51について説明する。
ジョイスティック51は、ジョイスティック1の構成および作用に加えて、レンジポジションを切り換えるためのセレクタレバーとして作用する。そのために、ジョイスティック51は、セレクタレバーまたはCBW制御の運転操作子として作用するかを運転者が選択するために、CBW切換スイッチ51aを備える。
【0127】
CBW切換スイッチ51aは、ジョイスティック51の後方側の面には設けられ、ノーマルモードとCBWモードを切り換えることができる。CBW切換スイッチ51aでノーマルモードに切り換えられている場合、ジョイスティック51はセレクタレバーとして作用し、PレンジポジションPP⇔RレンジポジションPR⇔NレンジポジションPN⇔D4レンジポジションPD4⇔D3レンジポジションPD3⇔2速レンジポジションP2⇔1速レンジポジションP1間を移動可能である。CBW切換スイッチ51aでCBWモードに切り換えられている場合、ジョイスティック51はCBW制御の運転操作子として作用し、CBWポジションPCBWに固定される。なお、CBW切換スイッチ51aでCBWモードに切り換えられるためには、ジョイスティック51がCBWポジションPCBWに位置していることが条件となる。
【0128】
したがって、運転操作装置Bは、CBW切換スイッチ51aでCBWモードに切り換えらている場合、運転操作装置Aと同様に動作し、ジョイスティック51によって加減速操作、転舵操作およびレンジ切換操作が可能となる。そして、運転操作装置Bの制御装置(図示せず)は、運転操作装置Aの制御装置14と同様の制御により、ジョイスティック51に加えられた各操作力に応じて、車両の加減速、転舵およびレンジ切換を制御する。
【0129】
また、運転操作装置Bが搭載される車両は、CBW切換スイッチ51aでノーマルモードに切り換えらている場合、ブレーキペダルBPによるブレーキ操作、スロットルペダルSPによるスロットル操作、ステアリングホイールSWによる転舵操作およびジョイスティック51によるレンジポジションの切換操作が可能となる。そして、この車両では、ブレーキペダルBP、スロットルペダルSP、ステアリングホイールSWおよびジョイスティック51への各操作に応じて、加減速し、転舵し、レンジポジションを切り換える。
【0130】
この運転操作装置Bによれば、通常の車両の運転操作に加えて、CBW制御によるジョイスティック51での運転操作が可能である。したがって、この運転操作装置Bが搭載される車両では、故障等によって運転操作装置Bのジョイスティック51によるCBW制御によって運転操作ができない場合でも、ステアリングホイールSW等によって車両の運転操作が可能である。また、この運転操作装置Bが搭載される車両では、故障等によって通常の車両の運転操作ができない場合でも、運転操作装置Bのジョイスティック51によるCBW制御によって車両の運転操作が可能である。
【0131】
以上、本発明は、前記の実施の形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態ではAT車に本発明に係る運転操作装置を適用したが、MT車やセミAT車にも適用可能である。例えば、MT車の場合、第2の実施の形態のようにジョイスティックを変速ギアを切り換えるためのシフトレバーとCBW制御のための運転操作子として兼用し、シフトパターンにCBWポジションを設定するように構成する。
また、本実施の形態ではジョイスティックに加えられる操作力によって運転操作を検出するように構成したが、ジョイスティックの移動量や傾動量によって運転操作を検出するように構成してもよい。
また、本実施の形態ではジョイスティックへの回転方向の操作力によってレンジ切換操作を検出するように構成したが、ジョイスティックへの上下方向の操作力によってレンジ切換操作を検出する構成やジョイスティックに切換スイッチを設けてレンジを切り換える構成等にしてもよい。
また、本実施の形態ではジョイスティックによって加減速操作も行う構成としたが、ジョイスティックで加減速操作を行わないで、スロットル操作をスロットルペダルで行い、ブレーキ操作をブレーキペダルで行うように構成してもよい。
また、ジョイスティックにオートクルーズのためのスイッチ類(SETスイッチ、RESUMEスイッチ、CANCELスイッチ等)を設けるようにしてもよい。この場合には、ジョイスティックによる加減速操作とオートクルーズによる加減速操作を切り換えるスイッチを別途設ける。
【0132】
【発明の効果】
本発明に係る車両の運転操作装置は、ジョイスティックによって少なくとも転舵操作を行いながら、このジョイスティックによって前進方向の変速操作を行うことができる。そのため、運転者は素早い変速操作が可能となり、運転者の望むタイミングで変速を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る運転操作装置の全体構成図である。
【図2】本実施の形態に係るジョイスティックによるレンジ切換操作によって切り換わるレンジの説明図である。
【図3】図1の運転操作装置が搭載される車両の運転席周辺の斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る運転操作装置の制御装置のブレーキ制御部、ブレーキ操作反力制御部、スロットル制御部およびスロットル操作反力制御部の構成図である。
【図5】本実施の形態に係る運転操作装置の制御装置の転舵制御部および転舵操作反力制御部の構成図である。
【図6】本実施の形態に係る運転操作装置の制御装置のレンジ切換制御部およびレンジ切換操作反力制御部の構成図である。
【図7】本実施の形態に係るジョイスティックへの操作力と各操作力センサの出力との関係図であり、(a)はジョイスティックへの前後方向の操作力と加減速操作力センサの出力との関係図であり、(b)はジョイスティックへの左右方向の操作力と転舵操作力センサの出力との関係図である。(c)ジョイスティックへの回転方向の操作力とレンジ切換操作力センサの出力との関係図であり、
【図8】本実施の形態に係る加減速操作力センサの出力と目標制御量との関係図であり、(a)は加減速操作力センサの出力と目標ブレーキ液圧との関係図であり、(b)は加減速操作力センサの出力と目標スロットル開度との関係図である。
【図9】本実施の形態に係る転舵操作力センサの出力と目標ラック位置との関係図である。
【図10】本実施の形態に係るレンジ切換操作力センサの出力とレンジ切換との関係図である。
【図11】第2の実施の形態に係る運転操作装置が搭載される車両の運転席周辺の斜視図である。
【図12】図11のジョイスティックのポジションを切り換えるためのコンソールアッパパネルの平面図である。
【符号の説明】
1,51・・・ジョイスティック
A,B・・・運転操作装置(車両の運転操作装置)

Claims (1)

  1. 運転席近傍に設けられ、少なくとも車両の転舵を行うための転舵操作要素を有するジョイスティックを備え、当該ジョイスティックへの、車両に対する左右方向の操作力によって車両を転舵させる車両の運転操作装置であって、
    前記ジョイスティックは、車両の前進方向の変速を行うための変速操作要素と駆動操作要素と制動操作要素も有し、前記ジョイスティックへの、車両に対する前方への操作力によって駆動力を発生し、前記ジョイスティックへの、車両に対する後方への操作力によって制動力を発生し、さらに、前記ジョイスティックに加えられる、当該ジョイスティックの上下方向の軸に対しての左右回転方向の操作力によって変速を行うことを特徴とする車両の運転操作装置。
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