はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が配列された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置131の回転開始処理機能S901)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記役の抽選結果及び前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間(190msec)に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置131の停止制御処理機能S902〜S909)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応付けられた当選絵柄が前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止した場合、入賞成立として特典を付与する特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理、メダル払出処理、ボーナスゲーム処理)と
を備えた遊技機において、
前記特典付与手段は、
前記役の抽選結果が第1所定役(特殊役1)当選であって、該第1所定役と対応付けられた各周回体の第1所定絵柄(特殊役1図柄)が前記有効位置に停止した場合、第1所定入賞(特殊役1入賞)成立として第1所定特典(15枚のメダル払出)を付与する第1所定特典付与手段(主制御装置131の払出予定数セット処理機能S1408及び払出処理機能S1501〜S1506)と、
前記役の抽選結果が前記第1所定役当選であって、該第1所定役と対応付けられた各周回体の第1特定絵柄(RT1図柄)が前記有効位置に停止した場合、第1特定入賞(RT1入賞)成立として前記第1所定特典より有利度合いの大きな第1特定特典(RTゲーム)を付与する第1特定特典付与手段(主制御装置131のRT開始処理機能S1413及びRTゲーム処理機能S1510〜S1514)と、
前記役の抽選結果が第2所定役(特殊役2)当選であって、該第2所定役と対応付けられた各周回体の第2所定絵柄(特殊役2図柄)が前記有効位置に停止した場合、第2所定入賞(特殊役2入賞)成立として第2所定特典(15枚のメダル払出)を付与する第2所定特典付与手段(主制御装置131の払出予定数セット処理機能S1408及び払出処理機能S1501〜S1506)と、
前記役の抽選結果が前記第2所定役当選であって、該第2所定役と対応付けられた各周回体の第2特定絵柄(RT2図柄)が前記有効位置に停止した場合、第2特定入賞(RT2入賞)成立として前記第2所定特典より有利度合いの大きな第2特定特典(RTゲーム)を付与する第2特定特典付与手段(主制御装置131のRT開始処理機能S1413及びRTゲーム処理機能S1510〜S1514)と
を備え、
前記停止駆動制御手段は、
前記各所定役のいずれかに当選し、当選した所定役と対応する所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能な場合、当該所定絵柄を前記有効位置に停止させる所定絵柄停止手段(主制御装置131の特殊役入賞用スベリテーブル設定処理機能S1203,S1208及びリール停止処理機能S909等)と、
前記各所定役のいずれかに当選し、当選した所定役と対応する所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に停止させることが不可能な場合、当選した所定役と対応する特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能であれば当該特定絵柄を前記有効位置に停止させる特定絵柄停止手段(主制御装置131のRT入賞用スベリテーブル設定処理機能S1205,S1210及びリール停止処理機能S909等)と
を備え、
前記各周回体には、所定タイミングで停止操作手段が操作された場合に限り前記各所定絵柄を前記規定期間に共に前記有効位置に到達させることが可能となるように、前記各所定絵柄を配置し、
前記各周回体のうち規定周回体(中リール42M)には、前記第1特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第2特定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第2特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第1特定絵柄が前記有効位置に到達しないよう、前記各特定絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、第1所定役に当選した場合、各周回体の第1所定絵柄が有効位置に停止すれば第1所定入賞成立として第1所定特典が付与され、各周回体の第1特定絵柄が有効位置に停止すれば第1特定入賞成立として第1所定特典より有利度合いの大きな第1特定特典が付与される。また、第2所定役に当選した場合、各周回体の第2所定絵柄が有効位置に停止すれば第2所定入賞成立として第2所定特典が付与され、各周回体の第2特定絵柄が有効位置に停止すれば第2特定入賞成立として第2所定特典より有利度合いの大きな第2特定特典が付与される。このように、所定役という1つの役に当選した場合であっても各周回体の停止結果によって付与される特典が変化する構成とすることにより、役の抽選結果に基づいて周回体の停止駆動制御を行う遊技機において、各周回体の停止結果を多様化させることが可能となる。故に、繰り返し行われる遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、所定役のいずれかに当選した場合には、当選した所定役と対応する所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段が操作されるとこの所定絵柄が有効位置に停止し、前記所定絵柄ではなく当選した所定役と対応する特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段が操作されるとこの特定絵柄が有効位置に停止する。つまり、各所定入賞を成立させるためには、対応する所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段を操作する必要があり、各特定入賞を成立させるためには、所定絵柄ではなく特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段を操作する必要がある。かかる構成とすることにより、有利度合いの大きな特定特典が付与されることを期待しつつ特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段を操作するか、有利度合いの小さな所定特典の付与を受けるべく所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段を操作するかを遊技者に選択させることが可能となる。故に、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
各周回体には、所定タイミングで停止操作手段が操作された場合に限り各所定絵柄を規定期間に共に有効位置に到達させることが可能となるように各所定絵柄が配置されている。したがって、各停止操作手段を所定タイミングで操作すれば、所定役のいずれかに当選した場合に対応する所定絵柄を有効位置に停止させることができ、対応する所定特典の付与を受けることができる。つまり、各停止操作手段を所定タイミングで操作すれば、所定役に当選した場合に取りこぼすことなく特典の付与を受けることができる。一方、各周回体のうち規定周回体には、第1特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段が操作された場合には第2特定絵柄が有効位置に到達せず、第2特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段が操作された場合には第1特定絵柄が有効位置に到達しないように、各特定絵柄が配置されている。したがって、特定入賞を成立させる場合には、第1所定役と第2所定役のいずれに当選しているのかを推測し、推測した所定役と対応する特定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで規定周回体と対応する停止操作手段を操作する必要がある。ところが、遊技者の推測した所定役が実際に当選した所定役と一致していなかった場合には、特定入賞が成立せずに特定特典が付与されないこととなる。つまり、所定特典より有利度合いの大きな特定特典の付与を受けるためには、いずれの所定役に当選しているのかを当てる運が必要となる。故に、自己の技量に基づいて有利度合いの小さな所定特典の付与を受けるべく停止操作手段を操作するか、自己の運を信じて有利度合いの大きな特定特典の付与を受けるべく停止操作手段を操作するかを状況に応じて遊技者に選択させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。さらにいうと、上述した絵柄配列とすることにより、遊技者を遊技に積極参加させつつ、各周回体の停止駆動制御を比較的簡単なものとすることが可能となる。
手段2.上記手段1において、前記各周回体には、前記第1所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第2特定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第2特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第1所定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第2所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第1特定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第2特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第1所定絵柄が前記有効位置に到達しないように、前記各特定絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、各周回体には、第1所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第2特定絵柄が有効位置に到達せず、第2特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第1所定絵柄が有効位置に到達せず、第2所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第1特定絵柄が有効位置に到達せず、第2特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第1所定絵柄が有効位置に到達しないように、各特定絵柄が配置されている。したがって、所定役のいずれかに当選した状況下において、第1所定入賞と第2所定入賞のいずれかが成立するように各停止操作手段を操作することはできる一方、第1所定入賞と第2特定入賞のいずれかが成立するように、或いは第2所定入賞と第1特定入賞のいずれかが成立するように各停止操作手段を操作することはできない。つまり、特定入賞を成立させるべく各停止操作手段を操作した場合、仮に遊技者の推測した所定役と異なる所定役に当選していたとしても対応する所定入賞が成立することはなく、取りこぼしが発生することとなる。故に、所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるべく各停止操作手段を操作するかを遊技者に明確に選択させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
手段3.上記手段1又は手段2において、前記規定周回体以外の周回体では、前記第1特定絵柄と同一の絵柄(「白ナス」図柄)を前記第2特定絵柄として対応付けたことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、規定周回体以外の周回体では、第1特定絵柄と同一の絵柄が第2特定絵柄として対応付けられている。かかる構成とすることにより、特定入賞を成立させるべく停止操作手段が操作された場合に、少なくとも規定周回体を停止させるまでは特定入賞が成立することに対する期待感を持続させることが可能となる。故に、遊技の単調化を好適に抑制することができる。また、各所定絵柄と各特定絵柄をそれぞれ異なる絵柄と対応付けた構成と比して、規定周回体以外の周回体に関する絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記各周回体のうち少なくとも1つの周回体では、前記第1所定絵柄と同一の絵柄を前記第2所定絵柄として対応付けたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、各周回体のうち少なくとも1つの周回体では、第1所定絵柄と同一の絵柄が第2所定絵柄として対応付けられている。各停止操作手段を所定タイミングで操作すれば所定役のいずれに当選した場合であっても対応する所定入賞を成立させることができる構成にかかる構成を適用することにより、有利度合いの小さな所定特典の付与を受けることを選択したにも関わらず取りこぼしが発生する機会を低減させることが可能となる。また、各所定絵柄と各特定絵柄をそれぞれ異なる絵柄と対応付けた構成と比して、前記少なくとも1つの周回体に関する絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。
手段5.上記手段4において、前記規定周回体では前記第1所定絵柄と同一の絵柄を前記第2所定絵柄として対応付けたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、規定周回体では第1所定絵柄と同一の絵柄が第2所定絵柄として対応付けられている。規定周回体では第1特定絵柄と異なる絵柄を第2特定絵柄として対応付けているため、第1所定絵柄と同一の絵柄を第2所定絵柄として対応付けることにより、規定周回体に関する絵柄配列の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
手段6.上記手段3乃至手段5のいずれかにおいて、前記停止操作手段が操作された場合に前記有効位置に到達している到達絵柄と、前記有効位置に停止させる停止絵柄との関係を導出することが可能な停止情報群(スベリテーブル)を複数記憶する停止情報群記憶手段(主制御装置131のROM152)と、前記役の抽選結果に基づいて前記複数の停止情報群から1の停止情報群を選択する停止情報群選択手段(主制御装置131のスベリテーブル設定処理機能)と、前記停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段(RAM153のスベリテーブル格納エリア153b)と、先に停止した周回体の停止結果に基づいて前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群を変更する停止情報群変更手段(主制御装置131のスベリテーブル変更処理機能)とを備え、前記停止駆動制御手段は、前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて前記各駆動手段を停止駆動制御することを特徴とする遊技機。
手段6によれば、停止操作手段が操作された場合に有効位置に到達している到達絵柄と、有効位置に停止させる停止絵柄との関係を導出することが可能な停止情報群に基づいて各駆動手段の停止駆動制御が行われる。かかる構成においては、各役に当選した場合を想定して予め複数の停止情報群を記憶させておく必要が生じ、記憶容量の増大化が懸念されることとなる。ところが、第1所定絵柄と同一の絵柄を第2所定絵柄として対応付けたり、第1特定絵柄と同一の絵柄を第2特定絵柄として対応付けたりすることにより、これら同一の絵柄が対応付けられた周回体に関する停止情報群の共用化を図ることが可能となる。故に、記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記各周回体には、前記第1所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第1特定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第1特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第1所定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第2所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第2特定絵柄が前記有効位置に到達せず、前記第2特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には前記第2所定絵柄が前記有効位置に到達しないように、前記各特定絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、各周回体には、第1所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第1特定絵柄が有効位置に到達せず、第1特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第1所定絵柄が有効位置に到達せず、第2所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第2特定絵柄が有効位置に到達せず、第2特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には第2所定絵柄が有効位置に到達しないように、各特定絵柄が配置されている。かかる構成とすることにより、比較的簡単な構成で各周回体に関わる停止駆動制御を行うことが可能となる。仮に、所定のタイミングで停止操作手段が操作された場合に第1所定絵柄と第1特定絵柄のいずれも有効位置に到達させることが可能となるよう第1所定絵柄と第1特定絵柄を配置した場合、いずれの絵柄を優先的に有効位置に停止させるのか、いずれの入賞を優先的に成立させるのか等を考慮して停止駆動制御を行う必要が生じ、各周回体に関わる停止駆動制御が複雑化する可能性があるからである。第2所定絵柄と第2特定絵柄についても同様である。さらに、上記手段6の構成に本構成を適用した場合、第1所定絵柄を有効位置に停止させる場合に用いる停止情報群と第1特定絵柄を有効位置に停止させる場合に用いる停止情報群の共用化や、第2所定絵柄を有効位置に停止させる場合に用いる停止情報群と第2特定絵柄を有効位置に停止させる場合に用いる停止情報群の共用化を図ることが可能となる。故に、記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。
手段8.上記手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記停止駆動制御手段は、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記停止操作手段が操作されたタイミングで前記有効位置に到達している到達絵柄をそのまま当該有効位置に停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に予め定めた絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる停止態様と、のうち複数の停止態様を有し、前記各周回体には、前記停止駆動制御手段の有する停止態様数(そのまま停止する停止態様と、1図柄分滑った後に停止する停止態様と、2図柄分滑った後に停止する停止態様と、3図柄分滑った後に停止する停止態様と、4図柄分滑った後に停止する停止態様との5個)以下の範囲に前記各所定絵柄が配置された区間が形成されるよう前記各所定絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、各周回体には、停止駆動制御手段の有する停止態様数以下の範囲に各所定絵柄が配置された区間が形成されている。かかる場合、少なくとも前記区間のうち周回体の周回する最下流側の位置に配置された一方の所定絵柄が有効位置に到達したタイミングで停止操作手段が操作されれば、当選した所定役と対応する所定絵柄を有効位置に停止させることができる。
手段9.上記手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記停止駆動制御手段は、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記停止操作手段が操作されたタイミングで前記有効位置に到達している到達絵柄をそのまま当該有効位置に停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に予め定めた絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる停止態様と、のうち複数の停止態様を有し、前記規定周回体には、前記第1特定絵柄と前記第2特定絵柄の間隔が前記規定期間に前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数(4図柄)より大きくなるように、前記第1特定絵柄と前記第2特定絵柄を離間して配置したことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、規定周回体には、第1特定絵柄と第2特定絵柄の間隔が規定期間に到達絵柄の移動できる最大絵柄数より大きくなるように、第1特定絵柄と第2特定絵柄が離間して配置されている。かかる構成においては、一方の特定絵柄が有効位置に到達したタイミングで規定周回体と対応する停止操作手段が操作された場合に、仮に規定周回体を最大絵柄数分だけ周回させた後に停止させたとしても他方の特定絵柄が有効位置に停止しない。なお、前記有効位置を複数設定することが可能な有効位置設定手段(主制御装置131)を備える遊技機においては、規定周回体に、第1特定絵柄と第2特定絵柄を「(前記規定期間に前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数(4図柄))+(前記規定周回体において前記各有効位置を設定される可能性のある範囲に停止する絵柄数(3図柄))−1」絵柄以上離間させて配置すれば、いずれか一方の特定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで停止操作手段が操作された場合に、他方の特定絵柄がいずれの有効位置にも停止しない構成とすることができる。故に、第1特定入賞と第2特定入賞のいずれを成立させるべく停止操作手段を操作するのかをより明確に遊技者に選択させることが可能となる。
手段10.上記手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記停止駆動制御手段は、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記停止操作手段が操作されたタイミングで前記有効位置に到達している到達絵柄をそのまま当該有効位置に停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に予め定めた絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる停止態様と、のうち複数の停止態様を有し、前記各周回体には、前記第1所定絵柄と前記第2特定絵柄の間隔が前記規定期間に前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数(4図柄)より大きくなるように前記第1所定絵柄と前記第2特定絵柄を離間して配置すると共に、前記第2所定絵柄と前記第1特定絵柄の間隔が前記最大絵柄数より大きくなるように前記第2所定絵柄と前記第1特定絵柄を離間して配置したことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、各周回体には、第1所定絵柄と第2特定絵柄の間隔が規定期間に到達絵柄の移動できる最大絵柄数より大きくなるように第1所定絵柄と第2特定絵柄が離間して配置されると共に、第2所定絵柄と第1特定絵柄の間隔が最大絵柄数より大きくなるように第2所定絵柄と第1特定絵柄が離間して配置されている。かかる構成においては、第1所定絵柄又は第2特定絵柄が有効位置に到達したタイミングで各停止操作手段が操作された場合に、仮に各周回体を最大絵柄数分だけ周回させた後に停止させたとしても第2特定絵柄又は第1所定絵柄が有効位置に停止しない。同様に、第2所定絵柄又は第1特定絵柄が有効位置に到達したタイミングで各停止操作手段が操作された場合には第1特定絵柄又は第2所定絵柄が有効位置に停止しない。つまり、遊技者が特定入賞を成立させるべく各停止操作手段を操作した場合、仮に遊技者の推測した所定役と異なる所定役に当選していたとしても対応する所定入賞が成立することはなく、取りこぼしが発生することとなる。故に、所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるべく各停止操作手段を操作するかを遊技者に明確に選択させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。なお、前記有効位置を複数設定することが可能な有効位置設定手段(主制御装置131)を備える遊技機においては、各周回体に、第1所定絵柄と第2特定絵柄を「(前記規定期間に前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数(4図柄))+(前記各周回体において前記各有効位置を設定される可能性のある範囲に停止する絵柄数(3図柄))−1」絵柄以上離間させて配置すると共に、第2所定絵柄と第1特定絵柄を「(前記規定期間に前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数)+(前記各周回体において前記各有効位置を設定される可能性のある範囲に停止する絵柄数)−1」絵柄以上離間させて配置すれば、第1所定絵柄又は第2特定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで各停止操作手段が操作された場合に第2特定絵柄又は第1所定絵柄がいずれの有効位置にも停止せず、第2所定絵柄又は第1特定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで各停止操作手段が操作された場合に第1特定絵柄又は第2所定絵柄がいずれの有効位置にも停止しない構成とすることができる。故に、所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるべく各停止操作手段を操作するかをより明確に遊技者に選択させることが可能となる。
手段11.上記手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記停止駆動制御手段は、前記各所定役のいずれかに当選し、当選した所定役と対応する所定入賞を成立させることが不可能であって特定入賞を成立させることが可能な場合、当選した所定役と対応する特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能であれば該特定絵柄を優先して前記有効位置に停止させる優先停止手段(主制御装置131のRT入賞用スベリテーブル設定処理機能S1205,S1210及びリール停止処理機能S909等)を備えることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、各所定役のいずれかに当選し、当選した所定役と対応する所定入賞を成立させることが不可能であって特定入賞を成立させることが可能な場合、当選した所定役と対応する特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能であれば該特定絵柄を優先して有効位置に停止させるように停止駆動制御が行われる。かかる構成とすることにより、特定入賞を成立させるべく各停止操作手段が操作された場合に取りこぼしの発生する機会を低減させることが可能となる。
手段12.上記手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記各所定役のいずれかに当選した場合、少なくとも次の遊技回が開始されるまでに前記所定役当選を無効とする無効化手段(主制御装置131の当選フラグリセット機能S1415)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、各所定役のいずれかに当選した場合、少なくとも次の遊技回が開始されるまでに当該結果が無効とされる。したがって、各所定役のいずれかに当選した場合には、この当選した遊技回にて対応する所定入賞又は特定入賞を成立させる必要がある。かかる構成とすることにより、遊技者をより遊技に積極参加させることが可能となる。仮にいずれかの入賞が成立するまで所定役当選を有効とする構成とした場合、一般の遊技者であれば特定入賞を成立させるべく各停止操作手段を操作すると考えられ、所定入賞の価値が希薄化してしまう可能性が生じる。かかる一方、所定役当選を次の遊技回が開始されるまでに無効とする構成においては、対応する所定入賞と特定入賞のいずれかが成立するか、いずれの入賞も成立することなく特定役当選が無効とされることとなる。故に、各所定役のいずれかに当選した遊技回において、対応する所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるべく停止操作手段を操作するかを遊技者により慎重に選択させることが可能となり、遊技に積極参加している印象が希薄化することを抑制することが可能となる。
手段13.上記手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記規定周回体では、前記第1所定絵柄と同一の絵柄(第2の実施の形態における「BAR」図柄)を前記第1特定絵柄として対応付けたことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、規定周回体では、第1所定絵柄と同一の絵柄が第1特定絵柄として対応付けられている。かかる構成とすることにより、所定入賞と特定入賞のいずれかを成立させることが可能となる所定役を例えば3つ以上設定した場合であっても、規定周回体における絵柄配列の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
手段14.上記手段13において、前記規定周回体以外の周回体のうち少なくとも1つの周回体では、前記第1所定絵柄と異なる絵柄を前記第1特定絵柄として対応付けたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、規定周回体以外の周回体のうち少なくとも1つの周回体では、第1所定絵柄と異なる絵柄が第1特定絵柄として対応付けられている。かかる構成とすることにより、第1所定絵柄と異なる絵柄が第1特定絵柄として対応付けられた周回体を停止させるまでは、所定入賞と特定入賞のいずれの入賞も成立させることができる余地を残すことが可能となる。故に、規定周回体を停止させるまで、いずれの入賞を成立させるべく停止操作手段を操作するかを選択する余地を残すことが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
手段15.上記手段13又は手段14において、前記特典付与手段は、前記役の抽選結果が第3所定役(KB3)当選であって、該第3所定役と対応付けられた各周回体の第3所定絵柄(KB図柄)が前記有効位置に停止した場合、第3所定入賞(KB入賞)成立として第3所定特典(KBゲーム)を付与する第3所定特典付与手段(主制御装置131のKB開始処理機能S2005及びKBゲーム処理機能S2101〜S2103)と、前記役の抽選結果が前記第3所定役当選であって、該第3所定役と対応付けられた各周回体の第3特定絵柄(KB3図柄)が前記有効位置に停止した場合、第3特定入賞(第2特定役3入賞)成立として前記第3所定特典より有利度合いの大きな第3特定特典(15枚のメダル払出)を付与する第3特定特典付与手段(主制御装置131の払出予定数セット処理機能S1408及び払出処理機能S1501〜S1506)とを備え、
前記各周回体のうち規定周回体(右リール42R)には、前記各特定絵柄のうち1の特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には他の特定絵柄がいずれも前記有効位置に到達しないよう、前記各特定絵柄を互いに離間して配置したことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、所定入賞と特定入賞のいずれかを成立させることが可能となる役として、第1所定役と第2所定役に加えて第3所定役が設定されている。また、規定周回体には、各特定絵柄のうち1の特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合には他の特定絵柄がいずれも有効位置に到達しないよう、各特定絵柄が互いに離間して配置されている。規定周回体における絵柄配列の設計自由度は、互いに離間して配置する特定絵柄の数が増加するほど低下することとなるが、第1所定絵柄と同一の絵柄を第1特定絵柄として対応付けることにより、規定周回体における絵柄配列の設計自由度が低下することを抑制しつつ、所定役の数を増加させることが可能となる。
手段16.上記手段13乃至手段15のいずれかにおいて、前記抽選手段が役の抽選を行う抽選役として特定役(第2特殊役)を複数設定すると共に、前記各特定特典付与手段を、前記役の抽選結果が前記特定役当選のいずれかであって前記特定入賞が成立した場合にも前記特定特典を付与する構成とし、
前記役の抽選結果が前記各特定役のいずれかの当選である場合、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず、当選した特定役と対応付けられた特定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能であれば前記特定絵柄を前記有効位置に停止させるよう対応する駆動手段を停止駆動制御する第2特定絵柄停止手段(第2特殊役当選時における第2特殊役入賞用スベリテーブル設定機能S803及びリール停止処理機能S909等)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、役の抽選結果が各特定役のいずれかの当選である場合、当選した特定役と対応付けられた特定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで各停止操作手段を操作すれば、特定入賞を成立させることが可能となる。特定入賞のみを成立させることが可能な特定役を設定することにより、いずれの特定絵柄を狙って停止操作手段を操作するのかを遊技者が選択するという遊技が無駄なものとなってしまうことを回避できる。例えば、自己の運を信じることができない遊技者であれば、役の抽選結果が所定役当選である場合に、所定入賞を成立させるべく停止操作手段を操作することを選択し、特定入賞を成立させるべく停止操作手段を操作することを選択しない可能性が考えられる。しかしながら、特定入賞のみを成立させることが可能な特定役を設定することにより、少なくとも前記特定役に当選した場合には、前記遊技を遊技者に行わせることが可能となるからである。
手段17.上記手段16において、前記役の抽選結果が前記各特定役のいずれかの当選である場合に、当選した特定役と対応付けられた絵柄を示唆することが可能な当選絵柄示唆手段(補助表示部15、表示制御装置111等)を備えることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、役の抽選結果が各特定役のいずれかの当選である場合に、当選した特定役と対応付けられた絵柄が示唆されることがある。かかる構成とすることにより、特定入賞を成立させることが可能となる絵柄を遊技者に示唆することができ、役の抽選結果が各所定役のいずれかの当選である場合に特定入賞を成立させるべく停止操作手段を操作しない遊技者にも第2特典を付与することが可能となる。また、役の抽選結果が各所定役のいずれかの当選である場合に、特定入賞を成立させるべく各停止操作手段を操作しようという意欲を駆り立たせることも可能となる。
手段18.上記手段1乃至手段17のいずれかにおいて、前記各所定役のいずれかに当選した場合、前記各停止操作手段の操作が有効となる前までに前記各所定役のいずれかに当選したことを示唆可能な示唆手段(補助表示部15、表示制御装置111等)を備えることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、各所定役のいずれかに当選した場合には、各停止操作手段の操作が有効となる前までに当該結果を示唆されることがある。かかる構成とすることにより、所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるかを選択した上で停止操作手段を操作すべき機会を遊技者に示唆することができる。また、各所定役のいずれかに当選したことを示唆可能な構成とすることにより、特定入賞を成立させることを選択した遊技者に、第1特定絵柄と第2特定絵柄のいずれを狙って規定周回体と対応する停止操作手段を操作するかを選択させることが可能となる。以上の結果、遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。
手段19.上記手段1乃至手段18のいずれかにおいて、前記始動操作手段の操作に基づいて乱数値を取得する乱数取得手段(主制御装置131の乱数値取得機能S602)と、前記各所定役と対応する対応値(ポイント値PV)を記憶する対応値記憶手段(抽選テーブル、主制御装置131のROM152)とを備え、
前記抽選手段は、前記乱数値及び前記対応値に基づいて前記各所定役に当選したか否かを個別に判定する当選判定手段(主制御装置131の当否判定処理機能S702〜S704及びS706,S707)と、該当選判定手段がいずれかの所定役に当選したと判定した場合、前記当選判定手段による判定を終了させる判定終了手段(主制御装置131のS704における肯定判定後にS705を経てS708へと移行する処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、始動操作手段の操作に基づいて取得された乱数値と、対応値記憶手段に記憶された各所定役と対応する対応値とに基づき、各所定役に当選したか否かが判定される。そして、いずれかの所定役に当選したと判定された場合に役の抽選が終了する。かかる構成において所定役に当選した場合に所定入賞と特定入賞のいずれかを成立させることが可能な構成とすることにより、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。確かに、所定入賞を成立させることが可能な所定役と特定入賞を成立させることが可能な特定役とをそれぞれ複数設定し、いずれかの所定役に当選したと判定した場合であっても役の抽選を終了することなくさらに特定役のいずれに当選したかの判定を行う構成とすれば、1回の遊技で所定入賞と特定入賞のいずれかを成立させることが可能な機会を生じさせることが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、いずれかの所定役に当選したと判定した場合に特定役についてさらに判定を行う必要が生じ、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することとなる。
手段20.上記手段1乃至手段19のいずれかにおいて、前記各所定特典付与手段は、前記所定特典として遊技者の所有する遊技媒体を増加させる特典をそれぞれ付与し、前記各特定特典付与手段は、前記特定特典として、所定の終了条件が成立するまでの間に対応する所定特典より多くの遊技媒体増加を期待できる特別遊技状態(RTゲーム)に移行させる特典をそれぞれ付与することを特徴とする遊技機。
手段20によれば、所定入賞が成立すると、所定特典として遊技者の所有する遊技媒体が増加する特典が付与される。また、特定入賞が成立した場合には、特定特典として、所定の終了条件が成立するまでの間に対応する所定特典より多くの遊技媒体増加を期待できる特別遊技状態に移行する特典が付与される。かかる構成とすることにより、所定特典と特定特典との間に明確な差異を設けることが可能となる。所定特典が付与された場合にはその後の遊技において遊技媒体が減少する可能性が高い一方、特定特典が付与された場合には特別遊技状態が終了するまでの間に遊技媒体を増加させることができるからである。故に、所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるかの選択を遊技者により強く促すことが可能となると共に、特定入賞を成立させるべくいずれの所定役に当選したかを考慮した上で停止操作手段を操作する意欲を駆り立たせることが可能となる。
手段21.上記手段1乃至手段19のいずれかにおいて、前記各所定特典付与手段は、前記所定特典として、前記所定役に当選してから所定回数(1回)の遊技が行われるまでに第1数(約7枚)の遊技媒体増加を期待できる特典を付与し、前記各特定特典付与手段は、前記特定特典として、前記所定役に当選した遊技で前記第1数より多く遊技媒体を増加させる特典を付与することを特徴とする遊技機。
手段21によれば、所定入賞が成立すると、所定特典として、所定役に当選してから所定回数の遊技が行われるまでに第1数の遊技媒体増加を期待できる特典が付与される。また、特定入賞が成立した場合には、特定特典として、所定役に当選した遊技で第1数より多く遊技媒体を増加させる特典が付与される。かかる構成とすることにより、所定特典と特定特典との間に明確な差異を設けることが可能となる。所定入賞を成立させた場合には、所定入賞を成立させた遊技回を含む複数回の遊技を行うことによって第1数の遊技媒体増加を期待できる一方、特定入賞を成立させた場合には、特定入賞を成立させた遊技回のみで第1数より多く遊技媒体が増加するからである。故に、所定入賞と特定入賞のいずれを成立させるかの選択を遊技者により強く促すことが可能となると共に、特定入賞を成立させるべくいずれの所定役に当選したかを考慮した上で停止操作手段を操作する意欲を駆り立たせることが可能となる。
手段22.上記手段1乃至手段21のいずれかにおいて、前記第2特定特典付与手段は、前記第2特定特典として前記第1特定特典と同じ特典を付与することを特徴とする遊技機。
手段22によれば、第1特定入賞を成立させた場合と第2特定入賞を成立させた場合には同じ特典が付与される。かかる構成とすることにより、第1特定特典と第2特定特典の有利度合いの差異を考慮させることなく第1特定絵柄と第2特定絵柄のいずれを狙って規定周回体と対応する停止操作手段を操作するかを遊技者に選択させることが可能となる。この結果、狙うべき絵柄を選択した上で停止操作手段を操作するという遊技性を好適に楽しませることが可能となる。なお、手段15の構成に本構成を適用する場合、前記第3特定特典付与手段も、前記第2特定特典として前記第1特定特典と同じ特典を付与する構成とすれば、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
なお、以上の各手段を適用し得る遊技機として、「複数の絵柄からなる絵柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に絵柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより絵柄の変動が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与するようにし、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」といったスロットマシンとパチンコ機とが融合したタイプの遊技機なども挙げられる。
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。換言すれば、各表示窓31L,31M,31Rを、上段、中段、下段の3個の図柄が視認可能な状態となるように形成したとも言える。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト16番目)、「白ナス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「黒ナス」図柄(中ベルト15番目)、「BAR」図柄(例えば、左ベルト8番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト5番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっており、例えば「黒ナス」図柄は中リール42Mにのみ付されている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲームやRTゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、ベル入賞と、スイカ入賞と、特殊役入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる。また、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「BAR」図柄と並んで停止した場合には特殊役1入賞として、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合には特殊役2入賞として、それぞれ15枚のメダル払出が行われる。加えて、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞とRT入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合には、BB入賞として遊技状態がBBゲームに移行する。また、有効ライン上に左から「白ナス」図柄、「黒ナス」図柄、「白ナス」図柄と並んで停止した場合にはRT1入賞として、「白ナス」図柄、「白ナス」図柄、「白ナス」図柄と並んで停止した場合にはRT2入賞として、遊技状態がRTゲームに移行する。但し、これら図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、BB入賞が有効ライン上に成立した際にはBBゲームに移行するのみであり、RT1入賞又はRT2入賞が有効ライン上に成立した際にはRTゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であり、「白ナス」図柄と「黒ナス」図柄は遊技状態をRTゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
加えて、遊技状態が後述するRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lと中リール42Mの「BAR」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、入賞を形成する図柄を入賞図柄とも言う。例えば、BB図柄とは、BB入賞となる図柄の組合せを形成する「7」図柄である。また、特殊役1図柄とは、左リール42Lと中リール42Mにおいては「スイカ」図柄であり、右リール42Rにおいては「BAR」図柄である。同様に、特殊役2図柄とは、左リール42Lと中リール42Mにおいては「スイカ」図柄であり、右リール42Rにおいては「7」図柄である。したがって、例えば右リール42Rの「7」図柄は、後述する役の抽選結果に応じてBB図柄と言う場合と特殊役2図柄と言う場合がある。このように、本スロットマシン10では、複数の役と対応付けられた図柄を設けている。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、各リール42L,42M,42Rを停止させる処理を行う際に使用するための当選番号格納エリア153a,スベリテーブル格納エリア153b,変更図柄格納エリア153c等の格納エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図30のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、開始コマンド等の各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS502にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS503では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS504ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS505〜ステップS506に示す設定更新処理を行う。ステップS505では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS503に戻り、操作された場合にはステップS506にて設定値を1更新した後にステップS503に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS504にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS507にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS508にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS509にて設定値を保存し、ステップS510にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。なお、以下では、3枚のメダルがベットされて遊技が行われた場合について説明することとする。
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS602にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS602が共にYESの場合には、ステップS603の抽選処理、ステップS604のリール制御処理、ステップS605のメダル払出処理、ステップS606のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS602にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS603の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数等に基づき、当否決定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような抽選テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定1」の通常状態下で3枚ベットされた場合に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、当否判定を行うべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共にポイント値PVが設定されている。すなわち、通常状態下において選択される抽選テーブルには、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、特殊役1、特殊役2、BBの7種類の役について当否判定を行うよう、1〜7の7つのインデックス値IVが設定されている。但し、通常状態下で入賞の成立し得るRT1とRT2(図8参照)については、インデックス値IVが設定されていない。つまり、本スロットマシン10では、通常状態下で各RT入賞が成立するにも関わらず、当否判定を行う役としてこれらRT役を設定していない。詳細は後述するが、本スロットマシン10では、特殊役1に当選した状況下でRT1入賞を成立させることが可能となっており、特殊役2に当選した状況下でRT2入賞を成立させることが可能となっている。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBBと対応するポイント値PVが大きく設定されており、ベット枚数が多いほど各ポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS702ではインデックス値IVを1とし、続くステップS703では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて0〜65535の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS704ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS705にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了時にリセットされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役と再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
ステップS704にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS706にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS707ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS703に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS703では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS704では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルが選択された場合、各役の当選確率は、BBが約300分の1、再遊技が約7.3分の1、ベルが約7.0分の1、チェリー及びスイカが128分の1、特殊役1及び特殊役2が約383分の1である。さらにいうと、特殊役のいずれかに当選する確率は約192分の1、上記した各役のいずれかに当選する確率は約3.3分の1、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.4分の1である。したがって、通常状態下においては、いずれかの役に当選する確率よりも外れとなる確率の方が高い。なお、以下では特殊役1と特殊役2を総称して「特殊役」ともいう。
ステップS705にて当選フラグをセットした後、又はステップS707にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS708にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行う。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、主制御装置131の記憶容量を削減することが可能となる。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
図18は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下段に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの3番の「ベル」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、5番の「スイカ」図柄が上段に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの4番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、5番の「スイカ」図柄が下段に停止する。すなわち、図18に示すスベリテーブルでは、滑り数が0でない番号の図柄が下段に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは記載された図柄数分だけ滑った後に停止し、滑り数が0である番号の図柄が下段に停止することとなる。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下段に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数(停止態様)が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数3、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図19に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上段又は下段に停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中段に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図18に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカにのみ当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの0番の「チェリー」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、1番の「スイカ」図柄が中段に停止する。また、中リール42Mの17番の「7」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは4図柄分だけ滑って0番の「チェリー」図柄が下段に停止し、1番の「スイカ」図柄が中段に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの6番の「ベル」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは2図柄分だけ滑って8番の「7」図柄が下段に停止し、9番の「スイカ」図柄が中段に停止する。このように、中リール42Mと右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中段に停止するように設定されている。
左リール42Lについては、上段又は下段に「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、3番の「ベル」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、5番の「スイカ」図柄は上段に停止し、4番の「リプレイ」図柄又は5番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、5番の「スイカ」図柄は下段に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮したものであり、停止出目を多様化させるための工夫である。
但し、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が上記各位置に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めている中、各リール42L,42M,42Rに「スイカ」図柄を1つずつしか配置していないためである。このため、例えば中リール42Mの2番の「チェリー」図柄が下段に到達しているタイミング、すなわち「スイカ」図柄が下段を通過したタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。
図20に示すスベリテーブルは、特殊役1当選フラグがセットされている場合の第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、特殊役1にのみ当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの特殊役1図柄たる「スイカ」図柄が上段又は下段に停止するように設定されている。これに加えて、「スイカ」図柄を上段と下段のいずれにも停止させることが不可能な場合、RT1図柄たる「白ナス」図柄を上段又は下段に停止させることが可能であれば「白ナス」図柄が上段又は下段に停止するように設定されている。すなわち、5番の「スイカ」図柄が下段を通過して6番の「ベル」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分だけ滑って10番の「リプレイ」図柄が下段に停止し、12番の「白ナス」図柄が上段に停止する。また、11番の「ベル」図柄が下段に到達している際や12番の「白ナス」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、12番の「白ナス」図柄が下段に停止する。このように、かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「スイカ」図柄と「白ナス」図柄が上段又は下段に停止するように設定されている。但し、左リール42Lには、「スイカ」図柄と同様「白ナス」図柄も1つだけしか配置されていない。したがって、左ストップスイッチ72の押されたタイミングによっては「スイカ」図柄のみならず「白ナス」図柄も上記各位置に停止しない場合がある。
中リール42Mについては、特殊役1図柄たる「スイカ」図柄が中段に停止するように設定されている。これに加えて、「スイカ」図柄を中段に停止させることが不可能な場合、RT1図柄たる「黒ナス」図柄を中段に停止させることが可能であれば「黒ナス」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば、10番の「青年」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは4図柄分だけ滑って14番の「リプレイ」図柄が下段に停止し、15番の「黒ナス」図柄が中段に停止する。このように、かかるスベリテーブルでは、中リール42Mの「スイカ」図柄と「黒ナス」図柄が中段に停止するように設定されている。但し、中リール42Mには、「スイカ」図柄と同様「黒ナス」図柄も1つだけしか配置されていない。したがって、中ストップスイッチ73の押されたタイミングによっては「スイカ」図柄のみならず「黒ナス」図柄も上記各位置に停止しない場合がある。ちなみに、19番の「リプレイ」図柄には、滑り数として2の他に0が記されている。これは、15番の「黒ナス」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合に、中リール42Mが4図柄分だけ滑って19番の「リプレイ」図柄が下段に停止することを容易に理解させるために便宜上記したものである。19番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは2図柄分だけ滑って0番の「チェリー」図柄が下段に停止し、1番の「スイカ」図柄が中段に停止する。
右リール42Rについては、特殊役1図柄たる「BAR」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば9番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは滑ることなくそのまま停止し、10番の「BAR」図柄が中段に停止する。また、5番の「チェリー」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは4図柄分だけ滑って9番の「スイカ」図柄が下段に停止し、10番の「BAR」図柄が中段に停止する。但し、右リール42Rには「BAR」図柄が1つだけしか配置されていないため、右ストップスイッチ74の押されたタイミングによっては「BAR」図柄が上記各位置に停止しない場合がある。かかる場合、RT1図柄たる「白ナス」図柄を中段に停止させることが可能であれば「白ナス」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば、13番の「青年」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って16番の「チェリー」図柄が下段に停止し、17番の「白ナス」図柄が中段に停止する。このように、かかるスベリテーブルでは、右リール42Rの「BAR」図柄と「白ナス」図柄が中段に停止するように設定されている。但し、右リール42Rには、「BAR」図柄と同様「白ナス」図柄も1つだけしか配置されていない。したがって、右ストップスイッチ74の押されたタイミングによっては「BAR」図柄のみならず「白ナス」図柄も上記各位置に停止しない場合がある。
以上のとおり、特殊役1にのみ当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルでは、左リール42Lの特殊役1図柄とRT1図柄が上段又は下段に停止するように、中リール42M及び右リール42Rの特殊役1図柄とRT1図柄が中段に停止するように設定されている。同様に、特殊役2にのみ当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルでは、左リール42Lの特殊役2図柄とRT2図柄が上段又は下段に停止するように、中リール42M及び右リール42Rの特殊役2図柄とRT2図柄が中段に停止するように設定されている。換言すれば、特殊役1図柄とRT1図柄は特殊役1当選フラグと対応し、特殊役2図柄とRT2図柄は特殊役2当選フラグと対応しているともいえる。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれか、より具体的には左リール42Lの上段又は下段、中リール42Mと右リール42Rの中段に停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して上記各位置に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して上記各位置に停止するように、且つ「7」図柄を上記各位置に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する小役図柄が上記各位置に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。なお、BB当選フラグを持ち越した状態で特殊役に当選した場合には、「7」図柄が優先して上記各位置に停止するように、且つ「7」図柄を上記各位置に停止させられない場合は特殊役図柄が上記各位置に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。つまり、BBと特殊役に当選している場合にセットされるスベリテーブルでは、RT図柄が上記各位置に停止するように設定されていない。
抽選処理の説明に戻り、スベリテーブル設定処理が終了すると、ステップS709〜ステップS711に示すチャレンジ演出設定処理を行う。ここで、チャレンジ演出とは、特殊役に当選したことを報知する演出である。上述した通り、特殊役に当選した場合には特殊役入賞又はRT入賞を成立させることが可能である。そこで、特殊役に当選した際にチャレンジ演出を行うことにより、特殊役入賞とRT入賞のいずれを成立させるようにストップスイッチ72〜74を操作するかを選択した上で実際の操作に臨むよう遊技者を促すことが可能となり、遊技の単調化を抑制することができる。
チャレンジ演出設定処理では、先ずステップS709にて特殊役当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはさらにステップS710にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。特殊役当選フラグがセットされており、BB当選フラグがセットされていない場合には、ステップS711にてチャレンジ演出を開始すべく開始コマンドをセットする等のチャレンジ演出開始処理を行い、本処理を終了する。ここで、開始コマンドとは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、チャレンジ演出を開始させるべくスピーカ14や補助表示部15等の駆動制御を開始する。より具体的には、表示制御装置111は、各ストップスイッチ72〜74の操作が有効となるまでに、特殊役1入賞,特殊役2入賞,RT1入賞,RT2入賞のいずれかを成立させることが可能であることを補助表示部15に表示すると共に、上部ランプ13やスピーカ14の駆動制御を開始する。つまり、チャレンジ演出において、特殊役1と特殊役2のいずれに当選したのかは報知されない。なお、開始コマンドの表示制御装置111への送信は、先述したタイマ割込み処理中のコマンド処理S210(図11参照)にて行われる。
一方、ステップS709にて特殊役当選フラグがセットされていない場合、又はステップS710にてBB当選フラグがセットされている場合には、チャレンジ演出開始処理を行うことなくそのまま本処理を終了する。つまり、特殊役に当選しなかった場合と、BB当選フラグを持ち越した状態で特殊役に当選した場合には、チャレンジ演出を行わない。
次に、ステップS604のリール制御処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図7の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
スベリテーブル第1変更処理では、図22のフローチャートに示すように、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため、ステップS1002〜ステップS1008に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1002にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1003では、操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ72か否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作されていた場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルをセットしているためである。
一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序(すなわち左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の順序)と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1004に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1005では、確認した当選番号から再遊技に当選しているか否かを把握する。具体的には、確認した当選番号が、再遊技当選を意味する第1当選番号又は再遊技当選とBB当選を意味する第2当選番号か否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1006に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、再遊技入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、入賞確定用スベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生を回避するためのスベリテーブルである。
図23は、再遊技当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上段に停止し、中リール42Mの「リプレイ」図柄が中段に停止し、右リール42Rの「リプレイ」図柄が下段に停止するように設定されている。すなわち、再遊技当選時の入賞確定用スベリテーブルは、再遊技入賞が右下がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつ再遊技入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、再遊技入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止している状況下で左リール42Lの20番の「リプレイ」図柄を下ライン上に停止させた場合、上ライン上に1番の「チェリー」図柄が停止するため、再遊技入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理において再遊技とチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には右下がりライン上に再遊技入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつ再遊技入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1005にて再遊技に当選していないと判定した場合、ステップS1007にてベルのみに当選しているか否か、具体的にはステップS1004にて確認した当選番号がベル当選を意味する第1当選番号と一致するか否かを確認する。そして、ベルのみに当選していた場合、上述したステップS1006に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ベル入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、ベル当選時の入賞確定用スベリテーブルは、ベル入賞が中ライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつベル入賞を成立させるための工夫である。例えば、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止している状況下で左リール42Lの3番の「ベル」図柄を上ライン上に停止させた場合、下ライン上に1番の「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には中ライン上にベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1007にて否定判定をした場合、すなわちBB等の再遊技とベル以外の役に当選した場合又はいずれの役にも当選していない場合には、ステップS1008に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと一義的に対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lに複数設定されたスベリテーブルから、操作されたストップスイッチと対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、取りこぼしの発生頻度を低減させるための工夫である。図18に示すスベリテーブルを例に説明すると、例えば中リール42Mの1番の「スイカ」図柄が下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、かかるスベリテーブルでは4番の「ベル」図柄が下段に停止し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて中リール42Mを停止させた場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、スイカ入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、変則押し用スベリテーブルに変更することとしている。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第1停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中である。かかる場合にはステップS910にて否定判定を行い、続くステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図24のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1102に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1103では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1104〜ステップS1108に示す第1当選番号時処理を行う。第1当選番号時処理では、ステップS1104にて特殊役に当選しているか否か、すなわち、確認した当選番号が特殊役1当選を意味する第1当選番号又は特殊役2当選を意味する第1当選番号か否かを判定する。特殊役に当選していない場合にはステップS1105に進み、現在停止しているリールの下段に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1106では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致している場合にはステップS1107に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が回転中の他のリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、停止出目が単調化することを抑制すると共に取りこぼしが発生する機会を低減させるための工夫である。
例えば図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、左リール42Lの「スイカ」図柄は上段又は下段に停止する一方、中リール42Mの「スイカ」図柄は中段にしか停止しない。ところが、左リール42Lの「スイカ」図柄が上段に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中段ではなく上段に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。同様に、左リール42Lの「スイカ」図柄が下段に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中段ではなく下段に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、中リール42Mの停止出目が過剰に制約を受けることとなり、取りこぼしの発生する可能性が高まることとなる。そこで本スロットマシン10では、停止したリールの停止図柄を確認し、確認結果に応じたライン変更用スベリテーブルに変更することとしている。具体的には、左リール42Lの3番の「ベル」図柄が下段に停止し、5番の「スイカ」図柄が上段に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が上段又は中段に停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。また、左リール42Lの5番の「スイカ」図柄が下段に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中段又は下段に停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。すなわち、図18に示すスベリテーブルの場合、3番の「ベル」図柄と5番の「スイカ」図柄が変更図柄として一義的に導かれる構成となっており、かかるスベリテーブルをセットした場合には、RAM153の変更図柄格納エリア153cに変更図柄の図柄番号として「3」と「5」をセットする構成となっている。これは他のスベリテーブルにおいても同様であり、当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止した際における下段の図柄番号が変更図柄として一義的に導かれるように構成されている。
ちなみに、本スロットマシン10では、停止図柄と変更図柄が一致した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1104にて特殊役当選を意味する第1当選番号であった場合には、ステップS1108にて特殊役当選時処理を行って本処理を終了する。
特殊役当選時処理について図25のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS1201では、特殊役1に当選しているか否かを判定する。特殊役1に当選している場合にはステップS1202に進み、有効ライン上に特殊役1図柄が停止しているか否かを、下段に停止した停止図柄の図柄番号に基づいて判定する。特殊役1図柄が停止している場合にはステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、特殊役1入賞を成立させるべく特殊役1入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lの特殊役1図柄たる「スイカ」図柄が上段に停止した場合、中リール42Mの特殊役1図柄たる「スイカ」図柄が上段又は中段に停止するように設定された特殊役1入賞用スベリテーブルに変更する。つまり、特殊役1に当選している状況下で特殊役1図柄が有効ライン上に停止した場合、特殊役1入賞を成立させることが可能となるようにスベリテーブルを変更する。
ステップS1202において特殊役1図柄が有効ライン上に停止していないと判定した場合には、さらにステップS1204にてRT1図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定する。RT1図柄が停止している場合にはステップS1205に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、RT1入賞を成立させるべくRT1入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42LのRT1図柄たる「白ナス」図柄が上段に停止した場合、中リール42MのRT1図柄たる「黒ナス」図柄が上段又は中段に停止するように設定されたRT1入賞用スベリテーブルに変更する。つまり、特殊役1に当選している状況下でRT1図柄が有効ライン上に停止した場合、RT1入賞を成立させることが可能となるようにスベリテーブルを変更する。
ステップS1204においてRT1図柄が有効ライン上に停止していないと判定した場合、有効ライン上には特殊役1図柄とRT1図柄のいずれも有効ライン上に停止していないことを意味し、これは取りこぼしが発生することを意味する。そこで、かかる場合にはステップS1206に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、外れ用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1201において特殊役1に当選していないと判定した場合、特殊役2に当選していることを意味する。そこで、ステップS1207では、有効ライン上に特殊役2図柄が停止しているか否かを判定する。特殊役2図柄が停止している場合にはステップS1208に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、特殊役2入賞を成立させるべく特殊役2入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、中リール42Mの特殊役2図柄たる「スイカ」図柄が中段に停止した場合、右リール42Rの特殊役2図柄たる「7」図柄が上段又は下段に停止するように設定された特殊役2入賞用スベリテーブルに変更する。つまり、特殊役2に当選している状況下で特殊役2図柄が有効ライン上に停止した場合、特殊役2入賞を成立させることが可能となるようにスベリテーブルを変更する。
ステップS1207において特殊役2図柄が有効ライン上に停止していないと判定した場合には、さらにステップS1209にてRT2図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定する。RT2図柄が停止している場合にはステップS1210に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、RT2入賞を成立させるべくRT2入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42LのRT2図柄たる「白ナス」図柄が上段に停止した場合、中リール42MのRT2図柄たる「白ナス」図柄が上段又は中段に停止するように設定されたRT2入賞用スベリテーブルに変更する。つまり、特殊役2に当選している状況下でRT2図柄が有効ライン上に停止した場合、RT2入賞を成立させることが可能となるようにスベリテーブルを変更する。
ステップS1209においてRT2図柄が有効ライン上に停止していないと判定した場合、有効ライン上には特殊役2図柄とRT2図柄のいずれも有効ライン上に停止していないことを意味し、これは取りこぼしが発生することを意味する。そこで、かかる場合にはステップS1211に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、外れ用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ちなみに、特殊役当選時処理においても、上述したステップS1107のライン変更用スベリテーブル変更処理と同様の処理を行う。すなわち、左リール42Lが停止している場合、特殊役図柄又はRT図柄のいずれかの停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定された入賞用スベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、特殊役図柄又はRT図柄のいずれかの停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定された入賞用スベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、特殊役図柄又はRT図柄のいずれかの停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定された入賞用スベリテーブルに変更する。
スベリテーブル第2変更処理の説明に戻り、ステップS1103にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1109では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1104〜ステップS1108の第1当選番号時処理を行い、本処理を終了する。但し、再遊技に当選している場合にはステップS1104にて必ず否定判定を行うため、実際にはステップS1104〜ステップS1107の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1110にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1301にてBB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下段に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。例えば、第1停止指令に基づいて左リール42Lの14番の「ベル」図柄が下段に停止した場合、16番の「7」図柄が上段に停止することとなる。従って、第1停止指令に基づいて左リール42Lが停止した段階では、上ライン及び右下がりライン上でBB入賞の成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1302に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が入賞成立となる有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1301においてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1303に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選している小役と対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、BBと特殊役1に当選している状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合、特殊役1入賞を成立させるべく特殊役1入賞用スベリテーブルに変更する。なお、本スロットマシン10では、BBと特殊役に当選している状況下で有効ライン上にRT図柄が停止した場合、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルをRT入賞用スベリテーブルに変更する処理を行わない。詳細は後述するが、RTゲームの終了条件の1つとしてBB当選を設定しているためであり、RT入賞が成立したにも関わらずRTゲームに移行しないことに対して遊技者が違和感を抱くことを回避するための工夫である。
以上のように、第1停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。いずれか1つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第2停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
スベリテーブル第1変更処理では、図22のフローチャートに示すように、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため、ステップS1009〜ステップS1014に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、ステップS1009にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1010に進み、第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。続くステップS1011では、確認結果が所定の操作順序であったか否かを判定する。具体的には、操作順序が、左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の操作順序、中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の操作順序、右ストップスイッチ74→左ストップスイッチ72の操作順序か否かを判定する。そして、所定の操作順序であった場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル第2変更処理において、上述した各操作順序のいずれかでストップスイッチ72〜74が操作されることを想定したスベリテーブルに変更しているためである。
ステップS1011において所定の操作順序でないと判定した場合にはステップS1012に進み、第1停止指令に基づいて停止したリールの下段に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1013では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1014に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。例えば、特殊役1当選フラグがセットされ、左リール42Lの「スイカ」図柄が上段に停止している状況下で右ストップスイッチ74が第2停止指令として操作された場合、特殊役1入賞を成立させるためには右リール42Rの「BAR」図柄を上段又は下段に停止させればよい。そこで、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作された場合には、右リール42Rの「BAR」図柄が上段又は下段に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第2停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合、未だに1つのリールが回転中である。かかる場合にはステップS910にて否定判定を行い、続くステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図24のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1102に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1103では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1104〜ステップS1108に示す第1当選番号時処理を行う。第1当選番号時処理では、ステップS1104にて特殊役に当選しているか否か、すなわち、確認した当選番号が特殊役1当選を意味する第1当選番号又は特殊役2当選を意味する第1当選番号か否かを判定する。特殊役に当選していない場合にはステップS1105に進み、現在停止している2つのリールの下段に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1106では、各停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号とそれぞれ一致しているか否かを判定し、少なくとも一方が一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。各停止図柄の図柄番号と各変更図柄の図柄番号が共に一致した場合にはステップS1107に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、スイカ当選フラグがセットされている状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が上段、中リール42Mの「スイカ」図柄が中段に停止した場合、右下がりライン上でスイカ入賞を成立させることができる。そこでかかる場合には、右リール42Rの「スイカ」図柄が下段に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1104にて特殊役当選を意味する第1当選番号であった場合には、ステップS1108にて特殊役当選時処理を行って本処理を終了する。
特殊役当選時処理について図25のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS1201では、特殊役1に当選しているか否かを判定する。特殊役1に当選している場合にはステップS1202に進み、現在停止している2つのリールの下段に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、いずれかの有効ライン上に特殊役1図柄が並んで停止しているか否かを判定する。特殊役1図柄が有効ライン上に並んで停止している場合にはステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、特殊役1入賞を成立させるべく特殊役1入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lと中リール42Mの「スイカ」図柄が共に上段に停止した場合、上ライン上で特殊役1入賞を成立させることができる。そこでかかる場合には、右リール42Rの「BAR」図柄が上段に停止するように設定された特殊役1入賞用スベリテーブルに変更する。
ステップS1202において特殊役1図柄が有効ライン上に並んで停止していないと判定した場合には、さらにステップS1204にてRT1図柄が有効ライン上に並んで停止しているか否かを判定する。RT1図柄が有効ライン上に並んで停止している場合にはステップS1205に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、RT1入賞を成立させるべくRT1入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lと右リール42Rの「白ナス」図柄が共に上段に停止した場合、上ライン上でRT1入賞を成立させることができる。そこでかかる場合には、中リール42Mの「黒ナス」図柄が上段に停止するように設定されたRT1入賞用スベリテーブルに変更する。
ステップS1204においてRT1図柄が有効ライン上に並んで停止していないと判定した場合、有効ライン上には特殊役1図柄とRT1図柄のいずれも有効ライン上に並んで停止していないことを意味し、これは取りこぼしが発生することを意味する。そこで、かかる場合にはステップS1206に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、外れ用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1201において特殊役1に当選していないと判定した場合、特殊役2に当選していることを意味する。そこで、ステップS1207では、有効ライン上に特殊役2図柄が並んで停止しているか否かを判定する。特殊役2図柄が有効ライン上に並んで停止している場合にはステップS1208に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、特殊役2入賞を成立させるべく特殊役2入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lと中リール42Mの「スイカ」図柄が共に上段に停止した場合、上ライン上で特殊役2入賞を成立させることができる。そこでかかる場合には、右リール42Rの「7」図柄が上段に停止するように設定された特殊役2入賞用スベリテーブルに変更する。
ステップS1207において特殊役2図柄が有効ライン上に並んで停止していないと判定した場合には、さらにステップS1209にてRT2図柄が有効ライン上に並んで停止しているか否かを判定する。RT2図柄が有効ライン上に並んで停止している場合にはステップS1210に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、RT2入賞を成立させるべくRT2入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lと右リール42Rの「白ナス」図柄が共に上段に停止した場合、上ライン上でRT2入賞を成立させることができる。そこでかかる場合には、中リール42Mの「白ナス」図柄が上段に停止するように設定されたRT2入賞用スベリテーブルに変更する。
ステップS1209においてRT2図柄が有効ライン上に並んで停止していないと判定した場合、有効ライン上には特殊役2図柄とRT2図柄のいずれも有効ライン上に並んで停止していないことを意味し、これは取りこぼしが発生することを意味する。そこで、かかる場合にはステップS1211に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、外れ用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
スベリテーブル第2変更処理の説明に戻り、ステップS1103にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1109では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1104〜ステップS1108の第1当選番号時処理を行い、本処理を終了する。但し、再遊技に当選している場合にはステップS1104にて必ず否定判定を行うため、実際にはステップS1104〜ステップS1107の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1110にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1301にてBB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下段に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1302に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が入賞成立となる有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1301にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1303に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選している小役と対応する入賞が成立するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。なお、本スロットマシン10では、BBと特殊役に当選している状況下で有効ライン上にRT図柄が並んで停止した場合であっても、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルをRT入賞用スベリテーブルに変更する処理を行わない。より詳しくは、RT入賞が成立しないようにスベリテーブルを変更する。これは、RTゲームの終了条件の1つとしてBB当選を設定しているためである。
以上のように、第2停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。2つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第3停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて肯定判定を行い、スベリテーブル第1変更処理を行うことなくステップS905に進む。
ステップS905では、かかるタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第3停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合には、全てのリールが回転を停止している。かかる場合にはステップS910にて肯定判定を行い、続くステップS912にて払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に形成されていることを条件の1つとして、メダルの払出枚数を設定したり遊技状態をRTゲームに移行させたりする処理である。
払出判定処理では、図27のフローチャートに示すように、先ずステップS1401において、各リール42L,42M,42Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から所定有効ライン上の図柄の組合せを導出する。続くステップS1402では、導出した図柄の組合せが再遊技入賞又は小役入賞成立となる図柄の組合せと一致するか否かを判定する。再遊技入賞又は小役入賞が成立している場合にはステップS1403に進み、入賞成立役が抽選処理にてセットされた当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、ステップS1404にてスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。その後、ステップS1405では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、リセットスイッチ123が操作されるまで待機する。リセットスイッチ123が操作された場合には、エラー状態から復帰してそれ以降の処理を開始すべくステップS1406に進む。
入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、ステップS1406にて再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立した場合にはステップS1407にて再遊技処理を行う。再遊技処理では、クレジット表示部35に表示された仮想メダル数を減じることなく、今回のゲームのベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。つまり、今回のゲームで再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次回のゲームを行うことができる。ステップS1406にて再遊技入賞が成立していない場合には、小役入賞が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1408に進み、成立した小役入賞と対応する払出数をRAM153の払出予定数格納エリアにセットする。
一方、ステップS1402にて再遊技入賞と小役入賞のいずれも成立していなかった場合には、ステップS1409にてRT入賞が成立したか否かを判定する。RT入賞が成立している場合にはステップS1410に進み、成立したRT入賞と対応する特殊役当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、RT1入賞が成立した場合には特殊役1当選フラグがセットされているか否かを判定し、RT2入賞が成立した場合には特殊役2当選フラグがセットされているか否かを判定する。対応する特殊役当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1411にてスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。その後、ステップS1412では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、リセットスイッチ123が操作されるまで待機する。リセットスイッチ123が操作された場合には、エラー状態から復帰してそれ以降の処理を開始すべくステップS1413に進む。
対応する特殊役当選フラグがセットされている場合にはステップS1413に進み、遊技状態をRTゲームに移行させるべくRT開始処理を行う。RT開始処理では、RT設定フラグをセットして特別遊技状態の1種であるRTゲームとする。また、RTゲームの残りゲーム数をカウントするための残RTゲームカウンタに30をセットする。このように、本スロットマシン10では、いずれのRT入賞が成立した場合であっても同じRT開始処理を行う。つまり、RT1とRT2では、入賞成立となる図柄の組合せが異なるものの同じRTゲームに移行するため、有利度合いに差異がない。
ここで、RTゲームについて簡単に説明する。RTゲームとは、上述した抽選処理にてRTゲーム専用に設定されたRTゲーム用抽選テーブルが選択され、この抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われるゲームである。そして、RTゲームは、所定回数(本実施形態では30回)のゲームが行われるか、BBに当選したことを以って終了する。
図28は、「設定1」のRTゲーム下で選択されるRTゲーム用抽選テーブルである。RTゲーム用抽選テーブルには、通常ゲーム下で選択される抽選テーブル(以下、「通常ゲーム用抽選テーブル」と言う)と同じ役が当否判定を行うべき役として設定されている。また、小役及びBBのポイント値PVは通常ゲーム用抽選テーブルと同じ値が設定されているものの、再遊技のポイント値PVは、通常ゲーム用抽選テーブルの設定値が8980であるのに対して54589と非常に高く設定されている。したがって、RTゲームに移行すると再遊技に当選する確率が非常に高くなる。再遊技入賞はストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらず成立する入賞であるため、再遊技入賞の成立する確率が非常に高くなる。ちなみに、図28に示す抽選テーブルが選択された場合、小役及びBBには通常ゲーム下と同じ確率で当選し、再遊技には約1.2分の1の確率で当選し、65536分の1の確率でいずれの役にも当選しない。つまり、RTゲームとは、いずれの入賞も成立しないゲームが通常ゲームと比してほぼ発生せず、高確率で再遊技入賞の成立するゲームである。故に、RTゲームに移行すると、遊技者は自己の所有するメダルをほぼ減少させることなく所定回数のゲームを行うことができる。ちなみに、RTゲーム下ではBBや小役の当否判定を通常ゲームと同じ当選確率で行うため、遊技者は、RTゲームに移行してからRTゲームが終了するまでの間に、約50枚のメダルの増加を期待することができる。
払出判定処理の説明に戻り、所定有効ライン上の図柄の組合せが入賞成立となるか否かを判定した後、ステップS1414では全ての有効ラインについて払出判定が終了したか否かを判別し、終了していない場合にはステップS1401に戻る。つまり、本スロットマシン10では、メダルが3枚ベットされて有効ラインが5ライン設定されている場合、各有効ラインについて入賞が成立しているか否かを順次判定する。
例えば、左リール42Lの「チェリー」図柄が上段に停止した場合、上ラインに関するステップS1401〜ステップS1408の処理にて払出予定数として2がセットされ、右下がりラインに関するステップS1401〜ステップS1408の処理にて払出予定数として再度2がセットされる。この結果、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合には、払出予定数として4がセットされることとなり、後述するメダル払出処理にて4枚のメダル払出が行われる。
全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、ステップS1415にて判定終了処理を行った後、本処理を終了する。払出判定処理では、BB当選フラグ以外の小役及び再遊技当選フラグをリセットする処理を行う。また、チャレンジ演出を行った場合には終了コマンドをセットする処理を行う。ここで、終了コマンドとは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、チャレンジ演出を終了させるべくスピーカ14や補助表示部15等の駆動制御を行う。なお、終了コマンドの表示制御装置111への送信は、先述したタイマ割込み処理中のコマンド処理S210(図11参照)にて行われる。
次に、ステップS605のメダル払出処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1501にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1502にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1503,S1505にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1506では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1502にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1504にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1505ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1506にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1506にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1501に戻る。ステップS1501で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1507にて現在の遊技状態がボーナスゲーム(BBゲーム)か否かを判定する。現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1508にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1506の表示部変更処理にて行ってもよい。その後又は現在の遊技状態がボーナスゲームでない場合には、ステップS1509にて払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする払出終了処理を行う。
ステップS1509にて払出終了処理を行った後、ステップS1510では現在の遊技状態がRTゲームか否かをRT設定フラグの有無に基づいて判定し、RTゲームでない場合にはそのまま本処理を終了する。現在の遊技状態がRTゲームである場合には、ステップS1511にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされている場合には、RTゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1512にてRT設定フラグをクリアすると共に残RTゲームカウンタの値をリセットするRTゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS1511にてBB当選フラグがセットされていない場合には、RTゲームを1ゲーム消化したことを意味するため、ステップS1513にて残RTゲームカウンタの値を1減算する。続くステップS1514では、残RTゲームカウンタの値が0になったか否かを判定し、0になっていない場合にはそのまま本処理を終了する。また、残RTゲームカウンタの値が0の場合には、RTゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1512にて上述したRTゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、ステップS606のボーナスゲーム処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。RBゲームでJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS1601にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS1602〜ステップS1605に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS1602にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1603に進み、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS1604においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400をセットすると共に、残獲得枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS1605ではRB開始処理を行い、その後本処理を終了する。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。
ステップS1601で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS1606に進み、JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否かを判定する。JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したときには、ステップS1607にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1606にてJAC図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1608にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1609では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1610にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS1611では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1612に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS1609において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1613に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1614〜ステップS1615に示すボーナスゲーム終了処理を行う。ボーナスゲーム終了処理では、先ずステップS1614において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1615にてBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行い、本処理を終了する。また、前記ステップS1611にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1615にてBB終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、本実施の形態では、各リール42L,42M,42Rに付された図柄の配列順序に特徴を有するので、その特徴部分について図7を参照しながら説明する。
左リール42Lには、ベルと対応付けられた「ベル」図柄と、再遊技と対応付けられた「リプレイ」図柄が、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。例えば、3番の「ベル」図柄と6番の「ベル」図柄との間は2図柄離れるようにして、14番の「ベル」図柄と19番の「ベル」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。同様に、4番の「リプレイ」図柄と7番の「リプレイ」図柄との間は2図柄離れるようにして、15番の「リプレイ」図柄と20番の「リプレイ」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。このように、「ベル」図柄と「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。左リール42Lは、左ストップスイッチ72の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又は再遊技当選フラグがセットされていれば対応する図柄を任意の有効ライン上に停止させることができる。具体的には、ベル当選フラグがセットされている状況下で15番の「リプレイ」図柄が下段に到達するタイミング、すなわち「ベル」図柄が有効ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合であっても、左リール42Lを2図柄分滑らせた後に停止させれば19番の「ベル」図柄を上段に停止させることができ、3図柄分滑らせた後に停止させれば19番の「ベル」図柄を中段に停止させることができ、4図柄分滑らせた後に停止させれば19番の「ベル」図柄を下段に停止させることができる。
「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、中リール42Mと右リール42Rにも同様の位置関係で配置されている。つまり、これら図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。したがって、ベル又は再遊技に当選した場合には、各ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、対応する入賞を成立させることができる。
一方、左リール42Lには、スイカと対応付けられた「スイカ」図柄が5番の位置に1つだけ配置されている。従って、「スイカ」図柄が下段に到達してから次に下段に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、同一の「スイカ」図柄すなわち5番の「スイカ」図柄が再度下段に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「スイカ」図柄が下段を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「スイカ」図柄を下段に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「ベル」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって4番の「リプレイ」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、1番の「チェリー」図柄が前記有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。なお、下段に「スイカ」図柄を停止させるためには、1番の「チェリー」図柄が下段に到達してから5番の「スイカ」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されなければならないが、上段,中段,下段の3位置に有効ラインが設定される構成においては、20番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ72が操作されたとしても、5番の「スイカ」図柄を上段に停止させることができる。つまり、「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから5番の「スイカ」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作すればよい。
スイカと対応付けられた「スイカ」図柄は、中リール42Mと右リール42Rにもそれぞれ1つだけ配置されている。したがって、各リール42L,42M,42Rには、所定のタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に限って「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「スイカ」図柄の非配置区間が形成されていると言える。中リール42Mの「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、18番の「BAR」図柄が前記有効ライン上に到達してから1番の「スイカ」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。また、右リール42Rの「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、5番の「チェリー」図柄が前記有効ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。故に、スイカに当選した場合には、上述した各タイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作しなければスイカ入賞を成立させることができない。
左リール42Lと中リール42Mの「スイカ」図柄は、スイカのみならず特殊役1及び特殊役2とも対応付けられている。そして、右リール42Rには、特殊役1と対応付けられた「BAR」図柄が10番の位置に1つだけ配置されており、特殊役2と対応付けられた「7」図柄が8番の位置に1つだけ配置されている。したがって、右リール42Rには、所定のタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合に限って「BAR」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「BAR」図柄の非配置区間が形成されていると言え、同様に、所定のタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合に限って「7」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「7」図柄の非配置区間が形成されていると言える。「BAR」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、6番の「ベル」図柄が前記有効ライン上に到達してから10番の「BAR」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。また、「7」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、4番の「青年」図柄が前記有効ライン上に到達してから8番の「7」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。このように、特殊役1又は特殊役2に当選した場合には、上述した各タイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作しなければ対応する特殊役入賞を成立させることができない。
また、右リール42Rの「BAR」図柄と「7」図柄は、1図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、右リール42Rの「BAR」図柄と「7」図柄は、3図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、各特殊役に対応できる位置を設定するための工夫である。例えば、チャレンジ演出下において特殊役1図柄及び特殊役2図柄たる左リール42Lと中リール42Mの「スイカ」図柄が下ライン上に並んで停止した場合、6番の「ベル」図柄が下段に到達してから8番の「7」図柄が下段に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作すれば、当選した特殊役と対応する特殊役入賞を成立させることができ、取りこぼしの発生を回避することができる。さらにいうと、スイカと対応付けられた右リール42Rの「スイカ」図柄は、「BAR」図柄と「7」図柄に挟まれるようにして配置されている。したがって、6番の「ベル」図柄が下段に到達してから8番の「7」図柄が下段に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作すれば、特殊役に当選した場合のみならず他の小役や再遊技に当選した場合にも取りこぼしの発生を回避することができる。
左リール42Lには、チェリーと対応付けられた「チェリー」図柄が1番の位置に1つだけ配置されている。つまり、「スイカ」図柄と同様、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「チェリー」図柄の非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、18番の「青年」図柄が前記有効ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
左リール42Lの「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、3図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、左リール42Lの「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、5図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、小役入賞及び再遊技入賞の全てに対応できる位置を設定するための工夫であり、左ストップスイッチ72の操作タイミングをより限定するための工夫でもある。換言すれば、1番の「チェリー」図柄から5番の「スイカ」図柄までの間に、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を所定の有効ライン上に到達させることができる区間を形成したとも言える。また、かかる構成においては、上段,中段,下段の3位置に有効ラインが設定され、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のうち一方の図柄がいずれかの有効ライン上に停止した場合、他方の図柄はいずれの有効ライン上にも停止しない。従って、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避できる。この結果、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131に記憶させておくデータ量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上のいずれかに停止する図柄配列とした場合、第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合に、役の複合が発生しないよう例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、複数のスベリテーブルを予め用意する必要が生じるからである。また、停止位置を限定する制御を行った場合、ストップスイッチを操作するタイミングがより限定されることとなるため取りこぼしの発生頻度が高まることとなるが、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄が同時にいずれかの有効ライン上に停止しない図柄配列とすることにより、取りこぼしの発生頻度を低下させることが可能となる。さらにいうと、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄が表示窓31Lから同時に視認可能とならないよう、これら図柄を離間して配置したとも言える。
中リール42Mの場合、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄のうち所定のタイミングで中ストップスイッチ73を操作する必要のある図柄は、特殊役1,特殊役2及びスイカと対応付けられた「スイカ」図柄のみである。従って、「スイカ」図柄が所定の有効ライン上に到達するタイミングで中ストップスイッチ73を操作すれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を前記有効ライン上に到達させることができる。すなわち、18番の「BAR」図柄が所定の有効ライン上に到達してから1番の「スイカ」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作すれば、小役のいずれか又は再遊技に当選した場合に、当選した役と対応付けられた図柄を前記有効ライン上に停止させることができる。但し、上段,中段,下段の3位置に有効ラインが設定され、いずれかの有効ライン上に小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を停止させるのであれば、16番の「ベル」図柄が下段に到達してから1番の「スイカ」図柄が下段に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作すればよい。
左リール42Lには、RT1図柄及びRT2図柄としての「白ナス」図柄が12番の位置に1つだけ配置されている。つまり、「スイカ」図柄や「チェリー」図柄と同様、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「白ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「白ナス」図柄の非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「白ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、8番の「BAR」図柄が前記有効ライン上に到達してから12番の「白ナス」図柄が前記有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。また、「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、6番の「ベル」図柄が下段に到達してから12番の「白ナス」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
一方、左リール42Lの「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから5番の「スイカ」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。したがって、「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「白ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。つまり、特殊役入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合にはRT入賞が成立せず、RT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には特殊役入賞が成立しない。「白ナス」図柄は、5番の「スイカ」図柄に対して上流側に6図柄分離れると共に下流側に13図柄分離れているからである。換言すれば、RT1図柄及びRT2図柄としての「ナス」図柄と、特殊役1図柄及び特殊役2図柄としての「スイカ」図柄は、一方の図柄を有効ライン上に到達させるよう狙って左ストップスイッチ72が操作された場合に他方の図柄が有効ライン上に到達しないよう離間して配置されているとも言える。
また、左リール42Lの「チェリー」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、16番の「7」図柄が下段に到達してから1番の「チェリー」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。したがって、「チェリー」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「白ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「チェリー」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。つまり、チェリー入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合にはRT入賞が成立せず、RT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合にはチェリー入賞が成立しない。「ナス」図柄は、1番の「チェリー」図柄に対して上流側に10図柄分離れると共に下流側に9図柄分離れているからである。
さらには、左リール42Lの小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから1番の「チェリー」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。したがって、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「白ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、小役入賞となる図柄のうち「チェリー」図柄と「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。つまり、小役入賞及び再遊技入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合にはRT入賞が成立せず、RT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合にはスイカ入賞と特殊役入賞、チェリー入賞が成立しない。
中リール42Mには、RT1図柄としての「黒ナス」図柄が15番の位置に1つだけ配置されており、RT2図柄としての「白ナス」図柄が8番の位置に1つだけ配置されている。したがって、中リール42Mには、所定のタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合に限って「黒ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「黒ナス」図柄の非配置区間が形成されていると言え、同様に、所定のタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合に限って「白ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「白ナス」図柄の非配置区間が形成されていると言える。「黒ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、9番の「チェリー」図柄が下段に到達してから15番の「黒ナス」図柄が下段に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。また、「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、2番の「チェリー」図柄が下段に到達してから8番の「白ナス」図柄が下段に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。したがって、「黒ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73を操作した場合には「白ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73を操作した場合には「黒ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない。つまり、RT1入賞を成立させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合にはRT2入賞が成立せず、RT2入賞を成立させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合にはRT1入賞が成立しない。15番の「黒ナス」図柄は、8番の「白ナス」図柄に対して上流側に6図柄分離れると共に下流側に13図柄分離れているからである。換言すれば、RT1図柄としての「黒ナス」図柄と、RT2図柄としての「白ナス」図柄は、一方の図柄を有効ライン上に到達させるよう狙って中ストップスイッチ73が操作された場合に他方の図柄が有効ライン上に到達しないよう離間して配置されているとも言える。
一方、中リール42Mの「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、16番の「ベル」図柄が下段に到達してから1番の「スイカ」図柄が下段に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。したがって、「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には、「黒ナス」図柄と「白ナス」図柄が共にいずれの有効ライン上にも到達しない。逆に「黒ナス」図柄と「白ナス」図柄の一方をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には、「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない。つまり、特殊役入賞を成立させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合にはRT1入賞とRT2入賞のいずれも成立せず、RT1入賞とRT2入賞の一方を成立させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には特殊役入賞が成立しない。15番の「黒ナス」図柄は、1番の「スイカ」図柄に対して上流側に13図柄分離れると共に下流側に6図柄分離れており、8番の「白ナス」図柄は、1番の「スイカ」図柄に対して上流側に6図柄分離れると共に下流側に13図柄分離れているからである。
さらにいうと、0番又は1番の図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73を操作すると「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることができ、2番から8番の図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73を操作すると「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることができ、9番から15番の図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73を操作すると「黒ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることができ、16番から20番の図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73を操作すると「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることができる。したがって、中リール42Mには、特殊役図柄を有効ライン上に停止させることが可能な区間と、RT1図柄を有効ライン上に停止させることが可能な区間と、RT2図柄を有効ライン上に停止させることが可能な区間と、がそれぞれ重ならないようにして形成されているとも言える。また、中リール42Mの小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に到達させるためには、「スイカ」図柄がいずれかの有効ライン上に到達するように中ストップスイッチ73を操作すればよい。したがって、小役入賞及び再遊技入賞を成立させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合にはRT1入賞とRT2入賞が共に成立せず、RT1入賞とRT2入賞の一方を成立させるべく中ストップスイッチ72を操作した場合にはスイカ入賞と特殊役入賞が成立しない。
右リール42Rには、RT1図柄及びRT2図柄としての「白ナス」図柄が17番の位置に1つだけ配置されている。つまり、所定のタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合に限って「白ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させることができるよう、「白ナス」図柄の非配置区間を形成したとも言える。「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、11番の「ベル」図柄が下段に到達してから17番の「白ナス」図柄が下段に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。
一方、右リール42Rの特殊役1図柄たる「BAR」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、4番の「青年」図柄が下段に到達してから10番の「BAR」図柄が下段に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要があり、右リール42Rの特殊役2図柄たる「7」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、2番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから8番の「7」図柄が下段に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。さらに、特殊役1図柄と特殊役2図柄を共にいずれかの有効ライン上に到達させるためには、4番の「青年」図柄が下段に到達してから8番の「7」図柄が下段に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。したがって、「BAR」図柄と「7」図柄の少なくとも一方をいずれかの有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には、「白ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には、「BAR」図柄と「7」図柄が共にいずれの有効ライン上にも停止しない。つまり、特殊役入賞を成立させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合にはRT入賞が成立せず、RT入賞を成立させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には特殊役入賞が成立しない。「白ナス」図柄は、10番の「BAR」図柄に対して上流側に6図柄分離れると共に下流側に13図柄分離れており、8番の「7」図柄に対して上流側に8図柄分離れると共に下流側に11図柄分離れているからである。換言すれば、RT1図柄及びRT2図柄としての「白ナス」図柄と、特殊役1図柄としての「BAR」図柄は、一方の図柄を有効ライン上に到達させるよう狙って左ストップスイッチ72が操作された場合に他方の図柄が有効ライン上に到達しないよう離間して配置されており、RT1図柄及びRT2図柄としての「白ナス」図柄と、特殊役2図柄としての「7」図柄は、一方の図柄を有効ライン上に到達させるよう狙って左ストップスイッチ72が操作された場合に他方の図柄が有効ライン上に到達しないよう離間して配置されているとも言える。
以上のとおり、小役のいずれか又は再遊技に当選した場合に取りこぼしが発生しないよう各ストップスイッチ72〜74を操作した場合にはRT1入賞とRT2入賞を共に成立させることができず、RT1入賞とRT2入賞の一方を成立させることが可能なように各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には小役入賞のいずれか(チェリー入賞、スイカ入賞、特殊役入賞)を取りこぼすこととなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特殊役に当選した場合、特殊役図柄の組合せが有効ライン上に停止すれば特殊役入賞成立としてメダルの払出が行われ、RT図柄が有効ライン上に並んで停止すればRT入賞成立として遊技状態がRTゲームに移行する。このように、1つの役に当選した場合であっても各リール42L,42M,42Rの停止結果によって付与される特典が変化する構成とすることにより、役の抽選結果に基づいて各リール42L,42M,42Rの停止制御を行うスロットマシン10において、各リール42L,42M,42Rの停止結果を多様化させることが可能となる。役の当否と各リール42L,42M,42Rの停止結果が一義的に対応していないからである。故に、繰り返し行われる遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
特殊役に当選した場合に有利度合いの異なる特典が付与され得る構成とすることにより、遊技者にいずれの特典付与を受けるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するのかを選択させることが可能となり、遊技に積極参加できるというスロットマシンの特徴が繰り返し行われる遊技の中で希薄化することを抑制することができる。また、一方の特典をメダル払出が行われる特典、他方の特典をメダル払出が行われることなく遊技状態が移行される特典とすることにより、付与される特典に明確な差異を設けることが可能となる。故に、いずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかの選択を遊技者により促すことが可能となると共に、RT図柄を有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作する意欲を駆り立たせることが可能となる。
ここで、メダルが3枚ベットされて5本の組合せライン全てが有効ラインとなった場合の、特殊役入賞とRT入賞の有利度合いの差について説明する。特殊役入賞が成立した場合には15枚のメダル払出が行われ、RT入賞が成立した場合にはメダル払出が行われないもののRTゲームに移行する。RTゲームに移行すると、このRTゲームが終了するまでの間に約50枚のメダルの増加を期待することができる。したがって、特殊役当選となった場合には、特殊役入賞を成立させるよりRT入賞を成立させた方が遊技者にとって有利度合いが大きいと言える。また、通常ゲーム下では約1.4分の1の確率でいずれの役にも当選しないゲームが発生する一方、RTゲーム下では約65536分の1でしかいずれの役にも当選しないゲームが発生しない。したがって、特殊役入賞が成立してから30回のゲームを行った場合には遊技者の所有するメダルが減少する可能性が高い一方、RT入賞が成立してから30回のゲームを行った場合にはRTゲームのためにメダルが約50枚増加する可能性が高い。この点からも、特殊役当選となった場合には、特殊役入賞を成立させるよりRT入賞を成立させた方が遊技者にとって有利度合いが大きいと言える。
ところで、遊技者は、自己の所有するメダルが増加することを期待しながら遊技を行うことが一般的である。このため、特殊役当選の際には特殊役入賞よりRT入賞の成立を期待して遊技を行うものと考えられる。ところが、特殊役として特殊役1と特殊役2が設定されており、所定タイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作すれば当選した特殊役と対応する特殊役入賞を成立させることができるように特殊役1図柄と特殊役2図柄が各リール42L,42M,42Rに配置される一方、RT1図柄としての「黒ナス」図柄とRT2図柄としての「白ナス」図柄は一方の図柄しか狙うことができないよう離間して中リール42Mに配置されている。したがって、当選した特殊役と対応するRT図柄を狙って中ストップスイッチ73を操作しなければRT入賞が成立しない構成となっている。つまり、特殊役入賞を成立させる場合には各ストップスイッチ72〜74を所定タイミングで操作すれば良い一方、RT入賞を成立させるためにはいずれの特殊役に当選したのかを考慮しなければならない。故に、RT入賞を成立させるためには図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する技量に加えていずれの特殊役に当選したかに正解するという遊技者の運の要素が加わることとなる。以上の結果、運とは無関係に自己の技量次第で入賞を成立させることができる特殊役入賞と、自己の技量に加えて運が必要となるRT入賞のいずれを成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者に状況等に応じて選択させることが可能となり、遊技の単調化を好適に抑制することができる。例えば、自己の所有するメダルが残り少ない状況下で確実にメダルを獲得したい場合であれば特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を所定タイミングで操作し、多くのメダルを有する状況下でさらなるメダルの獲得を目指すのであればRT1入賞又はRT2入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するというように、遊技者がその時の状況に応じていずれの入賞成立を目指すのかを選択することができる。
特殊役入賞を成立させた場合には15枚のメダル払出が行われる特典を付与し、RT入賞を成立させた場合にはメダル払出が行われることなくRTゲームに移行される特典を付与する構成とした。かかる構成においては、例えば閉店等の事情によりその後の遊技を行う時間が残されていない状況の場合、RT入賞を成立させるとメダル払出が行われない一方、特殊役入賞を成立させると15枚のメダル払出を受けることができる。一方、30ゲームの遊技を行う時間が残されている状況の場合、特殊役入賞を成立させると15枚のメダル払出しか行われない一方、RT入賞を成立させると約50枚のメダル払出を期待することができる。つまり、特殊役入賞を成立させた場合には、RT入賞を成立させた場合と比して短時間で少ないメダルを獲得することができ、RT入賞を成立させた場合には、特殊役入賞を成立させた場合と比して長時間を要するものの多くのメダルを獲得することができる。かかる構成とすることにより、遊技可能な遊技時間に応じた選択を遊技者にさせることが可能となり、遊技可能な遊技時間の長短を問わず遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。
各リール42L,42M,42Rには、特殊役1図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合にはRT2図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、RT2図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合には特殊役1図柄がいずれの有効ライン上にも到達しないよう、特殊役1図柄とRT2図柄を離間して配置し、特殊役2図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合にはRT1図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、RT1図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合には特殊役2図柄がいずれの有効ライン上にも到達しないように特殊役2図柄とRT1図柄を離間して配置した。したがって、チャレンジ演出が開始された状況下において、RT1入賞と特殊役2入賞のいずれかが成立するように、或いはRT2入賞と特殊役1入賞のいずれかが成立するように各ストップスイッチ72〜74を操作することはできない。つまり、RT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、当選した特殊役と対応付けられたRT図柄(具体的には中リール42Mの「白ナス」図柄又は「黒ナス」図柄)を狙わなければ取りこぼしが発生することとなる。故に、特殊役入賞とRT入賞のいずれを成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者に明確に選択させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
左リール42Lと右リール42Rでは、「白ナス」図柄をRT1図柄及びRT2図柄として対応付けることにより、中リール42Mを停止させるまでRT入賞が成立することに対する期待感を持続させることが可能となる。故に、遊技の単調化を好適に抑制することができる。また、左リール42Lと右リール42RにもRT1図柄として「黒ナス」図柄を配置した場合と比して、これらリール42L,42Rに関する図柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。さらに、かかる構成においては、左リール42Lと右リール42Rに関して、RT1入賞用スベリテーブルとRT2入賞用スベリテーブルの共用化を図ることが可能となる。故に、予め用意するスベリテーブル数の削減を図ることが可能となり、主制御装置131の記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。
左リール42Lと中リール42Mでは、「スイカ」図柄を特殊役1図柄及び特殊役2図柄として対応付けることにより、RT入賞より有利度合いの小さな特典が付与される特殊役入賞を成立させることを選択したにも関わらず取りこぼしが発生してしまう機会を低減させることが可能となる。特殊役1図柄と特殊役2図柄を異なる図柄と対応付けた場合、特殊役1図柄と特殊役2図柄を共に有効ライン上に到達させることが可能なタイミングは、特殊役1図柄と特殊役2図柄が離れるにつれて限定されていくこととなるからである。特に、RT1図柄とRT2図柄を異なる図柄と対応付けた中リール42Mにおいて、特殊役1図柄と特殊役2図柄を同じ図柄と対応付けることにより、図柄配列の設計自由度が低下することを好適に抑制することが可能となる。特殊役図柄同士の位置関係、特殊役図柄とRT図柄の位置関係、RT図柄同士の位置関係等を考慮して各図柄を配置した場合、これら図柄を配置可能な位置は自ずと限られたものになってしまうからである。さらに、左リール42Lと中リール42Mについては、特殊役1入賞用スベリテーブルと特殊役2入賞用スベリテーブルの共用化に加えてスイカ入賞用スベリテーブルとの共用化を図ることが可能となる。故に、予め用意するスベリテーブル数の削減を図ることが可能となり、主制御装置131の記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。
各リール42L,42M,42Rには、特殊役1図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合にはRT1図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、RT1図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合には特殊役1図柄がいずれの有効ライン上にも到達しないよう、特殊役1図柄とRT1図柄を離間して配置し、特殊役2図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合にはRT2図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、RT2図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合には特殊役2図柄がいずれの有効ライン上にも到達しないように特殊役2図柄とRT2図柄を離間して配置した。かかる図柄配列とすることにより、特殊役1入賞用スベリテーブルとRT1入賞用スベリテーブルの共用化や、特殊役2入賞用スベリテーブルとRT2入賞用スベリテーブルの共用化を図ることが可能となる。例えば、特殊役1図柄を優先的に有効ライン上に停止させるスベリテーブルとRT1図柄を優先的に有効ライン上に停止させるスベリテーブルを個別に用意せずとも、1つのスベリテーブルにて特殊役1図柄とRT1図柄の一方を有効ライン上に停止させるように設定することができるからである。故に、主制御装置131の記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。つまり、かかる図柄配列とすることにより、各リール42L,42M,42Rの停止制御を複雑化させることなく、遊技の単調化を抑制することができる。
RT図柄と特殊役図柄を6図柄分以上離間させて各リール42L,42M,42Rに配置することにより、ストップスイッチを操作されたタイミングからリールを最大4図柄分滑らせた後に停止させることが可能であって、上段,中段,下段の3位置に有効ラインが設定されるスロットマシン10において、RT図柄と特殊役図柄の一方をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作された場合に他方の図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない構成とすることができる。故に、特殊役入賞とRT入賞のいずれを成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するのかをより明確に遊技者に選択させることが可能となり、遊技の単調化を好適に抑制することができる。また、比較的簡単な構成でリールの停止制御を行うことが可能となる。
ここで、左リール42Lの図柄配列を、RT図柄と特殊役図柄を共にいずれかの有効ライン上に到達させることが可能な図柄配列とした構成を考えてみる。かかる構成とした場合、RT図柄を優先的に有効ライン上に停止させるスベリテーブルと特殊役図柄を優先的に有効ライン上に停止させるスベリテーブルとを予め用意しておく必要があり、スベリテーブルの増加に伴ってスロットマシン10の記憶容量が増大化することとなる。例えば中リール42Mと右リール42RのRT図柄が有効ライン上に並んで停止している場合には左リール42LのRT図柄を前記有効ライン上に優先して停止させる必要があり、中リール42Mと右リール42Rの特殊役図柄が有効ライン上に並んで停止している場合には左リール42Lの特殊役図柄をその有効ライン上に優先して停止させる必要があるからである。また、左ストップスイッチ72を最初に操作された場合にいずれの図柄を優先的に有効ライン上に停止させるのかも考慮する必要があり、常に一方の図柄を優先させる構成とした場合には他方の入賞成立となる機会が著しく減少することとなる。これでは特殊役当選時に特殊役入賞とRT入賞の成立する可能性を持たせた意味が損なわれてしまうため、特殊役図柄優先のスベリテーブルとRT図柄優先のスベリテーブルのいずれか一方をスベリテーブル設定処理時に選択する構成とした場合、前記処理が複雑化することとなる。以上の結果、上記構成とした場合には記憶容量の増大化や左リール42Lの停止制御の複雑化が懸念されることとなる。つまり、少なくとも1つのリールの図柄配列を、RT図柄と特殊役図柄を共にいずれかの有効ライン上に到達させることが可能な図柄配列とした場合、記憶容量の増大化やリール停止制御の複雑化が懸念されることとなる。
特殊役に当選した場合、当該結果を教示するチャレンジ演出が行われる。かかる構成とすることにより、特殊役に当選した場合に特殊役入賞とRT入賞のいずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するのかを選択した上で実際の操作に臨むよう遊技者を促すことが可能となり、遊技の単調化を抑制することができる。また、特殊役1と特殊役2のいずれに当選したのかは報知しない構成とすることにより、RT入賞を成立させる場合にRT1入賞とRT2入賞のいずれを成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作すればよいのかを考慮させることが可能となる。故に、遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。さらにいうと、複数の特殊役を設定すると共に当選した特殊役を正解させなければRT入賞を成立させることができないという特徴的構成を折角用意したにも関わらずかかる構成が無駄なものとなってしまうことを回避することが可能となる。仮にいずれの特殊役に当選したのかを教示する構成とした場合、対応する特殊役入賞とRT入賞のいずれを成立させるかを選択するのみとなり、より多くのメダルを獲得することを期待する遊技者は、ほぼRT入賞を成立させることを選択するものと考えられるからである。
特殊役当選フラグを判定終了処理にてリセットする構成とした。つまり、入賞が成立するまで有効とされるBB当選と異なり、特殊役当選は特殊役入賞やRT入賞の成立有無に関わらずそのゲームが終了すると無効とされる。かかる構成とすることにより、取りこぼしを回避するためには特殊役当選となったゲームで特殊役入賞又はRT入賞を成立させる必要が生じ、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。仮に、BBと同様、特殊役入賞又はRT入賞のいずれかが成立するまで特殊役当選が有効とされる構成とした場合、一般の遊技者であればRT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作すると考えられ、特殊役入賞の価値が希薄化してしまう可能性が生じる。かかる一方、特殊役当選がそのゲーム限りで無効とされる構成においては、いずれかの入賞が成立するか、いずれの入賞も成立することなく特殊役当選が無効とされることとなる。故に、特殊役当選となったゲームにおいて、いずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者により慎重に選択させることが可能となり、遊技に積極参加している印象が希薄化することを抑制することが可能となる。
特殊役に当選した場合に特殊役入賞とRT入賞を成立させることが可能な構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。確かに、判定役としてRT役を設定し、特殊役当選となった場合にRT役の当否判定を重ねて行う構成としても、1回のゲームにおいて特殊役入賞とRT入賞を成立させることが可能な状況を作り出すことが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、役の当否判定を繰り返し行う必要が生じ、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することとなる。一方、RT役を設定することなく特殊役に当選すれば特殊役入賞とRT入賞を成立させることが可能な本スロットマシン10の場合、1回の役の当否判定で特殊役入賞とRT入賞を成立させることが可能な状況となるため、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。
RT1入賞が成立した場合とRT2入賞が成立した場合とで同じRTゲームに移行する構成とした。つまり、RT1入賞を成立させた場合とRT2入賞を成立させた場合で有利度合いの等しい特典が付与される構成とした。かかる構成とすることにより、RT1入賞とRT2入賞の有利度合いの差異を考慮させることなく、いずれの特殊役に当選したのかを推測させながら中ストップスイッチ73を操作させることが可能となる。この結果、いずれの特殊役に当選したのかを推測させるという遊技性を好適に楽しませることが可能となる。仮にRT1入賞とRT2入賞で有利度合いの異なる特典が付与される構成とした場合、より多くのメダルを獲得すべくRT入賞を成立させることを選択した遊技者は、有利度合いが大きい方のRT入賞が成立するように中ストップスイッチ73を操作するものと考えられるからである。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1の実施の形態では、左リール42Lと中リール42Mの「スイカ」図柄を特殊役1図柄及び特殊役2図柄として対応付ける一方、右リール42Rについては特殊役図柄として異なる図柄を対応付ける構成としたが、全てのリール42L,42M,42Rについて異なる図柄を各特殊役と対応付ける構成としてもよい。例えば、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「7」図柄と有効ライン上に並んで停止した場合には特殊役1入賞成立となり、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄と有効ライン上に並んで停止した場合には特殊役2入賞成立となる構成とする。但し、かかる構成とした場合には各特殊役と対応したスベリテーブルを個別に用意する必要が生じるため、記憶容量の増大化が懸念される。
また、当否判定を行う役として特殊役1及び特殊役2を有する一方、全リール42L,42M,42Rにおいて同じ図柄を各特殊役と対応付ける構成としてもよい。すなわち、特殊役のいずれに当選した場合であっても、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「7」図柄と有効ライン上に並んで停止した場合に特殊役入賞が成立する構成とする。かかる構成とした場合には、いずれの特殊役に当選した場合であっても同じスベリテーブルを用いることができるため、予め用意するスベリテーブル数の削減を図ることができ、記憶容量の増大化を抑制することができる。
(b)上記第1の実施の形態では、左リール42Lと右リール42Rの「白ナス」図柄をRT1図柄及びRT2図柄として対応付ける一方、中リール42Mについては「黒ナス」図柄をRT1図柄として対応付けると共に「白ナス」図柄をRT2図柄として対応付ける構成とした。つまり、左リール42Lと右リール42RではRT1図柄と同じ図柄をRT2図柄として対応付けると共に中リール42MではRT1図柄と異なる図柄をRT2図柄として対応付ける構成としたが、少なくとも1つのリールにおいてRT1図柄と異なる図柄をRT2図柄として対応付ける構成であればよい。したがって、全リール42L,42M,42RにおいてRT1図柄と異なる図柄をRT2図柄として対応付ける構成としてもよいし、中リール42Mと右リール42RにおいてRT1図柄と異なる図柄をRT2図柄として対応付ける構成としてもよい。前者の構成においては全リール42L,42M,42Rが規定周回体に相当し、後者の構成においては中リール42Mと右リール42Rが規定周回体に相当する。
(c)上記第1の実施の形態では、いずれの特殊役入賞が成立した場合であっても15枚のメダル払出が行われる構成とすると共に、いずれのRT入賞が成立した場合であっても遊技状態がRTゲームに移行する構成とした。つまり、特殊役入賞が成立した場合とRT入賞が成立した場合の間に有利度合いの差異を設け、特殊役入賞間とRT入賞間には有利度合いの差異を設けない構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、特殊役入賞間やRT入賞間にも有利度合いの差異を設ける構成としてもよい。例えば、チェリーに当選した場合、4枚のメダル払出が行われるチェリー入賞と、10ゲームのRTゲームに移行するRT1入賞のいずれかを成立させることが可能な構成とすると共に、スイカに当選した場合、15枚のメダル払出が行われるスイカ入賞と、30ゲームのRTゲームに移行するRT2入賞のいずれかを成立させることが可能な構成とする。かかる構成においては、チェリー入賞とスイカ入賞のいずれが成立するかによってメダル払出数が異なることとなり、RT1入賞とRT2入賞のいずれが成立するかによってRTゲームの長さが異なることとなる。
但し、少なくともRT入賞間には有利度合いの差異を設けないことが望ましい。より多くの遊技媒体を獲得したい遊技者であれば、チャレンジ演出が開始された場合に有利度合いが大きい方のRT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するものと考えられ、いずれの特殊役に当選したのかを推測させるという特徴的な遊技性が希薄化する可能性が懸念されるからである。
(d)上記第1の実施の形態では、各リール42L,42M,42Rの図柄配列を、所定のタイミングでストップスイッチ72〜74を操作しなければ特殊役図柄が有効ライン上に停止しないのみならずRT図柄も有効ライン上に停止しない図柄配列としたが、かかる構成に限定されるものではなく、所定のタイミングでストップスイッチ72〜74を操作しなければ特殊役図柄が有効ライン上に停止しない構成であればよい。例えば、左リール42Lには、特殊役1図柄及び特殊役2図柄としての「スイカ」図柄を5番の位置に1つだけ配置する一方、RT1図柄及びRT2図柄としての「白ナス」図柄をその図柄間隔が4図柄以下となるように配置する構成とする。かかる構成の場合には、「スイカ」図柄を有効ライン上に到達させることが不可能なタイミング、すなわち20番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから5番の「スイカ」図柄が下段に到達するまで以外のタイミングで左ストップスイッチ72を操作された場合に「白ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させる構成とすれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(e)上記第1の実施の形態では、特殊役図柄とRT図柄が6図柄分以上離れるようにして各リール42L,42M,42Rに配置する構成としたが、有効ラインが1ラインのみしか設定されないスロットマシンにおいては、特殊役図柄とRT図柄が4図柄以上離れる構成とすればよい。また、表示窓31L〜31Rから視認可能な範囲に複数の有効ラインが設定される構成においては、特殊役図柄とRT図柄を、「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(各有効ラインの設定される可能性がある範囲に停止する1リールあたりの図柄数、すなわち有効位置設定手段が各有効位置を設定することが可能な位置に停止する1周回体あたりの絵柄数)−1」図柄分だけ離間させて配置する構成とすればよい。一方の図柄を狙ってストップスイッチが操作された場合に、他方の図柄がいずれかの有効ライン上に停止することを回避できるからである。具体的には、リールを最大4図柄分滑らせた後に停止させることが可能であって、上段,中段の2図柄分の範囲に各有効ラインを設定するスロットマシンの場合、特殊役図柄とRT図柄の間に他の図柄を5(=4+2−1)図柄以上配置すればよい。また、ストップスイッチが操作されたタイミングでそのまま停止する(リールが滑らない)構成であって、中段にのみ有効ラインを設定するスロットマシンの場合、特殊役図柄とRT図柄の間に他の図柄を0(=0+1−1)図柄以上配置すればよい。つまり、かかる構成においては特殊役図柄とRT図柄が隣接していてもよい。
なお、中リール42MにおけるRT1図柄とRT2図柄の関係についても同様である。
(f)上記第1の実施の形態では、特殊役図柄とRT図柄の間に「ベル」図柄等の他の図柄を配置することによって特殊役図柄とRT図柄を離間させる構成としたが、特殊役図柄とRT図柄の間に1図柄相当のブランク領域を所定数配置することによって特殊役図柄とRT図柄を離間させてもよい。例えば、左リール42Lの5番の位置に「スイカ」図柄を配置すると共に12番の位置に「白ナス」図柄を配置し、6番の位置から11番の位置までは図柄を非配置とする。かかる構成においても、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(g)上記第1の実施の形態では、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としたが、かかる構成を変更する。所定のタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合に有効ライン上に到達し得るよう、「チェリー」図柄を中リール42Mに配置し、中リール42Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成とする。或いは、所定のタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合に有効ライン上に到達し得るよう、「チェリー」図柄を右リール42Rに配置し、右リール42Rの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成とする。
(h)上記第1の実施の形態では、特殊役1図柄としての「BAR」図柄と特殊役2図柄としての「7」図柄を1図柄分だけ離間させて右リール42Rに配置したが、かかる構成に限定されるものではなく、隣接させて配置してもよいし、「BAR」図柄と「7」図柄を3図柄分だけ離間させて配置してもよい。つまり、リールの停止態様数と等しい数の図柄の範囲内に特殊役1図柄と特殊役2図柄を配置する構成であればよい。特殊役1図柄と特殊役2図柄を3図柄より少ない図柄数だけ離間させて配置する構成とすれば、取りこぼしを回避するストップスイッチの操作タイミングを緩和させることができる。例えば右リール42Rの10番の位置にRT1図柄としての「BAR」図柄を配置すると共に9番の位置にRT2図柄としての「7」図柄を配置する構成とした場合、6番図柄が所定の有効ライン上に到達してから10番の「BAR」図柄がこの有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作すれば、前記有効ライン上に当選した特殊役と対応する特殊役図柄を停止させることができる。
(i)上記第1の実施の形態では、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を3図柄分だけ離間させて左リール42Lに配置したが、かかる構成に限定されるものではなく、2図柄分だけ離間させて配置しても良いし、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を隣接配置させてもよい。つまり、リールの停止態様数と等しい数の図柄の範囲内に「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を配置する構成であればよい。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄を3図柄より少ない図柄数だけ離間させて配置する構成とすれば、取りこぼしを回避するストップスイッチの操作タイミングを緩和させることができる。例えば左リール42Lの4番の位置に「チェリー」図柄を配置すると共に5番の位置に「スイカ」図柄を配置する構成とした場合、1番図柄が所定の有効ライン上に到達してから4番の「チェリー」図柄がこの有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作すれば、所定の有効ライン上に小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を到達させることができる。
(j)上記第1の実施の形態では、各リール42L,42M,42Rに特殊役図柄とRT図柄をそれぞれ1つずつ配置する構成としたが、配置する数は任意である。但し、配置する数を多くすればその他の図柄を配置する際の制約や各図柄を配置可能な位置の制約が増加することとなり、図柄配列に関する設計自由度の低下が懸念されることとなる。
(k)上記第1の実施の形態では、BB当選フラグが持ち越されていなければ、特殊役当選時に常時チャレンジ演出を行う構成としたが、特殊役に当選した場合の所定確率(例えば2分の1)でチャレンジ演出を行う構成としてもよい。かかる構成とした場合には、チャレンジ演出が行われていない状況下であっても特殊役に当選してRT入賞成立となる可能性があるため、通常時の遊技が単調化することを抑制することができる。また、特殊役当選下でチャレンジ演出を行わなかった場合、全リール42L,42M,42Rの停止後に特殊役当選であったことを報知する構成とすれば、より通常時の遊技が単調化することを抑制することができる。
なお、特殊役当選下でチャレンジ演出が行われなかった場合にもRT入賞を成立させることが可能な構成においては、上記第1の実施の形態に示す図柄配列とすることが望ましい。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合にはRT図柄が有効ライン上に到達せず、RT図柄を有効ライン上に到達させることが可能なタイミングでストップスイッチ72〜74を操作された場合には小役入賞(より具体的にはチェリー入賞、スイカ入賞及び他の特殊役入賞)を取りこぼす図柄配列である。かかる図柄配列とすることにより、特殊役当選時に特殊役入賞とRT入賞が成立する可能性を持たせた意味が損なわれてしまうことを回避することが可能となる。仮にRT図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作された場合に小役入賞を取りこぼさない図柄配列とした場合、取りこぼしを発生させることなくRT入賞を成立させることができるため、特殊役入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作される機会が著しく減少すると考えられるからである。
(l)上記第1の実施の形態では、特殊役当選となった場合に15枚のメダル払出又はRTゲームへの移行のいずれかが特典として付与され得る構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、有利度合いの異なる特典が付与され得る構成であればよい。例えば、4枚のメダル払出又は15枚のメダル払出のいずれかが特典として付与され得る構成としてもよいし、入賞が成立してから10回のゲームが行われるまでRTゲームに移行する特典と、入賞が成立してから30回のゲームが行われるまでRTゲームに移行する特典のいずれかが付与され得る構成としてもよい。
(m)特殊役入賞が成立した場合とRT入賞が成立した場合で有利度合いの異なる遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、いずれの入賞が成立した場合であっても30回のゲームが行われるまで遊技状態が特別遊技状態に移行するものの、特別遊技状態における遊技者の有利度合いが異なる構成とする。以下に具体例を説明する。
特殊役入賞が成立した場合には、小役及びBBには通常ゲーム下と同じ確率で当選し、再遊技には約2.4分の1の確率で当選する第1RTゲームに移行し、RT入賞が成立した場合には、小役及びBBには通常ゲーム下と同じ確率で当選し、再遊技には約1.2分の1の確率で当選する第2RTゲームに移行する構成とする。かかる構成においては、再遊技当選確率の差異(いずれの役にも当選しない外れ確率の差異)により、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
特殊役入賞が成立した場合には、ベル当選確率が約7.0分の1から約2.0分の1に変更されると共にベル入賞成立時に5枚のメダル払出が行われる第1ベルゲームに移行し、RT入賞が成立した場合には、ベル当選確率が約7.0分の1から約2.0分の1に変更されると共にベル入賞成立時に10枚のメダル払出が行われる第2ベルゲームに移行する構成とする。かかる構成においては、ベル入賞成立時に払い出されるメダル数の差異により、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
特殊役入賞が成立した場合には、再遊技当選確率が約7.3分の1から約2.0分の1に変更される第1高確率ゲームに移行し、RT入賞が成立した場合には、ベル当選確率が約7.0分の1から約2.0分の1に変更される第2高確率ゲームに移行する構成とする。かかる構成においては、当選確率が高確率に変更される役の相違から各高確率ゲームにおいて期待できるメダルの増加数に差異を生じさせることが可能となり、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
なお、上述した各例を組み合わせて用いても良いことは言うまでもない。
(n)上記第1の実施の形態では、30回のゲームが行われた場合又はBBに当選した場合にRTゲームが終了する構成としたが、かかる構成に限定されるものはなく、RTゲームの終了条件は任意である。したがって、30回のゲームが行われた場合に限ってRTゲームが終了する構成としてもよいし、30回のゲームが行われた場合又はBB入賞が成立した場合にRTゲームが終了する構成としてもよい。
(o)上記第1の実施の形態では、RT入賞が成立するとBBに当選しなければ30回のゲームが行われるまでRTゲームが継続する構成としたが、50回のゲームが行われるまで継続する構成としてもよいし、BBに当選するまで継続する構成としてもよい。或いは、15回のゲームが行われるまで継続する構成としてもよい。なお、RTゲームに移行すると30回のゲームで約50枚のメダル払出を期待できるため、RTゲームでは1回のゲームあたり約1.7枚のメダル払出を期待できることとなる。したがって、特殊役入賞を成立させるよりRT入賞を成立させる方が遊技者の有利度合い(利益の大きさ)が大きい構成とするためには、RTゲームを10ゲーム以上継続させる構成とすればよい。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、特殊役に当選した場合、メダル払出が行われる特殊役入賞と、遊技状態が移行するRT入賞とを成立させることが可能な構成とし、当否判定を行う役としてRT役を設定しない構成としたが、前記特殊役に加えて、RT入賞のみを成立させることが可能なRT役を設定しても良いし、特殊役入賞のみを成立させることが可能な特殊専用役を設定しても良い。すなわち、第1入賞と第2入賞を成立させることが可能な特定役に加えて、一方の入賞のみを成立させることが可能な専用役を設定しても良い。
そこで、第2の実施形態では、メダル払出が行われる第2特殊役入賞と、遊技状態が小役ボーナス(以下、「KB」とも言う)ゲームに移行するKB入賞とを成立させることが可能なKB役に加えて、前記第2特殊役入賞のみを成立させることが可能な第2特殊役が設定された構成について説明する。なお、スロットマシン10の基本構成は上記第1の実施の形態と同じであるため、ここでは上記第1の実施の形態と相違する点を説明する。
図31には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに付された図柄配列が示されている。
図柄としては、第1の実施の形態と同様、「リプレイ」図柄(例えば、左リール42Lの20番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール42Lの19番目)、「青年」図柄(例えば、左リール42Lの18番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール42Lの17番目)、「ナス」図柄(例えば、左リール42Lの13番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール42Lの5番目)、「7」図柄(例えば、左リール42Lの4番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール42Lの3番目)、の8種類がある。但し、各リール42L,42M,42Rに付される各種図柄の数やその配置順序等は、上記第1の実施の形態と全く異なったものとなっている。
図32には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、ベル入賞と、スイカ入賞と、第2特殊役入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に「ベル」図柄が並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出、有効ライン上に「スイカ」図柄が並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる。また、有効ライン上に左から「ナス」図柄、「ナス」図柄、「BAR」図柄と並んで停止した場合には第2特殊役1入賞として、「ナス」図柄、「ナス」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合には第2特殊役2入賞として、「ナス」図柄、「ナス」図柄、「青年」図柄と並んで停止した場合には第2特殊役3入賞として、それぞれ15枚のメダル払出が行われる。加えて、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。
遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞とKB入賞がある。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止した場合又は「BAR」図柄が並んで停止した場合には、BB入賞として遊技状態がBBゲームに移行する。また、有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「BAR」図柄と並んで停止した場合には、KB入賞として遊技状態がKBゲームに移行する。但し、これら図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、BB入賞が成立した際には遊技状態がBBゲームに移行するのみであり、KB入賞が成立した際には遊技状態がKBゲームに移行するのみである。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
加えて、遊技状態がRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄の組合せ又は「BAR」図柄の組合せである。また、入賞を形成する各リール42L,42M,42Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第2特殊役1入賞を形成する第2特殊役1図柄は、左リール42Lと中リール42Mの「ナス」図柄、右リール42Rの「BAR」図柄である。したがって、例えば右リール42Rの「BAR」図柄は、役の抽選結果に応じてBB図柄,第2特殊役1図柄,KB図柄と言う場合がある。その他の図柄についても同様である。
次に、本実施の形態における通常処理について図33のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS1701では、メダルのベット数が最大数(すなわち3)に達しているか否かを判定する。最大数のメダルがベットされているときには、続いてステップS1702にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS1701,ステップS1702が共にYESの場合には、ステップS1703の抽選処理、ステップS1704のリール制御処理、ステップS1705のメダル払出処理、ステップS1706のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS1701に戻る。一方、ステップS1701にて最大数のメダルがベットされていない、またはステップS1702にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS1701に戻る。つまり、本実施の形態では、最大数のメダルがベットされた場合に限ってゲームを行うことが可能な構成となっている。
次に、ステップS1703の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。ここでは、理解を容易なものとするため、上記第1の実施の形態と同じ点について概略を説明し、相違する点について詳細を説明することとする。
ステップS701では、スロットマシン10の現在の設定状態や遊技状態に基づき、当否判定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。また、遊技状態は、通常ゲーム,BBゲーム,RBゲーム,KBゲームのいずれかであり、遊技状態に応じた抽選テーブルが選択される。
図34は、「設定1」の通常ゲームで選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、当否判定を行うべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共にポイント値PVが設定されている。すなわち、通常ゲームで選択される抽選テーブルには、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、第2特殊役1〜第2特殊役3、KB1〜KB3、BBの11種類の役について当否判定を行うよう、1〜11のインデックス値IVが設定されている。ここで、KB入賞成立となる図柄の組合せは図32に示すように1通りしか設定されていないにも関わらず、抽選テーブルにはKB1〜KB3の3つの役が当否判定を行う役として設定されている。これは、本実施の形態の場合、KB1〜KB3のいずれかに当選した場合に、KB入賞と、第2特殊役1入賞〜第2特殊役3入賞のいずれかとを成立させることが可能となっているからである。
抽選テーブルを選択した後、ステップS702〜ステップS707では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値と、抽選テーブルに設定されたポイント値PVとを用いて役の当否判定を行い、当選と判定した場合にはそのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをセットする。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBとKB1〜KB3に関する当否判定は行わない。
図34に示した抽選テーブルが選択された場合、各役の当選確率は、BBが約300分の1、再遊技当選確率が約7.3分の1、ベル当選確率が約10分の1、チェリー及びスイカ当選確率が128分の1、第2特殊役当選確率がそれぞれ約383分の1、KB当選確率がそれぞれ約383分の1である。さらにいうと、第2特殊役のいずれかに当選する確率は約128分の1であり、KBのいずれかに当選する確率も約128分の1である。
役の当否判定を行った後、ステップS708では、リール停止制御用のスベリテーブルを設定するスベリテーブル設定処理を行う。
スベリテーブル設定処理では、BB当選フラグがセットされていない場合、又はBB当選フラグのみがセットされている場合、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットし、前記第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットする。このとき、当選フラグと対応する図柄が左リール42Lについては上段又は下段のいずれかに停止するように、中リール42Mと右リール42Rについては中段に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図35に示すスベリテーブルは、KB3当選フラグがセットされている場合の第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、KB3に当選した場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。
かかるスベリテーブルにおいて、左リール42LのKB図柄たる「7」図柄は上段又は下段に停止するように設定されている。例えば、0番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lが2図柄分だけ滑って2番の「BAR」図柄が下段に停止し、4番の「7」図柄が上段に停止する。但し、「7」図柄は左リール42Lの4番の位置に1つ配置されているのみであるため、左ストップスイッチ72の押されたタイミングによっては「7」図柄が有効ライン上に停止しない場合がある。例えば、4番の「7」図柄が下段を通過して5番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止する。また、7番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分だけ滑って11番の「ベル」図柄が下段に停止し、第2特殊役3図柄たる11番の「ナス」図柄が上段に停止する。加えて、12番の「リプレイ」図柄又は13番の「ナス」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、第2特殊役3図柄たる13番の「ナス」図柄が下段に停止する。このように、かかるスベリテーブルでは、左リール42Lにおいて、KB図柄たる「7」図柄と第2特殊役3図柄たる「ナス」図柄が上段又は下段に停止するように設定されている。但し、左リール42Lには「7」図柄と同様「ナス」図柄も1つだけしか配置されていないため、左ストップスイッチ72の押されたタイミングによっては「7」図柄のみならず「ナス」図柄も上記各位置に停止しない場合がある。
中リール42Mの場合、KB図柄たる「7」図柄は中段に停止するように設定されている。これに加えて、第2特殊役3図柄たる「ナス」図柄も中段に停止するように設定されている。例えば、0番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mが3図柄分だけ滑って3番の「チェリー」図柄が下段に停止し、4番の「7」図柄が中段に停止する。また、4番の「7」図柄が下段に到達している際、すなわち「7」図柄が中段を通過した後のタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mが3図柄分だけ滑って7番の「ベル」図柄が下段に停止し、8番の「ナス」図柄が中段に停止する。
ここで、3番の「チェリー」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mを4図柄分滑らせれば8番の「ナス」図柄を中段に停止させることができるにも関わらず、中リール42Mは滑ることなく停止して4番の「7」図柄が中段に停止するように設定されている。つまり、KB3に当選した場合に最初にセットされるスベリテーブルでは、第2特殊役3図柄たる「ナス」図柄よりKB図柄たる「7」図柄が優先して中段に停止するように設定されている。或いは、KB図柄たる「7」図柄を中段に停止させることが不可能な場合、第2特殊役3図柄たる「ナス」図柄を中段に停止させることが可能であれば「ナス」図柄が中段に停止するように設定されているとも言える。さらにいうと、KB3に当選した場合には、KB入賞を優先して成立させることが可能となるように、KB入賞を成立させることが不可能な場合には第2特殊役3入賞を成立させることが可能となるようにスベリテーブルをセットしているとも言える。これは、KB3に当選した場合に限らず、KB1やKB2に当選した場合についても同様である。
右リール42Rについては、KB図柄たる「BAR」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば10番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは滑ることなくそのまま停止し、11番の「BAR」図柄が中段に停止する。また、6番の「スイカ」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは4図柄分だけ滑って10番の「スイカ」図柄が下段に停止し、11番の「BAR」図柄が中段に停止する。但し、右リール42Rには「BAR」図柄が1つだけしか配置されていないため、右ストップスイッチ74の押されたタイミングによっては「BAR」図柄が上記各位置に停止しない場合がある。かかる場合、第2特殊役3図柄たる「青年」図柄を中段に停止させることが可能であれば「青年」図柄が中段に停止するように設定されている。例えば、13番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは4図柄分だけ滑って17番の「チェリー」図柄が下段に停止し、18番の「青年」図柄が中段に停止する。このように、右リール42Rについては、KB図柄たる「BAR」図柄と第2特殊役3図柄たる「青年」図柄が中段に停止するように設定されている。但し、右リール42Rには、「BAR」図柄と同様「青年」図柄も1つだけしか配置されていない。したがって、右ストップスイッチ74の押されたタイミングによっては「BAR」図柄のみならず「青年」図柄も上記各位置に停止しない場合がある。
以上のとおり、KB3に当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルでは、KB図柄と第2特殊役3図柄が、左リール42Lについては上段又は下段に停止するように、中リール42Mと右リール42Rについては中段に停止するように設定されている。同様に、KB1に当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルでは、KB図柄と第2特殊役1図柄が、左リール42Lについては上段又は下段に停止するように、中リール42Mと右リール42Rについては中段に停止するように設定されており、KB2に当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルでは、KB図柄と第2特殊役2図柄が、左リール42Lについては上段又は下段に停止するように、中リール42Mと右リール42Rについては中段に停止するように設定されている。換言すれば、KB図柄は各KB当選フラグと対応付けられており、第2特殊役1図柄は、第2特殊役1当選フラグ及びKB1当選フラグと対応付けられており、第2特殊役2図柄は、第2特殊役2当選フラグ及びKB2当選フラグと対応付けられており、第2特殊役3図柄は、第2特殊役3当選フラグ及びKB3当選フラグと対応付けられていると言える。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、BB当選フラグと他の当選フラグがセットされている場合には、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットし、前記第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットする。
スベリテーブル設定処理を行った後、本実施の形態では、ステップS709〜ステップS711に示すチャレンジ演出設定処理に代えて、図36に示すナビ演出設定処理を行う。ここで、ナビ演出とは、第2特殊役1入賞〜第2特殊役3入賞のいずれかを成立させることが可能なことを報知する演出である。本実施の形態では、上述した通り、KB1〜KB3のいずれかに当選した場合に加えて、第2特殊役1〜第2特殊役3のいずれかに当選した場合にも第2特殊役入賞を成立させることが可能となる。そこで、上記各役のいずれかに当選した場合にナビ演出を行うことにより、第2特殊役1入賞〜第2特殊役3入賞のうちいずれの入賞を成立させるのか、KB当選時においてはKB入賞と第2特殊役入賞のいずれの入賞を成立させるのかを選択した上で実際の操作に臨むよう遊技者を促すことが可能となり、遊技の単調化を抑制することができる。
ナビ演出設定処理では、ステップS1801において、KB1当選フラグ〜KB3当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合にはステップS1802に進み、全ての第2特殊役入賞とKB入賞をナビさせるべくKBコマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、KBコマンドとは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、ナビ演出を開始させるべくスピーカ14や補助表示部15等の駆動制御を開始する。より具体的には、表示制御装置111は、各ストップスイッチ72〜74の操作が有効となる前までに、KBの入賞態様と各第2特殊役の入賞態様とを補助表示部15に表示させる。また、表示制御装置111は、KB図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作すればKB入賞を確実に成立させることができる一方、第2特殊役図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する場合には、右リール42Rの狙うべき第2特殊役図柄を間違えると入賞が成立しない旨の音声をスピーカ14から出力させる。
第2特殊役1当選フラグ〜第2特殊役3当選フラグのいずれかがセットされている場合(ステップS1801がNOの場合)にはステップS1803に進み、当選役と対応する第2特殊役入賞をナビさせるべく、当選役と対応する第2特殊役コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、第2特殊役コマンドとは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、ナビ演出を開始させるべくスピーカ14や補助表示部15等の駆動制御を開始する。より具体的には、表示制御装置111は、各ストップスイッチ72〜74の操作が有効となる前までに、今回のゲームで成立させることができる第2特殊役入賞を補助表示部15に表示させる。また、表示制御装置111は、補助表示部15に表示された第2特殊役図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作すれば第2特殊役入賞を成立させることができる旨の音声をスピーカ14から出力させる。
次に、ステップS1704のリール制御処理について説明する。リール制御処理では、スベリテーブル第2変更処理及び払出判定処理の一部が上記第1の実施の形態と異なっている。
上記第1の実施の形態におけるスベリテーブル第2変更処理では、ステップS1104にて特殊役1又は特殊役2に当選しているか否かを判定し、いずれかに当選している場合にはステップS1108にて特殊役当選時処理を行う構成としたが、本実施の形態では、KB1〜KB3のいずれかに当選しているか否かを判定し、いずれかに当選している場合には、特殊役当選時処理に代えて図37に示すKB当選時処理を行う。
KB当選時処理では、ステップS1901において、KB入賞の成立する可能性があるか否かを、下段に停止した停止図柄の図柄番号に基づいて判定する。すなわち、第1停止指令後のKB当選時処理では、KB図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定し、第2停止指令後のKB当選時処理では、KB図柄が有効ライン上に並んで停止しているか否かを判定する。KB入賞の成立する可能性がある場合にはステップS1902に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、KB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1901にてKB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1903に進み、第2特殊役入賞の成立する可能性があるか否かを、下段に停止した停止図柄の図柄番号に基づいて判定する。すなわち、第1停止指令後のKB当選時処理では、第2特殊役図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定し、第2停止指令後のKB当選時処理では、第2特殊役図柄が有効ライン上に並んで停止しているか否かを判定する。第2特殊役入賞の成立する可能性がある場合にはステップS1904に進み、成立する可能性のある第2特殊役入賞が当選役と対応しているか否かを判定する。例えば、第2特殊役3入賞の成立する可能性がある場合、KB3に当選しているか否かを判定する。当選役と対応している場合にはステップS1905に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、成立させるべき第2特殊役入賞と対応する第2特殊役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、第2特殊役入賞用スベリテーブルとは、当選フラグと対応する第2特殊役図柄の停止可能な位置が複数設定されると共に、前記第2特殊役図柄がKB図柄より優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブル、すなわち第2特殊役1〜第2特殊役3のいずれかに当選した場合にセットされるスベリテーブルである。
つまり、第2特殊役に当選している場合のみならずKBに当選している場合にも、KB入賞ではなく第2特殊役入賞を成立させることが可能であれば、スベリテーブルを第2特殊役入賞用スベリテーブルに変更する。換言すれば、KBのいずれかに当選している状況下において、KB入賞を成立させることができず、当選役と対応する第2特殊役入賞を成立させることが可能な場合、KB入賞を優先的に成立させる停止制御から第2特殊役入賞を優先的に成立させる停止制御に変更するとも言える。
ステップS1903にて第2特殊役入賞の成立する可能性がないと判定した場合、又はステップS1904にて成立する可能性のある第2特殊役入賞が当選役と対応していないと判定した場合には、ステップS1906に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、外れ用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ちなみに、本実施の形態では、右リール42Rの「BAR」図柄がKB図柄としてのみならず第2特殊役1図柄としても対応付けられている。KB1に当選している状況下で右ストップスイッチ74が最初に操作され、右リール42Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合、KB当選時処理ではステップS1901にて肯定判定を行い、ステップS1902にてKB入賞用スベリテーブルに変更する。このような処理を行うことからも、KB当選時には第2特殊役入賞よりKB入賞が優先して成立するようにリールの停止制御を行っていると言える。
全リール42L,42M,42Rを停止させた後に行う払出判定処理では、ステップS1402にて再遊技入賞と小役入賞のいずれも成立していないと判定した場合、ステップS1409〜ステップS1413の処理に代えて図38に示すKB判定処理を行う。
KB判定処理では、ステップS2001にてKB入賞が成立したか否かを判定する。KB入賞が成立している場合にはステップS2002に進み、各KB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。各KB当選フラグのいずれもセットされていない場合には、ステップS2003にてスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。その後、ステップS2004では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、リセットスイッチ123が操作されるまで待機する。リセットスイッチ123が操作された場合には、エラー状態から復帰してそれ以降の処理を開始すべくステップS2005に進む。
ステップS2002にて各KB当選フラグのいずれかがセットされていると判定した場合、又はステップS2004にてエラー状態から復帰した場合には、ステップS2005に進み、遊技状態をKBゲームに移行させるべくKB開始処理を行い、本処理を終了する。KB開始処理では、KB設定フラグをセットして特別遊技状態の1種であるKBゲームとする。また、KBゲームの残りゲーム数をカウントするための残KBゲームカウンタに1をセットする。
ここで、KBゲームについて簡単に説明する。KBゲームとは、上述した抽選処理にてKBゲーム専用に設定されたKBゲーム用抽選テーブルが選択され、この抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われるゲームである。そして、KBゲームは、所定回数(本実施形態では1回)のゲームが行われたことを以って終了する。
図39は、KBゲーム下で選択されるKBゲーム用抽選テーブルである。KBゲーム用抽選テーブルには、通常ゲーム下で選択される抽選テーブル(以下、「通常ゲーム用抽選テーブル」と言う)と異なり、再遊技、KB1〜KB3、BBが当否判定を行うべき役として設定されていない。また、チェリー,ベル,スイカのポイント値PVは、通常ゲーム用抽選テーブルの各ポイント値PVに対して2倍の値が設定されており、第2特殊役1〜第2特殊役3のポイント値PVは、通常ゲーム用抽選テーブルの設定値がそれぞれ171であるのに対して6498と非常に高く設定されている。したがって、KBゲームに移行すると、小役に当選する確率が通常ゲーム下で小役に当選する確率より高くなる。ちなみに、KBゲームに移行した場合、ベルには約5分の1の確率で当選し、チェリーとスイカにはそれぞれ64分の1の確率で当選し、第2特殊役1〜第2特殊役3にはそれぞれ約10分の1の確率で当選する。
次に、ステップS1705のメダル払出処理について説明する。メダル払出処理では、RTゲーム中に行うRTゲーム処理(ステップS1510〜ステップS1514、図29参照)に代えて、図40に示すKBゲーム処理を行う。
KBゲーム処理では、ステップS2101において、KBゲーム中か否かをKB設定フラグの有無に基づいて判定する。KB設定フラグがセットされていない場合にはそのまま本処理を終了し、KB設定フラグがセットされている場合にはステップS2102に進む。ステップS2102では残KBゲームカウンタの値を1減算し、ステップS2103にてKB設定フラグをクリアする等のKBゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1706のボーナスゲーム処理については、上記第1の実施の形態と同じため説明を省略する。
次に、本実施の形態では、各リール42L,42M,42Rに付されたKB図柄と第2特殊役図柄の位置関係に特徴を有するので、その特徴部分について図30を参照しながら説明する。
左リール42Lと中リール42Mには、KB入賞となる図柄の組合せを形成する「7」図柄が4番の位置に1つだけ配置されている。リールは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、KB当選フラグのいずれかがセットされている場合であっても、ストップスイッチ72,73の操作タイミングによっては「7」図柄が有効ライン上に停止せずに取りこぼしが発生する。ちなみに、「7」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、0番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから4番の「7」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間にストップスイッチ72,73を操作する必要がある。但し、本実施の形態のように、表示窓31Lから3個の図柄が視認可能であって各位置について有効ラインが設定される構成においては、19番の図柄(左リール42Lにおいては「ベル」図柄、中リール42Mにおいては「リプレイ」図柄)が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72,73が操作されたとしても、4番の「7」図柄を上ライン上に停止させることができる。
左リール42Lには、各第2特殊役入賞となる図柄の組合せを形成する「ナス」図柄が13番の位置に1つだけ配置されている。リールは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、KB当選フラグ又は第2特殊役当選フラグのいずれかがセットされている場合であっても、左ストップスイッチ72の操作タイミングによっては「ナス」図柄が有効ライン上に停止せずに取りこぼしが発生する。ちなみに、「ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、9番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから13番の「ナス」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。但し、本実施の形態のように、表示窓31Lから3個の図柄が視認可能であって各位置について有効ラインが設定される構成においては、7番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作されたとしても、13番の「ナス」図柄を上ライン上に停止させることができる。
ここで、左リール42Lにおいて、「7」図柄と「ナス」図柄との間には他の図柄が8図柄配置されており、「ナス」図柄と「7」図柄との間には他の図柄が11図柄配置されている。したがって、「7」図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合には、「7」図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない。つまり、KBのいずれかに当選している状況下において、第2特殊役入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合にはKB入賞を成立させることができず、KB入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には第2特殊役入賞を成立させることができない。さらにいうと、左リール42Lには、4番〜9番の位置に、「7」図柄、「スイカ」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「チェリー」図柄が配置されている。換言すれば、左リール42Lには、6図柄の範囲内に第2特殊役入賞以外の入賞を形成する図柄の配置された区間が形成されているとも言える。したがって、4番の「7」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72を操作すれば、各第2特殊役入賞以外の入賞を成立させることが可能となる。一方、「ナス」図柄を含む6図柄の範囲内には、「スイカ」図柄と「7」図柄が配置されていない。したがって、「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ72を操作した場合には、KB入賞に加えてスイカ入賞も成立させることができない。
中リール42Mには、各第2特殊役入賞となる図柄の組合せを形成する「ナス」図柄が8番の位置に1つだけ配置されている。リールは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、KB当選フラグ又は第2特殊役当選フラグのいずれかがセットされている場合であっても、中ストップスイッチ73の操作タイミングによっては「ナス」図柄が有効ライン上に停止せずに取りこぼしが発生する。ちなみに、「ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、4番の「7」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから8番の「ナス」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。また、本実施の形態のように、表示窓31Mから3個の図柄が視認可能であって各位置について有効ラインが設定される構成においては、2番の「リベル」図柄が下ライン上に到達したタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたとしても、8番の「ナス」図柄を上ライン上に停止させることができる。
ここで、中リール42Mにおいて、「7」図柄と「ナス」図柄との間には他の図柄が3図柄配置されており、「ナス」図柄と「7」図柄との間には他の図柄が16図柄配置されている。第2特殊役当選フラグのいずれかがセットされている状況下で「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させる場合には、上述したタイミングで中ストップスイッチ73を操作することにより「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることができる。一方、KB当選フラグのいずれかがセットされている状況下で中ストップスイッチ73を最初に操作し、「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させる場合には、5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから8番の「ナス」図柄が下ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。KBに当選した場合のスベリテーブル設定処理では、第2特殊役図柄よりKB図柄を優先して有効ライン上に停止させるスベリテーブルをセットするためである。
右リール42Rには、KB入賞となる図柄の組合せを形成する「BAR」図柄が11番の位置に1つだけ配置されている。リールは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、KB当選フラグのいずれかがセットされている場合であっても、右ストップスイッチ74の操作タイミングによっては「BAR」図柄が有効ライン上に停止せずに取りこぼしが発生する。ちなみに、「BAR」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、7番の「ベル」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから11番の「BAR」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。但し、本実施の形態のように、表示窓31Rから3個の図柄が視認可能であって各位置について有効ラインが設定される構成においては、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達したタイミングで右ストップスイッチ74が操作されたとしても、11番の「BAR」図柄を上ライン上に停止させることができる。
ここで、右リール42Rの「BAR」図柄は、第2特殊役1入賞となる図柄の組合せを形成する図柄でもある。したがって、第2特殊役1当選フラグがセットされている場合にも、上述したタイミングで右ストップスイッチ74を操作すれば、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることができる。
右リール42Rには、第2特殊役2入賞となる図柄の組合せを形成する「7」図柄が4番の位置に1つだけ配置されている。リールは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、KB2当選フラグ又は第2特殊役2当選フラグがセットされると共に押し順に正解している場合であっても、右ストップスイッチ74の操作タイミングによっては「7」図柄が有効ライン上に停止せずに取りこぼしが発生する。ちなみに、「7」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、0番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから4番の「7」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。但し、本実施の形態のように、表示窓31Rから3個の図柄が視認可能であって各位置について有効ラインが設定される構成においては、19番の「ベル」図柄が下ライン上に到達したタイミングで右ストップスイッチ74が操作されたとしても、4番の「7」図柄を上ライン上に停止させることができる。
右リール42Rには、第2特殊役3入賞となる図柄の組合せを形成する「青年」図柄が18番の位置に1つだけ配置されている。リールは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、KB3当選フラグ又は第2特殊役3当選フラグがセットされている場合であっても、右ストップスイッチ74の操作タイミングによっては「青年」図柄が有効ライン上に停止せずに取りこぼしが発生する。ちなみに、「青年」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、14番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから18番の「青年」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。但し、本実施の形態のように、表示窓31Rから3個の図柄が視認可能であって各位置について有効ラインが設定される構成においては、12番の「ベル」図柄が下ライン上に到達したタイミングで右ストップスイッチ74が操作されたとしても、18番の「青年」図柄を上ライン上に停止させることができる。
第2特殊役1入賞を形成する「BAR」図柄と第2特殊役2入賞を形成する「7」図柄との間には他の図柄が6図柄配置されており、第2特殊役2入賞を形成する「7」図柄と第2特殊役3入賞を形成する「青年」図柄との間には他の図柄が6図柄配置されており、第2特殊役3入賞を形成する「青年」図柄と第2特殊役1入賞を形成する「BAR」図柄との間には他の図柄が6図柄配置されている。したがって、いずれかの第2特殊役図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合には、他の第2特殊役図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない。例えば、第2特殊役1図柄たる「BAR」図柄をいずれかの有効ライン上に到達させるためには、第2特殊役2図柄たる「7」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで右ストップスイッチ74を操作しなければならない。また、KB2当選フラグ又はKB3当選フラグがセットされている状況下において、対応する第2特殊役図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合には、KB図柄たる「BAR」図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
KBに当選した場合、第2特殊役入賞が成立すればメダルの払出が行われ、KB入賞が成立すれば遊技状態がKBゲームに移行する。このように、1つの役に当選した場合であっても各リール42L,42M,42Rの停止結果によって付与される特典が変化する構成とすることにより、役の抽選結果に基づいて各リール42L,42M,42Rの停止制御を行うスロットマシン10において、各リール42L,42M,42Rの停止結果を多様化させることが可能となる。役の当否と各リール42L,42M,42Rの停止結果が一義的に対応していないからである。故に、繰り返し行われる遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
KBに当選した場合に有利度合いの異なる特典が付与され得る構成とすることにより、遊技者にいずれの特典付与を受けるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するのかを選択させることが可能となり、遊技に積極参加できるというスロットマシンの特徴が繰り返し行われる遊技の中で希薄化することを抑制することができる。また、一方の特典をメダル払出が行われる特典、他方の特典をメダル払出が行われることなく遊技状態が移行される特典とすることにより、付与される特典に明確な差異を設けることが可能となる。故に、いずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかの選択を遊技者により強く促すことが可能となる。
ここで、KBに当選した場合における第2特殊役入賞とKB入賞の有利度合いの差について説明する。第2特殊役入賞を成立させた場合には、KBに当選したゲームで15枚のメダル払出が行われる。1回のゲームにつき3枚のメダルをベットする必要があるため、第2特殊役入賞を成立させた場合、遊技者は自己の所有するメダルを12枚増加させることができる。一方、KB入賞を成立させた場合には、KBに当選したゲームでメダル払出が行われないものの、次ゲームの遊技状態がKBゲームに移行する。KBゲームに移行すると、通常ゲームより高確率で小役に当選する。KBゲーム下におけるメダル払出の理論上の期待値は約7枚である。したがって、KBに当選している状況下で遊技者がKB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合、理論上の期待値として約7枚のメダル払出を期待でき、2ゲーム行うことで6枚のメダルをベットすることから、遊技者は約1枚のメダル増加を期待することができる。したがって、KB当選となった場合には、KB入賞を成立させるより第2特殊役入賞を成立させた方が遊技者にとって有利度合いが大きいと言える。
さらにいうと、右リール42Rには3種類の第2特殊役図柄が配置されており、各第2特殊役図柄は、いずれかの第2特殊役図柄を有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ74を操作すると他の第2特殊役図柄が有効ライン上に到達しないよう、それぞれが離間して配置されている。KB当選時におけるナビ演出ではいずれの第2特殊役入賞を成立させることができるのかが報知されないため、遊技者が第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合、実際に第2特殊役入賞を成立させることができる確率は3分の1である。したがって、KBに当選している状況下で遊技者が第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合、理論上の期待値として5枚のメダル払出を期待でき、遊技者は2枚のメダル増加を期待することができる。つまり、狙うべき図柄が正解しなかった場合を考慮しても、KBに当選した場合には、KB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するより第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した方が遊技者にとって有利度合いが大きいと言える。
ところで、遊技者は、自己の所有するメダルが増加することを期待しながら遊技を行うことが一般的である。このため、KB当選の際にはKB入賞より第2特殊役入賞の成立を期待して遊技を行うものと考えられる。ところが、所定タイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作すればKB入賞を成立させることができるようにKB図柄が各リール42L,42M,42Rに配置される一方、右リール42Rには、第2特殊役1図柄としての「BAR」図柄と、第2特殊役2図柄としての「7」図柄と、第2特殊役3図柄としての「青年」図柄が、いずれかの第2特殊役図柄を狙って右ストップスイッチ74を操作した場合には他の第2特殊役図柄を有効ライン上に停止させることができないようそれぞれが離間して配置されている。したがって、KB1〜KB3のいずれかに当選した場合には、当選したKB役と対応する第2特殊役図柄を狙って右ストップスイッチ74を操作しなければ第2特殊役入賞が成立しない構成となっている。つまり、KB入賞を成立させる場合には各ストップスイッチ72〜74を所定タイミングで操作すれば良い一方、第2特殊役入賞を成立させるためにはKB1〜KB3のいずれに当選したのかを考慮しなければならない。故に、第2特殊役入賞を成立させるためには図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する技量に加えてKB1〜KB3のいずれに当選したかに正解するという遊技者の運の要素が加わることとなる。以上の結果、運とは無関係に自己の技量次第で入賞を成立させることができるKB入賞と、自己の技量に加えて運が必要となる第2特殊役入賞のいずれを成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者に状況等に応じて選択させることが可能となり、遊技の単調化を好適に抑制することができる。例えば、自己の所有するメダルが残り少ない状況下で確実に入賞を成立させたい場合であればKB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作し、多くのメダルを有する状況下でさらなるメダルの獲得を目指すのであれば第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するというように、遊技者がその時の状況に応じていずれの入賞成立を目指すのかを選択することができる。
左リール42Lと中リール42Mでは、「ナス」図柄を各第2特殊役図柄として対応付けることにより、右リール42Rを停止させるまで第2特殊役入賞が成立することに対する期待感を持続させることが可能となる。故に、遊技の単調化を好適に抑制することができる。また、全リール42L,42M,42Rにおいて第2特殊役図柄として対応付けられた図柄が異なる構成と比して、これらリール42L,42Mに関する図柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。さらに、かかる構成においては、左リール42Lと中リール42Mに関して、第2特殊役入賞用スベリテーブルの共用化を図ることが可能となる。故に、予め用意するスベリテーブル数の削減を図ることが可能となり、主制御装置131の記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。
当否判定を行う役としてKB1〜KB3の3種類のKB役を設定する一方、いずれに当選した場合であっても有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「BAR」図柄と並んで停止した場合にはKB入賞成立となる構成とすることにより、第2特殊役入賞より有利度合いの小さな特典が付与されるKB入賞を成立させることを選択したにも関わらず取りこぼしが発生してしまう機会を低減させることが可能となる。
KB入賞成立となる図柄の組合せを1通りのみ設定する一方で当否判定を行う役としてKB1〜KB3の3種類のKB役を設定し、各KB役と各第2特殊役入賞とを一義的に対応付ける構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。確かに、KB当選となった場合に第2特殊役の当否判定を重ねて行う構成、すなわちKB当選時にいずれの第2特殊役入賞を成立させることが可能となるかをさらなる当否判定を行って決定する構成としても、1回のゲームにおいてKB入賞と第2特殊役入賞が成立し得る状況を作り出すことが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、役の当否判定を繰り返し行う必要が生じ、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することとなる。一方、KB1〜KB3のいずれかに当選すればKB入賞と第2特殊役入賞が成立し得る本スロットマシン10の場合、1回の役の当否判定でKB入賞と第2特殊役入賞が成立し得る状況となるため、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。
右リール42Rの「BAR」図柄を、KB図柄としてのみならず第2特殊役1図柄として対応付けることにより、本実施の形態のように第2特殊役入賞を3種類備えた構成としても、右リール42Rにおける図柄配列の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。例えば、各第2特殊役図柄をそれぞれ異なる図柄と対応付けると共に、KB図柄を各第2特殊役図柄と異なる図柄と対応付けた場合、1つのリールにつき21個の図柄が配置された構成においては、KB図柄と各第2特殊役図柄を等間隔に配置するにあたって4図柄又は5図柄離間させてしか前記図柄を配置することができない。これは、表示窓から3個の図柄が視認可能であって各位置に有効ラインが設定される場合、KB図柄と各第2特殊役図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるべくストップスイッチを操作した際に他のKB図柄又は各第2特殊役図柄いずれかを有効ライン上に停止させることが可能となる。これは、いずれの図柄を狙ってストップスイッチを操作するかを遊技者に選択させるという特徴的構成が希薄化することに繋がり得る。また、かかる懸念を解消すべく、1つのリールにつき22個以上の図柄を配置する構成とした場合には、各図柄の視認性が低下することに繋がり、リールの停止制御によってKB図柄又は各第2特殊役図柄のいずれか1つのみを有効ライン上に停止させることが可能な構成とした場合には、停止制御に関わるプログラムが複雑化することに繋がり得る。一方、右リール42Rの「BAR」図柄を、KB図柄としてのみならず第2特殊役1図柄として対応付けた本構成においては、KB図柄と第2特殊役2図柄,第2特殊役3図柄をそれぞれ6図柄ずつ離間して配置することが可能となり、上記各懸念を生じさせることなく遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。
左リール42Lと中リール42Mについてはいずれの第2特殊役も同じ図柄、すなわち「ナス」図柄を対応付け、右リール42Rについては第2特殊役毎に異なる図柄を対応付けることにより、第2特殊役入賞としてそれぞれ個別の図柄の組合せが対応付けられる構成とした。かかる場合、左リール42Lと中リール42Mの第2特殊役図柄を有効ライン上に停止させるための第2特殊役入賞用スベリテーブルを第2特殊役毎に用意する必要がない。故に、予め用意するスベリテーブル数の削減を図ることが可能となり、主制御装置131の記憶容量が増大化することを抑制することが可能となる。
第2特殊役のいずれかに当選した場合には、今回のゲームで成立させることができる第2特殊役入賞をナビ演出にて報知する構成とした。かかる構成とすることにより、第2特殊役毎に異なる図柄の組合せが対応付けられた構成においても遊技者の優位性を確保することが可能となる。例えば、第2特殊役入賞成立となる図柄の組合せが3通りある場合、ナビ演出にて正解となる入賞態様がナビされなければ、どの図柄を狙うのかを3通りの中から遊技者が選択する必要が生じる。これは、狙うべき図柄の間違いに伴う取りこぼしの発生が生じ、第2特殊役入賞を成立させることが可能な状況下における入賞成立率の低下に繋がる。入賞成立率の低下は、第2特殊役入賞を成立させようという遊技意欲の減退に繋がりかねない。一方、第2特殊役当選時に入賞態様をナビする構成においては、遊技者がナビ演出に基づいて各ストップスイッチ72〜74を操作すれば第2特殊役入賞を成立させることができる。故に、前記懸念を解消することができ、遊技者の優位性を確保することが可能となる。
KBに当選した場合、当該結果を教示するナビ演出が行われる。かかる構成とすることにより、KBに当選した場合にKB入賞と第2特殊役入賞のいずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するのかを選択した上で実際の操作に臨むよう遊技者を促すことが可能となり、遊技の単調化を抑制することができる。また、KB1〜KB3のいずれに当選したのかは報知しない構成とすることにより、第2特殊役入賞を成立させる場合に右リール42Rのどの第2特殊役図柄を狙って右ストップスイッチ74を操作するかを考慮させることが可能となる。故に、遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。さらにいうと、複数のKBを設定すると共に狙うべき図柄を正解させなければ第2特殊役入賞を成立させることができないという特徴的構成を折角用意したにも関わらずかかる構成が無駄なものとなってしまうことを回避することが可能となる。仮にいずれのKBに当選したのかや今回のゲームで成立させることができる第2特殊役入賞を教示する構成とした場合、対応する第2特殊役入賞とKB入賞のいずれを成立させるかを選択するのみとなり、より多くのメダルを獲得することを期待する遊技者は、ほぼ第2特殊役入賞を成立させることを選択するものと考えられるからである。
右リール42Rの「BAR」図柄をBB,第2特殊役1,KBと対応付けることにより、前記各役のいずれかに当選した状況下で右リール42Rを停止させる際にセットされるスベリテーブルの共用化を図ることが可能となり、主制御装置131の記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
第2特殊役入賞のみを成立させることが可能となる第2特殊役を設定することにより、狙うべき第2特殊役図柄を考慮しながら右ストップスイッチ74を操作するという遊技が無駄なものとなってしまうことを回避できる。例えば、自己の運を信じることができない遊技者であれば、KB当選となった状況下において、確実に入賞を成立させることが可能なKB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作し、第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作しない可能性が考えられる。これは折角用意したどの図柄を狙って右ストップスイッチ74を操作するのか遊技者に選択させるという遊技が無駄なものとなってしまうことに繋がり得る。しかしながら、第2特殊役入賞のみを成立させることが可能な第2特殊役を設定した場合、少なくとも第2特殊役に当選した場合には前記遊技を遊技者に行わせることができる。また、第2特殊役当選時に第2特殊役入賞を成立させることができた場合、KB当選時にKB入賞ではなく第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作しようという意欲を駆り立たせることも可能となる。故に、どの図柄を狙うのかを考慮しながらストップスイッチ72〜74を操作するという遊技が無駄なものとなってしまうことを回避できる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第2の実施の形態では、左リール42Lと中リール42Mの「ナス」図柄を各第2特殊役図柄として対応付ける一方、右リール42Rについては「BAR」図柄を第2特殊役1図柄として対応付け、「7」図柄を第2特殊役2図柄として対応付け、「青年」図柄を第2特殊役3図柄として対応付ける構成とした。つまり、左リール42Lと右リール42Rでは各第2特殊役図柄を同じ図柄と対応付けると共に右リール42Rでは各第2特殊役図柄を互いに異なる図柄と対応付ける構成としたが、少なくとも1つのリールにおいて各第2特殊役図柄を互いに異なる図柄と対応付ける構成であればよい。したがって、全リール42L,42M,42Rにおいて各第2特殊役図柄を互いに異なる図柄と対応付ける構成としてもよいし、中リール42Mと右リール42Rにおいて各第2特殊役図柄を互いに異なる図柄と対応付ける構成としてもよい。前者の構成においては全リール42L,42M,42Rが規定周回体に相当し、後者の構成においては中リール42Mと右リール42Rが規定周回体に相当する。
(b)上記第2の実施の形態では、KB当選時に今回のゲームで成立させることが可能な第2特殊役入賞がいずれであるかをナビしない構成としたが、KB当選時に今回のゲームで成立させることが可能な第2特殊役入賞がいずれであるかをナビする構成としても良い。また、KBに当選した場合の所定確率で今回のゲームで成立させることが可能な第2特殊役入賞がいずれであるかをナビする構成や、BBゲームが終了してから所定回数のゲームが行われるまでにKBに当選すれば今回のゲームで成立させることが可能な第2特殊役入賞がいずれであるかをナビする構成とすることも可能である。すなわち、所定条件が成立した場合に、今回のゲームで成立させることが可能な第2特殊役がいずれであるかをナビする構成としても良い。第2特殊役に当選した場合についても同様であることは言うまでもない。
(c)上記第2の実施の形態では、KBゲームに移行した場合、各小役の当選確率が通常ゲームと比して高確率に変更される構成としたが、通常ゲームと比して遊技者の有利度合いが大きくなるのであればその構成は任意である。したがって、例えば通常ゲーム用抽選テーブルの各小役と対応するポイント値PVに1加算されたポイント値PVが各小役に設定された抽選テーブルをKBゲームで選択する構成としても良い。
また、KBゲームに移行すると約1.00分の1でベル等の取りこぼしが発生しない役に当選する構成とし、入賞成立となった場合には最大枚数(すなわち15枚)のメダル払出が行われる構成としても良い。かかる構成とした場合には、2回のゲームを行って15枚のメダル払出が行われることとなるため、KB入賞を成立させた場合に9枚のメダル増加を期待できることとなる。
(d)KB当選時に今回のゲームで成立させることが可能な第2特殊役入賞がいずれであるかをナビする構成とすると共に、KB入賞を成立させた場合には次回のゲームでほぼ15枚のメダル払出が行われる構成としても良い。かかる構成とした場合、第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した際に右リール42Rの狙うべき図柄を間違えることがないため、第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合のメダル増加に関する理論上の期待値は12枚となる。また、KB入賞を成立させた場合には、2回のゲームを行って15枚のメダル払出が行われることとなるため、KB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合のメダル増加に関する理論上の期待値は9枚となる。
(e)上記第2の実施の形態では、KB当選となった状況下において、第2特殊役入賞を成立させた方がKB入賞を成立させるより遊技者の有利度合いが大きく、且つ、第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した方がKB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合より遊技者の有利度合いが大きい構成としたが、KB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した方が第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合より遊技者の有利度合いが大きい構成としても良い。すなわち、実際に入賞を成立させた場合の有利度合いは第2特殊役入賞を成立させた方が大きく、入賞が成立しなかった場合も含めた理論上の期待値における有利度合いはKB入賞を成立させた方が大きい構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、上記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。一度に多くのメダルを獲得したい状況であれば第2特殊役入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作し、少しずつでもメダルを獲得していきたい状況であればKB入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作すると考えられるからである。
(f)上記第2の実施の形態では、中リール42Mにおいて、KB図柄たる「7」図柄と第2特殊役図柄たる「ナス」図柄との間に他の図柄を3図柄配置する構成としたが、左リール42Lと同様、他の図柄を6図柄以上配置する構成としても良い。かかる構成とすれば、KB図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73が操作された場合には第2特殊役図柄がいずれの有効ライン上にも停止せず、第2特殊役図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73が操作された場合にはKB図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない構成とすることができる。故に、KB入賞用スベリテーブルと第2特殊役入賞用スベリテーブルの共用化を図ることが可能となり、主制御装置131に予め記憶させるスベリテーブルのデータ量を低減させることが可能となる。
(g)上記第2の実施の形態では、いずれの第2特殊役入賞が成立した場合であっても15枚のメダル払出が行われる構成とした。つまり、第2特殊役入賞間には有利度合いの差異を設けない構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、第2特殊役入賞間に有利度合いの差異を設ける構成としてもよい。
(h)上記第2の実施の形態では、各リール42L,42M,42Rの図柄配列を、所定のタイミングでストップスイッチ72〜74を操作しなければKB図柄が有効ライン上に停止しないのみならず第2特殊役図柄も有効ライン上に停止しない図柄配列としたが、かかる構成に限定されるものではなく、所定のタイミングでストップスイッチ72〜74を操作しなければKB図柄が有効ライン上に停止しない構成であればよい。例えば、左リール42Lには、KB図柄としての「7」図柄を4番の位置に1つだけ配置する一方、各第2特殊役図柄としての「ナス」図柄をその図柄間隔が4図柄以下となるように配置する構成とする。かかる構成の場合には、「7」図柄をいずれの有効ライン上にも到達させることが不可能なタイミング、すなわち19番の「ベル」図柄が下段に到達してから4番の「7」図柄が下段に到達するまで以外のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させる構成とすれば、上記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(i)上記第2の実施の形態では、KB図柄と第2特殊役図柄の間に「ベル」図柄等の他の図柄を配置することによってKB図柄と第2特殊役図柄を離間させる構成としたが、KB図柄と第2特殊役図柄の間に1図柄相当のブランク領域を所定数配置することによってKB図柄と第2特殊役図柄を離間させてもよい。例えば、左リール42Lの4番の位置に「7」図柄を配置すると共に13番の位置に「ナス」図柄を配置し、5番の位置から12番の位置までは図柄を非配置とする。かかる構成においても、上記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(j)上記第2の実施の形態では、各リール42L,42M,42RにKB図柄と第2特殊役図柄をそれぞれ1つずつ配置する構成としたが、配置する数は任意である。但し、配置する数を多くすればその他の図柄を配置する際の制約や各図柄を配置可能な位置の制約が増加することとなり、図柄配列に関する設計自由度の低下が懸念されることとなる。
(k)上記各実施の形態では、各リール42L,42M,42Rの回転を開始させた後、いずれかのストップスイッチ72〜74が操作された場合に対応するリール42L,42M,42Rを停止させる構成としたが、これに加えて、各リール42L,42M,42Rの回転を開始させてから所定時間(例えば29.5秒)が経過した場合に回転中のリールを停止させる構成としても良い。
(l)上記各実施の形態では、再遊技に当選すると再遊技当選フラグがセットされるというように、セットされる当選フラグと役の名称を対応付けて説明したが、成立可能な入賞態様と役の名称を対応付けても良いことは言うまでもない。例えば、上記第2の実施の形態においては、KB当選フラグがセットされるKB役と説明したが、KB入賞と第2特殊役入賞とを成立させることが可能な観点からKB+第2特殊役と説明しても同様なことは明らかである。
(m)上記各実施の形態では、払出判定処理において小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、次ゲームが開始される前までに小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成であればよい。したがって、例えばメダル払出処理の終了後に小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成としてもよいし、次ゲームを開始させるべくメダルが投入された場合に小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成としてもよい。つまり、スタートレバー71の有効操作(メダルベット後の操作)が行われる前までに小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成であればよい。
(n)上記各実施の形態では、主制御装置131のRAM153に形成されたスベリテーブル格納エリアにスベリテーブルをセットする構成としたが、参照すべきスベリテーブルを導出し得るアドレス情報等を記憶させる構成としても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(o)上記各実施の形態では、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下段に到達している図柄と、下段に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としたが、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下段に到達している図柄と、上段に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としてもよい。かかる構成にあっても、上段に実際に停止する図柄から下段に停止する図柄を一義的に導くことが可能だからである。つまり、スベリテーブルは、ストップスイッチ72〜74が操作された際に基点位置に到達している図柄と、前記基点位置に実際に停止する図柄との関係を定めることが可能な構成であればよい。
(p)上記各実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与及びメダル払出に相当する。
(q)上記各実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(r)上記各実施の形態では、BB入賞やRT入賞が成立した場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。KB入賞が成立した場合についても同様である。
(s)上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(t)上記各実施の形態では、表示窓31L,31M,31Rからそれぞれ3個の図柄が視認可能であって、これら図柄の視認可能な各位置に有効ラインを設定する構成としたが、一部の位置にのみ有効ラインを設定する構成としてもよい。例えば、表示窓31L,31M,31Rから5個の図柄がそれぞれ視認可能であって、中央とその上下の3図柄が視認可能な位置に有効ラインを設定する構成としてもよい。
また、有効ラインを設定される位置数がリール毎に異なる構成であってもよい。例えば、表示窓から各リール3個ずつの図柄が視認可能な構成において、左リールについては上段が、中リールについては上段、中段、下段の全てが、右リールについては上段と下段が有効ラインを設定される位置とする。そして、各リールの上段を結ぶ第1組合せラインと、左リール上段,中リール上段,右リール下段を結ぶ第2組合せラインと、左リール上段,中リール中段,右リール上段を結ぶ第3組合せラインと、左リール上段,中リール中段,右リール下段を結ぶ第4組合せラインと、左リール上段,中リール下段,右リール下段を結ぶ第5組合せラインと、の5本の組合せラインのいずれかがベットされたメダル数に応じて有効ラインとして設定される構成とする。これら構成としても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(u)上記各実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(v)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(w)上記各実施の形態では、ベットされたメダル数に応じて設定される有効ライン数が変化するスロットマシン10について説明したが、ベットされたメダル数に関わらず一定数(例えば5本)の有効ラインを設定するスロットマシンに適用してもよい。かかるスロットマシンに適用した場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(x)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。